JP3220109B2 - 熱伝達コネクタ - Google Patents

熱伝達コネクタ

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JP3220109B2
JP3220109B2 JP08545399A JP8545399A JP3220109B2 JP 3220109 B2 JP3220109 B2 JP 3220109B2 JP 08545399 A JP08545399 A JP 08545399A JP 8545399 A JP8545399 A JP 8545399A JP 3220109 B2 JP3220109 B2 JP 3220109B2
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文雄 成井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子機器や産業機械
等に使用されるコネクタに関し、さらに詳しくは熱を集
熱、移送する熱移送装置等に用いられて熱の伝達を行う
熱伝達コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器や産業機械等の装置内部には、
局部的に熱を発し、または局部的に吸熱する構成部材を
持つものがあり、これ等装置では発熱体の過熱による障
害や吸熱体の過冷却による障害(例えば当該発熱体や吸
熱体自身及びその周辺に配置される装置の動作不良や損
傷など)を防止するため、これ等発熱体や吸熱体(以下
「発熱体等」という。)の発生する熱を放熱する放熱手
段を備え、発熱体等の熱を放熱させて作動させる構成を
有するものが多い。
【0003】例えば、コンピュータにはCPU(MPU)
をはじめとしてメモリやハードディスクドライブ等の発
熱体が数多く搭載されており、これらを安定動作させる
ために発熱体から筐体やキーボード等に伝導伝熱させて
自然空冷により放熱させ、また小型ファンを設けて強制
空冷により放熱させる構成が用いられてきた。
【0004】しかし、近年ではマイクロプロセッサの高
性能化やモジュール化による発熱量の増大と局部高発熱
化、いわゆるノートブック型パーソナルコンピュータの
小型化・薄型化に伴う発熱体の高密度化とこれによる直
接対流冷却(強制空冷)流路確保の困難性の問題が生じ
ており、熱移送型冷却装置を用いて発熱部の冷却を行う
ものが実用化されつつある。
【0005】これは、金属板等からなる集熱手段を発熱
体に密着して配設し、集熱手段により集められた発熱体
の熱をヒートパイプ等の熱移送手段を用いてコンピュー
タ本体の外周部まで移送し、移送された熱をコンピュー
タ本体の外周端部に配設した放熱フィンとファン等から
なる放熱手段により放熱して発熱体の冷却を行うもので
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような熱移送手
段を用いれば前記局部高発熱化の問題や対流冷却流路確
保の困難性の問題は改善され、機器配置の自由度向上の
効果が認められる。しかし、上記熱移送型冷却装置を用
いた場合であっても、集熱手段(発熱部)と放熱手段とは
熱移送手段(ヒートパイプ)によって結ばれて一体的に構
成されており、また放熱手段たる放熱フィンや冷却ファ
ンの大きさはコンピュータがフル作動した状態での最大
発熱量を基準として決定されるため、コンピュータ本体
はその外周端部に配設される放熱手段の外形寸法によっ
て規定される寸法(例えば厚さ方向寸法)以下に小型化
することができないという課題があった。
【0007】例えば、ノートブック型パーソナルコンピ
ュータ(以降「ノートPC」という。)には、携帯性向
上及びバッテリー消費電力低減化のためフロッピーディ
スクドライブ(以降「FDドライブ」という。)やCD
−ROMドライブ(以降「CDドライブ」という。)等
を本体から分離して薄型化、軽量化し、さらに本体バッ
テリーで作動する携帯使用時にはマイクロプロセッサの
作動速度をも制限して使用する分離式薄型ノートPCが
ある。
【0008】そして、携帯使用した薄型ノートPCを机
上で使用するときには、FDドライブやCDドライブ、
家庭用電源アダプタを搭載し、プリンタその他の外部周
辺機器との接続コネクタ等をも備えたステーション上に
載置してこれ等との電気的接続を行うとともに、ステー
ション上では家庭用電源を用いて上記各ドライブや内蔵
マイクロプロセッサを含めパーソナルコンピュータをフ
ル作動可能な構成となっている。
【0009】従って、上記分離式薄型ノートPCでは、
ステーションと分離して使用される携帯使用時にマイク
ロプロセッサが継続してフル作動することがなく、その
発熱量が低いことが明らかであるにも拘わらず、従来で
は集熱手段と放熱手段との間を嵌脱自在に分離・接続す
る熱伝達コネクタがなかったため、ステーション上での
フル作動状態を基準として規定された放熱手段を薄型ノ
ートPC本体内に配設せざるを得ず、ノートPCの本体
寸法を小型化する障害となっていた。
【0010】上記同様の例は薄型ノートPCのみなら
ず、コンピュータやNC装置、理化学装置をはじめ産業
