JP3216470B2 - 繊維強化樹脂成形品およびその製造方法 - Google Patents

繊維強化樹脂成形品およびその製造方法

Info

Publication number
JP3216470B2
JP3216470B2 JP02573695A JP2573695A JP3216470B2 JP 3216470 B2 JP3216470 B2 JP 3216470B2 JP 02573695 A JP02573695 A JP 02573695A JP 2573695 A JP2573695 A JP 2573695A JP 3216470 B2 JP3216470 B2 JP 3216470B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
reinforced resin
resin molded
molded product
reinforcing fibers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP02573695A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08218262A (ja
Inventor
修二 弓取
良策 門脇
貴生 浴本
俊明 奥村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP02573695A priority Critical patent/JP3216470B2/ja
Publication of JPH08218262A publication Critical patent/JPH08218262A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3216470B2 publication Critical patent/JP3216470B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強化繊維と熱可塑性樹
脂マトリックスとからなる繊維強化樹脂成形品、および
該成形品を製造する為の有用な方法に関するものであ
り、殊に内部の強化繊維の存在形態を変化させることに
よって、吸音特性および軽量高剛性等の性能を付与
または向上した繊維強化樹脂成形品、およびその様な成
形品を製造する為の方法に関するものである。尚本発明
の成形品は、上記の性能によって、主として自動車分
野においてこれらの特性が必要とされる部品、例えばエ
ンジンルームや車体下部のノイズシールドやアンダーシ
ールドとして有効に利用でき、また上記の性能によっ
て、自動車のインナーパネル材や天井部材のコア材等と
して有効に利用できるものである。
【0002】
【従来の技術】強化繊維と熱可塑性樹脂マトリックスと
からなる繊維強化樹脂成形品は、安価でしかも優れた機
械性質を有しており、またリサイクル性に優れていると
いった特徴を有していることから、近年その使用量が様
々な分野で急速に増大してきている。特に、自動車や家
電業界では、環境保護という観点から、できるだけ環境
に優しい樹脂材料を使用する傾向をその基本姿勢として
打ち出している。こうした状況の下で、ガラス繊維で強
化されたポリプロピレン成形品(ガラス繊維強化樹脂複
合材料)は、非常に注目されている代表的な繊維強化樹
脂成形品である。
【0003】ところで自動車等の車体下部に取りつけら
れるアンダーシールドは、特に吸音特性が要求される。
この様なアンダーシールドとしては、従来では鉄板の様
な金属部材を基板とし、その一方側表面に、ガラス繊維
マットをアルミ箔等で包み込んだ吸音性部材を接着剤等
で固定したものが用いられていた。しかながら現在で
は、環境保護という観点から、上記の様な繊維強化樹脂
成形品をアンダーシールド用の素材として適用しようと
する傾向にある。
【0004】繊維強化樹脂成形品は、安価で錆びにく
く、しかもリサイクル性に優れているという利点を有し
ている反面、前記アンダーシールドとして要求される基
本的な特性である吸音機能については全く備えていな
い。従って、この様な成形品をアンダーシールド用の素
材として利用する際には、該成形品はあくまでも基板と
しての機能を期待し得るに止まり、その表面に上記と同
様のガラス繊維マットをアルミ箔等で包み込んだ吸音性
部材を接着剤等で接合した状態でアンダーシールドとし
て使用することになる。
【0005】何れにしてもアンダーシールドは、基板の
表面にガラス繊維マットを主たる構成素材とするット吸
音性部材を張り付けたものであるから、こうした構成か
ら必然的に生じてくる問題として、下記の如き様々な難
点が指摘される。 (1)基板に吸音性部材を接着剤等で張り付けなければ
ならないので、接合作業が煩雑で手数を要し、生産効率
