JP3212982U - 鳥追い具 - Google Patents
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Abstract
【課題】害鳥が慣れて効果が持続しないという不具合を解消することができる鳥追い具を提供する。【解決手段】永久磁石を装着した薄い樹脂製の猛禽模型凧6を用いることにより、微風状況下でも飛翔して不規則な羽ばたき音を発生するとともに、不規則な磁場の変化を付加して、害鳥の飛来を長期間防止する。【選択図】図1
Description
本考案は、田畑や果樹園等に飛来して、農作物や播種後の種子等を食害する野鳥あるいは、市街地に生息して生ごみ等を散乱させるカラス等を追い払う技術に関する。
従来、稲や米の栽培では、古くは案山子を立てて人の姿としたり、威嚇音を鳴らす装置を設置することにより、飛来を防止することが行われてきたが、いずれも効果は少なかった。そこで最近では、特許文献1に開示された、棒にテグスで結んだスチロールおよびビニル製のワシ、タカ科の鳥の模型で有害鳥獣を駆除する鳥追い具や、それをさらに改良して、土中に突き立てた支持ポールに連結された揺動撓曲竿から成るロッド部先端に、テグスで吊るした猛禽を模した鳥威し旒から構成された特許文献2の風力撓み揺動式の鳥追い具などが使用されるようになった。
しかし、猛禽型模型の飛翔のみでは威嚇効果が小さかったため、特許文献3のような、ふえ等風による発音体を取り付けた扁平なプラスチック板の猛禽型成型品を糸で吊るして、風力によって飛翔と共に発音させる鳥追い具や、特許文献4および特許文献5に開示された飛翔中の猛禽類に模した風船あるいは模型に電気的発音装置を設け、猛禽類の鳴き声あるいは風切り音を発する鳥追い具が用いられるようになった。あるいは特許文献8に開示されているように、猛禽類型模型に光を反射する手段を備えることにより視認性を向上させて威嚇効果を高める鳥追い具が提案されている。さらには、非特許文献1に開示されているような、従来の猛禽類型プラスチック板に換えて、薄い樹脂製の猛禽類を模した凧を用いることにより、視覚的効果を向上させるとともに、凧の風切り音が猛禽類の羽ばたきに近いことから、より大きな威嚇効果を発現せしめた鳥追い具が市販されている。
さらに最近では、鳥類が地球の磁場を頼りに飛んでいるので、強力な磁石を置くと方向感覚が麻痺して飛べなくなることを利用して、特許文献6や特許文献7に開示されているような、支柱に線材で吊り下げられた猛禽類模型に永久磁石あるいは永久磁石と音声発生装置の両方を装着した鳥追い具が提案されている。
"AINO(愛農) 鳥追いカイト鷹(ポール竿付)"、[online]、平成29年4月1日、特許学会、[平成29年4月1日検索]、インターネット〈URL:http://item.rakuten.co.jp/cityliner/18451028/〉
しかしながら、特許文献3〜6のような人工的かつ規則的な発音装置による威嚇は、害鳥がそれに慣れてしまい、効果が持続しないという問題があった。また、プラスチック板製の猛禽類型模型を用いているため、風が弱い時には飛翔しないという不具合があった。
また、特許文献8のような猛禽類型模型が光反射手段を備えた鳥追い具についても、前記猛禽類型模型が静止していたり飛翔が規則的であったりするため、光の乱反射効果が小さく害鳥を威嚇するまでには至らないことが多かった。
さらに、特許文献7に開示されているような猛禽類模型に永久磁石を装着した鳥追い具についても、磁力が影響する範囲が限定されている上、害鳥は磁場のみに頼って飛翔するのではなく、視覚および聴覚にも従って飛翔するので、永久磁石を装着したのみでは防鳥効果が小さいという不具合があった。
本考案は、地上に鉛直状に立設した所定高さの可撓性支柱上端に、薄い樹脂性シートからなる猛禽型凧をテグスを介して吊り下げた構成からなる鳥追い具であって、風力により前記猛禽型凧が支柱周囲を猛禽類の羽ばたき音に類似の音を発しながら不規則に旋回飛翔する鳥追い具である。
すなわち、第1の本考案は、地上に鉛直に立設された所定高さの可撓性を有する支柱と、支柱にテグスを介して支柱の周りに旋回自在に結着された猛禽型凧とを備える鳥追い具であって、猛禽型凧は骨組みと骨組みによって支持される凧本体からなり、猛禽型凧は風力により実際の猛禽類のように飛翔し、さらに飛翔時において猛禽型凧がはためく際に猛禽類の羽ばたき音に酷似した音を発することで害鳥等を追い払う鳥追い具である。
支柱にテグスを介して旋回自由に結着された猛禽型の凧が、凧の原理により風を受けて飛翔することで、視覚による鳥追い効果を発揮する。さらに薄い樹脂で作られた凧本体が風ではためくことで猛禽類の羽ばたき音に似た音を発することで、音による鳥追い効果も発揮する。凧本体はナイロンやポリ塩化ビニル、ポリエチレン等の薄い合成樹脂を素材とすることが好ましい。微風状況下でも飛翔して不規則な羽ばたき音を発生するからである。
