JP3217302U - 携帯用スロープ - Google Patents
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Abstract
【課題】軽量であり、使用時に変形し難く、かつ斜面上での車椅子や台車等の車両の車輪の滑りを抑制することができる携帯用スロープを提供する。【解決手段】携帯用スロープは、使用時に設置対象物に当接する設置面2aと使用時に車両の車輪が通行する斜面2bを有し、かつ斜面2bが設置面2aの対向する位置に配された、発泡樹脂製の成形体からなる芯材2と、斜面2bの少なくとも一部を覆う被覆層3と、を備え、被覆層3は、被覆層3の表面に凹凸形状が施された滑り防止部を有する。【選択図】図1
Description
本考案は、携帯用スロープに関する。
物体間に段差があって、該段差に架け渡すようにスロープが配されていない場所において、前記段差を超えるように車椅子を移動させることは、車椅子を移動させる者(例えば、介護者)に多大な負担を与える。また、工事現場などに段差があって、該段差に架け渡すようにスロープが配されていない場合、作業者が台車を使用して重量物を運搬する際に前記段差を通行することは、作業者にとって、負担となるだけではなく、危険となる場合がある。このような事態が生じないように、段差に架け渡すスロープが配されていない場所において、前記段差に架け渡すことができ、持ち運びが容易にできる携帯用スロープが知られている(特許文献1)。
特許文献1に記載の携帯用スロープは、発泡樹脂成形体で構成された板状芯材を備えていて、前記板状芯材は、車椅子の車輪が通行するための斜面を両端部に有している。そして、前記板状芯材の外表面には、前記板状芯材の機械的強度を向上させる観点や前記板状芯材の耐候性を高める観点などから、ポリウレア樹脂層が形成されている。
特許文献1に記載の携帯用スロープは、板状芯材が発泡樹脂成形体で構成されていることから、軽量であり、運搬時の負担が比較的少ない。
しかしながら、特許文献1に記載の携帯用スロープでは、車椅子が前記斜面を通行するときに、車椅子の車輪が前記斜面上で滑ってしまうという問題が生じることがあった。このような問題は、降雨時に、より顕著に生じていた。また、板状体では車椅子の重量による撓みが生じることがあり、このような場合には車椅子の使用者に恐怖心を与える虞もある。
そこで、本考案は、上記問題点に鑑み、軽量であり、使用時に変形し難く、かつ斜面上での車椅子や台車等の車両の車輪の滑りを抑制することができる携帯用スロープを提供することを課題とする。
本考案に係る携帯用スロープは、使用時に設置対象物に当接させる設置面と使用時に車両の車輪が通行する斜面とを有し、かつ前記斜面が前記設置面の対向する位置に配された、発泡樹脂製の成形体からなる芯材と、前記斜面の少なくとも一部を覆う被覆層と、を備え、前記被覆層は、該被覆層の表面に凹凸形状が施された滑り防止部を有している。
斯かる構成によれば、前記芯材が発泡樹脂成形体からなるので、比較的軽量にすることができる。そのため、携帯用スロープ運搬時の負担を少なくすることができる。
また、前記芯材は、発泡樹脂製の成形体から構成されているので、車両が前記斜面上を通行するときの前記斜面の変形を比較的小さくすることができる。
さらに、前記斜面の少なくとも一部が被覆層で覆われていて、前記被覆層は、該被覆層の表面に凹凸形状が施された滑り防止部を有しているので、前記斜面上での車両の車輪の滑りを抑制することができる。
また、前記被覆層の表面に凹凸形状が施されていることから、降雨時においては、前記被覆層の凹部に雨水を侵入させることができるので、前記被覆層の表面における雨水の層の形成が抑制される。これにより、車両が前記斜面上を通行するときの滑りを抑制することができる。
また、前記芯材は、発泡樹脂製の成形体から構成されているので、車両が前記斜面上を通行するときの前記斜面の変形を比較的小さくすることができる。
さらに、前記斜面の少なくとも一部が被覆層で覆われていて、前記被覆層は、該被覆層の表面に凹凸形状が施された滑り防止部を有しているので、前記斜面上での車両の車輪の滑りを抑制することができる。
