JP3212563U - スクレーパおよび製麺機 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構成で、被圧延物(麺生地)を圧延ローラから剥ぎ落とすスクレーパを得る。【解決手段】圧延ローラ201の外周面に接触して圧延ローラに付着する被圧延物を圧延ローラから剥ぎ取るスクレーパ202であって、弾性部材からなり、圧延ローラに対向する面は凹面になっていて、凹面の横断面に現れる両端縁部2022、2023が圧延ローラの外周面に接触することができる接触縁部になっていて、凹面の反対側には棒状のシャフト21に嵌る溝からなる支持部2024を有する。【選択図】図8

Description

本考案は、スクレーパおよび製麺機に関する。
所定の距離を隔てて軸平行に配置され、同期して回転する1対の圧延ローラの間に麺生地を投入することで、麺生地を圧延する製麺機が知られている。
製麺機は、例えば、原料となる粉および水を練り合わせて製造された麺生地を、圧延ローラを用いて所要厚に圧延し、圧延された麺生地を所要幅に切断することによりうどん麺やそば麺等を製造する。
粘性のある麺生地を圧延ローラで圧延すると、圧延ローラの外周面に麺生地が付着してしまう問題があった。そこで、圧延ローラの近傍にはローラ外周面から付着した生地を剥がすためのスクレーパが設けられている。
図13に示すように、関連技術のスクレーパ212は、一端が圧延ローラ201に接触するエッジ部213と、弾性力を有する弾性部214と、を備える。エッジ部213は、圧延ローラ201の軸方向に対応する長さを有する棒状の樹脂製の部材である。
弾性部214は、圧延ローラ201の軸方向に対応する長さを有し、長さ方向に直交する断面視において略L字状になっている金属製の部材である。言い換えれば、弾性部214は互いに略直角に接続された第1板2141と第2板2142を備えている。第1板2141の一端はエッジ部213と互いに固定され、他端は第2板2142の一端と接続されている。第1板2141および第2板2142は、それぞれの長さ方向において平行に設置された棒状の金属シャフト221、222に接触している。金属シャフト221、222は、弾性部214に対してそれぞれが支点と力点の働きをし、弾性部214を介してエッジ部213を圧延ローラ201の外周面に押圧している。
関連技術のスクレーパ212は、圧延ローラ201の回転方向や回転速度によって圧延ローラ201とエッジ部213との間に隙間ができてしまい、麺生地が隙間に挟まったり、圧延ローラ201から生地を剥がしきれないことがあった。
例えば特許文献1には、スクレーパが有するブレードの前方側を、弾性力を有する板状体で構成することにより、スプリング螺子等の付勢体を用いなくても、ブレードを弾性力によって麺帯圧延ローラに当接させる麺体圧延ローラのスクレーパが開示されている。
特許文献2には、スクレーパは負荷を与えられつつローラに押さえ付けられている板形状の掻き落とし体を有し、掻き落とし体には、曲げ弾性を最適化するための空所部が設けられていることが開示されている。しかしながら、いずれの文献にも、簡素な構成で被圧延物を圧延ローラから剥ぎ落とすスクレーパは開示されていない。
特開平10−225256号公報 特表2016−519031号公報
本考案は、簡素な構成で被圧延物を圧延ローラから剥ぎ落とすスクレーパを提供することを目的とする。
圧延ローラの外周面に接触して、前記圧延ローラに付着する被圧延物を前記圧延ローラから剥ぎ取るスクレーパであって、弾性部材からなり、圧延ローラに対向する面は凹面になっていて、凹面の横断面に現れる両端縁部が圧延ローラの外周面に接触することができる接触縁部になっていて、凹面の反対側には支持部を有する。
本考案によれば、簡素な構成で被圧延物を圧延ローラから剥ぎ落とすことができる。
