JP3212719B2 - 低圧誘導結合型プラズマを用いたcvd法 - Google Patents
低圧誘導結合型プラズマを用いたcvd法Info
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Description
詳しくは、低圧誘導結合型プラズマを用いたCVD法に
関する。
CVD(Chemical Vapor Deposition)法は、原料物質を
気相で導入し、基板の熱エネルギーにより化学反応を進
行させ、その温度で凝縮相が安定となる分子又は原子を
生成させ、これを基板上に堆積させる成膜法である。
ズマ化させ、非平衡状態での反応を利用するCVD法で
ある。通常のプラズマCVD法ではグロー放電が利用さ
れている。
態とは異なるエネルギー分布状態にあるために反応経路
が異なり得ること、気体粒子の内部エネルギーが赤外、
可視或いは紫外などの放射エネルギーに変換され、これ
らが膜質に影響を及ぼす可能性があること、プラズマ中
の荷電粒子が電界や磁界により加速され固体表面に衝突
することなどである。そのため、活性化エネルギーが極
めて小さいこと、低温での膜形成が可能になること、プ
ラズマにより生成したラジカルなどが反応に関与すると
熱力学的に不可能であった反応も可能となること等であ
る。
用した例として、例えば、ダイヤモンドの気相合成があ
る。
は、CVD法、プラズマCVD法、イオンビーム蒸着、
スパッタリング等々の方法がある。このうち、プラズマ
CVD法の場合は殆どが数10Torr〜大気圧の圧力範
囲で行なわれており、最も一般的なプラズマCVD法で
ある平行平板型の高周波プラズマCVD法などの0.1
〜数10Torrの圧力下ではi−カーボンが通常得ら
れ、10-1Torr以下での合成はC−H−O系ガスを用
いた有磁場マイクロ波プラズマCVD法が報告されてい
るのみである。
が、その結晶構造は多様であり、常温常圧力下では六方
晶(h-BN)が安定であり、高圧下では閃亜鉛鉱型(c-
BN)及びウルツ鉱型(w-BN)が安定相である。
ヤモンドに次ぐ非常に高い硬度と熱伝導率を有してお
り、高温でも化学的に極めて安定であるため、超高硬度
材として最も期待されている。また、c-BNはそのバ
ンドギャップが7eV程度と大きいため紫外及び青色の
半導体レーザーやUVディテクターなどへの応用も試み
られている。更に、ダイヤモンドはドーピングによって
も現在p型しか得られていないが、c-BNでは、例え
ばBeのドーピングによりp型が、Si、S、CN等のド
ーピングによりn型の半導体が得られる。
方法が提案されており、大別してPVD系プロセスとC
VD系プロセスがある。c-BNが合成されたとの報告
は前者のPVD系プロセス(例、蒸着法、スパッタリン
グ法、イオンプレーティング法)のうち高エネルギーイ
オン照射を伴うPVD法であって、後者のCVD系プロ
セスによってc-BN単相膜が合成されたとの報告はな
い。
orr以下の低圧下でダイヤモンド膜を合成でき、またc-
BN膜をCVD法により合成できる等、従来法では困難
であった各種の成膜乃至コーティングを可能にする新規
なプラズマCVD法を提供することを目的とするもので
ある。
解決するためにCVD法の各種条件について検討した結
果、高周波コイルによる低圧(10Torr〜10-4Torr)
での放電状態は、投入電力を増加することにより、グロ
ー放電から、より輝度及び電子・ラジカル密度の高いい
わゆるH型放電へ遷移するが、後者の放電状態に対応す
る誘導結合型プラズマ(ICP)は、従来のプラズマプロ
セスでは利用されていないことに着目し、この低圧IC
Pをイオン・ラジカル源とする新規なCVD法を開発す
ることに成功したものである。
rrの中真空領域で、誘導結合型グロー放電の発生電力よ
りも大きく、グロー放電状態から投入電力を増大させる
ときに発光強度が急増する電力以上の投入電力により低
圧誘導結合型プラズマを発生させ、基板を加熱しつつ基
板のバイアス電位を制御して、ガス源を用いて、基板上
に成膜することを特徴とする低圧誘導結合型プラズマを
用いたCVD法を要旨としている。
電圧を徐々に上げていくと放電開始電圧Vвで絶縁破壊
が起こる。図1に示すようにVвとpはV字型特性を示
す。これはガス圧力の高い領域と低い領域とで絶縁破壊
の機構が異なるためである。更に入力を上げていくと、
ある臨界値でプラズマ中に強い振動が発生し、それが終
わると共に発光強度、電子密度などか急に増加して強い
放電になる。この放電を低圧誘導結合型プラズマ(低圧
ICP)(ICP:Inductively Coupled Plasma)と呼
ぶ。グロー放電から低圧ICPへの移行時の発光強度の
変化を図2に示す。低圧ICPの発生には、投入電力を
ある値(この場合は約4kW)以上にする必要があり、
これより低い入力ではグロー放電が発生している。
うな特徴がある。 管軸部の電子密度はグロー放電より低圧ICPの方が
約100倍大きい。 低圧ICPでは管壁部の電子密度の増加が著しく、ま
た電子密度の径方向分布はほぼ一定である。 イオン飽和電流値は低圧ICPの方が約102〜103
倍大きい。 放電状態が異なっても電子温度は殆ど変わらず、径方
向にも殆ど変化はない。
r〜10-4Torrの中真空領域で発生させることにより、
成膜物質に応じた種々のガス源、基板温度、基板バイア
ス電位の制御のもとで、基板上に成膜できる。
ではICPの発生には更に高電力が必要になること及び
非平衡度が弱くなり熱プラズマ的になるためプラズマと
管壁との熱的相互作用が無視できなくなり、不純物の混
入が阻止できなくなる。また10-4Torrより高真空下
では電子の平均自由行程が長くなり、外部磁場等を重畳
させない限り、プラズマを維持できなくなるので、望ま
しくない。
管の中に数巻きコイルに高周波を印加しプラズマを発生
させる。高周波電源は他励式電源を用いた。発振周波数
13.56MHz、最大高周波出力は10kWである。
直径約50mmの水冷石英管の内側に付設してBN管の
