JP3216679U - 履物用中敷き - Google Patents

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Abstract

【課題】本考案は、痒みや痛みを伴うことなく、足裏を温めつつ、快適に使用することができる履物用中敷きを提供することを目的としている。【解決手段】本考案の履物用中敷き3は、足裏を温めつつ、使用者が虫に刺されたりすることを防止するために、履物本体の中底と対応する形状を有し、防虫忌避成分を含有する活性成分層312を含む第1シート31と、第1シート31に設けられ、発熱体Hを収容可能な収容部34とを備えている。【選択図】図2

Description

本考案は、サンダル、スリッパ、または洋靴などの履物に装着される履物用中敷きに関する。
履物に装着して使用される履物用中敷きには、足への負担を軽減するクッション機能のほかに、防臭・防菌機能を持たせているものがある。また、図6に示されるように、カイロなどの発熱体を収納可能な凹部51aを有する中敷き本体51と、凹部51aを塞ぐカバー52とを設け、足裏を温める機能を持たせた履物用中敷き50もある(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−143653号公報
カイロを携帯すると、外気との温度差のあるカイロに虫が反応し、冬場に限らず夏場でも、カイロに虫が寄り付きやすい。そのため、中敷き50にカイロを収納した場合、足元に寄り付いた虫に刺されたりすることによって、痒みや痛みを伴いやすい。
本考案は、このような問題を解決するためになされたもので、その目的は、痒みや痛みを伴うことなく、足裏を温めつつ、快適に使用することができる履物用中敷きを提供することにある。
本考案の履物用中敷きは、履物本体の中底と対応する形状を有し、防虫忌避成分を含有する活性成分層を含む第1シートと、前記第1シートに設けられ、発熱体を収容可能な収容部とを備えたことを特徴とする。
本考案の履物用中敷きにおいて、前記第1シートは、足先と対向する足先領域、踵と対向する踵領域、前記足先領域と前記踵領域とを繋ぐ領域であって、足の内側と対向する内側領域、および足の外側と対向する外側領域とを有し、前記収容部は、前記内側領域に取り付けられてもよい。
本考案の履物用中敷きにおいて、前記収容部は、袋体からなり、前記袋体は、前記第1シートの前記中底と対向する側に取り付けられていてよい。
本考案の履物用中敷きにおいて、前記第1シートの前記中底と対向する側に取り付けられた第2シートを備え、前記第1シートと前記第2シートとの間に、前記収容部が形成されていてもよい。
本考案の履物用中敷きにおいて、前記第1シートと前記第2シートとの間に、切欠き部を有する第3シートがさらに取り付けられており、前記第1シートと前記第2シートとの間の前記切欠き部に、前記収容部が形成されていてもよい。
本考案の履物用中敷きにおいて、前記第1シートまたは前記第2シートの前記中底と対向する側に、前記履物本体と係止される係止部材が設けられていてもよい。
本考案の履物用中敷きにおいて、前記防虫忌避成分は、生薬から構成されており、前記生薬は、花椒、ウワウルシ、ソヨウ、桃の葉、唐辛子、オオバク、ジュウヤク、生姜およびクジンの各抽出物を含んでいてもよい。
本考案の履物用中敷きにおいて、前記第1シートは、非含浸性シートを含み、前記活性成分層は、前記非含浸性シートの表面に設けられた前記防虫忌避成分を含む硬化物からなる層であってもよい。
本考案の履物用中敷きにおいて、前記第1シートは、含浸性シートを含み、前記活性成分層は、前記含浸性シートに前記防虫忌避成分を含浸させた層であり、前記含浸性シートと一体的に構成されていてもよい。
本考案の履物用中敷きによれば、第1シートと履物本体の中底との間に、収容部に収容された発熱体を挟んで中敷きを用いることができるので、使用者の足裏を温めることができる。これに伴い、外気との温度差のある発熱体に虫が反応し、足元に虫が寄り付きやすくなるが、第1シートが、防虫忌避成分を含有する活性成分層を含んでいるので、使用者が虫に刺されなくなる。そのため、痒みや痛みを伴うことなく、快適に履物用中敷きを使用することができる。