機械その他の装置に使用される熱移送装置に於いて随所
にあり、発熱体等と放熱手段との間を嵌脱自在に接続
し、コネクタ部材間で冷媒等の流体の移動を伴わずに熱
の伝達を行う熱伝達コネクタの開発が望まれていた。
【0011】本発明は、かかる課題に鑑みて成されたも
のであり、発熱体等からの熱を移送する熱移送装置等に
用いられ、嵌脱自在に構成されるとともにコネクタ部材
間で冷媒等の流体の移動を伴わずに熱を伝達する熱伝達
コネクタを供給することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題に対応して、本
発明では金属材料からなる第1のコネクタ部材(例えば
実施形態に於ける集熱側コネクタ部材10)と、金属材
料からなる第2のコネクタ部材(例えば実施形態に於け
る放熱側コネクタ部材20)と、内部に熱伝導性流体が
封入されて弾性を有する熱伝達媒体(例えば実施形態に
於けるチューブ状コンタクト32,37)とからなり、
熱伝達媒体は前記第1及び第2のコネクタ部材の少なく
とも一方に配設されるとともに、前記第1のコネクタ部
材と前記第2のコネクタ部材とは嵌脱自在に接続して前
記二つのコネクタ部材間に挟持された前記熱伝達媒体を
介して熱の伝達を行うことにより熱伝達コネクタを構成
する。
【0013】上記構成によれば、第1のコネクタ部材と
第2のコネクタ部材とはともに熱伝導性の良好な金属材
料からなり、嵌脱自在に接続するとともに嵌合時には前
記二つのコネクタ部材間に挟持された熱伝達媒体を介し
て熱の伝達を行う。ここで熱伝達媒体は内部に熱伝導性
流体が封入されて弾性を有する構成であるため、挟持さ
れて接触する二つのコネクタ部材に密着してこれ等を弾
性的に接続すると供に、内部に封入された熱伝導性流体
により熱を伝導し二つのコネクタ部材間を熱的に接続す
る。従って、いずれかのコネクタ部材の熱は熱伝達媒体
を介して他のコネクタ部材に速やかに伝達される。ま
た、両コネクタ部材間で冷媒等の熱伝達媒質の移動を伴
わないためコネクタの着脱時にこれ等流体の漏れを生ず
ることがない。
【0014】また、前記第1のコネクタ部材(例えば実
施形態に於ける集熱側コネクタボディ11)はその断面
視に於いて凹状の溝部(例えば実施形態に於ける凹状の
溝部12)を有する受容部を備え、前記熱伝達媒体は前
記凹状の溝部内部の対向する面に配設支持され、前記配
設支持された面と直行する方向に付勢され弾性を有する
チューブ状コンタクト(例えば実施形態に於けるチュー
ブ状コンタクト32)からなり、前記第2のコネクタ部
材(例えば実施形態に於ける放熱側コネクタボディ2
1)は第1のコネクタ部材の溝部に挿入自在な挿入部
(例えば実施形態に於ける挿入部22)を有し、第1の
コネクタ部材と第2のコネクタ部材とは受容部と挿入部
とで嵌脱自在に接続し、凹状の溝部内部に於いて挟持さ
れたチューブ状コンタクトを介して熱の伝達を行うこと
により熱伝達コネクタを構成する。
【0015】上記構成によれば、凹状の溝部を有する第
1のコネクタ部材の受容部と第2のコネクタ部材の挿入
部とで嵌脱自在に接続するとともに、嵌合時には凹状の
溝内部の対向する面に配設支持されたチューブ状コンタ
クトが、この溝内に挿入された第2のコネクタ部材の挿
入部と接触し、第1のコネクタ部材の支持面と第2のコ
ネクタ部材の挿入面との両面に密着接触してこれら両コ
ネクタ部材を熱的に接続して熱の伝達を行う。
【0016】このため、金属弾性体を有する熱伝達コネ
クタと同様に両コネクタの結合軸(結合線)の位置ズレや
角度ズレに対する許容度を大きくとることができ、さら
に金属弾性体を有する熱伝達コネクタと比較して伝熱断
面積を大きく伝熱距離を小さく(すなわち熱抵抗を小さ
く)することができる。従って、結合許容度が大きく熱
交換効率の高い熱伝達コネクタを提供することができ
る。また、損傷を受けやすいチューブ状コンタクトを凹
状の溝内面に配設支持しているために外力の作用による
損傷を受けにくく、さらに断面視凹状の溝部及びチュー
ブ状コンタクトを視軸方向に延長することにより熱伝達
面積を拡大若しくは縮小して任意の熱伝達容量の熱伝達
コネクタを提供することができる。
【0017】あるいは、前記第1のコネクタ部材は中空
円筒状の開口(例えば実施形態に於ける中空円筒状の開
口17)を有する受容部を備え、前記熱伝達媒体は中空
円筒状の開口の内面に配設支持され、円筒状の開口の内
部に向け付勢され弾性を有するチューブ状コンタクト
(例えば実施形態に於けるチューブ状コンタクト37)
からなり、前記第2のコネクタ部材は前記開口に向け突
出する挿入部(例えば実施形態に於ける挿入部27)を
有し、第1のコネクタ部材と第2のコネクタ部材とは受
容部と挿入部とで嵌脱自在に接続し、開口内部に於いて
挟持されたチューブ状コンタクトを介して熱の伝達を行
うことにより熱伝達コネクタを構成する。
【0018】上記構成によれば、第2のコネクタ部材の
突出する挿入部と第1のコネクタ部材の受容部とで嵌脱
自在に接続するとともに、接続時には中空円筒状の開口
内部に配設支持されたチューブ状コンタクトが、開口内
に挿入された第2のコネクタ部材の突出する挿入部と接
触し、第1のコネクタ部材の開口内周面と第2のコネク
