JP3217152B2 - ベント押出機 - Google Patents
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- Mechanical Engineering (AREA)
- Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、ベント押出機の改良
に関わるものである。
に関わるものである。
【０００２】
【従来の技術】合成樹脂の押出成形においては、ベント
押出機がしばしば使用される。ベント押出機は、粉状、
粒状の合成樹脂原料を移送し、加熱溶融するための供給
ゾーンと圧縮ゾーンからなる第一ステージと、溶融ない
し半溶融状態の合成樹脂を完全溶融して均質化し、計量
して押出口から押出す圧縮ゾーンと計量ゾーンからなる
第二ステージとの間にベントゾーンを設け、このベント
ゾーンを真空ポンプで吸引して減圧状態とすることによ
り溶融した原料樹脂の揮発分を吸引し、外部に排出する
ようになっている。
押出機がしばしば使用される。ベント押出機は、粉状、
粒状の合成樹脂原料を移送し、加熱溶融するための供給
ゾーンと圧縮ゾーンからなる第一ステージと、溶融ない
し半溶融状態の合成樹脂を完全溶融して均質化し、計量
して押出口から押出す圧縮ゾーンと計量ゾーンからなる
第二ステージとの間にベントゾーンを設け、このベント
ゾーンを真空ポンプで吸引して減圧状態とすることによ
り溶融した原料樹脂の揮発分を吸引し、外部に排出する
ようになっている。
【０００３】ところで、ベント押出機では、稼働時、第
一ステージの圧縮ゾーンにおいて、溶融ないし半溶融状
態の合成樹脂が充満し、バレルとスクリューとの間隙部
をシールする部分、所謂マテリアルシール部が形成され
ねばならない。真空ポンプでベントゾーンを吸引して
も、マテリアルシール部が形成されないと、ベントゾー
ンは原料投入口に連通してしまって、減圧状態を維持す
ることができなくなり、ベント孔に樹脂が溶流して閉塞
してしまったりするからである。
一ステージの圧縮ゾーンにおいて、溶融ないし半溶融状
態の合成樹脂が充満し、バレルとスクリューとの間隙部
をシールする部分、所謂マテリアルシール部が形成され
ねばならない。真空ポンプでベントゾーンを吸引して
も、マテリアルシール部が形成されないと、ベントゾー
ンは原料投入口に連通してしまって、減圧状態を維持す
ることができなくなり、ベント孔に樹脂が溶流して閉塞
してしまったりするからである。
【０００４】しかし、第一ステージの圧縮ゾーンにおけ
る原料の充満状況は、原料の供給量、加熱温度、スクリ
ュー構造、スクリュー回転数等の種々の要因により変動
し、また、スクリュー回転数や原料供給装置のフィード
スクリュー回転数が一定でも、原料の温度、帯電性、吸
水の度合い等によってかさ比重が変わることによっても
変動する。上記のような要因によって、第一ステージの
圧縮ゾーンにおける原料の充満状態が十分でない時に
は、マテリアルシール部でのシール不足が生じ、ベント
ゾーンの真空度が低下し、原料樹脂の揮発分は十分に脱
気されず、押出成形品内に発泡を生じてしまったりする
といったに不都合を生ずることがあった。
る原料の充満状況は、原料の供給量、加熱温度、スクリ
ュー構造、スクリュー回転数等の種々の要因により変動
し、また、スクリュー回転数や原料供給装置のフィード
スクリュー回転数が一定でも、原料の温度、帯電性、吸
水の度合い等によってかさ比重が変わることによっても
変動する。上記のような要因によって、第一ステージの
圧縮ゾーンにおける原料の充満状態が十分でない時に
は、マテリアルシール部でのシール不足が生じ、ベント
ゾーンの真空度が低下し、原料樹脂の揮発分は十分に脱
気されず、押出成形品内に発泡を生じてしまったりする
といったに不都合を生ずることがあった。
【０００５】そこで、ベントゾーン部に真空計を設置し
てベントゾーンの真空度を検出し、真空度の低下に対し
て、スクリュー回転数、フィードスクリュー回転数等を
