JP3220107B2 - 熱伝達コネクタ - Google Patents

熱伝達コネクタ

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JP3220107B2
JP3220107B2 JP05320199A JP5320199A JP3220107B2 JP 3220107 B2 JP3220107 B2 JP 3220107B2 JP 05320199 A JP05320199 A JP 05320199A JP 5320199 A JP5320199 A JP 5320199A JP 3220107 B2 JP3220107 B2 JP 3220107B2
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文雄 成井
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ケル株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子機器や産業機械
等に使用されるコネクタに関し、さらに詳しくは熱を集
熱、移送する熱移送装置等に用いられて熱の伝達を行う
熱伝達コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器や産業機械等の装置内部には、
局部的に熱を発し、または局部的に吸熱する構成部材を
持つものがあり、これ等装置では発熱体の過熱による障
害や吸熱体の過冷却による障害(例えば当該発熱体や吸
熱体自身及びその周辺に配置される装置の動作不良や損
傷など)を防止するため、これ等発熱体や吸熱体(以下
「発熱体等」という。)の発生する熱を放熱する放熱手
段を備え、発熱体等の熱を放熱させて作動させる構成を
有するものが多い。
【0003】例えば、コンピュータにはCPU(MPU)
をはじめとしてメモリやハードディスクドライブ等の発
熱体が数多く搭載されており、これらを安定動作させる
ために発熱体から筐体やキーボード等に伝導伝熱させて
自然空冷により放熱させ、また小型ファンを設けて強制
空冷により放熱させる構成が用いられてきた。
【0004】しかし、近年ではマイクロプロセッサの高
性能化やモジュール化による発熱量の増大と局部高発熱
化、いわゆるノートブック型パーソナルコンピュータの
小型化・薄型化に伴う発熱体の高密度化とこれによる直
接対流冷却(強制空冷)流路確保の困難性の問題が生じ
ており、熱移送型冷却装置を用いて発熱部の冷却を行う
ものが実用化されつつある。
【0005】これは、金属板等からなる集熱手段を発熱
体に密着して配設し、集熱手段により集められた発熱体
の熱をヒートパイプ等の熱移送手段を用いてコンピュー
タ本体の外周部まで移送し、移送された熱をコンピュー
タ本体の外周端部に配設した放熱フィンとファン等から
なる放熱手段により放熱して発熱体の冷却を行うもので
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような熱移送手
段を用いれば前記局部高発熱化の問題や対流冷却流路確
保の困難性の問題は改善され、機器配置の自由度向上の
効果が認められる。しかし、上記熱移送型冷却装置を用
いた場合であっても、集熱手段(発熱部)と放熱手段とは
熱移送手段(ヒートパイプ)によって結ばれて一体的に構
成されており、また放熱手段たる放熱フィンや冷却ファ
ンの大きさはコンピュータがフル作動した状態での最大
発熱量を基準として決定されるため、コンピュータ本体
はその外周端部に配設される放熱手段の外形寸法によっ
て規定される寸法(例えば厚さ方向寸法)以下に小型化
することができないという課題があった。
【0007】例えば、ノートブック型パーソナルコンピ
ュータ(以降「ノートPC」という。)には、携帯性向
上及びバッテリー消費電力低減化のためフロッピーディ
スクドライブ(以降「FDドライブ」という。)やCD
−ROMドライブ(以降「CDドライブ」という。)等
を本体から分離して薄型化、軽量化し、さらに本体バッ
テリーで作動する携帯使用時にはマイクロプロセッサの
作動速度をも制限して使用する分離式薄型ノートPCが
ある。
【0008】そして、携帯使用した薄型ノートPCを机
上で使用するときには、FDドライブやCDドライブ、
家庭用電源アダプタを搭載し、プリンタその他の外部周
辺機器との接続コネクタ等をも備えたステーション上に
載置してこれ等との電気的接続を行うとともに、ステー
ション上では家庭用電源を用いて上記各ドライブや内蔵
マイクロプロセッサを含めパーソナルコンピュータをフ
ル作動可能な構成となっている。
【0009】従って、上記分離式薄型ノートPCでは、
ステーションと分離して使用される携帯使用時にマイク
ロプロセッサが継続してフル作動することがなく、その
発熱量が低いことが明らかであるにも拘わらず、従来で
は集熱手段と放熱手段との間を嵌脱自在に分離・接続す
る熱伝達コネクタがなかったため、ステーション上での
フル作動状態を基準として規定された放熱手段を薄型ノ
ートPC本体内に配設せざるを得ず、ノートPCの本体
寸法を小型化する障害となっていた。
【0010】上記同様の例は薄型ノートPCのみなら
ず、コンピュータやNC装置、理化学装置をはじめ産業