タ部材の突出する挿入部外周面との両面に密着接触して
これら両コネクタ部材を接続して熱の伝達を行う。
【0019】従って前記同様の効果を奏するほか、外力
の作用による損傷を受けやすいチューブ状コンタクトが
円筒状の開口内面に配設されるために更に損傷を受けに
くく、接続後の位置ズレを生じにくいという特徴を有す
る。また挿入部と開口部の径を増減し、あるいは対の数
を増減することにより任意の熱伝達容量の熱伝達コネク
タを提供することができる。
【0020】なお、前記チューブ状コンタクトの付勢さ
れた面には金属材料からなる保護部材(例えば実施形態
に於ける保護カラー38,保護プレート33)が配設さ
れ、前記チューブ状コンタクトと前記挿入部とは上記保
護部材を介して接触することが好ましい。
【0021】また、上記保護部材には、保護部材が挿入
部と接触する面とチューブ状コンタクトが配設支持され
る面との間隔が所定の間隔以下となるのを規制する間隔
規制手段(例えば実施形態に於けるフランジ部38b,
立設部33b)を備えることが望ましい。
【0022】チューブ状コンタクトは弾性を有して形成
されているため、第1及び第2のコネクタ部材の接続時
に於ける相対的位置ズレや角度ズレに対して高い許容度
を有する。しかし一方でチューブ状コンタクトは内部に
熱伝導性流体が封入されており、過度の圧縮や局部圧
縮、摩擦、剪断等の外力を受けた場合にはチューブ内圧
が高まり、あるいは被圧縮部に圧縮応力・剪断応力・摩
耗などが集中して局部変形若しくは局部破損を受けやす
いという課題がある。
【0023】しかし、上記構成によれば金属材料からな
る保護部材は開口内部に挿入される挿入部に向けて弾性
的に付勢されると供に、チューブ状コンタクトと挿入部
とは保護部材を介して相互に密着接触する。従ってコネ
クタ接続軸の角度ズレによる局部的圧迫に伴う剪断破壊
を防止し、両コネクタ部材の挿脱を繰り返し行った場合
であってもチューブ状コンタクトの接触面の摩耗や破損
を未然に防止することができる。また保護部材は熱の良
導体たる金属材料から構成されるため、前述の高熱伝達
効率を犠牲にすることがない。
【0024】また、保護部材が挿入部と接触する面とチ
ューブ状コンタクトが配設支持される面との間隔、すな
わちチューブ状コンタクトの伝熱方向厚さ寸法が一定寸
法以下とならない間隔規制手段を形成することによりチ
ューブ状コンタクト全体の過度の圧縮を防止して破損を
未然に防止することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以降本発明の好ましい実施の態様
について図面を用いて説明する。図5には、本発明に係
る熱伝達コネクタ1を用いた熱移送装置の構成を示して
おり、まずこの熱移送装置について説明する。
【0026】熱移送装置は発熱体(若しくは吸熱体、前
記同様「発熱体等」という。)Hの熱を集熱する集熱手
段40と、集熱された熱を移送する熱移送手段45,5
5と、移送された熱を放熱する放熱手段50と、熱移送
手段45,55の間に配設されて集熱手段40と放熱手
段50とを着脱自在に接続し、熱の伝達を行う熱伝達コ
ネクタ1とから構成されている。
【0027】集熱手段40は熱伝導率の高い金属材料を
薄板状若しくはブロック状に成型加工した集熱体41か
らなり、発熱体等Hに密着配設して発熱体等の熱を効率
的に集熱させる。集熱体41の側端部には熱移送手段で
ある集熱側ヒートパイプ45の一端部が熱的・機械的に
接合されており、集熱体41で集められた発熱体等の熱
を他端に接続された熱伝達コネクタ1に効率的に伝熱す
る。
【0028】放熱手段50は、放熱フィン51とファン
52とからなり、一端部が熱伝達コネクタ1に接続され
他端部が放熱フィン51に接続された放熱側ヒートパイ
プ55を介し、熱伝達コネクタ1から放熱フィン51に
移送される熱をファン52を用いて強制的に空気中に放
熱する。
【0029】一対の熱伝達コネクタ1は、集熱側ヒート
パイプ45の接続された集熱側コネクタ部材10と、放
熱側ヒートパイプ55の接続された放熱側コネクタ部材
20とからなり、これらの間で嵌脱自在に接続するとと
もに、後に詳述するように熱伝導性流体が封入された熱
伝達媒体を介して相互に接触させ、両コネクタ部材間で
熱的な接続を行うことにより集熱手段40で集められた
発熱体等Hの熱を放熱手段50に伝達する。
【0030】この様にして構成される熱移送装置は、熱
伝達コネクタ1の部分で着脱自在に構成されるため、個
々を分離して別々の装置に組み込むことができる。な
お、熱伝達コネクタ1で分離された熱移送装置の集熱側
部分を集熱モジュール4、放熱手段側を放熱モジュール
5という。
【0031】図1には、本発明に係る熱伝達コネクタの
好ましい実施の形態を示しており、この熱伝達コネクタ
1は一対の集熱側コネクタ部材10と放熱側コネクタ部
材20とから構成されている。
【0032】集熱側コネクタ部材10は、中空円筒状の
開口17を有する集熱側コネクタボディ16と、その円
筒状開口17の内面に配設持され、開口内部(円筒中心)
に向けて付勢され弾性を有するチューブ状コンタクト3
7と、チューブ状コンタクトを保護する保護カラー38
