JP3215035B2 - ポリオレフィン系樹脂フィルム - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂フィルム

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JP3215035B2 JP33037895A JP33037895A JP3215035B2 JP 3215035 B2 JP3215035 B2 JP 3215035B2 JP 33037895 A JP33037895 A JP 33037895A JP 33037895 A JP33037895 A JP 33037895A JP 3215035 B2 JP3215035 B2 JP 3215035B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の包装機械に
おける高速包装に適した新規なポリオレフィンフィルム
に関する。詳しくは、フィルムの透明性を損なうことな
く、滑り性、耐スクラッチ性及びブロッキング性が改良
され、その結果、高速包装性が著しく向上されたポリオ
レフィン系樹脂フィルムである。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン系二軸延伸複層フィルム
に代表される包装用のポリオレフィン系樹脂フィルム
は、インスタントラーメン・スナック菓子・米菓・キャ
ンディ、煙草、カセットテープ・ビデオテープ等の包装
に使用されている。これらの包装はピロー包装や上包装
またはオーバーラップ包装と称され、高速の自動包装機
で包装が行われる場合が多い。
【0003】近年は上記自動包装機の高速化が進み、フ
ィルムに対する要求品質が高度化している。即ち、ポリ
プロピレンの基材層にヒートシール層を積層したポリプ
ロピレン系二軸延伸複層フィルムにおける要求性能とし
ては、透明性に加え、滑り性、耐スクラッチ性および耐
ブロッキング性が挙げられる。特に、自動包装機の高速
化に対応するためには滑り性が要求されていることか
ら、特開昭62−233248号、特公平5−7058
2号、特公平6−96644号には包装機械適性を付与
する方法として、表層を構成する樹脂に非溶融型シリコ
ーン樹脂粒子、シリコーンガムおよび不溶性シリコーン
ゴム粒子を添加する手段が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記手
段のうち、非溶融型シリコーン樹脂粒子を単独で使用し
た場合には、耐ブロッキング性には優れるものの耐スク
ラッチ性に劣る欠点があるほか滑り性が不充分である。
すなわち、滑り性を充分に発現させるためには非溶融型
シリコーン樹脂粒子を多量に用いなければならない。し
かし、多量に用いた場合には包装物同士がコスレあった
ときにフィルムにコスレ傷が多量に発生し透明性を損な
う欠点があった。
【0005】また、シリコーンガムを使用した場合に
は、包装機の熱シール部分の滑り性が特に良好となる
が、その添加量が少ない場合は滑り性が不十分であり、
多すぎるとフィルムがべとつくという問題がある。ま
た、保存中にフィルム同士が密着し、耐ブロッキング性
に劣るという傾向があった。
【0006】更に、不溶性シリコーンゴム粒子を用いる
手段は、フィルムに滑り性、耐ブロッキング性および耐
スクラッチ性を付与できるものの、不溶性シリコーンゴ
ム粒子による効果を十分に発揮させる量を使用した場合
には、表層の透明性が低下し、牽いてはフィルム全体の
透明性が低下する傾向があった。
【0007】従って、上記の従来技術の欠点を補う新し
い技術の開発が望まれてきた。すなわち、包装物の商品
価値の低下を防止するために、優れた透明性および耐ス
クラッチ性を有し、また、自動包装機の高速化に対応す
るために、優れた滑り性および耐ブロッキング性を有す
るフィルムの開発が望まれていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決すべく鋭意研究を行ってきた。その結果、片面また
は両面の少なくとも表層部が、ポリオレフィンをマトリ
ックスとし、これに特定の非溶融粒子を特定量含有し、
且つオルガノポリシロキサンをその一部が架橋した状態
で、少なくとも一部がその表面に島状に露出するように
構成されたポリオレフィン系樹脂フィルムが、かかる課
題を達成し得ることを見い出し、本発明を完成するに至
った。
【0009】すなわち、本発明は、片面または両面の少
なくとも表層が、ポリオレフィン100重量部に対し
て、平均粒子径1〜7μmの非溶融粒子0.05〜2重
量部およびオルガノポリシロキサン0.05〜5重量部
を含有する組成を有し、且つ上記表層の表面に、該オル
ガノポリシロキサンが、その一部が架橋した状態で、島
状に露出したことを特徴とするポリオレフィン系樹脂フ
ィルムである。
【0010】本発明のポリオレフィン系樹脂フィルムに
おいて、ポリオレフィン100重量部に対して、平均粒
子径1〜7μmの非溶融粒子0.05〜2重量部および
オルガノポリシロキサン0.05〜5重量部を含有する
組成は、該ポリオレフィン系樹脂フィルムの片面または
両面の少なくとも表層に存在すれば良い。勿論、ポリオ
レフィン系樹脂フィルムの全層をかかる樹脂組成物によ
って構成することも可能であるが、後記するように、包
装用フィルムの表層は、通常、ヒートシール性が要求さ
れる場合が多く、表層のみを後記するヒートシール性を
有するポリプロピレンを含む上記組成とすることが望ま
しい。この場合、全フィルムの厚みは、通常10〜10
0μm、好ましくは15〜70μm、より好ましくは1
5〜40μmの範囲であり、該層の厚みは、0.3〜3
μm、好ましくは0.5〜1.5μmの範囲が好適であ
る。
【0011】また、少なくとも表層を構成するポリオレ
フィンの種類は、包装用フィルムの表層として必要な特
