JP3219457U - ドライスーツ - Google Patents

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晶浩 安川
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圭介 上野
聡 大八木
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Abstract

【課題】比較的、簡単な構成でありながらも一人で容易に着脱できるドライスーツを提供する。【解決手段】脱着用の防水ファスナー17を有するドライスーツ1であって、防水ファスナー17は肩部11a、11b及び上腕上部の左右いずれか一方側から他方側の腰部及び大腿部あたりにまで斜めに設けられ、肩部11a、11b及び上腕上部において防水ファスナー17の端部位置は片方の手が届く位置に形成してあり、少なくともドライスーツ本体部の伸長率が80%〜140%の範囲にある素材で構成し、防水ファスナー17は所定柔軟率を有し、テープ部、エレメント、スライダが合成樹脂製とした。【選択図】図1

Description

本考案は潜水用のドライスーツに関する。
潜水服には水がスーツの内部に入り込むウェットスーツと、内部に水が入り込まないドライスーツに大別される。このうち、ドライスーツは冬季においても水によって体温を奪われることが少なく、潜水者の体力の消耗を減らすことができるので、ダイビングに広く使用されている。
例えば、図9(a)(b)に示すように、下記特許文献1のドライスーツ(50)は、装着者の胴体を覆う着衣本体(51)と、装着者の頭から首を覆うフード(52)とを有しており、防水ファスナー(53)は、着衣本体(51)における背側所定位置(P)から、フード(52)における首被覆部(54)及び頭頂被覆部(55)を通り、顔出し用窓(56)の上縁部(57)近傍位置までの範囲を開口可能とする構成になっている。
一方、図9(c)に示すように、左肘上部から左肩、首下を経て右肩から右肘上部に達するように背中上部に横方向に延びる防水ファスナー(60)を設けたドライスーツ(61)も既に使用されている。
実用新案登録第3144577号
上記従来構成のドライスーツであれば、下記のような課題がある。
図9(a)(b)に示すドライスーツ(50)の構成であれば、帯形のスライド操作体(62)によって、背中位置のファスナーのスライダを引き上げる又は引き下げる必要があり、操作しづらいという課題がある。また、スライダ操作体(62)を常に管理する必要があり、煩雑となる。
図9(c)に示すドライスーツ(61)の構成では、背中部にある防水ファスナー(60)を真横に動かす必要があるので、一人でドライスーツ(61)を着たり、脱いだりすることが難しい。
一人でスーツを着ることができない又は一人でファスナーが完全に閉じているか否かを確認できないということはスキューバダイビングなどの潜水において明らかに不便なことで使用者の不満が多かった。
また、従来のドライスーツであれば、柔軟性が乏しく、水中で体を動かす時に動きにくいという課題があった。
さらに、上記2つの従来例に示す構成では、いずれもドライスーツ(50・61)を着たままで、男性の小便ができないという課題があった。
本考案の目的は、一人でドライスーツを着脱できるとともに、従来構成に比べて着脱を簡単に行えるドライスーツを提供することを目的とする。
また、他の目的として、上記従来技術の上記各課題を解決することができるドライスーツを提供することにある。
上記に記載した以外の考案の課題、その解決手段及びその効果は、後述する明細書内の記載において詳しく説明する。
請求項1に係るドライスーツは、脱着用の防水ファスナーを有するドライスーツであって、
前記防水ファスナーは肩部及び上腕上部の左右いずれか一方側から他方側の腰部及び大腿部あたりにまで斜めに設けられた防水ファスナーであり、
前記肩部及び上腕上部において前記防水ファスナーの端部位置は片方の手が届く位置に形成してあり、
少なくともドライスーツ本体部の伸長率が80%〜140%の範囲にある素材で構成し、
前記防水ファスナーは所定柔軟率を有し、テープ部、エレメント、スライダが合成樹脂製である合成樹脂製ファスナーであり、
前記所定柔軟率は、前記防水ファスナーの長手方向と直交する軸回りに前記合成樹脂製ファスナーを巻いた場合に、合成樹脂製ファスナーの長手方向の全長をGとすれば、巻いた筒形物の全幅Xを、
