JP3218550U - 残ガス回収装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】残ガス容器10から残ガスを回収するための装置であって、残ガス重量を測定する重量測定部20と、残ガスを回収するための回収容器11と、回収容器を冷却するための冷却ユニット30と、残ガス導入ライン12と、を備える。冷却ユニットは、回収容器を収納する収納部31と、冷媒を冷媒ユニットに導入するための冷媒導入部32と、冷媒ユニットの内部に冷媒を吐出するための冷媒吐出部33と、冷媒ユニットの内部温度を測定する温度計測部34と、温度計測部により計測された温度に基づいて、冷媒導入部から導入される冷媒の量を制御する冷媒制御部21と、を有する。
【選択図】図1
Description
ガス消費場所では、一定量のガスが容器内に残存している状態で消費を停止し、その状態でガス充填設備へ返却されることが多い。これは、ガスの残量の低下に伴い不純物が増加したり、容器からのガス導出量が不安定になったりするおそれがあるためである。
本考案は、上記現状に鑑みてなされたものであって、コンプレッサーを使用することなく、残ガス容器中の残ガスを回収容器に回収することが可能な残ガス回収装置を提供することを目的とする。
前記残ガス容器に貯留された残ガス重量を測定する重量測定部と、
残ガスを回収するための回収容器と、
前記回収容器を冷却するための冷却ユニットと、
前記残ガス容器の内部に貯留された残ガスを前記回収容器に導入するための残ガス導入ラインと、を備え、
前記冷却ユニットは、
前記回収容器を収納する収納部と、
冷媒を前記冷媒ユニットに導入するための冷媒導入部と、
前記冷媒ユニットの内部に冷媒を吐出するための冷媒吐出部と、
前記冷媒ユニットの内部温度を測定する温度計測部と、
前記温度計測部により計測された温度に基づいて、前記冷媒導入部から導入される前記冷媒の量を制御する冷媒制御部と、を有する。
残ガス容器の空重量は既知であるため、残ガス容器と、残ガス容器内の残ガスの合計重量を重量測定部で計測することにより、残ガス容器内の残ガス重量を算出することが可能である。すなわち、(重量測定部における計測値)−(空重量)=(残ガスの重量)の関係となる。
冷却ユニットには冷媒が接続されており、その冷媒は冷媒導入部から、冷媒吐出部を経由して、収納部へと吐出される。収納部へ吐出される冷媒量は、収納部の内部温度が予め定めた設定温度となるように、収納部の内部温度を測定する温度計測部の計測値に基づいて、冷媒制御部により制御される。
ある残ガス容器から、回収容器へと残ガスを回収したのちに、残ガス容器を他の残ガス容器に交換し、さらに当該他の残ガス容器から回収容器へと残ガスを回収してもよい。回収容器の充填可能量の上限に到達するまで、残ガス容器を付け替えて残ガスの回収を繰り返し実施することが可能である。
回収容器に回収された残ガスは、そのまま製品容器として出荷されてもよい。回収容器内のガス中の不純物量が、所望の量よりも多い場合には、回収容器中のガスをさらに精製してもよい。
残ガス容器から、ジシランを主成分とする残ガスを回収容器へと、圧力差によりジシランを回収すると、ジシランよりも沸点が高い不純物は残ガス容器内に残留する。このため、回収容器内には高沸点の不純物が除去されたジシランが回収される。したがって、回収容器中には、残ガス容器内よりも高純度のジシランが得られる。
ガスを貯留するための残ガス容器および回収容器の容器材質としては、マンガン鋼、ステンレス鋼、アルミニウム等が考えられる。冷却ユニットの内部温度である−70℃以上−40℃以下の温度範囲で使用される場合には、回収容器の材質は、低温での劣化が少ないアルミニウム製とすることが好ましい。
直線状の冷媒噴出配管の下端から上方向に向けて複数の冷媒噴出孔を設けても良い。この場合、回収容器の下部から中部まで、または上部まで均等に冷却することが可能となる。
収納部に収納された円柱状の回収容器の底部外周部のうち1/3以上を囲むように配置されることにより、回収容器は底面から冷却される。