性を有する公知のものが好適に使用される。一般に、自
動包装においては、ヒートシール性が要求されるため、
例えば、エチレン含有量2〜8重量%のエチレン−プロ
ピレンランダム共重合体、エチレン含有量2〜5重量
%、ブテン含有量1〜15重量%のエチレン−プロピレ
ン−ブテン三元共重合体より選ばれた1種またはこれら
の混合物を主成分とするヒートシール性を有する材質を
使用することが好ましい。
【0012】上記エチレン−プロピレンランダム共重合
体において、エチレン含有量2〜8重量%、好ましくは
3〜6重量%がよい。エチレン量が2%未満ではポリオ
レフィン系樹脂フィルムのヒートシール性が不良とな
り、高速自動包装適性に劣る傾向がある。一方、エチレ
ン量が8重量%を越える場合は、ヒートシール性は良好
であるものの、フィルム同士がべとつき、包装後の包装
物同士が搬送工程でブロッキングする等のトラブルが発
生し易い。このエチレン−プロピレンランダム共重合体
樹脂のメルトフローレートは1〜10g/10分のもの
がよい。また、上記のエチレン−プロピレン−ブテン三
元共重合体樹脂は、エチレン含有量2〜5重量%、好ま
しくは2〜4重量%がよい。ブテン含有量1〜15重量
%、好ましくは3〜10重量%がよい。エチレン量が2
重量%未満およびブテン量が1重量%未満では本組成物
フィルムのヒートシール性が低下する傾向があり、高速
自動包装適性に劣る。一方、エチレン量が5重量%およ
びブテン量が15重量%を越える場合は、ヒートシール
性は良好であるものの、フィルム同士がべとつき、包装
後の包装物同士が搬送工程でブロッキングする等のトラ
ブルが発生し易い。このエチレン−プロピレン−ブテン
三元共重合体樹脂のメルトフローレートは1〜10g/
10分のものがよい。
【0013】また、上記のヒートシール性を与えるポリ
オレフィンには付加成分を添加することができる。例え
ば、ポリブテン−1を上記樹脂100重量部に対して5
〜50重量部添加することにより低温ヒートシール性を
さらに向上することができ好ましい。また、エチレン−
プロピレン、エチレン−ブテン−1、プロピレン−ブテ
ン−1及びエチレン−プロピレン−ブテン−1等のエラ
ストマー樹脂を上記樹脂100重量部に対して5〜50
重量部添加することも低温ヒートシール性が改良される
ので好ましい。
【0014】本発明において、上記の少なくとも表層を
構成するポリオレフィンは、該ポリオレフィン100重
量部に対して、平均粒子径1〜7μmの非溶融粒子0.
05〜2重量部およびオルガノポリシロキサン0.05
〜5重量部を含有する。
【0015】上記非溶融粒子は、後記のオルガノポリシ
ロキサンと協同して作用し、ポリオレフィン系樹脂フィ
ルムに滑り性を付与すると共に、ブロッキングを防止す
るために添加されるものであり、フィルム成形の過程に
おいて溶融しない材質のものが特に制限なく使用され
る。そのうち、耐スクラッチ性に優れた高分子よりなる
材質のものが好ましい。例えば、架橋アクリル樹脂、シ
リコーンゴム等が好ましい。そのうち、架橋アクリル樹
脂は、得られるポリオレフィン系樹脂フィルムの耐スク
ラッチ性、透明性が特に優れ、発明において好適に使用
される。
【0016】上記架橋アクリル樹脂は、市販のものが何
ら制限なく使用できる。該架橋アクリル樹脂は、アクリ
系モノマーとして、例えばアクリル酸、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、メタクリル酸、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチルなどが挙げられるが、これに
限定されるものではない。また、これらを複数組み合わ
せて用いることも可能である。
【0017】アクリル樹脂に架橋構造を付与するために
は、重合性二重結合を分子中に複数個有するアクリル系
もしくはメタクリル系モノマー、例えば、ジメタクリル
酸エチレングリコール、ジメタクリル酸ジエチレングリ
コール、トリアクリル酸トリメチロールプロパン等を架
橋剤として単独または複数組み合わせて使用すればよ
い。又その他の架橋剤として、ジビニルベンゼン、ジビ
ニルナフタレン、N,N−ジビニルアニリン、ジビニル
エーテル等を用いることも可能である。
【0018】上記架橋アクリル樹脂よりなる粒子の製造
方法は、懸濁重合と乳化重合がある。懸濁重合方式で作
られたものは、粒子径の分布が広いものと成り易い。ま
た、乳化重合で作られたものは、粒子径の分布が狭く、
均一なものが得られる。上記非溶融粒子として、これら
いずれの粒子を用いてもよいが、ポリオレフィンに均一
に混合・分散させるには、粒子が凝集しにくい点で懸濁
重合により得られたものが好ましい。
【0019】また、前記シリコーンゴムよりなる粒子
は、市販のものがなんら制限なく使用できる。かかるシ
リコーンゴム粒子を構成するシリコーンゴムは適度に架
橋されていなければならない。架橋されたシリコーンゴ
ム粒子は、ポリオレフィンに添加した後、溶融混練した
場合に粒子の形状を保持した状態で単分散し易いので好
ましい。
【0020】上記のシリコーンゴム粒子の形状は特に制
限されないが、耐ブロッキング性および滑り性を勘案す
ると、球状であることが好ましい。市販のシリコーンゴ
ム粒子は普通球状であるため、市販のものをそのまま使
用すればよい。
【0021】本発明で用いる非溶融粒子の径は、平均粒
子径が1〜7μm、好ましくは平均粒子径が1.5〜5
μmのものが使用される。該粒子径が7μmを越える場
合には、得られるフィルムの透明性が劣るばかりか、粒
子の脱落が多くなり、包装機や後工程の搬送装置および
包装物自体を汚染する危険性がある。一方、平均粒子径
が1μm未満の場合は、滑り性および耐ブロッキング性
の効果が不足する。
【0022】上記非溶融粒子は、形状が球形のものが好
ましい。球形のものはフィルム表面に突起として存在し
