JP3216613B2 - 強磁性トンネル効果素子の製造方法 - Google Patents

強磁性トンネル効果素子の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ヘッドや磁場
センサなどに用いられる、強磁性トンネル効果素子の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気抵抗効果素子は、外部磁場に対して
その電気抵抗値が変化する磁気抵抗効果を利用したもの
であり、磁気記録装置の一構成要素である磁気ヘッドや
磁場センサなどに用いられつつある。
【0003】磁気記録装置の分野においては、近年の磁
気記録媒体での高記録密度化に伴い、磁気記録媒体から
の漏れ磁場が小さくなっているため、磁気抵抗効果素子
の磁気抵抗変化率を高めることにより磁気ヘッドの磁場
感度を高めることが要請されている。磁場センサの分野
でも同様に、磁場感度を高めることが要請されている。
【0004】最近、強磁性トンネル効果を利用し、上部
強磁性体層/トンネルバリア層/下部強磁性体層という
多層構造を持つ磁気抵抗効果素子(以下「強磁性トンネ
ル効果素子」という。)が注目されている。強磁性トン
ネル効果は、トンネルバリア層を挟む一対の強磁性体層
間に電流を流す場合に、両方の強磁性体層の磁化の相対
角度に依存してトンネルバリア層を流れるトンネル電流
が変化する現象である。この場合のトンネルバリア層
は、薄い絶縁膜であって、トンネル効果によりスピンを
保存しながら電子が通過できるものである。両強磁性体
層のそれぞれの磁化の相対角度が小さければ、トンネル
確率が高くなるので両者間の電気抵抗が小さくなるのに
対し、相対角度が大きければトンネル確率が低くなるの
で電気抵抗が大きくなる。
【0005】この強磁性トンネル効果素子は、室温での
磁気抵抗変化が大きいことから、高感度の磁場センサと
して期待されている(例えば、J.S.Moodera et al: Phy
s.Rev.Lett. 74,3273(1995) など)。ここで上部強磁性
体層及び下部強磁性体層における「上部」「下部」と
は、強磁性トンネル効果素子を形成するための基板との
位置関係を示す用語であり、基板に近い側が下部、遠い
側が上部である。
【0006】図8は、従来の強磁性トンネル効果素子を
示す概略断面図である。以下、この図面に基づき説明す
る。
【0007】従来の強磁性トンネル効果素子80は、基
板88上に、下部強磁性体層82、トンネルバリア層8
4及び上部強磁性体層86が、この順に積層されてなる
ものである。下部強磁性体層82及び上部強磁性体層8
6には、それぞれ電極90,92が接続されている。
【0008】下部強磁性体層82及び上部強磁性体層8
6には、鉄、ニッケル、コバルトのいずれか、又はこれ
らを含む合金が用いられてる。トンネルバリア層84に
は、酸化アルミニウムが用いられている。この酸化アル
ミニウムは、下部強磁性体層82上にアルミニウムを被
着し、このアルミニウムを酸化させたものである。アル
ミニウムを用いる理由は、1〔nm〕〜2〔nm〕程度の極
薄のリークの少ない絶縁層が容易に得られるためであ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図9は、従来の強磁性
トンネル効果素子において、酸化前のアルミニウム層が
薄すぎた場合を示す概略断面図である。図10は、従来
の強磁性トンネル効果素子において、酸化前のアルミニ
ウム層が厚すぎた場合を示す概略断面図である。以下、
これらの図面に基づき説明する。
【0010】図9に示すように、酸化前のアルミニウム
層(図示せず)が薄すぎた場合は、トンネルバリア層8
4を越えて下部強磁性体層82まで酸化することによ
り、酸化物強磁性体層821が形成される。酸化物強磁
性体層821は、下部強磁性体層82に用いた強磁性体
の種類に応じた、FeO、CoO、NiOなどである。
これらの酸化物強磁性体層821は、トンネルバリア層
84を通過した電子スピンを散乱させるため、スピンが
保存されなくなり、磁気抵抗効果を悪化させる原因にな
る。
【0011】図10に示すように、酸化前のアルミニウ
ム層(図示せず)が厚すぎた場合は、酸化しきれなかっ