また、前記被覆層の表面に凹凸形状が施されていることから、降雨時においては、前記被覆層の凹部に雨水を侵入させることができるので、前記被覆層の表面における雨水の層の形成が抑制される。これにより、車両が前記斜面上を通行するときの滑りを抑制することができる。
上記携帯用スロープでは、前記被覆層は、熱硬化性樹脂層を含んでいてもよい。
斯かる構成によれば、前記被覆層が熱硬化性樹脂層を含んでいるので、前記芯材において前記熱硬化性樹脂で覆われた部分の耐候性及び機械的強度が比較的高いものとなる。
上記携帯用スロープでは、前記凹凸形状は、前記被覆層に前記粒状物質が含まれることにより形成されていてもよい。
斯かる構成によれば、前記凹凸形状が、前記被覆層に前記粒状物質が含まれることにより形成されていることから、施工性良く、所望の強度を有する凹凸を得ることができる。
また、前記被覆層内に前記粒状物質が含まれることにより、すなわち、前記被覆層内に前記粒状物質の少なくとも一部が埋まることにより前記粒状物質が前記被覆層に固定されていることから、前記被覆層の表面に接着剤などで前記粒状物質を直接固定した場合に比べて、前記被覆層の表面からの前記粒状物質の露出部分が少ないものとなる。そのため、斜面上を車両の車輪が通行するときに、前記被覆層から前記粒状物質が外れることを抑制することができる。
また、前記被覆層内に前記粒状物質が含まれることにより、すなわち、前記被覆層内に前記粒状物質の少なくとも一部が埋まることにより前記粒状物質が前記被覆層に固定されていることから、前記被覆層の表面に接着剤などで前記粒状物質を直接固定した場合に比べて、前記被覆層の表面からの前記粒状物質の露出部分が少ないものとなる。そのため、斜面上を車両の車輪が通行するときに、前記被覆層から前記粒状物質が外れることを抑制することができる。
上記携帯用スロープでは、前記凹凸形状は、前記粒状物質の少なくとも一部を前記被覆層の表面において露出させることにより形成されていてもよい。
斯かる構成によれば、前記被覆層の表面において露出された前記粒状物質の少なくとも一部によって、斜面上を車両の車輪が通行するときの車両の車輪の滑りをより十分に抑制することができる。
上記携帯用スロープでは、前記熱硬化性樹脂層を構成する熱硬化性樹脂は、ウレタン及びポリウレアの少なくともいずれか一種であり、前記芯材の少なくとも前記斜面に直に塗装されていてもよい。
斯かる構成によれば、ポリウレタン及びポリウレアの少なくともいずれか一種が斜面に直に塗装されて熱硬化性樹脂層とされているので、該熱硬化性樹脂層は、芯材からの剥離強度が高いものとなる。
上記携帯用スロープでは、前記粒状物質は、0.2〜1.2mmの粒径を有し、前記滑り防止部は、該滑り防止部の上面の単位面積あたり100〜500g/mm2の前記粒状物質が含まれていてもよい。前記粒状物質は、砂であってもよい。
斯かる構成によれば、車両が前記斜面上を通行するときの滑りをより十分に抑制することができる。
上記携帯用スロープでは、前記芯材は、前記斜面の上端部から前記設置面に対して平行に延びる平坦面を有していてもよい。
前記斜面上を通行する車両のタイヤなどの車輪には、前記斜面に沿って下向き、すなわち車両のタイヤが前記斜面に沿って下がる方向に重力の分力が作用するので、前記携帯用スロープの高さと段差の高さとの間に前記段差の高さの方が高くなるような差があると、前記斜面に沿って下向きの力が作用している不安定な状態の車両について段差を超えさせる必要がある。
しかしながら、斯かる構成によれば、前記芯材が、前記斜面の上端部から前記設置面に対して平行に延びる平坦面を有していることから、車両のタイヤなどの車輪の少なくとも一部を前記平坦面上に一旦配することができる。そのため、前記斜面に沿って作用する力を比較的小さくすることができ、前記段差を超えさせる前に、車両を比較的安定した状態にすることができる。
これにより、比較的安定した状態の車両について段差を超えさせることができる。
また、前記携帯用スロープの高さと段差の高さとの間に前記携帯用スロープの高さの方が高くなるような差がある場合においても、上記と同様に、前記段差を超えさせる前に、車両を比較的安定した状態にすることができる。
しかしながら、斯かる構成によれば、前記芯材が、前記斜面の上端部から前記設置面に対して平行に延びる平坦面を有していることから、車両のタイヤなどの車輪の少なくとも一部を前記平坦面上に一旦配することができる。そのため、前記斜面に沿って作用する力を比較的小さくすることができ、前記段差を超えさせる前に、車両を比較的安定した状態にすることができる。