の低下やコストアップの問題は避けられない。 (2)ガラス繊維マット等の張り付け作業時等にガラス
繊維の破断片が飛散し、作業者の皮膚を刺激したり環境
汚染を生じる。 (3)アンダーシールドを回収してリサイクルしようと
すると、夫々の構成素材であるアルミ箔、ガラス繊維マ
ット、基板を一旦分離しなければならず、その作業が非
常に煩雑で分別回収費用が嵩むため、工業規模でのリサ
イクルは殆ど行なわれていない。上記欠点のうち殊に
(3)のリサイクル性の問題は、産業廃棄物の低減や有
価資源の有効利用という観点から、産業界で大きな問題
となっている。
【0006】一方、自動車のインナーパネル材や天井部
材のコア材等には、軽量高剛性という特性が要求される
が、この様な材料の素材としても、前記繊維強化樹脂成
形品を適用しようとする傾向にある。しかしながら、従
来の繊維強化樹脂成形品は、軽量高剛性という特性を十
分に満足しているものではなかった。こうしたことか
ら、内部が発泡状態、空洞状態或は空隙が存在する状態
のなった繊維強化樹脂成形品を、例えば抄紙法によって
作成されたスタンパブルシートを、成形品と同形状に予
め裁断し、これを加熱し可塑化した状態で比較的低圧で
圧縮成形するよって製造するも従来から示唆されてい
る。しかしながら、この様にして得られた繊維強化樹脂
成形品においても、十分な発泡状態、空洞状態が得られ
ているとは言えず、軽量高剛性という点では従来の繊維
強化樹脂成形品とそれほど変わらず、十分な特性を発揮
するものではなかった。しかもこの繊維強化樹脂成形品
は、もともと吸音特性について考慮されたものではない
ので、この特性については全く発揮されない。また上記
方法では、成形品とほぼ同形状に予め裁断するので、手
数および費用がかかり、特に複雑な形状になった場合に
は現実的な方法ではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、こうした状
況のもとでなされたものであって、その目的は、殊に内
部の強化繊維の存在形態を変化させることによって、吸
音特性および軽量高剛性等の性能を付与または向上し、
エンジンルームや車体下部のノイズシールドやアンダー
シールドとして、更には自動車のインナーパネル材や天
井部材のコア材等として有効に利用することのでき、し
かもリサイクル性にも優れた繊維強化樹脂成形品を提供
することにある。本発明の他の目的は、上記の様な繊維
強化樹脂成形品を簡単な手順で生産性良く製造すること
のできる方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成し得た本
発明の繊維強化樹脂成形品とは、可塑化および加圧成形
された繊維強化型熱可塑性樹脂複合材料の、一方または
両側の表層部を冷却・固化した状態で、加圧力を解除ま
たは軽減して、内部において、強化繊維の弾性的復帰力
によって該強化繊維間に空隙を形成したと共に、両表層
側を熱可塑性樹脂の溶融・固化によって形成された固化
層で構成したものである点に要旨を有するものである。
尚繊維強化樹脂成形品において、前記固化層は薄いフィ
ルム状のものも含む趣旨である。
【0009】また上記の様な繊維強化樹脂成形品は、強
化繊維と熱可塑性樹脂が混合された混合体を、加熱して
可塑化した状態で加圧成形した後、一方または両側の表
層部が冷却・固化した状態で、加圧力を解除または軽減
することによって、その内部が強化繊維の弾性的復帰力
によって該強化繊維間に空隙が形成された状態とするこ
とによって製造することができる。
【0010】
【作用】本発明者らは、前記繊維強化樹脂成形品におい
て、吸音特性および軽量高剛性等の性能を付与また
は向上させる為の具体的な形態について検討した。そし
て、強化繊維として主に利用されているガラス繊維が有
している弾性的復帰力に着目し、この弾性的復帰力を巧
みに利用すれば、繊維強化樹脂成形品の内部の該強化繊
維間に空隙が形成された状態とすると共に、両表層側が
熱可塑性樹脂の溶融・固化によって形成された固化層で
構成されたものとすることができ、この様な形態の繊維
強化樹脂成形品は、上記、の特性が従来品に比べて
極めて良好に発揮できることを見い出し、本発明を完成
した。
【0011】本発明の繊維強化樹脂成形品を製造するに
当たっては、前述した方法に従えばよいが、この方法に
おける最大の特徴は、可塑化および加圧成形した直後の
繊維強化型熱可塑性樹脂複合材料が、一方または両側の
表層部が冷却・固化した状態で、即ち少なくとも内部が
未だ高温状態にあるうちに、加圧力を解除または軽減
し、前記弾性質強化繊維の弾性的復帰力によって、繊維
強化樹脂成形品の内部を、強化繊維間に空隙が形成され
た状態とする点にある。またこうした方法では、本発明
の繊維強化樹脂成形品を、簡単な手順で生産性良く製造
することができる。本発明方法の原理を説明しつつ、本
発明が完成された経緯について説明する。