X=G/16〜G/8の範囲にまで前記全幅Xを小さく巻ける曲げ方向の柔軟率であることを特徴とする。
なお、伸長率が80%〜140%の範囲にある素材を用いる箇所は、本体部の全ての箇所であることが好ましい。しかし、請求項1に係る考案では後面部だけ、又は背中部だけに前記伸長率の高い素材を用いる構成を除外するものではない。
また、伸長率の伸びる方向は縦方向(上下方向)と斜め方向、横方向の全てが前記高い伸長率を有していることが好ましい。しかし、縦方向(上下方向)と斜め方向だけ上記範囲の伸長率を有し、横方向は若干低い伸長率に設定することも可能である。
請求項1に係るドライスーツであれば、本体部の伸長率及び防水ファスナーの所定柔軟率がそれぞれ上記範囲内にあることで、ドライスーツの着脱操作において、人の動きに応じてドライスーツ及び防水ファスナーを変形させることができ、容易に一人で着脱を行えるようになる。
また、ドライスーツを着た後でも素材と合成樹脂製ファスナーが人の動きに応じて変形しやすくなるので、ドライスーツの使用感を向上できる。
さらに、肩部及び上腕上部において設けられる前記防水ファスナーの端部位置は片方の手が届く位置に形成してあるので、一人でドライスーツ脱いだり、着たりすることができる。
請求項2に係るドライスーツは、前記所定柔軟率は、前記曲げ方向の柔軟率とともに、前記防水ファスナーの長手方向と平行な軸回りに螺旋形にテープ部を巻いた場合に、隣り合う2つのテープ部端縁の隙間がほぼ存在しない状態でその巻いた形状が筒体となり、前記筒体の直径Yは、テープ部の全横幅Zに対して、20%〜70%の範囲にまで細く巻ける捩じり方向の柔軟率を有していることを特徴とする。
請求項3に係るドライスーツは、脱着用の防水ファスナーを有するドライスーツであって、
前記防水ファスナーは肩部及び上腕上部の左右いずれか一方側から他方側の腰部及び大腿部あたりにまで斜めに設けられた防水ファスナーであり、
前記肩部及び上腕上部において前記防水ファスナーの端部位置は片方の手が届く位置に形成してあり、
少なくともドライスーツ本体部の伸長率が80%〜140%の範囲にある素材で構成し、
前記防水ファスナーは所定柔軟率を有し、テープ部、エレメント、スライダが合成樹脂製である合成樹脂製ファスナーであり、
前記所定柔軟率は、前記防水ファスナーの長手方向と平行な軸回りに螺旋形にテープ部を巻いた場合に、隣り合う2つのテープ部端縁の隙間がほぼ存在しない状態でその巻いた形状が筒体となり、前記筒体の直径Yは、テープ部の全横幅Zに対して、20%〜70%の範囲であって細く巻ける捩じり方向の柔軟率であることを特徴とする。
請求項3に係るドライスーツであれば、請求項1と同じ効果を得ることができる。
請求項4に係るドライスーツは、前記ドライスーツ本体部の縦方向及び斜め方向の前記伸長率が90%〜120%である素材で構成したことを特徴とする。
この構成であれば、縦方向及び斜め方向において大きく伸びることができる素材を用いているので、潜水者が一人でドライスーツを着やすくなる。また、伸びすぎることを抑制してドライスーツを着た後の使用感を向上できる。
請求項5に係るドライスーツは、腕部の素材も前記伸長率を有する素材で製造したことを特徴とする。
この構成であれば、腕部の素材も前記伸長率を有する素材で製造することで、腕の出し入れなどの操作において、上半身の変形しやすさを向上させることができる。
請求項6に係るドライスーツは、前記ドライスーツ本体部の素材が、肌側ジャージ層、スポンジ層、外側ジャージ層、外側表面ゴム層の4層を少なくとも含み、前記4層は前記伸長率を満たすことを特徴とする。
請求項7に係るドライスーツは、前記防水ファスナーは本体部の下側において前記防水ファスナーの閉じ終端を有するように構成したことを特徴とする
請求項8に係るドライスーツは、前記防水ファスナーは前記素材の伸長率と前記防水ファスナーの前記所定柔軟率を考慮して、ドライスーツを脱がないでも男性の小便ができるように前記防水ファスナーの終端位置を設定したことを特徴とする。
この構成であれば、例えば、大腿部上又は腰部近くに防水ファスナーの終端が来ることになる。終端の位置は適宜、股部近くに設定してあるので、ドライスーツの素材の伸長率が高いとともに柔軟性のある合成樹脂製ファスナーを採用しているので、男性が小便をすることきに、股部付近を大きく変形させることができる。これにより、ドライスーツを着たままで、防水ファスナーを開けて小便を行うことができるようになる。