変える等の対策を講じていた。
てベントゾーンの真空度を検出し、真空度の低下に対し
て、スクリュー回転数、フィードスクリュー回転数等を
変える等の対策を講じていた。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ベントゾーン
の真空度が低下してから上記のような処置を取るので
は、その間に原料樹脂の揮発分を十分に吸引できないと
いう脱気不良が起こり、押出量が低下したり、スクリュ
ー先端部で樹脂が分解してしまうという問題があった。
の真空度が低下してから上記のような処置を取るので
は、その間に原料樹脂の揮発分を十分に吸引できないと
いう脱気不良が起こり、押出量が低下したり、スクリュ
ー先端部で樹脂が分解してしまうという問題があった。
【０００７】この発明は、上記の点に鑑み、脱気不良を
早期に発見でき、対応策を早めにとることのできるベン
ト押出機を提供することを目的とする。
早期に発見でき、対応策を早めにとることのできるベン
ト押出機を提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】この発明者は、以上の点
を考慮して種々検討した結果、マテリアルシール部のシ
ール性が十分でないとベントゾーンの真空度が低下して
脱気不良を惹起するものであるが、マテリアルシール性
はその部分の樹脂圧と相関し、樹脂圧が低下したりする
とマテリアルシール性が低下することを見出し、この発
明を完成した。
を考慮して種々検討した結果、マテリアルシール部のシ
ール性が十分でないとベントゾーンの真空度が低下して
脱気不良を惹起するものであるが、マテリアルシール性
はその部分の樹脂圧と相関し、樹脂圧が低下したりする
とマテリアルシール性が低下することを見出し、この発
明を完成した。
【０００９】すなわち、この発明のベント押出機は、供
給ゾーンと圧縮ゾーンからなる第一ステージと、溶融な
いし半溶融状態の合成樹脂を完全溶融して均質化し計量
化する圧縮ゾーンと計量ゾーンからなる第二ステージと
の間にベントゾーンを設けてなるベント押出機におい
て、第一ステージの圧縮ゾーンのマテリアルシール部の
バレル壁に樹脂圧センサーを設けたことを特徴としてい
る。
給ゾーンと圧縮ゾーンからなる第一ステージと、溶融な
いし半溶融状態の合成樹脂を完全溶融して均質化し計量
化する圧縮ゾーンと計量ゾーンからなる第二ステージと
の間にベントゾーンを設けてなるベント押出機におい
て、第一ステージの圧縮ゾーンのマテリアルシール部の
バレル壁に樹脂圧センサーを設けたことを特徴としてい
る。
【００１０】上記ベント押出機において、警報を発する
警報装置を備えれば、第一ステージの圧縮ゾーンのマテ
リアルシール部の樹脂圧が予め設定した樹脂圧の範囲を
外れた時、その状態を作業者は確実に把握でき、押出状
態を正常に回復する措置を迅速に講ずることができる。
警報装置を備えれば、第一ステージの圧縮ゾーンのマテ
リアルシール部の樹脂圧が予め設定した樹脂圧の範囲を
外れた時、その状態を作業者は確実に把握でき、押出状
態を正常に回復する措置を迅速に講ずることができる。
【００１１】また、上記ベント押出機において、第一ス
テージの圧縮ゾーンのマテリアルシール部の樹脂圧と予
め設定した樹脂圧の範囲との対比結果に基づいてスクリ
ュー回転を制御する信号をスクリュー駆動装置に送るコ
ントローラーを備えれば、自動的にスクリューの回転数
が変えられてその偏差がなくなり、成形不良を惹起する
ことなく、良好な押出成形を続行できる。
テージの圧縮ゾーンのマテリアルシール部の樹脂圧と予
め設定した樹脂圧の範囲との対比結果に基づいてスクリ
ュー回転を制御する信号をスクリュー駆動装置に送るコ
ントローラーを備えれば、自動的にスクリューの回転数
が変えられてその偏差がなくなり、成形不良を惹起する
ことなく、良好な押出成形を続行できる。
【００１２】さらに、上記ベント押出機において、第一
ステージの圧縮ゾーンのマテリアルシール部の樹脂圧と
