JP3215101B2 - 液晶表示装置の製造方法 - Google Patents

液晶表示装置の製造方法

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JP3215101B2 JP2000324959A JP2000324959A JP3215101B2 JP 3215101 B2 JP3215101 B2 JP 3215101B2 JP 2000324959 A JP2000324959 A JP 2000324959A JP 2000324959 A JP2000324959 A JP 2000324959A JP 3215101 B2 JP3215101 B2 JP 3215101B2
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謙一 藤井
富造 松岡
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Panasonic Holdings Corp
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Panasonic Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、TVやコンピュ
ーターの画像表示端末として用いられる液晶表示装置の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】以下図面を参照しながら、従来の面内ス
イッチング型液晶表示装置(以下「LCD」と通称す
る,Liquid Crystal Displayの
略称)の一例について説明する。
【0003】図3(a)は一般的な面内スイッチング型
LCDの電界が無印加状態での模式図であり、図3
(b)は電界印加状態での模式図である。
【0004】この従来のLCDは、上部基板1、液晶分
子2、電極3、下部基板4、および電源5が主要構成要
素であり、矢印で示すようにラビング方向6は、上部基
板側と下部基板側で90度ねじれた配置にしてある。下
部基板側では、液晶分子2は電界無印加状態でラビング
方向に配列している。しかし、電界印加状態では、水平
方向の電界によって、液晶分子2は電界に沿って配列す
るため、上下に偏光板を配置しておくと、光のon−o
ffのスイッチングが実現でき、LCDとして機能する
原理となっている(例えば、"In-Plane Switching of N
ematic LiquidCrystals",R.Kiefer等, JAPAN DISPLAY'9
2, 広島,pp547-550. )。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の例で示すような
従来のLCDでは、上下の基板1,4とも液晶分子2の
配向規制用のラビング処理を施す必要がある。しかし、
ラビングの規制力が強い基板表面近傍では、電界による
液晶分子2の操作が容易ではなく、このため高い動作電
圧を必要とする問題点があった。また、図3(a),
(b)に模式的に示す様に、水平面内に電界を発生させ
るための電極3は、ある程度の膜厚を必ず持っているた
め、均一なラビングの障害となることが問題となる場合
があった。また、ラビング処理に起因した、パーティク
ルの発生や静電気による絶縁破壊現象の発生によるLC
Dの製造歩留まりの低下という問題も広く指摘されてい
る。
【0006】この発明は上記問題に鑑み、駆動電圧を低
減できるとともに製造歩留りを向上できる液晶表示装置
の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の液晶表示
装置の製造方法は、配向膜にラビング処理を施さない一
対の基板を対向配置し、一対の基板間でねじれ角が80
度から100度の間の角度になるようにカイラル分子を
調合してなるねじれたネマチック液晶を、昇温して等方
相の状態で一対の基板間に注入し、その後、基板面と水
平方向に電界を印加した状態で徐冷することを特徴とす
る。
【0008】請求項2記載の液晶表示装置の製造方法
は、配向膜にラビング処理を施さない一対の基板を対向
配置し、一対の基板間でねじれ角が80度から100度
の間の角度になるようにカイラル分子を調合してなるね
じれたネマチック液晶を、昇温して等方相の状態で一対
の基板間に注入し、その後、基板面と水平方向に磁場を
印加した状態で徐冷することを特徴とする。
【0009】請求項3記載の液晶表示装置の製造方法
は、配向膜にラビング処理を施さない一対の基板を対向
配置し、一対の基板間でねじれ角がほぼ消失してホモジ
ニアス配置となるように左旋回と右旋回のカイラル分子
を調合してなるネマチック液晶を、昇温して等方相の状
態で一対の基板間に注入し、その後、基板面と水平方向
に磁場を印加した状態で徐冷することを特徴とする。