請求項9に係るドライスーツは、前記防水ファスナーは肩部に前記防水ファスナーの端部が設けられ、前記肩部は、腕部、襟部、胸腹部の上部、及び背中臀部の上部との接合線によって囲まれた領域に形成してあることを特徴とする。
請求項10に係るドライスーツは、前記防水ファスナーの始端側領域と終端側領域の両方に、前記エレメントの開き幅を制限する帯部材を左右のテープ部に架け渡すように設けたことを特徴とする。
この構成であれば、帯部材によって前記エレメントの開き幅が制限されるので、前記エレメントの開きすぎによって破損しやすい始端側領域と終端側領域において、エレメントの開きすぎによる前記防水ファスナーの破損を強力に抑制することができる。
以上説明したように、本考案であれば、比較的簡単な構成でありながらも一人で容易に着脱できるドライスーツを提供することができた。また、上記従来技術の少なくとも一つの課題を解決することができるドライスーツを提供できた。
図1(a)は第1実施形態に係るドライスーツの正面図、図1(b)はその背面図である。 図2は本実施形態における本体部の素材の縦拡大部分断面図である。 図3(a)〜(d)はそれぞれドライスーツ素材の伸長率を説明するための図である。 図4(a)は本実施形態に採用される防水ファスナーの部分正面図、図4(b)はその一部拡大斜視図である。 図5は防水ファスナーの曲げ方向の柔軟率を説明するための斜視図である。 図6は防水ファスナーの捩じり方向の柔軟率を説明するための斜視図である。 図7(a)は第2実施形態に係るドライスーツの正面図、図7(b)はその背面図である。 図8はその他の変形例を説明するための図であり、帯部材によってエレメントの開き幅を制限する防水ファスナーの一部の平面図である。 図9(a)〜(c)はそれぞれ従来のドライスーツの課題を説明するために、従来のドライスーツを示した図である。
[第1実施形態]
図1〜図6は本考案の第1実施形態に係るドライスーツを説明するための図である。
本明細書において、ドライスーツ装着時に上下となる方向を縦方向と称し、縦方向と略直交する幅方向を横方向と称する。
<ドライスーツの全体構成>
図1に示すように、このドライスーツ(1)は、大別すると本体部(2)、腕部(3・3)、及び脚部(4・4)と有している。本体部(2)は、身体の側部の側面接合線(図示せす)で接合される前面部(6)と後面部(7)とから構成してある。
前面部(6)と後面部(7)は、下側が膝より少し上の位置において、脚部(4・4)と接合線(8)において接合されるとともに、腕部(3・3)と接合線(9)で接合されている。
前面部(6)は図1(a)において腕部(3・3)と脚部(4・4)を除く前面の領域で構成されている。前面部(6)は、胸腹部(10)、両側の前肩部(11a・11a)、胸域において略楕円形に首回りを囲む前襟部(12a)、その前襟部(12a)から頭側に向けて先すぼみ形に延びる前首部(13a)を少なくとも有している。
後面部(7)は図1(b)において腕部(3・3)と脚部(4・4)を除く後面の領域で構成されている。後面部(7)は、背中臀部(14)、両側の後肩部(11b・11b)、後襟部(12b)、その後襟部(12b)から頭側に向けて先すぼみ形に延びる後首部(13b)を少なくとも有している。
前面部(6)の胸腹部(10)の上方は、胸付近において先細り形状に構成され、両側の前肩部(11a・11a)と前襟部(12a)のそれぞれの下曲線において接合されている。同じく、後面部(7)の背中臀部(14)の上方は、背中上部付近において先細り形状に構成され、両側の後肩部(11b・11b)と後襟部(12b)のそれぞれの下曲線において接合されている。
前面部(6)及び後面部(7)の上部は両側が肩部(11a・11b)によって接合されるとともに襟部(12a・12b)の略楕円形線によって接合されている構成になっているので、肩部(11a・11b)と襟部(12a・12b)と胸腹部(10)の上部及び背中臀部(14)の上部との接合連結を円滑に行え、潜水者が大きく動き、素材が伸びた場合でもその身体形状に対する密着性を高く維持することができる。
また、襟部(12)を設けることで、肩部(11)、胸腹部(10)の上部、背中臀部(14)の上部との接合において局部的に力がかかりやすい箇所をなくして、略楕円形線に沿って力を分散することができる。また、襟部(12)は、立体的で接合しにくい首部(13)への接続部としての機能も果たすことができる。