予め設定した樹脂圧の範囲との対比結果に基づいて原料
の投入量を制御する信号を原料投入装置に送るコントロ
ーラーを備えれば、予め定められた樹脂圧の範囲を外れ
た場合に自動的に原料供給量が変えられてその偏差をな
くなり、成形不良を惹起することなく、良好な押出成形
を続行できる。
ステージの圧縮ゾーンのマテリアルシール部の樹脂圧と
予め設定した樹脂圧の範囲との対比結果に基づいて原料
の投入量を制御する信号を原料投入装置に送るコントロ
ーラーを備えれば、予め定められた樹脂圧の範囲を外れ
た場合に自動的に原料供給量が変えられてその偏差をな
くなり、成形不良を惹起することなく、良好な押出成形
を続行できる。
【００１３】上記の設定樹脂圧の範囲は予め実験等に基
づいて定められる。また、測定した樹脂圧と予め設定し
た樹脂圧の範囲との対比結果に基づくスクリュー回転数
の制御や原料の投入量を制御する場合には、その樹脂圧
とスクリュー回転数や原料の投入量との関係も予備的な
実験に基づいて決められる。
づいて定められる。また、測定した樹脂圧と予め設定し
た樹脂圧の範囲との対比結果に基づくスクリュー回転数
の制御や原料の投入量を制御する場合には、その樹脂圧
とスクリュー回転数や原料の投入量との関係も予備的な
実験に基づいて決められる。
【００１４】この発明が適用できるベント押出機は、シ
ングルスクリュー、２本以上のスクリューを有するスク
リュー押出機に適用できる。さらに、用いられる原料
は、押出可能であり、ベントゾーンでの脱気効果が期待
できる全ての合成樹脂にわたるものである。
ングルスクリュー、２本以上のスクリューを有するスク
リュー押出機に適用できる。さらに、用いられる原料
は、押出可能であり、ベントゾーンでの脱気効果が期待
できる全ての合成樹脂にわたるものである。
【００１５】
【作用】この発明のベント押出機においては、樹脂圧セ
ンサーによりマテリアルシール部の樹脂圧を検出するこ
とによって、マテリアルシール性の程度を知り、ベント
ゾーンの減圧度を予見できる。したがって、迅速に押出
状態を正常に回復に戻す措置を講ずることが可能とな
る。
ンサーによりマテリアルシール部の樹脂圧を検出するこ
とによって、マテリアルシール性の程度を知り、ベント
ゾーンの減圧度を予見できる。したがって、迅速に押出
状態を正常に回復に戻す措置を講ずることが可能とな
る。
【実施例】次に、この発明の実施例を図面を参照して説
明する。
明する。
【００１６】図１は、この発明に係わるベント押出機の
一実施例の縦断面図である。図１において、１はスクリ
ュー、２はバレル、３は樹脂供給装置、４はスクリュー
駆動部、５は真空ポンプ、６は真空ポンプをＯＮ−ＯＦ
Ｆ制御する装置、７はコントローラーである。
一実施例の縦断面図である。図１において、１はスクリ
ュー、２はバレル、３は樹脂供給装置、４はスクリュー
駆動部、５は真空ポンプ、６は真空ポンプをＯＮ−ＯＦ
Ｆ制御する装置、７はコントローラーである。
【００１７】スクリュー１は、２個のスクリューが互い
に噛み合ってバレル２内に装着されており、その根元側
から順に、供給ゾーンと圧縮ゾーンからなる第一ステー
ジ１１、ベントゾーン１２、溶融ないし半溶融状態の合
成樹脂を完全溶融して均質化し計量化する圧縮ゾーンと
計量ゾーンからなる第二ステージ１３とから構成されて
いる。そして、第一ステージ１１の圧縮部にはフライト
間隔が狭められてマテリアルシール部１１１とされてい
る。
に噛み合ってバレル２内に装着されており、その根元側
から順に、供給ゾーンと圧縮ゾーンからなる第一ステー
ジ１１、ベントゾーン１２、溶融ないし半溶融状態の合
成樹脂を完全溶融して均質化し計量化する圧縮ゾーンと
計量ゾーンからなる第二ステージ１３とから構成されて
いる。そして、第一ステージ１１の圧縮部にはフライト
間隔が狭められてマテリアルシール部１１１とされてい
る。
【００１８】バレル壁２のベントゾーン１２の位置に
は、ベント孔２１が穿孔され、また、マテリアルシール
部１１１の位置には、その部分の樹脂圧を検出するため
