JP3215136U - 収容体 - Google Patents
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Abstract
【課題】デザイン性を向上させた収容体を提供する。【解決手段】トップ層12と、色、表面加工状態、または色及び表面加工状態以外が該トップ層12と同一構成のアンダー層14とが一体に積層された積層シート22から構成され、トップ層12とアンダー層14とのいずれか一方が表面を、いずれか他方が裏面を構成し、トップ層12とアンダー層14とがL*a*b*表色系で彩度が30以上異なる色で着色されているか、またはトップ層12とアンダー層14とがL*a*b*表色系で色度指数a*若しくは色度指数b*が60以上異なる色で着色されているか、またはアンダー層14がL*a*b*表色系で彩度が30以上の色で着色されている。【選択図】図1
Description
本考案は、紙葉束や雑貨、文房具等の被収容物を被覆、収容、及び載置する等して収容可能な、装丁カバーやポーチ、トレイといった収容体に関する。
従来、この種の収容体として、書籍のカバー、バインダー、手帳若しくはダイアリの表紙等に使用される装丁カバーがある。装丁カバーには、トップ層と発泡層とからなる積層シートで構成される装丁カバーが知られている。この積層シートの場合、一般的にはトップ層が装丁カバーの表面として、発泡層が装丁カバーの裏面として使用され、発泡層は裏面であるために、目立たないような色で着色されることが常識となっている。一般的に、トップ層は黒又はベージュ系の色が多く使用されるので、発泡層も同色の黒又はベージュ系か、トップ層が黒又はベージュ系以外の色に着色される場合には、発泡層も同一の色か又は類似の色相の色に着色される。
しかしながら、従来のトップ層と発泡層とからなる積層シートで構成される収容体では、上述の通り裏面となる発泡層が目立たない色となっているため、デザイン性に乏しいという課題がある。
デザイン性を向上させるために裏面の発泡層にグラビア印刷を施すことが考えられるが、色ムラが発生し、外観が悪くなるとともに、製造工程数が増えるため、製造コストが高くなるという課題がある。
本考案は、かかる課題に鑑みなされたもので、製造コストを上げることなく、デザイン性を向上させた収容体を提供することをその目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態に係る考案は、トップ層と、色、表面加工状態、または色及び表面加工状態以外が該トップ層と同一構成のアンダー層とが一体に積層された積層シートから構成され、トップ層とアンダー層とのいずれか一方が表面を、いずれか他方が裏面を構成し、トップ層とアンダー層とがL*a*b*表色系で彩度が30以上異なる色で着色されているか、またはトップ層とアンダー層とがL*a*b*表色系で色度指数a*若しくは色度指数b*が60以上異なる色で着色されているか、またはアンダー層がL*a*b*表色系で彩度が30以上の色で着色されていることを特徴とする。
本考案によれば、トップ層と、色または表面加工状態以外が該トップ層と同一構成のアンダー層とがL*a*b*表色系で彩度が30以上異なる色で着色されているか、またはトップ層とアンダー層とがL*a*b*表色系で色度指数a*若しくは色度指数b*が60以上異なる色で着色されているか、またはアンダー層がL*a*b*表色系で彩度が30以上の色で着色されているために、アンダー層自体を目立たせて、アンダー層を裏面として用いた場合でも裏面にアクセントを持たせてデザイン性を向上させることができる。
また、アンダー層にデザイン性が付与されているために、トップ層及びアンダー層のいずれの層も表面として使用することができる。よって、収容体をリバーシブルとすることも可能である。
以下、図面を用いて本考案の実施の形態を説明する。本考案の実施形態においては、収容体として手帳やダイアリのカバー、ノートカバー、ブックカバー等の装丁カバーを例にとり説明する。
図1及び図2は本考案の実施形態に係る装丁カバーの斜視図である。
図1及び図2は本考案の実施形態に係る装丁カバーの斜視図である。
(装丁カバーの構成)
装丁カバー10はトップ層12とアンダー層14からなる一枚の積層シート22から構成されており、トップ層12が装丁カバー10の表面を、アンダー層14が装丁カバー10の裏面をそれぞれ構成している。図2に示すように、裏面の両端部には透明シートが高周波ウエルダにより溶着されて、袖ポケット16を構成している。