なお、図1においては胴体部の胸位置には給気弁(15)が設けられ、後述する防水ファスナー(17)が設けられる側と反対側の上腕部上方位置には排気弁(16)が設けられている。
<防水ファスナー17の取付位置の特徴>
本実施形態の特徴構成の一つは、装着者から考えて、後肩部(11b)の右肩上部位置から始端を有し、前面部6の右前肩部(11a)を越えて斜めに下り、胸腹部(10)を経て、前面部(6)の左大腿部上部に終端を有するように防水ファスナー(17)が設けられている点がある。
具体的には、ドライスーツ(1)の生地に斜めの開口(図示せず)を設け、その開口の内側縁部面に図4に示すような防水ファスナー(17)のテーブ部(25)を固定することで、防水ファスナー(17)をドライスーツ(1)に固定してある。
防水ファスナー(17)を開くと、大きく開口するので、その開口から装着者がドライスーツ(1)を着たり、脱いだりすることができる。
なお、図1及び図7においては、見やすいように防水ファスナー(17)を長い破線で描いている。通常、防水ファスナー(17)は、防水ファスナー(17)が外部に露出しないようにドライスーツ(1)の生地の素材で覆われている。
防水ファスナー(17)を開くときは、閉じる側の終端である大腿部上部にあるスライダ(18)の引手(19)を手で右肩上部まで移動させることにより、開口する。逆に防水ファスナー(17)を閉じるときは、右肩上部にあるスライダ(18)を閉じる側の終端である大腿部上部まで移動させることにより行う。
防水ファスナー(17)がこのように装着者の手が届く位置に設けられているので、装着者は右肩部上部にあるスライダ(18)、大腿部上部にあるスライダ(18)を簡単に手で操作することができる。
また、この構成であれば、閉じる側の終端が大腿部上部にあるので、確実に防水ファスナー(17)が閉じているか否かを装着者自らが確認することができ、安全上も好都合である。
<本体部(2)の素材の一例とその伸長率>
図2に示すように、本体部(2)の素材は、必要により、肌側ジャージ層(20)、スポンジ層(21)、外側ジャージ層(22)、外側表面ゴム層(23)の4層を少なくとも含んで構成することが可能である。但し、この発明の実施形態においては、この4層構成に限定はされない。
肌側ジャージ層(20)及び外側ジャージ層(22)は、網目を細かくした織物等で構成されている。このような構成であれば、ドライスーツ(1)の各部を接合線で縫合する場合に、両側にジャージ層があることで縫合強度を高めることができる。
スポンジ層(21)の材質は適宜、発泡スポンジ型合成樹脂素材が使用できるが、その他の同等のクッション性、柔軟性及び保温性を有する合成樹脂材であれば、その代わりに前記合成樹脂材を用いても良い。
外側表面ゴム層(23)は必要に応じて着色され、あるいは各種のマーク・ロゴ・文字等が印刷される。
肌側・外側のジャージ層(20・22)、スポンジ層(21)、外側表面ゴム層(23)はそれぞれ前記した伸長率を満足することができる材質のものが採用される。
外側表面ゴム層(23)、外側ジャージ層(22)はスポンジ層(21)と一体化している。
次に、図3を用いてドライスーツ素材の好ましい伸長率について説明する。
図3(a)は素材を伸ばす前の状態の素材を示した図であり、素材の一例として、一辺の長さが(L1)の正方形を示している。この正方形の状態から、図3(b)は縦方向に引き延ばした状態を示す図であり、図3(c)は斜め45度傾いて切り出した正方形を斜め45度方向に引き延ばした状態を示す図であり、図3(d)は横方向に引き延ばした状態を示す図である。
一般に素材の伸長率は縦方向と横方向とで変わるものも多いが、本実施形態の素材は、縦、斜め、横方向の全ての方向において、ほぼ同じ伸長率を有する素材を使用することが好ましい。つまり、同じ引張り力を素材にかけた場合、ほぼ同じ(L2)の長さに伸びる素材である。
なんらかの理由で一方向の伸長率が低くならざるを得ない場合は、斜め方向又は横方向の伸長率を低くする素材を選び、縦方向の伸長率はできるだけ高く維持する方が好ましい。
ここで、伸長率は元の伸長前の長さ(L1)に対して伸長後の長さ(L2)の除算