本考案の実施形態の履物用中敷きを装着した履物を示す斜視図である。 本考案の実施形態の履物用中敷きの各構成部材を示す分解斜視図である。 本考案の実施形態の履物用中敷きの各構成部材を示す分解斜視図である。 本考案の実施形態の履物用中敷きの各構成部材を示す分解斜視図である。 本考案の実施形態の履物用中敷きを示す底面図である。 従来の履物用の中敷きを示す斜視図である。
以下、図面を参照し、本考案の一実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態はあくまで一例であり、本考案の履物用中敷きは、以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、本実施形態の履物用中敷きを装着した履物を示す斜視図であり、履物1は、履物本体2と、履物本体2の中底に装着された履物用中敷き3とを備えている。
本実施形態の中敷き3が装着される履物本体2として、図1では、足の甲の一部を覆うようなサンダルを例として挙げているが、足の甲の全体を覆うようなスリッパ、足の甲および踵の全体を覆うような洋靴など、その他の履物であってもよい。
本実施形態の中敷き3は、図2に示される分解斜視図のように、履物本体2に装着された際に、使用者の足裏と接する第1シート31と、第1シート31の中底側において、第1シート31に取り付けられた収容部34を備えている。
第1シート31は、履物本体2の中底と対応する形状を有し、防虫忌避成分を含有する活性成分層312を含んでいる。また、第1シート31は、使用者の足先と対向する足先領域R1、踵と対向する踵領域R2、足先領域R1と踵領域R2とを繋ぐ領域であって、足の内側と対向する内側領域R3、および足の外側と対向する外側領域R4とを有している。
第1シート31は、含浸性シートからなる基材シート311を含んでいてもよい。ここで、含浸性シートとは、液体が浸透しやすい材料からなるシートであり、例えば、紙製、布製、革製、またはいぐさ織製シートからなる。このような含浸性シートとしては、特に限定はなく、防虫忌避が要求されるシートとして相応しくない性質を有するものでない限り、いずれの材料から構成されるシートであっても好適に使用することができる。そのような材料としては、例えば、木材パルプ、非木材パルプ、古紙パルプなどの紙や、織布、不織布などの布や、天然皮革、合成皮革などの革や、畳を構成する表畳などのいぐさ織が挙げられる。
第1シート31は、樹脂製の非含浸性シートからなる基材シート311を含んでいてもよい。ここで、非含浸性シートとは、液体が浸透しにくい材料からなるシートであり、例えば、樹脂製シートからなる。このような非含浸性シートの材料は、特に限定はなく、防虫忌避が要求されるシートとして相応しくない性質を有するものでない限り、いずれの材料から構成されるシートであっても好適に使用することができる。そのような材料としては、例えば、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂、ポリエチレン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレン(例えば、ユポ(登録商標)など)、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ナイロンなどが挙げられる。
第1シート31は、後述する活性成分層312を含んでいれば、単層シートでも多層シートでもよく、含浸性シートと非含浸性シートとが混合された多層シートや、含浸性シートのみの単層シートまたは多層シートや、非含浸性シートのみの単層シートまたは多層シートであってもよい。多層シートの具体例としては、例えば、ポリエチレンシートの上にパルプからなるシートを積層した2層シートが挙げられる。第1シート31の厚さは、特に限定はないが、発熱体Hを収容するために、厚さ0.25μm〜300μmの範囲内であることが好ましい。単層シートの場合、特に、厚さ80μm〜100μmのユポを用いることが好ましい。