さらに回収容器の一部(例えば、回収容器の底部の外周部のうち1/2以上)には冷媒吐出部を配置しない構成とすれば、回収容器を水平方向にずらすことにより収納容器から取り出す際に、回収容器が冷媒吐出部に妨げられることなく取り出すことが可能となる。
実施形態1の残ガス回収装置について、図1を用いて説明する。
図1に示す残ガス回収装置1は、残ガス容器10から残ガスを回収するための装置である。残ガス容器10に貯留された残ガス重量を測定する重量測定部20と、残ガスを回収するための回収容器11と、回収容器11を冷却するための冷却ユニット30と、残ガス容器10の内部に貯留された残ガスを回収容器11に導入するための残ガス導入ライン12とを備える。
冷却ユニット30は、回収容器11を収納する収納部31と、冷媒を冷却ユニット30の収納部31に導入するための冷媒導入部32と、収納部31に冷媒を吐出するための冷媒吐出部33と、収納部31の内部温度を測定する温度計測部34と、温度計測部34により計測された温度に基づいて、冷媒導入部32から導入される冷媒の量を制御する冷媒制御部21と、を有する。
重量測定部20は、残ガス容器10と、その内部に残存するガスの合計重量を計測するものであれば良く、例えばロードセルである。
残ガス導入ライン12は、残ガス容器10からその内部に残存するガスを導出し、回収容器11へと導入するためのラインである。残ガス容器10に取り付けられている容器弁または回収容器11に取り付けられている容器弁により、残ガス容器10から回収容器11へのガスの流通を制御する。
残ガス導入ライン12は、容器10に取り付けられている容器弁と、回収容器11に取り付けられている容器弁との間を接続する配管である。残ガス導入ライン12には、回収容器11の内部の圧力を測定するための圧力計が設けられていてもよい。容器10に取り付けられている容器弁を閉弁し、回収容器11に取り付けられている容器弁を開弁すると、前記圧力計により回収容器11の内圧を測定することが可能となる。
冷媒吐出部33は、冷媒導入部32のうち、収納部31の内部に位置する部分であり、冷媒を収納部31に吐出するための開口部を有する部分である。冷媒吐出部33は、図1に示すように冷媒導入配部32の先端部に設けられた1つの開口部(冷媒噴出孔35)を有してもよい。
残ガスがジシランを主成分とする場合においては、冷却温度は−70℃以上−40℃以下が好ましく、−65℃以上−55℃以下がさらに好ましい。
残ガス中のジシランの濃度は、95%以上99.999995%以下とすることができ、ジシランの濃度の下限値は好ましくは99%であり、さらに好ましくは99.9%である。
冷媒制御部21は、温度計測部34により計測される収納部31の内部の温度が、予め定められた冷却温度またはその温度以下に到達すると、冷媒バルブ42を閉弁し、収納部31の温度が冷却温度よりも高くなると冷媒バルブ42を開弁するように冷媒バルブ42を制御する。
重量計測部20により計測された計測力算出された、回収容器11へ回収された残ガスの重量が、予め定められた回収容器11の許容重量に到達したときには、残ガス容器10の容器弁を閉弁して残ガスの回収を停止する。
さらに、回収容器11への回収後に、一定量のガスを抜き取ることにより、回収容器11中に存在する、残ガスよりも蒸気圧が高い低沸点不純物(例えば窒素や水素である)を除去することも可能である。このような構成により、回収容器11中には、残ガス容器10中のガス中に含まれる高沸点不純物および低沸点不純物を除去したガスを導入することが可能となるため、残ガスの回収と同時に残ガスの精製を実施することが可能となる。
複数の冷媒噴出孔35のうち、最下部に配置される冷媒噴出孔35の位置は、回収容器11の高さの下部30%の位置よりも下方に配置される。
複数の冷媒噴出孔35のうち、最上部に配置される冷媒噴出孔35の位置は、回収容器11の肩部よりも下方である。