【0010】これらの発明の液晶表示装置の製造方法に
よれば、液晶を挟んで対向配置する一対の基板の配向膜
にラビング処理を施していない。このように、従来行っ
ていた一対の基板のラビング処理を省略することによ
り、ラビング処理に起因するパーティクルの発生や静電
破壊現象などの不良を低減できる。さらに、ラビング処
理の省略により、液晶分子の可動性が向上し、駆動電圧
の低減化や立ち上がり、立ち下がりの動作速度の向上を
図ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0012】図1(a)はこの発明の第1の実施の形態
における液晶表示装置の電界無印加状態での模式図、図
1(b)は同液晶表示装置の電界印加状態での模式図で
ある。
【0013】この液晶表示装置は、上部基板1、液晶分
子2、電極3、下部基板4および電源5が主要構成要素
である。ラビングは上部基板側および下部基板側ともに
実施していない。配向膜としてポリイミド膜を使用し
た。電極3は膜厚2μmのAl膜を電極幅3μm、電極
間隔10μmに加工して形成している。Al膜のエッチ
ングはBCl3 とCl2 の混合ガスによるドライエッチ
ングにより行った。液晶は、誘電異方性が正の物質を使
用し、基板の上下で、ねじれが88度になるようカイラ
ル成分をブレンドした。90度から2度小さくねじれ角
を設定したのは、液晶分子2の動き出す方向を規制する
ためである。基板間隔(セルギャップ)は5μmとし
た。偏光板はクロスニコル配置でノーマリーホワイト表
示、パラレル配置でノーマリーブラック表示となる。
【0014】ブレンドした液晶を昇温し、等方相で上下
基板間に注入した後徐冷した。この徐冷期間中、電極間
に20Vの直流電圧を印加したLCD、電極間に±20
Vで周波数60Hzの交流電圧を印加したLCD、1k
Gaussの一定磁界を電界の印加方向に作用させたL
CD、および電界・磁界ともに印加しないLCDという
4種類のLCDを作製した。
【0015】以上の4種類のLCDは全て良好なon−
offのスイッチング特性を示し、コントラストは正面
で100以上、上下左右±60度の視野角内で5以上の
値を示した。印加電圧対光透過率特性でのしきい値特性
は、徐冷時の電界または磁界の印加による影響が認めら
れ、徐冷時に20Vの直流電圧を印加したLCDが最も
立ち上がりに優れたしきい値特性を示した。すなわち、
電界印加時の液晶分子の配列がメモリーされるため、印
加電圧対光透過率特性でのしきい値特性が向上し、優れ
た特性のLCDを実現できる。
【0016】なお、この実施の形態では液晶のねじれ角
を88度に設定しているが、カイラル分子を調合してね
じれ角が80度から100度の間に設定したねじれたネ
マチック液晶を用いることにより、上部基板側および下
部基板側の両方のラビング処理を省略しても液晶分子は
自発的に90度近辺のねじれネマティク配向を取り、L
CDとして機能する。
【0017】次に、第2の実施の形態について説明す
る。図2(a)はこの発明の第2の実施の形態における
液晶表示装置の電界無印加状態での模式図、図2(b)
は同液晶表示装置の電界印加状態での模式図である。
【0018】上記した第1の実施の形態では、電界無印
加状態で液晶分子はほぼ90度ねじれた配置を取るが、
この実施の形態では、図2(a)に示す様に、上下基板
間でねじれがないホモジニアスな配列を取る。また、第
1の実施の形態同様、この実施の形態でも、上部基板1
および電極側の下部基板4ともに配向膜は塗布してある
が、ラビングは実施していない。電界無印加状態でホモ
ジニアスな配列を取るためカイラル成分はブレンド量
を、第1の実施の形態の場合に比べて低減し、ほとんど
添加していない。
【0019】昇温した等方相の液晶を注入後、徐冷する
時に電界の方向に1kGaussの定状磁場を印加した
LCDと、電磁場を全く印加しないLCDとの2種類を
作製した。作製したLCDは2種類とも良好なon−o
ffのスイッチング特性を示し、コントラストは正面で
100以上、上下左右±60度の視野角内で5以上の値
を示した。コントラスト特性は徐冷時に1kGauss
の定状磁場を印加したLCDの方が優れた特性を示した
が、印加電圧対光透過率特性でのしきい値特性は、徐冷
時の磁界の印加による影響は認められなかった。
【0020】次に、第3の実施の形態について説明す
る。上記した第2の実施の形態では、電界無印加状態で
ホモジニアス配置を得るため、カイラル分子の添加量を
極少量としたが、この実施の形態では、左旋回のカイラ
ル成分と右旋回のカイラル成分をブレンドし、両者の旋
回効果が全体として打ち消しあって、結果としてホモジ
ニアス配置が得られる様にした。その他は第2の実施の
形態と同様である。
【0021】この第3の実施の形態では、第2の実施の
形態に比べて、電界無印加状態での液晶分子配列が安定
化し、液晶表示装置の表示むらが低減するなど表示品質
