JP3215598U - 把持機能付き石鹸 - Google Patents
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Abstract
【課題】使用時に石鹸を安定且つ持続して把持可能であって、手から滑り落ちることなく快適に使用することが可能な把持機能付き石鹸を提供する。【解決手段】所用の形状、大きさ、厚さを有する固形石鹸11において、環状を為す把持部材12の一部が固形石鹸11を貫通して埋設されて成る。把持部材12は、例えば伸縮可能な弾性部材から成り、固形石鹸11を周回して環状を為す。固形石鹸11と把持部材12との間に手を挿嵌することで、固形石鹸11が手から滑り落ちることなく、安定且つ持続して把持可能となる。【選択図】図1
Description
本考案は、石鹸に関し、詳しくは、把持機能を備える固形石鹸に関するものである。
近年、洗浄剤として、液体、顆粒タイプ等、色々な形態の製品が利用されているが、固形石鹸を利用する場合も多い。固形石鹸は、洗浄剤を直方体や円柱の形に固めたものである。液体、顆粒タイプは、防湿等のため、ケース、箱に入れるような管理が必要であるが、固形石鹸は、露出した状態で放置しても劣化が少なく管理面で便利である。
固形石鹸は、使用時に、洗浄の対象や、洗浄用タオルに、固形石鹸の面を擦りつけることで、洗浄剤を少しづつ、対象物等に塗布する方法が一般的である。その際、固形石鹸を手に持ち、対象物等に擦りつけることとなるが、固形石鹸自体が滑りやすい。そのため、注意を払わないと、固形石鹸を滑り落としてしまう場合もあった。
これらの問題を解消するために、使用時に石鹸の安定的な把持を持続できる技術が求められていた。
このような問題に対して、従来からも様々な技術が提案されている。例えば、固形石鹸を使用開始時と同程度の洗浄力を保ったまま最後まで使い切る技術(特許文献1参照)が提案され、公知技術となっている。より詳しくは、板体が、石鹸における厚み方向に対向する2つの面に装着され、石鹸における厚み方向に対向する2つの面の中央の表層部分を水により溶かし、水により溶かした表層部分に当該板体の裏面を貼り合わせ、当該表層部分と当該板体の裏面との間の水溶液を乾かすことによって、板体と装着対象の固形石鹸と一体化するものである。
この技術により、石鹸の表面に板体が装着されているので、石鹸使用時に石鹸のすべりを防止することができる。しかしながら、水により溶かした表層部分に当該板体の裏面を貼り合わせる態様を採るため、その初期段階で無駄に石鹸を溶かす必要があると共に、使用中に貼り合わせた箇所が水で溶けて板体が外れてしまうといった問題があり、前記課題の解決には至っていない。
また、把持するに適当な大きさのホルダー本体の一面に、湿潤状態にある固型石鹸の表層部に喰い込みが可能な程度の硬さを持つプラスチツク糸から構成されたアンカー部付刺状部の多数を、分散突設してなる固型石けんホルダー(特許文献2参照)が提案され、公知技術となっている。
この技術により、石鹸の表面にホルダーの一部である突起を食い込ませることで、ホルダーと石鹸を一体化し、石鹸使用時に石鹸のすべりを防止することができる。しかしながら、湿潤状態にある固型石鹸の表層部にアンカー部付刺状部を喰い込ませる態様を採るため、その初期段階で石鹸を湿潤状態にすべく無駄に溶かす必要があると共に、使用中に喰い込ませた箇所が水で溶けてアンカー部付刺状部が外れてしまうといった問題があり、前記課題の解決には至っていない。
また、石鹸の一面に冠せるハンドルカバー内面に薄板又は細い針金を2〜5mm位の高さに多数適当な間隔を置いて植付け(又は突出)させてこの板針群内に石鹸の一面を押込んで石鹸の支持体とする技術(特許文献3参照)が提案され、公知技術となっている。
この技術により、石鹸の一面に複数の突起を挿入し石鹸と一体となったハンドルカバーとし、手をかける2つの起立部分を持つことで、安定して石鹸を把持できる。しかしながら、使用により石鹸の形状が変化すると、突起である板針群と石鹸の関係が変化し、ホルダーと石鹸との一体化が困難になりやすいと共に、手をかける突起は、滑った場合に離れやすく、石鹸の快適な使用とはならないといった問題があり、前記課題の解決には至っていない。
本出願人は、石鹸の使用態様に着目し、使用時に石鹸の安定的に保持を持続可能とすることで石鹸が手から滑り落ちることなく快適に使用することができないものかとの着想の下、固形石鹸の側面に貫通孔を開けて該貫通孔に把持部材を挿通可能とした石鹸を開発し、本考案にかかる「把持機能付石鹸」の提案に至るものである。
本考案は、上記問題点に鑑み、使用時に石鹸を安定且つ持続して把持可能であって、手から滑り落ちることなく快適に使用することが可能な把持機能付き石鹸を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するため、本考案は、 把持機能を備える固形石鹸であって、所用の形状、大きさ、厚さを有する固形の石鹸において、環状を為す把持部材の一部が固形石鹸を貫通して埋設されて成る手段を採る。