活性成分層312は、第1シート31と対応する形状を有し、防虫忌避成分を含有する層である。第1シート31が、非含浸性シートからなる基材シート311を含む場合、活性成分層312は、非含浸性シートの表面に設けられた防虫忌避成分を含む硬化物からなる層であることが好ましい。この場合、後述する防虫忌避成分を含む調製液を樹脂材料に混合し、この混合液を基材シート311の表面に塗布した後に硬化させれば、簡単に活性成分層312を得ることができる。基材シート311が履物本体2の中底と対向する側と反対側となるように、中敷き3を履物本体1に装着する場合、基材シート311が、履物本体2に装着した際の中敷き3の表面を構成するため、防虫忌避成分が、使用者の足元に発散されにくくなる。従って、基材シート311には、複数の通気孔31aが設けられることが好ましい。他方、基材シート311が履物本体2の中底と対向する側となるように、基材シート311を履物本体2に装着する場合、活性成分層312が、履物本体2に装着した際の中敷き3の表面を構成するため、防虫忌避成分が中敷き3の使用者の足元に発散されやすい。従って、基材シート311には、通気孔31aが設けられなくてもよい。
また、第1シート31が、含浸性シートからなる基材シート311を含む場合、活性成分層312は、含浸性シートに防虫忌避成分を含浸させた層であり、含浸性シートからなる基材シート311と一体的に構成されている。この場合、防虫忌避成分を含む調製液を含浸性シートに含浸させれば、簡単に活性成分層312を得ることができる。
防虫忌避成分は、生薬から構成されており、生薬は、花椒、ウワウルシ、ソヨウ、桃の葉、唐辛子、オオバク、ジュウヤク、生姜およびクジンの各抽出物を含んでいる。これらの各抽出物を含む防虫忌避成分によって、優れた防虫忌避機能を第1シート31に付与することができる。
花椒は、カホクザンショウ(華北山椒、Zanthoxylum bungeanum)といい、東アジア原産のミカン科サンショウ属の低木である。本考案で用いる部位は、果皮であり、健胃、鎮痛、駆虫作用などがあるとされている。
ウワウルシ(Arctostaphylos uva-ursi)は、別名クマコケモモともいい、ツツジ科クマコケモモ属の常緑低木である。但し、ウラシマツツジ(Arctous alpinus var. japonicus)もクマコケモモと呼ばれることがあるが別の植物である。本考案で用いる部位は、開花期の葉であり、尿路消毒作用や利尿作用などがあるとされている。
ソヨウ(蘇葉)は、中国南部原産の一年草であるシソ科シソ(Labiatae Perilla frutescens Britton var. acuta Kudo)またはその近縁植物の葉および枝先をいう。防腐・殺菌作用などがあるとされている。
桃の葉は、バラ科のモモ(桃、Prunus persica)の葉であり、別名、桃葉ともいう。ボウフラ殺虫作用などがあるとされている。
唐辛子(とうがらし、蕃椒)は、中南米を原産とする、ナス科トウガラシ属(Capsicum)の果実をいう。健胃、発汗作用などがあるとされている。
オオバク(黄柏)は、ミカン科キハダ属の落葉性高木であるキハダ(Phellodendron amurense)の周皮を除いた樹皮を乾燥したものである。腸内殺菌などの作用があるとされている。
ジュウヤク(重薬、十薬、Houttuyania cordata)は、別名ドクダミともいい、日本、中国、東南アジア、ヒマラヤなどを原産とする、ドクダミ科の多年草である。本考案で用いる部位は、開花期の地上部である。利尿作用、動脈硬化予防作用などがあるとされている。
生姜(しょうきょう)は、ショウガ科(Zingiberaceae)の多年草ショウガ(Zingiber officinale Roscoe)の根茎を乾燥したものをいう。鎮痛、鎮痙、発汗などの作用があるとされている。
クジン(苦参)は、マメ科(Leguminosae)の多年草であるクララ(Sophora flavescens)の根を、そのまままたは周皮の大部分を除いた上で、切って干したものをいう。抗真菌作用などがあるとされている。
本実施形態においては、以上の植物(生薬)を原料とし、防虫忌避成分として、植物抽出物を調製している。各植物ないし生薬(抽出原料)からの抽出物の調製は、いずれも常法を組み合わせることにより実施することができる。抽出に際しては、抽出原料は、細かく細断ないし粉砕してから使用することが好ましい。抽出は、抽出原料を、適当な抽出溶媒に浸漬し、常圧ないし加圧下、加温ないし加熱(常温〜溶媒の沸点の範囲)する方法等によって実施することができる。
抽出溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の低級アルコール;酢酸エチル等のエステル;エチレングリコール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレンアルコール、グリセリン等のグリコール類;ジエチルエーテル、石油エーテル等のエーテル;アセトン、酢酸等の極性溶媒;ベンゼン、ヘキサン、キシレン等の炭化水素などを挙げることができるが、これらのうち、水またはアルコール(低級アルコールまたはグリコール類)が好ましく、特に水が好ましい。これらの溶媒は、単独でまたは二種以上を組み合わせて用いることができる。