これにより、比較的安定した状態の車両について段差を超えさせることができる。
また、前記携帯用スロープの高さと段差の高さとの間に前記携帯用スロープの高さの方が高くなるような差がある場合においても、上記と同様に、前記段差を超えさせる前に、車両を比較的安定した状態にすることができる。
上記携帯用スロープでは、前記芯材は、前記斜面の延在方向と直交する前記斜面の幅方向の両端部から下方に向かって延在する第1側面及び第2側面を有し、前記第1側面には内方に窪んだ第1側面側窪み部が形成され、前記第2側面には内方に窪んだ第2側面側窪み部が形成されていてもよい。
斯かる構成によれば、前記第1側面には内方に窪んだ第1側面側窪み部が形成され、前記第2側面には内方に窪んだ第2側面側窪み部が形成されているので、前記第1側面側窪み部に一方の手の指を差し入れ、前記第2側面側窪み部に他方の手の指を差し入れることができる。
これにより、前記携帯用スロープを比較的容易に運搬することができる。
これにより、前記携帯用スロープを比較的容易に運搬することができる。
上記携帯用スロープでは、前記芯材は、分割可能に構成されていてもよい。
前記斜面の長さが比較的長い場合には、前記芯材が嵩張るようになって、前記携帯用スロープを持ち難くなることから、前記携帯用スロープを運搬し難くなる。
また、前記芯材が嵩張ると、段差に架け渡すようにスロープが配されていない場所まで、車両にて前記携帯用スロープを運搬する場合、前記携帯用スロープを車両に積み込み難くなる。
さらに、前記斜面の長さが比較的長くなることにより前記携帯用スロープの重量が重たくなる場合には、前記携帯用スロープ運搬時の負担が大きくなる。
しかしながら、斯かる構成によれば、前記芯材を分割することができるので、前記斜面の長さが比較的長い場合であっても、一体にされた状態の前記芯材に比べて嵩張らなくすることができる。
これにより、前記斜面の長さが比較的長い場合であっても、前記携帯用スロープを比較的容易に運搬することができ、かつ前記芯材の重量が重たくなる場合であっても、前記携帯用スロープ運搬時の負担を小さくすることができる。
また、前記芯材が嵩張ると、段差に架け渡すようにスロープが配されていない場所まで、車両にて前記携帯用スロープを運搬する場合、前記携帯用スロープを車両に積み込み難くなる。
さらに、前記斜面の長さが比較的長くなることにより前記携帯用スロープの重量が重たくなる場合には、前記携帯用スロープ運搬時の負担が大きくなる。
しかしながら、斯かる構成によれば、前記芯材を分割することができるので、前記斜面の長さが比較的長い場合であっても、一体にされた状態の前記芯材に比べて嵩張らなくすることができる。
これにより、前記斜面の長さが比較的長い場合であっても、前記携帯用スロープを比較的容易に運搬することができ、かつ前記芯材の重量が重たくなる場合であっても、前記携帯用スロープ運搬時の負担を小さくすることができる。
本考案によれば、軽量であり、使用時に変形し難く、かつ斜面上での車椅子や台車等の車両の車輪の滑りを抑制することができる携帯用スロープを提供することができる。
以下、本考案の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
まず、本考案の第1実施形態に係る携帯用スロープ1について説明する。
まず、本考案の第1実施形態に係る携帯用スロープ1について説明する。
本実施形態に係る携帯用スロープ1は、図1及び2(a)に示したように、使用時に設置対象物(例えば、床、道路など)に当接させる設置面2aと使用時に車両のタイヤなどの車輪が通行する斜面2bを有し、かつ斜面2bが設置面2aの対向する位置に配された、発泡樹脂製の成形体からなる芯材2と、斜面2bの少なくとも一部を覆う被覆層3と、を備える。
さらに、本実施形態に係る携帯用スロープ1では、図2(b)に示したように、被覆層3は、該被覆層3の表面に凹凸形状が施された滑り防止部4を有している。
以下では、斜面2bの低い側を前方とし、斜面2bの高い側を後方として説明する。
さらに、本実施形態に係る携帯用スロープ1では、図2(b)に示したように、被覆層3は、該被覆層3の表面に凹凸形状が施された滑り防止部4を有している。
