JP3215166U - 食物用保冷カバー - Google Patents
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Abstract
【課題】保冷材を用いる食物用保冷カバーについて、過剰な手間を要することなく優れた冷却効率と充分なる保冷時間を実現できるようにする。【解決手段】合成樹脂素材が透明の下向きカップ状に成形されてその内側に保冷室10及び保冷材収納室20を有しており、保冷対象の食物70に上から被せて保冷室10内に納めながら保冷材収納室20の保冷材100で保冷状態を維持する食物用保冷カバー1Aであって、保冷材収納室20は、保冷室10の上方に配置されてその容積の半分以上を占める部分を下方の保冷室10側に突出しながらその底壁201及び周壁202を保冷室10内で露出しているとともに、その上端側の開口部が蓋部材25で開閉可能とされて保冷材100の出し入れが可能とされており、且つ、保冷材100を収納した状態で蓋部材25の頂壁251下面と保冷材100との間に所定の隙間による空気層が形成されるものとした。【選択図】図2
Description
本考案は、食物用保冷カバーに関し、殊に、刺身や寿司などの保冷管理が必要な食物を上から覆うように被せた状態で使用され、付帯した保冷材で内部の食物を保冷する食物用保冷カバーに関する。
宴会料理のように多人数に対し同じタイミングで提供するものにおいては、配膳の都合から料理を予め皿に盛りつけた状態で準備しておくのが一般的であり、料理を盛りつけてからある程度時間が経過した後に配膳が開始され、総て配膳が完了してから揃って食事を開始することが多い。そのため、刺身や冷菓子など、保冷管理が必要な料理であっても、食べる頃には冷却状態を充分に維持していない場合がある。
また、いわゆる回転寿司においても、握ってから短時間で食べる分には問題ないが、搬送ベルトに載せて長時間が経過したものにあっては、細菌の繁殖しやすい温度状態が継続して衛生上好ましくないことに加え、ネタの表面が乾燥して外観の悪化・食味の低下を招いてしまうため、誰も手に取らなくなって結局は廃棄処分になるケースも多い。
斯かる問題点に対し、実開平4−77369号公報には、食物を載せた皿の上に被せて覆う保冷用具として、上面に通気孔が開口した下向き杯状部材とその上面に載せる蓋部材からなり、その蓋部材の内側空間である保冷材収納室に保冷材を入れた状態で使用するものが提案されている。また、特開2001−299553号公報には、カップ状部材の天井面の外側又は内側に保冷材を設けて使用する回転寿司用保冷カバーも提案されている。
しかし、前者の保冷用具は、保冷材収納室を構成する蓋部材が下向き杯状部材の上面外部に載る構造で保冷材収納室が外側に突出しており、冷却効率が悪く保冷時間も短くなりやすい。一方、後者の回転寿司用保冷カバーは、保冷材を保持する部分がカップ状部材の内部側に入り込んでいるため、前者の保冷用具よりも冷却効率に優れている。ところが、保冷材の上部がカップ状部材の上面側に露出又はその頂壁に下から密着する構造であるため、保冷材の上部側が上方の外部空気で容易に温度上昇して、保冷時間の短縮に繋がりやすいという難点がある。
そこで、特開2007−330315号公報には、下向きカップ状部材(蓋体)の内側空間上部に着脱自在の固定部材を設け、この固定部材の内側に形成された空間部分を保冷材収納室とする食物用保冷カバーが提案された。このように、カップ状部材の内側空間に保冷材を収納する方式としたことで、冷却効率と保冷時間の両方を改善することを可能としている。
しかしながら、この食物用保冷カバーは、蓋体の内部に保冷材を入れてからこれとは別部品の固定部材を保冷材が脱落しないように確実に固定する作業が必要となるため、宴会料理のように短時間で多量の準備と配膳を行う際には、保冷材の固定作業に余分な手間を要して時間のロスに繋がりやすい。また、蓋体内部で固定部材を固定するための構造が複雑であるため、コスト高になりやすくこの部分の洗浄作業にも手間を要しやすい。さらに、保冷材の表面には結露が生じやすいところ、その雫が固定部材を通過して下方に落ちやすいため、衛生面においても難点があると言わざるを得ない。
本考案は、上記のような問題を解決しようとするものであり、保冷材を用いる食物用保冷カバーについて、過剰な手間を要することなく優れた冷却効率と充分なる保冷時間を実現できるようにすることを課題とする。
