JP3213906U - 生鮮食品の油漬けフリーズドライ食品 - Google Patents

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治 市田
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【課題】フリーズドライ食品と食用油を使用してフリーズドライ食品特有の食感や栄養価が保たれた生鮮食品の油漬けフリーズドライ食品を提供する。【解決手段】生鮮食品の油漬けフリーズドライ食品10は、野菜または果物等といった生鮮食品から成るフリーズドライ食品20について、そのまま若しくは粉砕またはカットされた状態で密封可能な容器22内に投入され、且つ、当該容器22に動物性食用油または植物性食用油のいずれか若しくはこれらの混合油が注ぎ込まれることで、フリーズドライ食品20が容器22内にて食用油21に漬け込まれて成る新規食品である。【選択図】図1

Description

本考案は、新規なフリーズドライ食品に関し、詳しくは、フリーズドライした生鮮食品が食用油によって漬け込まれて成る生鮮食品の油漬けフリーズドライ食品に関するものである。
旧来におけるフリーズドライ食品は、水分を含んだ食品や食品原料をマイナス30〜45℃程度若しくはそれ以下の温度で急速に凍結し、さらに減圧して真空状態で水分を昇華、乾燥させて製造されるもので、現代では非常食や携帯食用として広く普及し、さらに近年においては健康食品や機能性食品として多様に進化している。食材としては、従来、海産物や農産物の干物のような乾燥に適した食品が多く使われていたが、それらは周到な下処理と長期間の複雑な製造工程を必要とすることから、実際には乾燥玉子や乾燥ポテトなどの一部の食材に限定されている現状もあり、さらに従来における乾燥技術では、一般流通段階の食材と比較して食感や色落ちなどの品質上の問題が存するものであって、それらの問題点を解決することができる生鮮食品のフリーズドライ食品の開発が待たれるところであった。
近年におけるフリーズドライ食品は、乾燥による収縮や亀裂などの形態の変化が少なく、ビタミンなどの栄養成分や風味の変化も少なく、多孔質で水や熱湯が浸入しやすいため復元性・溶解性が良く、低水分であるため軽く輸送性の向上に資し、酵素や微生物の作用が抑制されるため長期保存ができる、などといった多くの利点を持つことから、多くの商品開発が為されている。
従来におけるフリーズドライをはじめとする乾燥食品の具体的な商品提案としては、例えば、適度な焦げの色調と、香ばしい風味と、軽く良好な食感を有するロースト食品と、良好な風味の風味油脂とを、均一な品質で工業的に大量生産することを可能にする「油漬けロースト食品」(特許文献1)が提案され、公知技術となっている。具体的には、乾燥食品素材と油脂とを、ヘッドスペースが容量10%以下となるようにレトルトパウチ等の耐熱密封容器に封入し加熱することにより製造される油漬けのロースト食品の提案である。
しかしながら、かかる「油漬けロースト食品」の提案は、加熱によるロースト食品を提供するものであって、フリーズドライ食品とは異なる乾燥食品素材と油脂をロースト(加熱処理)して油漬けする手段を採用することによって、食品が本来持つ色彩や形状、栄養価、鮮度、食感等が失われてしまう、といった問題があった。
本出願人は、栄養価が高いなど多くの利点を持つフリーズドライ食品に着目し、フリーズドライ食品の特性を活かした新規な食品を提供することができないものかとの着想下、食用油を使用してフリーズドライ食品特有の食感や栄養価を失うことのない新規食品を開発し、本考案にかかる「生鮮食品の油漬けフリーズドライ食品」の提案に至るものである。
特開2002−345431号
