JP3211789U - 型紙成型器とそれに基づいて製造した履物 - Google Patents

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Abstract

【課題】木型を使わずに足に合った型紙を製作し、簡易的に靴作りができ、履き心地の調整ができる型紙成型器を提供する。【解決手段】型紙成型器は、足を乗せる仮のユニットソールBと、足の甲を押える仮のアッパーAと、それらから形成される型紙とを備え、仮のユニットソールと仮のアッパーとを縫い合わせるときの縫合領域には、仮縫い用の糸通し孔が複数列設けられ、仮のユニットソールに乗せられた足の甲に仮のアッパーを当て、仮のアッパーの縫合領域を仮のユニットソールの縫合領域に仮縫いしたときの糸が通された各糸通し孔の配列に基づいて、仮のユニットソールの型紙と仮のアッパーの型紙がそれぞれ形成される。【選択図】図1

Description

本考案は木型を使用せずに様々な人の足にフィットする履物(サンダル、靴、スリッパ等)のユニットソールやアッパー等の型紙成型器と、それに基づいて製造した履物に関するものである。
靴作りは、工程が多く道具、機材、材料も多種あるため、技術習得と製造に時間がかかり、また出来上がった靴は実際に履いて歩かないと履き心地がわからず、こうしたことが靴作りを難しくさせる原因であった。既成靴が足に合わなくて困っている方がおられるので、個人が足のサイズに合わせて靴を自作できる方法を提供すれば、靴作りの市場が活性化すると考えた。
型紙製作、靴製造、履き心地調整の3点において極力簡易化した方法を提供する。作業工程を減らし簡易化すれば、使用する道具、機材、材料が減り、技術習得と製造時間が軽減できる。また履き心地をよくするために自由度の高い中敷きを提供する。
本考案に係る型紙成型器は、足を乗せる仮のユニットソールと、足の甲を押える仮のアッパーと、それらから形成される型紙とを備え、前記仮のユニットソールと前記仮のアッパーとを縫い合わせるときのそれらの縫合領域には、仮縫い用の糸通し孔が複数列設けられ、前記仮のユニットソールに乗せられた足の甲に前記仮のアッパーを当て、その仮のアッパーの縫合領域を前記仮のユニットソールの縫合領域に仮縫いしたときの糸が通された各糸通し孔の配列に基づいて、前記仮のユニットソールの型紙と前記仮のアッパーの型紙がそれぞれ形成されてなる型紙成型器を提供する。
また、前記仮のアッパーは、足の甲の峰を境として内側部材と外側部材に分割され、分割された各部材の前記峰に当る領域には、それらの部材を縫合するための仮縫い用の糸通し孔が複数列設けられ、前記甲に当てられた前記内側部材と前記外側部材を前記峰に沿って互いに縫合したときの各糸通し孔の配列に基づいて、前記甲の高さに応じた前記仮のアッパーの型紙が形成されてなるものである。さらに本考案に係る履物は前記記載の型紙から切り出された履物用ユニットソールと履物用アッパーとで製造された履物である。
前記履物用ユニットソールは、中底とアウトソールとを備え、その中底の前記履物用アッパーと縫合される縁部には、糸が前記中底に露出した状態で縫い込まれており、前記履物用アッパーは、別な糸でもって、露出した前記糸をまつり縫いすることによって、前記履物用ユニットソールと縫合されている前記記載の履物である。
前記履物用ユニットソールには中敷きが敷かれ、その中敷きと前記履物用ユニットソールの互いの接触面には、両者を着脱自在に連結する面ファスナーが取り付けられ、前記中敷きには、足の甲を締め付けるベルトが取り付けられている前記記載の履物である。また前記履物は、サンダル、靴、スリッパの何れかの履物である。