[(L2−L1)/L1]×100(%)で定義される。この伸長率を好ましくは80%〜140%の範囲に設定し、さらに好ましくは、90%〜120%に設定する。伸長率が80%を下回ると、ドライスーツ(1)を着る場合に素材が十分に伸びないので着にくくなる。また、伸長率が140%を超えると伸びすぎる素材となり、潜水する場合に物に引っかかったりしやすくなるとともに、一般に強度の点において好ましくはない傾向にある。
前面部(6)と後面部(7)を比べると、重要度は後面部(7)の方が高く、前面部(6)と後面部(7)の伸長率を変えるのであれば、後面部(7)の伸長率を前面部(6)の伸長率よりも大きくすることが好ましい。
なお、最低でも後側の肩部から背中部及び臀部に至る領域の素材伸長率は上記範囲にすることが好ましい。
最も好ましいドライスーツの一構成例は、本体部(2)の全ての領域、例えば、大腿部、尻部、腹部、腰部、脚部等において大きな伸長率を有する構成であり、この場合は装着者のあらゆる動きに良好に伸びて対応できることになる。
なお、脚部下部域の靴部領域は伸長率の低い他の素材が使用されることが多い。
<防水ファスナー(17)の構成>
図4(a)に示すように、実施形態で採用される防水ファスナー(17)は左右両側のテープ部(25・25)と、スライダ(18)と、左右のエレメント(27・27)(務歯27・27)と、始端止め(28)と、終端止め(29)とを含んで構成してある。これらの部材は、合成樹脂で構成してある。また、図4(b)に示すように、好ましくは、エレメント(27・27)のテープ部(25・25)からの上方への突出高さ(D)は2mm以下に設定される。
エレメント(27・27)の係合形態は防水ファスナーとして一般的な金属製ファスナーとは違い、一般的な合成樹脂ファスナーで採用されている係合形態を採用している。
金属製ファスナーでは金属自体が固いので柔軟性は低く、かつテープ部からの突出高さが平均3.5mmから4mmと大きいので、金属製ファスナーを採用すると、伸長率の高い素材を採用してもドライスーツ(1)の変形及び伸びを金属製ファスナー位置で著しく妨げ、結果的に着脱しにくいものとなってしまうのである。
また、金属製ファスナーはテープ部も比較的固いゴムで構成されることが多いので、この点においても、着用しにくく、着用後も動きにくいドライスーツとなる。
これに対して、図4(b)に示すように本実施形態に採用される合成樹脂製ファスナーの突出高さ(D)は2mm以下であり、左右エレメント(27・27)及びテープ部(25)も柔軟性のある合成樹脂で構成されるので変形しやすくなるのである。
<防水ファスナー(17)の柔軟率の説明>
上記のように金属製ファスナーを使用せず、合成樹脂製ファスナーを採用する利点に加えて、新しく発見した好ましい条件である、合成樹脂製ファスナーの柔軟率の設定について説明する。
(曲げ方向の柔軟率)
図5に示すように、防水ファスナー17の長手方向Fと直交する軸(30)回りに合成樹脂製ファスナー(17)を巻いた場合に、合成樹脂製ファスナー(17)の長手方向の全長を(G)(図4(a)参照)とすれば、巻いた筒形物の全幅(X)(直径)を
X=G/16〜G/8の範囲にまで直径を小さく巻けること、きつく巻くことが可能になる程度に合成樹脂製ファスナー(17)が柔軟であれば、ドライスーツ(1)の着脱が良好になることを、柔軟性の異なるファスナーを比較した実験によって確かめた。
例えば、合成樹脂製ファスナー(17)の全長が100cmのものであれば、巻いた筒形の全幅(X)が6.25cm〜12.5cm程度に小さい直径で巻けるほど、合成樹脂製ファスナー(17)は柔軟であるという指標である。
上記範囲にある柔軟性の防水ファスナー(17)であると、本体部(2)において、前屈動作や左右に大きく捩じる動作を行った場合でも、防水ファスナー(17)が大きな伸長率を有する素材に負けないほど追従性が良くなることを本発明者は発見した。
(捩じり方向の柔軟率)
図6に示すように、捩じり方向の柔軟率は、防水ファスナー17の長手方向Fと平行な軸回りに螺旋形にテープ部25を巻いた場合に、隣り合う2つのテープ部端縁31,32の隙間Kがほぼ存在しない状態でその巻いた形状が筒体33となり、前記筒体33の直径Yは、テープ部25,25の全横幅Zに対して、20%〜70%の範囲にまで細く巻ける捩じり方向の柔軟性を有していることを意味している。
なお、「隣り合う2つのテープ部端縁31,32の隙間Kがほぼ存在しない状態」とは、例えば、テープ部端縁31,32の隙間Kが0mm〜3mmの間にあることを言う。
<作用>