と、熱移送手段たる集熱側ヒートパイプ45を固定保持
する固定部材18とから構成されており、集熱側コネク
タボディ16に形成された中空円筒状の開口17の内部
に放熱側コネクタ部材20の突出する挿入部27を受容
し嵌脱自在に接続する。
【0033】集熱側コネクタボディ16の円筒状開口部
17内部には、図2(a)にその代表断面を示すように、
円筒状若しくは複数のパック状に分割されたチューブ状
コンタクト37がその外周面でコネクタボディ16の円
筒面に規制されて支持されており、また必要に応じて接
着等により固定支持される。チューブ状コンタクト37
の内周面側には放熱側コネクタ部材の挿入部27との接
触による摩耗や局部圧迫からチューブ状コンタクトを保
護する保護カラー38が部分接着等により配設されてい
る。
【0034】保護カラー38は熱の良導体たる金属材料
を用いて両端部にフランジ部38bを有する薄肉円筒の
ボビン形状に成形加工して構成されており、その中心部
に挿入部27を受容したときにチューブ状コンタクト3
7の弾性力により円筒の径方向に自由に受容部径が拡大
し、また挿入部27を把持したときに均一な面接触と接
触面圧を確保するために適宜な形状のスリット(例えば
部分スリットやスパイラルスリット等)が形成され、ま
たは複数に分割され(図では4分割の例を示す)てチュー
ブ状コンタクト37の径方向に拡大・縮小自在に配設さ
れている。
【0035】円筒状若しくは複数のパック状に分割され
上記保護カラー38を外周から包むように形成されたチ
ューブ状コンタクト37は、例えばシリコンゴムやエチ
レンプロピレンゴム(EPM)、ブチルゴム等の高分子ゴ
ム材料を成形加工し、その内部に例えば水やアルコー
ル、フロン、水銀などの熱伝導性流体を封入して端部を
融着(溶着)や加硫接着等により封止したものであり、ゴ
ム材料の弾性変形を利用して上記付勢力及び反撥弾性力
を発生する。
【0036】放熱側コネクタ部材20は、集熱側コネク
タ部材10の円筒状開口17内に挿入されて両コネクタ
部材を嵌脱自在に接続する突出する挿入部27を有する
放熱側コネクタボディ26と熱移送手段たる放熱側ヒー
トパイプ55を保持し固定する固定部材28とから構成
されている。
【0037】放熱側コネクタ部材20の突出する挿入部
27は、集熱側コネクタ部材の保護カラー38が構成す
る開口内に挿入容易なように挿入端部にテーパ部(円錐
部)を有する円柱状に形成されており、該挿入端部を保
護カラー38が構成する開口部に当接させた後チューブ
状コンタクト37の弾性力に抗して結合軸方向に押圧す
ることにより保護カラー38を介してチューブ状コンタ
クトを円筒径方向に弾性変形させ、挿入部外周面27a
と前記保護カラー内面38aとで面接触により接続嵌合
する。
【0038】そして接続嵌合時に於いては、チューブ状
コンタクト37の反撥弾性力により保護カラー38を介
して外周部から挿入部27を円筒中心軸方向に押圧して
接触面圧を発生させ、挿入部27を開口17内に把持す
る。
【0039】なお、保護カラー38の結合軸方向の両端
部にはフランジ部38bが形成されており、両コネクタ
部材の嵌脱に際してチューブ状コンタクトに作用するス
ラスト方向(結合軸方向)の力を両端のフランジ部38b
で受け止めてチューブ状コンタクト37のねじれや脱落
を防止すると供に、図2(b)に示す様に嵌合時に挿入部
の位置や角度がずれて挿入された場合であってもフラン
ジ部38bの外周端面が集熱側コネクタ部材16の円筒
内周面と当接して保護カラーの接触面38aと円筒内周
面との間隔がそのフランジ部寸法以下となるのことを規
制し、チューブ状コンタクト37がラジアル方向(円筒
の径方向)に過度の圧縮変形を受けることを未然に防止
する。
【0040】従って、以上の様にして構成される熱伝達
コネクタ1では、集熱側コネクタ部材10と放熱側コネ
クタ部材20とは、集熱側コネクタ部材10の円筒状の
開口17と放熱側コネクタ部材20の挿入部27とで嵌
脱自在に接続するとともに、円筒状の開口17の内部に
於いて開口内周面と挿入部外周面とに挟持されるチュー
ブ状コンタクト37を介して密着面接触により相互に熱
的に結合し、集熱側コネクタボディ16に伝えられた熱
を放熱側コネクタボディ26に速やかに伝熱する。
【0041】なお、集熱側コネクタボディ16及び放熱
側コネクタボディ26は、例えばアルミ合金や銅合金等
の熱伝導率の高い金属材料をダイキャストやシェルモー
ルド等の方法により図1及び図2に示す中空円筒部を有
するよう成形(必要に応じて2分割で構成)し、また適宜
フライスや研削、ボーリング等の機械加工を行って、所
望の溝の形状寸法となるように仕上げ、さらにメッキや
蒸着等の表面処理を施して形成する。
【0042】集熱側コネクタボディ16の受容開口17
a以外の面、及び放熱側コネクタボディ26の挿入部2
7が突出する面以外の面には、コネクタにより伝熱接続
される集熱側部材が接続される。図1では熱移送手段で
あるヒートパイプ45,55を半円筒状の保持面を有す
る固定部材18,28を用い、ネジ等の図示しない接合
手段を用いて熱的・機械的にコネクタボディに接続した
例を示す。なお、本実施形態に於いては、例えば突出す
