JP3215783B2 - 冷却しながらレーザー照射することによる毛髪の漂白方法及びその実施用の装置 - Google Patents

冷却しながらレーザー照射することによる毛髪の漂白方法及びその実施用の装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は毛髪の漂白方法に関する
ものである。さらに詳しくは、本発明はレーザー照射に
よる毛髪の漂白方法及びこの方法を実施するための装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】毛髪の
色を漂白するか又は薄くする(lighten)ことを目的とし
て、酸化剤、例えば過酸化水素又は過酸塩(これらは毛
髪中に存在する天然及び/又は人工の着色性物質の少な
くとも一部分を分解するものである)を用いた化学的処
理が慣用されることは公知である。
【0003】毛髪を化学的に漂白する慣用の方法は、比
較的強い及び/又は濃厚な酸化剤(該酸化剤は前記の着
色性物質ばかりではなく毛髪のケラチン繊維をも分解す
る効果をもつ)を使用することを必要とする。この結
果、このようにして漂白された毛髪は脆く、次後に注意
て処理しなければならない。
【0004】これらの理由から、種々の化粧処理例えば
天然の毛髪(natural hair)に使用されるパーマネント付
形処理(permanent-reshaping treatment)を、かかる漂
白された毛髪に施すことは不可能である。なぜならば、
これらの処理は毛髪に対して還元剤を比較的高いpH値で
施用し、次いで酸化剤を施用することからなり、これら
の薬剤が毛髪のケラチン繊維に対して著しく攻撃的な影
響(aggressive effects)を及ぼすからである。事実、化
学的手段によって漂白された頭髪に対して慣用のパーマ
ネント付形処理を施すと、回復し得ない毛髪の劣化(deg
radation)を生じ、しかも毛髪の切断さえも生じる。
【0005】これにより、なぜ経験を積んだ美容師が化
学的手段による漂白後に直ちに又は早めにパーマネント
付形操作を行おうとしないが説明される。
【0006】さらに、多くの人々が、いわゆる“強調化
された(highlighted)”(すなわち目立たせた)頭髪、
すなわち全体的に漂白されていないがいくつかの毛髪の
ふさ(locks)のみが漂白されている頭髪を有することを
望んでいる。これは、いわゆる“強調化(highlightin
g)”操作を必要とする。強調化された頭髪の場合は、天
然の毛髪と高度に漂白された毛髪とがこの場合には同じ
頭髪上にあるので、特に扱いにくい。
【0007】本発明は、特別な条件下ですなわちあらゆ
る種類の毛髪について、自然に着色されたか又は人工的
に着色されたかどうかにかかわらず、ケラチン繊維の認
め得る劣化なしに容易に制御し得る強度の漂白を達成す
ることを可能にする条件下で、レーザー光を用いて照射
することにより毛髪を漂白する方法により、前記の種々
の欠点を改善することを可能にする。 前記の処理は極
めて早いものであり得る。さらにまた、このようにして
漂白された毛髪は、漂白する前に有していた機械的性質
及び物理化学的性質を保持する。例えばこのようにし
て漂白された毛髪は、直ちに慣用のパーマネントウェー
ブ組成物を用いたパーマネントウェーブ付与処理に供し
得る。
【0008】レーザー光(laser radiation)を用いた毛
髪の漂白の理論的可能性は技術ニュース文献、Laser Fo
cus,19(No.9),p26(1983年9月)に記載されている。さ
らに、米国特許第4,792,341号明細書には、単位面積当
たりのエネルギー密度を測定することを可能にする実験
装置であって、レーザー光を使用して毛髪のケラチンを
破壊することを可能にする実験装置が記載されている。
実際には、この米国特許明細書には、実際問題として毛
髪の漂白にレーザー照射を応用することを可能にする方
法も装置も記載されていない。
【0009】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】今般、処
理領域の毛髪のふさ(lock)を十分に冷却する限りは、処
理時間を過度に長くしない十分に高いパルス繰返し周波
(pulse repetition frequency)で、パルスの形で放射
されるレーザー光ビームによる照射に、処理すべき毛髪
の複数のふさの部分を連続的に暴露することによって、
毛髪の元の(天然又は人工)色が何であろうと、ケラチン
繊維を劣化させることなく複数の毛髪のふさを漂白する
ことが以外にも可能であることが知見された。
【0010】種々の起源の単離された毛髪(欧州人、日
本人、メキシコ人及び北欧人の天然毛髪)について研究
することにより、単一のレーザーパルス〔ワンショット
ファイヤリング(one-shot firing)〕を用いて、ケラチ
ン繊維を劣化させることなく毛髪の良好な漂白を達成す
るのに必要な光の強さ(luminous power)を調査すること
が可能になった。非常に色の濃いすなわち黒っぽい毛
髪(日本人又はメキシコ人の毛髪)は、所定のパルス持
続時間(pulse duration)に対して単位面積当たりの出力
をさらに上げた場合の前記照射下では、広範囲にわたっ
て(in depth)又は粉々になって(in shatters)十分に漂