の圧力センサー２２が設けられている。ベント孔２１は
真空ポンプ５に連結され、真空ポンプ５による吸気によ
りベントゾーン１２を減圧状態とするようになってい
る。
は、ベント孔２１が穿孔され、また、マテリアルシール
部１１１の位置には、その部分の樹脂圧を検出するため
の圧力センサー２２が設けられている。ベント孔２１は
真空ポンプ５に連結され、真空ポンプ５による吸気によ
りベントゾーン１２を減圧状態とするようになってい
る。
【００１９】樹脂供給装置３は、ホッパー３１の供給口
部にフィードスクリュー３２が設けられたものであっ
て、フィードスクリュー３２の回転数を制御することに
より樹脂供給量が制御されるようになっている。なお、
３３はフィードスクリュー３２の駆動部である。
部にフィードスクリュー３２が設けられたものであっ
て、フィードスクリュー３２の回転数を制御することに
より樹脂供給量が制御されるようになっている。なお、
３３はフィードスクリュー３２の駆動部である。
【００２０】コントローラー７においては、圧力センサ
ー２２から送られるマテリアルシール１１１での樹脂圧
の信号を受け、予め入力されている樹脂圧の設定値と対
比演算し、その結果に基づき、スクリュー１の回転数制
御信号をスクリュー駆動部４に送るようになっている。
また、真空ポンプ５のＯＮ−ＦＦ制御する装置６は、コ
ントローラー７からの信号を受け、真空ポンプ５をＯＮ
またはＦＦするようになっている。
ー２２から送られるマテリアルシール１１１での樹脂圧
の信号を受け、予め入力されている樹脂圧の設定値と対
比演算し、その結果に基づき、スクリュー１の回転数制
御信号をスクリュー駆動部４に送るようになっている。
また、真空ポンプ５のＯＮ−ＦＦ制御する装置６は、コ
ントローラー７からの信号を受け、真空ポンプ５をＯＮ
またはＦＦするようになっている。
【００２１】なお、図示していない警報装置を設け、コ
ントローラー７において、樹脂圧設定の範囲を外れた時
に警報装置に信号を送り、警報装置から、音の発生、ラ
ンプの点滅等により警報を発するようにしてもよい。こ
の場合には、スクリュー２の回転数の制御を手動によっ
て行ってもよい。
ントローラー７において、樹脂圧設定の範囲を外れた時
に警報装置に信号を送り、警報装置から、音の発生、ラ
ンプの点滅等により警報を発するようにしてもよい。こ
の場合には、スクリュー２の回転数の制御を手動によっ
て行ってもよい。
【００２２】図２は、この発明に係わるベント押出機の
他の実施例の縦断面図である。このベント押山機におい
ては、コントローラー７ａからの信号により、スクリュ
ー１の回転数を制御するばかりでなく、樹脂供給装置３
のフィードスクリュー３２の駆動部３３にも信号を送
り、その回転数も制御するようにされている。その他の
構成は図１と同じであるので図１と同じ図番を付し説明
を省略する。
他の実施例の縦断面図である。このベント押山機におい
ては、コントローラー７ａからの信号により、スクリュ
ー１の回転数を制御するばかりでなく、樹脂供給装置３
のフィードスクリュー３２の駆動部３３にも信号を送
り、その回転数も制御するようにされている。その他の
構成は図１と同じであるので図１と同じ図番を付し説明
を省略する。
【００２３】次に、この発明のベント押出機の使用態様
を、図１に示したベント押出機を参照して説明する。原
料の樹脂配合物は、フィードスクリュー３２の回転によ
り、樹脂供給装置３から、バレル２内に供給される。
を、図１に示したベント押出機を参照して説明する。原
料の樹脂配合物は、フィードスクリュー３２の回転によ
り、樹脂供給装置３から、バレル２内に供給される。
【００２４】バレル２内に供給された樹脂配合物は、ス
クリュー１の回転により、第一ステージ１１の供給ゾー
ンにおいて加熱されつつ圧縮ゾーンに移送され、圧縮ゾ
ーンにおいてバレル２からの加熱とスクリュー１の回転
による混練によって溶融ないし半溶融状態とされる。こ
の溶融ないし半溶融状態になった樹脂配合物は、圧縮ゾ
ーンのフライト幅が狭められた部分即ちマテリアルシー