【0012】本発明の繊維強化樹脂成形品を製造するに
は、まず強化繊維と熱可塑性樹脂を含む混合物を、加熱
して可塑化した状態で低圧で加圧成形して中間成形体と
した後、冷却・固化されるが、この冷却・固化の過程に
おいて、加圧成形に供された前記可塑化混合物は、図1
(イ)〜(ハ)に概念的に示す様に、表面近傍から順次
冷却・固化していくことになる。そもそも、前記可塑化
混合物は、ガラス繊維等の高剛性繊維が樹脂中にランダ
ムに散らばったものを、暫定的にシート状またはブロッ
ク状にして可塑化し、加圧成形に供するものである。従
って、この中間成形体の状態においては、高剛性繊維は
既に加圧されて該成形体の中に閉じ込められている状態
になっており、可塑化すれば強化繊維の弾性的復帰力で
自ら体積膨張しようとする。ところが、成形によって所
定の形状を得るためには、当然のことながら、圧力をか
けつつ冷却して形状を保持する必要がある。従来の成形
方法においては、可塑化混合物を単に加圧して冷却し、
形状を保持しようとするものであるから、中間成形体内
に閉じ込められた高剛性繊維は、その弾性的復帰力を発
揮することなく、中間成形体内に閉じ込められたままで
ある。
【0013】そこで本発明者らは、成形前の可塑化状態
をできるだけ損なわない様に、形状を整えるのに必要な
最低限の成形を行い、その後表層部のみが冷却・固化し
た状態で、即ち内部が未だ高温状態にあるうちに、加圧
力を解除または軽減すれば、前記弾性質強化繊維の弾性
的復帰力が存分に発揮され、内部が体積膨張しようとす
る現象(以下、この現象を「スプリングバック」と呼
ぶ)が生ずると共に、両表面側が成形品として形状を整
えることが可能になることを見い出した。またこの様な
過程を経て得られた繊維強化樹脂成形品は、スプリング
バックで得られた内部層(以下、「スプリングバック
層」と呼ぶ)の存在によって、前記、の特性も良好
なものとなる。尚上記の現象を概念的に説明すれば、例
えば前記図1(イ)の段階、即ちその表層部のごく一部
だけが冷却・固化された段階で、金型を開き、内部の体
積膨張によって図1(ニ)に示す様なスプリングバック
層が形成された状態になったと言うことができる。尚前
記図1(ロ)の段階で金型を開くことも考えられるが、
冷却・固化がある程度進んでいるので、スプリングバッ
クによる体積膨張効果が小さいものとなる。また全体の
冷却・固化が進んだ前記図1(ハ)の段階で金型を開く
と、その後再度加熱しても表面の溶融だけが進行して内
部がなかなか進行せず、少なくとも内部の溶融が高温状
態である状態が達成されにくい。しかも、加熱・冷却を
繰り返すことは、樹脂の劣化にもつながる。
【0014】ところで本発明方法を実施するに当たり、
成形を行ない、(イ)の状態で金型を完全に開くと、冷
却・固化している表面層があまりにも薄いので、内部の
高弾性質繊維の弾性回復力によって中間成形体の形状全
体が歪んでしまい、両面とも凹凸となる傾向がある。こ
うした不都合を解消するには、体積膨張能力の全てが解
放されない程度に(即ち、該能力を若干抑えぎみに)、
金型の開け具合を調整するのが好ましく、これによって
比較的平坦な表面性状の成形品が得られる。また一方側
の表面形状のみを整えたい場合は、その表面だけ低い温
度にして、冷却・固化の進行を早める様にしても良い。
【0015】また金型を開いたときに、中間成形体にお
ける体積膨張能力が低下している場合、即ち内部の固化
が予想よりも進んでいる場合には、高温ガスやヒータ等
によって中間成形体に熱を再度供給し、体積膨張能力を
助長させる様にすることも有効である。こうした手段を
採用するときの具体的な一構成例としては、金型自身に
高温ガスの吹き出し口を予め設けておく様な構成が挙げ
られる。
【0016】本発明方法を実施するに当たり、良好な表
面性状や体積膨張能力を損なわないために、高温での可
塑化、短時間での成形(中間体の加圧成形)、高め金型
温度、等が重要な要素となる。こうした観点から、好ま
しい条件は下記の通りである。 可塑化温度:180〜250℃(より好ましくは、20
0〜230℃) 成形時間 :1秒乃至5分(より好ましくは、2秒乃至
1分) 金型温度 :0〜250℃(より好ましくは、室温〜2
00℃)
【0017】本発明の上記工程において、中間成形体を
加圧成形するときの具体的手段については、圧縮成形が
代表的に挙げられるが、これに限らず例えば射出成形や
射出圧縮成形、更には他の成形方法を採用しても良く、
要するに加圧した状態で成形できる方法であれば良い。
また加圧成形するときの圧力は、材料の流動性を確保す
るという観点から、例えば圧縮成形の場合は、50〜2
00kgf/cm2 程度が好ましい。
【0018】本発明の繊維強化樹脂成形品を製造するに
当たっては、弾性質強化繊維と熱可塑性樹脂ができるだ
け均一に混合された混合物を用いるのが好ましいが、こ