また、本考案は、前記把持部材が、対向する側面同士を貫通して埋設されて成る手段を採る。
さらに、本考案は、前記把持部材が、一の固形石鹸に対し複数備えられて成る手段を採用し得る。
またさらに、本考案は、前記把持部材が、伸縮可能な弾性部材から成る手段を採り得る。
さらにまた、本考案は、前記把持部材が、長さ可変手段を備えて成る手段を採用することもできる。
本考案に係る把持機能付き石鹸によれば、使用者は、固形石鹸を貫通して埋設された把持部材を介して固形石鹸を容易に把持することができると共に、把持した固形石鹸が手から滑り落ちることなく、快適に使用することが可能になる、といった優れた効果を奏するものである。
また、本考案に係る把持機能付き石鹸によれば、不使用時に固形石鹸を石鹸置き等に載置するのではなく、把持部材を介してぶら下げることが可能であって、使用後の固形石鹸の早期乾燥を促して次回使用時の滑りによる不快感をなくし、快適に使用することが可能になる、といった優れた効果を奏するものである。
本考案に係る把持機能付き石鹸10は、所用の形状、大きさ、厚さを有する固形石鹸11において、環状を為す把持部材12の一部が固形石鹸11を貫通して埋設されて成ることを最大の特徴とする。
以下、本考案に係る把持機能付き石鹸10の実施形態を、図面に基づいて説明する。
以下、本考案に係る把持機能付き石鹸10の実施形態を、図面に基づいて説明する。
なお、本考案に係る把持機能付き石鹸10は、下記に述べる実施形態に限定されるものではなく、本考案の技術的思想の範囲内、即ち、同一の作用効果を発揮できる形状や寸法等の範囲内で、適宜変更することができるものである。
また、本考案の記述において使用される文言は、限定的に解釈されるものではなく、説明的および例示的なものであると理解される。特に、本考案における「環状を為す」とは、当初から環状を為して形成されている場合と、端部を有するものを繋ぎ合せて環状を為す場合の何れをも含むものとして解釈されるべき文言である。
図1乃至図4に沿って、本考案に係る把持機能付き石鹸10を説明する。図1及び図2は、本考案に係る把持機能付き石鹸10の実施形態を示す全体斜視図であり、図3は、本考案に係る把持機能付き石鹸10の使用態様を示す説明図である。また図4は、本考案に係る把持機能付き石鹸10の他の実施形態を示す全体斜視図である。
本考案に係る把持機能付き石鹸10は、把持機能を備える固形石鹸11であって、所用の形状、大きさ、厚さを有して成る。すなわち、固形石鹸11の形状については、特に限定するものではなく、図面に示す様な方形や、図示はしていないが円形その他物品の形態を模倣したものなど、種々の形状の固形石鹸11が考え得る。固形石鹸11の大きさや厚さについても特に限定はなく、常法の大きさ及び厚さのもので足りるが、把持するという機能上、手Hで把持可能な大きさであることが望ましい。
図面に示す様に、本考案に係る固形石鹸11には、把持部材12が埋設されている。該把持部材12は、環状を為すもので、その一部が固形石鹸11を貫通する様に埋設されることで、埋設されていない他部が固形石鹸11の外面を周回する様に備えられる。これにより、固形石鹸11における使用面とは反対側の外面を周回する様に環状を為して把持部材12が備えられることとなって、図3に示す様に、固形石鹸11と把持部材12の間に手Hを挿嵌することで、該固形石鹸11が把持可能となっている。
固形石鹸11に対する把持部材12の埋設個所については、固形石鹸11を貫通する様に埋設さえされていれば、特に限定するものではない。尚、図面では、略直方形の固形石鹸11に対し、その略中心部を通過しつつ対向する側面同士を貫通する様に把持部材12を埋設させた場合について示している。かかる埋設態様のほか、固形石鹸11の端部付近を貫通・埋設する態様なども考え得る。
該把持部材12の数について、一の固形石鹸11に対し少なくとも一つの把持部材12が備えられるもので、一の固形石鹸11に複数の把持部材12を備える態様も可能である。例えば、図4に示す様な一の固形石鹸11に対し、二つの把持部材12が同じ外面を周回する様に水平十字に交差して埋設されている態様や、図示されていないが二つの把持部材12が異なる外面を周回する様に垂直十字に交差して埋設されている態様などが考え得る。該把持部材12が複数備えられることで、より強固な把持機能を発揮し得ることとなる。
ところで、一の固形石鹸11において使用時に必要な把持部材12は最低一つあれば足りるため、複数の把持部材12が埋設されている場合において、不要な把持部材12が存在する場合は、その不要な把持部材12を切断するなどして破棄すればよい。このように、複数の把持部材12が埋設された態様を採用することにより、使用者のニーズに合わせて最適な把持部材12を使用者自ら取捨選択することも可能となる。