ル部１１１において充満した状態になる。このマテリア
ルシール部１１１の樹脂圧は、圧力センサー２２により
検出される。
クリュー１の回転により、第一ステージ１１の供給ゾー
ンにおいて加熱されつつ圧縮ゾーンに移送され、圧縮ゾ
ーンにおいてバレル２からの加熱とスクリュー１の回転
による混練によって溶融ないし半溶融状態とされる。こ
の溶融ないし半溶融状態になった樹脂配合物は、圧縮ゾ
ーンのフライト幅が狭められた部分即ちマテリアルシー
ル部１１１において充満した状態になる。このマテリア
ルシール部１１１の樹脂圧は、圧力センサー２２により
検出される。
【００２５】そして、樹脂配合物はベントゾーン１２に
移送され、ここで圧力緩和されるとともに、真空ポンプ
５により減圧状態とされるので、押出成形に不用な樹脂
配合物に含まれる揮発分は吸引除去され、脱気される。
移送され、ここで圧力緩和されるとともに、真空ポンプ
５により減圧状態とされるので、押出成形に不用な樹脂
配合物に含まれる揮発分は吸引除去され、脱気される。
【００２６】続いて、第二ステージ１３の圧縮ゾーンに
移送され、十分に加熱混練され、計量ゾーンを経て図示
していない金型より所定形状に成形され押出される。
移送され、十分に加熱混練され、計量ゾーンを経て図示
していない金型より所定形状に成形され押出される。
【００２７】ところで、上記の押出成形の際、圧力セン
サー２２により検出された樹脂圧は、電気信号の形でコ
ントローラー７に送られ、予め実験等により定められた
所定の樹脂圧の範囲と対比される。検出値が所定の樹脂
圧の範囲を外れるとスクリュー１の回転数を所定数に変
更する信号をスクリュー駆動部４に送ってスクリュー１
の回転数を変更する。例えば、所定値より低い場合に
は、樹脂供給装置３からの樹脂供給量が一定であれば、
スクリュー１の回転数を低下させる。その結果、マテリ
アルシール部１１に樹脂が充満するようになってマテリ
アルシール性が十分なものとなり、ベントゾーン１２に
おける減圧状態が良好に維持され、樹脂の脱気が十分に
行われるようになる。また、検出した樹脂圧が所定の樹
脂圧の範囲を著しく外れたりして、マテリアルシール性
が十分なものとなるのに時間がかかる場合には、ベント
ゾーン１２での減圧状態が良くできないので、コントロ
ーラー７より信号を制御装置６に送り、真空ポンプ５を
一時的に停止させるとよい。
サー２２により検出された樹脂圧は、電気信号の形でコ
ントローラー７に送られ、予め実験等により定められた
所定の樹脂圧の範囲と対比される。検出値が所定の樹脂
圧の範囲を外れるとスクリュー１の回転数を所定数に変
更する信号をスクリュー駆動部４に送ってスクリュー１
の回転数を変更する。例えば、所定値より低い場合に
は、樹脂供給装置３からの樹脂供給量が一定であれば、
スクリュー１の回転数を低下させる。その結果、マテリ
アルシール部１１に樹脂が充満するようになってマテリ
アルシール性が十分なものとなり、ベントゾーン１２に
おける減圧状態が良好に維持され、樹脂の脱気が十分に
行われるようになる。また、検出した樹脂圧が所定の樹
脂圧の範囲を著しく外れたりして、マテリアルシール性
が十分なものとなるのに時間がかかる場合には、ベント
ゾーン１２での減圧状態が良くできないので、コントロ
ーラー７より信号を制御装置６に送り、真空ポンプ５を
一時的に停止させるとよい。
【００２８】なお、図２に示すベント押出機において
は、樹脂圧の設定上限値を超える場合には、フィードス
クリュー３２の回転数を制御するようにするのが好まし
く、逆に、樹脂圧の設定下限値を外れる場合には、スク
リュー２の回転数を低下する方向に制御するのが好まし
い。
は、樹脂圧の設定上限値を超える場合には、フィードス
クリュー３２の回転数を制御するようにするのが好まし
く、逆に、樹脂圧の設定下限値を外れる場合には、スク
リュー２の回転数を低下する方向に制御するのが好まし
い。
【００２９】次に、具体的成形例について説明する。
