JP3217309U - 水素発生用電解セル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内部に収容した陽極電極、隔膜及び陰極電極をより均一な圧力で加圧密着することが可能な水素発生用電解セル装置を提供する。【解決手段】水素発生用電解セル装置10は、陽極電極13と、陰極電極14と、陽極電極13及び陰極電極14間に密着して挟設された隔膜15と、陽極電極13に当接して押圧する樹脂製の陽極側筐体11と、陰極電極14に当接して押圧する樹脂製の陰極側筐体12と、陽極側筐体11の外周に沿って形成された複数の陽極側固定用孔11fと、陰極側筐体12の外周に沿って形成された複数の陰極側固定用孔12fと、複数の陽極側固定用孔11f又は複数の陰極側固定用孔12f内にそれぞれ設けられた複数のインサートナットと、複数の陰極側固定用孔12f又は複数の陽極側固定用孔11fに挿入されて複数のインサートナットにそれぞれ螺合することにより陽極側筐体11及び陰極側筐体12を互いに押圧して密着させる複数のボルトとを備えている。【選択図】図1

Description

本考案は、水素水の生成装置における水素発生用の電解セル装置に関する。
水の電気分解により水素ガスを発生させ、発生した水素ガスを電解セル装置内で水中に直接溶解することにより水素水を生成する水素水の生成装置は公知である(例えば特許文献1)。
この特許文献1には、アノード電極(陽極電極)を有するアノード室(陽極室)とカソード電極(陰極電極)を有するカソード室(陰極室)とを備え、これら陽極電極及び陰極電極間にイオン交換膜である隔膜を密着して配置した2槽式の電解セル装置を有する電解装置が開示されている。この電解装置によれば、原料水を電気分解することにより得られた水素分子が溶存した水素水が生成される。
特開2015−221397号公報
特許文献1に記載された電解装置を一例とする従来の電解セル装置においては、筐体内に陽極電極、隔膜及び陰極電極が収納されており、この筐体は、これら陽極電極、隔膜及び陰極電極を互いに押圧して密着するように構成されている。具体的には、内部に収容した陽極電極及び陰極電極に陽極側筐体及び陰極側筐体をそれぞれ当接させ、これら陽極側筐体及び陰極側筐体間をボルト及びナットを用いて締め付けることにより、筐体を一体化すると共に、陽極電極、隔膜及び陰極電極を互いに加圧密着させるように構成されている。
しかしながら、陽極側筐体及び陰極側筐体をボルト及びナットを用いて両側からボルト止めすることのみでは、陽極電極、隔膜及び陰極電極を均一した圧力で加圧密着することが難しかった。この現象は、陽極側筐体及び陰極側筐体の剛性を高めた場合であっても同じであった。
従って本考案の目的は、内部に収容した陽極電極、隔膜及び陰極電極をより均一な圧力で加圧密着することが可能な水素発生用電解セル装置を提供することにある。
本考案によれば、水素発生用電解セル装置は、陽極電極と、陰極電極と、陽極電極及び陰極電極間に密着して挟設された隔膜と、陽極電極に当接して押圧する樹脂製の陽極側筐体と、陰極電極に当接して押圧する樹脂製の陰極側筐体と、陽極側筐体の外周に沿って形成された複数の陽極側固定用孔と、陰極側筐体の外周に沿って形成された複数の陰極側固定用孔と、複数の陽極側固定用孔又は複数の陰極側固定用孔内にそれぞれ設けられた複数のインサートナットと、複数の陰極側固定用孔又は複数の陽極側固定用孔に挿入されて複数のインサートナットにそれぞれ螺合することにより陽極側筐体及び陰極側筐体を互いに押圧して密着させる複数のボルトとを備えている。
陽極側筐体及び陰極側筐体が、外周に沿って形成された複数の固定用孔内に形成された複数のインサートナットにそれぞれ螺合する複数のボルトによって互いに押圧して密着されているので、筐体平面の湾曲を抑止でき、陽極電極、隔膜及び陰極電極をより均一な圧力で加圧密着することができ、電解時に陽極電極及び陰極電極間を確実にかつ高い均一度で密着させることができる。その結果、安定した電解性能を常に維持することができる。
複数のインサートナットが、成型時インサート型の複数のインサートナットであることが好ましい。
筐体平面の湾曲を抑止でき、陽極電極、隔膜及び陰極電極をより均一な圧力で加圧密着することができ、電解時に陽極電極及び陰極電極間を確実にかつ高い均一度で密着させることができるので、安定した電解性能を常に維持することができる。