上記構成のドライスーツ(1)の着脱時の操作について説明する。
まず、ドライスーツ(1)を着用しようとする者は、ドライスーツ(1)の防水ファスナー(17)を完全に開いて、左右の脚部(4・4)に自分の両足をそれぞれ入れた状態にする。この状態から防水ファスナー(17)の始端が設けられた側と反対の肩部(11)側の腕部(4)に片腕を入れて、その腕部(4)にその片腕を通した状態にする。
その状態から、必要により全身を前方にかがめて、防水ファスナー(17)の開口から首部(13)及び肩部(11)及び胸部のあるドライスーツ(1)の内部空間に自らの体を頭から被せて、首部(11)から頭を出す動作を行う。
この際に、ドライスーツ(1)は各装着者に合わせてダブつきがないように予め寸法が各装着者の体に合わせて製造してある。
ここで、ドライスーツ(1)の少なくとも本体部(2)は上記のような大きい伸長率を備えているので、開口からドライスーツ(1)の胸部、肩部、首部の上部部分を頭から被る時や、首部(13)から頭を出すときに、大きく素材が伸びるので、着やすくなる。また防水ファスナー(17)の開口も金属が用いられている構成よりも柔軟である。さらに前記した柔軟率の設定により防水ファスナー(17)は、曲げる方向の柔軟性とともに捩じる方向の柔軟性も高いように構成してあるので、装着者の動きに対応して変形できるので、非常に着やすくなる。
そして、首を首部(13)から出した状態で、他方の腕を反対側の腕部(3)に入れた後、防水ファスナー(17)を閉めることでドライスーツ1の着用が完了する。
[第2実施形態]
図7は本発明の第2実施形態を示すドライスーツの図である。
この第2実施形態は、装着者から考えて、左側の上腕上部から斜めに防水ファスナー(17)を設け、右側の腰部域にファスナー(17)の終端を設けた点を特徴としている。
上腕上部は肩部(11)よりも動かすことが容易であり、そのスライダ(19)の位置や状態などを目で確認しやすいという利点がある。また、上腕上部にあるスライダ(18)の引手(19)を操作しやすいという利点もある。
[その他の変形例]
図8に示すように、防水ファスナー17の始端側領域35と終端側領域は、左右のエレメント27・27が大きく開くと、引き裂かれるように始端側領域35と終端側領域が破損して、水がドライスーツの中に入ってくる不都合が生じる課題がある。そこで、左右のエレメント27・27の開き幅を制限する帯部材36を左右のテープ部25・25に架け渡すように設けた構成としてある。
また、帯部材36は、テープ部25・25の固定面38・38と架け渡す帯部材36の表面39は捻じれた位置にあるように構成してある。
固定面38・38と帯部材36の表面39は捻じれた位置にあるように構成することで、左右のエレメント27・27の開き幅を大きく維持しつつ、始端側領域35の破損を抑制することができる。
なお、終端側領域は図示していないが、同じような帯部材36を設けることで同様の効果を得ることができる。
本考案は上記実施形態以外にも本考案の要旨を変更しない範囲で種々の変形を行うことが可能である。
(1)前記実施形態では図1及び図7において、肩部、襟部、胸腹部、背中臀部、首部などを具体的な部分を示して説明したが、本考案の最も重要な構成は一人でドライスーツ1を切れるように柔軟性と変形性を向上させた点にあるから、本体部の肩部、胸腹部、背中臀部などの各部の形状は適宜、各種の形状のものが採用できる。
(2)本体部の下側において前記防水ファスナーの閉じ終端を有するように構成することは、本考案の一形態であり、閉じ終端を肩部や上腕上部側に設ける構成も当然に採用することができる。手の届く範囲内にある肩部や上腕上部であれば、潜水者は自分でファスナーが閉じているか否かを確認できるからである。
1…ドライスーツ
2…本体部
3…腕部
11…肩部
17…防水ファスナー、合成樹脂製ファスナー
20…肌側ジャージ層
21…スポンジ層
22…外側ジャージ層
23…外側表面ゴム層
25…テープ部
27…エレメント
26…スライダ
29…終端止め(閉じ終端)
30…軸
35…始端側領域
36…帯部材
G…合成樹脂製ファスナーの長手方向の全長
X…筒形物の全幅(直径)
Y…筒体の直径
Z…テープ部の全横幅

Claims (10)

  1. 脱着用の防水ファスナーを有するドライスーツであって、
    前記防水ファスナーは肩部及び上腕上部の左右いずれか一方側から他方側の腰部及び大腿部あたりにまで斜めに設けられた防水ファスナーであり、