たアルミニウム層841が下部強磁性体層82とトンネ
ルバリア層84との間に残る。このアルミニウム層84
1もまた、トンネルバリア層84を通過した電子スピン
を散乱させるため、磁気抵抗効果を悪化させる原因にな
る。
【0012】図8に示すように、酸化前のアルミニウム
を厚過ぎず薄過ぎない最適な膜厚にして、過不足無く酸
化させれば理想的である。しかし、これは技術的に困難
であるため、一般には図9又は図10に示す構造になっ
てしまう。
【0013】なお、どのアルミニウム膜厚以下なら酸化
物強磁性体が生じ、どのアルミニウム膜厚以上なら酸化
しないAlが残るか、という膜厚のしきい値は、アルミ
ニウム層の酸化条件により異なる。このしきい値は、真
空中自然酸化など弱い酸化方法であれば薄く、プラズマ
酸化など強い酸化方法であれば厚くなる。
【0014】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、下部強磁性体
層の酸化を防ぐとともに、酸化しきれないトンネルバリ
ア層の原材料が下部強磁性体層とトンネルバリア層との
間に残ることを防ぐことによって、大きな磁気抵抗変化
率を実現した強磁性トンネル効果素子の製造方法を提供
することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】 本発明に係る強磁性トン
ネル効果素子の製造方法は、基板上に下部強磁性体層を
形成し、この下部強磁性体層上に貴金属からなる耐酸化
層を形成し、この耐酸化層上にトンネルバリア層の原材
料を被着し、この原材料を酸化させて前記トンネルバリ
ア層を形成し、このトンネルバリア層上に上部強磁性体
層を形成するものである。
【0016】前記貴金属は、好ましくは、プラチナ、パ
ラジウム、ロジウム、イリジウムのうちのいずれか、又
はこれらを含む合金である。前記下部強磁性体及び上部
強磁性体の材料は、好ましくは、鉄、ニッケル、コバル
トのいずれか、又はこれらを含む合金である。前記トン
ネルバリア層の材料は、好ましくは酸化アルミニウムで
ある。
【0017】本発明によれば、下部強磁性体層と酸化物
からなるトンネルバリア層との間に耐酸化層を挟んだこ
とにより、トンネルバリア層の原材料を酸化させるとき
に、その酸化がトンネルバリア層の原材料と耐酸化層と
の界面で止まるので、下部強磁性体層の酸化を防ぐこと
ができる。特にプラチナ、パラジウム、ロジウム、イリ
ジウム等は、酸化しにくい貴金属であるから、耐酸化層
の材料として好適である。
【0018】したがって、従来ならばトンネルバリア層
の原材料が薄すぎて、下部強磁性体層まで酸化してしま
う、原材料の膜厚及び酸化条件を用いて、本発明に係る
強磁性トンネル効果素子を製造することにより、下部強
磁性体層の酸化が防げるとともに、酸化しきれないトン
ネルバリア層の原材料が残ることも防げる。
【0019】また、プラチナ、パラジウム、ロジウム、
イリジウムは、アルミニウムや他の貴金属である金など
と比べて、強磁性体の中に不純物として混入しても、強
磁性体の飽和磁気モーメントの減少量が小さいことが知
られている(例えば、A.Arrott and J.E.Noakes: Iron
and its Dilute Solid Solutions, ed.C.W.Spencer and
F.E. Werner(N.Y.Wiley, 1959) p.85)。これは、プラ
チナ、パラジウム、ロジウム、イリジウムは、アルミニ
ウムや金などよりも、トンネル電流のスピンを散乱させ
る確率が低いことを示している。したがって、下部強磁
性体層とトンネルバリア層との間に、プラチナ、パラジ
ウム、ロジウム、イリジウムのうちのいずれか、又はこ
れらを含む合金を挟んでも磁気抵抗変化率が低下するこ
とはない。したがって、高い磁気抵抗変化率の強磁性ト
ンネル効果素子を得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る強磁性トン
ネル効果素子の一実施形態を示す概略断面図である。以
下、この図面に基づき説明する。ただし、図8と同一部
分は同一符号を付すことにより重複説明を省略する。
【0021】本実施形態の強磁性トンネル効果素子10