従来の足に合わせて靴を作る方法は、直立姿勢の足をメジャーで採寸し木型補正をした後、その木型から型紙を製作していた。この作業で問題になるのが、立体的で湾曲の多い足を、屈曲するメジャーで採寸するので、採寸者により数値が違うことや、採寸する度に数値がかわることもある。また直立姿勢の足を採寸しているので、靴を履き歩行すると靴擦れができることもあった。本考案に係る型紙成型器を使うことで、これまで熟練の経験が必要だった採寸と木型補正の工程を省くことができ、さらに歩行確認ができるので、歩行時の靴擦れを軽減することができる。このことにより製造時間の短縮、技術習得の時間短縮、履き心地のいい靴の製造が可能になる。また木型を使わないので製造コストを下げることもできる。さらに従来の型紙製作の方法は、木型を使いそこから型紙を製作するのだが、その方法が多種ありそれぞれが一長一短という状態であった。木型を使わずに、足をアッパーで囲い歩行確認したものを、そのまま型紙にすることで、従来の方法よりも簡易的に精度の高い型紙製作ができるようになる。
さらに前記型紙成型器により製作した裁断型は、個人の足に合っているので、その裁断型を使い、違う形状の靴の裁断型を個人の足に合わせて製作することができる。個人の足に合わせて靴を製造するにあたり、特に必要なのが、甲の幅が一番広い部位の甲囲寸法と、甲の高さが一番高い部位の甲囲寸法である。甲の幅が一番広い部位はボールガースであり、これは足の親指と小指の付け根部より少し後ろにある骨の部分である。また甲が一番高いのは楔状骨であり、これは足首のすぐ下にある甲の骨である。足のサイズは個人ごとに違うが、爪先と踵の大きさは多くの足に平均サイズが適応できる。ボールガースと楔状骨の甲囲寸法がわかれば、そこに爪先と踵の平均サイズを組合すことで、足の全体を覆うような一般的な短靴やブーツの型紙も製作可能である。さらに爪先のみを覆い、踵は覆わないスリッパの形状やサンダルにおいては、峰でわける形状以外も製作可能である。また靴の形状に合わせた専用の型紙成型器を作れば、それをもとに効率よく足に合った型紙が製作できる。
本考案の履物用ユニットソールは中底とアウトソールが貼り合わされており、その中底の緑部には、糸が露出した状態で縫い込まれている。履物用アッパーの孔と履物用ユニットソールの露出した糸を、縫合用の糸を使い、まつり縫いで縫合する方法により、靴作りの工程が減らせて、習得する技術が少なくなり製造時間を軽減できる。また、まつり縫いをしている縫合用糸を切れば、中底とアウトソールが分離するので部材の交換が簡易的にできる。従来の方法で製造する場合は、露出糸のない中底とアウトソールを接着せずに、履物用アッパーの孔と中底の孔を縫合した後、アウトソールを接着すれば可能である。
さらに前記履物用ユニットソールは、従来からある成型金型に合成樹脂を流し込みユニットソールを製造する場合にくらべて、成型金型を製作しないのでコストを抑える利点がある。さらに成型金型を製作すると、底の形状や縫合孔数を変えたい時、成型金型を製作しなおす必要があったが、本考案は部材を裁断し製造するので容易に変更が可能である。また従来、ユニットソールに貼り付けた革とアッパーを靴の側面で縫い合わす方法があったが、アッパーの側面に発生した縫合糸が、お客様の好みに合わないこともあった。本考案の中底に装備した露出糸を使い縫合する方法により、靴の外観を損なうことなく製造することができる。
本考案の中敷きは、足のむくみや靴下の厚み等により甲囲が変化し履き心地が悪くなった場合、甲ベルトを使い甲の締め加減を調整できる。甲ベルトは靴の中に入るので外観を損なうことはない。サンダル以外の履物として短靴、ブーツ、スリッパにも装着することが可能である。各部材を面ファスナーで着脱して調整できる利点は、外出先で急に靴擦れができた場合、個人が簡単に短時間で調整できる。また面ファスナーは弾力性があるので歩いた時の衝撃を吸収し、足の裏が痛くなることやタコができることを軽減できる。また中敷きが汚れた場合は、面ファスナーをはがして交換することが可能である。中敷きは、靴の中に入れる際、面ファスナー以外の装着方法も使用することができる。