たとき、滑り性に優れるばかりでなく、フィルム同士の
擦れによる傷付きが起こりにくく、耐スクラッチ性が良
好となる。
【0023】上記非溶融粒子の添加量は、ポリオレフィ
ン100重量部に対して、0.05〜2重量部であり、
0.1〜1重量部がより好ましい。非溶融粒子の添加量
が0.05重量部以下の場合は、得られるポリオレフィ
ン系樹脂フィルムの滑り性および耐ブロッキング性の効
果が不足する。一方、添加量が2重量部を越える場合に
は、該フィルムの透明性を損なうばかりか、ポリオレフ
ィンとしてヒートシール用の樹脂を使用した場合、ヒー
トシール性を悪化させる。
【0024】本発明で使用するオルガノポリシロキサン
は、市販のものがなんら制限なく使用できる。上記オル
ガノポリシロキサンは、平均分子量が100,000以
上好ましくは100,000〜5,000,000であ
り、特に、0.001〜0.3重量%のビニル基を有す
るものが好適に使用される。
【0025】かかるオルガノポリシロキサンは、分子中
のビニル基が0.001〜0.3重量%となるように、
そのケイ素原子に結合しているものが、後記するよう
に、該オルガノポリシロキサンを一部が架橋した状態
で、表層の表面に島状に露出せしめるために好ましい。
かかる架橋により、上記ビニル基は一部または全部が消
滅する。
【0026】ここで、ビニル基を有するオルガノポリシ
ロキサンの基本構造としては、例えば、ジメチルポリシ
ロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイ
ドロジエンポリシロキサン等およびこれらにアルキル変
性、アミノ変性、エポキシ変性、メルカプト変性、クロ
ルアルキル変性、アルコール変性、ポリエーテル変性、
フッ素変性等の変性を施したオルガノポリシロキサンの
うち、平均分子量が100,000以上のものが挙げら
れる。
【0027】これらの中、最も好適に使用されるオルガ
ノポリシロキサンとしては、平均分子量が100,00
0以上のジメチルポリシロキサンのメチル基が、上記範
囲でビニル基に置換されたものである。上記オルガノポ
リシロキサンは、下記の構造単位I、II、IIIから成
り、その分子中にビニル基が0.001〜0.3重量%
含有されているものが特に好適である。
【0028】
【数1】
【0029】
【数2】
【0030】
【数3】
【0031】また、本発明で使用するオルガノポリシロ
キサンは、直鎖型、分岐型のいずれを使用してもよい。
また、最も好適なポリオルガノシロキサンとして、ビニ
ル基を有するものを例示したが、ビニル基を実質的に持
たないオルガノポリシロキサンであっても、後記する
施例に示す方法において、該ビニル基と同等の架橋手段
を講じることができるものであれば使用することができ
る。
【0032】本発明のポリオレフィン系樹脂フィルムに
おいて、上記オルガノポリシロキサンは、該フィルム表
層の表面に、その一部が架橋した状態で、島状に露出し
ていることが重要である。すなわち、オルガノポリシロ
キサンの一部が架橋した状態で、島状に出現することに
より、前記非溶融粒子との作用により、高速包装時等に
おけるフィルムの滑り性が極めて良好となる。また、従
来のオルガノポリシロキサンは表層の樹脂表面の全面に
亙って液状に出現するため、ヒートシール性が悪化する
ばかりでなく、フィルム同士がブロッキングし易くなる
のに対して、本発明のようにポリオルガノシロキサン
が、一部が架橋した状態で、島状に露出している場合
は、かかる問題も無く、良好なヒートシール性と耐ブロ
ッキング性を発揮することができる。
【0033】上記のように、前記オルガノポリシロキサ
ンは、少なくとも表層を構成するポリオレフィンに配合
した場合、良好な滑り性を発揮するが、その性質上、該
表層の表面の全面に出現するため、ヒートシール性、耐
ブロッキング性の低下をもたらし、自動包装の高速化へ
の対応が困難である。本発明にあっては、該オルガノポ
リシロキサンが、表層を構成するポリオレフィン中で一
部架橋した状態で存在せしめることにより、これを島状
に露出させることに成功し、良好な滑り性を維持しなが
ら、良好なヒートシール性、耐ブロッキング性を発揮し
得たのである。
【0034】かかる島状に露出した状態は、球形粒子の
ような潤滑性の粒子を配合して滑り性を発揮させる場合
のように、該粒子が突出して存在するものとは異なり、
実質的に面状に形成される。そのため、フィルムの滑り
性に寄与する面積が上記粒子を添加する場合と比べて大
きく、より良好な滑り性を発揮すると共に、耐スクラッ
チ性も良好であるという特徴を有する。
【0035】オルガノポリシロキサンが島状に露出して
いる状態の観察は、フィルム表面をレプリカ法により透
過型電子顕微鏡で観察できる。得られた写真を画像処理
装置で解析し、島状に露出しているオルガノポリシロキ
サンの平均面積率および平均直径を測定することができ
る。この場合、測定の倍率は1万倍程度が好ましい。
【0036】尚、上記直径は、写真より測定した見なし
直径である。
【0037】本発明のポリオレフィン系樹脂フィルムに
おいて、上記効果を発揮するためには、該オルガノポリ
シロキサンの露出面積率は、1〜20%、特に、3〜1
5%であることが好ましい。また、該露出部の平均直径
が0.1〜3μm、特に、0.2〜1.5μmであるこ
とが好ましい。すなわち、該オルガノポリシロキサンの
露出面積率が1%より少ない場合は、前記非溶融粒子と
作用により、得られるポリオレフィン系樹脂フィルムに
十分な滑り性が付与されず、逆に、20%を超えるとヒ
ートシール性、耐ブロッキング性の低下をもたらす傾向
にある。また、露出部の平均直径が0.1μmより小さ
い場合は、上記と同様に、得られるポリオレフィン系樹
脂フィルムに十分な滑り性が付与されず、逆に、3μm
より大きい場合は、ヒートシール性、耐ブロッキング性