白されなかったことが認められた。ワンショットファイ
ヤリングにおいて、用いたパルス持続時間及び調査を受
ける毛髪の種類に対して、ケラチン繊維の粉砕(shatter
ing)を生じない最高ピーク出力よりも小さいピーク出力
を使用することによって、処理する単離毛髪の同じ領域
に対して次々に継続的な発射を次後に行った(パルス繰
返し周波数:10Hz)。単離された毛髪が非常に黒っぽい
毛髪であっても、このようにしてピーク出力を下げるこ
とによって且つ処理する領域に対して数回継続して照射
(pass)を行うことによって、毛髪を損傷させることなく
漂白し得、それによって先ず表面層を漂白し次いで深層
を漂白することが可能になり、結果として毛髪を完全に
漂白し得ることが知見された。
【0011】複数の毛髪のふさについて行った同様の研
究により、10 Hzのパルス繰返し周波数を用いて30秒間
同じ位置で連続的に照射することによって、前記の毛髪
のふさは単離された毛髪の場合には劣化が認められなか
った条件下で漂白される前に溶融するか又は燃えてしま
うことが確認できた。
【0012】しかしながら、毛髪のふさの処理する領域
を、例えば局在化させた気体流を使用して冷却する限り
は、ふさ状に一緒に集められたあらゆる種類の毛髪につ
いて、10Hzよりも大きいパルス周波数(pulse frequenc
y)であっても漂白を達成することが可能であることが知
見された。
【0013】すなわち、次々にパルスの形で発射される
十分なピーク出力をもつレーザー照射であって且つ照射
される部分の毛髪のふさの冷却と組合わされたレーザー
照射は、所望ならば頭髪(locks)の長さ全体にわたって
広範囲にわたって且つあらゆる種類の毛髪について、比
較的高い平均照射出力にもかかわらず毛髪を劣化させる
ことなく合理的な処理時間で均一な漂白を可能にする。
人為的に染められた毛髪を用いても同様の結果が得られ
るかもしれない。この場合には、一般的に、レーザー光
ビームの出力を高めることが必要であり、しかも冷却も
必要である。
【0014】当業者には明白であるように、実際には、
十分に短い時間にわたってメラニン粒子に送達される(d
elivered)エネルギーはメラニンを劣化又は分解するの
に十分に高いものでなければならない。従って、実際に
は、十分に短い時間内に単位面積当たりに送達されるエ
ネルギー密度は、毛髪を漂白することが可能であるのに
十分に高い閾値すなわち限界値に達しなければならな
い。本明細書において“出力(power)”又は“ピーク出
力”と言う場合には、これは重要な各パルスの間に送達
されるエネルギーを意味する用語であることが理解され
るべきであり、従って、天然の毛髪を漂白する場合に
は、パルス持続時間〔しかしながら、それは約百万分の
1秒(おおよそのメラニンの緩和時間,relaxation tim
e)以下でなければならない〕を考慮に入れる必要があ
る。
【0015】また、染められていない毛髪に関するかぎ
り、レーザー光の出力を毛髪の本来の色に適合させるこ
とによって操作を行うかぎりは、人工的に着色された毛
髪を同様に漂白することが可能であることも知見され
た。合成染料の分解に相当する適当な漂白を行い得るの
は、メラニンの分解に応じてこの予備工程を行った直後
にである。事実、合成染料の分解にはメラニンの分解よ
りも高いエネルギーを必要とするので、該染料を直接に
分解することを望む場合には、前述した実験におけるよ
うに毛髪がケラチン繊維の粉砕によって破壊されるであ
ろう。
【0016】さらにまた、老人のある者は、実際に魅力
のない黄色がかった色合いをもつ“白い”髪を有してい
ることが知られている。本発明の方法はこの黄色がかっ
た色を純白に変えることを可能にする。
【0017】従って、本発明の要旨によれば、少なくと
も毛髪の一ふさ又は該毛髪のふさの一部分に毛髪を漂白
するのに十分な出力のレーザー光ビームを使用して照射
することによって少なくとも毛髪の一ふさ又は該毛髪の
ふさの一部分を少なくとも部分的に漂白する方法であっ
、前記の毛髪のふさの一部の領域を、少なくとも5Hz
の周波数でパルスの形態で放出されるレーザー光ビーム
を使用して照射することによって処理して毛髪中のメラ
ニンを分解することにより、前記領域の毛髪を少なくと
も部分的に漂白すること及び前記の漂白処理中は処理す
る領域の毛髪を冷却して毛髪を損傷し得る局部的過熱を
防止することを特徴とする毛髪の漂白方法が提供され
る。また、少なくとも毛髪の一ふさ又は該毛髪のふさの
一部分に毛髪を漂白するのに十分な出力のレーザー光ビ
ームを使用して照射することによって少なくとも毛髪の
一ふさ又は該毛髪のふさの一部分を少なくとも部分的に
漂白する方法であって、 前記の毛髪のふさの一部の領域
を、少なくとも10Hzのパルス周波数でパルスの形態で放
出されるレーザー光ビームを使用して照射することによ
って処理して毛髪中のメラニンを分解することにより、
前記領域の毛髪を少なくとも部分的に漂白すること、
記レーザー光ビームに対して前記の毛髪のふさを相対運
動させることによって毛髪の別の1つ又はそれ以上の領
域を同様の方法で連続して処理して、そのようにして前
記の毛髪のふさの部分の全体を処理すること、及び 前記
の漂白処理中は処理する領域の毛髪を冷却して毛髪を損
傷し得る局部的過熱を防止することを特徴とする毛髪の