型紙成型器の実施方法を示した説明図 図1の各部材を縫合した型紙成型器の外観図 型紙成型器をもとにした仮のアッパー型紙の製作方法を示した説明図 図3をもとにしたアッパー裁断型の製作方法を示した説明図 型紙成型器をもとにした仮のユニットソール中底型紙の製作方法を示した説明図 図5をもとにした中底裁断型の製作方法を示した説明図 履物用アッパーと履物用ユニットソールの縫合方法を示した説明図 図7の各部材を縫合したサンダルの完成形を示した外観図 図4をもとにした1枚甲サンダルの型紙の製作方法を示した説明図 図9をもとに製作した1枚甲サンダルの裁断型の完成図 図4をもとにしたパンプスの型紙の製作方法を示した説明図 図11をもとに製作したパンプスの裁断型の完成図 図10の裁断型をもとに製造した1枚甲サンダルの外観図 図12の裁断型をもとに製造したパンプスの外観図 型紙成型器の応用例を示すためのパンプス用型紙成型器の説明図 甲をベルトで調整できる中敷きの実施方法を示した説明図 図16の中敷きがパンプスに挿入された状態を示した外観図
本考案の実施の形態を図1〜図17で説明する。実施例1は、図1〜図6に基づき、アッパーが内側と外側に分離した標準的なサンダルを、型紙成型器Cを使って裁断型E、Gを製作するまでを説明した後、図7、図8に基づいて、裁断型E、Gを使って製造された、履物用アッパーHと履物用ユニットソールJの縫合方法を説明する。実施例2は、図9〜図14に基づき、標準的なサンダルの裁断型Eを使って、図13の1枚甲サンダルの裁断型Mと図14のパンプスの裁断型Pを製作する方法を説明する。その後、図15に基づき型紙成型器の応用例としてパンプス用の型紙成型器の説明をする。実施例3は、図16、図17に基づき、足に合わせて作った裁断型をもとに製造した靴を、さらに微調整し甲囲の変化に合わせた靴を提供するための中敷きTを説明する。
以下、本考案の実施の形態として図1、図2に基づいて、サンダルの型紙を作る型紙成型器Cの説明をする。本考案の実施例は、仮のアッパーAが足の甲の峰を境として、足の親指側である内側部材A4と、足の小指側である外側部材A2に分割された構成の場合で説明する。図2の型紙成型器Cは、図1で示した足の甲を押さえるための仮のアッパーAと、足を乗せるための仮のユニットソールBで構成されており、これらを縫合することで形成される。仮のアッパーAの構成は、内側部材A4と外側部材A2からなり、これらを峰部分で縫合し形成される。この峰部分の糸通し孔A1は、複数列にあいており甲のサイズに合わせて縫う孔を自由に選べる。
次に仮のユニットソールBの構成は、中底B3とアウトソールB4からなり、中底B3とアウトソールB4は、斜線部の中底接着部分B2のみで接着されており、斜線部以外の中底B3の両サイドはめくれるようになっている。中底B3がめくれることにより、仮のアッパーAと仮のユニットソールBを縫合する際は、サイド糸通し孔A3と中底糸通し孔B1を使うことで可能となる。また仮のアッパーAのサイド糸通し孔A3と中底糸通し孔B1は、複数列にあいているので、足のサイズに合わせて縫う孔を自由に選ぶことができる。その縫った孔である峰縫合孔C1とサイド縫合孔C2を型紙に書き写せば、木型を使わずに個人の足に合った型紙が製作できる。
