JP3218052U - 看板一体型太陽電池モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】大型看板、広告塔などと太陽電池モジュールを一体化した看板一体型太陽電池モジュールを提供する。【解決手段】切文字3が貼付され、背景イラストが描かれた看板1と太陽電池モジュール2を貼り合わせた看板一体型太陽電池モジュールにおいて、看板1は透明基板に縦縞格子4、5、あるいは横縞格子が描かれ、背景イラストは縦縞格子4、5、あるいは横縞格子のみに印刷され、切文字3は赤外光を透過し可視光を反射して構造色を発色する誘電体多層膜から成る赤外線透過シートを切り出したものであり、太陽電池モジュール2はフレキシブルタイプであり、看板1の透明領域の面積が看板当たり40%以上である。【選択図】図1
Description
本考案は、大型看板、広告塔などと太陽電池モジュールを一体化した看板一体型太陽電池モジュールに関する。
ビルの屋上には大型看板、あるいは広告塔が設置されることが多いが、日照条件が良く、設置期間も長く、太陽光発電には条件が良い割には利用されていない。地上の案内標識に太陽電池モジュールを取り付けて夜間照明の電力源とする方式は今後普及するだろうが、大型看板と太陽光発電を併用する事例は見られない。野立て看板に太陽電池モジュールを組み込む事例(非特許文献1)はあるが、屋上看板には使われていない。
その理由としていろんな課題が考えられる。一つは看板の視認性低下である。昨今の有機薄膜太陽電池は半透明でもエネルギー変換効率が5%以上であることが知られている。例えば可視光透過率が50%程度の有機薄膜太陽電池を看板に被覆することは容易にできるが、看板が薄暗くなり視認性はかなり低下することが想像できる。看板の訴求力が著しく落ちるので採用し難いと思われる。また視認性以上に重要な点は、太陽光発電を組み込むことによる大幅なコスト高は許容できないことである。例えばエネルギー変換効率の高い単結晶Si太陽電池を採用する場合、視認性を低下させない技術対策が必要である。その対策がエネルギー変換効率の低下を極力抑えるものであること、そして太陽電池モジュールを取り付けるための看板フレームの強度設計とその対策費用がある。とくにビル屋上の構造物は地震による落下があるため重量物の取り付けには十分な強度対策が必要となる。これらすべて含めて投資回収可能でなければならない。
太陽工業株式会社 製品ホームページ http://www2.taiyokogyo.co.jp/news/2011/nw1201.html
看板の視認性を落とさずに太陽光発電が可能であり、現行の看板のフレーム強度を大幅に補強しなくても良く、安価な看板併用の太陽光発電を実現すること。
前記課題を解決するために本考案では、切文字が貼付され、背景イラストが描かれた看板と太陽電池モジュールを貼り合わせた看板一体型太陽電池モジュールにおいて、前記看板は透明基板に縦縞格子、あるいは横縞格子が描かれ、背景イラストは縦縞格子、あるいは横縞格子のみに印刷され、前記切文字は赤外光を透過し可視光を反射して構造色を発色する誘電体多層膜から成る赤外線透過シートを切り出したものであり、前記太陽電池モジュールはフレキシブルタイプの太陽電池モジュールであり、看板の透明領域の面積が看板当たり40%以上であることを特徴とする。
またフレキシブルタイプの太陽電池モジュールはCIS(Cu、In、Seを主原料)太陽電池モジュール、あるいはCIGS(Cu、In、Ga、Seを主原料)太陽電池モジュール、あるいはペロブスカイト太陽電池モジュールのいずれかであることを特徴とする。
前述の太陽電池モジュールを選定することにより、部分影の発電に対する影響を小さくし、またフレキシブルタイプの太陽電池モジュールにより軽量化を図ることができる。
本考案による看板一体型太陽電池モジュールを使用することにより、視認性を落とさずに発電量を確保し、ビル屋上構造物では特に避けなければならない破損・落下のリスクを現行の強度設計の範囲内で低減することができる。
以下、本考案の実施の形態を図1以下を使用して説明する。透明基板1に看板としての背景イラスト(図柄)と文字を印刷するが、透明領域の面積を確保するために背景イラスト(図柄)は縦縞格子(4、5)、あるいは横縞格子(図は描いていない)に背景イラスト(図柄)を表現するようにする。次に図柄を背景にして文字を形成するが、文字は切文字を透明基板1に貼り付ける。切文字の詳細は後述するが、切文字は顔料や染料を使用した印刷文字ではなく、赤外光透過シートを文字に切り出したものである(図2)。これを透明基板1に貼り付けて、透明基板の反対側にはフレキシブルタイプの太陽電池モジュール2を貼り付けていく。透明基板1としてはアクリル樹脂基板、ポリカーボネート樹脂基板が好ましい。
看板の透明領域は格子縞(縦縞格子あるいは横縞格子)と文字を除いた領域と定義すると、看板面積に占める透明領域の面積を40%以上にする。文字の大きさは看板によってさまざまであるが、格子縞はそれを考慮して透明領域40%以上になるように幅とピッチを決める。面積比率を小さくすると図柄の視認性が良くなるが、発電量は減ることになる。逆に面積比率を大きくすると発電量は増大するが看板の訴求力は低下する。また発電量が減ると太陽光発電を導入することの経済メリットが無くなるため、これらを勘案した数値として40%以上とするのが好ましい。
