JP3218326B2 - 原油等の港湾荷役における緊急輸送停止装置 - Google Patents

原油等の港湾荷役における緊急輸送停止装置

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JP3218326B2
JP3218326B2 JP10042999A JP10042999A JP3218326B2 JP 3218326 B2 JP3218326 B2 JP 3218326B2 JP 10042999 A JP10042999 A JP 10042999A JP 10042999 A JP10042999 A JP 10042999A JP 3218326 B2 JP3218326 B2 JP 3218326B2
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浩毅 汐崎
威雄 綾
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国土交通省船舶技術研究所長
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、原油等流体の港
湾荷役において、輸送を緊急停止する際の水撃事故防止
に関する。
【0002】
【従来の技術】海上バースに係留した原油タンカーが荷
役中に強風で離岸し、荷役装置のカップラー部分が破断
して多量の原油が海上に流出するという事故があり、こ
うした事故の防止のために、カップラー部に緊急流体遮
断弁及びカップラー離脱機構を設けた装置が開発され、
使用されている例がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】タンカーが荷役中に離
岸するような事故に対して、緊急流体遮断弁の閉鎖−カ
ップラー分離によって対処する場合には、一般にバース
から陸上タンクまでの輸送管路が長距離であるため、水
撃作用を考慮する必要がある。施設の建造条件、運転条
件によっては高い水撃圧力が発生し、遮断弁が破壊して
流出事故につながる可能性がある。また遮断弁が圧力に
耐えた場合には、そこで生じた高い水撃圧力が順次管路
を伝搬していくため、水撃を想定していない低耐圧の海
底管路等において破壊が生じる可能性がある。後者は被
害が甚大である。
【0004】一般に、弁閉鎖に伴う水撃作用を緩和する
には、弁を徐々に、適当な開度変化プロセスに沿って閉
鎖することが行われる。管路が長いほど、弁は長時間か
けて閉鎖される必要がある。しかし、本ケースのよう
に、タンカーが突然離岸し始めた際の対処としては、カ
ップラーをできるだけ早く分離するために、弁の閉鎖は
なるべく速やかに(理想的には瞬時に)なされることが
求められる。
【0005】 水撃圧力の大きさに影響を及ぼす要因と
しては、陸上タンクの設置高さ、タンク内の液位、管路
長さ、流体輸送速度など多くのものがある。施設の建造
・運転条件によっては、「発明の実施の形態」の項で具
体的に述べるように、管路破壊につながるほど水撃圧力
が高くなる可能性がある。
【0006】タンカーがバースを突然離れるような事故
は、基本的にあらゆる荷役設備で起こりうるから、流体
の緊急輸送停止機構そのものはどの荷役設備においても
設けられることが望ましい。他方、離岸事故は頻繁に生
じる性質のものでないから、設備を大改造しなければな
らないような手段は現実的でなく、既設設備に比較的簡
単に付加できる機構が望ましい。
【0007】本発明は、以上のような課題を解決するこ
とを目的としており、タンカー離岸事故に際してただち
に遮断弁閉鎖−カップラー分離を行うことができ、かつ
水撃作用に対しても十分な安全性を確保できる簡便な装
置である。
【0008】
【課題を解決するための手段】課題を解決するための手
段について、図面を参照して説明する。初めに、この種
の荷役系で緊急流体遮断弁を閉鎖したときの水撃作用に
ついて簡単に述べる。荷役系の概念図を図2に示す。原
油等流体は、タンカー1内のポンプ7により、バース2
上の数本のローディングアーム3を通して送り出され
る。各アームの系統は最終的にバース2上で一本にまと
められ、海底管路5を経て、陸上タンク6へと通じてい
る。タンカー1とローディングアーム3間のカップラー
4には、船側、バース側双方に緊急流体遮断弁が設けら
れているものとする。
【0009】緊急時に遮断弁閉鎖を行うと、まず船側の
系統については、弁からポンプ7までの管路長さが短
く、弁の開度変化に対してポンプ運転点が比較的速やか
に追従するため、大きな水撃圧力は生じない。一方、陸
側の系統は距離が長いため、弁を急速に閉鎖すると弁の
後流側に空洞が発生する、いわゆる液柱分離現象が生じ
る。この空洞は先行する流体が進むに従って長く成長す
るが、やがて流体は停止・逆流し、これに伴って空洞は
縮小し、最終的に消滅する。このとき流体が遮断弁に衝
突し、高い水撃圧力が生じる。
【0010】この水撃圧力の大きさについて、水撃作用
の解析に広く用いられる特性曲線法によって試算した結
果を図3に示す。計算の条件としては、流体として原油
を想定し、管路の内径1.1m、カップラーから陸上タ
ンクまでの海底管路長さ8km、弁閉鎖時の送油速度3
m/sとしている。弁は、バタフライ弁を一定の回転速
度で30秒かけて閉鎖すると想定している。また、水撃
圧力には陸上タンク6の液面高さが大きな影響を持つ。
ここではカップラー4の高さを基準として、タンク内液
面の高さが+15mの場合を示している。
【0011】図の上段は、弁閉鎖の様子を示す。バタフ
ライ弁を一定の回転速度で閉鎖した場合、弁の開度変化
は図のような曲線となる。また、中段は、弁の後流側に
生じる空洞の長さを示している。図のように空洞は弁が
全閉する間際に発生し、いったん成長したのち縮小、消
滅する。
【0012】下段には、発生する水撃圧力の様子を示
す。Aは図2のA部、すなわち弁部分に生じる圧力であ
り、Bは図2のB部、すなわち海底管路の始まりの部分