そこで、本考案は、合成樹脂素材が透明の下向きカップ状に成形されてその内側に保冷室及び保冷材収納室を有しており、保冷対象の食物に上から被せて保冷室内に納めながら保冷材収納室の保冷材で保冷状態を維持する食物用保冷カバーにおいて、前記保冷材収納室は、前記保冷室の上方に配置されてその容積の半分以上を占める部分を下方の保冷室側に突出しながらその底壁及び周壁を保冷室内で露出しているとともに、その上端側の開口部が蓋部材で開閉可能とされて前記保冷材の出し入れが可能とされており、且つ、その保冷材を収納した状態で蓋部材の頂壁下面と保冷材との間に所定の隙間による空気層が形成されることを特徴とするものとした。
このように、保冷材を入れる保冷材収納室を下向きカップ状部材の上部側に設けて、その容積の半分以上が保冷室側に突出する構造としたことにより、その底壁と周壁が保冷室内で露出する面積が、外部大気側に露出する壁面積に対し小さくなって冷却効率・保冷時間に優れたものとなり、その保冷材収納室の開口部を閉鎖する蓋部材の頂壁と収納した保冷材との間に空気層が形成されるようにしたことで、上方の外部空気との熱交換量を少なく抑えることができ、保冷状態を一層維持しやすいものとなる。
また、この食物用保冷カバーは保冷材を封入する合成樹脂製の保冷材コンテナを備えたものとし、その保冷材コンテナが、前記蓋部材を兼ねるとともに封入空間上端側を覆う頂壁の下面との間に空気層を形成するように保冷材が封入された状態で前記保冷材収納室に開口部から挿入されて収納される、ことを特徴としたものとすれば、保冷材を封入した保冷材コンテナを冷凍保存しておき、これを食物用保冷カバー本体側の保冷材収納室に着脱して使用する方式とすることで、保冷材収納室の開口部を別途蓋部材で開閉する手間を要さずに、保冷材の保冷材収納室への収納・取り出し作業を容易なものとしながら、保冷材の繰り返し使用も可能となるため、手間とコストの軽減の観点において極めて優れたものとなる。
さらに、上述した食物用保冷カバーにおいて、その保冷材収納室が保冷室側に突出してなる底壁又は/及び周壁には、保冷材収納室と保冷室を連通させる連通孔が形成されており、その連通孔を介して保冷材収納室の冷気が保冷室内に下降することを特徴としたものとすれば、多量のガスを発生するドライアイスを保冷剤として使用する場合に適していることに加え、底壁及び周壁を介してのみ保冷する場合と比べて、冷却効率に一層優れたものとなる。
この場合、その連通孔は前記周壁の所定位置に形成され、その蓋部材は、平面視円形とされてその中心を通る垂直な軸を中心に回転可能な状態で保冷材収納室の開口部を閉鎖しているとともに、その頂壁に保冷材収納室と外部とを連通させる外気導入孔が形成されており、且つ、前記頂壁端縁部からは平面視円形の前記周壁の内周面に外周面を密着する周壁が垂設されて前記連通孔の位置に対応する角度位置に連通孔が形成されており、前記蓋部材の周壁の連通孔と前記保冷材収納室の周壁の連通孔が一致し外気導入孔と保冷材収納室を介して外部から保冷室まで連通した角度位置と、前記蓋部材の周壁の連通孔と前記保冷材収納室の周壁の連通孔が一致せずに保冷材収納室と保冷室の連通が閉鎖された角度位置との間で蓋部材が回転操作可能とされていることを特徴としたものとすれば、保冷材収納室を介して外気を保冷室内に導入しながらこれに含有する水分で白く見える冷気が下降する様子を外部から視認できる状態と、保冷材収納室と保冷室の連通を閉鎖して外気の導入を遮断している状態との間で、切り替え操作が容易に行えるものとなる。
或いは、上述した連通孔を備えた食物用保冷カバーにおいて、前記連通孔が形成された底壁は、その外縁側所定範囲を除く中央側部分に連通孔が形成されており、その上面が中央部を持ち上げられて少なくとも前記外縁側所定範囲が外縁方向に下る傾斜面を形成しており、底壁上面で前記外縁側所定範囲に落ちた雫が外縁部分に集まって溜まるものとされている、ことを特徴としたものとすれば、保冷材収納室内で生じた水滴が連通孔を介して保冷室内に落下する事態を回避しやすいものとなる。
保冷材収納室の容積の半分以上が保冷室側に突出するとともにその開口部を閉鎖する蓋部材の頂壁と収納した保冷材との間に空気層が形成されるものとした本考案によると、過剰な手間を要することなく優れた冷却効率と充分なる保冷時間を実現できるものである。
以下に、図面を参照しながら本考案を実施するための形態を説明する。
図1(A)は、本考案における第1の実施の形態である食物用保冷カバー1Aの正面図を示し、図(B)はそのA−A線による断面図を示している。この食物用保冷カバー1Aは、図2の使用状態の断面図に示すように、寿司や刺身、或いは冷菓子などの保冷が必要な食物(料理)70を、大気中を浮遊する埃が付着するのを回避しながら保冷状態を維持するために、皿300の上に盛りつけられた状態で上から覆うように被せて使用されるものであり、外部から食物70が良く見えるように全体が透明になっている。