該把持部材12は、帯状体や紐状体であって、その材質や長さについて特に限定はないが、水分を含有してしまうような布製ではなく、ゴムや合成樹脂等からなる撥水素材により成形されることが好ましい。該把持部材12は、環状を為すもので、輪ゴムなど予め環状に成形されたもののほか、端部を有する帯状物若しくは紐状物の該端部同士を結束することで、環状を形成させる態様も採用し得る。尚、帯状物若しくは紐状物の端部同士を結束して環状を形成する場合の結束手段については、特に限定するものではなく、単に端部同士を片結び等で結ぶ手段や、ボタン等の留め具を介して結束する手段を採用し得る。
このとき、使用者の年齢や体格などで異なる手Hの大きさに対応し得るべく、把持部材12について、ゴムなどの伸縮可能な弾性部材によって成形される態様が好ましい。かかる態様を採用することで、使用者の手Hの大きさに関係なく、弾性部材が手Hを固形石鹸11側へ押え付けつつ、固形石鹸11を把持することが可能となる。
また、把持部材12について、長さ可変手段13を備えた態様が考え得る。上記した弾性部材であっても、あらゆる年代の手Hの大きさに対応することについて困難が想定される。そこで、長さ可変手段を備える態様を採用することで、確実に手Hに当接させた状態で固形石鹸11を把持することが可能となる。尚、長さ可変手段13の具体的構造については特に限定はなく、例えば図2に示す様な、バックル(尾錠止め)などの常法手段を用いればよい。
以上の構成から成る本考案に係る把持機能付き石鹸10の使用態様については、図3に示す通りである。すなわち、埋設され固形石鹸11の外面を周回する把持部材12と固形石鹸11との間に手Hを挿嵌し、その挿嵌された手Hで固形石鹸11を把持して、固形石鹸11における手Hと反対側の使用面を使用対象に擦り付けることで使用される。
固形石鹸11の使用面が擦り減ってきた場合には、把持部材12を当該使用面側に周回させ、今まで手Hで把持していた反対側の面を今度は使用面として把持し使用すればよい。
尚、固形石鹸11における把持部材12を周回させる面については、特に限定するものではなく、隣面(側面)を周回させることも可能であり、使用態様によって適宜決定し得る。
尚、固形石鹸11における把持部材12を周回させる面については、特に限定するものではなく、隣面(側面)を周回させることも可能であり、使用態様によって適宜決定し得る。
使用により固形石鹸11が擦り減ってしまい、把持部材12の埋設個所が崩壊して把持機能が機能しなくなった場合には、石鹸の特性上、当該擦り減った固形石鹸11を新しい固形石鹸11に擦り合せ接合することで、互いを一体化することができるため、その一体化した固形石鹸11を本考案に係る把持機能付き石鹸10として新たに使用することで、最後まで無駄なく固形石鹸11を使用することが可能である。
以上、把持部材12と固形石鹸11との間に手Hを挿嵌する使用態様について説明したが、手Hではなく道具を挿嵌して使用することも可能である。すなわち、長手棒状の先端に挿嵌して把持させることにより、手Hの届かない箇所などにも固形石鹸11を届かせることが可能であって、人体における背中に擦り付けたり、あるいは、掃除道具として使用することも可能になる。
このように、本考案に係る把持機能付き石鹸10によれば、簡易な構造によって、手Hや道具など挿嵌されるものの大きさに関係なく、安定的且つ持続的に把持することが可能な固形石鹸11を提供することができる。
本考案に係る把持機能付き石鹸10は、使用者の年代や体格に関係なく、固形石鹸11を常に安定的且つ持続的に把持することが可能であると共に、不使用時に石鹸置き等に載置するのではなく、把持部材12を介してぶら下げることが可能であって、使用後の固形石鹸11の早期乾燥を促して次回使用時の滑りによる不快感をなくし、快適に使用することも可能にする。そして、把持部材12のカラーバリエーション(色分け)を設けることで、使用者ごと使い分けが可能であって、自ら使用する固形石鹸11を一目で瞬時に判別することもできることから、産業上の利用可能性は大きいものと思料する。
10 把持機能付き石鹸
11 固形石鹸
12 把持部材
13 長さ可変手段
H 手
11 固形石鹸
12 把持部材
13 長さ可変手段
H 手
Claims (5)
- 把持機能を備える固形石鹸であって、
所用の形状、大きさ、厚さを有する固形の石鹸において、環状を為す把持部材の一部が固形石鹸を貫通して埋設されて成ることを特徴とする把持機能付き石鹸。 - 前記把持部材は、対向する側面同士を貫通して埋設されて成ることを特徴とする請求項1に記載の把持機能付き石鹸。
- 前記把持部材が、一の固形石鹸に対し複数備えられて成ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の把持機能付き石鹸。
- 前記把持部材が、伸縮可能な弾性部材から成ることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の把持機能付き石鹸。
- 前記把持部材が、長さ可変手段を備えて成ることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の把持機能付き石鹸。
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