の部分的な低下をもたらすことがある。
【0038】本発明のポリオレフィン系樹脂フィルムの
片面または両面の表層のみを上記ポリオレフィンによっ
て構成する態様において、基材層となる層は公知のポリ
オレフィンが特に制限なく使用される。包装用の用途に
は、単独ポリプロピレン、エチレン量1重量%以下のエ
チレン−プロピレンランダム共重合体、低密度ポリエチ
レンもしくは高密度ポリエチレンを1重量%以下を含む
単独ポリプロピレンおよびエチレン−プロピレン共重合
体、水添テルペン系樹脂、水添石油樹脂、ジシクロペン
タジエン樹脂を1〜30重量%含む上記プロピレン系重
合体等およびこれらの混合物を用いるとよい。なお、こ
れらプロピレン系重合体をフィルムに成形した場合、高
速包装機械適性を損なわないためには、フィルムの引張
弾性率が150kg/mm2以上であることが好まし
い。上記基材層を構成するポリオレフィンのメルトフロ
ーレートは1〜5g/10分のものがよい。
【0039】また、上記態様において、ヒートシール性
を有するポリオレフィンに非溶融粒子及びオルガノポリ
シロキサンを配合した表層を片面に設け、他面の表層
は、一般に用いられるヒートシール性を有する組成の層
とすることで好適に実用に供することができる。また、
この場合、他面の表層はオルガノポリシロキサンを除い
た組成を積層することによりより効果的な包装用フイル
ムとなる。なぜならば、オルガノポリシロキサン成分が
反対面にも存在した場合、低温ヒートシール性が低下す
るばかりでなく、耐ブロッキング性が悪化する危険性が
高まり、印刷や印字性も損なわれるので好ましくない。
更に、印刷性、印字性および帯電防止性を向上させる目
的で片面もしくは両面にコロナ処理を実施してもよい。
特に、オルガノポリシロキサンを除いた面にコロナ処理
を行うと効果的な性能が得られると共に、包装物にした
場合、コロナ処理面が包装物の外面にこないので、包装
後の製品を積み重ねたり保管した場合、フィルム同士が
くっつくブロッキング現象が防止できる。
【0040】また、本発明のポリオレフィン系樹脂フィ
ルムは、一軸若しくは二軸に延伸されたものが、得られ
るポリオレフィン系樹脂フィルムの剛性が改良され、包
装用の用途に好適である。かかる延伸倍率は、一軸方向
に3〜10倍、特に二軸延伸の場合、MD(縦)方向に
3〜8倍、TD(横)方向に6〜12倍延伸されたもの
が好適である。
【0041】本発明のポリオレフィン系樹脂フィルムを
構成するポリオレフィンには、高速包装機械適性を損な
わない限り、種々の添加剤を使用できる。例えば、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、塩素キャッチャー、熱安定剤等
の安定剤が挙げられる。
【0042】また、帯電防止剤、滑剤、アンチブロッキ
ング剤、染料、顔料等を添加することも可能である。上
記帯電防止剤としては、市販のものがなんら制限なく使
用できる。例えば、炭素数12〜21のアルキルジエタ
ノールアミンもしくは炭素数12〜21のアルキルジエ
タノールアミド、またこれらのモノエステル、ジエステ
ル化物および炭素数12〜21のアリキルグリセリンモ
ノエステル等の単独もしくはこれらの混合物を0.1〜
2.0重量部使用すればよい。
【0043】本発明のポリオレフィン系樹脂フィルムの
製造方法は特に制限されない。代表的な製造方法を例示
すれば、ポリオレフィンに前記した非溶融粒子及びオル
ガノポリシロキサンを混合時に、該オルガノポリシロキ
サンを部分架橋させ、フィルムに成形する方法が好適で
ある。
【0044】上記混合は、各成分をヘンシルミキサー、
ナウターミキサー等の混合機で混合した後、押出機等の
混練機で溶融混練するのが一般的である。
【0045】本発明において、オルガノポリシロキサン
は、前記ポリオレフィンと混合する前に、予めポリプロ
ピレン系樹脂と溶融混練したものを使用することが、該
ポリオレフィン中にオルガノポリシロキサンを均一に分
散させるために好ましい。
【0046】上記ポリプロピレン系樹脂は、ポリオレフ
ィンと均一に溶融混練できるものであれば特に制限され
ない。一般には、ポリプロピレン単独重合体、エチレン
−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレン
−ブテン三元共重合体等が使用される。
【0047】勿論、表層を構成する前記ポリオレフィン
樹脂と上記ポリプロピレン系樹脂が同種のものである場
合は、直接混合すればよい。
【0048】上記方法に使用されるオルガノポリシロキ
サンは、含有されるビニル基が0.001〜0.3重量
%のものであることが、該オルガノポリシロキサンを一
部架橋させるために好ましい。すなわち、該ビニル基の
量が0.001重量%よりも少ない場合には、フィルム
の表面に出現したオルガノポリシロキサンが時間の経過
と共に液膜状になり易く、また、該ビニル基が0.3重
量%よりも多い場合には、フィルムの表面に出現するオ
ルガノポリシロキサンの形状が大きな島状となる傾向が
あり、耐ブロッキング性に影響を及ぼす傾向がある。
【0049】また、ビニル基を有するオルガノポリシロ
キサンとポリオレフィンとの混練にあたっては、有機過
酸化物、例えばメチルエチルケトンパーオキサイド、メ
チルイソブチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパー
オキサイド、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイ
ソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド等の存
在下に行うことでより前記効果を発現できる。このこと
は、オルガノポリシロキサンに含有されるビニル基が適
度に架橋することにより、フィルムの表面にオルガノポ