漂白方法が提供される。 さらにまた、少なくとも毛髪の
一ふさ又は該毛髪のふさの一部分に毛髪を漂白するのに
十分な出力のレーザー光ビームを使用して照射すること
によって少なくとも毛髪の一ふさ又は該毛髪のふさの一
部分を少なくとも部分的に漂白する方法であって、 前記
の毛髪のふさの一部の領域を、少なくとも10Hzのパルス
周波数でパルスの 形態で放出されるレーザー光ビームを
使用して照射することによって処理して毛髪中のメラニ
ンを分解することにより、前記領域の毛髪を少なくとも
部分的に漂白すること、 前記レーザー光ビームに対して
前記の毛髪のふさを相対運動させることによって毛髪の
別の1つ又はそれ以上の領域を同様の方法で連続して処
理して、そのようにして前記の毛髪のふさの部分の全体
を処理すること、 前記の処理を前記の毛髪のふさの一部
分について所望の漂白の程度が得られるまで反復するこ
と、及び 前記の漂白処理中は処理する領域の毛髪を冷却
して毛髪を損傷し得る局部的過熱を防止することを特徴
とする毛髪の漂白方法が提供される。
【0018】レーザーは、選択的な方法で原子に対して
エネルギーを送達するポンピング(pumping)機構によっ
て増幅される活性媒体から本質的に構成されるものであ
ることが知られている。前記活性媒体は共振空洞中に収
容されているものである。この場合、活性媒体は実質的
に単色の(monochromatic)、偏光化された、コヒーレン
トな光線(light beam)を放射し得る。このコヒーレンス
のゆえに、レーザー光ビームは慣用の光源によって放射
されるエネルギーよりも著しく大きいエネルギーを集中
する。
【0019】ある種のレーザー、特に固体状活性媒体を
用いたレーザーは、極めて短いパルス〔一般的に10-15
秒(femtosecond)〜10-8秒〕の形態でレーザー光を発射
することが可能である。かかる短い時間間隔にエネルギ
ーを集中すると、ピーク出力と呼ばれるかなりの出力の
レーザーパルスを生じる。本発明の方法では、制御され
たパルスの発生を可能にするレーザーを使用するのが好
ましい。例えば、ルビーレーザーであるか、あるいは活
性媒体が希土類元素又はアクチニド元素のイオンを含む
ものであるレーザー例えばネオジミウム型レーザーを使
用することが可能である。かかるレーザーの構成は周知
である。前記の活性イオンは、結晶質マトリックス、例
えばイットリウム アルミニウム ガーネット(略してY
AG)中に挿入し得るし又は無定形マトリックス例えば
ガラス中に挿入し得る。パルス繰返し周期すなわちパル
ス繰返し数はポンピング・フラッシュランプを用いて調
整される。利用し得るエネルギーは慣用の装置、特に偏
光子(polarizer)を用いて調整し得る。
【0020】近紫外線領域、可視領域又は近赤外線領
域、例えば300〜1100nmの波長において放射されるレー
ザーを使用するのが好ましい。例えば、おそらく例えば
532 nmの波長の放射(2倍の周波数)又は355 nmの波長
の放出(3倍の周波数)を得ることを可能にする周波数
逓倍器(frequency multiplier)を用いて1.06μmで放射
するネオジミウム-YAGレーザーを使用することが可
能である。
【0021】ピーク出力/パルス持続時間の一組(例え
ば、所定のパルス持続時間に対するレーザー光ビームの
ピーク出力)の測定は、それぞれの場合において簡単な
常用実験によって行い得る。
【0022】前記ピーク出力はメラニン及び場合によっ
ては合成染料を漂白するのに十分なものでなければなら
ない。ピーク出力は問題とする毛髪を損傷する出力より
も小さいものでなければならない。メラニンを漂白する
ためには、毛髪の本来の色及び起源に応じて、これが染
められた毛髪であっても、例えばパルス当たりにつきほ
ぼ0.1〜1.2 J/cm2 の範囲内であり得るエネルギ密度
を送達するピーク出力を使用することが可能である。さ
らに詳しくは、1パルス当たり下記の最大エネルギー密
度:すなわち めて濃い褐色の毛髪(日本人又はメキ
シコ人型の毛髪)については0.35J/cm2 いくり色(chestnut)の毛髪については0.4 J/cm2 いくり色の毛髪については0.5 J/cm2 の濃い金髪については0.7 J/cm2 色の淡い金髪については1.2 J/cm2 越えないことが望ましい。
【0023】エネルギー密度に関して前記に挙げた種々
のデータは、532nm の波長のレーザー光について確認さ
れたものである。使用するレーザー光の波長が異なる場
合には、以下の実験の部においてさらに詳しく説明する
ように補正係数λ/532 を用いねばならない。
【0024】さらに、種々の毛髪の色は輝度(L)を用
いてC.I.E(国際照明委員会)の表色(L、a、b)座標系
に従って客観的に定義し得る。本明細書に挙げた毛髪の
色は下記の輝度(luminance)範囲に相当する。毛髪の種類 L 日本人又はメキシコ人の毛髪 18未満 濃いくり色の毛髪 18〜20 淡いくり色の毛髪 22〜24 色の濃い金髪 28〜35色の淡い金髪 45〜52
【0025】前述の方法(これは毛髪中のメラニンを分
解することによる少なくとも部分的な漂白に対応する)
は、あらゆる場合において、たとえ着色剤で染めてある
毛髪を処理する場合であっても実施しなければならな
い。後者の場合には、該漂白方法は、前記の工程と同様