本考案にかかるスクレーパを備える製麺機の実施の形態であって、カバーを外した状態を、左側板側から見た斜視図である。 上記製麺機の右側板側から見た斜視図である。 上記製麺機にカバーを取り付けた状態を、左側板側から見た斜視図である。 上記製麺機にカバーを取り付けた状態を、右側板側から見た斜視図である。 上記製麺機が有するカッター部の一部を、上記製麺機から引き出した状態を示す斜視図である。 上記製麺機のカバー、土台およびカッター部を外した状態を示す図であって、(a)底面側から見た斜視図、(b)圧延ローラの軸方向の断面図である。 上記スクレーパの(a)正面側からの斜視図、(b)背面図、(c)背面および底面側からの斜視図、および(d)左側面図である。 (a)上記スクレーパおよび上記圧延ローラが接触している様子を示す斜視図、(b)上記スクレーパおよび上記圧延ローラが接触している様子を示す側面図である。 麺生地を圧延した後の、上記スクレーパが取り付けられた圧延ローラ、および関連技術のスクレーパが取り付けられた圧延ローラの例を示す図である。 本考案にかかるスクレーパの別の実施の形態を示す図であって、(a)背面側からの斜視図、(b)背面図、(c)背面および底面側からの斜視図、および(d)左側面図である。 上記カッター部の分解斜視図である。 本考案にかかるスクレーパのさらに別の実施の形態を示す図であって、上記スクレーパを備える製麺機のカバー、土台およびカッター部を外した状態における、(a)底面側から見た正面図、(b)図12(a)の製麺機における圧延ローラの軸方向の断面図、および(c)図12(b)の部分拡大断面図である。 関連技術のスクレーパを示す概略側断面図である。
以下、本考案にかかるスクレーパおよび製麺機の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
●製麺機●
図1から図4に示すように、製麺機1は、筐体10と、圧延部20と、カッター部30と、ハンドル40と、カバー50と、を備える。
●筐体10およびカバー50の構成
図1に示すように、筐体10は、水平面に載置される土台11と、土台11に垂直に固定されている左側板12および右側板13を有する。左側板12と右側板13の間には、製麺機1の主要部、すなわち圧延部20およびカッター部30が上からこの順に保持されている。製麺機1の正面中央下部には、筐体10の正面側と背面側とを連通する開口14を備える。製麺機1の主要部は、開口14の上方に保持されている。また、棒状の横支柱15が、左側板12と右側板13との間に設けられていて、横支柱15の両端は左側板12および右側板13にそれぞれ固定されている。横支柱15は、本実施の形態においては4個である。
筐体10の左側板12の外壁側には、ハンドル40と、ハンドル40、圧延部20およびカッター部30に連結された歯車機構16と、を有する。ハンドル40は、第1端が歯車機構16に連結され、筐体10の左側板12に平行に配置された棒状の回転バー41と、回転バー41の第2端に直角に連結され、筐体の左側板12から突出する方向に延び出るグリップ42と、を有する。グリップ42を手動で回転させることで、ハンドル40は回転バー41の第1端を中心に回転する。歯車機構16は、ハンドル40の回転操作力を圧延部20およびカッター部30に伝達し、圧延部20およびカッター部30を回転させる。
歯車機構16は、筐体10の左側板12に集約されていてもよいし、筐体10の左右側板12、13に分散されて配置されていてもよい。また、歯車機構16の構造は、ハンドル40の回転を圧延部20およびカッター部30に伝達できる構造であれば、任意である。
図3および図4に示すように、カバー50は、筐体10の上面、背面、正面、および左右側板の一部を覆う、成形品である。本実施の形態では、カバー50は、筐体10の上面および背面を覆う逆L字状の第1カバー51と、筐体10の正面および左右側板の一部を覆う平面形状U字状の第2カバー52と、からなる。
第1カバー51は、上面側に、こねられた麺生地を製麺機1の内部に投入するための投入口511を有する。投入口511は、長辺が圧延部20の軸方向に対応する、略長方形の連通孔である。投入口511の長辺側の両外縁部には、麺生地をガイドするための傾斜面512が製麺機1の内側へ向かって形成されている。開口14の上部、すなわちカッター部30の下方は、カバー50に覆われず外部と連通している。投入口511から投入された麺生地は、製麺機1の内部を通って圧延され、又は圧延の後に裁断されて、開口14の上部から土台11に向かって排出される。
カバー50は、本実施の形態においては2個の部材により形成されていたが、1個の部材であってもよいし、3個以上の部材を組み合わせて形成されていてもよい。
図4に示すように、筐体10の右側板13を覆う第2カバー52の外壁には、後述するカッター部の側面外形に対応するカッター部挿入孔521が設けられている。また、図5に示すように、右側板13は、カッター部挿入孔521に対応する位置に、カッター部挿入孔521と略同形状の第2カッター部挿入孔131を有する。カッター部30は、カッター部挿入孔131および521を通じて筐体10から着脱可能である。カッター部30を取り外した状態で製麺機1に麺生地が投入された場合、麺生地は圧延部20により板状に圧延された状態で排出される。カッター部30を装着した状態で板状の麺生地が投入された場合は、麺生地は、カッター部30により所定の幅の麺に裁断されて排出される。
筐体10およびカバー50の材質は、例えば合成樹脂である。
●圧延部20の構成
図1および図6に示すように、圧延部20は、対をなす2個の圧延ローラ201と、それぞれ圧延ローラ201に嵌合する2個のスクレーパ202と、それぞれスクレーパ202に対応する2個のシャフト21と、を備える。圧延ローラ201は、略円柱状の部材で、長さは筐体10の左右側板12、13間の内幅に対応している。1対の圧延ローラ201は、それぞれの円柱軸が略水平になるように、所定の間隙を隔てて互いに軸平行に配置されている。圧延ローラ201は、製麺機1内において前後方向に並んでいる。圧延ローラ201のそれぞれの第1端は歯車機構16と嵌合されていて、圧延ローラ201はハンドル40の回転に伴って円柱軸を回転軸にして回転する。1対の圧延ローラ201の回転方向は、互いに逆方向であり、それぞれの圧延ローラ201は上側が内向きに回転する。圧延ローラ201のそれぞれの第2端は、筐体10の右側板13に軸支されている。
図6および図7に示すように、スクレーパ202は、対をなす2個の圧延ローラ201のそれぞれの下方に配置されている棒状の部材であり、圧延ローラ201の外周面に付着した麺生地を剥ぎ取るための部材である。スクレーパ202は、圧延ローラ201の軸方向の長さに対応する長さを有する。スクレーパ202は長さ方向全体にわたり横断面形状が同一である、略三角柱である。スクレーパ202の圧延ローラ201に対向する面は凹面2021になっている。凹面2021は、部分円筒面である。
スクレーパ202は、樹脂製であり、弾性を有する。樹脂製のスクレーパ202は、例えば押出成形により安価に製造可能である。
図6(b)に示すように、凹面2021は、製麺機への取付状態において、圧延ローラ201のカッター部30側の外周面に対向している。凹面2021の両端縁部2022、2023は、圧延ローラ201の外周面に接触している。
図7(a)乃至(d)に示すように、スクレーパ202は、凹面2021の反対側に支持部を有する。本実施の形態においては、支持部は棒状のシャフト21に嵌る溝2024である。溝2024は、圧延ローラ201の下方において、棒状のシャフト21に嵌合される。シャフト21は、圧延ローラ201と軸平行になるように筐体10に固定されている。シャフト21は、例えば金属製である。
なお、本実施の形態においては、溝2024はスクレーパ201の長さ方向全体にわたり形成された1個の溝であったが、長さ方向に断続的に設けられた複数の溝により構成されていてもよい。この場合、圧延ローラ201を支持する手段は、シャフト21に代えて、上記溝に嵌ってスクレーパ201を掛け止める構成にする。
図8(a)乃至(b)に示すように、シャフト21と圧延ローラ201の外周面との距離は、スクレーパ202の厚さ方向の自然長より小さい。すなわち、スクレーパ202は、シャフト21および圧延ローラ201に押圧されて弾性変形する。ここで、凹面2021の曲率の絶対値は、圧延ローラ201の外周面における曲率の絶対値より大きい。したがって、凹面2021は、スクレーパ202は、圧延ローラ201の外周面に押し広げられ、圧延ローラ201の外周面から図8(b)における矢印8の方向に押圧力を受ける。スクレーパ202は、この押圧力により弾性変形する。そして、両端縁部2022、2023は、スクレーパ202の弾性力により、それぞれ圧延ローラ201の外周面に圧接し、密着する。
スクレーパ202は、圧延ローラ201よりも軟らかい素材で形成されている。この構成によれば、圧延ローラ201が両端縁部2022、2023に密着しながら回転しても、スクレーパ202が圧延ローラ201を傷つけにくい。
スクレーパ202の横断面形状は略対称形である。すなわち、凹面2021は、長さ方向に垂直な断面視において略対称である。また、シャフト21とスクレーパ202との接触部分から両端縁部2022、2023までの距離は、それぞれ略等距離である。このような構成によれば、シャフト21および圧延ローラ201によって弾性変形したスクレーパ202からの弾性力が、両端縁部2022、2023から圧延ローラ201に均等に加わるので、両端縁部2022、2023と圧延ローラ201とを確実に密着させることができる。
このような構成によれば、圧延ローラ201の回転方向に対して前端側である第1端部2022に食材が接触するとき、第2端部2023は力点、スクレーパ202とシャフト21との接触部分は支点として働く。したがって、スクレーパ202では、関連技術のスクレーパ212のように、支点および力点を確保するためのシャフトが不要になる。すなわち、構成が簡素になる。また、スクレーパ202を製麺機1から着脱するのも容易になる。
なお、スクレーパ202自体の軸方向の強度が十分であれば、シャフト21はなくてもよい。言い換えれば、スクレーパ202の脱落を防止し、スクレーパ202および圧延ローラ201を圧接した状態で保持するための支持手段があればよい。
図9において、紙面左側は関連技術のスクレーパ212を設置した圧延ローラ201、紙面右側は本考案に係るスクレーパ202を設置した圧延ローラ201の、麺生地を圧延した後の様子を示す。麺生地は、高加水率で粘性の高いうどん生地である。なお、対をなす圧延ローラにそれぞれ異なるスクレーパを設置して試験しているため、麺生地の粘性や回転速度等の条件は等しい。紙面左側の圧延ローラには中央付近に麺生地9が付着しているが、紙面右側の圧延ローラ201には麺生地が付着していない。このように、本考案に係るスクレーパ202によれば、簡素な構成でありながら圧延ローラに付着する麺生地を確実に剥ぎ落とすことができる。
●スクレーパの他の実施形態
図10に示すように、スクレーパ203は、シャフト21と嵌合する溝に代えて、第1側面2031の反対側に突起2034を有していても良い。突起2034の背面側の側面は、製麺機1への取付状態において、軸平行に設置された2個のシャフト21に接触する。2個のスクレーパ203は、それぞれ突起2034が圧延部20の内側になるように、互いに対称に製麺機1に取り付けられる。
2個の圧延ローラ201がそれぞれ内向きに回転すると、圧延ローラ201とスクレーパ203が接触しているため、2個のスクレーパ203にはそれぞれ外向きの応力が発生する。この応力により突起2034はシャフト21に押圧されるので、スクレーパ203の位置が固定される。この構成によれば、スクレーパ203を製麺機1から容易に着脱することができる。
なお、本実施の形態においては、突起2034はスクレーパ203の長さ方向全体にわたり形成された1個の突起であったが、長さ方向に断続的に並設された複数の突起により構成されていてもよい。
カバー50の投入口511から投入された麺生地は、1対の圧延ローラ201の間隙付近に到達する。麺生地は、圧延ローラ201の回転に従い、圧延ローラ201の間隙に巻き込まれ、間隙の幅に応じて薄く引き伸ばされて圧延ローラ201の下方へ落下する。カッター部30が装着されている場合、圧延部20を通過した麺生地は、カッター部30に送り込まれる。
1対の圧延ローラ201間の間隙の幅は、変更可能である。言い換えれば、製麺機1は、麺生地を圧延する厚さを変更することができる。本実施の形態においては、筐体10の右側板13に設けられたダイヤル132により、間隙の幅を変えることができる。ダイヤル132は、左右側板12、13にそれぞれ配置されたカム133と一体に結合されている。カム133には、圧延ローラ201の一方が適宜の圧接機構を介して圧接させられている。カム133は、直線部分と凹凸を有する曲線部分とを有していて、ダイヤル132を回転させて間隙の幅が変わるごとに、ダイヤル132にクリック感を持たせている。この構成により、圧延ローラ201間の間隙の幅を段階的に変更することができる。
●カッター部30の構成
図11に示すように、カッター部30は、1対のカッター31と、1対のスペーサ32と、左固定部33と、右固定部34と、を備える。カッター部30は、圧延された麺生地を所定の幅の麺状に裁断する機構部である。
●カッター31の構成
各カッター31は、断面が略六角形の棒状の芯体311と、芯体311の長さ方向に沿ってそれぞれが一定の間隔を隔てて並設されている複数の切歯小体312と、を備える円柱状の部材である。切歯小体312は円盤状の回転体で、外周縁部が板状の麺生地を細い帯状にせん断する切歯になっている。切歯小体312のそれぞれは、円盤の中心が芯体311に保持されて、一体回転可能に回転軸方向に並べられている。
1対のカッター31は、製麺機1への組み付け状態においてそれぞれの中心軸が略水平になるように、互いに軸平行に配置されている。1対のカッター31は、組み付け状態において前後方向に並んでいる。1対のカッター31は、各カッター31の複数の切歯小体312同士が半径方向に僅かに交叉して互いに嵌合されている。言い換えれば、一方のカッター31が有する切歯小体312と他方のカッター31が有する切歯小体312とが互い違いになっていて、互いに接触している。
各スペーサ32は、互いに軸平行に配置される2個の棒状の支持体321と、2個の支持体321の長さ方向に対して垂直に突出して並設されている複数のスペーサ小体322と、を備える。スペーサ32は、切歯小体312のそれぞれの間に介在して、麺生地を裁断する際に切歯小体312に付着する麺生地を削ぎ落とす部材である。すなわち、スペーサ32はスクレーパの役割をし、麺生地がカッター部30の内側に入り込んでしまうのを防ぐ。
2個の支持体321の端部同士は、棒状の横支持体324によってそれぞれ連結されている。
スペーサ小体322は、1辺が曲線状の辺になっている略四角形状の平板状の部材である。複数のスペーサ小体322は、それぞれ支持体321から分離可能である。
左固定部33および右固定部34は、1対のカッター31および1対のスペーサ32の両端を保持する部材である。左固定部33は平板状の部材で、1対のカッター31の一方の軸端部を覆っている。右固定部34は、各面が略長方形状のU字型の部材で、1対のカッター31の他方の軸端部、および軸方向の側面の一部を覆っている。
1対のカッター31の軸方向の両端は、それぞれ左右固定部33、34に軸支されている。カッター31の第1端は、左固定部33を介して歯車機構16に連結されていて、ハンドル40の回転に伴ってカッター31が回転するように構成されている。1対のカッター31の回転方向は互いに逆方向であり、1対のカッター31は素材の投入側においてそれぞれ内向きに回転する。カッター31の第2端は、右固定部34に回転可能に軸支されている。
左固定部33および右固定部34の四隅には、左切欠331、右切欠341がそれぞれ形成されている。左右切欠331、341は、左右固定部33、34の側面の全長に渡って形成されている。左右切欠331、341の断面形状は、スペーサ32が有する支持体321の半径方向の断面形状に対応している。左右切欠331、341のそれぞれに支持体321が嵌合することにより、スペーサ32を保持している。
右固定部34の内側と右端の切歯小体312との間には、ばね35が介在している。ばね35は圧縮コイルばねで、芯体311が圧縮コイルばねの中心軸を貫通している。ばね35は、切歯小体312およびスペーサ小体322を左固定部33に向かって付勢している。
スペーサ32とカッター31の嵌合の様子について説明する。複数のスペーサ小体322のそれぞれは、切歯小体312それぞれの間に介在している。言い換えれば、スペーサ小体322と切歯小体312とは、芯体311の長さ方向において1個ずつ交互に配置されている。
カッター部30に送り込まれる板状の麺生地は、1対のカッター31の嵌合部に入り込み、カッター31の回転と共に複数の切歯小体312の接触する切歯によってせん断される。せん断により形成された細い帯状の麺は、切歯小体312の同士の隙間から土台11に向かって落下する。
●製麺機(2)
本考案に係る製麺機の別の実施の形態について、先に説明した形態と異なる部分を中心に説明する。この製麺機が有するスクレーパは、長さ方向に垂直な断面視において略U字状の部材である。
図12に示すように、スクレーパ204は、圧延ローラ201の長さに対応する長さを有する棒状の部材である。スクレーパ204は、長さ方向に垂直な断面視において略U字状である。スクレーパ204の両端部2042、2043は、圧延ローラ201の外周面に接触している。スクレーパ204は、例えば金属製であり、板金をプレス成型することで長さ方向の線に沿って平行に折り曲げて形成することで、安価に製造可能である。
スクレーパ204の横断面において略中央には、両端部2042、2043の方向に窪んだ凹部2044が形成されている。凹部2044は、棒状のシャフト21に嵌合される。シャフト21は、圧延ローラ201の下方において、圧延ローラ201に軸平行になるように筐体10に固定されている金属製の部材である。
シャフト21と圧延ローラ201の外周面との距離は、スクレーパ204の厚さ方向の自然長より小さい。スクレーパ204は、シャフト21および圧延ローラ201に押圧されて、圧延ローラ201の外周面に押し広げられて弾性変形する。そして、スクレーパ204の両端部2042、2034は、弾性力を利用してそれぞれ圧延ローラ201の外周面に密着する。
なお、本実施の形態においては、手動でハンドルを操作する製麺機について説明したが、本考案の技術的思想は、電力などにより自動で動作する製麺機にも適用可能である。また、本実施の形態においては、専ら製麺機に取り付けられるスクレーパについて説明したが、本考案の技術的思想はこれに留まらず、被圧延物を圧延するローラに嵌合されるあらゆる分野のスクレーパに適用可能である。
1 製麺機
20 圧延部
201 圧延ローラ
202 スクレーパ
2021 第1側面
2022 第1端部(両端部)
2023 第2端部(両端部)

Claims (11)

  1. 圧延ローラの外周面に接触して、前記圧延ローラに付着する被圧延物を前記圧延ローラから剥ぎ取るスクレーパであって、
    弾性部材からなり、
    前記圧延ローラに対向する面は凹面になっていて、
    前記凹面の横断面に現れる両端縁部が前記圧延ローラの外周面に接触することができる接触縁部になっていて、
    前記凹面の反対側には支持部を有する、スクレーパ。
  2. 前記圧延ローラの長さに対応する長さを有する、請求項1記載のスクレーパ。
  3. 前記凹面は、部分円筒面であって、前記部分円筒面の曲率の絶対値は前記圧延ローラの外周面の曲率の絶対値より大きい、請求項1又は2記載のスクレーパ。
  4. 横断面形状が対称形である、請求項1乃至3のいずれかに記載のスクレーパ。
  5. 長さ方向全体にわたり、横断面形状が同一である、請求項1乃至4のいずれかに記載のスクレーパ。
  6. 前記圧延ローラとの接触状態において、前記両端縁部のうちの一方に前記被圧延物が接触するとき、前記両端縁部の他方は力点として働く、請求項1乃至5のいずれかに記載のスクレーパ。
  7. 前記スクレーパは、前記圧延ローラとの接触状態において弾性変形して、前記両端縁部のそれぞれが弾性力により前記圧延ローラの外周面に密着する、請求項1乃至6のいずれかに記載のスクレーパ。
  8. 樹脂製である、請求項1乃至7のいずれかに記載のスクレーパ。
  9. 金属製である、請求項1乃至7のいずれかに記載のスクレーパ。
  10. 食材を板状に圧延する圧延部を有する製麺機であって、
    前記圧延部は、
    軸平行に配置される対をなす圧延ローラと、
    それぞれの前記圧延ローラの外周面に嵌合されるスクレーパと、
    を有し、
    前記スクレーパは、請求項1乃至9のいずれかに記載のスクレーパである、製麺機。
  11. 前記支持部は支持軸が嵌る溝であって、前記支持部は前記圧延ローラと軸平行に固定される支持軸に嵌合される、請求項10記載の製麺機。
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