装丁カバー10はトップ層12とアンダー層14からなる一枚の積層シート22から構成されており、トップ層12が装丁カバー10の表面を、アンダー層14が装丁カバー10の裏面をそれぞれ構成している。図2に示すように、裏面の両端部には透明シートが高周波ウエルダにより溶着されて、袖ポケット16を構成している。
トップ層12及びアンダー層14は、ビニル系、オレフィン系プラスチック、または合成樹脂等のプラスチック材料を主原料として成形されるもので、含有される顔料等の着色剤によってそれぞれ着色されており、アンダー層14の色は、トップ層12の色とL*a*b*表色系(図4参照)で彩度(√((a*)2+(b*)2))が30以上異なるか、またはトップ層の色とL*a*b*表色系で色度指数a*若しくはb*が60以上異なる色で着色されているか、またはL*a*b*表色系で彩度が30以上の色で着色されている。
さらに、トップ層12の色とアンダー層14の色とが、L*a*b*表色系でその明度(L*)が30以上異なるとよい。
例えば、トップ層12を黒色に着色した場合、アンダー層14は、彩度をトップ層12と30以上異ならせることによりまたは彩度を30以上とすることにより、黒色やベージュ色以外の色となり、トップ層12と比較して鮮やかな色にすることができる。
また、例えば、トップ層12を黒色に着色した場合、アンダー層14は、明度をトップ層12と30以上異ならせることにより、黒色以外の明るい色にすることができる。
また、例えば、トップ層12の色とアンダー層14の色の色度指数a*若しくは色度指数b*を60以上異ならせることにより、トップ層とアンダー層との色の組み合わせとして、緑と赤、赤と緑、黄と青、青と黄といった斬新な組み合わせを選択することができる。
トップ層12の厚みは0.1〜0.3mm、好適には0.15mmである。トップ層12には、主原料のプラスチック材料の他、可塑剤、充填剤、安定剤、着色剤が適宜配合され、着色剤の配合比率は、2質量%〜3質量%とするとよい。なお、適宜トップ層12に表面処理を施してもよい。
一方、本実施形態に係るアンダー層14は、配合されている着色剤が異なる、即ち色が異なる以外、及び/または、表面処理を施すことによる表面の加工状態(表面加工状態)が異なる以外、トップ層12と同一構成を有するものであり、換言すればトップ層12とは色、表面格好状態、または色及び表面加工状態が異なるトップ層と言える。アンダー層14の表面加工を未処理として表面処理を施したトップ層12との差別化を図ることでデザイン性を向上させるようにしてもよく、当然その逆、またはアンダー層14にもトップ層12と同一または異なる表面処理を施してもよい。アンダー層14の厚みはトップ層12と同様に0.1〜0.3mm、好適には0.15mmである。また、アンダー層14には、トップ層12と同一の主原料のプラスチック材料の他、トップ層12と同一の可塑剤、充填剤、安定剤と、トップ層12と異なる着色剤とが適宜配合され、着色剤の配合比率は、2質量%〜3質量%とするとよい。トップ層12及びアンダー層14が同一構成、換言すれば略同一樹脂であるため、熱溶着といった簡単な手法で張り合わせることが可能となる。
(装丁カバーの作製方法)
以下に、本実施形態に係る装丁カバー10の作製方法を説明する。図3(a)は本考案の実施形態に係る積層シートを構成するためのトップ層とアンダー層とを貼り合わせる前の状態を示す断面図、図3(b)はそれらを貼り合わせた後の積層体の状態を示す断面図である。
以下に、本実施形態に係る装丁カバー10の作製方法を説明する。図3(a)は本考案の実施形態に係る積層シートを構成するためのトップ層とアンダー層とを貼り合わせる前の状態を示す断面図、図3(b)はそれらを貼り合わせた後の積層体の状態を示す断面図である。
図3に示されるように、別体となっているトップ層12とアンダー層14とを既存の固着方法(例えば熱溶着、超音波溶着、高周波加工、ウエルダ加工、または接着剤による接着等)、特に好ましくは熱圧着により貼り合わせることにより積層シート22を形成する。この時、トップ層12及び/またはアンダー層14の表面に、印刷、シボ加工及び表面処理剤などを施し、予め表面を加工しておいてもよい。こうして、2枚のトップ層が貼り合わされることにより表裏両面の感触を略同一であり、色がかなり異なるものとなった1枚の積層シート22を形成することができ、装丁カバーのデザイン性を向上させることができる。これを装丁カバー10の形状に切り抜くことにより、装丁カバー10を作製することができる。
図1に示すように、トップ層12が装丁カバー10の表面を、アンダー層14が装丁カバー10の裏面を構成している場合、裏面は、側方等からまたは装丁カバーを開いたときなど使用中に僅かに見えることになるが、裏面を構成するアンダー層14に彩度または明度の高いものを配色することで、アクセントを持たせてデザイン性を向上させることができる。