以下では、斜面2bの低い側を前方とし、斜面2bの高い側を後方として説明する。
本実施形態の芯材2は、図1及び2(a)に示したように、前方から後方に向かって延在する矩形形状の設置面2aと、設置面2aと同様に矩形形状を有し、かつ設置面2aの前端部側から後端部側に向かって、設置面2aの延在方向(前方側から後方側に向かう方向)に対して、前端部側から後端部側に向かって先上がりとなるように傾斜して延びる斜面2bとを有する。本実施形態では、斜面2bは、設置面2aの後端部よりも前方側まで傾斜して延びている。すなわち、斜面2bの後端部は、設置面2aの後端部よりも前方側に位置している。なお、本実施形態に係る携帯用スロープ1は、設置面2aを設置対象物の表面(段差を構成する低位側の段の表面)に当接させることにより配置される。
本実施形態の芯材2では、設置面2aの前端部と斜面2bの前端部とは、設置面2aの前端部の全域から設置面2aの延在方向に対して垂直上方に延びる前端面2fを介して連接されている。このようにすると、設置面2aの前端部と斜面2bの前端部との間に厚みを持たせることができるので、車両のタイヤが斜面2bを通行する際に、芯材2の前端側が損傷することを抑制することができる。本実施形態の芯材2は、斜面2bの上端部(後端部)の全域から設置面2aに対して平行に延びる平坦面2eを有する。すなわち、斜面2bの後端部の全域には、該後端部から設置面2aの延在方向に対して平行に設置面2aの後端部の位置と略同位置まで延びるように平坦面2eが連接されている。本実施形態の芯材2においては、設置面2aの幅(設置面2aの延在方向と直交する方向の長さ)、斜面2bの幅(斜面2bの延在方向と直交する方向の長さ)及び平坦面2eの幅(平坦面2eの延在方向と直交する方向の長さ)は略同一となっている。
芯材2は、斜面2bの幅方向の一端側の端部の全域及び平坦面2eの幅方向の一端側の端部の全域から設置面2aの一端側の端部の全域まで延在する第1側面2cと、斜面2bの幅方向の他端側の端部の全域及び平坦面2eの幅方向の他端側の端部の全域から設置面2aの他端側の端部の全域まで延在する第2側面2dとを有する。
本実施形態の芯材2は、発泡樹脂製の成形体からなる。すなわち、本実施形態の芯材2は、発泡樹脂で充たされ、一体的に成形されたものである。芯材2は、特に限定されないが、熱可塑性樹脂からなる発泡樹脂材料等を用いることが好ましい。このような発泡樹脂材料としては、例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリカーボネート系樹脂、ポリ乳酸系樹脂等が挙げられる。特に、成形性やコストの面から、芯材は予備発泡したポリスチレン系発泡樹脂粒子を型内発泡成形法により発泡成形して作られた発泡成形品であることが好ましい。ポリスチレンの発泡体の発泡倍率は30〜85倍が好ましい。なお、得られた芯材の圧縮強度は、破損防止の観点から10%歪み時の圧縮応力が40〜180kN/m2であることが好ましい。
本実施形態の被覆層3は、斜面2b及び平坦面2eの上面の全域を覆うように配されている。このように、前記上面の全域を覆うように被覆層3が配されているので、紫外線による前記上面の劣化を抑制し(耐候性を高め)、芯材2の機械的強度を増し、車両のタイヤの通行による前記上面の摩耗を抑制することができる。上記のように、芯材2の斜面2b及び平坦面2eの上面の全域を被覆層3で覆うことにより、芯材2のみの場合と比べて、繰り返し圧縮試験によって測定される歪み量を9%以上低下させることができる。また、上記のように、芯材2の耐候性を高め、かつ機械的強度を増すことができることにより、前記上面を長期に亘って繰り返し使用することができる。本実施形態の被覆層3は、熱硬化性樹脂層を含んでいる。該熱硬化性樹脂層は、例えば、ポリウレタン、ポリウレア、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ酸樹脂、及び不飽和ポリエステル樹脂の少なくとも一種である熱硬化性樹脂から構成される。これらの群から選ばれる熱硬化性樹脂と用いると、前記熱硬化性樹脂層を塗布層とすることができる。該熱硬化性樹脂は、ポリウレタン及びポリウレアの少なくとも一種であることが好ましい。これらの群から選ばれる熱硬化性樹脂を用いると、前記上面に熱硬化性樹脂を直接吹き付けて、前記上面に塗装層としての被覆層3を形成することができるので、施工性を向上させることができる。