リシロキサンがブリードにより出現するとき、液膜状に
出現するのではなく、島状に出現することからも識別で
きる。
【0050】上記フィルムへの成形は、公知の方法が特
に制限なく適用される。例えば、ポリオレフィン系樹脂
フィルムを、ポリオレフィンよりなる基材層とヒートシ
ール性の良好な表層との積層構造とする場合には、共押
出法により基材層の組成のシートの片面に表層の組成の
シートを積層したシートを作成し、これを縦及び横に延
伸することが一般的である。または、基材層の組成をシ
ート状に成形後、未延伸もしくは縦に一軸延伸後に表層
の組成を片面に溶融押出しした後、未延伸の場合は縦お
よび横に延伸を行う。縦に一軸延伸した後に積層した場
合には、縦方向と直角方向に延伸を行う。
【0051】特に、低温ヒートシールを目的とした二軸
延伸積層フィルムを作成する場合には、低温で溶融する
積層樹脂が、縦延伸工程の加熱ロールに粘着する危険性
があることから、基材層を縦延伸した後に積層を行う方
法が、透明性に優れたフィルムを作成するのに好適であ
る。
【0052】本発明のポリオレフィン系樹脂フィルムを
用いて実際の包装を行う場合、包装物の外面に本発明の
特徴的表層が存在するように用いることが好ましい。
【0053】
【発明の効果】本発明のポリオレフィン系樹脂フィルム
は、特に透明性に優れると共に、滑り性、耐スクラッチ
性及び耐ブロッキング性が極めて良好である。
【0054】従って、本発明のポリオレフィン系樹脂フ
ィルムは、高速包装機械にかけた場合の包装性に極めて
優れるものである。特に、包装機械のヒートシール部に
使用されている熱板との滑り性に優れる。例えば、煙草
の包装においては、1分間に300個以上の包装速度に
よっても、フィルムとの滑り不足による包装機の停止も
しくは包装物のシール不良や包装の外観不良を防止でき
る。
【0055】また、フィルム同士のコスレによる傷付き
や内容物を被覆した包装物の包装機や搬送装置とのコス
レによる外観性の低下を防止できる。
【0056】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するため以下に
実施例および比較例を挙げて説明するが、本発明はこれ
ら実施例に限定されるものではない。
【0057】なお、以下の実施例および比較例における
フィルムの物性は下記の方法により行った。
【0058】(1)透明性 ヘイズ値をJIS K 6714 に準じて測定した。
【0059】ただし、表示は4枚重ねの値とした。
【0060】(2)滑り性 フィルム製造後、40℃で3日間養生後にASTM−D
−1894の摩擦係数測定法に準じて測定した。
【0061】(3)耐スクラッチ性 2枚のフィルムを用意して、一方のフィルム(20×3
0cm)を下部フィルムとして固定し、他方のフィルム
を上部フィルムとし、上部フィルムに4.6kgの重り
を乗せて、下部フィルムと10×10cmの面積で接触
させ、上部フィルムを水平に移動させることによって2
0cm間を往復2回こすり合わせた。上記操作を行った
前後のフィルムのヘイズ値をJIS K 6714 に
準じて測定し、前後の差を示した。
【0062】(4)ブロッキング性 2枚のフィルム(12×12cm)おいて、本発明の組
成物面同士を重ね合わせ、荷重10kg(69.4kg
/cm2 )、温度55℃、湿度90%RHの雰囲気に2
4時間放置後、4×4cmにサンプルを切り出し、引張
り試験機(速度:100mm/分)でセン断剥離強度を
測定した。
【0063】(5)ヒートシール性 フィルムの表面と裏面を重ね合わせ、5×200mmの
ヒートールバーを用い、各設定温度において、ヒートシ
ール圧力1kg/cm2 、ヒートシール時間1.0秒の
条件でシールした試料から15mm幅のサンプルを切り
取り、引張り試験機を用いて引張り速度100mm/分
で測定した。結果は5サンプルの平均値とした。平均値
をグラフに記入し、ヒートシール強度200gに達する
温度をヒートシール開始温度として読み取った。
【0064】(6)表面観察 フィルム表面をレプリカ法により透過型電子顕微鏡(日
立:H−8000)で1万倍の倍率で観察・写真測定し
た。写真を画像処理装置(ピアス:LA555)で解析
し島状に分散しているオルガノポリシロキサンの平均面
積率および平均直径を測定した。
【0065】(7)包装機械適性 (株)東京自働機械製作所製W−322型上包装機に、
複層二軸延伸フィルムをセツトし、20本入り紙巻き煙
草のソフトカートンを300個/分で包装を行った。こ
の時の、包装機の包装完了後検査ターレットに移行する
部分の押さえブラシの振動により、高速包装機械適性を
判別した。
【0066】押さえブラシの振動は振動幅3mm以上変
動したときは包装機を停止させるリミットスイッチが作
動するために、レーザーポテンショメーターの記録計に
より、2mm以下で1分以上連続運転可能なものを合格
と判定した。
【0067】密封性は包装品をJT式デジタルリークテ
スター(DL−01型)にて測定し、エアーリーク値と
て、1000ml/分以下を合格とした。
【0068】また、包装品の仕上り外観を目視により、
市販品同等のものを良、シール部のフイルムに捲れやフ
ィルムの折り込み不良のあるものおよび包装後にフィル
ム表面にコスレ傷のつきやすいものを不良と判定した。
【0069】(8)包装品の保存性 (7)項の包装品(タバコ)を2段重ねにし、荷重1k
g、温度40℃、湿度90%の恒温恒湿槽に20日間保
管後、目視により密着性を調べた。
【0070】評価の方法は、上段の包装物を持ち上げた
とき、全く密着していないものを◎、下段の包装物が僅
か持ち上がるが自重で落ちるものを○、落ちないものを
×とした。
【0071】実施例1 エチレン含有量5.2重量%、メルトフローレイト8.
0g/10分のエチレン−プロピレンランダム共重合体
100重量部に、前もって、メルトフローレイト10.