る挿入部27に同軸上に穴を設け、この穴内に集熱側ヒ
ートパイプ55の端部を挿入して固定することもでき
る。そしてこの様な方法によれば、熱の伝導距離をより
短縮化して効率的に伝熱することが可能である。
【0043】従って、以上のようにしてヒートパイプを
接続して構成される熱伝達コネクタ1を用いた熱移送装
置では、集熱側モジュール4と放熱側モジュール5とを
着脱する場合に於いて、冷媒等の漏れを生ずることなく
必要に応じて嵌脱自在に接続することができ、両者を接
続した時には集熱側モジュール4の発熱体Hの熱を熱伝
達コネクタ1を介して放熱側モジュール5の放熱手段5
0に効率よく伝達して冷却することができる。
【0044】また、外力の作用によって損傷を受けやす
いチューブ状コンタクト37を円筒状の開口17の内部
に配設しているために損傷を受けにくく、更に上記実施
形態に示した様な保護カラー38を設けることにより、
コネクタ接続時の挿入部27先端部による局部圧縮や剪
断荷重の作用、過度の圧縮変形、嵌脱繰り返しによる損
耗などを受けることが無く、チューブ状コンタクトの破
損を未然に防止して長寿命化を実現するとともに、両コ
ネクタ部材の結合軸の位置ズレや角度ズレに対する許容
度を大きく確保することができる。
【0045】なお、上記実施例は突出する挿入部として
円柱面を有する場合について説明したが、例えば挿入部
及び保護カラーを多角形形状に形成し、またチューブ状
コンタクトを多角形の各面に対応して結合軸方向に伸び
る複数のパック形状として構成することも可能である。
【0046】次に、図3には本発明に係る熱伝達コネク
タ1の他の好ましい実施形態を示しており、前述の実施
形態と同様に一対の集熱側コネクタ部材10と放熱側コ
ネクタ部材20とから構成されている。
【0047】集熱側コネクタ部材10は、断面視に於い
て凹状の溝部12を有する集熱側コネクタボディ11
と、その内部に配設されたチューブ状コンタクト32
と、チューブ状コンタクトを保護する保護プレート33
とから構成されており、集熱側コネクタボディ11に形
成された凹状の溝部12の受容開口12aから放熱側コ
ネクタボディの挿入部22を受容し嵌脱自在に接続す
る。
【0048】集熱側コネクタボディ11に設けられた凹
状の溝部12内部の対向する2面には、この溝部の長手
方向(図1中に示すZ軸方向)に向け更に凹状の溝13
が形成されており、この溝13の底面に溝に沿ってチュ
ーブ状コンタクト32の一側面が接着され固定されてい
る。また接着固定された面と対向する他の一側面で、凹
状の溝部12内部へ開口する側のチューブ状コンタクト
面には、アルミ合金や銅合金、ステンレス鋼等の金属薄
板をU字形状に成型した保護プレート33が接着固定さ
れており、保護プレートの接触面33aを凹状の溝部1
2の対向面方向(図中のY軸方向)に向けて付勢すると供
に、図4(a)に挿入部22の挿入前後の状態を中心線の
上下に分けて示す様に、挿入部22の挿入によるチュー
ブ状コンタクト32の弾性変形に応じて溝13の深さ方
向(同Y軸方向)に摺動自在に構成されている。
【0049】溝13内に固定配設されるチューブ状コン
タクト32は、前述の実施形態と同様の高分子ゴム材料
をチューブ状に成形し、その内部に熱伝導性流体を封入
して両端部を融着や加硫接着等により封止したものであ
り、ゴム材料の弾性変形を利用して上記付勢力及び反撥
弾性力を発生する。
【0050】放熱側コネクタ部材20は、前記集熱側コ
ネクタ部材10の受容開口12aから凹状の溝部12内
に挿入されて両コネクタ部材を嵌脱自在に接続する挿入
部22を有する放熱側コネクタボディ21から構成され
ている。
【0051】コネクタボディ21から突出する挿入部2
2は、集熱側コネクタ部材の開口部上下に配設された保
護プレートの接触面33a,33aによって形成される
平行ギャップ内に挿入容易なように先端部にテーパ状の
導入部が形成されるとともに、嵌合状態でチューブ状コ
ンタクト32との伝熱面積を確保するため平面状の接触
伝熱面22a,22aが形成されている。そして、挿入
部22の先端テーパ部を上下の保護プレート33,33
の入り口端部に当接させた後、チューブ状コンタクトの
弾性力に抗して結合軸(X軸)方向に押圧することにより
保護プレート33,33を介して上下のチューブ状コン
タクト32,32を図中の上下方向にそれぞれ弾性変形
させ、挿入部の接触伝熱面22a,22aと保護プレー
トの接触面33a,33aとで面接触により接続嵌合す
る。
【0052】そして接続嵌合時に於いては、上下のチュ
ーブ状コンタクト32,32の反撥弾性力により保護プ
レート33を介して挿入部22を上下から押圧挟持して
接触面圧を発生させ、挿入部22を開口12内に保持す
る。
【0053】なお、保護プレート33の結合軸方向(X
軸方向)の両端部にはU字状に立設する立設部33bが
形成されており、両コネクタ部材の嵌脱に際してチュー
ブ状コンタクト32に作用する結合軸方向の力を立設部
33bの側面で受け止めてチューブ状コンタクト32の
ねじれや脱落を防止すると供に、図4(b)に示す様に嵌
合時に挿入部の位置や角度がずれて挿入された場合であ