に生じる圧力である。B部はA部に比べ位置が低いため
に、通常輸送時からもともと高い圧力となっており、そ
のため水撃が加わったときの絶対圧力もAに比べて大き
くなっている。この条件では、管路には約15kgf/
cmに達する高い水撃圧力が生じている。これは通常
流体輸送を想定して設計されている既設管路に対しては
危険な値である。
【0013】上記のような水撃現象を防止するために考
案した本装置は、図1に示すようにローディングアーム
3の根本部分に主弁8、副弁9、タンカー上に船側弁1
0、バースの下に非常用タンク11を設けた構造になっ
ている。弁の開閉により、流体を一定時間非常用タンク
11に解放することで、図3下段図に示される水撃圧力
のピークを十分小さな値まで減少させる。操作及びその
効果の詳細については次項に述べる。
【0014】
【発明の実施の形態】 発明の実施の形態について図面
を参照して説明する。緊急時には、まず図1の船側弁1
0をただちに全閉し、カップラー4を分離する。ローデ
ィングアーム3中の流体は、先行する流体に引かれる形
でそのまま海中管路へ進んでいく。
【0015】アーム中の流体が流れ去ったら、主弁8を
閉鎖すると同時に、副弁9を開放する。アーム側の系統
はこれで閉じられ、海上への流体流出は防止される。一
方、副弁9から非常用タンク11へ向かう系統の先端部
分は大気開放されているから、流体が海中管路を進むに
従って生じる空洞部は空気が進入して満たしていく。
【0016】この際の管内圧力変化を図3と同様の表示
方法で図4に示す。上段図のように、主弁8はt=0で
瞬時に閉鎖され、同時に副弁9が全開する(主弁8を全
開したときの面積を100%とすると、副弁9の全開面
積を15%としている)。中段の図には、空気で満たさ
れた空洞部の成長が示されている。
【0017】t=180秒前後に、流体が弁部に戻って
きて空洞が消滅し、高い水撃圧力のピークが始まるが、
この圧力は流体の一部が副弁9を通して非常用タンク1
1に逃がされることによって、下段の図に示されるよう
に低く抑えられる。圧力ピークが持続する時間は、圧力
波が音速で陸上タンク6との間を一往復する時間(ここ
では約20秒)に対応する。この間圧力が抑制されれ
ば、図のようにその後も高い圧力は生じない。副弁9の
開放面積は、大きいほど水撃に対して安全であるが、一
方非常用タンク11に流れ出る流体量も増え、タンクを
大きくしなければならなくなるから、荷役施設に応じて
適当な値を設定するようにすればよい。
【0018】副弁9も最終的には閉鎖するが、その操作
手順としては、流体が逆流してきて副弁9を通り非常用
タンク11に流れ込み始めたら、そこから20秒待ち、
その後副弁9を徐々に閉めていく。なお、中段の図の右
側には、副弁9を閉鎖するまでに非常用タンク11に収
容される流体量(累積量)の見積りを示している。
【0019】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0020】(1)緊急時にただちに流体輸送を停止す
ることができる タンカーが離岸し始めた際には、できるだけ速く輸送を
停止し、カップラーを切り離すことが求められる。本機
構では、瞬時に弁を閉鎖してカップラー部を分離するこ
とができる。
【0021】(2)安全性が高い 荷役設備では様々な粘度、比重の原油が扱われ、タンカ
ーが装備しているポンプの特性も多様である。輸送を緊
急停止した時の陸上タンク液位、流体速度等もいろいろ
な場合がありうる。水撃防止には、弁の閉鎖速度を調整
したり、サージタンクを用いるなどの手法も考えられる
が、ある条件に対して効果的な設定が、他の条件でも効
果的であるとは限らない。本機構では、想定しうる水撃
現象に対し副弁の開放面積を十分大きくとることによっ
て、余裕を持って安全を確保することができる。過渡変
化を緩慢にするのではなく、圧力上昇の際に流体を外部
に逃がすことで直接的に圧力を減じるため、抑制法とし
てもより根本的である。
【0022】(3)機構が単純である 主弁をアームの根本部分に設ける場合、制御機構を含め
構造は比較的簡単である。さらに、主弁・副弁を数本の
ローディングアームからの管路が統合された直後に設置
することとすれば、各アームごとに弁機構を付ける必要
がなく一組ですむことになる。
【0023】(4)操作が単純である 弁は一気に閉じるまたは開くという操作であり、操作を
行うタイミングもはっきりしているので、マニュアルで
も実行可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】緊急輸送停止装置の概念図である。
【図2】原油等の荷役機構の概要を示す図である。
【図3】図2の系統で予測される水撃現象の一例を示す
図である。
【図4】図1の装置を用いた場合の水撃緩和の例を示す
図である。
【符号の説明】
1 タンカー 2 バース 3 ローディングアーム 4 カップラー 5 海底管路 6 陸上タンク 7 ポンプ 8 主弁 9 副弁 10 船側弁 11 非常用タンク

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原油等の港湾荷役を緊急停止する際の水
    撃事故防止を目的とした装置であって、緊急時に主輸送
    ラインを閉鎖するための主弁(8)、外部の非常用タン
    ク(11)へ通じる副弁(9)の2種の弁をローディン
    グアーム(3)の基部に有し、事故時には主弁(8)閉
    鎖と同時に副弁(9)を開放して、管内圧力の急激な低
    下を防ぐとともに、管内圧力上昇時には流体の一部を副
    弁(9)を通じて非常用タンクに逃がすことにより水撃
    を緩和する機構を持った装置。
JP10042999A 1999-03-04 1999-03-04 原油等の港湾荷役における緊急輸送停止装置 Expired - Lifetime JP3218326B2 (ja)

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