次に型紙成型器Cの使い方を図2により説明する。まず仮のアッパーAと仮のユニットソールBを一般的な足のサイズに合わせて、複数列孔を縫合して形成したものを用意する。そこに足を入れて仮のアッパーAの浮きや締まりがきつい等の不具合箇所を把握し、問題があれば糸をほどいて縫合しなおす。その後、歩いてみて履き心地に問題があれば再度、糸をほどいて縫合しなおして履き心地がよくなるまでこれを繰り返す。このようにして個人の足サイズに合った縫合孔C1、C2の孔位置が得られる。
次に図2、図3、図4に基づいて縫合孔C1、C2の情報を使いアッパー裁断型Eを製作する方法を説明する。この方法は、個人の足に合わせて縫合したC1、C2の孔位置の情報を使い、型紙を製作していくので、個人の足に合わせた裁断型を製作することができる。なお図3、図4にある、仮のアッパー型紙Dとアッパー裁断型Eの材質は、厚紙等を使うものとする。図2は、足に合わせて縫合したもので、縫合に使った孔が縫合孔C1、C2であることを示す。図3は、縫合孔C1、C2の孔位置を仮のアッパー型紙Dに書き写したものである。図4は、仮のアッパー型紙Dを加工して製作したアッパー裁断型Eを示す。このように図2をもとに図3が製作され、図3をもとに図4が製作される。次に図2の縫合孔C1、C2の孔位置を図3の仮のアッパー型紙Dに書き写す方法を説明する。図2の縫合孔C1、C2の孔位置を一つずつ拾いだして、仮のアッパー型紙Dの黒丸D1のように書き写す。これにより個人の足に合わせた縫合孔C1、C2を、仮のアッパー型紙Dに得ることができる。次に図3の仮のアッパー型紙Dから図4のアッパー裁断型Eを製作する方法を説明する。仮のアッパー型紙Dの黒丸D1以外の孔を省いた後、アッパー縫い代E1のように、黒丸D1に平行に縫い代を設ける。こうすることでアッパー裁断型Eが製作できる。
図5の仮のユニットソール中底型紙Fと、図6の中底裁断型Gの製作方法は、前記仮のアッパー型紙Dと前記アッパー裁断型Eの製作方法と同じである。こうして製作したアッパー裁断型Eと中底裁断型Gを使い、図8のようなサンダルが製造できる。なお中底裁断型Gは、図7の中底J3とアウトソールJ4の両方の裁断型として使うことができる。
次に、図4、図6、図7に基づきアッパー裁断型Eと中底裁断型Gを使い、履物用アッパーHと履物用ユニットソールJの加工方法を説明する。履物用アッパーHで使う革、合皮、布地等の材料の上に、厚紙であるアッパー裁断型Eを置いて外形に沿って裁断し、孔あけ加工により糸通し孔を設けると、履物用アッパーHの内側部材と外側部材が製造できる。また中底J3の加工方法は、革、合皮等の材料の上に厚紙である中底裁断型Gを置いて外形に沿って裁断し、孔あけ加工により糸通し孔を設けると、中底J3が製造できる。アウトソールJ4の加工方法は、革、合成樹脂等の材料の上に、中底裁断型Gを置いて外形に沿って裁断すると製造できる。
次に図7、図8に基づいて履物用アッパーHと履物用ユニットソールJの縫合方法の一実施例として、中底J3に縫い込んだ露出糸J1を縫合用糸J2により、まつり縫いで縫合する方法を説明する。履物用アッパーHの構造は、足の甲の峰を境として分かれた2つの部材を、H1のように峰部分で縫合して形成することができ、両サイドには履物用ユニットソールJと縫合するための孔があいている。履物用ユニットソールJの構造は、履物用アッパーHと縫合される中底J3の縁部には、糸がJ1のように露出した状態で縫い込まれており、前記露出糸J1が中底J3に縫い込まれた後、アウトソールJ4を接着して形成されている。次に履物用アッパーHと履物用ユニットソールJの縫合方法は、まず履物用アッパーHの峰部分をH1のように縫合し、次に履物用アッパーHの両サイドの孔と履物用ユニットソールJの露出糸J1を縫合するのだが、その時、縫合用糸J2は露出糸J1をすくい上げて、まつり縫いすることで図8のようなサンダルが完成する。このように露出糸J1をまつり縫いすることで外観を損なうことなく、履物用アッパーと履物用ユニットソールを縫合することができる。