っても立設部33bの端面が集熱側コネクタ部材11の
溝13底面と当接してその立設部の高さ寸法以下となる
ことを規制し、チューブ状コンタクト32が過度の圧縮
変形を受けることを未然に防止する。
【0054】従って、以上の様にして構成される熱伝達
コネクタ1では、集熱側コネクタ部材10と放熱側コネ
クタ部材20とは、集熱側コネクタ部材10の凹状の溝
部12と放熱側コネクタ部材20の挿入部22とで嵌脱
自在に接続するとともに、凹状の溝部12の内部に於い
てこの溝部内部の対向する2面と挿入部外周面とで挟持
されるチューブ状コンタクト32を介して密着面接触に
より相互に熱的に結合し、集熱側コネクタボディ11に
伝えられた熱を放熱側コネクタボディ21に速やかに伝
熱する。
【0055】そして上記熱伝達コネクタ1を用いた熱移
送装置では、集熱側モジュール4と放熱側モジュール5
とを着脱する場合に於いて、冷媒等の漏れを生ずること
なく必要に応じて嵌脱自在に接続することができ、両者
を接続した時には集熱側モジュール4の発熱体Hの熱を
熱伝達コネクタ1を介して放熱側モジュール5の放熱手
段50に効率よく伝達して冷却することができる。
【0056】また、外力の作用によって損傷を受けやす
いチューブ状コンタクト32を凹状の溝部12の内面に
配設しているため前述の実施形態と同様に外力による損
傷を受けにくく、保護プレート33の効果により両コネ
クタ部材の結合軸(結合線)の位置ズレや角度ズレに対す
る許容度を大きくとることができる。
【0057】さらに、上記実施形態の熱伝達コネクタ1
によれば、例えば集熱側コネクタボディ11と放熱側コ
ネクタボディ21とはその長手方向に任意に延長し、若
しくは縮小することが可能なものであり、例えばそれぞ
れを一定長のアルミ合金の引き抜き材として製作してお
くことにより、要求される伝熱容量に応じて任意の長さ
に切断して所望の伝熱容量の熱伝達コネクタを供給する
ことができる。
【0058】なお、以上の説明では説明の便宜上、凹状
の溝部12若しくは円筒状の開口17を有するコネクタ
部材側を集熱側コネクタ部材10とし、挿入部22,2
7を有するコネクタ部材側を放熱側コネクタ部材20と
したが、これ等は以上の説明から明らかなように逆の構
成であっても何ら問題はなく、使用される状況に応じて
適宜いずれかを集熱側、他方を放熱側として構成するこ
とにより同様の効果を奏することができるものである。
【0059】また、チューブ状コンタクトを凹状若しく
は円筒状の受容部内に配設した場合について説明した
が、上述の実施例とは逆に挿入部側に溝部を形成して保
護カラーないし保護プレートと供に配設して構成するこ
とも可能である。
【0060】図6は以上説明した熱伝達コネクタ1を有
する熱移送装置を「解決しようとする課題」で述べた、
いわゆる分離式薄型ノートPCに適用したものである。
この分離式薄型ノートPCはノートPC本体60とステ
ーション70とからなり、机上で使用するときには、F
DドライブやCDドライブ、家庭用電源アダプタ、プリ
ンタその他の外部周辺機器との接続コネクタ等を備えた
ステーション70上にノートPC本体60を載置接続す
ることによりこれ等との電気的接続を行って、上記ドラ
イブやマイクロプロセッサを含めパーソナルコンピュー
タ全体をフル作動させる。
【0061】一方、ノートPCを外部に持ち出して使用
するときにはノートPC本体60をステーション70か
ら切り離し、携帯性を考慮して薄型化、軽量化されたノ
ートPC本体60のみで分離使用可能とし、さらに本体
内蔵バッテリで作動する分離使用時には消費電力低減の
ためマイクロプロセッサの処理機能や処理速度を制限し
て使用するよう構成されている。なお、図5では説明の
ためノートPC本体60及びステーション70を透視し
て本発明の主要部のみを表示している。
【0062】ノートPC本体60側には集熱モジュール
4が内蔵されており、本体内部の発熱体等であるマイク
ロプロセッサMに密着配設された集熱体41の集熱した
熱をを熱伝達コネクタ1の集熱側コネクタ部材10に移
送する。なお、集熱側コネクタ部材10の配設位置はハ
ードディスクユニットや内蔵バッテリ等他の構成部品の
配置やステーション70との相対位置関係などから適宜
定めることができ、図5では本体60の底面に開口を設
けて配設している。
【0063】ステーション70には放熱側モジュール5
が内蔵されており、ノートPC本体60の集熱側コネク
タ部材10と対応する位置に配設された放熱側コネクタ
部材20(図2では載置部上面に上方に向けて配設して
いる)に伝達された熱を、ヒートパイプ55を介してス
テーション70の後方に配設された放熱フィン51に伝
熱し、さらに強制空冷用の冷却ファン52により強制空
冷する。
【0064】熱伝達コネクタ1の集熱側コネクタ部材1
0と放熱側コネクタ部材20とは、ステーション70の
載置部にノートPC本体60を載置したときに他の周辺
機器や電源等の接続端子と同様に一体的に接続される。
従ってステーション70上でMPUをフル作動させた場
合でも、その発熱を熱伝達コネクタ1を介して放熱フィ
ン51に伝熱し、冷却ファン52により強制空冷してM