また、アンダー層14のデザイン性が向上したことにより、従来、専ら装丁カバーの裏面として使用されてきたアンダー層14を装丁カバー10の表面として使用することも可能になる。即ち、前記トップ層12及び前記アンダー層14のどちらかを選択的に装丁カバー10の表面とすることにより同じ積層シート22から2種類の製品を製造することができる。
または、1つの積層シート22から構成される装丁カバーをリバーシブル製品とすることもできる。リバーシブル製品として使用する場合には、トップ層12及びアンダー層14の両方に透明シートからなる袖ポケット16を設けてもよい。
また、本実施形態に係る積層シート22を用いて装丁カバー10以外の収容体を作製してもよいことは言うまでもない。このような収容体としては、図5(a)〜(c)に示されるようなポーチ10’が挙げられる。このポーチ10’は、アンダー層14側に透明シートからなるポケット16’が設けられ、積層シート22の一端部がアンダー層14側に折り曲げられ、当該端部とポケット16’とに設けられたスナップボタン32で開閉可能にされたものである。このようなポーチ10’は、開けた状態では正面(ポケット16’)側からアンダー層14が透けて見え、したがって正面から見た色調と、背面側から見た色調とが異なっており、閉めた状態では正面において、スナップボタン32周囲の色調と、ポケット16’から透けて見えるアンダー層14の色調とが異なっており、高いデザイン性を有している。
一方、収容体を図6(a)及び〜(c)に示されるようなトレイ10’’としてもよい。このトレイ10’’は、積層シート22が略矩形に形成されてその角隅部にスナップボタン32がそれぞれ設けられており、当該スナップボタン32を留めることでトレイ形状となるようになっている。したがって、トレイ10’’は上方からアンダー層14が、側方からトップ層12が、それぞれ視認できるため、高いデザイン性を有している。
本実施形態においては、収容体として装丁カバー10、ポーチ10’、及びトレイ10’’を例示したが、これらに限定されるものではなく、書類、カード等のシート状物や雑貨、化粧品、文房具といった小物類等、被収容物を収容可能なものであればよく、積層シート22により、即ちシート状物により作製可能なものであればよい。例えば、バインダー、ホルダー、カレンダーホルダー、クリアポケット、小物ケース、ボックスや、ネームホルダー、カレンダーケース、カードケース等のインジェクション成型品等が挙げられる。
本考案は、その要旨または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施の形態は、あらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本考案の範囲は、実用新案登録請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、何ら拘束されない。更に、実用新案登録請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、全て本考案の範囲内のものである
10 装丁カバー(収容体)
10’ ポーチ(収容体)
10’’ トレイ(収容体)
12 トップ層
14 アンダー層
22 積層シート
10’ ポーチ(収容体)
10’’ トレイ(収容体)
12 トップ層
14 アンダー層
22 積層シート
Claims (3)
- トップ層と、色、表面加工状態、または色及び表面加工状態以外が該トップ層と同一構成のアンダー層とが一体に積層された積層シートから構成され、
トップ層とアンダー層とのいずれか一方が表面を、いずれか他方が裏面を構成し、
トップ層とアンダー層とがL*a*b*表色系で彩度が30以上異なる色で着色されているか、またはトップ層とアンダー層とがL*a*b*表色系で色度指数a*若しくは色度指数b*が60以上異なる色で着色されているか、またはアンダー層がL*a*b*表色系で彩度が30以上の色で着色されていることを特徴とする収容体。 - 前記トップ層の色と前記アンダー層の色とが、L*a*b*表色系でその明度が30以上異なることを特徴とする請求項1記載の収容体。
- 前記トップ層及び前記アンダー層のどちらの層も収容体の表面として使用可能であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の収容体。
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