機械その他の装置に使用される熱移送装置に於いて随所
にあり、発熱体等と放熱手段との間を嵌脱自在に接続し
固体接触により熱の伝達を行う熱伝達コネクタの開発が
望まれていた。
【0011】本発明は、かかる課題に鑑みて成されたも
のであり、発熱体等からの熱を移送する熱移送装置等に
用いられ、嵌脱自在に構成されて固体接触により熱を伝
達する熱伝達コネクタを供給することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題に対応して、本
発明では金属材料からなる第1のコネクタ部材(例えば
実施形態に於ける集熱側コネクタ部材10)と、金属材
料からなる第2のコネクタ部材(例えば実施形態に於け
る放熱側コネクタ部材20)と、前記コネクタ部材の少
なくとも一方に配設された金属弾性体(例えば実施形態
に於ける板バネ状コンタクト32,37)とからなり、
嵌脱自在に接続されるとともに前記二つのコネクタ部材
間に挟持された前記金属弾性体を介して固体接触により
熱の伝達を行うことにより熱伝達コネクタを構成する。
【0013】上記構成によれば、第1のコネクタ部材と
第2のコネクタ部材とはともに熱伝導性の良好な金属材
料からなり、これ等両コネクタ部材は嵌脱自在に接続さ
れるとともに、接続時に於いて少なくとも一方のコネク
タ部材に配設された熱の良導体たる金属弾性体を介して
相互に固体接触する。従って両コネクタ部材間での熱抵
抗が低く、いずれかのコネクタ部材の熱は金属弾性体を
介して他のコネクタ部材に速やかに伝達される。また、
両コネクタ部材間で着脱による冷媒等の熱伝達媒質の漏
れを生ずることがない。
【0014】また、前記第1のコネクタ部材(例えば実
施形態に於ける集熱側コネクタボディ11)はその断面
視に於いて凹状の溝部(例えば実施形態に於ける凹状の
溝部12)を有する受容部を備え、前記金属弾性体は凹
状の溝部の内面に配設され、凹状の溝部の対向面に向け
て付勢されるとともに溝部の底面(例えば実施形態に於
ける底面12c)方向に伸びて形成された板バネ状コン
タクト(例えば実施形態に於ける板バネ状コンタクト3
2)からなり、前記第2のコネクタ部材(例えば実施形
態に於ける放熱側コネクタボディ21)は第1のコネク
タ部材の溝部に挿入自在な挿入部(例えば実施形態に於
ける挿入部22)を有し、第1のコネクタ部材と第2の
コネクタ部材とは受容部と挿入部とで嵌脱自在に接続
し、凹状の溝部内部に於いて挟持された板バネ状コンタ
クトを介して固体接触により熱の伝達を行うことにより
熱伝達コネクタを構成する。
【0015】上記構成によれば、第1のコネクタ部材の
受容部と第2のコネクタ部材の挿入部とで嵌脱自在に接
続し、第1のコネクタ部材に設けられた凹状の溝部内部
に配設されて凹状溝部の対向面に向かって付勢される単
数若しくは複数の板バネ状コンタクトを介して第2のコ
ネクタ部材の挿入部外面と第1のコネクタ部材の溝部内
面とが固体接触により接続して熱の伝達を行う。従って
前述同様の効果を奏するほか、外力の作用による損傷を
受けやすい板バネ状コンタクトが凹状の溝内面に配設さ
れるために損傷を受けにくく、両コネクタの結合軸(結
合線)の位置ズレや角度ズレに対する許容度を大きくと
ることができる。さらに断面視凹状の溝部を視軸方向に
延長することにより熱伝達面積を拡大若しくは縮小して
任意の熱伝達容量の熱伝達コネクタを提供することがで
きる。
【0016】あるいは、前記第1のコネクタ部材は中空
円筒状の開口(例えば実施形態に於ける中空円筒状の開
口17)を有する受容部を備え、前記金属弾性体は中空
円筒状の開口の内面に配設され、円筒状の開口の内部に
向け付勢されるとともに円筒軸方向に伸びて形成された
複数枚の板バネ状コンタクト(例えば実施形態に於ける
板バネ状コンタクト37)からなり、前記第2のコネク
タ部材は前記開口に向け突出する挿入部(例えば実施形
態に於ける挿入部27)を有し、第1のコネクタ部材と
第2のコネクタ部材とは受容部と挿入部とで嵌脱自在に
接続し、開口内部に於いて挟持された板バネ状コンタク
トを介して固体接触により熱の伝達を行うことにより熱
伝達コネクタを構成する。
【0017】上記構成によれば、第2のコネクタ部材の
突出する挿入部と第1のコネクタ部材の受容部とで嵌脱
自在に接続し、第1のコネクタ部材に設けられた中空円
筒状の開口内部に配設されて開口の内部に向かって付勢
される複数の板バネ状コンタクトを介して第2のコネク
タ部材の突出する挿入部外周面と第1のコネクタ部材の
中空円筒状の開口内周面とで固体接触により接続して熱
の伝達を行う。従って前記同様の効果を奏するほか、外
力の作用による損傷を受けやすい板バネ状コンタクトが
円筒状の開口内面に配設されるために更に損傷を受けに
くく、接続後の位置ズレを生じにくいという特徴を有す
る。また挿入部と開口部の径を増減し、あるいは対の数
を増減することにより任意の熱伝達容量の熱伝達コネク
タを提供することができる。
【0018】なお、上記挿入部を有する熱伝達コネクタ
に於いて、挿入部(例えば実施形態に於ける挿入部2
2,27)は多角柱形状を有して構成することが好まし
い。
【0019】受容部内に挿入される挿入部が多角柱形状
を有して構成すること、例えば受容部に凹状の溝部を有
するコネクタ部材に於いては挿入部を四角柱状に形成