抽出時間は、抽出原料および抽出溶媒の種類、抽出温度等の諸条件により異なるが、抽出溶媒として抽出原料に対して約10倍量(8〜12倍量)の水を使用し、抽出温度として50〜60℃の温度を採用する場合、通常2〜3日程度である。当業者であれば、このような情報から、抽出時間を含む諸条件を決定することが可能である。
抽出は、原料毎に行ってもよいし、複数の原料を用いる場合には、適宜まとめて行ってもよい。
こうして得られる溶媒抽出物は、ろ過、遠心分離等によって固形物を除いておくことが好ましい。ろ過を行う場合には、例えば、濾過装置として、さらし数層(例えば、4〜6層程度、好ましくは5層程度)で濾すように作製した濾過装置でろ過することができる。この場合、さらしとしては、市販のさらし、例えば、玉川晒(水素晒 綿100%、共同組合関西ファッション連合 0−26)などを、好適に使用することができる。
さらに、溶媒抽出物は、余分な抽出溶媒を留去すべく加熱することが好ましい。当該加熱の具体例としては、例えば、抽出溶媒として水を使用する場合、溶媒抽出物を40〜50℃の温度で1日〜2日程度維持することが挙げられる。このようにして、植物抽出物を調製することができる。
植物抽出物には、さらに、この分野で通常用いられる添加剤を配合することができる。そのような添加剤としては、pH調整剤(例えば、クエン酸ナトリウムなど)、保存料(ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウムなど)、酸化防止剤(エリソルビン酸ナトリムなど)、アルコール(エタノール、イソプロピルアルコール等)、その他塩類(塩化ナトリウム)などが挙げられる。これら添加剤の配合量は、本考案の効果に実質的に影響を与えない範囲で適宜決定される。
植物抽出物に、添加剤を配合する場合、該添加剤は、予め溶媒に溶解(この際、所望により、40〜50℃で、約2時間加熱する)した上で、上記の濾過装置でろ過しておくことが望ましい。この場合、こうして得たろ液を、上記溶媒抽出物のろ液と混合し、以下、同様の工程に付すことができる。添加剤の溶解に使用する溶媒としては、上記の抽出溶媒を使用することができる。
植物抽出物の調製にあたり、原料として使用する植物(生薬)の使用割合(重量基準)は、花椒、ウワウルシ、ソヨウ、桃の葉、オオバク、ジュウヤクおよび生姜についてはそれぞれ等量(基本量)ずつであること、唐辛子は基本量の1.5倍量であること、クジンは基本量の2.5倍量であることが好ましいが、それぞれ、かかる量を基準として±20重量%の範囲で変動させることができる。このようにして、防虫忌避成分が調製された調製液としての植物抽出物を得ることができる。
活性成分層11bを構成する樹脂材料の硬化物は、活性エネルギー線硬化型ニスからなる。活性エネルギー線硬化型ニスとは、紫外線や可視光線などの活性エネルギー線の照射によって硬化物を形成する性質を備えたニスをいい、通常、感光性モノマー(40〜68重量%)、感光性樹脂(30〜40重量%)、光重合開始剤(1〜10重量%)、シリカ(1〜10重量%)、その他この分野で通常使用される適宜の添加剤を含有するものである。
本実施形態においては、上記活性エネルギー線硬化型ニスのうち、上記植物抽出物との相溶性に優れるもの、すなわち、混合した際に両者が分離せず均一な混合物(溶液、分散液などを含む)となるものであれば、いずれのものをも好適に使用することができるが、そのような活性エネルギー線硬化型ニスの具体例としては、例えば、UVグロスOPニス CP−3(株式会社T&K TOKA製)、ダイキュア R OPニス GG、ダイキュア アビリオ OPニス ダイキュア アビリオ、ダイキュア アビリオ OPニス HG、ダイキュア RTX OPニス RC、ダイキュア セプターDT OPニス HB、ダイキュア ニューZ OPニス NW、ダイキュア WL OPニス H、ダイキュア WL OPニス L−T2、UVカルトン Cウェット OPニス、UVカルトン CウェットSL OPニス、ダイキュア RX OPニス T−DPY、ダイキュア WLマット OPニス AK、ダイキュア WLマット OPニス YF、ダイキュア アビリオ マット OPニス(以上、いずれもDICグラフィックス株式会社製)などが挙げられる。活性エネルギー線硬化型ニスは、これらを単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