本実施形態では、被覆層3は、図2(b)に示したように、斜面2bおよび平坦面2e上に配される熱硬化性樹脂層としての下層3aと下層3aの上面に配される熱硬化性樹脂層としての上層3bとを備える2層構造となっている。下層3a及び上層3bは、同一の熱硬化性樹脂から構成されてもよいし、異なる熱硬化性樹脂から構成されてもよい。被覆層3の上層3bは、粒状物質3cを含む。上層3bは、上面において少なくとも一部が露出するように粒状物質3cを含む。本実施形態では、粒状物質3cの少なくとも一部が上層3bの上面から露出されることにより被覆層3の表面に凹凸が施されて、滑り防止部4となっている。そのため、粒状物質3cとしては、車両が被覆層3の上面を通過する際に車両の重量により破損したり変形したりしない物性を有するものを用いることが好ましい。粒状物質3cは、粒径が0.2〜1.2mmであることが好ましい。ここで、粒状物質3cの粒径は、目開きが0.2mm以上の篩の篩上品であって、目開きが1.2mm以下の篩の篩下品を意味する。さらに、滑り防止部4は、滑り防止部4の上面の単位面積あたり100〜500g/mm2の粒状物質3cを含んでいることが好ましい。このような粒状物質3cとしては、例えば、砂、ゴムチップ、合成樹脂製の粒状物質などを用いることができる。粒状物質3cとしての砂としては、例えば、4号珪砂を用いることができる。
本実施形態では、被覆層3は、前記熱硬化性樹脂を斜面2b上に吹き付けて硬化させることにより下層3aを形成し、硬化させた下層3aの上面に粒状物質3cを配した後、粒状物質3cの少なくとも一部が露出するように、前記熱硬化性樹脂を粒状物質3cの上方側から吹き付け、吹き付けられた前記熱硬化性樹脂を硬化させて上層3bを形成することにより得ることができる。硬化させた下層3aの上面に粘着剤を配して、前記上面に粒状物質3cを固定しておき、粒状物質3cの上方から前記熱硬化性樹脂を吹き付け、吹き付けられた前記熱硬化性樹脂を硬化させて上層3bを形成してもよい。
(第2実施形態)
次に、本考案の第2実施形態に係る携帯用スロープ1について説明する。以下では、本考案の第1実施形態に係る携帯用スロープ1と同様の構成については説明を繰り返さない。
次に、本考案の第2実施形態に係る携帯用スロープ1について説明する。以下では、本考案の第1実施形態に係る携帯用スロープ1と同様の構成については説明を繰り返さない。
本実施形態に係る携帯用スロープ1は、図3〜5に示したように、分割可能に構成されている。詳しくは、携帯用スロープ1の略中央部分から、第1芯材2Aを含む部位と第2芯材2Bを含む部位の2つの部位に分割できるように構成されている。以下では、第1芯材2Aの構成要素には2Aa等の参照番号を付し、第2芯材2Bの構成要素には2Ba等の参照番号を付して説明する。
本実施形態の第1芯材2Aでは、前端部は、該前端部の下方側に前方に向かって延出する前方延出部2Agを有する。前方延出部2Agには、上面側に下方に向かって窪んだ係合用窪み部2Ahが形成されている。係合用窪み部2Ahは、前方延出部2Agの後方側から前方側に向かって幅狭となるような形状をなしている。例えば、係合用窪み部2Ahは、図5に示したように、前方延出部2Agの後方側から前方側に向かって凸字形状をなしている。
本実施形態の第1芯材2Aでは、第3側面2Acには内方に窪んだ第1側面側窪み部2Aiが形成され、第4側面2Adには内方に窪んだ第2側面側窪み部2Ajが形成されている。詳しくは、第1側面側窪み部2Aiは、第3側面2Acの略中央部の下端側から内方に向かって第1芯材2Aの一部が略直方体形状に窪んで形成され、第2側面側窪み部2Ajは、第4側面2Adの略中央部の下端側から内方に向かって第1芯材2Aの一部が略直方体形状に窪んで形成されている。また、本実施形態の第1側面側窪み部2Ai及び第2側面側窪み部2Ajは、設置面2Aaから見ても窪んでいる。