PUを効率的に冷却することができ、過熱による性能低
下や異常作動、あるいはノートPCの筐体やキーボード
が熱くなる等の心配がない。
【0065】一方、ノートPC60本体を携帯して使用
するときにはMPUの発熱量が小さく、筐体やキーボー
ド等への伝導伝熱や対流伝熱による自然空冷で十分放熱
されるため、放熱モジュール5を必要としない。熱伝達
コネクタ1を有して構成した上記熱移送装置では、ステ
ーション70からノートPC本体60を取り外すときに
熱伝達コネクタ1で放熱モジュール5を切り離して使用
することができる。
【0066】従って、本発明の熱伝達コネクタ1を備え
た熱移送装置によれば、従来の薄型ノートPCで小型化
のネックとされていた放熱手段を薄型ノートPCの本体
外部に分離し、必要時のみ接続することができるためノ
ートPC本体60を小型軽量化することができる。
【0067】また、例えばペルチェ素子を用いて構成す
る盤用クーラや除湿器、電子冷却装置等では、ペルチェ
素子の放熱側(加熱側)を被冷却側と別室構成とするこ
とが求められる場合が多い。この様な場合に通常は隔壁
を挟んで加熱側と冷却側とを別室構成とするが、被冷却
部がシステム内の奥部にある様な場合には放熱される熱
の処理が問題となり、放熱手段を別配置とすることが望
まれていた。
【0068】この様な場合に於いても本発明の熱移送型
冷却装置を用いることにより、クーラや電子冷却装置の
ペルチェ素子の発熱側に集熱モジュールを設け、システ
ム外壁周辺の適宜な位置に放熱モジュール配設してお
き、これ等を組み立て時に本発明に係る熱伝達コネクタ
1で接続することにより容易に従来の問題を解決するこ
とができる。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば金
属材料からなる第1のコネクタ部材と、金属材料からな
る第2のコネクタ部材と、内部に熱伝導性流体が封入さ
れて弾性を有する熱伝達媒体とからなり、熱伝達媒体は
前記第1及び第2のコネクタ部材の少なくとも一方に配
設されるとともに、前記第1のコネクタ部材と前記第2
のコネクタ部材とは嵌脱自在に接続して前記二つのコネ
クタ部材間に挟持された前記熱伝達媒体を介して熱の伝
達を行うことにより熱伝達コネクタを構成する。
【0070】熱伝達媒体は内部に熱伝導性流体が封入さ
れて弾性を有する構成であるため、挟持されて接触する
二つのコネクタ部材に密着してこれらを弾性的に接続す
ると供に、内部に封入された熱伝導性流体により熱を伝
導し二つのコネクタ部材間を熱的に接続する。従って、
いずれかのコネクタ部材の熱は熱伝達媒体を介して他の
コネクタ部材に速やかに伝達される。また、両コネクタ
部材間で冷媒等の熱伝達媒質の移動を伴わないためコネ
クタの着脱時にこれ等流体の漏れを生ずることがない。
【0071】また、前記第1のコネクタ部材はその断面
視に於いて凹状の溝部を有する受容部を備え、熱伝達媒
体は前記凹状の溝部内部の対向する面に配設支持されて
弾性を有するチューブ状コンタクトからなり、前記第2
のコネクタ部材は第1のコネクタ部材の溝部に挿入自在
な挿入部を有し、第1のコネクタ部材と第2のコネクタ
部材とは受容部と挿入部とで嵌脱自在に接続し、凹状の
溝部内部に於いて挟持されたチューブ状コンタクトを介
して熱の伝達を行うことにより熱伝達コネクタを構成す
る。
【0072】従って、金属弾性体を有する熱伝達コネク
タと同様に両コネクタの結合軸の位置ズレや角度ズレに
対する許容度が大きく、且つ大きな伝熱断面積と短い伝
熱距離で(すなわち熱抵抗を小さく)熱交換効率の高い熱
伝達コネクタを提供することができる。また、チューブ
状コンタクトを凹状の溝内面に配設支持しているために
外力の作用による損傷を受けにくく、さらに断面視凹状
の溝部及びチューブ状コンタクトを視軸方向に延長する
ことにより熱伝達面積を拡大若しくは縮小して任意の熱
伝達容量の熱伝達コネクタを提供することができる。
【0073】あるいは、前記第1のコネクタ部材は中空
円筒状の開口を有する受容部を備え、前記熱伝達媒体は
中空円筒状の開口の内面に配設支持され、円筒状の開口
の内部に向け付勢され弾性を有するチューブ状コンタク
トからなり、前記第2のコネクタ部材は前記開口に向け
突出する挿入部を有し、第1のコネクタ部材と第2のコ
ネクタ部材とは受容部と挿入部とで嵌脱自在に接続し、
開口内部に於いて挟持されたチューブ状コンタクトを介
して熱の伝達を行うことにより熱伝達コネクタを構成す
る。
【0074】従って前記同様の効果を奏するほか、外力
の作用による損傷を受けやすいチューブ状コンタクトが
円筒状の開口内面に配設されるために更に損傷を受けに
くく、接続後の位置ズレを生じにくいという特徴を有す
る。また挿入部と開口部の径を増減し、あるいは対の数
を増減することにより任意の熱伝達容量の熱伝達コネク
タを提供することができる。
【0075】なお、前記チューブ状コンタクトの挿入部
との接触面には金属材料からなる保護部材を配設し、嵌
合時にはチューブ状コンタクトと挿入部とが上記保護部
材を介して接触するよう構成することが好ましく、また
この保護部材にはチューブ状コンタクトが所定の寸法以
下に圧縮されることを規制する間隔規制手段を備えるこ