本実施形態に用いられる活性エネルギー線硬化型組成物は、植物抽出物と活性エネルギー線硬化型ニスを混合することにより調製することができる。かかる混合の割合は、所望の防虫忌避効果を発揮し、かつ活性エネルギー線硬化型組成物のシート表面への充分な硬化が達せされる限り、特に限定されるものではないが、通常、植物抽出物の使用割合が、活性エネルギー線硬化型ニスに対し、約5〜40重量%の範囲である。具体例としては、例えば、植物抽出物として、本明細書の実施例に記載のものを使用する場合、該植物抽出物の好ましい使用割合は、活性エネルギー線硬化型ニスに対し、約10〜30重量%の範囲である。
なお、植物抽出物に添加する添加剤は、活性エネルギー線硬化型組成物の調製に先立ち、予め植物抽出物に添加しておく以外に、活性エネルギー線硬化型組成物を調製する際に、添加してもよい。特に、添加にあたり予め溶媒に溶解しておく必要のない添加剤(例えば、アルコールなど)は、活性エネルギー線硬化型組成物調製の段階で、好適に添加することができる。
こうして得られた活性エネルギー線硬化型組成物を、シートに塗布し、これに活性エネルギー線を照射することにより、本実施形態の活性成分層11bとすることができる。活性エネルギー線は、活性エネルギー線硬化型組成物を硬化できる電磁波であれば特に限定されず、具体的には、γ線、X線、紫外線(UV)、可視光線などが挙げられる。シートへの活性エネルギー線硬化型組成物の塗布、活性エネルギー線照射による硬化、および硬化層の定着等の一連の工程は、常法により実施することができ、例えば、活性エネルギー線が紫外線である場合、UV硬化型印刷機(例えば、岩崎鉄工株式会社製のLR25)を用いて、好適に実施することができる。この場合の紫外線の波長は、約100〜約400nmの範囲のものであり、照射の強度は、1.4〜3.0KJ/cm2の範囲のものである。このようにして得られる本実施形態の第1シート31は、優れた防虫忌避作用に加え、防菌作用を有する。
収容部34は、図2に示されるように、第1シート31に含まれる形状であって、第1シート31に取り付けられ、発熱体Hを収容可能となっている。収容部34の取り付け位置は、足先領域R1、踵領域R2、内側領域R3、および外側領域R4のいずれか1領域でもよいし、複数領域に跨ぐ領域であっても構わない。収容部34が、内側領域R3に対応する位置に取り付けられている場合には、ある程度の厚さを持った発熱体Hが、第1シート31を介して、足裏の凹部である土踏まずに丁度接することとなり、足裏の形状に沿うようになるので、中敷き3を装着した履物1の履き心地が向上する。
また、図2では、収容部34が、開口34aを有する袋体によって構成されている。この場合、袋体が、第1シート31の中底と対向する側に取り付けられることによって、簡単に、第1シート31と履物本体2の中底との間に、発熱体Hを挟んで用いることができる。この袋体の第1シート31への取り付け方法は、接着剤や両面テープなどによる接着、縫合、または面ファスナやボタンなどによる係合によって行われる。面ファスナとしては、例えば、マジックテープ(登録商標)やベルクロ(登録商標)などが挙げられ、ボタンとしては、例えば、スナップボタンが挙げられる。図2では、袋体は、矩形形状に形成されており、矩形形状の3辺が封止され、残りの1辺に開口34aが設けられた巾着状となっている。このようにすれば、発熱体Hが、封止された3辺から抜け落ちることがなく、開口34aから挿入可能とされる。また、袋体の開口34aに、面ファスナやボタンなどの係止部材を設け、開口34aを係止することによって脱着自在に封止すれば、さらに発熱体Hが袋体から抜け落ちにくくなる。袋体の材料は、基材シート311と同様であるが、基材シート311のように、防虫忌避として相応しい性質を必ずしも有しなくともよい。