し、また受容部に中空円筒状の開口を有するコネクタ部
材に於いては六角柱や八角柱等のように形成すること、
すなわち平面を有して柱状に形成することにより、受容
部内での板バネ状コンタクトとの接触面積を円柱形状と
比較して拡大することができ、熱伝達効率を向上させる
ことができる。なお角柱の平面部は板バネの付勢形状に
合わせて結合軸方向に曲面を有するものとすることも可
能であり、また受容開口部は円形でなく角柱形状に合わ
せて同一角の開口形状とすることができる。
【0020】また、前記板バネ状コンタクトは、そのコ
ンタクトの一端部(例えば実施形態に於ける板バネ状コ
ンタクトの一端部32c、37b)が前記第1のコネク
タ部材に固定され、他の端部(例えば実施形態に於ける
他の端部32b、37c)は第2のコネクタ部材との嵌
脱による板バネの変形に伴って移動自在に配設されるこ
とが望ましい。
【0021】本発明の熱伝達コネクタは、板バネ状コン
タクトを受容部内で固定せず摺動自在に構成することも
勿論可能である。しかし上記のように板バネ状コンタク
トの一端部を一方のコネクタ部材に固定することによ
り、当該固定部に於いて伝熱面積を確保して熱の伝達を
確実化することができ、また他の端部を板バネの変形に
伴って例えば一軸方向または二軸方向に移動自在とする
ことによって板バネの作用を確保しコンタクトの塑性変
形を防止することができる。
【0022】さらに、前記板バネ状コンタクトは、その
コンタクトの一端を固着保持するリテーナ部材(例えば
実施形態に於けるリテーナリング36)を有し、板バネ
状コンタクトを固着保持するリテーナ部材は第2のコネ
クタ部材に面接触して固定されることが好ましい。
【0023】上記構成によれば、板バネ状コンタクトの
一端はリテーナ部材に固着保持され、該リテーナ部材は
第1のコネクタ部材に面接触により固定される。従って
前記同様に熱伝達を確実化できるほか、細かい部材であ
る板バネ状コンタクトを自動機によりリテーナ部材に溶
接やロー付け等の手法により固着保持してアッシー化
し、アッシー化されたコンタクトアッシーをコネクタ部
材に圧入やネジ止め、熱伝導性接着剤を用いた接着など
の方法により固定することができる。従って、コネクタ
部材本体の組立を容易化することができるとともに、例
えば板バネ状コンタクトとリテーナとを銅系の金属で作
成し、コネクタ部材をダイキャスト等の製法によりアル
ミ系の金属で作成するなど、両者が異種金属であっても
各々の部材の機能・性能を満足する最適な金属材料を選
択して熱伝達コネクタを構成することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以降本発明の好ましい実施の態様
について図面を用いて説明する。図4には、本発明に係
る熱伝達コネクタ1を用いた熱移送装置の構成を示して
おり、まずこの熱移送装置について説明する。
【0025】熱移送装置は発熱体(若しくは吸熱体、前
記同様「発熱体等」という。)Hの熱を集熱する集熱手
段40と、集熱された熱を移送する熱移送手段45,5
5と、移送された熱を放熱する放熱手段50と、熱移送
手段45,55の間に配設されて集熱手段40と放熱手
段50とを着脱自在に接続し、固体接触により熱の伝達
を行う熱伝達コネクタ1とから構成されている。
【0026】集熱手段40は熱伝導率の高い金属材料を
薄板状若しくはブロック状に成型加工した集熱体41か
らなり、発熱体等Hに密着配設して発熱体等の熱を効率
的に集熱させる。集熱体41の側端部には熱移送手段で
ある集熱側ヒートパイプ45の一端部が熱的・機械的に
接合されており、集熱体41で集められた発熱体等の熱
を他端に接続された熱伝達コネクタ1に効率的に伝熱す
る。
【0027】放熱手段50は、放熱フィン51とファン
52とからなり、一端部が熱伝達コネクタ1に接続され
他端部が放熱フィン51に接続された放熱側ヒートパイ
プ55を介し、熱伝達コネクタ1から放熱フィン51に
移送される熱をファン52を用いて強制的に空気中に放
熱する。
【0028】一対の熱伝達コネクタ1は、集熱側ヒート
パイプ45の接続された集熱側コネクタ部材10と、放
熱側ヒートパイプ55の接続された放熱側コネクタ部材
20とからなり、これらの間で嵌脱自在に接続するとと
もに、後に詳述するように金属弾性体を介して相互に固
体接触させ、両コネクタ部材間で熱的な接続を行うこと
により集熱手段40で集められた発熱体等Hの熱を放熱
手段50に伝達する。
【0029】この様にして構成される熱移送装置は、熱
伝達コネクタ1の部分で着脱自在に構成されるため、個
々を分離して製作し別々の装置に組み込むことができ
る。なお、熱伝達コネクタ1で分離された熱移送装置の
集熱側部分を集熱モジュール4、放熱手段側を放熱モジ
ュール5という。
【0030】図1には、本発明に係る熱伝達コネクタの
好ましい実施の形態を示しており、この熱伝達コネクタ
1は一対の集熱側コネクタ部材10と放熱側コネクタ部
材20とから構成されている。
【0031】集熱側コネクタ部材10は、断面視に於い
て凹状の溝部12を有する集熱側コネクタボディ11
と、その内部に配設された金属弾性体たる板バネ状コン
タクト32とから構成されており、コネクタボディ11
に形成された凹状の溝部12の受容開口12aに於いて