なお、本実施形態の第1芯材2Aでは、斜面2Abの後端部は、設置面2Aaの後端部の位置と略同一の位置まで延在している。すなわち、本実施形態の第1芯材2Aでは、第1実施形態の芯材2の場合のように、斜面2Abの後端部に平坦面が連接されていない。斜面2Abの上面には、該上面の全域を覆うように被覆層3Aが配されている。被覆層3Aも、被覆層3と同様に、被覆層3Aの上層の上面において少なくとも一部が露出するように粒状物質を含んでいる。すなわち、本実施形態でも、粒状物質の少なくとも一部が上層の上面において露出されることにより被覆層3Aの表面に凹凸形状が施されて、滑り防止部が形成されている。
本実施形態の第2芯材2Bでは、斜面2Bbは、設置面2Baの延在方向に対して異なる角度で傾斜する2つの斜面から構成される。斜面2Bbは、前端側が前端面2Bfの上端側に連接されて後方に向かって傾斜して延びる第1斜面2Bb1と、第1斜面2Bb1の後端側に連接され、後方に向かって傾斜して延びる第2斜面2Bb2とから構成されている。第1斜面2Bb1が設置面2Baの延在方向に対してなす角度は、第2斜面2Bb2が設置面2Baの延在方向に対してなす角度よりも急峻とされている。このように、直立状態の前端面2Bfから第2斜面2Bb2まで設置面2Baの延在方向に対する角度が段階的に変化するので、第2芯材2Bの前端側の厚みを確保しつつ、第2斜面2Bb2の傾斜を緩くすることができる。第1斜面2Bb1及び第2斜面2Bb2の上面、すなわち、第2斜面2Bb2の上面には、該上面の全域を覆うように被覆層3Bが配されている。被覆層3Bも、被覆層3及び3Aと同様に、被覆層3Bの上面において少なくとも一部が露出するように粒状物質を含んでいる。
本実施形態の第2芯材2Bでは、第5側面2Bcには内方に窪んだ第3側面側窪み部2Biが形成され、第6側面2Bdには内方に窪んだ第4側面側窪み部2Bjが形成されている。第3側面側窪み部2Bi及び第4側面側窪み部2Bjは、第1側面側窪み部2Ai及び第2側面側窪み部2Ajと同様に形成されている。
本実施形態の第2芯材2Bでは、後端部は、該後端部の上方側に後方に向かって延出する後方延出部2Bgを有する。後方延出部2Bgには、下面側に下方に向かって突出する係合用突出部2Bhが形成されている。係合用突出部2Bhは、後方延出部2Bgの後方側から前方側に向かって幅狭となるような形状をなしている。例えば、係合用突出部2Bhは、図5に示したように、後方延出部2Bgの後方側から前方側に向かって凸字形状をなしている。第2芯材2Bでは、後端部は、第1芯材2Aの係合用窪み部2Ahの寸法と略同一寸法の係合用突出部2Bhを有する。上記のように、前端部が係合用窪み部2Ahを有し、後端部が係合用突出部2Bhを有することから、係合用突出部2Bhを係合用窪み部2Ahに係合させて、第1芯材2Aと第2芯材2Bとを一体に結合させることができる。上記のように、係合用窪み部2Ahは前方延出部2Agの後方側から前方側に向かって幅狭となっていて、係合用突出部2Bhは後方延出部2Bgの後方側から前方側に向かって幅狭となっているので、第1芯材2Aと第2芯材2Bとを一体にした状態では、第1芯材2Aと第2芯材2Bとを離間させる方向(前後方向)に力が作用したとしても、第2芯材2Bの係合用突出部2Bhが第1芯材2Aの係合用窪み部2Ahから抜けて、第1芯材2Aと第2芯材2Bとが分離されることが抑制される。
上述の実施形態は、本考案を説明するためのものであり、本考案の範囲を限定するものではない。つまり、本考案の範囲は、実施形態ではなく、実用新案登録請求の範囲によって示される。そして、実用新案登録請求の範囲内およびそれと同等の考案の意義の範囲内で施される様々な変形が、本考案の範囲内とみなされる。
上記各実施形態では、被覆層3の上面から粒状物質3cの一部を露出させることにより、被覆層3の上面に凹凸形状を施す例について説明したが、被覆層3の上面に凹凸形状を施す例はこれに限られない。例えば、粒状物質3cの一部を被覆層3の上面から露出させていなくても、被覆層3が粒状物質3cを含むことにより、被覆層3の上面に凹凸形状が施されていればよい。例えば、被覆層3の上面から粒状物質3cの少なくとも一部を突出させることにより、被覆層3の上面に凹凸形状を形成してもよい。また、粒状物質3cを用いずに被覆層3の上面に凹凸形状を施してもよい。例えば、表面に凹凸形状を有する層を被覆層3の上層側に配することにより、被覆層3の上面に凹凸形状を施してもよい。