の混合物は、エアーミキシング(圧縮空気による混合)
によって作成されたものの方が、強化繊維が3次元にラ
ンダムに配向しているので、スプリングバックが発生し
易くなり、好ましい材料である。これに対し、抄紙法に
よって作成されたものや、2次元配向の連続繊維マット
を原料組成物として用いた場合には、強化繊維は2次元
のランダム配向であるので、本発明方法を適用しても前
記、の特性を発揮できるほど十分なスプリングバッ
ク層が形成されにくく、あまり推奨される材料ではな
い。また従来品が、前記、の特性において良好でな
いのは、こうした理由によるものと考えられる。
【0019】本発明で用いる強化繊維の代表的なものと
してガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミックス繊
維、アラミド繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊
維、ポリエステル繊維、アクリル繊維等の人工繊維が挙
げられ、これらを単独または複数組合せて用いることが
できるが、強化繊維の全てを人工繊維とする必要はな
く、例えば麻や綿の他、古紙を解繊したセルロース系繊
維等の天然繊維を一部に含んでいても良い。特に、古紙
を解繊したセルロース系繊維を利用することは、リサイ
クルおよび環境保護の両面からして有利であり、しかも
安価であり良好な吸音特性が発揮される。但し、弾性的
復帰力が比較的小さい人工繊維や天然繊維の含有量は強
化繊維の弾性的復帰力を余り低下させない程度に抑える
必要がある。また強化繊維の径については、同じ重量の
場合には、径が細い方が本数が多くなり、嵩高くなって
スプリングバックが発生し易いので、3〜20μm程度
が最適である。更に、強化繊維の長さについては、スプ
リングバック層による吸音特性を考慮すると、5〜50
mmであることが好ましい。
【0020】一方、本発明で用いられる熱可塑性樹脂と
しては、前記したポリプロピレンが代表的なものとして
挙げられるが、その他ポリエチレン、ABS、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリカーボネイト、ポリスチレ
ン、ポリアセタール、ポリアクリレート、ポリアミド等
の汎用樹脂、更にはポリスルホン、ポリフェニレンスル
フィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポ
リアミドイミド等の耐熱性に優れた熱可塑性樹脂等も用
いることができる。このうち特に好ましいのは、ポリプ
ロピレンである。またこのポリプロピレンは、ホモポリ
マーは勿論のこと、ポリプロピレン−エチレンブロック
共重合体、ポリプロピレン−エチレンランダム共重合
体、更には無水マレイン酸で変性したポリプロピレン等
のいずれも使用でき、これらを単独または複合して用い
れば良い。またこれらの熱可塑性樹脂の原料形態は、粉
末状または繊維状のいずれでも良いが、繊維状であるこ
とが好ましい。
【0021】本発明の繊維強化樹脂成形品は、上記の様
に内部にスプリングバック層が形成された状態になって
おり、この部分が吸音特性を発揮する。またこの様な繊
維強化樹脂成形品は、全体として軽量高剛性なものとな
る。この様な構成の繊維強化樹脂成形品であると、吸音
特性および軽量高剛性という特性のいずれをも満足する
ものとなり、ノイズシールドやアンダーシールドとし
て、更には自動車のインナーパネル材や天井部材のコア
材等として有効に利用できるものとなる。また、本発明
の成形品は、異種材料を使用するものではないので、本
来リサイクル性においても良好である。
【0022】尚上記各特性を満足させるという観点から
して、スプリングバック層の割合は20%以上であるこ
とが望ましい。また固化層はできるだけ薄い方が望まし
く、薄いフィルム状となっていれば、最も好ましいと言
える。また本発明の繊維強化樹脂成形品における強化繊
維と熱可塑性樹脂の配合割合については、特に限定され
るものではなく、例えば強化繊維の配合量が5〜90%
程度のものを用いることができるが、上記両特性を満足
させるという観点からすると、強化繊維の配合量が10
〜60%程度が最適である。
【0023】以下本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもので
はなく、前・後記の趣旨に特徴して設計変更することは
いずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0024】
【実施例】実施例 ガラス繊維を主体とする強化繊維(40重量%,繊維長
さ:13mm)とポリプロピレンからなる混合物をエア
ーミキシングし、ブロック状の中間材料を調製し、これ
を専用の可塑化装置にて230℃で約5分間加熱して可
塑化した。尚この条件は、通常の成形によれば、厚み3