とが望ましい。
【0076】上記構成によればコネクタ接続軸の位置ズ
レや角度ズレによる局部的圧迫に伴う剪断破壊や部分変
形を防止し、両コネクタ部材の挿脱を繰り返し行った場
合であってもチューブ状コンタクトの接触面の摩耗や破
損を未然に防止することができる。また保護部材は熱の
良導体たる金属材料から構成されるため、前述の高熱伝
達効率を犠牲にすることがない。
【0077】そして、以上のような熱伝達コネクタを用
いることによって熱移送装置に於ける発熱体と放熱手段
とを自由に分離・接続可能に構成することができ、電子
機器や産業機械等を構成する構成部品の配置の自由度向
上、効率化、小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱伝達コネクタの好ましい実施形
態を示す斜視図である。
【図2】上記熱伝達コネクタの接続状態を示す断面図で
ある。このうち図(a)は接続する2つのコネクタ部材の
相対位置が中心位置で一致しているとき、図(b)は相対
位置がずれて接続されている状態を示す。
【図3】本発明に係る熱伝達コネクタの他の好ましい実
施形態を示す斜視図である。
【図4】上記他の実施形態に於ける熱伝達コネクタの接
続状態を示す断面図である。このうち図(a)は接続する
2つのコネクタ部材の相対位置が中心位置で一致してい
るときの接続前後状態を、図(b)は接続角度がずれた状
態で接続しようとした場合を示す。
【図5】本発明に係る熱伝達コネクタを用いた熱移送装
置を説明する斜視図である。
【図6】本発明に係る熱伝達コネクタを用いた熱移送装
置をノートブック型パーソナルコンピュータに適用した
実施例を説明する斜視図である。
【符号の説明】
1 熱伝達コネクタ 10 第1のコネクタ部材(集熱側コネクタ部材) 12 断面視凹状の溝部を有する受容部 17 中空円筒状の開口を有する受容部 20 第2のコネクタ部材(放熱側コネクタ部材) 22 挿入部 27 突出する挿入部 32 チューブ状コンタクト(熱伝達媒体) 33 保護プレート(保護部材) 37 チューブ状コンタクト(熱伝達媒体) 38 保護カラー(保護部材) 45 熱移送手段(集熱側ヒートパイプ) 55 熱移送手段(放熱側ヒートパイプ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25D 9/00 F28D 15/02 101

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属材料からなる第1のコネクタ部材
    と、 金属材料からなる第2のコネクタ部材と、 内部に熱伝導性流体が封入されて弾性を有する熱伝達媒
    体とからなり、 前記熱伝達媒体は前記第1及び前記第2のコネクタ部材
    の少なくとも一方に配設され、 前記第1のコネクタ部材と前記第2のコネクタ部材とは
    嵌脱自在に接続して前記二つのコネクタ部材間に挟持さ
    れた前記熱伝達媒体を介して熱の伝達を行うことを特徴
    とする熱伝達コネクタ。
  2. 【請求項2】 前記第1のコネクタ部材はその断面視に
    於いて凹状の溝部を有する受容部を備え、 前記熱伝達媒体は前記凹状の溝部内部の対向する面に配
    設支持され、前記配設支持された面と直行する方向に付
    勢され弾性を有するチューブ状コンタクトからなり、 前記第2のコネクタ部材は前記溝部に挿入自在な挿入部
    を有し、 前記第1のコネクタ部材と前記第2のコネクタ部材とは
    前記挿入部と前記受容部とで嵌脱自在に接続し、前記凹
    状の溝部の内部に於いて挟持された前記チューブ状コン
    タクトを介して熱の伝達を行うことを特徴とする請求項
    1に記載の熱伝達コネクタ。
  3. 【請求項3】 前記第1のコネクタ部材は中空円筒状の
    開口を有する受容部を備え、 前熱伝達媒体は前記中空円筒状の開口の内面に配設支持
    され、前記円筒状の開口の内部に向けて付勢され弾性を
    有するチューブ状コンタクトからなり、 前記第2のコネクタ部材は前記開口に向け突出する挿入
    部を有し、 前記第1のコネクタ部材と前記第2のコネクタ部材とは
    前記挿入部と前記受容部とで嵌脱自在に接続し、前記開
    口内部に於いて挟持された前記チューブ状コンタクトを
    介して熱の伝達を行うことを特徴とする請求項1に記載
    の熱伝達コネクタ。
  4. 【請求項4】 前記チューブ状コンタクトの前記付勢さ
    れた面には金属材料からなる保護部材が配設され、 前記チューブ状コンタクトと前記挿入部とは前記保護部
    材を介して接触することを特徴とする請求項2または請
    求項3に記載の熱伝達コネクタ。
  5. 【請求項5】 前記保護部材には、前記保護部材が前記
    挿入部と接触する面と、前記チューブ状コンタクトが配
    設支持される面との間隔が所定の間隔以下となるのを規
    制する間隔規制手段を備えることを特徴とする請求項4
    に記載の熱伝達コネクタ。
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