本考案の一実施形態として、水素発生用電解セル装置の構成を概略的に示す分解斜視図である。 図1の水素発生用電解セル装置の陽極側筐体の構成を概略的に示す(A)平面図、(B)A−A線断面図である。 図1の水素発生用電解セル装置の陰極側筐体の構成を概略的に示す(A)平面図、(B)B−B線断面図である。 図1の水素発生用電解セル装置においてボルトを装着する前の構成を概略的に示すC−C線拡大断面図である。 図1の水素発生用電解セル装置においてボルトを装着して締め付けを行った後の構成を概略的に示すC−C線拡大断面図である。 本考案の他の実施形態の水素発生用電解セル装置においてボルトを装着して締め付けを行った後の構成を概略的に示すC−C線拡大断面図である。 本考案の実施例及び比較例における実験結果を示す特性図である。
図1は本考案の一実施形態における水素発生用電解セル装置の構成を概略的に示している。
同図において、10は固体高分子形の電解セル装置を示しており、この電解セル装置10は樹脂製の陽極側筐体11の当接面と樹脂製の陰極側筐体12の当接面とを互いに当接させた状態で固定して筐体を一体化したものである。筐体内には、陽極電極13、陰極電極14、これら陽極電極13及び陰極電極14間に互いに加圧密着した状態で挟設された隔膜15、並びに筐体を密封するためのパッキン16が収容されている。陽極電極13にはリード線用接続端子17が接続されており、このリード線用接続端子17はリード線(図示無し)を介して電源装置(図示無し)の陽極と電気的に接続され、陰極電極14にはリード線用接続端子18が接続されており、このリード線用接続端子18はリード線(図示無し)を介して電源装置の陰極と電気的に接続されている。なお、図1においては、陽極側筐体11及び陰極側筐体12を固定するための後述するインサートナット19及びボルト20の図示が省略されている。
電解セル装置10の筐体は、その外形寸法が、単なる一例であるが、約146mm(縦)×約96mm(横)×約60mm(高さ)であり、本実施形態では透明のアクリル樹脂を成型して作製されている。もちろん、筐体を不透明の種々の色の樹脂を用いて作製しても良いし、他の種類の樹脂材料又は他の絶縁性材料によって作製しても良い。例えば、透明のABS樹脂を成型して作製しても良い。
図2は本実施形態の水素発生用電解セル装置の陽極側筐体11の構成を概略的に示しており、同図(A)はその平面を、同図(B)は(A)におけるA−A線断面をそれぞれ示している。
同図に示すように、陽極側筐体11の外側には、この筐体の剛性を高めるために種々の形状の剛性強化用リブが形成されている。さらに、陽極側筐体11には、この筐体外壁を貫通する2つの気体(ガス)出口11bが形成されている。陽極側筐体11の内側には、2つのガス出口11bを結ぶガス路(陽極室)11cが形成されている。このガス路(陽極室)11cは交互に噛み合うように櫛歯状に形成されたリブ11dによって蛇行するように構成されている。筐体内側には、さらに、パッキン16を収容する周溝11eが設けられている。
図3は本実施形態の水素発生用電解セル装置の陰極側筐体12の構成を概略的に示しており、同図(A)はその平面を、同図(B)は(A)におけるB−B線断面をそれぞれ示している。
同図に示すように、陰極側筐体12の外側には、この筐体の剛性を高めるために種々の形状の剛性強化用リブが形成されている。さらに、陰極側筐体12には、この筐体外壁を貫通する水入口12a及び水出口12bが形成されている。陰極側筐体12の内側には、水入口12a及び水出口12bを結ぶ水路(陰極室)12cが形成されている。この水路(陰極室)12cは交互に噛み合うように櫛歯状に形成されたリブ12dによって蛇行するように構成されている。これにより、蛇行して流れる加圧水内に水素ガスが素早くかつ効率良く溶解される。
図1に戻って説明すると、陽極電極13は、ガスを通過可能に、チタンのラス網若しくはパンチメタルで形成されたチタン製白金電極、又は導電性カーボン上に白金系ナノ粒子を担持させた触媒担持カーボン電極層で構成されている。
