JP3210597U - 靴 - Google Patents

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悦正 佐藤
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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Abstract

【課題】従来の靴に比べ、甲革を「底付する作業」の工程を効率化できる靴を提供する。【解決手段】留め具の片方が、複数、アッパー部材の、靴底方向のふち部分に設けられ、アッパー部材の靴底方向のふち部分に設けられた、複数の留め具の片方のそれぞれに対応する位置に、複数の留め具の片方のそれぞれに対応する種類の、もう片方の留め具が、靴底の、アッパー部材方向のふち部分に設けられ、アッパー部材で靴型を包み込み、アッパー部材の靴底方向のふち部分に設けられた複数の留め具の片方を、靴底のアッパー部材方向のふち部分に設けられた対応する複数のもう片方の留め具と、留めて固定して製造した靴である。【選択図】図1

Description

本考案は、靴に関するものであり、靴の製造工程の簡略化、製造時間の短縮に関する考案である。
一般に市販されている靴は、用途によって、製法やデザインが多種多様であるため、その製造方法は千差万別である。
しかし、一般的な靴の製造工程は、靴のアッパー部材をまとめて縫い合わせる「製甲作業」と、当該靴のアッパー部材をいくつかの異なった製法で「底付する作業」に、大別することができる。
以下、「製甲作業」と、「底付する作業」を、簡単に説明する。
まず、靴のアッパー部材をまとめて縫い合わせる「製甲作業」について説明する。
製甲作業は、木等の材料からなる靴型と、ペーパープランで決定したデザインを基に、型紙を作る。
そして、その型紙により表甲、甲裏、中底、表底、等の必要なすべての抜型を、作成する。
サイズ別の伸縮型も、揃えておくことも行われる。
以下、「靴の革の裁断」、「漉き」、「折り込み」、「縫製」、の各工程からなる製甲作業について説明する。
「靴の革の裁断」工程は、革の表面・裏面のキズを避けて抜く事以外にも、品質や革の方向性の違いに注意して、一枚の革をムダなく裁断する必要がある。
革は、その一枚一枚の品質が違い、かつ、一枚の革でも部位によっても大きな違いがある、という特徴があり、また、革の繊維方向によっても、強度が違ってくるからである。
「漉き」工程は、裁断された甲革・裏革を、縫い合せしたり、張り合せしやすくするために、革の縁の断面を斜めに取る。
「折り込み」工程は、革の断面をきれいに仕上げるため、縁を斜めに漉いた革を、接着剤をつけ、内側に折り曲げる。
そして、「縫製」工程により、裁断、漉き、折り込みされた各部の革部品を、縫い合せ、靴のアッパーを完成させ、「製甲作業」が終わる。
次に、靴のアッパー部材を「底付する作業」について説明する。
底付する作業は、各種の製法があるため、製法ごとに作業方法が大きく変わる。
以下では、一般的に、高級紳士靴によく用いられるマッケイ製法を例として、底付作業の工程、製法を説明する。
マッケイ製法の底付作業は、「先芯・月型芯入れ」、「中底仮どめ」、「つり込み」、「シャンク・中物入れ」、「本底付」、「マッケイ縫い」、「仕上げ」、の各工程からなる。
「先芯・月型芯入れ」工程は、「つり込み」工程の準備をする工程であり、靴のアッパー部材のつま先部分に先芯、かかと部分に月型芯を、甲革と裏革の間にそれぞれ入れる工程である。
「中底仮どめ」工程は、靴型に、中底を釘で仮どめする工程である。
「つり込み」工程は、甲革を、靴型に密着するようにかぶせて、靴型に仮どめした中底に接着する工程である。
「シャンク・中物入れ」工程は、まず、中底の中央から、かかと部分にかけて、靴の骨組みとして重要な役割を果たす、シャンク(金具)を中底に取り付ける工程である。
そして、中底と本底との空間をうめるために、コルクやスポンジ等からなる中物といわれる詰め物を入れる。
「本底付」工程は、つり込まれた甲革の底面をバフし、その後、接着剤を塗布して、圧着機にかけ、本底としっかり張り合わせる工程である。
「マッケイ縫い」工程は、表底を張り付けたのち、靴型を抜き、表底、中底、甲革を、機械でロックステッチ縫いをする工程である。
ロックステッチ縫いを行ったあと、再び、靴型を差し込む。
「仕上げ」工程として、かかとや、底面・甲革を仕上げたものに、敷革が入れられ、デザイン別、サイズ別に、靴箱に入れる。
例えば、以下の特許文献に示されるような靴に関する文献が存在する。
実用新案登録3103236号公報 実用新案登録3153095号公報
上記説明したような従来の靴の製造方法では、一足あたりに要する工程の手間、特に、甲革を「底付する作業」の工程の手間が大きかった。
そこで、本願に係る考案は、上記説明したような従来の靴の製造方法に比べて、甲革を「底付する作業」の工程を効率化する手段の提供等を課題とする。
1、
(1)
そこで、本考案に係る靴は、