露出糸を縫い込んだ履物用ユニットソールJのような、底部材の完成品を使う利点は、底部材の加工にあたる工程を靴製造者が省けることである。これまでの履物用ユニットソールJにあたる底材を加工する方法は、中底J3とアウトソールJ4を靴専用ノリにより貼り合わせて、グラインダーで外周を削って整えていた。こうした工程を省くことで道具、機材、材料と技術習得が不要になり、簡易化することができる。また従来からある成型金型に合成樹脂を流し込みユニットソールを作る場合にくらべて、成型金型を製作しないのでコストを抑える利点がある。さらに成型金型を製作すると、底の形状や縫合孔数を変えたい時、成型金型を製作しなおす必要があったが、本考案は部材を裁断し製造するので容易に変更が可能である。また従来、ユニットソールに貼り付けた革とアッパーを靴の側面で縫い合わす方法があったが、アッパーの側面に発生した縫合糸が、お客様の好みに合わないこともあった。本考案の中底J3に装備した露出糸J1を使い縫合することで、靴の外観を損なうことなく製造することができる。
履物用ユニットソールJの応用例として仮のユニットソールBのように中底Bの両サイドがめくれる構造のユニットソールを靴製造者に提供することも可能である。利点は、提供者が露出糸J1を縫い込む手間を省くことができる。しかし靴製造者はアッパーと中底を縫合した後、めくれる部分を靴専用ノリで接着する必要がある。なおその際は、中底の両サイドの縫合孔は複数列あける必要はなく1列のみでよい。
ここまでは標準的なサンダルの裁断型の製作方法と製造方法を説明したが、以下は標準的なサンダルの裁断型、図4を使い、図9、図10に基づき、1枚甲サンダル裁断型Mの製作方法を説明する。1枚甲サンダルの形状は図13であり、これは標準的なサンダルの峰部分の縫合がない形状である。履物を製造する際、サイズで特に重要なのは図2で示すボールガースC4といわれる足が屈曲する部分である。この部位は個人によって甲囲が違うため標準的なサンダルで得たボールガースC4の距離を1枚甲サンダルにも適応させることで、個人の足に合わせた1枚甲サンダルが提供できる。この方法は、個人の足に合わせたアッパー裁断型Eをもとに違う形状のサンダルを製作するためであり、なおかつ標準的なサンダルの峰部分の縫合をなくすことでシンプルな形状のサンダルを提供するためのものである。まず図4のアッパー裁断型Eを図9のように重ね合わせる。この時ボールガースE2の距離が変わらないようにする。また峰縫合孔L2の黒丸どうしが大きくずれないようにバランスよく重ねる。その後、図9の重ねた峰縫合孔L2を省き、外形の線を滑らかにして形状を整えると、図10のように1枚甲サンダルの裁断型Mが製作できる。
さらに標準的なサンダルの裁断型、図4を使い、図11、図12に基づき、パンプスの裁断型Pの製作方法を説明する。なお製造するパンプスの形状は図14である。この方法は、図2のボールガースC4と、サイズに個人差が少ない爪先と踵の平均値を組み合わせることでパンプスの裁断型を製作するものである。先ず、図11のような平均サイズのパンプス裁断型を用意し、その上にアッパー裁断型EをボールガースE2の距離を変更しないようにバランスよく置く。このとき甲部分がN2のように重なる場合があるが、パンプスは甲が大きく開いており、使わない部分なので問題ないものとする。中心部分の不要な黒丸とアッパー裁断型Eの外形線を省き図12のように加工する。こうすることでパンプスの裁断型Pが製作できる。なお、この方法に楔状骨の甲囲も取り入れれば、一般的な短靴やブーツ等の裁断型も製作でき、爪先のみを覆い、踵は覆わないスリッパの形状も製作できる。