次に第2の本考案は、第1の本考案において、猛禽型凧の外縁に骨組みが配置されていない部分を有することを特徴とする。例えば猛禽型凧の翼の後部に骨組みを配置しないことで、薄い合成樹脂製の翼の後部は風で振動して、うなり音を発することになる。
そして第3の本考案は、第1または第2の本考案において、猛禽型凧と可撓性支柱の先端を結着させるテグスが各結着箇所においてサルカンを介して結着されていることを特徴とする。テグスがサルカンを介して結着されていることで、テグスの捩れが猛禽型凧の旋回に影響を与えることがない。
続いて第4の本考案は、第1〜第3のいずれかの本考案において、猛禽型凧に、光反射手段が少なくとも1箇所以上の適所に装着されていることを特徴とする。猛禽凧の不規則な飛翔により光が乱反射することで、害鳥からの視認性が向上する。
さらに第5の本考案は、第1〜第4のいずれかの本考案において、猛禽型凧に、永久磁石が少なくとも1箇所以上の適所に装着されていることを特徴とする。猛禽型凧の飛翔により周囲の磁場が乱され、害鳥の寄付きを防止することができる。
永久磁石としては、軽量小型で磁力が強いネオジム磁石が好ましい。また永久磁石を1個装着する場合は猛禽型凧の重心位置に装着することが好ましい。さらに永久磁石を複数個装着する場合は、猛禽型凧の重心が右又は左に偏らないように配置を考慮して装着することが好ましい。猛禽型凧の旋回運動に悪影響を与えないためである。
永久磁石としては、軽量小型で磁力が強いネオジム磁石が好ましい。また永久磁石を1個装着する場合は猛禽型凧の重心位置に装着することが好ましい。さらに永久磁石を複数個装着する場合は、猛禽型凧の重心が右又は左に偏らないように配置を考慮して装着することが好ましい。猛禽型凧の旋回運動に悪影響を与えないためである。
上記した基本的な構成からなる本考案は、上述した従来の鳥追い具がプラスチック板製の猛禽模型に発声装置を設けていた形態を、薄い樹脂製の猛禽模型凧を用いて軽量化したことにより、微風状況下でも支柱周囲を不規則に旋回飛翔するとともに、不規則な羽ばたき音を発生するため、害鳥が慣れて効果が持続しないという不具合を解消することができる。
そして、本考案の猛禽型凧の少なくとも1箇所以上の箇所に光反射手段を設けることで、猛禽型凧の不規則な飛翔により光の乱反射が生じ、害鳥からの視認性を向上させることができる。
さらに、本考案の猛禽型凧の少なくとも1箇所以上の適所、例えば重心位置に永久磁石を装着することにより、上記視覚および聴覚的効果に、不規則な磁場の変化を付加して、害鳥の飛来を防ぐ効果をさらに増大させることができる。
以下、本考案の実施の形態を図に基づいて詳細に説明する。
(第1の実施形態)
本考案の第1の実施形態について、図1および図2に基づいて説明する。
本考案の第1の実施形態について、図1および図2に基づいて説明する。
図1は、本考案の第1および第2の実施形態を示す可撓性支柱、テグスおよび猛禽型凧から構成される鳥追い具を地面に起立させた状態を示す図である。
図1中、可撓性支柱は、地面に差し込まれたグラスファイバー製の基幹竿1およびこれに嵌着されかつ蝶ボルト3で固定されたグラスファイバー製の継ぎ竿2から成り、それぞれの長さが1mおよび4mである。グラスファイバー製の継ぎ竿は伸縮自在のパイプからなり、鳥追い具設置場所の環境によりその高さを調整することができる。ゴムパッキン4は可撓性支柱を安定させる役割を果たす。
図1中、可撓性支柱は、地面に差し込まれたグラスファイバー製の基幹竿1およびこれに嵌着されかつ蝶ボルト3で固定されたグラスファイバー製の継ぎ竿2から成り、それぞれの長さが1mおよび4mである。グラスファイバー製の継ぎ竿は伸縮自在のパイプからなり、鳥追い具設置場所の環境によりその高さを調整することができる。ゴムパッキン4は可撓性支柱を安定させる役割を果たす。
継ぎ竿2の先端には、ナイロン製テグス5の一端が撚れ止めのサルカン7で固定されており、他端は猛禽型凧6の背部にサルカン8で接続されている。猛禽型凧はナイロンなどの薄い樹脂製であり、風力で飛翔すると羽ばたき音に類似した音を発生する。
図2は猛禽型凧の構造であり、ナイロン製の凧本体9と図中10〜16で示された骨組からなり、翼部分の外縁には骨組がなく、凧本体9は飛翔時に羽ばたき音に類似した風切り音を発する。
(第2の実施形態)
本考案の第2の実施形態について、図1および図3に基づいて説明する。
本考案の第2の実施形態について、図1および図3に基づいて説明する。
第2の実施形態についても鳥追い具の構成は図1に示されているとおり、可撓性支柱、テグスおよび猛禽型凧からなる。
図3は第2の実施形態における猛禽型凧の構造であり、ナイロン製の凧本体9と図中10〜16で示された骨組からなり、凧本体9は飛翔時に羽ばたき音に類似した風切り音を発する。猛禽型凧本体1の尾羽先端に接着または融着された幅20〜30mm、長さ50〜100mmの短冊状の銀色ナイロンまたはポリエチレン反射テープ17は、飛翔時に光を乱反射して害鳥の注意を引きその飛来を防止する。