【００３０】成形例１ 図１のベント押出機を用い、溶融樹脂原料としては硬質
塩化ビニル樹脂配合物を用い、その供給はフィードスク
リュー３２の一定回転数のもとに行った。予備実験の結
果、この配合物は、押出量約２７０ｋｇ／ｈｒ、圧力セ
ンサー２２の検出値２０ｋｇ／ｃｍ2 レベルでは、スク
リュー１の回転数がほぼ３０回転／分以上になると、ベ
ントゾーン１２において樹脂分の吸い込みが始まり、良
好な成形ができないことが分かった。
塩化ビニル樹脂配合物を用い、その供給はフィードスク
リュー３２の一定回転数のもとに行った。予備実験の結
果、この配合物は、押出量約２７０ｋｇ／ｈｒ、圧力セ
ンサー２２の検出値２０ｋｇ／ｃｍ2 レベルでは、スク
リュー１の回転数がほぼ３０回転／分以上になると、ベ
ントゾーン１２において樹脂分の吸い込みが始まり、良
好な成形ができないことが分かった。
【００３１】そこで、下限の設定樹脂圧を２０ｋｇ／ｃ
ｍ2 としてコントローラー７に入力し、圧力センサー２
２の検出値が２０ｋｇ／ｃｍ2 未満になったとき、検出
値が２０ｋｇ／ｃｍ2 に達するまでスクリュー１の回転
数を０．５回転／分ずつ低下するよう制御したところ、
ベントゾーン１２での樹脂配合物の吸い込みもなく、脱
気が良好に行われ、押出成形を続けることができた。
ｍ2 としてコントローラー７に入力し、圧力センサー２
２の検出値が２０ｋｇ／ｃｍ2 未満になったとき、検出
値が２０ｋｇ／ｃｍ2 に達するまでスクリュー１の回転
数を０．５回転／分ずつ低下するよう制御したところ、
ベントゾーン１２での樹脂配合物の吸い込みもなく、脱
気が良好に行われ、押出成形を続けることができた。
【００３２】成形例２ 図２のベント押出機を用い、溶融樹脂原料としては成形
例１と同じ硬質塩化ビニル樹脂配合物を用いた。
例１と同じ硬質塩化ビニル樹脂配合物を用いた。
【００３３】予備実験の結果、この樹脂配合物は、押出
量約２７０〜４００ｋｇ／ｈｒ程度では、マテリアルシ
ール部１１１の樹脂圧が９０ｋｇ／ｃｍ2 が過負荷限界
であることが分かった。
量約２７０〜４００ｋｇ／ｈｒ程度では、マテリアルシ
ール部１１１の樹脂圧が９０ｋｇ／ｃｍ2 が過負荷限界
であることが分かった。
【００３４】そこで、成形例１における予備実験の結果
と併せ、設定樹脂圧の範囲を２０〜９０ｋｇ／ｃｍ2 と
してコントローラー７ａに入力し、圧力センサー２２の
検出値が９０ｋｇ／ｃｍ2 を超えるとき、フィードスク
リュー３２の回転を制御し、圧力センサー２２の検出値
が２０ｋｇ／ｃｍ2 未満になったとき、スクリュー１の
回転数を実施例１と同様な制御を行うようにした。
と併せ、設定樹脂圧の範囲を２０〜９０ｋｇ／ｃｍ2 と
してコントローラー７ａに入力し、圧力センサー２２の
検出値が９０ｋｇ／ｃｍ2 を超えるとき、フィードスク
リュー３２の回転を制御し、圧力センサー２２の検出値
が２０ｋｇ／ｃｍ2 未満になったとき、スクリュー１の
回転数を実施例１と同様な制御を行うようにした。
【００３５】その結果、ベントゾーン１２での樹脂の吸
い込みもなく、脱気も良好で押出成形を続けることがで
きた。
い込みもなく、脱気も良好で押出成形を続けることがで
きた。
【００３６】
【発明の効果】以上のとおり、この発明のベント押出機
においては、樹脂圧センサーによりマテリアルシール部
の樹脂圧を測定することによってベントゾーンの減圧度
を早期に把握でき、スクリューやフィードスクリューの
回転数の変更乃至停止、真空ポンプの一次的停止等の対
応策を早めに講ずることができる。
においては、樹脂圧センサーによりマテリアルシール部
の樹脂圧を測定することによってベントゾーンの減圧度
を早期に把握でき、スクリューやフィードスクリューの
回転数の変更乃至停止、真空ポンプの一次的停止等の対
応策を早めに講ずることができる。
【００３７】
【図１】この発明のベント押出機の一実施例の縦断面図
である。
である。
【図２】他の実施例のベント押出機の縦断面図である。