次に図15に基づきパンプスの形状をした型紙成型器の説明をする。図11、図12によりパンプス裁断型の製作方法を説明したが、これらは爪先と踵を平均サイズで製作していた。爪先と踵が平均サイズでない場合や、踵の履き心地を確かめてから型紙製作をする場合は、図15のようなパンプス用型紙成型器Sを使うこともできる。構造は、爪先、踵、内サイド、外サイドに切れ目S1が入り、切れ目S1に対して複数列の糸通し孔S2があいている。図15では切れ目S1の端面が突き合わさっているが、最初から重なり合うようにしてもよい。使い方は、標準的なサンダルの型紙成型器Cと同じであり、足に合わせて縫合した孔を型紙に書き写して裁断型を製作する。図14のパンプスのように切れ目がない裁断型にする方法は、図9、図10に基づいた説明で型紙どうしを重ね合わせたが、これと同じ方法で縫合孔を基準に型紙を重ね合わせることで製作できる。このように靴に足を入れて調整したい場所に、切れ目を入れて複数列の糸通し孔をあけ、それと同じ型紙を備えることで、靴の形状ごとに型紙成型器を製造することができる。
次に図16、図17に基づいて本考案の中敷きTの実施方法を説明する。図16は中敷きTの実施方法を示しており、図17は中敷きTがパンプスの中に挿入された状態を示している。この中敷きTは、甲ベルトT2により甲部分の締め加減を調整して履き心地をよくするためのものである。また中敷きTを靴の中に入れる際、甲ベルトT2は、外観から見えない位置に取り付けることができる。中敷きTは図8のサンダルに使うこともできるが、それとは別の形状である図13のサンダルや図14のパンプスにも使うことができる。スニーカー等の紐靴は、甲の締まりを紐で調整して歩きやすくすることができるが、とくにパンプスにおいては、甲部分が覆われておらず、さらに甲部分に締まりを調整する機能がないため、脱げやすく歩きにくいという問題が、他の靴よりも多く発生する。そうしたときに本考案の中敷きTが有効である。
中敷きTの構造は、中敷き部材T1の裏面に、斜線部のように面ファスナーT4が接着されている。また甲ベルトT2には面ファスナーT3が固定されており、このT3とT4は、お互いの面ファスナーにより着脱が可能である。これにより甲ベルトT2の取り付け位置を変えることができ、また甲ベルトT2を甲囲の距離に合わせて調整することができる。使い方は、まず中敷き部材T1と甲ベルトT2を足の甲位置と甲囲に合うように着脱調整するが、その際、靴に入れたとき甲ベルトT2が、図17のように外観からは見えない位置に取り付ける。甲ベルトT2の幅が広くて外観から見える場合は、甲ベルトT2の幅を細く加工して使用する。甲ベルトT2の位置と甲囲と幅が決まれば靴の中に入れて、面ファスナーT4とU1により図17のように接合する。歩いてみて不具合があれば、面ファスナーT4とU1をはがして中敷きTを靴の中から取り出し、再度、甲ベルトT2の位置と長さと幅を調整した後、中敷きTを靴の中に入れ歩いて確認する。このようにして履き心地が良くなるまで調整を繰り返す。
本考案の中敷きTは、甲囲の変化に対応することができる。甲囲の距離は、足のむくみ、靴下の厚み、ストッキング、素足などにより変わる。足と靴の相性によっては、こうしたわずかな甲囲の変化で以前は問題なかった履き心地が、緩くなって踵がプカプカ浮くことや、甲囲が締め付けられ、きつい等と感じることがある。そのような場合においても、甲ベルトT2の締め加減を調整し対応することができる。また踵がプカプカ浮くときには、甲ベルトを踵付近に追加装着して、甲部分と踵部分の2か所を甲ベルトで調整する方法も可能である。