0g/10分のプロピレン単独重合体50重量部に、ジ
ビニルベンゼンを0.1重量%を含む平均分子量45
0,000で直鎖型のジメチルポリシロキサン50重量
部および有機過酸化物としてベンゾイルパーオキサイド
0.05重量部を押出機で210℃で溶融・混練し作成
したペレットを0.6重量部、平均粒子径2.0μmの
架橋アクリル樹脂粒子(日本触媒株式会社製エポスター
MA2)0.3重量部およびその他添加剤として、酸化
防止剤(BHT)0.2重量部、帯電防止剤としてグリ
セリンモノステアレートとN,N´−ビス(2−ヒドロ
キシエチル)ステアリルアミンを夫々0.3重量部、エ
ルカ酸アミド0.05重量部、ステアリン酸カルシュウ
ム0.04重量部を加えて、スーパーミキサーで均一に
混合した。次いて、押出機により230℃で溶融・混練
しフィルム用原料Aとした。
【0072】次に、エチレン含有量5.2重量%、メル
トフローレイト8.0g/10分のエチレン−プロピレ
ンランダム共重合体100重量部に、平均粒子径2.0
μmの架橋アクリル樹脂粒子(日本触媒株式会社製エポ
スターMA2)0.2重量部およびその他添加剤とし
て、酸化防止剤(BHT)0.2重量部、帯電防止剤と
してグリセリンモノステアレートとN,N´−ビス(2
−ヒドロキシエチル)ステアリルアミンを夫々0.3重
量部、エルカ酸アミド0.05重量部、ステアリン酸カ
ルシュウム0.04重量部を加えて、スーパーミキサー
で均一に混合した。次いて、押出機により230℃で溶
融・混練しフィルム用原料Bとした。
【0073】次に、複層フィルムの基材層として、エチ
レン含有量0.3重量%、メルトフローレイト2.0g
/10分のエチレン−プロピレンランダム共重合体10
0重量部に、酸化防止剤(BHT)として0.2重量
部、帯電防止剤としてグリセリンモノステアレートと
N,N´−ビス(2−ヒドロキシエチル)ステアリルア
ミンを夫々0.5重量部、エルカ酸アミド0.03重量
部、ステアリン酸カルシュウム0.04重量部を加え
て、スーパーミキサーで均一に混合し、押出機により2
80℃で溶融・混練したフィルム用原料を、Tダイ型押
出機を用いて280℃で溶融押し出し40℃のキャステ
ィングロール上で1.20mmのシートとした。このシ
ートを140℃の加熱ロールにて予熱し縦方向に5.0
倍延伸した。次いて、縦延伸シートの片面にフィルム用
原料AをTダイ型押出機を用いて230℃で溶融押し出
し60℃のキャスティングロール上で貼り合わせた。次
に、縦延伸シートの反対面にフィルム用原料BをTダイ
型押出機を用いて230℃で溶融押し出し60℃のキャ
スティングロール上で貼り合わせた。次いて、165℃
に加熱された横延伸機内で横方向に10倍に延伸後、横
延伸機の熱セットゾーンで170℃にて7%横方向にリ
ラックスさたのちコロナ処理機により濡れ指数40ダイ
ンになるように処理を行った。得られたフィルムの厚さ
は表層は各々1.0μm、基材層は21μmであり合計
23μmであった。こうして得られたフィルムを40℃
で2日間養生したのちオルガノポリシロキサンが島状に
露出している状態の測定を、フィルム表面をレプリカ法
により透過型電子顕微鏡で1万倍の写真測定した。得ら
れた写真を画像処理装置で解析した結果、島状に露出し
ているオルガノポリシロキサンの平均面積率は6.2
%、平均直径は0.3μmであった。
【0074】こうして得られたフィルムの透明性、滑り
性、耐スクラッチ性、耐ブロッキング性、ヒートシール
開始温度を表1に示した。また、包装機械適性および包
装品のエアーリーク値の結果を表2に示した。
【0075】実施例2 エチレン含有量3.5重量%、メルトフローレイト7.
0g/10分のエチレン−プロピレン共重合体100重
量部に、前もって、メルトフローレイト10.0g/1
0分のプロピレン単独重合体50重量部に、ジビニルベ
ンゼンを0.2重量%を含む平均分子量300,000
で直鎖型のジメチルポリシロキサン50重量部および有
機過酸化物としてベンゾイルパーオキサイド0.05重
量部を押出機で210℃で溶融・混練し作成したペレッ
トを0.8重量部、平均粒子径4.0μmの架橋アクリ
ル樹脂粒子(日本触媒株式会社製エポスターMA4)
0.25重量部およびその他添加剤として、実施例1と
同様の添加剤配合を行い、スーパーミキサーで均一に混
合した。次いて、押出機により230℃で溶融・混練し
樹脂Aとした。 次に、樹脂A100重量部にメルトフ
ローレイト4.0g/10分、融点75℃のプロピレン
ーブテンー1共重合体15重量部をドライブレンドしフ
ィルム用原料Aとした。次に、複層フィルムの基材層と
して、メルトフローレイト2.0g/10分の単独ポリ
プロピレン重合体100重量部に、実施例1と同等の添
加剤配合を行いTダイ型押出機により280℃で溶融・
混練し、40℃のキャスティングロール上で1.20m
mのシートとした。このシートを145℃の加熱ロール
にて予熱し縦方向に5.0倍延伸した。次いて、縦延伸
シートの片面にフィルム用原料AをTダイ型押出機を用
いて230℃で溶融押し出し60℃のキャスティングロ
ール上で貼り合わせた。次に、縦延伸シートの反対面に
実施例1と同等のフィルム用原料BをTダイ型押出機を
用いて230℃で溶融押し出し60℃のキャスティング
ロール上で貼り合わせた。次いて、165℃に加熱され
た横延伸機内で横方向に10倍に延伸後、横延伸機の熱
セットゾーンで170℃にて7%横方向にリラックスさ
せたのちコロナ処理機により濡れ指数40ダインになる
ように処理を行った。得られたフィルムの厚さは表層は
各々1.0μm、基材層は20μmであり合計22μm
であった。
【0076】オルガノポリシロキサンが島状に露出して
いる状態の測定を、フィルム表面をレプリカ法により透
過型電子顕微鏡で1万倍の写真測定した。得られた写真
を画像処理装置で解析し結果、島状に露出しているオル
ガノポリシロキサンの平均面積率8.5%、平均直径は
0.4μmであった。
【0077】こうして得られたフィルムの透明性、滑り
性、耐スクラッチ性、耐ブロッキング性、ヒートシール
開始温度を表1に示した。また、包装機械適性および包
装品のエアーリーク値の結果を表2に示した。
【0078】実施例3 エチレン含有量5.2重量%、メルトインデックス8.