上記第1実施形態に係る携帯用スロープ1では、斜面2b上のみに被覆層3を配し、被覆層3の上面から粒状物質3cの少なくとも一部を露出させた例について説明し、上記第2実施形態に係る携帯用スロープ1では斜面2Ab上及び斜面2Bb上のみにそれぞれ被覆層3A及び被覆層3Aを配し、被覆層3A及び被覆層3Bの上面から粒状物質の少なくとも一部を露出させた例について説明したが、被覆層を配する例はこれに限られない。第1実施形態に係る携帯用スロープ1では、設置面2aの表面に上記と同様に被覆層3を設けてもよいし、第2実施形態に係る携帯用スロープ1では、設置面2Aa、2Baの表面に上記と同様に、それぞれ被覆層3A及び3Bを設けてもよい。このようにすれば、携帯用スロープ1の斜面上を車両が通行しているときに、携帯用スロープ1が、前後方向に滑ることを抑制することができる。
上記の第1実施形態に係る携帯用スロープ1では、芯材2の第1側面2c及び第2側面2dに側面側窪み部を形成しない例について説明したが、第2実施形態に係る携帯用スロープ1で説明したように、第1側面2c及び第2側面2dにそれぞれ側面側窪み部を形成してもよい。
上記の第1実施形態に係る携帯用スロープ1では、斜面2bを、設置面2aの延在方向に対して略一定の角度をなして延びる1つの斜面で構成する例について説明したが、第2実施形態に係る携帯用スロープ1の例で説明したように、斜面2bを、設置面に対して異なる角度で傾斜する2つ以上の斜面で構成してもよい。
上記の第1実施形態に係る携帯用スロープ1では、熱硬化性樹脂を斜面2b及び平坦面2e上に吹き付けて硬化させることにより下層3aを形成し、硬化させた下層3aの上面に粒状物質3cを配した後、粒状物質3cの少なくとも一部が露出するように、熱硬化性樹脂を粒状物質3cの上方側から吹き付け、吹き付けられた熱硬化性樹脂を硬化させて上層3bを形成することにより、被覆層3を形成する例について説明したが、被覆層3を形成する例はこれに限られない。例えば、熱硬化性樹脂と粒状物質とを混合して混合物を調製し、調製した該混合物を斜面2bに塗布し、塗布された前記混合物中の熱硬化性樹脂を硬化させることにより、被覆層3を形成してもよい。
上記の第2実施形態に係る携帯用スロープ1では、第1側面側窪み部2Aiを、第3側面2Acの下端側から内方に向かって窪むように形成し、第2側面側窪み部2Ajを、第4側面2Adの下端側から内方に向かって窪むように形成し、第3側面側窪み部2Biを、第5側面2Bcの下端側から内方に向かって窪むように形成し、第4側面側窪み部2Bjを、第6側面2Bdの下端側から内方に向かって窪むように形成する例について説明したが、第1側面側窪み部2Ai、第2側面側窪み部2Aj、第3側面側窪み部2Bi及び第4側面側窪み部2Bjを形成する例はこれに限られない。第1側面側窪み部2Ai〜第4側面側窪み部2Bjは、それぞれ、第3側面2Ac〜第6側面2Bdのいずれかの位置に設けられていればよい。例えば、図6に示したように、第1側面側窪み部2Aiは、第3側面2Ac側の略中央部に設けられ、第2側面側窪み部2Ajは、第4側面2Ad側の略中央部に設けられ、第3側面側窪み部2Biは、第5側面2Bc側の略中央部に設けられ、第4側面側窪み部2Bjは、第6側面2Bd側の略中央部に設けられてもよい。
上記の第2実施形態に係る携帯用スロープ1では、第1芯材2Aの斜面2Abの後端部に平坦面を連接しない例について説明したが、第1実施形態に係る携帯用スロープ1で説明したように、第1芯材2Aの斜面2Abの後端部に、設置面2Aaの延在方向と平行方向に延びるように平坦面を連接してもよい。
上記の第2実施形態に係る携帯用スロープ1では、第1芯材2Aの前方延出部2Agの上面側に下方に向かって窪んだ係合用窪み部2Ahを形成し、第2芯材2Bの後方延出部2Bgの下面側に下方に向かって突出する係合用突出部2Bhを形成する例について説明したが、第1芯材2Aの前方延出部2Agの上面側に上方に向かって突出する係合用突出部を形成し、第2芯材2Bの後方延出部2Bgの下面側に上方に向かって窪んだ係合用窪み部を形成してもよい。
また、上記の第2実施形態に係る携帯用スロープ1では、第1芯材2Aの前端側部位の下方側に前方延出部2Agを形成し、第2芯材2Bの後端側部位の上方側に後方延出部2Bgを形成する例について説明したが、第1芯材2Aの前方側部位の上方側に前方延出部2Agを形成し、第2芯材2Bの後方側部位の下方側に後方延出部2Bgを形成してもよい。