冷媒吐出部33は、図2に示すように、複数の冷媒噴出孔35を有しても良い。図2に示すように、冷媒吐出部33が直線状の冷媒噴出配管36から構成される場合、冷媒噴出孔35は、冷媒噴出配管36上に上下方向に並ぶようにして配置されても良い。
冷媒噴出配管33は、図1に示すように1本であってもよいが、図3に示すように2本以上であってもよい。冷媒噴出配管36は、冷媒ユニット30の内部に垂直方向に挿入されるように配置される。
冷媒噴出配管36が2本以上配置される場合には、回収容器11を挟んで対角線上に配置されても良い。
図4に示すように、直線状の冷媒噴出配管36は、その先端に分岐部37を有しても良い。ここで、冷媒噴出孔35は、少なくとも分岐部37に配置される。冷媒噴出孔35は分岐部37のそれぞれの分岐の先端部に配置されても良く、分岐された配管上に配置されても良い。また、分岐部37の蒸留側の直線状の冷媒噴出配管36部分に配置されても良い。
図5に示すように、冷媒吐出部33は、らせん状の冷媒噴出配管36を有しても良い。らせん状の冷媒噴出配管36には複数の冷媒噴出孔35(不図示)を有する。らせん状の冷媒噴出配管36は、円柱状の回収容器11の周りを囲むように、回収容器11の外周に沿って配置されても良い。
図6に示すように、冷媒吐出部33のうち冷媒噴出孔35を有する部分は、回収容器11の底部の外周部のうち少なくとも1/3を囲むように配置されてもよい。図5では回収容器11の左側の約1/2を囲むように、冷媒噴出孔35を有する冷媒噴出配管36が配置されている。回収容器11の右側には冷媒噴出配管36が配置されていないため、回収容器11を収納部31から取り出す場合には、回収容器11を右方向にずらして取り出すことが可能となる。
図2または図3に示すように、複数の冷媒噴出孔35を有する直線状の冷媒噴出配管36がある場合に、回収容器11の高さが低いと、複数存在する冷媒噴出孔35のうち上方に配置される冷媒噴出孔(図7中の350)のみが回収容器11の近傍に配置されることになる。そのため、複数存在する冷媒噴出孔35のうち下方に配置される冷媒噴出孔(図7中の351)を閉鎖するための閉鎖手段を設ける。閉鎖手段は、冷媒噴出孔35を閉鎖することができるものであれば特に限定されず、例えばアルミテープ等のテープ、冷媒噴出孔35にはめ込むビス、または開閉弁であってもよい。
冷媒噴出孔35は、冷媒噴出配管36上に並ぶようにして配置されても良い。
上記の残ガス回収装置において、残ガス容器10は加温ユニットを有してもよい。加温ユニットは残ガス容器10を加温できるものであればよく、例えばラバーヒーター、温風による加温装置、ファンヒーター、バンドヒーター、マントルヒーター、恒温槽、またはジャケットヒーターであってもよい。残ガス容器10が加温される温度は任意に定めることができ、例えば40℃である。
ジシランが約550g残存している残ガス容器10を30本用意し、実施形態1に示す残ガス回収装置を使用して、1本の回収容器11にそれらの残ガス容器10中のジシランを回収した。冷却ユニット30の収納部31の温度は−60℃とした。
1本の残ガス容器10から、1本の回収容器11にジシランの残ガスを回収したのち、他の残ガス容器10に交換し、さらに当該他の残ガス容器10中の残ガスを回収した。30本の残ガス容器10から、1本の回収容器11に、合計15kgのジシランを回収することができた。
残ガス容器10中のジシランに含有される低沸点不純物の濃度の平均値は窒素15ppm、水素50ppmであった。一方、回収容器11中に充填された15kgのジシランのうち、500gを減圧除去した結果、回収容器11中のジシランに含まれる窒素は0.1ppm、水素は3ppmであった。
10 残ガス容器
11 回収容器
12 残ガス導入ライン
20 重量測定部
21 冷媒制御部
30 冷却ユニット
31 収納部
32 冷媒導入部
33 冷媒吐出部
34 温度計測部
35 冷媒噴出孔
36 冷媒噴出配管
Claims (11)
- 残ガス容器から残ガスを回収するための装置であって、
前記残ガス容器に貯留された残ガス重量を測定する重量測定部と、
残ガスを回収するための回収容器と、