は、基板88上に、下部強磁性体層82、耐酸化層1
2、トンネルバリア層84及び上部強磁性体層86が、
この順に積層されてなるものである。
【0022】基板88は、例えば、電気絶縁膜としての
熱酸化膜が表面に形成されたシリコンからなる。下部強
磁性体層82及び上部強磁性体層86は、鉄、ニッケル
及びコバルトのうちのいずれか、又はこれらのうちの一
又は二以上を含む合金からなる。耐酸化層12は、プラ
チナ(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)
及びイリジウム(Ir)のうちのいずれか、又はこれら
のうちの一又は二以上を含む合金からなる。トンネルバ
リア層84は、酸化アルミニウムからなる。
【0023】
【実施例】次に、上記実施形態を更に具体化した実施例
として、製造方法及び磁気特性について説明する。
【0024】図1を用いて、強磁性トンネル効果素子1
0の製造方法について説明する。
【0025】まず、膜厚 300〔nm〕の熱酸化シリコン層
がシリコン上に形成された基板88を用意した。続い
て、この基板88上に、マグネトロンスパッタ法を用い
てFeを厚さ50〔nm〕成膜することにより、下部強磁性
体層82を形成した。続いて、下部強磁性体層82上
に、真空蒸着法を用いてプラチナを厚さ1〔nm〕成膜す
ることにより、耐酸化層12を形成した。続いて、耐酸
化層12上に、真空蒸着法を用いてアルミニウムを厚さ
1〔nm〕成膜した。そして、このときに用いた真空槽内
に純酸素を導入し酸素圧200 〔Torr〕で20〔分〕酸化さ
せることにより、トンネルバリア層84を形成した。続
いて、トンネルバリア層84上に、真空蒸着法を用いて
鉄コバルト合金(組成比1対1)を30〔nm〕成膜するこ
とにより、上部強磁性体層86を形成した。これらの工
程は、すべて真空を破ることなく、いわゆる‘in-situ
’で行った。
【0026】図2は、強磁性トンネル効果素子10の磁
気抵抗効果を測定するため構造を示す概略断面図であ
る。以下、図1及び図2に基づき説明する。ただし、図
1と同一部分は同一符号を付すことにより重複説明を省
略する。
【0027】図2に示す構造は、フォトリソグラフとイ
オンミリングとを用いて加工したものである。耐酸化層
12は薄いので図示していない。下部電極22は下部強
磁性体層82を用いている。上部電極24は、アルミニ
ウムからなり、上部強磁性体層86に接続されている。
また、層間絶縁膜26,28が強磁性トンネル効果素子
10の側壁に設けられている。測定時に、上部電極24
からトンネルバリア層84を介して下部電極22へ電流
が流れる。電流‐電圧測定は直流四端子法を用いる。
【0028】図3は、強磁性トンネル効果素子10のヒ
ステリシス曲線を示すグラフである。以下、図1乃至図
3に基づき説明する。
【0029】図3からわかるように、下部強磁性体層8
2と上部強磁性体層86との間に保磁力に差があること
を示す、二段型のループ曲線が得られている。下部強磁
性体層82の単層での保磁力が10〔Oe〕であり、上部強
磁性体層86の単層での保磁力が40〔Oe〕である。この
二段型のループ曲線は、印加磁場Hが10〔Oe〕〜40〔O
e〕の範囲及び−10〔Oe〕〜−40〔Oe〕の範囲で、下部
強磁性体層12と上部強磁性体層16との磁化の向きが
反平行であることを示している。このほかの印加磁場H
の時には、両者の磁化の向きは平行である。強磁性トン
ネル効果素子10においては、下部強磁性体層82と上
部強磁性体層86との磁化の向きが反平行の時にはトン
ネル電流が流れにくくなるので抵抗が高くなり、平行の
時には抵抗が低くなる。
【0030】図4は、強磁性トンネル効果素子10の室
温における磁気抵抗曲線を示すグラフである。以下、図
1乃至図4に基づき説明する。
【0031】印加磁場Hが10〔Oe〕〜40〔Oe〕の範囲及
び−10〔Oe〕〜−40〔Oe〕の範囲で、下部強磁性体層8
2と上部強磁性体層86との磁化の向きが反平行になっ
たことに対応して、これらの範囲では抵抗が高くなって
いる。そのため、磁気抵抗変化率△R/Rとして最大20
〔%〕が得られているのがわかる。
【0032】従来の強磁性トンネル効果素子、例えばJ.