mmの成形品になる可塑化物量である。可塑化した該材
料を、120℃に保たれた金型で5秒間圧縮成形して中
間成形体とした。圧縮成形後、直ちに金型を約10mm
開き、そのまま金型を2分間保持しておいた。その結
果、得られた成形品は約13mmの厚みとなっており、
切断して断面を観察したところ、内部には空間が容易に
目視できる程度に形成されていた。
【0025】得られた成形品について、曲げ弾性率を測
定したところ、同重量の材料から製造された試験片にお
いては約4.5GPaであったが、本発明によれば約6
GPaとなっていた。
【0026】比較例1 ガラス繊維を主体とする強化繊維(40重量%,繊維長
さ:13mm)とポリプロピレンからなる混合物をエア
ーミキシングし、ブロック状の中間材料を調製し、これ
を専用の可塑化装置にて230℃で約5分間加熱して可
塑化した。可塑化した該材料を、120℃に保たれた金
型で3分間圧縮成形し、固化部のみからなる厚さ3mm
の繊維強化樹脂成形品とした。得られた成形品につい
て、曲げ弾性率を測定したところ約4.5GPaであっ
た。また500〜3000Hzの音域での吸音率を測定
したところ、吸音率は0.05であり、吸音特性を殆ど
発揮してなかった。
【0027】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、内
部の強化繊維の存在形態を変化させることによって振動
減衰性、吸音特性および軽量高剛性等の特性を付与また
は向上することができ、エンジンルームや車体下部のノ
イズシールドやアンダーシールドとして、或は自動車の
インナーパネル材や天井部材のコア材等として有効に利
用することができ、しかもリサイクル性に優れた繊維強
化樹脂成形品が実現できた。また上記の様な成形品を簡
単な手順で生産性良く製造することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明する為の概念図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浴本 貴生 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所 神戸総合技術研 究所内 (72)発明者 奥村 俊明 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所 神戸総合技術研 究所内 (56)参考文献 特開 平1−52861(JP,A) 特開 昭54−152073(JP,A) 特開 昭48−92467(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 D04H 1/00 - 18/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可塑化および加圧成形された繊維強化型
    熱可塑性樹脂複合材料の、一方または両側の表層部を冷
    却・固化した状態で、加圧力を解除または軽減して、内
    部において、強化繊維の弾性的復帰力によって該強化繊
    維間に空隙形成したと共に、両表層側熱可塑性樹脂
    の溶融・固化によって形成された固化層で構成したもの
    であることを特徴とする繊維強化樹脂成形品。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の繊維強化樹脂成形品を
    製造するに当たり、強化繊維と熱可塑性樹脂を含む混合
    体を、加熱して可塑化した状態で加圧成形した後、一方
    または両側の表層部が冷却・固化した状態で、加圧力を
    解除または軽減することによって、内部において、強化
    繊維の弾性的復帰力によって該強化繊維間に空隙が形成
    された状態とすることを特徴とする繊維強化樹脂成形品
    の製造方法。
JP02573695A 1995-02-14 1995-02-14 繊維強化樹脂成形品およびその製造方法 Expired - Lifetime JP3216470B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02573695A JP3216470B2 (ja) 1995-02-14 1995-02-14 繊維強化樹脂成形品およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02573695A JP3216470B2 (ja) 1995-02-14 1995-02-14 繊維強化樹脂成形品およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08218262A JPH08218262A (ja) 1996-08-27
JP3216470B2 true JP3216470B2 (ja) 2001-10-09