この陽極電極13は、ガスを陽極室11c、さらには大気に開放するための多数の貫通孔を有しており、また、一方の面が隔膜15と接触している。そのため、電極素材としてはカーボン布、カーボン不織布、若しくはカーボン多孔質膜等のカーボン材、又はチタンのラス網若しくはパンチングメタルが用いられる。触媒としては、白金又はイリジウムを用いることができるが、本実施形態では白金を用いている。陽極電極13に白金触媒を用いることにより、NaCl+HO→NaClO+2H+2eの反応も起こる。触媒と電極素材との結合には、コーティング、焼結、又はメッキ等の方法があり、いずれの方法を採用しても良い。陽極電極13の寸法は、単なる一例であるが、約100mm(縦)×約50mm(横)である。
陰極電極14は、ガス及び水を通過可能に、チタンのラス網若しくはパンチメタルで形成されたチタン製白金電極、又は導電性カーボン上に白金系ナノ粒子を担持させた触媒担持カーボン電極層で構成されている。
この陰極電極14は、ガス及び水を陰極室12cに開放するための多数の貫通孔を有しており、また、一方の面が隔膜15と接触している必要がある。そのため、電極素材としてはカーボン布、カーボン不織布、カーボン多孔質膜、などのカーボン材や、チタンのラス網やパンチングメタルが用いられる。触媒としては、白金やイリジウムを用いることができるが、本実施形態では白金を用いている。陰極電極14に白金触媒を用いることにより、NaClO+2H+2e→NaCl+HOの反応を起こし、次亜塩素酸イオンの中和を行うことができる。触媒と電極素材との結合には、コーティング、焼結、メッキ等の方法があり、いずれの方法を採用しても良い。陰極電極14の寸法は、単なる一例であるが、約100mm(縦)×約50mm(横)である。
隔膜15は、有機高分子多孔質体の陽イオン交換膜であり、本実施形態では、スチレン・ジビニルベンゼン系重合スルホン酸ナトリウム陽イオン交換膜(補強材としてポリオレフィン混合物を含有)を用いている。隔膜15の寸法は、単なる一例であるが、約119mm(縦)×約69mm(横)である。
隔膜15は、特に、陰極電極側の陰極面に接触した加圧水によって膜内の水溶性固形物を希釈可能である含水率を有している。この隔膜15の含水率は、飽和含水隔膜に対する含水率で27.6%以上(乾燥隔膜に対して38.2%以上)である。これにより、隔膜15内に残留する固形物が水で希釈されるので増量することはある程度抑止され、隔膜15内に含水した水中の固形物濃度は陰極室12c内の飲料水の固形物濃度と同程度に保持される。その結果、隔膜15内においてなされる隔膜内固形物の酸化反応・還元反応が高濃度状態で過激に反応することはなく、2eイオン分による酸化還元電子相殺が大きくならず、水素ガス発生量の低下が抑止される。また、酸化・還元を受ける塩化物イオン等の隔膜15内物質は、陽極電極13で酸化され、隔膜15内から陰極室12cに流出しようとするとき陰極電極14で還元されて陰極室12cに放出されることとなり、飲料水への酸化物の混入はほとんど無い。
隔膜15は、さらに、加圧水が陽極電極側の陽極室11cに流出しない透水性を有している。具体的には、隔膜15は、陰極室12cに通水される加圧水の圧力が0.1〜0.3MPaの範囲にある際に、陽極室11cに水が漏水しない状態で、隔膜15内に水が保水される透水性を有している。これにより、加圧された飲料水を陰極室12cに供給してもその飲料水が陽極室11cに漏水することがなく、効率の良い水素ガス発生機能を長時間にわたって維持することができる。また、隔膜15は、当然に、0.3MPaまでの圧力に対して耐圧性能を有している。前述したように、本明細書において、圧力は、絶対圧基準ではなく、大気圧が0MPaである大気圧基準(ゲージ圧)で表わしている。
陽極電極13、隔膜15及び陰極電極14を圧着させるためには、陽極電極13及び陰極電極14はチタン鋼板に白金を担持させたものを用いることが最も望ましい。後述するように、インサートナットとボルトとを用いて陽極側筐体11及び陰極側筐体12間を締め付け固定し陽極電極13及び陰極電極14を押圧することにより、隔膜15は陽極電極13及び陰極電極14と加圧密着されることとなる。陽極電極13及び陰極電極14の素材としてカーボン材を選択した場合には、チタンのラス網やパンチングメタルなどの電極押さえ板を準備することが望ましい。
次に、インサートナット及びボルトを用いた陽極側筐体11及び陰極側筐体12の固定構造について説明する。
図4はボルトを装着する前の水素発生用電解セル装置の構成を概略的に示しており、図1のC−C線拡大断面を示している。また、図5はボルトをインサーナットに螺合した後の水素発生用電解セル装置の構成を概略的に示しており、図1のC−C線拡大断面を示している。