放熱側コネクタボディの挿入部22を受容し嵌脱自在に
接続する。
【0032】集熱側コネクタボディ11は、例えばアル
ミ合金や銅合金等の熱伝導率の高い金属材料をダイキャ
ストやシェルモールド等の方法により成形し、また必要
に応じてフライスや研削、ボーリング等の機械加工を行
って、所望の溝の形状寸法となるように仕上げ、さらに
適宜メッキや蒸着等の表面処理を施して形成する。
【0033】集熱側コネクタボディ11内に配設される
板バネ状コンタクト32は、リン青銅やベリリュウム銅
(使用環境によってはバネ用ステンレス鋼)などの高熱
伝導性バネ材料をプレス成形等により所望の板バネ形状
に成形し、必要に応じて耐食性のメッキ等表面処理を施
した物を用い、集熱側コネクタボディ11に形成された
凹状の溝部12の内部両側面12b,12bに固定配設
される。本実施形態に於ける板バネ状コンタクト32は
受容開口12a側から溝部底面12cに向け伸びるとと
もに、その中間部に於いて溝部の対向面に向けて付勢さ
れ突出する接触面32aを有して成型され、その一端部
32c(若しくは32bまたは受容開口外側の端面)で
溶接やロー付け若しくはネジ止めやリベットまたはスリ
ット中への圧入等の周知の方法により固定される。
【0034】なお本実施形態に於ける板バネ状コンタク
ト32は、凹状の溝部長手方向に複数に分割されたもの
であっても、一枚構成のものであっても良い。また、上
記図1の実施例では板バネ状コンタクト32は凹状の対
向する溝面12b,12bそれぞれに配設した例を示し
たが、本実施形態では上下の板バネ状コンタクトを溝底
面側で繋がるように一体的に成型し溝の底面12cに固
定することも可能である。そしてこの場合には部品点数
を削減することができるほか、集熱側ヒートパイプに近
接した位置に広い熱伝導面積を確保することができると
いう効果を奏することができる。
【0035】集熱側コネクタボディ11の受容開口12
a以外の面には、コネクタにより伝熱接続される集熱側
部材が接続される。例えば図1では熱移送手段である集
熱側ヒートパイプ45を接続する穴部11aと、この穴
内に挿入された集熱側ヒートパイプ45を密着把持させ
るためのスリ割り11bが凹状の溝部12と平行して長
手方向に設けられており、集熱側ヒートパイプ45の端
部を穴部11aへ挿入後図示しないネジによりスリ割り
部を締め付けることにより集熱側コネクタボディ11と
集熱側ヒートパイプ45とを熱的・機械的に接続する。
あるいは機械的にカシメ、またはスリ割り部を設けずに
熱伝導性接着剤等を用いて接続する。
【0036】放熱側コネクタ部材20は、前記集熱側コ
ネクタ部材10の受容開口12aから凹状の溝部12内
に挿入されて両コネクタ部材を嵌脱自在に接続する挿入
部22を有する放熱側コネクタボディ21からなり、上
記集熱側コネクタボディと同様の金属材料を用いて同様
の方法により形成される。挿入部22は集熱側コネクタ
10の板バネ状コンタクト32との伝熱面積を確保する
ため平面状の接触伝熱面22aが形成されている。な
お、この接触伝熱面22aの形状は必要に応じて板バネ
状コンタクト32の付勢形状と合わせて挿入方向に曲面
形状とすることも可能である。
【0037】また、放熱側コネクタボディ21の挿入部
22以外の面には、コネクタにより伝熱接続される放熱
側部材が接続される。図1では前記集熱側と同様に、放
熱側集熱側ヒートパイプ55と穴部21aとを密着把持
するためにスリ割り21bを挿入部22と平行して長手
方向に設けた場合を示しており、放熱側ヒートパイプ5
5の端部を穴部21aへ挿入後ネジ24を用いてスリ割
り部を締め込むことにより放熱側コネクタボディ21と
放熱側ヒートパイプ55とを熱的・機械的に接続する。
【0038】そして以上の様にして構成された集熱側コ
ネクタ部材10と放熱側コネクタ部材20とは、集熱側
コネクタ部材10の受容開口部12aから凹状の溝部1
2内に放熱側コネクタ部材20の挿入部22を挿入する
ことにより嵌脱自在に接続し、この凹状の溝部12の内
部で集熱側コネクタ部材10に固定された板バネ状コン
タクト32の接触面32aと放熱側コネクタ部材20の
接触伝熱面22aとで固体接触により相互に熱的に結合
し、集熱側コネクタボディ11に伝えられた熱を放熱側
コネクタボディ21に速やかに伝熱する。
【0039】従って、以上のようにして構成される熱伝
達コネクタ1を用いた熱移送装置では、集熱側モジュー
ル4と放熱側モジュール5とを着脱する場合に於いて、
冷媒等の漏れを生ずることなく必要に応じて嵌脱自在に
接続することができ、両者を接続した時には集熱側モジ
ュール4の発熱体Hの熱を熱伝達コネクタ1を介して放
熱側モジュール5の放熱手段50に効率よく伝達して冷
却することができる。
【0040】また、外力の作用によって損傷を受けやす
い板バネ状コンタクト32を凹状の溝部12の内面に配
設しているために損傷を受けにくく、両コネクタ部材の
結合軸(結合線)の位置ズレや角度ズレに対する許容度を
大きくとることができる。
【0041】さらに、上記実施形態の熱伝達コネクタ1
によれば、例えば集熱側コネクタボディ11と放熱側コ
ネクタボディ21とはその長手方向に任意に延長し、若
しくは縮小することが可能なものであり、例えばそれぞ