赤外光透過シートは、赤外光は透過し、可視光は反射・干渉させて構造色を発色するように多層誘電体膜から成る樹脂シートである。カラーIRウィンドウと称して赤外線リモコンの受光窓に普及しているものであり、光学設計についてはシミュレーションソフトも市販されている公知の技術である。光学計算の理論は例えば、小檜山 光信「光学薄膜の基礎理論」(オプトロニクス社、2003年)などに記載されている。近年、構造色の視認性を向上するなどの改良が進んでおり、その成果は本考案にも好適なものとなっている。例えば多層誘電体膜に光散乱層を導入して白色や真珠色を実現している技術(特許文献WO2015/155536A1、特許第4122010号)、数百層もの多層誘電体膜を形成して金属光沢調を実現している技術(特開2014−108570号)などがあり、いずれも赤外光を透過するように多層誘電体膜を構成している。構造色を発色する赤外光透過シートであれば本考案に使用して効果を発揮することができる。さらに看板一体型太陽電池モジュールの効果を有効ならしめる光学特性としては、赤外光は750nm〜2000nmの波長の平均透過率が30%以上であり、400nm〜700nmの可視光の反射率は構造色を発色すれば良いとする。本考案のシートはガラス基板のようなリジッド基板ではなく、PETなどの樹脂シート、あるいはフィルムが好適である。
図柄を表現した格子縞(縦縞格子あるいは横縞格子)は透明基板1に直接印刷しても良いし、予めPETフィルムなどの透明フィルムに印刷したものを透明基板1に貼り付けても良い。切文字をこの透明フィルムに貼り付けた後、透明基板1に貼り付けると作業が簡便に行える。インクはUVインク、溶剤系インク、赤外透過インクが好ましい。なお一般に、透明基板にカラー印刷するには下地を白色に印刷しておく必要がある。背景イラストが単純に白色ベタであれば、太陽光を透過するように色調を加減できる。カラーの背景イラストであれば白色の上にカラー印刷が必要になるので、太陽光はほとんどカットされることになる。
太陽電池モジュール2は軽量性や破損防止が要求されるのでガラス基板を使用したリジッドタイプではなく、フレキシブルタイプの太陽電池モジュールを使用する。有機薄膜太陽電池モジュール、CIS(Cu、In、Seを主原料)太陽電池モジュール、CIGS(Cu、In、Ga、Seを主原料)太陽電池モジュール、ペロブスカイト太陽電池モジュールが好ましく、より好ましいのは高効率が期待できるCIS、CIGS太陽電池モジュールである。これらは部分影の影響を最小にできるメリットがある。フレキシブル性はシートあるいはフィルムで実現することができ、材質はPET、ポリイミドなどの樹脂、あるいは金属箔、フレキシブルな超薄板ガラスなどが軽量化の面で好ましい。
本考案の看板一体型太陽電池モジュールをビル屋上看板に組付けた例を図3に示す。図4には太陽光発電を使用しない従来型の看板を示す。視認性は少し劣るものの、文字の色合いを選定すれば看板の訴求性は十分確保できるものである。
赤外透過シートを使用した切文字(図2)は厚さが無いので厚さのある立体文字とするには、透明エアロゲル体の上に貼り付けるのが良い。エアロゲルは極めて軽量なので透明基板1への貼り付けも接着剤で固定できる。セルロースナノファイバ(CNF)の透明エアロゲル、MIMS(メチルトリメトキシラン)を出発原料とする有機−無機ハイブリッドエアロゲル、キトサンを主原料とする透明エアロゲルなどが強度が改善されており好適である。
本考案の看板一体型太陽電池モジュールを使用すれば、看板の視認性・訴求性を落とさずに電力を産み出すことができる。また軽量であることから、特別に看板フレームの強度設計を行う必要は無い。
1 透明基板に描かれた看板
2 フレキシブルタイプの太陽電池モジュール
3 赤外光透過シートからの切文字
4、5 背景イラストのための格子縞
2 フレキシブルタイプの太陽電池モジュール
3 赤外光透過シートからの切文字
4、5 背景イラストのための格子縞
Claims (3)
- 切文字が貼付され、背景イラストが描かれた看板と太陽電池モジュールを貼り合わせた看板一体型太陽電池モジュールにおいて、前記看板は透明基板に縦縞格子、あるいは横縞格子が描かれ、背景イラストは縦縞格子、あるいは横縞格子のみに印刷され、前記切文字は赤外光を透過し可視光を反射して構造色を発色する誘電体多層膜から成る赤外線透過シートを切り出したものであり、前記太陽電池モジュールはフレキシブルタイプの太陽電池モジュールであり、看板の透明領域の面積が看板当たり40%以上であることを特徴とする看板一体型太陽電池モジュール。
- 前記フレキシブルタイプの太陽電池モジュールはCIS(Cu、In、Seを主原料)太陽電池モジュール、あるいはCIGS(Cu、In、Ga、Seを主原料)太陽電池モジュール、あるいはペロブスカイト太陽電池モジュールのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の看板一体型太陽電池モジュール。
- 前記赤外線透過シートから切り出された切文字が透明エアロゲル体上に貼り付けられた立体文字であることを特徴とする請求項1と2に記載の看板一体型太陽電池モジュール。
Priority Applications (1)
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JP2018002697U JP3218052U (ja) | 2018-06-27 | 2018-06-27 | 看板一体型太陽電池モジュール |
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JP2018002697U JP3218052U (ja) | 2018-06-27 | 2018-06-27 | 看板一体型太陽電池モジュール |
Publications (1)
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JP3218052U true JP3218052U (ja) | 2018-09-20 |
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Family Applications (1)
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2018
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