(第3の実施形態)
本考案の第3の実施形態について、図1および図4に基づいて説明する。
本考案の第3の実施形態について、図1および図4に基づいて説明する。
第3の実施形態についても鳥追い具の構成は図1に示されているとおり、可撓性支柱、テグスおよび猛禽型凧からなる。
図4は第3の実施形態における猛禽型凧の構造であり、ナイロン製の凧本体9と図中10〜16で示された骨組からなり、凧本体9は飛翔時に羽ばたき音に類似した風切り音を発する。凧本体1に接着または面ファスナー等により装着された10mm×10mm×0.5mmの永久磁石18は、飛翔時に周囲の磁場を乱すことにより害鳥の飛来を防止する。永久磁石18は、猛禽型凧本体1の眼球部分または重心部分から選ばれる適当な1箇所以上に装着されていることが好ましい。本実施形態においても尾羽先端部等に光反射手段を備えることにより害鳥に対する威嚇効果をさらに向上させることができる。
本考案の鳥追い具は、田畑や果樹園等に飛来して、農作物や播種後の種子等を食害する野鳥あるいは、市街地に生息して生ごみ等を散乱させるカラス等を追い払う鳥追い具として利用することができる。
1 基幹竿
2 継ぎ竿
3 蝶ボルト
4 ゴムパッキン
5 テグス
6 猛禽型凧
7、8 サルカン
9 凧本体
10〜16 骨組み
17 反射テープ
18 永久磁石
2 継ぎ竿
3 蝶ボルト
4 ゴムパッキン
5 テグス
6 猛禽型凧
7、8 サルカン
9 凧本体
10〜16 骨組み
17 反射テープ
18 永久磁石
Claims (5)
- 地上に鉛直に立設された所定高さの可撓性を有する支柱と、前記支柱にテグスを介して前記支柱の周りに旋回自在に結着された猛禽型凧とを備える鳥追い具であって、前記猛禽型凧は骨組みと前記骨組みによって支持される凧本体からなり、前記猛禽型凧は風力により実際の猛禽類のように飛翔し、さらに飛翔時において前記猛禽型凧がはためく際に猛禽類の羽ばたき音に酷似した音を発することで害鳥等を追い払う鳥追い具。
- 前記猛禽型凧は前記骨組みが配置されていない外縁部分を有することを特徴とする請求項1に記載の鳥追い具。
- 前記猛禽型凧と前記可撓性支柱の先端を結着させるテグスが各結着箇所においてサルカンを介して結着されていることを特徴とする請求項1または2に記載の鳥追い具。
- 前記猛禽型凧に、光反射手段が少なくとも1箇所以上の適所に装着されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の鳥追い具。
- 前記猛禽型凧に、永久磁石が少なくとも1箇所以上の適所に装着されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の鳥追い具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017003508U JP3212982U (ja) | 2017-07-31 | 2017-07-31 | 鳥追い具 |
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JP2017003508U Active JP3212982U (ja) | 2017-07-31 | 2017-07-31 | 鳥追い具 |
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Country | Link |
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Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0675185U (ja) * | 1993-04-09 | 1994-10-25 | 教順 漆崎 | 磁気式振子型防害鳥具 |
JP2005073694A (ja) * | 2003-08-29 | 2005-03-24 | Hidehiro Okazaki | カラスよけ回転凧 |
-
2017
- 2017-07-31 JP JP2017003508U patent/JP3212982U/ja active Active
Patent Citations (2)
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Non-Patent Citations (1)
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AMAZON: "鳥追い カイト 鷹", 防鳥・防獣ネット, JPNX019000017, 14 April 2017 (2017-04-14) * |
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