S.Moodera et al: Phys.Rev.Lett.70,3050(1997) にお
ける室温での磁気抵抗変化率△R/Rは、最大16〔%〕
である。これに対して、強磁性トンネル効果素子10の
磁気抵抗変化率△R/Rは、前述のとおり、それよりも
高い。これは、下部強磁性体層82とトンネルバリア層
84との間にPtからなる耐酸化層12を挟んだことに
より、下部強磁性体層82のFeの酸化を防ぐことがで
きたためと考えられる。
【0033】そこで、XPS(X線光電子分光)分析に
より、Feの酸化状態を調べた。XPS分析の対象とな
る試料は、次のように作製した。まず、膜厚300 〔nm〕
の熱酸化シリコン層を表面に形成したシリコンからなる
基板上に、下部強磁性体層として厚さ50〔nm〕のFe層
を成膜した。続いて、Fe層上に、耐酸化層として厚さ
1〔nm〕のPt層を成膜した。続いて、Pt層上に、真
空蒸着法により厚さ1〔nm〕のAl層を成膜した。続い
て、真空槽内に純酸素を導入し酸素圧200 〔Torr〕で20
〔分〕、Al層を酸化させることにより、トンネルバリ
ア層として酸化アルミニウム層を形成した。また、比較
例として、Pt層がない以外は前述と全く同じように作
製した試料も用意した。
【0034】図5は、本実施例におけるPt層有りの試
料のXPS分析結果を示すグラフである。図6は、比較
例におけるPt層無しの試料のXPS分析結果を示すグ
ラフである。以下、これらの図面に基づき説明する。
【0035】XPSは物質にX線を照射し、発生する電
子のエネルギー分布から物質の化学結合状態を調べる分
析方法である。図の横軸は発生した電子のエネルギーで
物質の化学結合エネルギーを示している。縦軸は信号強
度である。この化学結合エネルギーは、物質の化学結合
状態に固有の値を取り、例えばFeならば707 〔eV〕及
び720 〔eV〕、Fe ならば711 〔eV〕及び724
〔eV〕という値をとる。
【0036】図5に示すPt層有りの試料では、Feに
固有なエネルギーのピークのみが見られる。これは、P
t層を挿入したことにより、Fe層の酸化を防ぐことが
できたことを示している。一方、図6に示すPt層無し
の試料では、Fe に固有のピークが見られる。こ
れは、Al層で酸化が止まらず、その下のFe層まで酸
化が及んだことを示している。
【0037】図7は、本発明に係る強磁性トンネル効果
素子を用いて作製した磁気ヘッドを示す概略断面図であ
る。以下、この図面に基づき説明する。
【0038】磁気ヘッド30は、強磁性トンネル効果素
子10の両側に一対の磁気シールド32,34が配置さ
れ、磁気シールド34の外側に書き込み用磁気ポール3
6と書き込み用磁気コイル38とが配置されたものであ
る。強磁性トンネル効果素子10及び書き込み用磁気コ
イル38は、絶縁層40,42によって囲繞されてい
る。磁気ヘッド30によれば、磁気抵抗変化率の高い強
磁性トンネル効果素子10を用いることにより、より高
密度での磁気記録に対応できることとなった。
【0039】以上、本発明の実施形態及び実施例につい
て説明したが、本発明においては、強磁性体の材料、強
磁性トンネル効果素子の形状などは上述の実施形態及び
実施例に記載されたものに限定されることはない。ま
た、上述の強磁性トンネル効果素子を用いて、磁場感度
のよい磁気センサも作製することもできる。
【0040】なお、上記実施例においては、強磁性体層
をマグネトロンスパッタ法で成膜し、トンネルバリア層
の原材料を真空蒸着法で成膜したが、他の成膜方法、例
えばDCスパッタ法やCVD法を用いて成膜しても、上
述と同様の結果を得ることができる。下部強磁性体層
を、Co、Ni又はFe、Co、Niのいずれかを含む
合金(例えばパーマロイ(FeNi合金))などにした
場合でも、同様の効果が得られる。また、Pt層の代わ
りに、Pd、Rh、Ir、又はPt、Pd、Rh、Ir
を含む合金を用いても、同様の効果が得られる。また、
Alの酸化方法については真空中の自然酸化のみ記した