れを一定長のアルミ合金の引き抜き材として製作してお
くことにより、要求される伝熱容量に応じて任意の長さ
に切断して所望の伝熱容量の熱伝達コネクタを供給する
ことができる。
【0042】次に、図2には本発明に係る熱伝達コネク
タ1の他の好ましい実施形態を示しており、前述の実施
形態と同様に一対の集熱側コネクタ部材10と放熱側コ
ネクタ部材20とから構成されている。
【0043】集熱側コネクタ部材10は、中空円筒状の
開口17を有する集熱側コネクタボディ16と、その円
筒状開口17の内部に配設され、つづみ型に成型された
板バネ状コンタクト37を有するコンタクトアッシー3
5と、熱移送手段たる集熱側ヒートパイプ45を固定保
持する固定部材18とから構成されており、集熱側コネ
クタボディ16に形成された中空円筒状の開口17の内
部に放熱側コネクタ部材20の突出する挿入部27を受
容し嵌脱自在に接続する。
【0044】集熱側コネクタボディ16の円筒状開口部
17には、図3(a)にその代表断面を示すように、放熱
側コネクタ部材20の挿入部27を受容する受容開口側
に、後述する板バネ状コンタクトを固着保持しテーパス
リーブ状に形成されたリテーナリング36を面接触で保
持するリテーナ保持面16aが形成されている。
【0045】なお、集熱側コネクタボディ16は前述の
実施形態と同様の金属材料を同様の加工法を用いて形成
することができ、例えば本実施例ではアルミダイキャス
トによって形成する。
【0046】上記円筒状開口17内部に配設される板バ
ネ状コンタクト37は、図3(a)に示す様に、前述の実
施形態と同様の高熱伝導性のバネ材料をプレス成形等の
加工方法により所望のバネ形状に加工処理後つづみ状に
成型し、そのつづみ状の一端部37bを、真鍮等のバネ
材料との溶接性の良い高熱伝導性金属材料をテーパスリ
ーブ状に加工したリテーナリング36とスポット溶接や
ロー付け、接着等の方法により一体的に固着接合し、コ
ンタクトアッシー35とする。
【0047】つづみ状に成型加工された板バネ状コンタ
クト37は、複数枚の板バネが上記固定端部37bから
円筒軸方向の奥部に向けて伸びるとともに、その中間部
に於いて円筒部の内部(中心軸方向)に向けて付勢され
突出する接触面37aを有して成型され、他の端部37
cは円筒内面17bに摺動自在に接触している。
【0048】テーパスリーブ状に加工されたリテーナリ
ング36には、コンタクトアッシー35を集熱側コネク
タボディ16内に挿入したときに集熱側コネクタボディ
のリテーナ保持面16aと面接触で熱の伝達を行うテー
パ面36aが形成され、また、コンタクトアッシー35
を圧入したときの面接触性並びに保持性向上のためスリ
割り36bが設けられている。
【0049】放熱側コネクタ部材20は、集熱側コネク
タ部材10の受容開口17aから円筒状開口17内に挿
入されて両コネクタ部材を嵌脱自在に接続する突出する
挿入部27を有する放熱側コネクタボディ26と熱移送
手段たる放熱側ヒートパイプ55を保持し固定する固定
部材28とからなり、上記集熱側コネクタボディと同様
の金属材料を用いて同様の方法により形成される。
【0050】突出する挿入部27は集熱側コネクタ10
の板バネ状コンタクト37との伝熱面積を確保するため
平面状の接触伝熱面27aを有する多角柱形状(図示す
る例に於いては6角柱形状)に形成されており、図3
(b)にその接触状態を記載するように、接触伝熱面27
aと板バネ状コンタクト37の接触面37aとで面接触
により接触する。
【0051】なお、突出する挿入部27の角柱形状は6
角柱形状に限らず任意の角数とすることができ、また接
触伝熱面27aの角柱軸方向の形状は必要に応じて板バ
ネ状コンタクト37の付勢形状と合わせた曲面形状とす
ることも可能である。
【0052】集熱側コネクタボディ16の受容開口17
a以外の面、及び放熱側コネクタボディ26の挿入部2
7が突出する面以外の面には、コネクタにより伝熱接続
される集熱側部材が接続される。図2では熱移送手段で
ある集熱側ヒートパイプ45,55を半円筒状の保持面
を有する固定部材18,28を用い、ネジ等の図示しな
い接合手段を用いて熱的・機械的にコネクタボディに接
続した例を示す。なお、本実施形態に於いては、例えば
突出する挿入部に同軸上に穴を設け、この穴内に集熱側
ヒートパイプ55の端部を挿入して固定することもでき
る。そしてこの様な方法によれば、熱の伝導距離をより
短縮化して効率的に伝熱することができる。
【0053】以上の様にして構成された集熱側コネクタ
部材10と放熱側コネクタ部材20とは、集熱側コネク
タ部材10の受容開口部12aから円筒状の開口17内
に放熱側コネクタ部材20の挿入部27を挿入すること
により嵌脱自在に接続し、この円筒状開口17の内部で
集熱側コネクタ部材10に固定された板バネ状コンタク
ト37の接触面37aと放熱側コネクタ部材20の接触
伝熱面27aとで固体接触により相互に熱的に結合し、
集熱側コネクタボディ16に伝えられた熱を放熱側コネ
クタボディ26に速やかに伝熱する。
【0054】従って、以上のようにして構成される熱伝
達コネクタ1を用いた熱移送装置では、集熱側モジュー
ル4と放熱側モジュール5とを着脱する場合に於いて、
冷媒等の漏れを生ずることなく必要に応じて嵌脱自在に