の工程であるが着色剤を破壊又は分解するのに十分なよ
り高いエネルギー密度を送達するレーザー光によるもの
である追加の毛髪の照射工程からなる。このエネルギー
密度は特に少なくとも0.8 J/cm2 に匹敵する。該エネル
ギー密度は一般的に532nm において2J/cm2 未満であ
る。
【0026】メラニンを分解する予備工程を実施するた
めには、必要とされること全ては、処理すべき染められ
た毛髪の本来のの色を知ることにあり、次いでこの本来
の色を有する毛髪に適した照射条件が適用される。前記
条件は予め簡単な常用実験によって決定される。
【0027】毛髪が耐え得る最大ピーク出力は毛髪の色
に左右される。前記のように、該ピーク出力が余りにも
高すぎる場合には、ケラチン繊維が粉々になる(shatte
r)。従って、最小ピーク出力と最大ピーク出力との間で
操作することが可能であり、これは毛髪の種類に左右さ
れる。パルスの周期すなわちパルス周波数は例えば1,00
0Hzまで、特に10〜100 Hz近辺の範囲であり得る。発生
した熱を取り除いて毛髪の熱劣化を防止する冷却装置の
能力は、パルスの周波数(それ自体が処理時間を条件付
ける)の選択に十分に適合するものでなければならな
い。
【0028】パルスの持続時間すなわちパルス間隔は、
例えば10ピコ秒から100ナノ秒までの範囲に及び得る。
本発明の方法は、ふさ状の頭髪を該頭髪のふさの領域を
連続的に照射することによって漂白することを要するこ
とは明らかである。一般的に、この照射領域は0.1〜2c
m2 の範囲内で変化させ得る。
【0029】従って、本発明の方法は強調化された頭髪
を得るのに特によく適している。レーザー光ビームに対
して毛髪のふさを相対運動させることによって漂白すべ
き領域を連続して処理するためには、処理に使用する装
置に対して毛髪のふさを移動させること又はその逆の場
合が可能であるし、及び/又はレーザー光ビームの方向
を周期的に変えて処理する領域の連続走査を行うことが
可能である。このレーザー光ビームの方向を周期的に変
えることは、例えば振動鏡(oscillating mirror)を使用
して達成し得る。
【0030】特に、流体を循環させることによって、処
理する領域の毛髪を冷却することが可能である。発生し
た熱を除去するための最も簡単な解決策は、例えば空気
中で吸引することによって又は場合によってはできる限
り予め冷却された気体、例えば空気、窒素、二酸化炭素
などを吹き付けることによって、処理する領域で毛髪を
洗う(bathing)ガス流を作り出すことである。勿論、水
蒸気を含んだ気体又は液状粒子(エアゾール)例えば水
滴を含んだ気体を使用することが可能である。処理した
毛髪は乾燥させてもよいし又は濡れていてもよい。
【0031】処理した毛髪のふさを良好な条件のもとで
漂白し得るためには、この毛髪のふさを毛髪のリボンの
形に整えることが好ましく、その場合には該リボンの面
の少なくとも一方の面を照射することによって、処理す
る領域の毛髪を漂白することが可能である。毛髪のリボ
ンの厚みは毛髪を約3〜20本重ねた厚みに相当するもの
であるのが好ましい。
【0032】本発明の具体的な態様によれば、本発明の
方法は、理すべき毛髪のふさの受け口(receptacle)を
有する処理装置であって、前記受け口の表面が前記レー
ザー光ビームの出口用のオリフィスを有するものである
該処理装置を使用して前記操作を行うものであること、
ボンの形で広げられた前記の毛髪のふさを、その長さ
全体の少なくとも一部分にわたって、毛髪の処理すべき
領域が前記オリフィスに向かい合う反対側にあるように
前記受け口の表面に当てること いで前記領域にレ
ーザー照射を行うこと、及び記の毛髪のふさをレーザ
ー光ビームに対して相対運動させることにより、処理す
べき毛髪の別の領域のレーザー照射を連続的に行うこと
を特徴とする。
【0033】かかる実施を可能にする装置を以下に説明
する。この装置に関して、レーザー光ビームに対する毛
髪のふさの相対運動は、前記のように前記受け口に対し
て前記毛髪のふさを相対運動させることによって及び/
又はレーザー光ビームの方向を周期的に変えることによ
って達成し得る。
【0034】レーザー光ビームを用いた照射による毛髪
の漂白の利点の一つは、生じる漂白を連続的に監視し且
つ選択された漂白の度合いで処理を停止することが可能
であることである。
【0035】冷却手段の調整、例えば処理する領域の毛
髪を冷却するための気体流の流速は散逸される(dissipa
ted)平均出力の関数として簡単な常用実験によって決定
し得る。処理すべき毛髪の検体について予め試験を行う
ことによって各々の場合におけるこの測定を行うことも
可能である。
【0036】前記のように、レーザー照射漂白の主な利
点は、毛髪が劣化されずしかも毛髪が処理される前に有
していた機械的性質及び物理化学的性質が保持されるこ
とである。この点で、このようにして漂白された毛髪に
対して、特別な予防措置を講じることなく別の処理を施
すことが可能であることから、相当な利点がある。
【0037】従って、本発明の別の要旨によれば、前記
の毛髪漂白方法を実施するための装置が提供される。こ
の装置は け口を備えたボディーすなわち胴体部(但
し、前記受け口は、毛髪の長さ全体のうちの少なくとも
一部分にわたって、処理すべき毛髪のふさ用の収納部