0g/10分のエチレン−プロピレン共重合体100重
量部に、前もって、メルトフローレイト10.0g/1
0分のプロピレン単独重合体50重量部に、ジビニルベ
ンゼンを0.05重量%を含む平均分子量450,00
0で直鎖型のジメチルポリシロキサン50重量部および
有機過酸化物としてベンゾイルパーオキサイド0.05
重量部を単軸押出機で210℃で溶融・混練し作成した
ペレットを0.6重量部、平均粒子径2.0μmの架橋
アクリル樹脂粒子(日本触媒株式会社製エポスターMA
2)0.8重量部を使用したほかは実施例1と同様に行
いフィルム用原料Aとした。フイルム原料Bおよび基材
層およびフィルムの製膜は実施例1と同様とした。
【0079】オルガノポリシロキサンが島状に露出して
いる状態の測定を、フィルム表面をレプリカ法により透
過型電子顕微鏡で1万倍の写真測定した。得られた写真
を画像処理装置で解析した結果、島状に露出しているオ
ルガノポリシロキサンの平均面積率は7.3%、平均直
径は0.3μmであった。
【0080】こうして得られたフィルムの性能評価およ
び包装機械適性を実施例1と同様に行い、結果を表1お
よび表2に示した。
【0081】実施例4 実施例1で用いたジメチルポリシロキサンの配合量をエ
チレン−プロピレン共重合体100重量部に対して3.
0重量部配合した他は実施例1と同様に行った。
【0082】オルガノポリシロキサンが島状に露出して
いる状態の測定を、フィルム表面をレプリカ法により透
過型電子顕微鏡で1万倍の写真測定した。得られた写真
を画像処理装置で解析した結果、島状に露出しているオ
ルガノポリシロキサンの平均面積率は14.1%、平均
直径は0.7μmであった。
【0083】こうして得られたフィルムの性能評価を実
施例1と同様に行った。評価の結果を表1および表2に
示した。
【0084】比較例1 実施例1で用いたジメチルポリシロキサンをビニル基を
含まない分子量20万のシリコーンガムに替えたほかは
実施例1と同様に行った。
【0085】シリコーンガムが露出している状態の測定
は、フィルム表面をレプリカ法により透過型電子顕微鏡
で1万倍の写真測定した。得られた写真からはシリコー
ンガムが露出している状態は不規則な液膜状態であっ
た。
【0086】こうして得られたフィルムの性能評価を実
施例1と同様に行った。評価の結果を表1および表2に
示した。
【0087】比較例2 実施例1のオルガノポリシロキサンを除いた他は実施例
1と同様に行った。
【0088】こうして得られたフィルムの性能評価およ
び包装機械適性を実施例1と同様に行った。評価の結果
を表1および表2に示した。
【0089】比較例3 実施例1で用いたフイルム原料Aに含まれるジメチルポ
リシロキサンの添加量を10重量部になるように変更し
たほかは実施例1と同様に行った。
【0090】オルガノポリシロキサンが露出している状
態の測定を、フィルム表面をレプリカ法により透過型電
子顕微鏡で1万倍の写真測定した。得られた写真からは
ジメチルポリシロキサンが露出している状態は島状に露
出しているものの島同士が重なり合った状態であり、し
かも大きさが不規則であることから画像処理装置で解析
した平均面積率および平均直径のバラツキが大きく測定
不能であった。
【0091】こうして得られたフィルムの性能評価を実
施例1と同様に行った。評価の結果を表1および表2に
示した。
【0092】なお、包装機テストの結果は、フイルムの
滑り過ぎにより、包装品のシール部の位置にズレが発生
することから開封テープの重なり部分の位置が合わない
ものが多発した。
【0093】比較例4 実施例1の架橋アクリル樹脂粒子を平均粒子径13.0
μmのものに代えた以外は実施例1と同様に行った。
【0094】オルガノポリシロキサンが島状に露出して
いる状態の測定を、フィルム表面をレプリカ法により透
過型電子顕微鏡で1万倍の写真測定した。得られた写真
を画像処理装置で解析し結果、島状に露出しているオル
ガノポリシロキサンの平均面積率6.1%、平均直径は
0.3μmであった。
【0095】なお、包装機テストの結果は、長時間運転
したときフィルムより白い粉が脱落し回転ロールに付着
が発生した。この白い粉は分析の結果、架橋アクリル樹
脂粒子であった。
【0096】こうして得られたフィルムの性能評価およ
び包装機械適性を実施例1と同様に行い、結果を表1お
よび表2に示した。
【0097】
【表1】
【0098】
【表2】
【0099】実施例5 実施例1の架橋アクリル樹脂粒子に代えて、平均粒子径
2.0μmのシリコーンゴム粒子(東レ・ダウコーニン
グ・シリコーン株式会社製トレフィルE600)を使用
した以外は、実施例1と同様な方法でポリオレフィン系
樹脂フィルムを製造した。
【0100】得られたフィルムの厚さは表層が各々1.
0μm、基材層は21μmであり合計23μmであっ
た。
【0101】オルガノポリシロキサンが島状に露出して
いる状態の測定を、フィルム表面をレプリカ法により透
過型電子顕微鏡で1万倍の写真測定した。得られた写真
を画像処理装置で解析した結果、島状に露出しているオ
ルガノポリシロキサンの平均面積率は6.3%、平均直
径は0.3μmであった。
【0102】こうして得られたフィルムの性能評価およ
び包装機械適性を実施例1と同様に行い、結果を表3お
よび表4に示した。
【0103】実施例6 実施例2の架橋アクリル樹脂粒子に代えて、平均粒子径
2.0μmのシリコーンゴム粒子(東レ・ダウコーニン
グ・シリコーン株式会社製トレフィルE600)を使用
した以外は、実施例2と同様な方法でポリオレフィン系
樹脂フィルムを製造した。
【0104】得られたフィルムの厚さは表層は各々1.