Family

ID=12174111

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP02573695A Expired - Lifetime JP3216470B2 (ja) 1995-02-14 1995-02-14 繊維強化樹脂成形品およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3216470B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5993560B2 (ja) * 2010-10-06 2016-09-14 ゴールド工業株式会社 樹脂成形品、及び樹脂成形品の製造方法
CN104476851B (zh) * 2014-11-28 2016-09-14 芜湖长鹏汽车零部件有限公司 一种bgp板材内饰件及其制作方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08218262A (ja) 1996-08-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1844927B2 (en) Lightweight thermoplastic sheets including reinforcing skins
US5866235A (en) All synthetic fiber interior trim substrate
WO2003057466A2 (en) Structurally enhanced sound and heat energy absorbing liner and related method
CN108215443B (zh) 一种用于汽车内外饰件的超轻高强gmt复合板材的制备方法
US20170144388A1 (en) Moulded Product for Automotive Panels
JP5898873B2 (ja) 車両用アンダーカバー及びその製造方法
JP3216470B2 (ja) 繊維強化樹脂成形品およびその製造方法
JP2976913B2 (ja) 複合長繊維強化熱可塑性樹脂スタンパブルシート及びそれを成形してなるバンパービーム
JPH08224793A (ja) 繊維強化樹脂成形品の製造方法
JP3032584B2 (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂成形品の外観改良方法
EP2298541A1 (en) Moulded automotive part
JPH08226061A (ja) 繊維強化樹脂積層成形品およびその製法
JPH08226059A (ja) 繊維強化樹脂成形品及びその製法
JP3362542B2 (ja) 繊維強化樹脂成形品およびその製造方法
JPH08224794A (ja) 繊維強化樹脂成形品およびその製造方法
JPH10316770A (ja) 抄造法スタンパブルシート、軽量スタンパブルシートおよびその製造方法
JPH06234129A (ja) 複合体の製造方法
JP3032582B2 (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂成形品の外観改良方法
WO2020121945A1 (ja) ウェブ、スタンパブルシート、および膨張成形品
CN110293916B (zh) 机动车辆的隔音组件及相关制造方法
JPH08216308A (ja) 樹脂成形品
JPS6220154B2 (ja)
JPH0261151A (ja) 熱成形性複合材料及びその製造方法
JPH01156562A (ja) 繊維成形体
JP3654723B2 (ja) 成形吸音材およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010703

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070803

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080803

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080803

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090803

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090803

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100803

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110803

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110803

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120803

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120803

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130803

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term