    前記肩部及び上腕上部において前記防水ファスナーの端部位置は片方の手が届く位置に形成してあり、
    少なくともドライスーツ本体部の伸長率が80%〜140%の範囲にある素材で構成し、
    前記防水ファスナーは所定柔軟率を有し、テープ部、エレメント、スライダが合成樹脂製である合成樹脂製ファスナーであり、
    前記所定柔軟率は、長手方向と直交する軸回りに前記合成樹脂製ファスナーを巻いた場合に、合成樹脂製ファスナーの長手方向の全長をGとすれば、巻いた筒形物の全幅Xを、
    X=G/16〜G/8の範囲にまで前記全幅Xを小さく巻ける曲げ方向の柔軟率であることを特徴とする
    ドライスーツ。
  2. 前記所定柔軟率は、前記曲げ方向の柔軟率とともに、前記防水ファスナーの長手方向と平行な軸回りに螺旋形にテープ部を巻いた場合に、隣り合う2つのテープ部端縁の隙間がほぼ存在しない状態でその巻いた形状が筒体となり、前記筒体の直径Yは、テープ部の全横幅Zに対して、20%〜70%の範囲にまで細く巻ける捩じり方向の柔軟率を有していることを特徴とする請求項1に記載のドライスーツ。
  3. 脱着用の防水ファスナーを有するドライスーツであって、
    前記防水ファスナーは肩部及び上腕上部の左右いずれか一方側から他方側の腰部及び大腿部あたりにまで斜めに設けられた防水ファスナーであり、
    前記肩部及び上腕上部において前記防水ファスナーの端部位置は片方の手が届く位置に形成してあり、
    少なくともドライスーツ本体部の伸長率が80%〜140%の範囲にある素材で構成し、
    前記防水ファスナーは所定柔軟率を有し、テープ部、エレメント、スライダが合成樹脂製である合成樹脂製ファスナーであり、
    前記所定柔軟率は、前記防水ファスナーの長手方向と平行な軸回りに螺旋形にテープ部を巻いた場合に、隣り合う2つのテープ部端縁の隙間がほぼ存在しない状態でその巻いた形状が筒体となり、前記筒体の直径Yは、テープ部の全横幅Zに対して、20%〜70%の範囲であって細く巻ける捩じり方向の柔軟率であることを特徴とするドライスーツ。
  4. 前記ドライスーツ本体部の縦方向及び斜め方向の前記伸長率が90%〜120%である素材で構成したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一つに記載のドライスーツ。
  5. 腕部の素材も前記伸長率を有する素材で製造したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一つに記載のドライスーツ。
  6. 前記ドライスーツ本体部の素材が、肌側ジャージ層、スポンジ層、外側ジャージ層、外側表面ゴム層の4層を少なくとも含み、前記4層は前記伸長率を満たすことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一つに記載のドライスーツ。
  7. 前記防水ファスナーは本体部の下側において前記防水ファスナーの閉じ終端を有することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一つに記載のドライスーツ。
  8. 前記防水ファスナーは前記素材の伸長率と前記防水ファスナーの前記所定柔軟率を考慮して、ドライスーツを脱がないでも男性の小便ができるように前記防水ファスナーの終端位置を設定したことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一つに記載のドライスーツ。
  9. 前記防水ファスナーは肩部に前記防水ファスナーの端部が設けられ、前記肩部は、腕部、襟部、胸腹部の上部、及び背中臀部の上部との接合線によって囲まれた領域に形成してあることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか一つに記載のドライスーツ。
  10. 前記防水ファスナーの始端側領域と終端側領域の両方に、前記エレメントの開き幅を制限する帯部材を左右のテープ部に架け渡すように設けたことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか一つに記載のドライスーツ。
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