接続することができ、両者を接続した時には集熱側モジ
ュール4の発熱体Hの熱を熱伝達コネクタ1を介して放
熱側モジュール5の放熱手段50に効率よく伝達して冷
却することができる。
【0055】また、外力の作用によって損傷を受けやす
い板バネ状コンタクト37を円筒状の開口17の円筒面
に配設しているために損傷を受けにくく、両コネクタ部
材の結合軸の位置ズレや角度ズレに対する許容度を大き
くとることができる。なお、本実施例では挿入部と受容
部とが2対であるため、突出する多角柱形状の挿入部2
7を受容する受容開口部17aを円形開口としている
が、例えばこれ等を一対構成とする場合には、内部の板
バネ状コンタクトにねじり力が作用しないように受容開
口形状を同一多角形形状若しくは2面幅を有する形状と
することが好ましく、この様に受容開口を形成すること
により単極構成であっても内部の板バネ状コンタクト3
7を効果的に保護することができる。
【0056】なお、以上の説明では説明の便宜上、凹状
の溝部12若しくは円筒状の開口17を有するコネクタ
部材側を集熱側コネクタ部材10とし、挿入部22,2
7を有するコネクタ部材側を放熱側コネクタ部材20と
したが、これ等は以上の説明から明らかなように逆の構
成であっても何ら問題はなく、使用される状況に応じて
適宜いずれかを集熱側、他方を放熱側として構成するこ
とにより同様の効果を奏することができるものである。
【0057】また、金属弾性体として板バネ状コンタク
トを用い、これを受容部内に配設した場合について説明
したが、例えば板バネ状コンタクトを、上述の実施例と
は逆に挿入部側に配設して構成すること、あるいは受容
部と挿入部の両者に配設すること、または板バネ状コン
タクトを外部に露出させて開口部を設け受容部を構成す
ること(例えば図1に示した実施例に於いて、上下の板
バネ状コンタクト32を溝底面12cに固定し、上下の
面12b,12bを廃止する)等によっても熱伝達コネ
クタを構成することが可能である。さらに、金属弾性体
として板バネ状コンタクトに変えて、高熱伝導性金属材
料をスチールウール状に成型したものを用いて構成する
ことも可能である。
【0058】図5は以上説明した熱伝達コネクタ1を有
する熱移送装置を「解決しようとする課題」で述べた、
いわゆる分離式薄型ノートPCに適用したものである。
この分離式薄型ノートPCはノートPC本体60とステ
ーション70とからなり、机上で使用するときには、F
DドライブやCDドライブ、家庭用電源アダプタ、プリ
ンタその他の外部周辺機器との接続コネクタ等を備えた
ステーション70上にノートPC本体60を載置接続す
ることによりこれ等との電気的接続を行って、上記ドラ
イブやマイクロプロセッサを含めパーソナルコンピュー
タ全体をフル作動させる。
【0059】一方、ノートPCを外部に持ち出して使用
するときにはノートPC本体60をステーション70か
ら切り離し、携帯性を考慮して薄型化、軽量化されたノ
ートPC本体60のみで分離使用可能とし、さらに本体
内蔵バッテリで作動する分離使用時には消費電力低減の
ためマイクロプロセッサの処理機能や処理速度を制限し
て使用するよう構成されている。なお、図5では説明の
ためノートPC本体60及びステーション70を透視し
て本発明の主要部のみを表示している。
【0060】ノートPC本体60側には集熱モジュール
4が内蔵されており、本体内部の発熱体等であるマイク
ロプロセッサMに密着配設された集熱体41の集熱した
熱をを熱伝達コネクタ1の集熱側コネクタ部材10に移
送する。なお、集熱側コネクタ部材10の配設位置はハ
ードディスクユニットや内蔵バッテリ等他の構成部品の
配置やステーション70との相対位置関係などから適宜
定めることができ、図5では本体60の底面に開口を設
けて配設している。
【0061】ステーション70には放熱側モジュール5
が内蔵されており、ノートPC本体60の集熱側コネク
タ部材10と対応する位置に配設された放熱側コネクタ
部材20(図2では載置部上面に上方に向けて配設して
いる)に伝達された熱を、ヒートパイプ55を介してス
テーション70の後方に配設された放熱フィン51に伝
熱し、さらに強制空冷用の冷却ファン52により強制空
冷する。
【0062】熱伝達コネクタ1の集熱側コネクタ部材1
0と放熱側コネクタ部材20とは、ステーション70の
載置部にノートPC本体60を載置したときに他の周辺
機器や電源等の接続端子と同様に一体的に接続される。
従ってステーション70上でMPUをフル作動させた場
合でも、その発熱を熱伝達コネクタ1を介して放熱フィ
ン51に伝熱し、冷却ファン52により強制空冷してM
PUを効率的に冷却することができ、過熱による性能低
下や異常作動、あるいはノートPCの筐体やキーボード
が熱くなる等の心配がない。
【0063】一方、ノートPC60本体を携帯して使用
するときにはMPUの発熱量が小さく、筐体やキーボー
ド等への伝導伝熱や対流伝熱による自然空冷で十分放熱
されるため、放熱モジュール5を必要としない。熱伝達
コネクタ1を有して構成した上記熱移送装置では、ステ
ーション70からノートPC本体60を取り外すときに
熱伝達コネクタ1で放熱モジュール5を切り離して使用
することができる。
【0064】従って、本発明の熱伝達コネクタ1を備え