また、図3に示される分解斜視図のように、第1シート31の中底と対向する側に設けられた第2シート32が中敷き3Aに取り付けられている場合、第1シート31と第2シート32との間に、簡単に収容部が形成される。具体的には、図3では、第1シート31と対応する形状の第2シート32を準備し、接着剤によって、第2シート32の所定の領域を第1シート31に取り付けることによって、第2シート32が第1シート31に接着された領域に囲まれた部分(二点鎖線で囲まれる部分であって、接着されていない部分)32aに収容部を形成している。この取り付け方法は、接着剤による接着に限らず、両面テープなどを用いたその他の接着や、縫合や、面ファスナやボタンを用いた係合によって行われてもよい。この接着、縫合、または係合の位置は、収容部が形成される部分32a以外の第2シート32の全面で行ってもよいし、収容部が形成される部分(二点鎖線の部分)32aとこの部分32aを除いた第2シート32(実線の部分)とで構成される外縁部の全周で行ってもよいし、収容部を構成する部分32aの外縁部のみで行ってもよい。なお、図3では、収容部が形成される部分32aは、略矩形形状に形成されているが、これに限定されるものではなく、発熱体Hが収容可能な容量であれば、円弧形状など、その他の形状であってもよい。
また、図4に示される分解斜視図のように、第1シート31と第2シート32との間に、切欠き部33aを有する第3シート33が、さらに中敷き3Bに取り付けられている場合も、第1シート31と第2シート32との間の切欠き部33aに、簡単に収容部が形成される。具体的には、図4では、第1シート31および第2シート32と対応する形状の第3シート33を準備し、第3シート33の所定の領域に略矩形形状の切欠きを設けた後、接着剤を用いて、その一方の面を第1シート31に取り付け、他方の面を第2シート32に取り付けることによって、第1シート31と第2シート32に挟まれた第3シート33の切欠き部33aに収納部を形成している。この取り付け方法は、上述の手法と同様の手法であるため、ここではその説明を省略する。また、この取り付け位置は、第3シート33の全面で行ってもよいし、第3シート33の外縁部の全周で行ってもよいし、切欠き部33aの外縁部のみで行ってもよい。なお、図4では、切欠き部33aは、略矩形形状に形成されているが、これに限定されるものではなく、発熱体Hが収容可能な容量であれば、円弧形状など、その他の形状であってもよい。
収容部は、必ずしも、中敷き3の厚さ方向で、袋体や2枚以上のシートに挟まれることによって構成されなくともよく、例えば、図4において、第2シート32を用いず、第1シート31に第3シート33を取り付けるのみとし、中敷き3Bの中底と対向する側から切欠き部33aが露出するように収容部を形成してもよい。この場合、第3シート33が履物本体2の中底と対向するように、中敷き3Bを履物本体2に装着すれば、切欠き部33aの露出した一面が中底によって封止され、発熱体Hが切欠き部33aの3辺で囲まれるように収容されるので、発熱体Hが収納部から抜け落ちにくくなる。
第2および第3シート32、33としては、上述した袋体と同様の材料からなるシートや、市販の履物用中敷きを用いることができる。また、これらの第2および第3シート32、33に加え、図2〜4に示される中敷き3、3A、3Bにおいて、履物本体2の中底と対向する側に、クッション機能や、防菌機能を付与する市販のシートを取り付けてもよい。このようにすれば、防虫忌避機能だけでなく、付加的な機能を中敷き3、3A、3Bに付与することができる。さらに、中敷き3、3A、3Bにすべり止め機能を付与するために、履物本体2の中底と対向する側の最表面に、ウレタン、イソブチレン、またはシリコーンなどの樹脂からなる粘着性のあるゲル状シートや、表面に凹凸加工が施された凹凸シートを取り付けてもよい。このような中敷き3、3A、3Bを履物本体2に装着すれば、中敷き3、3A、3Bが中底からズレにくくなるので、履物1の履き心地が増す。なお、付加的なシートを用いるのではなく、第2シート32または第3シート33として、クッション機能や、防菌機能や、すべり止め機能を有するシートを用いてもよい。