図1(B)を参照して、斯かる食物用保冷カバー1Aは、合成樹脂素材が透明の下向きカップ状に形成されて、その内側に保冷室10及び保冷材収納室20を備えている。その上部の内側に形成された保冷材収納室20は、下向きカップ状の本体3内に形成された保冷室10の上方に設けられており、その容積の半分以上を占める下側部分が下方の保冷室10側に突出して、その底壁201及び周壁202が保冷室10内で露出した状態とされている点を特徴としている。
また、その保冷材収納室20は、その上端側の開口部が蓋部材25で閉鎖されて開閉可能となっており、この部分を介して保冷材の出し入れを行えるようになっている。また、図2に示すように保冷材100を収納した状態で、蓋部材25の頂壁251下面と保冷材100上面との間に所定の隙間による空気層が形成されるようになっている。
このように、保冷材100を収納する保冷材収納室20を下向きカップ状の本体3上部に設けて保冷室10側に突出させた構造としたことにより、保冷室10内で露出している保冷材収納室20の底壁201と周壁202の面積が、外部大気側に露出している頂壁251の面積に比して大きくなっており、優れた冷却効率と長い保冷時間を実現可能なものとしている。
さらに、保冷材収納室20に収納した保冷材100の上面と蓋部材25の頂壁251下面との間に空気層が形成される構成としたことで、外部空気との熱交換量を少なく抑えることが可能となり、保冷状態をさらに維持しやすいものとしている。尚、この空気層を形成する保冷材100上面と頂壁251下面との間の隙間は、外部大気側からの直接的な熱伝導が可能な距離を考慮して平均で9mm以上あることが好ましい。
図3(A)は、図1の食物用保冷カバー1Aの応用例としての食物用保冷カバー1Bを示し、図(B)はその蓋部材26を外した状態の平面図を示している。この応用例では、保冷材収納室21の底壁211と蓋部材26の頂壁261に、内外の連通状態を確保するための連通孔211a,261aが、各々複数個開口している点を特徴としている。
即ち、図4の使用状態の縦断面図に示すように、上下の連通孔261a,211aを介して、外部と保冷材収納室21と保冷室11との間で空気が流通する構造としたことにより、保冷材100にドライアイスを用いた場合に、連通孔261aを介して保冷材収納室21に入った外部空気が、保冷材100から生じた炭酸ガスと混合され連通孔211aを介して保冷室11内を下降する際に、外部から導入した空気に含まれる水分が白く現れて、外側から食物70が冷やされている様子が視認可能なものとなる。尚、食物用保冷カバー1B下端部の皿300上面への密着度は高くないため、比重の大きな気体はこの部分から外部に漏出することができる。
図5(A)は、前述した食物用保冷カバー1Bの応用例としての食物用保冷カバー1Cの蓋部材27を本体5から外した状態を示しており、図(B)はその平面図を示している。この例では、平面視円形の蓋部材27が、その中心部分を通る垂直軸を中心に回転可能な状態で平面視円形の保冷材収納室22の開口部を閉鎖するようになっており、その頂壁271の周縁部からは保冷材収納室22の周壁22内周面に外周面を密着する形状にて周壁272が垂設されている。
本体5側に形成された保冷材収納室22の周壁222には、周方向所定間隔で複数の連通孔222aが開口し、蓋部材27においても頂壁271中央に保冷材収納室22内と外部(外気側)とを連通させる外気導入孔271aが開口するとともに、その周壁272において保冷材収納室22側の連通孔222aに対応する角度位置に各々連通孔272aが開口しており、この蓋部材27の周壁272の連通孔272aと保冷材収納室22の周壁222の連通孔222aとが一致した角度位置にて、外気導入孔271aと保冷材収納室22を介して外部と保冷室12が連通するようになっている点を特徴としている。
即ち、連通孔272aと連通孔222aが一致した角度位置と、これらが一致せずに保冷材収納室22と保冷室12の連通が閉鎖された角度位置との間で、外側から蓋部材27を回転操作可能なものとして、保冷材収納室22を介して外気を保冷室12内に導入しこれに含まれる水分で白く見える冷気が保冷室12内で下降する様子を外部から視認できる状態(図6(A)参照)と、保冷材収納室22と保冷室12との連通を閉鎖して外部空気の導入を遮断している状態(図6(B)参照)との間で、切り替え操作を容易に行えるものとしている。