た熱移送装置によれば、従来の薄型ノートPCで小型化
のネックとされていた放熱手段を薄型ノートPCの本体
外部に分離し、必要時のみ接続することができるためノ
ートPC本体60を小型軽量化することができる。
【0065】また、例えばペルチェ素子を用いて構成す
る盤用クーラや除湿器、電子冷却装置等では、ペルチェ
素子の放熱側(加熱側)を被冷却側と別室構成とするこ
とが求められる場合が多い。この様な場合に通常は隔壁
を挟んで加熱側と冷却側とを別室構成とするが、被冷却
部がシステム内の奥部にある様な場合には放熱される熱
の処理が問題となり、放熱手段を別配置とすることが望
まれていた。
【0066】この様な場合に於いても本発明の熱移送型
冷却装置を用いることにより、クーラや電子冷却装置の
ペルチェ素子の発熱側に集熱モジュールを設け、システ
ム外壁周辺の適宜な位置に放熱モジュール配設してお
き、これ等を組み立て時に本発明に係る熱伝達コネクタ
1で接続することにより容易に従来の問題を解決するこ
とができる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば金
属材料からなる第1のコネクタ部材と、金属材料からな
る第2のコネクタ部材と、前記コネクタ部材の少なくと
も一方に配設された金属弾性体とからなり、嵌脱自在に
接続されて前記二つのコネクタ部材間で挟持される前記
金属弾性体を介して固体接触により熱の伝達を行うこと
により熱伝達コネクタを構成する。
【0068】従って両コネクタ部材間での熱抵抗が低
く、いずれかのコネクタ部材の熱は金属弾性体を介して
他のコネクタ部材に速やかに伝達される。また、両コネ
クタ部材間で着脱による冷媒等の熱伝達媒質の漏れを生
ずることがない。
【0069】また、前記第1のコネクタ部材はその断面
視に於いて凹状の溝部を有する受容部を備え、前記金属
弾性体は凹状の溝部の内面に配設され、凹状の溝部の対
向面に向けて付勢されるとともに溝部の底面方向に伸び
て形成された板バネ状コンタクトからなり、前記第2の
コネクタ部材は第1のコネクタ部材の溝部に挿入自在な
挿入部を有し、第1のコネクタ部材と第2のコネクタ部
材とは受容部と挿入部とで嵌脱自在に接続し、凹状の溝
部内部に於いて挟持された板バネ状コンタクトを介して
固体接触により熱の伝達を行うことにより熱伝達コネク
タを構成する。
【0070】従って、前述同様の効果を奏するほか、外
力の作用による損傷を受けやすい板バネ状コンタクトが
凹状の溝内面に配設されるために損傷を受けにくく、両
コネクタ部材の結合軸(結合線)の位置ズレや角度ズレに
対する許容度を大きくとることができる。さらに断面視
凹状の溝部を視軸方向に延長することにより熱伝達面積
を拡大若しくは縮小して任意の熱伝達容量の熱伝達コネ
クタを提供することができる。
【0071】あるいは、前記第1のコネクタ部材は中空
円筒状の開口を有する受容部を備え、前記金属弾性体は
中空円筒状の開口の内面に配設され、円筒状の開口の内
部に向け付勢されるとともに円筒軸方向に伸びて形成さ
れた複数枚の板バネ状コンタクトからなり、前記第2の
コネクタ部材は前記開口に向け突出する挿入部を有し、
第1のコネクタ部材と第2のコネクタ部材とは受容部と
挿入部とで嵌脱自在に接続し、開口内部に於いて挟持さ
れた板バネ状コンタクトを介して固体接触により熱の伝
達を行うことにより熱伝達コネクタを構成する。
【0072】従って前記同様の効果を奏するほか、外力
の作用による損傷を受けやすい板バネ状コンタクトが円
筒状の開口内面に配設されるために更に損傷を受けにく
く、接続後の位置ズレを生じにくいという特徴を有す
る。また挿入部と開口部の径を増減し、あるいは挿入部
と受容部の対の数を増減することにより任意の熱伝達容
量の熱伝達コネクタを提供することができる。
【0073】なお、上記挿入部を有する熱伝達コネクタ
に於いて、挿入部は多角柱形状を有して構成することが
好ましい。
【0074】受容部内に挿入される挿入部を多角柱形状
を有して構成すること、例えば受容部に凹状の溝部を有
するコネクタ部材に於いては挿入部を四角柱状に形成
し、また受容部に中空円筒状の開口を有するコネクタ部
材に於いては六角柱や八角柱等のように形成すること、
すなわち平面を有して柱状に形成することにより、受容
部内での板バネ状コンタクトとの接触面積を円柱等の形
状と比較して拡大することができ、熱伝達効率を向上さ
せることができる。
【0075】また、前記板バネ状コンタクトは、そのコ
ンタクトの一端部が前記第1のコネクタ部材に固定さ
れ、他の端部は第2のコネクタ部材との嵌脱による板バ
ネの変形に伴って移動自在に配設されることが望まし
い。
【0076】上記のように板バネ状コンタクトの一の端
部を一方のコネクタ部材に固定することにより、当該固
定部に於いて伝熱面積を確保して熱の伝達を確実化する
ことができ、また他の端部を板バネの変形に伴って例え
ば一軸方向または二軸方向に移動自在とすることによっ
て板バネの作用を確保してコンタクトの塑性変形を防止
することができる。
【0077】さらに、前記板バネ状コンタクトは、その
コンタクトの一端を固着保持するリテーナ部材を有し、
板バネ状コンタクトを固着保持するリテーナ部材は第2
のコネクタ部材に面接触して固定されることが好まし
い。