また、図5に示される底面図のように、第1シート31または第2シート32の中底と対向する側に、履物本体2と係止される係止部材Lが設けられ、履物本体2と中敷き3Cが係止部材によって脱着自在に装着されることによっても、中敷き3Cが中底からズレにくくなるので、履物1の履き心地が増す。係止部材Lとしては、簡単に係止可能な面ファスナやボタンが好ましい。具体的には、図5では、一組の面ファスナやボタンの一方が第2シート32の足先領域R1および踵領域R2に対応する領域に各1個取り付けられ、他方が履物本体2の中底の対応する位置に設けられ、互いに係止されることによって、中敷き3が履物本体2に取り付けられる。係止部材Lの取り付け位置は、足先領域R1、踵領域R2、内側領域R3、および外側領域R4に対応する領域のいずれか1領域でもよいし、複数領域であってもよい。少なくとも、歩行時に、使用者の足裏が中敷き3Cから離れやすい踵領域R2に、係止部材Lを設けておけば、効率的に中敷き3Cのズレを防止することができる。また、係止部材Lは、必ずしも、第2シート32に取り付けられる必要はなく、履物本体2の中底と対向する側であって、中敷き3Cの最表面に取り付けられていれば、第1シート31または第3シート33だけでなく、その他の付加的なシートに取り付けられていてもよい。さらに、面ファスナ自体が、履物本体2の中底と対向する側の最表面となるシートを構成していてもよい。なお、係止部材Lは必ずしも必要ではなく、単に、中敷きが中底に載せられることによって、履物本体2に装着されてもよい。
発熱体Hとしては、粉末状のFe(鉄)が酸化する際の発熱を利用する、いわゆる使い捨てのカイロや、電子レンジによりゲル状の保温材を加熱して使用する、いわゆる電子レンジカイロや、酢酸ナトリウムが結晶化する際の発熱を利用する、いわゆるエコカイロや、Pt(白金)の触媒作用によって気化したベンジンを酸化させてことにより発熱させる、いわゆるハクキンカイロなど、市販のカイロを用いることができる。
1 履物
2 履物本体
3、3A、3B、3C 履物用中敷き
31 第1シート
31a 通気孔
311 基材シート
312 活性成分層
32 第2シート
32a 接着された領域に囲まれた部分(接着されていない部分)
33 第3シート
33a 切欠き
34 収容部
34a 収容部の開口
H 発熱体
R1 足先領域
R2 踵領域
R3 内側領域
R4 外側領域
L 係止部材
50 履物中敷き
51 中敷き本体
51a 凹部
52 カバー

Claims (9)

  1. 履物本体の中底と対応する形状を有し、防虫忌避成分を含有する活性成分層を含む第1シートと、
    前記第1シートに設けられ、発熱体を収容可能な収容部と
    を備えた履物用中敷き。
  2. 前記第1シートは、足先と対向する足先領域、踵と対向する踵領域、前記足先領域と前記踵領域とを繋ぐ領域であって、足の内側と対向する内側領域、および足の外側と対向する外側領域とを有し、
    前記収容部は、前記内側領域に取り付けられている、請求項1に記載の履物用中敷き。
  3. 前記収容部は、袋体からなり、
    前記袋体は、前記第1シートの前記中底と対向する側に取り付けられている、請求項1または2に記載の履物用中敷き。
  4. 前記第1シートの前記中底と対向する側に取り付けられた第2シートを備え、
    前記第1シートと前記第2シートとの間に、前記収容部が形成されている、請求項1または2に記載の履物用中敷き。
  5. 前記第1シートと前記第2シートとの間に、切欠き部を有する第3シートがさらに取り付けられており、前記第1シートと前記第2シートとの間の前記切欠き部に、前記収容部が形成されている、請求項4に記載の履物用中敷き。
  6. 前記第1シートまたは前記第2シートの前記中底と対向する側に、前記履物本体と係止される係止部材が設けられている、請求項4または5に記載の履物用中敷き。
  7. 前記防虫忌避成分は、生薬から構成されており、
    前記生薬は、花椒、ウワウルシ、ソヨウ、桃の葉、唐辛子、オオバク、ジュウヤク、生姜およびクジンの各抽出物を含んでなる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の履物用中敷き。
  8. 前記第1シートは、非含浸性シートを含み、
    前記活性成分層は、前記非含浸性シートの表面に設けられた前記防虫忌避成分を含む硬化物からなる層である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の履物用中敷き。
  9. 前記第1シートは、含浸性シートを含み、前記活性成分層は、前記含浸性シートに前記防虫忌避成分を含浸させた層であり、前記含浸性シートと一体的に構成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の履物用中敷き。
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