図1〜図4に示すように、陽極側筐体11の外周部には、複数(図示の例では16個)の陽極側固定用孔11fがその外周に沿って形成されており、陰極側筐体12の外周部には、複数(図示の例では16個)の陰極側固定用孔12fがその外周に沿って形成されている。これら複数の陽極側固定用孔11fと複数の陰極側固定用孔12fとは、陽極側筐体11と陰極側筐体12とが当接された際にそれぞれ互いに同軸となる位置に形成されている。
複数の陽極側固定用孔11f内の端部には、複数のインサートナット19がそれぞれ同軸に挿入され固定されている。本実施形態において、各インサートナット19は、陽極側筐体11を樹脂成型する際に金型にセットしてこの陽極側固定用孔11f内に設けられる成型時インサート型のインサートナットである。具体的には、黄銅製のアヤメ状ローレット又は平目状ローレットを有するインサートナットであり、使用するボルトに合わせたM5のインサートナットを用いている。
陽極側筐体11と陰極側筐体12との固定は、陽極側固定用孔11fと陰極側固定用孔12fとが同軸となるようにこれら陽極側筐体11及び陰極側筐体12の当接面を突き合わせた状態で、本実施形態では、図5に示すように、陰極側固定用孔12fから陽極側固定用孔11fへボルト20を差し込んでこのボルト20とインサートナット19とを螺合させて固定する。その際に、スプリングワッシャー21及び平板ワッシャー22を使用することが望ましい。ボルト20は、鉄製又はステンレス製のM5の六角ボルトを用いている。長さは、本実施形態では45mmである。スプリングワッシャー21及び平板ワッシャー22も鉄製又はステンレス製である。もちろん、これらボルト20の種類、長さ及び材質はこれに限定されるものではない。スプリングワッシャー21及び平板ワッシャー22の種類及び材質もこれに限定されるものではない。
このように、本実施形態によれば、ボルト20が、陽極側筐体11及び陰極側筐体12の外周に沿って形成された16個の陽極側固定用孔11f及び陰極側固定用孔12f内に差し込まれ、これら16個の孔内にあらかじめ設けられたインサートナット19にそれぞれ螺合して固定されているため、筐体平面の湾曲を抑止でき、陽極側筐体11及び陰極側筐体12が互いに押圧して密着されることとなり、陽極電極13、隔膜15及び陰極電極14がより均一な圧力で加圧密着されることとなる。このため、電解時に陽極電極13及び陰極電極14間が確実にかつ高い均一度で密着され、その結果、安定した電解性能を常に維持することができる。
図6は本考案の他の実施形態の水素発生用電解セル装置においてボルトを装着して締め付けを行った後の構成を概略的に示しており、図1のC−C線断面に対応する断面を拡大して示している。
本実施形態の構成は、陽極側筐体11及び陰極側筐体12を互いに固定する構成を除いて、図1〜図5の実施形態の場合と全く同様である。従って、以下、相違する構成のみを説明する。
本実施形態においては、図6に示すように、各陰極側固定用孔12f内に短いパイプ23(本考案の管体に対応)が追加挿入されており、ボルト20がこのパイプ23内を同軸で通るように構成されている。パイプ23は、陰極側固定用孔12fの内面及びボルト20の外面に接するように構成されている。パイプ23は、単なる一例であるが、ステンレス製又は鉄製であり、長さ10mm、外径6.0mm、肉厚0.5mmである。もちろん、パイプ23の長さ、外径、肉厚及び材質はこれに限定されるものではない。
本実施形態によれば、ボルト20が、陽極側筐体11及び陰極側筐体12の外周に沿って形成された16個の陽極側固定用孔11f及び陰極側固定用孔12f内に差し込まれ、さらに陰極側固定用孔12f内のボルト20の外周にパイプ23が挿入され、これら16個の孔内にあらかじめ設けられたインサートナット19にそれぞれ螺合して固定されているため、陽極側筐体11及び陰極側筐体12は互いに押圧して密着される。特に、パイプ23がボルト20と同軸に挿入されているので、ボルト20の軸ぶれが抑圧されることとなり、陽極電極13、隔膜15及び陰極電極14がより均一な圧力で確実に加圧密着される。このため、電解時に陽極電極13及び陰極電極14間が確実にかつ高い均一度で密着され、その結果、安定した電解性能を常に維持することができる。