が、大気中の自然酸化、プラズマ酸化、ラジカルビーム
による酸化、オゾンによる酸化など、他の方法でも同様
の効果が得られる。
【0041】
【発明の効果】本発明に係る強磁性トンネル効果素子
製造方法によれば、下部強磁性体層と酸化物からなるト
ンネルバリア層との間に耐酸化層を挟んだことにより、
トンネルバリア層の原材料の酸化が耐酸化層で止まるの
で、下部強磁性体層の酸化を防ぐことができるととも
に、トンネルバリア層の原材料が残ることも防ぐことが
できる。したがって、大きな磁気抵抗変化率を実現でき
る。また、本発明の高磁気抵抗変化率の強磁性トンネル
効果素子を用いることにより、高性能磁気ヘッドおよび
磁場センサを作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る強磁性トンネル効果素子の一実施
形態を示す概略断面図である。
【図2】本発明に係る強磁性トンネル効果素子の一実施
例における、磁気抵抗効果を測定するため構造を示す概
略断面図である。
【図3】本発明に係る強磁性トンネル効果素子の一実施
例における、ヒステリシス曲線を示すグラフである。
【図4】本発明に係る強磁性トンネル効果素子の一実施
例における、室温での磁気抵抗曲線を示すグラフであ
る。
【図5】本発明に係る強磁性トンネル効果素子の一実施
例における、XPS分析結果を示すグラフである。
【図6】比較例におけるXPS分析結果を示すグラフで
ある。
【図7】本発明に係る強磁性トンネル効果素子を用いた
磁気ヘッドを示す概略断面図である。
【図8】従来の強磁性トンネル効果素子を示す概略断面
図である。
【図9】アルミニウム層が薄すぎた場合の、従来の強磁
性トンネル効果素子を示す概略断面図である。
【図10】アルミニウム層が厚すぎた場合の、従来の強
磁性トンネル効果素子を示す概略断面図である。
【符号の説明】
10 強磁性トンネル効果素子 12 耐酸化層 82 下部強磁性体層 84 トンネルバリア層 86 上部強磁性体層 88 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 43/08 G01R 33/09 G11B 5/39 H01F 10/30 H01L 43/12 JICSTファイル(JOIS)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に下部強磁性体層を形成し、この
    下部強磁性体層上に貴金属からなる耐酸化層を形成し、
    この耐酸化層上にトンネルバリア層の原材料を被着し、
    この原材料を酸化させて前記トンネルバリア層を形成
    し、このトンネルバリア層上に上部強磁性体層を形成す
    る、強磁性トンネル効果素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記貴金属として、プラチナ、パラジウ
    ム、ロジウム及びイリジウムのうちのいずれか、又はこ
    れらのうちの一若しくは二以上を含む合金を用いる、
    求項1記載の強磁性トンネル効果素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記トンネルバリア層の原材料にアルミ
    ニウムを用いる、請求項1又は2記載の強磁性トンネル
    効果素子の製造方法
  4. 【請求項4】 前記下部強磁性体が鉄、ニッケル及びコ
    バルトのうちのいずれか、又はこれらのうちの一若しく
    は二以上を含む合金からなる、請求項1、2又は3記載
    の強磁性トンネル効果素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記上部強磁性体が鉄、ニッケル及びコ
    バルトのうちのいずれか、又はこれらのうちの一若しく
    は二以上を含む合金からなる、請求項1、2、3又は4
    記載の強磁性トンネル効果素子の製造方法
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