また、中敷きTの接合に面ファスナーT4、U1を使うことで弾力性が向上する効果がある。従来の中敷きの場合、一部の商品においては、使っているうちにスポンジの弾力がなくなることで、足の裏が痛くなることや、タコができることがある。このような問題が面ファスナーを使うことで改善される。面ファスナーの構造は、フック状に起毛された側とループ状に密集して起毛された側とで構成されている。面ファスナーは起毛により空間部分が多くあることで弾力性が高く、靴の中敷きに使うのには適しており、従来のスポンジタイプの中敷きよりも弾力性が持続する。さらに中敷きが汚れた場合は、面ファスナーをはがして交換することが可能である。
A 仮のアッパー
A1 峰糸通し孔
A2 外側部材
A3 サイド糸通し孔
A4 内側部材
B 仮のユニットソール
B1 中底糸通し孔
B2 中底接着部分
B3 中底
B4 アウトソール
C 型紙成型器
C1 峰縫合孔
C2 サイド縫合孔
C3 縫合領域仮縫い用糸通し孔
C4 ボールガース
D 仮のアッパー型紙
D1 仮のアッパー縫合孔
D2 ボールガース
E アッパー裁断型
E1 アッパー縫い代
E2 ボールガース
F 仮のユニットソール中底型紙
F1 中底縫合孔
G 中底裁断型
G1 中底縫い代
H 履物用アッパー
H1 アッパー峰縫合
J 履物用ユニットソール
J1 露出糸
J2 縫合用糸
J3 中底
J4 アウトソール
K 履物用アッパーと履物用ユニットソールを縫合した標準的なサンダルの外観図
L 1枚甲サンダル型紙の加工方法説明図
L1 ボールガース
L2 峰縫合孔
M 1枚甲サンダル裁断型
N パンプス型紙の加工方法説明図
N1 ボールガース
N2 甲部分の重なり
P パンプス裁断型
Q 1枚甲サンダル外観図
R パンプス外観図
S パンプス用型紙成型器
S1 切れ目
S2 複数列仮縫い用糸通し孔
T 中敷き
T1 中敷き部材
T2 甲ベルト
T3 着脱面ファスナー
T4 面ファスナー
U1 面ファスナー
V 中敷きを挿入したパンプスの外観図

Claims (6)

  1. 足を乗せる仮のユニットソールと、足の甲を押える仮のアッパーと、それらから形成される型紙とを備え、前記仮のユニットソールと前記仮のアッパーとを縫い合わせるときのそれらの縫合領域には、仮縫い用の糸通し孔が複数列設けられ、前記仮のユニットソールに乗せられた足の甲に前記仮のアッパーを当て、その仮のアッパーの縫合領域を前記仮のユニットソールの縫合領域に仮縫いしたときの糸が通された各糸通し孔の配列に基づいて、前記仮のユニットソールの型紙と前記仮のアッパーの型紙がそれぞれ形成されてなる型紙成型器。
  2. 前記仮のアッパーは、足の甲の峰を境として内側部材と外側部材に分割され、分割された各部材の前記峰に当る領域には、それらの部材を縫合するための仮縫い用の糸通し孔が複数列設けられ、前記甲に当てられた前記内側部材と前記外側部材を前記峰に沿って互いに縫合したときの各糸通し孔の配列に基づいて、前記甲の高さに応じた前記仮のアッパーの型紙が形成されてなる請求項1に記載の型紙成型器。
  3. 請求項1又は2に記載の型紙から切り出された履物用ユニットソールと履物用アッパーとで製造された履物。
  4. 前記履物用ユニットソールは、中底とアウトソールとを備え、その中底の前記履物用アッパーと縫合される縁部には、糸が前記中底に露出した状態で縫い込まれており、前記履物用アッパーは、別な糸でもって、露出した前記糸をまつり縫いすることによって、前記履物用ユニットソールと縫合されている請求項3に記載の履物。
  5. 前記履物用ユニットソールには中敷きが敷かれ、その中敷きと前記履物用ユニットソールの互いの接触面には、両者を着脱自在に連結する面ファスナーが取り付けられ、前記中敷きには、足の甲を締め付けるベルトが取り付けられている請求項3又は4に記載の履物。
  6. 前記履物がサンダル、靴、スリッパの何れかである請求項3から5の何れかに記載の履物。
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