図7(A)は、本考案における第2の実施の形態としての食物用保冷カバー1Dを示しており、図(B)は保冷材を封入する容器である保冷材コンテナ30を保冷材収納室23から取り出した状態を示している。即ち、本実施の形態の食物用保冷カバー1Dは、保冷材を封入するための合成樹脂製で中空の保冷材コンテナ30を備えており、これが保冷材収納室23の開口部を閉鎖する蓋部材を兼ねるものとした点を特徴としている。
この保冷材コンテナ30は、平面視円形の保冷材収納室23を有して保冷室13内に突出し露出ている底壁231の上面と周壁232の内面に対し、収納状態でその底壁300下面と周壁302外面がほぼ密着する形状の中空容器とされ、凍結前に液状又はゲル状で流動性を有した保冷材を、その頂壁301の中央に設けた注入口301aから注入し、頂壁301下面との間に空気層を形成した状態に充填してからキャップ301bで封入して使用され、蓋部材を兼ねた保冷材として機能するものである。
このような構成としたことにより、水や他の流動体による保冷材を充填した保冷材コンテナ30を予め冷凍庫に保存しておき、これを食物用保冷カバー1Dの保冷材収納室23に着脱して使用する方式とすれば、保冷材収納室23の開口部を専用の蓋部材で開閉操作する手間を要さずに、保冷材の保冷材収納室23への収納・取り出し作業を極めて容易なものとしながら、保冷材の繰り返し使用も可能となるため、取り扱いの手間が軽減されるとともにコストの低減をも実現することができる。
図8(A)は、前述した食物用保冷カバー1Dの応用例としての食物用保冷カバー1Eを示しており、図(B)はその保冷材コンテナ31を外した状態の平面図を示している。この例では、本体7側に形成されて保冷材31を収納する保冷材収納室24の底壁241中央部に複数の連通孔241aを設けるとともに、その周壁242の上部側にも周方向に複数の連通孔242aが連設してある点を特徴としている。
この例においては、保冷材コンテナ31を外した状態の図9(A)に示すように、保冷材コンテナ31の周壁312外面には縦方向に延びる窪み312aが周方向に連設されており、その使用状態の図(B)に示すように、保冷室14内の外縁側を上昇した空気が、保冷材収納室24の周壁242上部側に開口した連通孔242aを介して保冷材収納室24内に入り、その窪み312aを通って保冷材収納室24内を下降するようになっている。
また、保冷材コンテナ31の底壁310の下面と保冷材収納室24の底壁241上面との間には隙間が形成されており、保冷材コンテナ31の周壁312に沿って冷却されながら下降した空気が、保冷材コンテナ31の底壁310に沿って横移動をしてさらに冷却され、保冷材収納室24底部中央側で開口した連通孔241aを介して保冷室14内に下降するものとしている。
即ち、保冷材を封入して凍結させた保冷材コンテナ31を保冷材収納室24に収納することにより、図9(B)に示したように、底壁241の連通孔241aから保冷材で冷却された冷気が保冷室14の中央部分を下降し、保冷室14の外縁側部分で前記冷気よりも温度の高い空気が上昇して周壁241の連通孔241aを介し保冷材収納室24に入るため、保冷室14内と保冷材収納室24内との間で空気が循環するようになっており、保冷室14内部をまんべんなく保冷しながら、高い冷却効率を発揮するものとしている。
さらに、低温になる保冷材コンテナ31の外面には結露が生じて雫が保冷室14内に落下する心配もあるところ、この例においては、図10の拡大した部分断面図に示すように、保冷材収納室24の底壁241はその上面中央側が持ち上がり、その外縁側所定範囲が外縁方向に下る傾斜面を形成しており、保冷材コンテナ31の底壁310も中央部が持ち上がって同様の傾斜面が形成されている。
そのため、保冷材コンテナ31表面で結露した水分がその底面310の外縁側に集まり、これが底壁241上面の前記外縁側所定範囲に落ちることでその外縁部分に集まって、比較的大きな水滴400になって溜まるようになっており、保冷材収納室24内で生じた水滴が底壁241の連通孔241aを介して保冷室14内に落下しにくいものとしている。
尚、図10の食物用保冷カバー1Eの変形例である図11に示すように、前述した保冷材コンテナ31の下半分を切除することで底のない蓋部材28として用いることもでき、この場合も、前述と同様に保冷室15内と保冷材収納室25内との間で空気を循環させる機能を発揮することに加え、上部に設けた注入口281aが外部空気を導入するための連通孔として機能するため、図示しないキャップを着脱して外部との連通状態を開閉操作することも可能となる。