本考案は、上記問題点に鑑み、フリーズドライ食品と食用油を使用してフリーズドライ食品特有の食感や栄養価が保たれた新規食品を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本考案にかかる生鮮食品の油漬けフリーズドライ食品は、野菜または果物等の生鮮食品から製造されたフリーズドライ食品が密封可能な容器内において常温下で食用油に漬け込まれて成る手段を採る。
また、本考案にかかる生鮮食品の油漬けフリーズドライ食品は、前記食用油が、動物性食用油または植物性食用油のいずれか若しくはこれらの混合油である手段を採る。
さらに、本考案にかかる生鮮食品の油漬けフリーズドライ食品は、前記フリーズドライ食品が粉砕またはカットされた状態で食用油に漬け込まれて成る手段を採る。
本考案にかかる生鮮食品の油漬けフリーズドライ食品によれば、常温で油漬けすることによって、本来のフリーズドライ食品が持つ食感ならびに華やかな色彩などテクスチャーを長期に亘って保つことができる新規なフリーズドライ食品を提供することができる、といった優れた効果を奏する。
また、本考案にかかる生鮮食品の油漬けフリーズドライ食品によれば、製造過程において加熱処理されていないことから、フリーズドライ食品が持つビタミンなどの栄養成分や風味の変化が少ない新規なフリーズドライ食品を提供することができる、といった優れた効果を奏する。
さらに、本考案にかかる生鮮食品の油漬けフリーズドライ食品によれば、表面が油漬けによってコーティングされていることによって、酸化防止が図られてフリーズドライ食品本来の味覚が損なわれず、また、外気からの水分・湿気の吸収が遮断されることから、乾燥剤等を必要とすることがなく且つカビの発生や腐食も防止され、独特のサクサクした食感が長期間にわたって維持される、といった優れた効果を奏する。
またさらに、本考案にかかる生鮮食品の油漬けフリーズドライ食品によれば、動物性食用油や植物性食用油など漬け込む食用油の種類を使い分けることで、油種によって種々の風味が味わえると共に、フリーズドライの風味が食用油に移って、調味料の様に独特の風味が楽しめる新規なフリーズドライ食品を提供することができる、といった優れた効果を奏する。
さらにまた、本考案にかかる生鮮食品の油漬けフリーズドライ食品によれば、フリーズドライ食品が粉砕またはカットされた状態で食用油に漬け込む手段を採ることによって、大型の野菜や果実、根菜など広範囲に亘った生鮮食品を素材原料とすることが可能であると共に、カットの大きさによって食感を変えることができ、食用油とカットされたフリーズドライ食品が満遍なく混ぜ合わさることで、オイルジャムや調理ドレッシング、トッピング素材として多様な料理に使用可能な新規食品を提供することができる、といった優れた効果を奏する。
そしてまた、本考案にかかる生鮮食品の油漬けフリーズドライ食品によれば、透明な瓶等の容器で保存することで、商品サンプルやお土産品、ディスプレイとしてショーウインドウに飾ることができると共に、非常災害用保存食としても使用することができる、といった優れた効果を奏する。
本考案にかかる生鮮食品の油漬けフリーズドライ食品の実施形態を示す説明図である。(実施例1) 本考案にかかる生鮮食品の油漬けフリーズドライ食品の他の実施形態を示す説明図である。(実施例2)
本考案にかかる生鮮食品の油漬けフリーズドライ食品10は、野菜または果物等の生鮮食品から製造されたフリーズドライ食品10が密封可能な容器22内において常温下で食用油21に漬け込まれて成ることを最大の特徴とする。
以下、本考案にかかる生鮮食品の油漬けフリーズドライ食品10の実施形態を、図面に基づいて説明する。
尚、本考案は、以下に述べる実施例に限定されるものではなく、本考案の技術的思想の範囲内、すなわち同一の作用効果を発揮できる形状や寸法等の範囲内で、適宜変更することができるものである。
図1は、本考案にかかる生鮮食品の油漬けフリーズドライ食品10の実施形態を示す説明図であり、(a)は多数個のフリーズドライ食品20を食用油21に漬け込んだ生鮮食品の油漬けフリーズドライ食品10を示し、(b)は1個のフリーズドライ食品20を食用油21に漬け込んだ生鮮食品の油漬けフリーズドライ食品10を示している。