前記回収容器を冷却するための冷却ユニットと、
前記残ガス容器の内部に貯留された残ガスを前記回収容器に導入するための残ガス導入ラインと、を備え、
前記冷却ユニットは、
前記回収容器を収納する収納部と、
冷媒を前記冷却ユニットの収納部に導入するための冷媒導入部と、
前記収納部に冷媒を吐出するための冷媒吐出部と、
前記収納部の内部温度を測定する温度計測部と、
前記温度計測部により計測された温度に基づいて、前記冷媒導入部から導入される前記冷媒の量を制御する冷媒制御部と、を有する、残ガス回収装置。
- 前記残ガス容器は、ジシランを含有するガスを貯留する容器であって、前記残ガス容器中の残ガスに含有されるジシランの濃度は95%以上99.999995%以下である、請求項1に記載の残ガス回収装置。
- 前記冷媒は液体窒素であり、
前記冷媒制御部により、前記冷却ユニットの内部温度は−70℃以上−40℃以下に制御され、
前記回収容器はアルミニウム製容器である請求項1または請求項2に記載の残ガス回収装置。
- 前記冷媒吐出部は、複数の冷媒噴出孔を有する、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の残ガス回収装置。
- 前記冷媒吐出部は、1本または2本以上の直線状の冷媒噴出配管から構成され、
前記1本または2本以上の直線状の冷媒噴出配管は、前記冷媒ユニットの内部に垂直方向に挿入されるように配置される、
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の残ガス回収装置。
- 前記1本または2本以上の直線状の冷媒噴出配管は先端部に分岐部を有し、
複数の冷媒噴出孔は、少なくとも前記分岐部に配置される、請求項5に記載の残ガス回収装置。
- 前記冷媒吐出部は、複数の冷媒噴出孔を有する1本または2本以上のらせん状の冷媒噴出配管から構成され、
前記1本または2本以上のらせん状の冷媒噴出配管は、前記冷媒ユニットの前記収納部に収納される前記回収容器の外周に沿って、前記回収容器の周りを囲むように配置される、
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の残ガス回収装置。
- 前記冷媒吐出部のうち冷媒噴出孔を有する部分は、前記回収容器の底部の外周部のうち少なくとも1/3を囲むように配置される、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の残ガス回収装置。
- 前記収納部は、前記回収容器の底部から、前記回収容器の肩部よりも低い位置までを収納可能であり、
前記複数の冷媒噴出孔のうち、最下部に配置される冷媒噴出孔の位置は、前記回収容器の高さの下部30%の位置よりも下方であり、
前記複数の冷媒噴出孔のうち、最上部に配置される冷媒噴出孔の位置は、前記回収容器の肩部よりも下方である、請求項4に記載の残ガス回収装置。
- 前記回収容器の底部の位置よりも5cm以上下方に位置する冷媒噴出孔を閉鎖するための、閉鎖手段をさらに有することを特徴とする、請求項9に記載の残ガス回収装置。
- 前記残ガス容器を加温するための加温ユニットをさらに有する、請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の残ガス回収装置。
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JP2018002701U JP3218550U (ja) | 2018-07-17 | 2018-07-17 | 残ガス回収装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102581725B1 (ko) * | 2023-02-23 | 2023-09-22 | (주)비디씨 | 잔존가스 추출 및 충전 시스템 |
-
2018
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