JP3211870U - 超臨界流体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】背圧調整器の出口側に接続された出口配管内の流体を迅速かつ適度に加熱できる超臨界流体装置を提供する。【解決手段】超臨界流体装置は、試料成分を分離又は抽出する分離・抽出部(分離カラム8)を備えた分析流路2と、分析流路2に移動相を供給する送液装置4と、分析流路2の下流端に接続され、前記分離・抽出部において前記移動相が超臨界流体となるように分析流路2内の流体圧力を調整する背圧調整器14と、背圧調整器14の出口側に接続された導電性の出口配管16と、出口配管16を流れる流体を加熱する加熱部18と、を備えている。そして、加熱部18は、出口配管16がコイル状に巻かれて構成された被誘導コイル32、及び被誘導コイル32に起電力を発生させる電力誘導部34を備え、出口配管16の被誘導コイル32をなす部分よりも上流端側部分と下流端側部分とが電気的かつ熱的に短絡している。【選択図】図1

Description

本考案は、超臨界流体を媒体として対象物質を抽出し、これを分析したり分離したりする超臨界流体装置に関するものである。
超臨界流体、特に超臨界状態の二酸化炭素を用いて対象成分を分離したり抽出したりする超臨界流体装置で、分離又は抽出した成分を回収するには、流体を超臨界状態に維持するように圧力を調節している背圧調整器から流出した流体を気相(二酸化炭素)と液相(エントレイナ)に分離し、液相を回収する必要がある。
BPRから流出した流体を気液分離する過程では、超臨界流体状態であった流体を減圧して回収に適した温度と圧力(例えば、常温に近い温度と大気圧)にする必要がある。その過程では、流体はほぼ等エントロピ状態で変化し、臨界点以下となって気相と液相が現れ、体積が大幅に膨張する。このため、流体は温度低下を来し、超臨界状態の二酸化炭素を用いた場合には、二酸化炭素の一部が固化してドライアイスが生成され、その後の流路を閉塞させたり、回収容器に回収される液相に混入した後で急激に気化して突沸状態を発生させたりするなど、多くの不都合を生じる。
上記の問題を防止する1つの方法として、背圧調整器の出口側に接続された出口配管を、螺旋溝を有するアルミニウム材にコイル状に巻きつけ、アルミニウム材にヒータを密着させてアルミニウム材を介して出口配管を加熱することが提案されている(特許文献1参照。)。
特開2007−120972号公報 特開2000−241022号公報
超臨界流体が膨張する過程では、流体が超臨界で推移している際には緩やかな物性変化が表れているが、臨界点に近づくと比熱等の物性値の変化が大きくなり,臨界点以下の領域に至ると、流体は気相と液相の混合状態に変わり、気相の体積が急激に増大する。
このように、配管内を流れる流体は特定の圧力に至ると状態量(特に流体体積)が急激に変化し、流路抵抗値も変化するため、圧力の変化量(降下量)は均一にならない。その結果、膨張に伴って温度が急激に低下する現象が配管の特定位置に集中して現れる。流体温度の急激な低下が発生した場合、ドライアイスの発生を防止するためにその部分に迅速に熱を与える必要がある。
特許文献1のように出口配管の外側から熱を供給する方法では、出口配管の外側から出口配管内部の流体にまで熱が伝達されるまでに時間がかかり、出口配管内の流体に迅速に熱を与えることが困難である。その結果、出口配管内の特定位置で流体温度の急激な低下が発生した場合にその部分への加熱が間に合わないことがある。他方、出口配管内における流体温度の急激な低下に対応できるように出口配管全体をより高温に加熱すると、出口配管内の流体が必要以上に加熱され、流体に含まれる試料成分が変性してしまう等の問題がある。
そこで、本考案は、背圧調整器の出口側に接続された出口配管内の流体を迅速かつ適度に加熱できるようにすることを目的とするものである。
本考案に係る超臨界流体装置は、試料成分を分離又は抽出する分離・抽出部を備えた分析流路と、分析流路に移動相を供給する送液部と、前記分析流路の下流端に接続され、前記分離・抽出部において前記移動相が超臨界流体となるように前記分析流路内の流体圧力を調整する背圧調整器と、前記背圧調整器の出口側に接続された導電性の出口配管と、前記出口配管を流れる流体を加熱する加熱部と、を備えている。そして、前記加熱部は、前記出口配管がコイル状に巻かれて構成された被誘導コイル、及び前記被誘導コイルに起電力を発生させる電力誘導部を備え、前記出口配管の前記被誘導コイルをなす部分よりも上流端側部分と下流端側部分とが電気的かつ熱的に短絡している。
本考案の加熱部は、背圧調整器の出口側に接続された出口配管をコイル状にして被誘導コイルとし、その被誘導コイルに電磁誘導を利用して起電力を発生させる。これにより、被誘導コイルを構成する出口配管に電流が流れ、出口配管自身の電気抵抗によって熱が発生し出口配管が加熱される。出口配管の加熱量は被誘導コイルに発生する起電力の大きさを変化させることによって調節することができる。
一般的に、超臨界流体装置の背圧調整器は、その内部におけるドライアイスの発生を防止するために、常温よりも高い温度に加熱温調される。したがって、背圧調整器の出口側に接続された出口配管の上流側では常温よりも高い温度に加熱された流体が流れることになる。常温よりも高い温度に加熱された流体は、加熱上限温度(含有する物質が変性する可能性のある温度)に至るまでの温度余裕が小さくなる。さらに、分離カラムを備えた超臨界流体クロマトグラフでは、分離カラムをカラムオーブンによって加熱温調するため、分離カラムを出て背圧調整器に流入する流体の温度がさらに高くなり、出口配管の上流側での流体の加熱上限温度までの温度余裕がさらに小さくなる。
一方で、出口配管内の圧力は大気解放された下流端へ近づくにつれて圧力が低くなっているため、出口配管の下流側では流体の体積膨張量が大きくなり、流体温度が顕著に低下する。これにより、出口配管の上流側では温度が高く、下流側では温度が低いという状態が出現することになる。
本考案のように、電磁誘導を利用してコイル状に巻かれた出口配管に電流を流し、出口配管を加熱する構成では、出口配管の特定の部分への加熱量を他の部分よりも大きくしたり小さくしたりすることができず、出口配管のうち電磁誘導によって電流の流れる部分は均一に加熱されることになる。このような状態で、出口配管の下流側でドライアイスの発生を防止するように出口配管を加熱すると、加熱上限温度までの温度余裕の小さい出口配管の上流側では過加熱となってしまう虞がある。
このような超臨界流体装置特有の問題に鑑み、本考案では、出口配管の被誘導コイルをなす部分よりも上流端側部分と下流端側部分とを熱的に短絡させている。出口配管の被誘導コイルをなす部分よりも上流端側部分と下流端側部分とを熱的に短絡させることによって、流体温度の高い上流端側部分から流体温度の低下が著しい下流端側部分へ熱が伝達する。これにより、出口配管の上流端側部分では流体温度が必要以上に高温になることが抑制され、出口配管の下流端側部分では流体温度がエントレイナを固化させるような温度にまで低下することが抑制される。
電磁誘導を利用して配管に電流を流し、それにより配管で発生する熱を利用して配管内の流体を加熱する技術が特許文献2(特開2000−241022号公報)に開示されている。特許文献2に開示の技術は、電磁誘導によって配管を加熱し、その配管内で水を流すことによって配管の出口から所定温度にまで加熱された熱湯を流出させる瞬間加熱器についてのものである。このような瞬間加熱器では、電磁誘導によって加熱される配管の入口側では水の温度が低く、配管の出口側で水の温度が高くなるため、本考案の対象である超臨界流体装置とは現象が逆である。そして、配管の入口に流入した時点で温度の低い水を配管の出口に至るまでに所定温度にまで加熱することを目的とするものであるから、配管の入口側と出口側を熱的に短絡させることはあり得ない。配管の入口側と出口側を熱的に短絡させてしまうと、配管の出口側の熱が配管の入口側へ逃げてしまい、配管の出口から流出する水の温度が低下する。
したがって、本考案は、出口配管の被誘導コイルをなす部分よりも上流端側部分と下流端側部分とを熱的に短絡させるという点において特許文献2に開示の技術とは顕著に相違するものである。
前記電力誘導部の一例は、前記被誘導コイルの内側を通る鉄心と導通する鉄心に巻きつけられた誘導コイル、及びその誘導コイルに電流を流す通電部によって構成されたものである。
出口配管の下流端に、出口配管から流出した流体を気体と液体へ分離するための気液分離器が接続されている場合には、出口配管の被誘導コイルをなす部分の上流端側部分と気液分離器とが熱的に短絡していることが好ましい。そうすれば、出口配管の上流端側部分の熱を利用して気液分離器を加温することができ、気液分離器における流体温度の急激な低下を抑制することができる。
本考案の超臨界流体装置によれば、背圧調整器の出口側に接続された出口配管をコイル状にして被誘導コイルとし、電磁誘導を利用してその被誘導コイルに起電力を発生させて出口配管に電流を流して出口配管自体に熱が発生するようにしたので、出口配管を流れる超臨界流体を迅速に加熱することができる。出口配管のうち被誘導コイルをなす部分よりも上流端側部分と下流端側部分が電気的に短絡しているので、電磁誘導により発生した電流は被誘導コイルでのみ流れ、超臨界流体装置の分析流路を流れることがなく、安全性が確保される。そして、出口配管の被誘導コイルをなす部分よりも上流端側部分と下流端側部分とを熱的に短絡させている。出口配管の被誘導コイルをなす部分よりも上流端側部分と下流端側部分とが熱的に短絡しているので、出口配管の上流端側部分では流体温度が必要以上に高温になることが抑制され、出口配管の下流端側部分では流体温度がエントレイナを固化させるような温度にまで低下することが抑制される。
超臨界流体装置の一実施例を示す概略構成図である。 同実施例の加熱部の構成の一例を示す斜視図である。 同加熱部の通電部の構成の一例を示す回路図である。 出口配管の被誘導コイルをなす部分の上流端側部分と気液分離器とを熱的に短絡させる構造の一例を示す斜視図である。
超臨界流体装置の一実施例について説明する。ここでは、超臨界流体の1つである分取超臨界流体クロマトグラフを例として説明する。
図1に示されているように、この実施例の超臨界流体クロマトグラフは、送液装置4からの移動相が流れる分析流路2上に試料注入部6、分離カラム8及び検出器12が設けられており、分析流路2の下流端が背圧調整器14に接続されている。背圧調整器14の出口側に出口流路16が接続されており、出口流路16の下流端は気液分離器20に接続されている。
超臨界流体クロマトグラフでは、一般に、比較的低温度、低圧力で超臨界状態が得られる液化した二酸化炭素(以下、CO2)を用い、測定しようとする試料の溶解性を高めるためのエントレイナとして有機溶媒を液化CO2に混入させる。エントレイナは、エチルアルコールやメチルアルコールなどである。液化CO2にエントレイナを混入させたものが移動相となる。
このため、送液装置4はボンベ22から得られる液化CO2をポンプ24にて送液し、容器26に収容されたエントレイナをポンプ28にて送液し、それらをミキサ30にて混合して移動相とする。十分に充填されているボンベ22は圧力が14MPa程度になり、CO2の大部分は液体状態にある。ボンベ22は液状のCO2を取り出せるサイフォンを備えている。抽出された液状のCO2はポンプ24によって規定の圧力まで昇圧される。
一方、容器26から汲み上げられたエントレイナはポンプ28によって昇圧される。昇圧された液化CO2とエントレイナはミキサ30で混合され、移動相として分析流路2を流れる。
試料注入部6によって分析流路2中に注入された試料は、送液装置4によって送液される移動相によって分析流路2上における試料注入部6の下流に設けられた分離カラム8(分離・抽出部)に導入される。分離カラム8の内部には、試料に含有される分に対して吸着・分配機能のある物質が装填されており、試料が通過する際に試料に含有される成分が分離して分離カラム8内を進む。これにより、分離カラム8において試料が成分ごとに時間的に分離される。分離カラム8はカラムオーブン10内に収容されており、常温より少し高い温度(例えば、40℃前後)に加熱温調される。
分析流路2上における分離カラム8の下流に検出器12が設けられており、分離カラム8を通過した試料成分が検出器12に入り、各試料成分の定量や定性が行われる。検出器12としては、紫外線検出器や可視光検出器、蛍光検出器等が用いられる。
分析流路2内の圧力は背圧調整器14によって設定された圧力(例えば、10MPa)に一定に維持される。これにより、特に分離カラム8を中心とする領域では、移動相が超臨界状態(圧力が7.3MPa以上で温度が31.1℃以上の状態)で維持される。分離カラム8で分離した試料成分は、拡散性の極めて高い超臨界状態のCO2と混合されることによって、その全量がエントレイナに溶解する。
背圧調整器10の出口側に接続された出口配管16を流れる流体は、加熱部18によって加熱されるように構成されている。加熱部18の詳細な構成については後述するが、加熱部18において出口配管16はコイル状に巻かれて被誘導コイル32を構成している。加熱部18は電磁誘導によって被誘導コイル32に電流を流すための電力誘導部34を備えており、被誘導コイル32に電流を流すことで出口配管16自身に熱を発生させて出口配管16を流れる流体を加熱するように構成されている。
出口配管16の下流端に接続された気液分離器20は、出口配管16を経た流体の圧力を所定の圧力(通常は大気圧)へ低下させることによって気相(CO2)と液相(エントレイナ)に分離し、試料成分が溶存する液相を回収容器36に回収するように構成されている。完全に気化したCO2は大気中に放出される。
次に、加熱部18の構成について図2を用いて説明する。
加熱部18の電力誘導部34は環状の鉄心42をもち、その鉄心42に出口配管16(被誘導コイル32)と誘導コイル38が巻き付けられている。出口配管16のうち被誘導コイル32をなす部分には、誘導コイル38に用いられている線と同様にエナメル被覆などの絶縁処理が施されており、鉄心42との間の絶縁が維持されるようになっている。誘導コイル38には通電部40によって交流電流が流される。誘導コイル38と被誘導コイル32の内側を共通の鉄心42が通っているため、誘導コイル38を電流が流れることによって発生する磁場が被誘導コイル32の内側を通り、それによって被誘導コイル32にその巻き数に応じた起電力が発生して被誘導コイル32を電流が流れる。被誘導コイル32を電流が流れると、被誘導コイル32をなす出口配管16自身の電気抵抗によって出口配管16に熱が発生し、その熱によって出口配管16内を流れる流体が加熱される。
出口配管16の被誘導コイル32をなす部分よりも上流端側部分と下流端側部分は導電性かつ熱伝導性の短絡具44によって電気的にかつ熱的に短絡している。短絡具44は接地されている。
既述のように、出口配管16のうち背圧調整器14に近い上流端側では流体温度が高く、気液分離器20に近い下流端側では流体温度が低いという現象が生じる。常温よりも高い温度に加熱された流体は加熱上限温度に至るまでの温度余裕が小さい。このような状態で出口配管16の被誘導コイル32をなす部分の全体を均一に加熱すると、上流端側部分で過加熱になるか下流端側部分で加熱不足になる虞がある。この実施例では、出口配管16の被誘導コイル32をなす部分の上流端側部分と下流端側部分とを、短絡具44によって電気的のみならず熱的にも短絡させているので、上流端側の熱を下流端側へ伝達させることができ、上流端側で過加熱となることを抑制しつつ下流端側で加熱不足となることを抑制することができる。
この実施例では、出口配管16の被誘導コイル32をなす部分の上流端部分と下流端部分の間の伝熱量を確保して両者間の熱的な短絡を確実にするため、上流端部分と下流端部分を近接させ、短絡具44の形状が、熱が伝わる距離(出口配管16の上流端側部分の流路壁と下流端側部分の流路壁の最小距離)に対し、熱が伝わる断面を構成する代表寸法(相当直径=4×断面積/縁の合計長さ)が大きくなるように設計されている。
通電部40によって誘電コイル38に印加する交流電圧の大きさは、鉄心42の大きさや加熱に要する熱量によって異なるが、概ね数百Hzから数kHzが扱い易い領域である。また、鉄心42を構成する材料は商用周波数域を扱うようなトランスを構成するケイ素鋼板を積層したものでも使用可能であるが、誘電コイル38に印加する周波数が1kHzに達する場合には、一般的なケイ素鋼板では損失が増大するため、ケイ素の含有量を極端に増加させたような鋼板やアモルファス板を、数十kHzに達する場合にはフェライト材を用いることが望ましい。
図3は通電部40を実現する回路の一例を示している。
図3の回路では、交流電源46からの電力を整流回路48によって整流し直流にした後、発振回路50によって駆動されるMOS・FET52を用いてスイッチングすることにより、誘導コイル38にスイッチング周波数の交流電圧を印加することができる。誘導コイル38に発生するスパイクはスナバ回路54によって吸収させる。
ここで、加熱部18の設計の一例について説明する。
出口配管16のうち被誘導コイル32をなす部分の外径を2.0mm、この部分の出口配管16の長さを約1mとすると、この部分での電気抵抗値は0.33Ωになる。なお、出口配管16の材質はSUS316である。そこで、誘導コイル38の巻き数を70として、100V、1kHzで8Aの電流を流す。被誘導コイル32の巻き数を11とすれば、端子間の起電圧は15.7V、電流は47.7Aになるが、この部分の出口配管16の抵抗が0.33Ωであるので、電流×抵抗の値は起電圧に等しくなり、実質的には電位が現れない。しかし、短絡具44によって上流端側部分と下流端側部分が短絡した被誘導コイル32には電流が流れるため、電流2×抵抗の値(約750W)になるジュール熱が被誘導コイル32に発生し、これが出口配管16を流れる超臨界流体を加熱するための熱源になる。
以上において説明した超臨界流体クロマトグラフでは、カラムオーブン10内に収容された分離カラム8を通過した超臨界流体は、背圧調整器14を通過した後も十分に加温された状態になっている。一方で、超臨界流体のガス化が進む気液分離器20を中心とした出口流路16の下流端近傍では流体の温度低下が著しくなり、流量が大きい等の条件によっては著しく低い温度になってしまう。本考案に基づけば、出口流路16の上流端側部分と下流端側部分とを熱的にも積極的に短絡させているので、出口流路16の上流端側部分と下流端側部分の温度差が大きくなれば、それに応じて上流端側から下流端側に向かって流れる熱流束が現れる。この結果、温度が低くなる部分に対して積極的に熱を注入して行くことができる。
また、さらに好ましい実施形態として、被誘電コイル32で発生した熱を利用して気液分離器20を加温する構成について、図4を用いて説明する。
図4の例の気液分離器20は、気液分離器20として円筒状容器の内周面に沿って流体を流下させることにより気相(CO2)と液相(エントレイナ)とを分離するサイクロン分離方式の気液分離器である。気液分離器20は出口配管と同じSUS316等によって構成されている。気液分離器20は液相を滴下させるノズル56を下部に備え、気相を大気へ放出する放出口58を上面に備えている。図示は省略されているが、ノズル56の下方に回収容器36(図1参照)が設けられる。
出口配管16の被誘導コイル32をなす部分よりも上流端側部分は気液分離器20の外周面に巻き付けられ、出口配管16のこの部分が気液分離器20と電気的にも熱的にも短絡している。出口配管16と気液分離器20とは例えばロー付により固定されている。さらに、出口配管16の下流端は、出口配管16の下流端から流出した流体が気液分離器20の内周面に沿って放出されるように気液分離器20の上面に固定され、出口配管16の下流端も電気的かつ熱的に気液分離器20と短絡している。
出口配管16の下流端から気液分離器20の内周面に沿って流体が放出されると、密度の高いエントレイナ液は遠心力が大きいため、気液分離器20の内壁に密着した流れになり、壁面との摩擦で次第に速度が低下し、ノズル56の先端から回収容器へ滴下される。一方で、気化したCO2は密度が低いために円管中心に溜まり、上面の放出口58から放出される。
この構成では、出口配管16の被誘導コイル32をなす部分よりも上流端側部分と下流端側部分が気液分離器20を介して電気的かつ熱的に短絡していることになる。これにより、出口配管16の被誘導コイル32をなす部分よりも上流端側部分の熱が気液分離器20へ伝達され、さらに気液分離器20から出口配管16の下流端へ伝達される。したがって、出口配管16の上流端側での過加熱を抑制するとともに、出口配管16の下流端や気液分離器20内でのドライアイスの発生を抑制することができる。
なお、上記実施形態において、気液分離器20を保持するための金具に短絡具44の機能を兼ねるように変形することもできる。
2 分析流路
4 送液装置
6 試料注入部
8 分離カラム
10 カラムオーブン
12 検出器
14 背圧調整器
16 出口配管
18 加熱部
20 気液分離器
24,28 ポンプ
30 ミキサ
32 被誘導コイル
34 電力誘導部
36 回収容器
38 誘導コイル
40 通電部
42 鉄心
44 短絡具
46 交流電源
48 整流回路
50 発振回路
52 MOS・FET
54 スナバ回路
56 ノズル
58 放出口

Claims (3)

  1. 試料成分を分離又は抽出する分離・抽出部を備えた分析流路と、
    前記分析流路に移動相を供給する送液部と、
    前記分析流路の下流端に接続され、前記分離・抽出部において前記移動相が超臨界流体となるように前記分析流路内の流体圧力を調整する背圧調整器と、
    前記背圧調整器の出口側に接続された導電性の出口配管と、
    前記出口配管を流れる流体を加熱する加熱部と、を備え、
    前記加熱部は、前記出口配管がコイル状に巻かれて構成された被誘導コイル、及び前記被誘導コイルに起電力を発生させる電力誘導部を備え、前記出口配管の前記被誘導コイルをなす部分よりも上流端側部分と下流端側部分とが電気的かつ熱的に短絡している超臨界流体装置。
  2. 前記磁場発生部は、前記被誘導コイルの内側を通る鉄心と導通する鉄心に巻きつけられた誘導コイル、及びその誘導コイルに電流を流す通電部によって構成されている請求項1に記載の超臨界流体装置。
  3. 前記出口配管の下流端に、前記出口配管から流出した流体を気体と液体へ分離するための気液分離器が接続されており、前記上流端側部分と前記気液分離器とが熱的に短絡している請求項1又は2に記載の超臨界流体装置。
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