本考案にかかる生鮮食品の油漬けフリーズドライ食品10は、野菜または果物等の生鮮食品から製造されたフリーズドライ食品20と、食用油21とから製造される新規食品である。
具体的には、先ず密封可能な容器22を用意し、常温下において、該容器22内に生鮮食品から製造されたフリーズドライ食品20を投入すると共に、食用油21を注ぎ込む様に投入し、該食用油21でフリーズドライ食品20が漬け込まれた状態で、密封蓋によって密封することによって完成するものである。尚、フリーズドライ食品20と食用油21の容器22への投入順序については、特に限定するものではなく、どちらが先・後でも構わない。
フリーズドライ食品20は、生鮮食品から製造されるもので、その所在原料は特に限定されるものではないが、例えば野菜では、生食で食することができるトマトやキュウリ、ピーマン、シシトウ、ナッツ、ブロッコリー、アスパラ、トウモロコシ、ニンニク、ニンジン、トウガラシ等が適している。
また、果物では、果肉構造または色彩構造に特徴があるイチゴ、ブルーベリー、クランベリー、ブラックベリー、キウイ、パイナップル、ブドウ、ミカン、ビワ、リンゴ、バナナ、イチジク、モモ,カキ、スイカ、メロン、レモン、ナシ、ウメ、サクランボ、マンゴー、マンゴスチン、パパイア、ザクロ等が適している。
食用油21は、動物性食用油または植物性食用油のいずれか若しくはこれらの混合油が使用される。動物性食用油としては、ラード、ヘット、ギー、バター等が使用され、植物性食用油としては、キャノーラ(菜種)油、オリーブオイル、大豆油、紅花油、ごま油、パーム油、ひまわり油、ココナッツ油、カカオバター等が使用される。尚、動物性食用油は常温下で固形状を為す場合が多いため、該動物性食用油を使用する場合は単独で使用せずに、植物性食用油と混合した混合油を使用することが好ましい。かかる動物性食用油と植物性食用油の混合油を使用する場合、その種類や混合割合については、完成品の用途や素材原料たるフリーズドライ食品20との相性などを考慮して、適宜決定し得る。
容器22は、密封可能であって商品として陳列し得るものであれば特に限定するものではないが、ディスプレイ的に中身(素材原料たるフリーズドライ食品20など)が看者に判別し得るよう、透明または半透明のガラス製または合成樹脂製の容器22であることが望ましく、密封ガラス瓶などが考え得る。
一の容器22に投入されるフリーズドライ食品20の数については、当該フリーズドライ食品20の大きさや容器22の容量などによって適宜決定されるもので、特に限定はない。例えば、図1(a)に示す様に、一の容器22に多数個のフリーズドライ食品20を投入することが可能であって、業務用の料理素材や家庭用の食材として使用することができる。また、図1(b)に示す様に、一の容器22にフリーズドライ食品20を一個のみ投入する態様も可能であって、レストランや食堂のディスプレイ食品や、お土産品、贈答用品、記念イベント商品等として使用することができる。その他、必ずしも生鮮食品を丸ごとフリーズドライしたものを素材原料として投入するものではなく、例えば一の素材原料を分割してフリーズドライ食品20としたものを投入する態様であってもよい。
以上の態様から成る本考案にかかる生鮮食品の油漬けフリーズドライ食品10は、素材原料たるフリーズドライ食品20を常温下において食用油21により漬け込むことによって、フリーズドライ食品20が本来有する食感と華やかな色彩を長期に亘って保つことができると共に、酸化防止が図られてフリーズドライ食品本来の味覚が損なわれず、また、外気からの水分・湿気の吸収が遮断されることから、乾燥剤等を必要とすることなく独特のサクサクした食感が長期間にわたって維持され、さらに、フリーズドライ食品20が持つビタミンなどの栄養成分や風味の変化が少ない新規なフリーズドライ食品を提供するものである。