0μm、基材層は20μmであり合計22μmであっ
た。
【0105】オルガノポリシロキサンが島状に露出して
いる状態の測定を、フィルム表面をレプリカ法により透
過型電子顕微鏡で1万倍の写真測定した。得られた写真
を画像処理装置で解析した結果、島状に露出しているオ
ルガノポリシロキサンの平均面積率は8.4%、平均直
径は0.4μmであった。
【0106】こうして得られたフィルムの性能評価およ
び包装機械適性を実施例1と同様に行い、結果を表3お
よび表4に示した。
【0107】実施例7 実施例2の架橋アクリル樹脂粒子に代えて、平均粒子径
2.0μmのシリコーン樹脂粒子(東芝シリコーン株式
会社製トスパール120)を使用した以外は、実施例2
と同様な方法でポリオレフィン系樹脂フィルムを製造し
た。
【0108】オルガノポリシロキサンが島状に露出して
いる状態の測定を、フィルム表面をレプリカ法により透
過型電子顕微鏡で1万倍の写真測定した。得られた写真
を画像処理装置で解析した結果、島状に露出しているオ
ルガノポリシロキサンの平均面積率は8.4%、平均直
径は0.4μmであった。
【0109】こうして得られたフィルムの性能評価およ
び包装機械適性を実施例1と同様に行い、結果を表3お
よび表4に示した。
【0110】実施例8 実施例5で用いたジメチルポリシロキサンの配合量をエ
チレン−プロピレン共重合体100重量部に対して3.
0重量部配合した以外は実施例1と同様の方法によりポ
リオレフィン系樹脂フィルムを製造した。
【0111】オルガノポリシロキサンが島状に露出して
いる状態の測定を、フィルム表面をレプリカ法により透
過型電子顕微鏡で1万倍の写真測定した。得られた写真
を画像処理装置で解析した結果、島状に露出しているオ
ルガノポリシロキサンの平均面積率は6.2%、平均直
径は0.3μmであった。
【0112】こうして得られたフィルムの性能評価を実
施例1と同様に行った。評価の結果を表3および表4に
示した。
【0113】比較例5 実施例5で用いたジメチルポリシロキサンをビニル基を
含まない分子量20万のシリコーンガムに替えたほかは
実施例5と同様に行った。
【0114】シリコーンガムが露出している状態の測定
は、フィルム表面をレプリカ法により透過型電子顕微鏡
で1万倍の写真測定した。得られた写真からはシリコー
ンガムが露出している状態は不規則な液膜状態であっ
た。
【0115】こうして得られたフィルムの性能評価を実
施例1と同様に行った。評価の結果を表3および表4に
示した。
【0116】比較例6 実施例5のオルガノシロキサンを除いた以外は実施例5
と同様に行った。
【0117】こうして得られたフィルムの性能評価およ
び包装機械適性を実施例1と同様に行った。評価の結果
を表3および表4に示した。
【0118】比較例7 実施例5で用いたフイルム原料Aに含まれるジメチルポ
リシロキサンの添加量を10重量部になるように変更し
たほかは実施例5と同様に行った。
【0119】オルガノポリシロキサンが露出している状
態の測定を、フィルム表面をレプリカ法により透過型電
子顕微鏡で1万倍の写真測定した。得られた写真からは
ジメチルポリシロキサンが露出している状態は島状に露
出しているものの島同士が重なり合った状態であり、し
かも大きさが不規則であることから画像処理装置で解析
した平均面積率および平均直径のバラツキが大きく測定
不能であった。
【0120】こうして得られたフィルムの性能評価を実
施例1と同様に行った。評価の結果を表3および表4に
示した。
【0121】なお、包装機テストの結果は、フイルムの
滑り過ぎにより、包装品のシール部の位置にズレが発生
することから開封テープの重なり部分の位置があわない
ものが多発した。
【0122】比較例8 実施例7のオルガノシロキサンを除いたうえ、平均粒子
径2.0μmのシリコーン樹脂粒子(東芝シリコーン株
式会社製トスパール120)の添加量を0.5重量部に
増量した以外は、実施例2と同様な方法でポリオレフィ
ン系樹脂フィルムを製造した。
【0123】こうして得られたフィルムの性能評価およ
び包装機械適性を実施例1と同様に行った。評価の結果
を表3および表4に示した。
【0124】
【表3】
【0125】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI //(C08L 23/00 (C08L 23/00 83:00) 83:00) 23:00 23:00 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/18 B32B 27/32 B65D 65/40 C08K 7/16 - 7/20 C08L 23/00 - 23/36 C08L 83/00 - 83/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 片面または両面の少なくとも表層が、ポ
    リオレフィン100重量部に対して、平均粒子径1〜7
    μmの非溶融粒子0.05〜2重量部およびオルガノポ
    リシロキサン0.05〜5重量部を含有する組成を有
    し、且つ上記表層の表面に、該オルガノポリシロキサン
    の一部が架橋した状態で、島状に露出したことを特徴と
    するポリオレフィン系樹脂フィルム。
  2. 【請求項2】 上記オルガノポリシロキサンの露出面積
    率が1〜20%で、該露出部の平均直径が0.1〜3μ
    mである請求項1記載のポリオレフィン系樹脂フィル
    ム。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィン系樹脂フィルムが、ポリ
    プロピレンよりなる基材層と該基材層より溶融温度の低
    いポリオレフィンよりなる表層とよりなる請求項1記載
    のポリオレフィン系樹脂フィルム。
  4. 【請求項4】 表層のポリオレフィン系樹脂が、エチレ
    ン含有量2〜8重量%のエチレンープロピレンランダム
    共重合体、エチレン含有量1〜5重量%、ブテン含有量
    1〜30重量%のエチレン−プロピレン−ブテン三元共
    重合体より選ばれた1種またはこれらの混合物である請
    求項3記載のポリオレフィン系樹脂フィルム。
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