次に、本考案の電解セル装置に関する比較例1及び2並びに実施例1〜4について、実験結果を説明する。
(比較例1)
インサートナットを設けていないことを除いて図1〜図5の実施形態の電解セル装置10と同様の構成の電解セル装置を用いて実験を行った。電解セル装置の筐体の外形寸法は、約146mm×約96mm×約60mmであり、透明のアクリル樹脂を成型して作製された。陽極電極及び陰極電極としてはチタンラス板に白金コーティングしたものを用いた。寸法は、99mm×50mm×0.5mm厚であった。隔膜は、スチレン・ジビニルベンゼン系重合スルホン酸ナトリウム陽イオン交換膜(補強材としてポリオレフィン混合物を含有)を用いた。また、隔膜の寸法が113mm×78mm×0.16mm厚であり、破裂強度が0.53MPaのものを用いた。陽極側固定用孔及び陰極側固定用孔はインサートナットを設けていない16個の貫通孔として作製され、それらの内部にボルトを挿通させ、反対側に設けたナットにこれらボルトを螺合させて締め付け固定した。平板ワッシャーをナットの手前に使用した。この比較例1では、陽極電極及び陰極電極の間隙は0.15mmとした。
この電解セル装置に、井水(導電率:55μS/cm)である試験水を、陰極室の通水圧を0.2MPaとし、540mL/minの取水量で供給し、電解電圧及び電解電流を測定した。具体的には、電流が2.0A、2.5A、3.0A、3.5A及び4.0Aの際の電圧を測定した。
表1は、この比較例1の電解セル装置における実験結果を示している。
Figure 0003217309
(実施例1)
黄銅製のアヤメ状ローレットを有するM5のインサートナットが設けられた図1〜図5の実施形態の電解セル装置10と同様の構成の電解セル装置を用いて実験を行った。陽極側固定用孔及び陰極側固定用孔は陽極側固定用孔の端部にインサートナットを設けた16個の貫通孔として作製され、それらの内部にスプリングワッシャー及び平板ワッシャーを介してボルトを挿通させ、インサートナットにこれらボルトを螺合させて締め付け固定した。その他の構成は、比較例1の場合と同様である。この実施例1では、陽極電極及び陰極電極の間隙は0.15mmとした。
この電解セル装置に、比較例1の場合と同様に、試験水を供給し、電解電圧及び電解電流を測定した。具体的には、電流が2.0A、2.5A、3.0A、3.5A及び4.0Aの際の電圧を測定した。
表2は、この実施例1の電解セル装置における実験結果を示している。
Figure 0003217309
(実施例2)
黄銅製のアヤメ状ローレットを有するM5のインサートナットが設けられた図6の実施形態の電解セル装置10と同様の構成の電解セル装置を用いて実験を行った。陽極側固定用孔及び陰極側固定用孔は陽極側固定用孔の端部にインサートナットを設けた16個の貫通孔として作製され、それらの内部にスプリングワッシャー及び平板ワッシャーを介して、さらにパイプを介してボルトを挿通させ、インサートナットにこれらボルトを螺合させて締め付け固定した。その他の構成は、実施例1の場合と同様である。この実施例2では、陽極電極及び陰極電極の間隙は0.15mmとした。
この電解セル装置に、実施例1の場合と同様に、試験水を供給し、電解電圧及び電解電流を測定した。具体的には、電流が2.0A、2.5A、3.0A、3.5A及び4.0Aの際の電圧を測定した。
表3は、この実施例2の電解セル装置における実験結果を示している。
Figure 0003217309
図7(A)は、陽極電極及び陰極電極の間隙を0.15mmとした場合の、比較例1、実施例1及び実施例2の実験結果を示しており、比較例1に比して、実施例1及び実施例2の場合は電解電圧が均一になると共に圧倒的に小さくなったことが分かる。即ち、通常のナットを用いた比較例1に比して、インサートナットを用いて締め付けを行った実施例1及び実施例2の場合は、密着性が圧倒的に高くなっていることが分かる。
(比較例2)
比較例1の場合と同様の構成とし、陽極電極及び陰極電極の間隙は0.10mmとした。
この電解セル装置に、比較例1の場合と同様の試験水を供給し、電解電圧及び電解電流を測定した。具体的には、電流が2.0A、2.5A、3.0A、3.5A及び4.0Aの際の電圧を測定した。
表4は、この比較例2の電解セル装置における実験結果を示している。
Figure 0003217309
(実施例3)