が向上した。コントラストと視野角特性について、第2
の実施の形態で示したカイラル分子の添加量を極少量と
した場合に比較して、良好であった。
【0022】以上の実施の形態に述べたように、この発
明の液晶表示装置では、液晶を挟んで対向配置する一対
の基板の配向膜にラビング処理を施していない。このよ
うに、従来行っていた一対の基板のラビング処理を省略
することにより、ラビング処理に起因するパーティクル
の発生や静電破壊現象などの不良を低減できるため、製
造原価の低減と高い製造歩留まりが得られる。さらに、
ラビング処理の省略により、液晶分子の可動性が向上
し、駆動電圧の低減化や立ち上がり、立ち下がりの動作
速度の向上を図ることができる。
【0023】また、上記実施の形態で述べたように、コ
ントラストの視野角依存性に対しても効果があり、広視
野角のLCDが実現する。さらに、透明導電膜が不要で
あるため、より製造原価の低減と高い製造歩留まりが得
られる。
【0024】なお上記実施の形態では、基板に水平な方
向に電界を発生させる電極3は片側の基板上に全て存在
し、もう一方の基板には電極は無いという構成を取った
が、実際には電極の片側を対面基板側に移動させた構成
を取っても、同様の効果が期待できることは明かであ
る。さらに、上記実施の形態では、磁場の印加方向を電
界と同一の方向と規定したが、実際にはこれに限るわけ
ではなく、電界と直角の方向あるいは、その他の方向で
もLCDを実現できる。
【0025】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、液晶を
挟んで対向配置する一対の基板の配向膜にラビング処理
を施していない。このように、従来行っていた一対の基
板のラビング処理を省略することにより、ラビング処理
に起因するパーティクルの発生や静電破壊現象などの不
良を低減できるため、製造原価の低減と高い製造歩留ま
りが得られる。さらに、ラビング処理の省略により、液
晶分子の可動性が向上し、駆動電圧の低減化や立ち上が
り、立ち下がりの動作速度の向上を図ることができる。
また、コントラストの視野角依存性に対しても効果があ
り、広視野角のLCDが実現する。さらに、透明導電膜
が不要であるため、より製造原価の低減と高い製造歩留
まりが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はこの発明の第1の実施の形態における
液晶表示装置の電界無印加状態での模式図、(b)は同
液晶表示装置の電界印加状態での模式図である。
【図2】(a)はこの発明の第2の実施の形態における
液晶表示装置の電界無印加状態での模式図、(b)は同
液晶表示装置の電界印加状態での模式図である。
【図3】(a)は従来例の液晶表示装置の電界無印加状
態での模式図、(b)は同液晶表示装置の電界印加状態
での模式図である。
【符号の説明】
1 上部基板 2 液晶分子 3 電極 4 下部基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1337

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配向膜にラビング処理を施さない一対の
    基板を対向配置し、前記一対の基板間でねじれ角が80
    度から100度の間の角度になるようにカイラル分子を
    調合してなるねじれたネマチック液晶を、昇温して等方
    相の状態で前記一対の基板間に注入し、その後、前記基
    板面と水平方向に電界を印加した状態で徐冷することを
    特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 配向膜にラビング処理を施さない一対の
    基板を対向配置し、前記一対の基板間でねじれ角が80
    度から100度の間の角度になるようにカイラル分子を
    調合してなるねじれたネマチック液晶を、昇温して等方
    相の状態で前記一対の基板間に注入し、その後、前記基
    板面と水平方向に磁場を印加した状態で徐冷することを
    特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 配向膜にラビング処理を施さない一対の
    基板を対向配置し、前記一対の基板間でねじれ角がほぼ
    消失してホモジニアス配置となるように左旋回と右旋回
    のカイラル分子を調合してなるネマチック液晶を、昇温
    して等方相の状態で前記一対の基板間に注入し、その
    後、前記基板面と水平方向に磁場を印加した状態で徐冷
    することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
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