１ スクリュー １１ 第一ステージ １２ ベントゾーン １３ 第二ステージ ２ バレル ２１ ベント孔 ２２ 圧力センサ ３ 樹脂供給装置 ３２ フィードスクリュー ５ 真空ポンプ ７、７ａ コントローラー
Claims (1)
- 【請求項１】 供給ゾーンと圧縮ゾーンからなる第一ス
テージと、溶融ないし半溶融状態の合成樹脂を完全溶融
して均質化し計量化する圧縮ゾーンと計量ゾーンからな
る第二ステージとの間にベントゾーンを設けてなるベン
ト押出機において、第一ステージの圧縮ゾーンのマテリ
アルシール部のバレル壁に樹脂圧センサーを設けたこと
を特徴とするベント押出機。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26462892A JP3217152B2 (ja) | 1992-10-02 | 1992-10-02 | ベント押出機 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26462892A JP3217152B2 (ja) | 1992-10-02 | 1992-10-02 | ベント押出機 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06114915A JPH06114915A (ja) | 1994-04-26 |
| JP3217152B2 true JP3217152B2 (ja) | 2001-10-09 |
Family
ID=17405986
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26462892A Expired - Fee Related JP3217152B2 (ja) | 1992-10-02 | 1992-10-02 | ベント押出機 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3217152B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE19722278A1 (de) * | 1997-05-28 | 1998-12-03 | Zimmer Ag | Entgasung hydrolyseempfindlicher Polymere |
| AU2002316850B8 (en) * | 2001-05-30 | 2006-11-23 | Evonik Rohm Gmbh | Method and device for regulating pressure in a single-screw degassing extruder or in a cascade extruder |
| ITMI20031472A1 (it) * | 2003-07-18 | 2005-01-19 | Natu Raw Ltd | Processo di produzione di materiali termoplastici a base di amido |
| CN103449125B (zh) * | 2012-05-30 | 2015-07-15 | 中科清能燃气技术（北京）有限公司 | 螺旋给料机防窜气系统 |
| JP6289970B2 (ja) * | 2014-03-28 | 2018-03-07 | 住友重機械工業株式会社 | 射出成形機、射出成形機の設定装置、および射出成形機の設定方法 |
| JP6297403B2 (ja) * | 2014-05-09 | 2018-03-20 | 日本合成化学工業株式会社 | ポリビニルアルコール系樹脂成形体の製法 |
-
1992
- 1992-10-02 JP JP26462892A patent/JP3217152B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06114915A (ja) | 1994-04-26 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |