JP3213156U - 野球練習器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストでありながら、実際にバッターが打ち上げた場合に近い球質(回転)のキャッチャーフライを容易に上げることが可能な練習器具を提供する。【解決手段】野球用練習器具は、地面に対して所定の角度だけ傾斜した傾斜面を有し、当該傾斜面に野球ボールBを投げつけると、跳ね返りによって当該ボールBが上方に上げるように構成された反発部材12と、反発部材12を支持する土台14とを備える。そして、傾斜面には、円柱又は円筒形状の棒状部材12aを複数平行に並べることで凹凸が形成される。【選択図】図1
Description
本考案は、野球の練習に使用される器具に関する。特に、キャッチャーフライの練習に適した全く新規な練習器具に関する。
軟式、硬式を問わず、野球の練習の中でキャッチャーフライの練習は特に難しい。通常は、ノッカーが実際にバットでキャッチャーフライを打ち上げ、キャッチャーが捕球する方法が一般的である。
しかしながら、バット(ノックバット含む)でキャッチャーフライを打ち上げるのは熟練が必要とされるため、限られたノッカー(指導者)のみができる技である。従って、思った高さ、思った位置にキャッチャーフライを打ち上げるのは至難の業であることは周知の事実である。
また、ノーカーがキャッチャーフライを打ち上げる際には、上を向いてボールを打ち上げるため、ボールの回転数が少なくなる。他方、バッターがピッチャーの投球に対して打ったキャッチャーフライは、回転数(バックスピン)が格段に多くなり、落下する際の軌道も全く異なるものとなる。
以上のような要求を全て満たすような練習器具は、モーターを動力源とした既存のピッチングマシンを改造することで製造可能かも知れないが、コストが掛かりすぎてしまう。
本考案は、上記のような状況に鑑みてなされたものであり、低コストでありながら、実際にバッターが打ち上げた場合に近い球質(回転)のキャッチャーフライを容易に上げることが可能な練習器具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本考案に係る野球用練習器具は、地面に対して所定の角度だけ傾斜した傾斜面を有し、当該傾斜面に野球ボールを投げつけると、跳ね返りによって当該ボールが上方に上がるように構成された反発部材と; 前記反発部材を支持する土台とを備えている。そして、前記傾斜面には、円柱又は円筒形状の棒状部材を複数水平に並べることで凹凸が形成される。
上記のような構成の野球連取器具においては、傾斜面の角度を予め適切な角度にセットし、当該器具をホームベース付近に置く。器具の背後にキャッチャーを座らせ、前方(ピッチャー側)からボールを傾斜面に向かって投げる。傾斜面に当たったボールは、キャッチャーの真上又は後方に跳ね上がることになる。
ここで、反発部材の表面には、管状又は円筒形状の棒状部材により、断面が円弧状(波状)の凹凸が形成されているため、円弧状の部分にボールが当たると、若干不規則な角度で跳ね上がることになる。また、断面円弧状の凹凸により、実際にバッターがボールを打ったときと同じ方向の回転(逆回転)がかかる。すなわち、ピッチャーの投球をバッターが打った実際の状況(回転数、軌道)に近いキャッチャーフライを打ち上げることが可能となる。
また、不規則であるからこそ、予測できない部分もあり、実践的なキャッチャーフライの練習には最適である。
前記傾斜面は、水平方向に延びる円管状又は円柱状の棒状部材を複数連結することによって成形することができる。この場合、前記棒状部材の直径は、使用する野球ボールの直径の40%〜80%であることが好ましい。考案者による実験の結果、棒状部材の直径をボールの直径の40%以下とすると、バックスピンの量が少なくなり、また、平面に反射させた場合のように規則性を持ち、実践から若干離れてしまう。一方、棒状部材の直径をボールの直径の80%以上とすると、バットの太さに近くなるため、バックスピンの量が増えて、実践的な練習が可能となる反面、跳ね返りが不規則となり過ぎ、キャッチャーが捕球できない範囲にボールが落下する可能性が高くなり、練習の効率が低下する。
このように、棒状部材の直径については、小さい場合と大きい場合とで一長一短とも言えるが、実践的なバックスピン量、練習効率等を考慮すると、やはりボールの直径の40〜80%とするのが好ましい。
例えば、前記棒状部材として、直径約49mmのJIS規格に基づく建築工事用の単管パイプを使用することにより、低コストで本考案に係る器具を製造することができる。本考案者による多くの実証実験の結果、単管パイプの太さ、剛性等が優れていることがわかった。
前記土台は、前記傾斜面の角度を可変にする角度調整機構を備えることができる。このような機構を採用すれば、種々の角度でフライを上げることができる。更に、地面に対して垂直に近い方向に傾斜角を設定すれば、ピッチャーフライ等の練習にも応用することが可能となる。
図1に示すように、本考案の実施例に係る野球用練習器具は、地面に対して所定の角度θだけ傾斜した傾斜面を有し、当該傾斜面に野球ボールBを投げつけると、跳ね返りによって当該ボールBが上方に上がるように構成された反発部材12と;反発部材12を支持する土台14と;反発部材12と土台14との間に連結された支柱(18R,18L,20R,20L)と;反発部材12の傾斜角度θを調整可能な傾斜角度調整機構16とを備えている。
図2及び図3に示すように、上記傾斜面(12)には、円柱又は円筒形状の棒状部材12aを複数水平に連結して並べることで凹凸が形成される。棒状部材12aとしては、直径約49mmのJIS規格に基づく建設用単管パイプを使用することができる。
棒状部材12aの径は、使用する野球ボールの直径との関係で設定することが好ましい。すなわち、使用する野球ボールの直径の40%〜80%とする。
ここで、野球ボールの大きさは以下の通りである。
硬式 円周22.9〜23.5 直径約73mm
軟式 A号 71.5〜72.5mm
B号 69.5〜70.5mm
C号 67.5〜68.5mm
ここで、野球ボールの大きさは以下の通りである。
硬式 円周22.9〜23.5 直径約73mm
軟式 A号 71.5〜72.5mm
B号 69.5〜70.5mm
C号 67.5〜68.5mm
図1に示すように、本実施例に係る野球用練習器具は、キャッチャーが前方を視認できるように設計することが重要である。すなわち、最上部に位置する棒状部材12aの上端の高さH0を、キャッチャーCが通常構える状態の視線の高さH1よりも低くする。高さを調整する機構については、図5に示す。
土台14は、例えば、工事用のL字鉄鋼(所謂、アングル)を四角い枠状に成形した台座部14aに対して、左右前側の支柱18L,18Rと、左右後側の支柱20L,20Rを溶接することで作製される。土台14は、練習器具自体が安定するような、形状、重さに設計する必要がある。
傾斜角度調整機構16は、半円状のプレート17(左右2枚)に複数の孔17aが形成されている。プレート17は、反発部材12の基部13の前方寄りに溶接等によって固定される。なお、スライド式など、他の機構の角度調整機構を採用することも可能である。
図4(A),(B)に示すように、練習器具を使用さうる際には、固定ピン19を複数の孔17aの1つに挿入して、角度θを固定する。角度θを変更する場合には、固定ピン19を孔17aから抜いた状態で、基部13及び反発部材12を所望の角度に調整し、対応する孔17aに固定ピン19を差し込む。
なお、後方の支柱(20R,20L)には、回動の支点となる軸21が形成され、基部13に対して後方支柱(20R,20L)が回動可能となっている。
なお、後方の支柱(20R,20L)には、回動の支点となる軸21が形成され、基部13に対して後方支柱(20R,20L)が回動可能となっている。
反発部材12の横幅は、図3に示すように、ホームベースHBの幅よりも、左右にボール2個分広げることが好ましい。図において、22L,22Rはストライクゾーンの幅に沿ったラインであり、実際に、棒状部材12aの表面に線を引く。あるいは、反発部材12(棒状部材12a)の表面のストライクゾーンと、ボールゾーンとを色分けしても良い。
図5に示すように、支柱(18R,18L,20R,20L)に対して調整支柱30、32を組合わせ、両者に形成された孔の位置によって高さを調整することができる。その他にも、反発部材(12,13)を傾斜方向に沿ってスライドさせることで高さ調整を行うことも可能である。
(器具の使用方法)
上記のような構成の野球連取器具においては、反発部材12の傾斜面の角度θを予め適切な角度にセットし、キャッチャーの目の高さに合わせて高さを調整した状態で、当該器具をホームベース付近に置く。器具の背後にキャッチャーCを座らせ、前方(ピッチャー側)からボールを傾斜面に向かって投げる。傾斜面に当たったボールBは、キャッチャーCの真上又は後方に跳ね上がることになる。
上記のような構成の野球連取器具においては、反発部材12の傾斜面の角度θを予め適切な角度にセットし、キャッチャーの目の高さに合わせて高さを調整した状態で、当該器具をホームベース付近に置く。器具の背後にキャッチャーCを座らせ、前方(ピッチャー側)からボールを傾斜面に向かって投げる。傾斜面に当たったボールBは、キャッチャーCの真上又は後方に跳ね上がることになる。
ボールを投げる位置と当該器具との距離は、通常の試合と同等(18.44m等)とすれば、ピッチャーの投球練習を兼ねることもできる。一方、キャッチャーフライの練習に特化する場合には、もっと短い距離からボールを投げれることにより、効率的な練習を行うことができる。
以上、本考案の実施例について説明したが、本考案はこれらの実施例に何ら限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲に示された技術的思想の範疇において変更可能なものである。
なお、本考案は元々野球の練習用として創作されたものであるが、テニス、サッカー等の他のスポーツにも適用可能である。例えば、テニスであれば、スマッシュの練習に応用することもできる。
なお、本考案は元々野球の練習用として創作されたものであるが、テニス、サッカー等の他のスポーツにも適用可能である。例えば、テニスであれば、スマッシュの練習に応用することもできる。
Claims (6)
- 地面に対して所定の角度だけ傾斜した傾斜面を有し、当該傾斜面に野球ボールを投げつけると、跳ね返りによって当該ボールが上方に上げるように構成された反発部材と;
前記反発部材を支持する土台とを備え、
前記傾斜面には、円柱又は円筒形状の棒状部材を複数水平に並べることで凹凸が形成されることを特徴とする野球用練習器具。 - 前記傾斜面は、水平方向に延びる円管状又は円柱状の棒状部材を複数連結することによって成形されることを特徴とする請求項1に記載の野球用練習器具。
- 前記棒状部材の直径は、使用する野球ボールの直径の40%〜80%であることを特徴とする請求項2に記載の野球用練習器具。
- 前記棒状部材は、直径約49mmのJIS規格に基づく単管パイプであることを特徴とする請求項2に記載の野球用練習器具。
- 前記傾斜面の角度を可変にする角度調整機構を備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の野球用練習器具。
- 前記反発部材の高さを可変にする高さ調整機構を備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の野球用練習器具。
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