して機能するものであり、前記の毛髪のふさはリボンの
形で広げられているものである)と; 記の受け口に配置された毛髪のふさの少なくとも一つ
の領域で照射するようにレーザービームを伝播するため
の手段と; つ又は複数の照射領域で前記毛髪を冷却するための手
段とを有することを特徴とする。
【0038】具体的な態様においては、この装置は、下
記の特徴:すなわち記の毛髪を冷却するための手段が
圧縮空気供給装置又は吸引装置に連結された導入管を使
用して気体流を作り出すための手段を有すること; 記受け口が、幅広の底部を有する溝であって該底部上
に前記リボンを広げることを可能にする溝を有するもの
であること; 記の溝は、共同して機能する形状をもつ部材であって
噛合わせを解き得る部材(disengageable piece)と組合
わせ得るものであり、該部材は該部材と該 溝の底部と
の間に前記リボン用の収納部を形成する空間を残して前
記溝に嵌合し得るものであること; 但し、前記部レバ
ー(これは前記受け口に処理すべき毛髪のふさを導入す
ることを可能にする材は例えばか又は該受け口から毛髪
のふさを取出すことを可能にする)を作動させることに
よって噛合わせを解き得るものであり; 前記溝の底部
及び/又は該底部と向かい合った前記部材の一方の面
は、照射されるべき領域上にレーザー光ビームの出口用
オリフィスを有し得るものであり;同様に、前記溝の底
部又は該底部と向かい合った前記部材の一方の面は気体
流を(吸引するか又は吹き付けることによって)作り出
すためのオリフィスを有し得るものであること; の態様においては、前記受け口は前記ボディーの表面
で現われる細いスロットであってその幅の全体にわたっ
て前記リボンの挿入を可能にするのに十分な深さをもつ
細いスロットの形状の溝を有すること;第1の態様につ
いて前述した方法と同様の方法で、前記の細いスロット
はレーザー光ビームの出口用オリフィスを構成し得;且
つ前記の細いスロットの向かい合う反対側の面のうちの
少なくとも一方の面は気体流を作り出すためのオリフィ
スを構成し得ること; を単独で有するか又は必要ならば組み合わせて有し得
る。
【0039】最後に、レーザー通溝と、気体流を作り出
すための導入管とは一致していてもよいということが認
められるべきである。もちろん、受け口は光が漏れない
狭い空間を形成させて、レーザー光が使用者又はその顧
客に対して被害を及ぼすことを防止しなければならな
い。
【0040】本発明を添付の図面を参照して説明する。
図1は本発明の装置の第1の態様の略図であり、該装置
はその一端に幅広の底を有する溝の形状の受け口と、そ
れと共同して機能する部材すなわち共同部材(cooperati
ng piece)であってレバーによって作動され得る部品と
を有するものであり;図2は図1の装置の前記端部であ
って前記受け口を有する端部を上からみた部分図であ
り;図3は図1の装置の前記の共同部材の端部を下から
みた部分図であり;図4は図1の装置の使用方法を例示
した略図であり;図5は細いスロットの形状の受け口を
もつ本発明の装置の第2の態様の断面図であり;図6は
図5の装置の垂直方向縦断面図であり;図7は図5の装
置の使用方法を示す略図である。
【0041】図1は、前記の装置が部分的に中空状の伸
張胴体部(1)を有し、その前端部(1a)であって該胴体よ
りも小さい横断面をもつ前端部(1a)が、平坦な底をもつ
溝(2)の形状をもつ受け口から構成されることを表わ
す。レーザー光ビーム用の導入管(3)は鏡(4)によって鋭
く反射された後に溝(2)の底部で外部に現われ、溝の壁
(2)の表面で出口窓(3a)を形成する。点線(3b)は胴体部
(1)内部のレーザー光ビームの伝播を図示するものであ
るか又は導光管(lightguide)を表わし得る。
【0042】共同して機能する部材すなわち共同部材
(5)は軸(6)の回りを動き得、戻し手段例えば引っ張りば
ね(図示されていない)によって受け口にしっかり噛み
合った(engaged)状態に保たれ、しかもその後端部に取
り付けられたレバー(7)を作動させることによって噛み
合わせを解き得る。フレキシブルチューブ(8)は圧縮空
気供給機(図示されていない)に連結され、オリフィス
(8a)を介して前記共同部材(5)の面(9)であって前記溝の
底部と反対側の面(9)で外部に現われる。胴体部(1)の後
部すなわち背部は運転者によって握られるべき該装置用
の取手として機能する。毛髪を漂白するためには、前記
部材(5)の噛み合わせを解き、図4に示されるようなリ
ボンの形状で配置された毛髪のふさ(10)を配置し、次い
で該部材(5)を前記溝の中に再度噛み合わせる。従っ
て、毛髪のふさは前記の面(2)と面(9)の間の空間に配置
され、レーザーエミッター(図示されていない)及び冷
却装置が作動され、前記装置は前記毛髪のふさに対して
(又はその逆に)移動されて処理すべき毛髪のふさ全体
又は該ふさの一部分を連続して漂白する。移動はあまり
遅すぎないものであり、例えば1秒当たり概略0.1〜5c
mの速度で行い、これを連続したパス(passes)で行うの
が好ましく、それによって良好な安全条件のもとで漂白
の進度を極めて容易に監視することが可能になる。しか
しながら、有効な冷却によってより遅い速度移動又は不
連続な移動を使用することも可能である。
【0043】前記装置の胴体部は適切な材料、例えば軽