【0078】上記構成によれば、板バネ状コンタクトの
一端はリテーナ部材に固着保持され、該リテーナ部材は
第1のコネクタ部材に面接触により固定される。従って
前記同様に熱伝達を確実化できるほか、コネクタ部材本
体の組立を容易化することができるとともに、例えば板
バネ状コンタクトとリテーナとを銅系の金属で作成し、
コネクタ部材をダイキャスト等の製法によりアルミ系の
金属で作成するなど、両者が異種金属であっても各々の
部材の機能・性能を満足する最適な金属材料を選択して
熱伝達コネクタを構成することができる。
【0079】そして、以上のような熱伝達コネクタを用
いることによって熱移送装置に於ける発熱体と放熱手段
とを自由に分離・接続可能に構成することができ、電子
機器や産業機械等を構成する構成部品の配置の自由度向
上、効率化、小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱伝達コネクタの好ましい実施形
態を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る熱伝達コネクタの他の好ましい実
施形態を示す斜視図である。
【図3】上記熱熱伝達コネクタの板バネ状コンタクト部
分を説明する説明図である。このうち図(a)は板バネ状
コンタクトとリテーナリングと円筒状開口部との関係を
示す部分断面図であり、図(b)は突出する挿入部と板バ
ネ状コンタクトとの接触状態を説明する説明図である。
【図4】本発明に係る熱伝達コネクタを用いた熱移送装
置を説明する斜視図である。
【図5】本発明に係る熱伝達コネクタを用いた熱移送装
置をノートブック型パーソナルコンピュータに適用した
実施例を説明する斜視図である。
【符号の説明】
1 熱伝達コネクタ 10 第1のコネクタ部材(集熱側コネクタ部材) 12 断面視凹状の溝部を有する受容部 17 中空円筒状の開口を有する受容部 20 第2のコネクタ部材(放熱側コネクタ部材) 22 挿入部 27 突出する挿入部 32 板バネ状コンタクト(金属弾性体) 36 リテーナ部材 37 複数の板バネ状コンタクト(金属弾性体) 45 熱移送手段(集熱側ヒートパイプ) 55 熱移送手段(放熱側ヒートパイプ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25D 9/00 F28D 15/02 101

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属材料からなる第1のコネクタ部材
    と、 金属材料からなる第2のコネクタ部材と、 前記コネクタ部材の少なくとも一方に配設された金属弾
    性体とからなり、 嵌脱自在に接続されるとともに前記二つのコネクタ部材
    間に挟持された前記金属弾性体を介して固体接触により
    熱の伝達を行うことを特徴とする熱伝達コネクタ。
  2. 【請求項2】 前記第1のコネクタ部材はその断面視に
    於いて凹状の溝部を有する受容部を備え、 前記金属弾性体は前記凹状の溝部の内面に配設され、前
    記凹状の溝部の対向面に向け付勢されるとともに溝部の
    底面方向に伸びて形成された板バネ状コンタクトからな
    り、 前記第2のコネクタ部材は前記凹状の溝部に挿入自在な
    挿入部を有し、 前記第1のコネクタ部材と前記第2のコネクタ部材とは
    前記受容部と前記挿入部とで嵌脱自在に接続し、前記凹
    状の溝部の内部に於いて挟持された前記板バネ状コンタ
    クトを介して固体接触により熱の伝達を行うことを特徴
    とする請求項1に記載の熱伝達コネクタ。
  3. 【請求項3】 前記第1のコネクタ部材は中空円筒状の
    開口を有する受容部を備え、 前記金属弾性体は前記中空円筒状の開口の内面に配設さ
    れ、前記円筒状の開口の内部に向け付勢されるとともに
    円筒軸方向に伸びて形成された複数枚の板バネ状コンタ
    クトからなり、 前記第2のコネクタ部材は前記開口に向け突出する挿入
    部を有し、 前記第1のコネクタ部材と前記第2のコネクタ部材とは
    前記受容部と前記挿入部とで嵌脱自在に接続し、前記開
    口内部に於いて挟持された前記板バネ状コンタクトを介
    して固体接触により熱の伝達を行うことを特徴とする請
    求項1に記載の熱伝達コネクタ。
  4. 【請求項4】 前記挿入部は多角柱形状を有することを
    特徴とする請求項2または請求項3に記載の熱伝達コネ
    クタ。
  5. 【請求項5】 前記板バネ状コンタクトは、該コンタク
    トの一端部が前記第1のコネクタ部材に固定され、他の
    端部は第1のコネクタ部材との嵌脱による板バネの変形
    に伴って移動自在に配設されることを特徴とする請求項
    2から請求項4に記載の熱伝達コネクタ。
  6. 【請求項6】 前記板バネ状コンタクトは、該コンタク
    トの一端を固着保持するリテーナ部材を有し、 前記板バネ状コンタクトを固着保持するリテーナ部材
    は、前記第2のコネクタ部材に面接触して固定されるこ
    とを特徴とする請求項5に記載の熱伝達コネクタ。
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