また、上述した蓋部材又は保冷材コンテナの頂壁に注入口を備えたものにおいては、保冷材収納室の開口部を閉鎖した状態で本体側との間にある程度の固定力を発揮可能なものとすることにより、その注入口を指で摘んで持ち上げることで食物用保冷カバー全体を持ち上げることができ、内側の食物を露出させることが容易に行えるものとなる。さらに、上述した総ての食物用保冷カバーは、蓋部材又は保冷材コンテナを取り外した状態で内部の洗浄と乾燥が容易に行える比較的単純な形状とされているため、製造コストが低廉であるとともに衛生的であり、且つ、下向きカップ状の本体を縦方向に複数個重ねてコンパクトに納められる形状となっていることから、収納性においても優れている。
以上、述べたように、保冷材を用いる食物用保冷カバーについて、本考案により、過剰な手間を要することなく優れた冷却効率と充分な保冷時間を実現できるようになった。
1A,1B,1C,1D,1E 食物用保冷カバー、3,4,5,6,7 本体、10,11,12,13,14 保冷室、20,21,22,23,24, 保冷材収納室、25,26,27,28 蓋部材、30,31 保冷材コンテナ、70,80 食物、100 保冷材、201,211,221,231,241,300,310 底壁、202,212,222,232,242,302,312 周壁、251,261,271,301,311 頂壁、211a,222a,241a,242a,251a,252a,261a,272a 連通孔、271a 外気導入孔、300 皿、400 水滴
Claims (5)
- 合成樹脂素材が透明の下向きカップ状に成形されてその内側に保冷室及び保冷材収納室を有しており、保冷対象の食物に上から被せて前記保冷室内に納めながら前記保冷材収納室の保冷材で保冷状態を維持する食物用保冷カバーにおいて、前記保冷材収納室は、前記保冷室の上方に配置されてその容積の半分以上を占める部分を下方の前記保冷室側に突出しながらその底壁及び周壁を前記保冷室内で露出しているとともに、その上端側の開口部が蓋部材で開閉可能とされて前記保冷材の出し入れが可能とされており、且つ、前記保冷材を収納した状態で前記蓋部材の頂壁下面と前記保冷材との間に所定の隙間による空気層が形成される、ことを特徴とする食物用保冷カバー。
- 前記保冷材を封入する合成樹脂製の保冷材コンテナを備えており、該保冷材コンテナは、前記蓋部材を兼ねるとともに封入空間上端側を覆う頂壁の下面との間に空気層を形成するように前記保冷材が封入された状態で前記保冷材収納室に開口部から挿入されて収納される、ことを特徴とする請求項1に記載した食物用保冷カバー。
- 前記保冷材収納室が前記保冷室側に突出してなる底壁又は/及び周壁には、前記保冷材収納室と前記保冷室を連通させる連通孔が形成されており、該連通孔を介して前記保冷材収納室の冷気が保冷室内に下降する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載した食物用保冷カバー。
- 前記連通孔は前記周壁の所定位置に形成され、前記蓋部材は、平面視円形とされてその中心を通る垂直な軸を中心に回転可能な状態で前記保冷材収納室の開口部を閉鎖しているとともに、その頂壁に前記保冷材収納室と外部を連通させる外気導入孔が形成されており、且つ、前記頂壁端縁部からは平面視円形の前記周壁の内周面に外周面を密着する周壁が垂設されて前記連通孔の位置に対応する角度位置に連通孔が形成されており、前記蓋部材の周壁の連通孔と前記保冷材収納室の周壁の連通孔が一致し前記外気導入孔と前記保冷材収納室を介して外部から前記保冷室まで連通した角度位置と、前記蓋部材の周壁の連通孔と前記保冷材収納室の周壁の連通孔が一致せずに前記保冷材収納室と前記保冷室の連通が閉鎖された角度位置との間で前記蓋部材が回転操作可能とされている、ことを特徴とする請求項3に記載した食物用保冷カバー。
- 前記連通孔が形成された前記底壁は、その外縁側所定範囲を除く中央側部分に前記連通孔が形成されており、その上面が中央部を持ち上げられて少なくとも前記外縁側所定範囲が外縁方向に下る傾斜面を形成しており、前記底壁上面で前記外縁側所定範囲に落ちた雫が外縁部分に集まって溜まるものとされている、ことを特徴とする請求項3に記載した食物用保冷カバー。
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