図2は、本考案にかかる生鮮食品の油漬けフリーズドライ食品10の他の実施形態を示す説明図であり、(a)はフリーズドライ食品20がカットされた状態で食用油21に漬け込まれて成り、(b)はフリーズドライ食品20が粉砕された状態で食用油21に漬け込まれて成る態様を示している。
図2(a)に示す様に、カットされた状態のフリーズドライ食品20を使用する場合において、そのフリーズドライ食品20のカット数やカットされた際の大きさについては特に限定はなく、素材原料たるフリーズドライ食品20の大きさや完成品の用途などを考慮して、適宜決定される。このことは、図2(b)に示す様な粉砕された状態のフリーズドライ食品20を使用する場合においても同様である。
以上の態様から成る本考案にかかる生鮮食品の油漬けフリーズドライ食品10は、フリーズドライ食品10が粉砕またはカットされた状態で食用油21に漬け込まれて成ることで、大型の野菜や果実、根菜など広範囲に亘った素材を原料とすることが可能であると共に、カットの大きさによって食感を変えることができ、食用油21とカットされたフリーズドライ食品20が満遍なく混ぜ合わさることで、オイルジャムや調理ドレッシング、トッピング素材として多様な料理に使用することが可能である。
本考案にかかる生鮮食品の油漬けフリーズドライ食品は、常温で油漬けすることによって、本来のフリーズドライ食品が持つ食感ならびに華やかな色彩などテクスチャーを長期に亘って保つことができると共に、製造過程において加熱処理されていないことから、フリーズドライ食品が持つビタミンなどの栄養成分や風味の変化が少なく、表面が油漬けによってコーティングされていることによって、酸化防止が図られてフリーズドライ食品本来の味覚が損なわれないと共に、外気からの水分・湿気の吸収が遮断されることから、乾燥剤等を必要とすることなく独特のサクサクした食感が長期間にわたって維持され、動物性食用油や植物性食用油など漬け込む食用油の種類を使い分けることで、油種によって種々の風味が味わえると共に、フリーズドライの風味が食用油に移って、調味料の様に独特の風味が楽しめ、さらにフリーズドライ食品が粉砕またはカットされた状態で食用油に漬け込む手段を採ることによって、大型の野菜や果実、根菜など広範囲に亘った生鮮食品を素材原料とすることが可能であると共に、カットの大きさによって食感を変えることができ、食用油とカットされたフリーズドライ食品が満遍なく混ぜ合わさることで、オイルジャムや調理ドレッシング、トッピング素材として多様な料理に使用可能であり、透明な瓶等の容器で保存することで、商品サンプルやお土産品、ディスプレイとしてショーウインドウに飾ることができると共に、非常災害用保存食としても使用することができる、といった多くの利点があることから、本考案にかかる「生鮮食品の油漬けフリーズドライ食品」の産業上の利用可能性は極めて大であるものと思料する。
10 生鮮食品の油漬けフリーズドライ食品
20 フリーズドライ食品
21 食用油
22 容器

Claims (3)

  1. 野菜または果物等の生鮮食品から製造されたフリーズドライ食品が密封可能な容器内において常温下で食用油に漬け込まれて成ることを特徴とする生鮮食品の油漬けフリーズドライ食品。
  2. 前記食用油が動物性食用油または植物性食用油のいずれか若しくはこれらの混合油であることを特徴とする請求項1記載の生鮮食品の油漬けフリーズドライ食品。
  3. 前記フリーズドライ食品が粉砕またはカットされた状態で食用油に漬け込まれて成ることを特徴とする請求項1または請求項2記載の生鮮食品の油漬けフリーズドライ食品。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019187411A (ja) * 2018-04-20 2019-10-31 株式会社Nijc フリーズドライ食品由来調味料の製造方法

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