金属例えばアルミニウム製又はプラスチック製であり得
る。前記チューブ(8)は、慣用のフレキシブルチューブ
である。該チューブは圧縮空気供給機の代わりに吸引装
置に連結されていてもよい。
【0044】図5及び図6に示される装置は伸張胴体部
(11)から構成されるものであり、その前部のみが示され
ており、取手を形成する後部(すなわち背部)は示され
ていない。胴体部(11)の端部はスロットによって分離さ
れた2つの分岐(11a)及び(11b)に分割され、該スロット
の反対側の面(12)及び(13)は図7に示されるように配置
された毛髪のふさ(14)のハウジングを構成する。第1の
態様におけるように、レーザー通溝(15)は該スロットの
面(13)で外部に現われ、鏡(16)で反射された後に、圧縮
空気供給機に連結された通溝(17)は(17a)において壁(1
2)の表面で外部に現われる。
【0045】この装置は前記の装置と同様にして使用さ
れる。レーザー光ビームを制御するためのユニット(単
位装置)と冷却管を制御するためのユニット(単位装
置)(これらは連結させ得る)とは該装置上に取り付け得
るし、あるいは恐らくは足で作動させ(foot-aculated)
得る別の制御単位装置に取り付け得る。また、処理すべ
き毛髪のふさの色の関数としてレーザー出力を作動する
ように取り付ける(slaving)ための装置を提供すること
が可能であり、この取り付けは色を適切な検出器によっ
て読み取った後に自動的に行うことが可能である。
【0046】
【実施例】本発明を以下の実施例により例証する。実施例1 本実施例及び以下の諸実施例では長さ20cmの毛髪のふさ
0.25g を使用した。使用した装置は図1に示した型の装
置である。レーザー光源は、波長532 nm、発射周波数1
Hz、ビーム直径5mm、パルス持続時間すなわちパルス間
隔4nsをもつSurelite Continuumレーザーである。この
装置を用いて、処理すべき毛髪の色に対応する最適漂白
範囲を調べた。◎1パルスについてのcm2 当たりのエネ
ルギーの範囲は、毛髪を効果的に漂白するのに使用し得
る範囲である。前記エネルギー範囲が下記の最小値より
小さい場合には漂白は認められなかった。前記エネルギ
ー範囲が下記の最大値を越える場合には、個々の毛髪の
繊維が粉々になるか又は大破する(crack up)(毛髪の損
傷はその大きさに応じて双眼拡大鏡、顕微鏡又は電子顕
微鏡を用いて肉眼で見ることが可能である)。得られた
結果を下記の表(I)に示す。 表(I) 毛 髪 1パルス当たりのエネルギー/cm2 (J/cm2 日本人の毛髪 0.2 〜0.35 濃いくり色の毛髪 0.2 〜0.42 淡いくり色の毛髪 0.15〜0.5 色の濃い金髪 0.15〜0.7 色の淡い金髪 0.1 〜1.2
【0047】さらに、メラニンによる光(luminous)エネ
ルギーの吸収は、波長と共に変化する。波長が増大する
と、波長が増大した際のより高い発生エネルギー密度に
毛髪が分解することなく耐えるような要領で前記吸収が
低下する。実験調査により、波長λの放射に対して毛髪
がケラチン繊維が粉々になることなく耐え得る最大エネ
ルギー密度は、実質的に前記の表に示したエネルギー密
度であって、係数λ/532 (式中、λはナノメーターす
なわちnmで表わされる)が乗じられたエネルギー密度で
あることが明らかにされた。また、この波長に関する変
動の原則は発生エネルギー密度と漂白効率との間の関係
についても有効である。波長λについて所定の種類の毛
髪を漂白することが可能であるネエルギー密度は、532
nmの波長の放射を用いて達成されるべき同様の漂白を可
能にするエネルギー密度であって、前記係数λ/532 が
乗じれたエネルギー密度に実質的に相当する。
【0048】人工的に着色された毛髪については、極め
て高いエネルギー密度、一般的にパルス当たり0.8 J/cm
2 に相当するエネルギー密度を使用することが必要であ
る。毛髪が予め漂白されることなく着色されている場合
には、その本来の色を考慮に入れなければならない。例
えば、毛髪の本来の色が淡いくり色であった場合には、
先ず0.5 J/cm2 以下のエネルギー密度(前記の表1参
照)を使用してメラニンを漂白する必要がある。さらに
高いエネルギー密度(1J/cm2 又はそれ以上)を使用し
て合成染料を分解することが可能であるのはその直後で
ある。この高いエネルギー密度を最初から適用した場合
には、毛髪は粉々になるであろう。
【0049】実施例2 波長532 nm、発射周波数50Hz、ビーム直径8mm、パルス
持続時間7nsをもつSpectra-Physics Laser Quanta Ray
レーザーを使用した以外は、実施例1に記載のようにし
て操作を行った。1秒当たり0.5リットルの空気流で冷
却を行った。この装置については、濃いくり色の毛髪の
最適漂白に対応する単位面積当たりのピーク出力は約40
MW/cm2 、すなわち0.3 J/cm2 の単位面積当たりのエネ
ルギーである。
【0050】実施例3 次の特性、すなわち波長523 nm、発射周波数20Hz、ビー
ム直径3mm、パルス持続時間30ns、ヘリウム冷却をも
つBMIレーザーを使用した以外は、前記のようにして操
作を行った。0.28J/cm2 の単位面積当たりのエネルギー
を用いて濃いくり色の毛髪の最適漂白が達成された。ヘ
リウムを遮断することによって操作を行った場合に
は、拡大鏡又は顕微鏡を用いて肉眼で見ることが可能
な、薄片(scales)の融合を伴った毛髪の劣化が認められ
た。
【0051】実施例4 実施例1に記載の装置を用いて、長さ20cmの毛髪のふさ
0.2gを、この毛髪のふさに沿って漂白用こて(tongs)を
徐々に移動させることによって漂白した。 空気冷却:1秒当たり0.25リットルの流速 パルス周波数:10 Hz 濃いくり色の毛髪と、約5分を要する毛髪全体のパス(p
ass)(すなわち前記装置を毛髪全体を移動させる時間)
とを用いて、パルス当たり0.35J/cm2 のエネルギーに相
当するピークエネルギーを使用して5回通した後に完全
な漂白が得られた。色の淡い金髪については、約1分続
く1回のパスの後に、完全な漂白が得られた。濃いくり
色の毛髪を用いて、天然の毛髪、レーザー光によって染
められた毛髪及び化学的手段(過酸化水素)により漂白
された毛髪についてアルカリ溶解性の測定を行った。ア
ルカリ溶解度は毛髪の劣化の状態を特徴づけるのに役立
つ。前記毛髪のふさそれぞれを0.1 N の水酸化ナトリウ
ム溶液中に65℃で30分間浸し、次いで蒸留水中に5分間
浸すことによって3回すすぎ、最後に一定重量に達する
まで105 ℃でオーブン乾燥した。毛髪の重量損失(%で
表わされる)はアルカリ溶解性に相当する。また、シス
テイン酸についても測定を行った。毛髪を酸媒体中で熱
加水分解処理した後に、溶液に変化したシステイン酸の
量を、イオン交換樹脂上で該アミノ酸を分離し、次いで
ニンヒドリンを使用して呈色反応を行うことによって測
定した。天然の毛髪については、システイン酸の量は0
〜0.8 %であり、劣化した毛髪についてはこの量が増大
した。レーザー漂白はアルカリ溶解性又はシステイン酸
含有量を実質的に変化させないが、これらの値は化学的
手段で漂白した後には著しく増大することが認められ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置の第1の態様を示す略図である。
該装置はその一端に、幅広の底部を有する溝の形状の受
け口と、それと共同して機能する部材すなわち共同部材
であってレバーによって作動され得る共同部材とを有す
る。
【図2】図1に示した装置の、前記受け口を有する端部
を上からみた部分図である。
【図3】図1の装置の前記共同部材の端部を下からみた
部分図である。
【図4】図1の装置の使用方法を例示した略図である。
【図5】本発明の装置の第2の態様であって細いスロッ
トの形状の受け口をもつ装置の断面図である。
【図6】図5の装置の垂直方向縦断面図である。
【図7】図5の装置の使用方法を示す略図である。
【符号の説明】
1、11 部分的に中空状の伸張胴体部 1a 前端部 2 溝 3 レーザ
ー光ビーム導入管 3a 出口窓 4、16 鏡 5 共同部材 6 軸 7 レバー 8 フレキ
シブルチューブ 8a オリフィス 9 共同部
材の作用面 10、14 毛髪のふさ 11a,11b 分岐 12、13 スロットの面 15 レーザ
ー通溝 17 通溝
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−71166(JP,A) 特開 平8−59445(JP,A) 特開 平4−97703(JP,A) 特表 平4−502630(JP,A) 国際公開91/6279(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A45D 19/00

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも毛髪の一ふさ又は該毛髪のふ
    さの一部分に毛髪を漂白するのに十分な出力のレーザー
    光ビームを使用して照射することによって少なくとも毛
    髪の一ふさ又は該毛髪のふさの一部分を少なくとも部分
    的に漂白する方法であって、前記の毛髪のふさの一部の
    領域を、少なくとも10Hzのパルス周波数でパルスの形態
    で放出されるレーザー光ビームを使用して照射すること
    によって処理して毛髪中のメラニンを分解することによ
    り、前記領域の毛髪を少なくとも部分的に漂白すること
    及び前記の漂白処理中は処理する領域の毛髪を冷却して
    毛髪を損傷し得る局部的過熱を防止することを特徴とす
    る毛髪の漂白方法。
  2. 【請求項2】 前記の処理する領域の毛髪を流体の循環
    によって冷却するものである請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記毛髪を、処理する領域の毛髪を洗う
    気体流を作り出すことによって冷却する請求項2に記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 1パルス当たりにつき、毛髪のケラチン
    繊維が損傷を受ける閾値以下のエネルギ密度を提供
    るレーザー光を用いて漂白処理を行うものであり、前記
    閾値は処理すべき毛髪の本来の色が濃ければ濃いほど低
    いものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 前記エネルギ密度が532nm において0.