また、上記の第2実施形態に係る携帯用スロープ1では、第1芯材2Aの前端側部位の下方側に前方延出部2Agを形成し、第2芯材2Bの後端側部位の上方側に後方延出部2Bgを形成する例について説明したが、第1芯材2Aの前方側部位の上方側に前方延出部2Agを形成し、第2芯材2Bの後方側部位の下方側に後方延出部2Bgを形成してもよい。
1:携帯用スロープ、2:芯材、2A:第1芯材、2B:第2芯材、2a、2Aa、2Ba:設置面、2b、2Ab、2Bb:斜面、2Bb1:第1斜面、2Bb2:第2斜面、2c:第1側面、2Ac:第3側面、2Bc:第5側面、2d:第2側面、2Ad:第4側面、2Bd:第6側面、2e:平坦面、2f、2Af、2Bf:前端面、2Ag:前方延出部、2Bg:後方延出部、2Ah:係合用窪み部、2Bh:係合用突出部、2Ai:第1側面側窪み部、2Aj:第2側面側窪み部、2Bi:第3側面側窪み部、2Bj:第4側面側窪み部、3、3A、3B:被覆層、3a:下層、3b:上層、3c:粒状物質、4:滑り防止部。
Claims (10)
- 使用時に設置対象物に当接させる設置面と使用時に車両の車輪が通行する斜面とを有し、かつ前記斜面が前記設置面の対向する位置に配された、発泡樹脂製の成形体からなる芯材と、
前記斜面の少なくとも一部を覆う被覆層と、を備え、
前記被覆層は、該被覆層の表面に凹凸形状が施された滑り防止部を有する、
携帯用スロープ。 - 前記被覆層は、熱硬化性樹脂層を含んでいる、
請求項1に記載の携帯用スロープ。 - 前記凹凸形状は、前記被覆層に粒状物質が含まれることにより形成されている、
請求項1または2に記載の携帯用スロープ。 - 前記凹凸形状は、前記粒状物質の少なくとも一部を前記被覆層の表面において露出させることにより形成されている、
請求項3に記載の携帯用スロープ。 - 前記熱硬化性樹脂層を構成する熱硬化性樹脂は、ポリウレタン及びポリウレアの少なくともいずれか一種であり、前記芯材の少なくとも前記斜面に直に塗装されている、
請求項2乃至4のいずれか1項に記載の携帯用スロープ。 - 前記粒状物質は、0.2〜1.2mmの粒径を有し、
前記滑り防止部は、該滑り防止部の上面の単位面積あたり100〜500g/mm2の前記粒状物質を含む、
請求項3または4に記載の携帯用スロープ。 - 前記粒状物質は、砂である、
請求項3、4または6に記載の携帯用スロープ。 - 前記芯材は、前記斜面の上端部から前記設置面に対して平行に延びる平坦面を有する、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の携帯用スロープ。 - 前記芯材は、
前記斜面の延在方向と直交する前記斜面の幅方向の両端部から下方に向かって延在する第1側面及び第2側面を有し、
前記第1側面には内方に窪んだ第1側面側窪み部が形成され、前記第2側面には内方に窪んだ第2側面側窪み部が形成されている、
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の携帯用スロープ。 - 前記芯材は、分割可能に構成されている、
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の携帯用スロープ。
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JP7182825B1 (ja) | 2022-09-13 | 2022-12-05 | 株式会社日建テクノス | 車止め型脱気装置を製造する方法 |
JP7494082B2 (ja) | 2020-10-02 | 2024-06-03 | 櫻護謨株式会社 | 傾斜矯正スロープおよび傾斜矯正スロープの製造方法 |
-
2018
- 2018-03-29 JP JP2018001159U patent/JP3217302U/ja active Active
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JP2024040736A (ja) * | 2022-09-13 | 2024-03-26 | 株式会社日建テクノス | 車止め型脱気装置を製造する方法 |
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