内側でプラズマを発生させることにより、石英管からの
汚染を防止する。原料ガス源(例、ジボラン)は水冷銅
製プローブを用いてプラズマ近傍から導入し、キャリア
ガス(アンモニア、アルゴン、窒素など)はトーチ上部
より導入する。ステンレス製のチャンバーには発光分光
用の石英製窓が付いている。ガス源及びキャリアガスの
流量はマスフローコントローラーにより制御される。
r程度である。基板としてはSiを用いた。
板温度、基板バイヤスの制御性であり、それらの向上の
ために基板ホルダー部に改良を加えた。第1の方式は基
板ホルダーをチャンバーから絶縁し、基板ホルダーとア
ースの間のインピーダンスの整合により基板バイアスを
変化させる方式である。第2の方式は基板温度制御のた
めにホルダー内にカンタル線を巻いてヒータを取り付け
たものである。第3の方式はより高い基板温度を得るた
めに1000℃まで加熱可能なヒーターを組み込んで熱
放射により基板を加熱する方式である。第4の方式は更
に基板への高周波印加用の治具を設けて高い基板温度条
件での基板バイアス印加を可能とする方式であり、この
ホルダーでは高周波とヒーター間の干渉をほぼ抑えら
れ、高周波印加用治具に1000Vまでの負バイアスを
印加することができる。
び外部高周波電源による基板バイアスの印加を可能にす
る方式を用いた。
i(100)基板上に膜堆積を行った。He10%希釈B2
H6及びN2を原料ガスとし(B2H6/N2比=0.5〜
2)、更にArを添加しプラズマを発生させた。10-3T
orrの圧力条件で基板バイアスを印加し、基板上へのボ
ンバードメントを加えることにより、10nm程度の粒径
のc-BNが含まれる膜が堆積することがIR、TEM
により認められた。基板加熱温度は数百℃〜1000℃
である。
基板バイアス値を適正化することにより、膜中のc-B
Nの比率は増加した(図4)。
た従来のCVD法で成膜を試みたが、膜の窒化が不十分
であった。
ことは云うまでもない。要するに、低圧ICPを10T
orr〜10-4Torrの中真空領域で発生させてイオン・ラ
ジカル源とし、適当なガス源を用い、基板加熱及び基板
バイアス電位の制御を条件とする限り、様々な変形態様
が可能である。
を示したが、他の結晶構造のBN膜(例、t-BNなど)
も容易に合成できる。また不純物ガスを混入することに
よりダイヤモンド膜、BN膜等々の成膜中にドービング
を容易に行うことができる。上記の実験装置も種々変形
することができることは云うまでもない。
低圧ICPを中真空領域で発生させて高密度ラジカル・
イオン源として利用することにより、同一構成の装置に
よって、従来のCVD法よりも低圧でダイヤモンド合成
が可能となり、従来CVD法では成膜が不可能であった
c-BN膜を合成することができる。勿論、他の材料の
成膜も可能である。更には不純物ガス混入によりドーピ
ングが容易である等、プラズマCVDの特長を活かせる
ため、コーティング形成ばかりでなく、紫外発光ダイオ
ードなど新しいデバイス開発、製造への応用が期待でき
る。
す図である。
(グロー放電からIPCへの移行)を示す図である。
を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 10Torr〜10-4Torrの中真空領域で、
誘導結合型グロー放電の発生電力よりも大きく、グロー
放電状態から投入電力を増大させるときに発光強度が急
増する電力以上の投入電力により低圧誘導結合型プラズ
マを発生させ、基板を加熱しつつ基板のバイアス電位を
制御して、ガス源を用いて、基板上に成膜することを特
徴とする低圧誘導結合型プラズマを用いたCVD法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29639892A JP3212719B2 (ja) | 1992-10-07 | 1992-10-07 | 低圧誘導結合型プラズマを用いたcvd法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29639892A JP3212719B2 (ja) | 1992-10-07 | 1992-10-07 | 低圧誘導結合型プラズマを用いたcvd法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06116733A JPH06116733A (ja) | 1994-04-26 |
JP3212719B2 true JP3212719B2 (ja) | 2001-09-25 |
Family
ID=17833031
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29639892A Expired - Lifetime JP3212719B2 (ja) | 1992-10-07 | 1992-10-07 | 低圧誘導結合型プラズマを用いたcvd法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3212719B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6090456A (en) * | 1997-05-03 | 2000-07-18 | The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Air Force | Process for large area deposition of diamond-like carbon films |
-
1992
- 1992-10-07 JP JP29639892A patent/JP3212719B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06116733A (ja) | 1994-04-26 |
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