    1〜1.2 J/cm2 である請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記操作が1パルス当たり下記の最大エ
    ネルギー密度:すなわち 本人型の毛髪については0.35 J/cm2 いくり色の毛髪については0.4 J/cm2 いくり色の毛髪については0.5 J/cm2 の濃い金髪については0.7 J/cm2 の淡い金髪については1.2 J/cm2 越えないように行われることからなり、但し、前記エ
    ネルギー密度の値は532nmの波長のレーザー光について
    示される値であり、使用されるレーザー光が532nm以外
    の波長λ(ナノメーターすなわちnmで表わされる)を有
    する場合にはλ/532 に相当する補正係数が乗じられね
    ばならないものとする、請求項1〜5のいずれか1項に
    記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記操作は、1パルス当たりにつき下記
    のエネルギー密度(ジュール/cm2):すなわち 本人型の毛髪については0.2〜0.35 J/cm2 いくり色の毛髪については0.2〜0.4 J/cm2 いくり色の毛髪については0.15〜0.5 J/cm2 の濃い金髪については0.15〜0.7 J/cm2 の淡い金髪については0.1〜1.2 J/cm2 のエネルギー密度が得られるように行われることからな
    り、但し、前記エネルギー密度の値は532 nmの波長のレ
    ーザー光について示される値であり、使用されるレーザ
    ー光が532 nm以外の波長λ(ナノメーターすなわちnmで
    表わされる)を有する場合にはλ/532 に相当する補正
    係数が乗じられねばならないものとする、請求項1〜6
    のいずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 さらに前記漂白工程の間に、処理すべき
    毛髪が着色剤で染めてある場合には、毛髪の照射の追加
    の工程を前記請求項1〜7のいずれかに1項に記載の方
    法と同様の方法で行い、しかも該着色剤を分解又は劣化
    させるのに十分な高いエネルギー密度で行う、請求項1
    〜7のいずれかに1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記の高いエネルギー密度が、532 nmに
    おける1パルス当たりエネルギー密度0.8 J/cm2 に少な
    くとも相当するものである請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の漂白方法を実施する
    ための装置であって、 け口(2)を備えたボディーすなわち胴体部(1)(但し、
    前記受け口は、毛髪の長さ全体のうちの少なくとも一部
    分にわたって、処理すべき毛髪のふさ用の収納部として
    機能するものであり、前記の毛髪のふさはリボンの形で
    広げられているものである)と; 記の受け口に配置された毛髪のふさの少なくとも一つ
    の領域で照射するようにレーザービームを伝播するため
    の手段(3、3b、4、3a)と; つ又は複数の照射領域で前記毛髪を冷却するための手
    段(8、8a)とを有することを特徴とする装置。
  11. 【請求項11】 前記の毛髪を冷却するための手段が気
    体流を作り出すための手段から構成されるものである請
    求項10に記載の装置。
  12. 【請求項12】 前記受け口が、幅広の底部を有する溝
    (2)であって該底部上に前記リボンを広げることを可能
    にする溝を有するものである請求項10又は11に記載の装
    置。
  13. 【請求項13】 前記溝の底部及び/又は該底部と向か
    い合った前記部材の一方の面は、照射されるべき領域上
    にレーザー光ビームの出口用オリフィスを有するもので
    ある請求項12に記載の装置。
  14. 【請求項14】 前記溝の底部又は該底部と向かい合っ
    た前記部材の一方の面は気体流を作り出すためのオリフ
    ィス(8a)を有するものである請求項12又は13に記載の装
    置。
  15. 【請求項15】 少なくとも毛髪の一ふさ又は該毛髪の
    ふさの一部分に毛髪を漂白するのに十分な出力のレーザ
    ー光ビームを使用して照射することによって少なくとも
    毛髪の一ふさ又は該毛髪のふさの一部分を少なくとも部
    分的に漂白する方法であって、 前記の毛髪のふさの一部の領域を、少なくとも10Hzのパ
    ルス周波数でパルスの形態で放出されるレーザー光ビー
    ムを使用して照射することによって処理して毛髪中のメ
    ラニンを分解することにより、前記領域の毛髪を少なく
    とも部分的に漂白すること、 前記レーザー光ビームに対して前記の毛髪のふさを相対
    運動させることによって毛髪の別の1つ又はそれ以上の
    領域を同様の方法で連続して処理して、そのようにして
    前記の毛髪のふさの部分の全体を処理すること、及び
    記の漂白処理中は処理する領域の毛髪を冷却して毛髪を
    損傷し得る局部的過熱を防止することを特徴とする毛髪
    の漂白方法。
  16. 【請求項16】 少なくとも毛髪の一ふさ又は該毛髪の
    ふさの一部分に毛髪を漂白するのに十分な出力のレーザ
    ー光ビームを使用して照射することによって少なくとも
    毛髪の一ふさ又は該毛髪のふさの一部分を少なくとも部
    分的に漂白する 方法であって、 前記の毛髪のふさの一部の領域を、少なくとも10Hzのパ
    ルス周波数でパルスの形態で放出されるレーザー光ビー
    ムを使用して照射することによって処理して毛髪中のメ
    ラニンを分解することにより、前記領域の毛髪を少なく
    とも部分的に漂白すること、 前記レーザー光ビームに対して前記の毛髪のふさを相対
    運動させることによって毛髪の別の1つ又はそれ以上の
    領域を同様の方法で連続して処理して、そのようにして
    前記の毛髪のふさの部分の全体を処理すること、 前記の処理を前記の毛髪のふさの一部分について所望の
    漂白の程度が得られるまで反復すること、及び 前記の漂
    白処理中は処理する領域の毛髪を冷却して毛髪を損傷し
    得る局部的過熱を防止することを特徴とする毛髪の漂白
    方法。
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