実施例1の場合と同様の構成とし、陽極電極及び陰極電極の間隙は0.10mmとした。ただし、陰極側筐体のみ透明のABS樹脂を成型して作製された。
この電解セル装置に、実施例1の場合と同様の試験水を供給し、電解電圧及び電解電流を測定した。具体的には、電流が2.0A、2.5A、3.0A、3.5A及び4.0Aの際の電圧を測定した。
表5は、この実施例3の電解セル装置における実験結果を示している。
Figure 0003217309
(実施例4)
実施例2の場合と同様の構成とし、陽極電極及び陰極電極の間隙は0.10mmとした。ただし、陰極側筐体のみ透明のABS樹脂を成型して作製された。
この電解セル装置に、実施例2の場合と同様の試験水を供給し、電解電圧及び電解電流を測定した。具体的には、電流が2.0A、2.5A、3.0A、3.5A及び4.0Aの際の電圧を測定した。
表6は、この実施例4の電解セル装置における実験結果を示している。
Figure 0003217309
図7(B)は、陽極電極及び陰極電極の間隙を0.10mmとした場合の、比較例2、実施例3及び実施例4の実験結果を示しており、比較例2に比して、実施例3及び実施例4の場合は電解電圧が均一になると共に圧倒的に小さくなったことが分かる。即ち、陽極電極及び陰極電極の間隙を0.10mmとした場合にも、通常のナットを用いた比較例2に比して、インサートナットを用いて締め付けを行った実施例3及び実施例4の場合は、密着性が圧倒的に高くなっていることが分かる。
以上述べた比較例及び実施例の実験結果から、樹脂製の電解セル装置においては、ボルト及びナットを用いた締め付け固定より、インサートナット及びボルトを用いた締め付け固定の方が、インサートナットが挿入された側の筐体平面の湾曲を防止でき、陽極電極及び陰極電極の間隙を均一に維持できることが分かった。
なお、上述した実施形態及び実施例では、陽極側固定用孔11f及び陰極側固定用孔12fが陽極側筐体11及び陰極側筐体12の外周に沿って16個形成されているが、その数はこれに限定されるものではなく、筐体の形状及び寸法に応じて任意に設定可能である。
また、インサートナット19が陽極側固定用孔11f内に設けられているが、インサートナット19を陰極側固定用孔12f内に設けて、陽極側固定用孔11fから差し込んだボルトと螺合するように構成も良いことは明らかである。
以上述べた実施形態は全て本考案を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本考案は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本考案の範囲は実用新案登録請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
10 電解セル装置
11 陽極側筐体
11b ガス出口
11c 陽極室
11d、12d リブ
11e 周溝
12 陰極側筐体
12a 水入口
12b 水出口
12c 陰極室
13 陽極電極
14 陰極電極
15 隔膜
16 パッキン
17、18 リード線用接続端子
19 インサートナット
20 ボルト
21 スプリングワッシャー
22 平板ワッシャー
23 パイプ

Claims (2)

  1. 陽極電極と、陰極電極と、前記陽極電極及び前記陰極電極間に密着して挟設された隔膜と、前記陽極電極に当接して押圧する樹脂製の陽極側筐体と、前記陰極電極に当接して押圧する樹脂製の陰極側筐体と、前記陽極側筐体の外周に沿って形成された複数の陽極側固定用孔と、前記陰極側筐体の外周に沿って形成された複数の陰極側固定用孔と、前記複数の陽極側固定用孔又は前記複数の陰極側固定用孔内にそれぞれ設けられた複数のインサートナットと、前記複数の陰極側固定用孔又は前記複数の陽極側固定用孔に挿入されて前記複数のインサートナットにそれぞれ螺合することにより前記陽極側筐体及び前記陰極側筐体を互いに押圧して密着させる複数のボルトとを備えていることを特徴とする水素発生用電解セル装置。
  2. 前記複数のインサートナットが、成型時インサート型の複数のインサートナットであることを特徴とする請求項1に記載の水素発生用電解セル装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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