一対の留め具を構成する留め具の片方が、複数、靴のアッパー部材の、靴底方向のふち部分に設けられていると共に、
当該靴のアッパー部材の靴底方向のふち部分に設けられた、前記複数の留め具の片方のそれぞれに対応する位置に、当該複数の留め具の片方のそれぞれに対応する種類の、一対の留め具を構成するもう片方の留め具が、靴底の、靴のアッパー部材方向のふち部分に設けられており、

前記靴のアッパー部材で靴型を包み込み、当該靴のアッパー部材の靴底方向のふち部分に設けられた複数の留め具の片方を、前記靴底の靴のアッパー部材方向のふち部分に設けられた対応する複数のもう片方の留め具と、留めて固定することにより、

当該靴のアッパー部材と、当該靴底とを、一体化させること、

により製造した靴である。
(2)
「留め具」とは、離れたり動いたりしないように、とりつける器具である。
「一対の留め具」とは、二つそろって、一組となる留め具を意味する。
「一対の留め具」の例として、一対のスナップボタン、一対のホック、樹脂製の凹と凸の「はめ込み式」留め具、等が該当する。
「スナップボタン」とは、バネ機構によるスプリング力を利用して、開閉する機能をもつ金属のボタンや、樹脂・プラスチック製のボタンのことであり、凸のスナップボタンと、凹のスナップボタンで、1セットのスナップボタン(一対のスナップボタン)である。
「スナップボタン」は、「スナップ」と呼ばれることもある。
「ホック」とは、留め具の一種であって、かぎ状のホックと、それを受け止める丸形状のホックで、1セットのホック(一対のホック)である。
「一対の留め具を構成する留め具の片方」とは、二つそろって、一組となる留め具のうち、いずれか片方をいう。
「一対の留め具を構成するもう片方の留め具」とは、二つそろって、一組となる留め具のうちの片方であって、「一対の留め具を構成する留め具の片方」とは異なる片方をいう。
「一対の留め具を構成する留め具の片方」、「一対の留め具を構成するもう片方の留め具」の例として、一対のスナップボタンにおける凸または凹のスナップボタン、一対のホックにおけるかぎ状又は丸形状のホック、等がある。
また、「一対の留め具を構成する留め具の片方が、複数、靴のアッパー部材の、靴底方向のふち部分に設けられている」ことについては、当該複数の留め具の片方の各々は、同じ種類であることを必ずしも要しない。
「当該複数の留め具の片方のそれぞれに対応する種類の、一対の留め具を構成するもう片方の留め具」とは、「当該複数の留め具の片方のそれぞれ」に対応した異なる種類の片方の留め具が、少なくとも「当該複数の留め具の片方のそれぞれ」に対応した数だけ存在することを意味する。
アッパーを留め具で固定する際に、靴を幅広にしたり、反対に靴の幅を狭くすることが起こり得るため、「当該複数の留め具の片方のそれぞれに対応する種類の、一対の留め具を構成するもう片方の留め具」が、必ずしも「当該複数の留め具の片方のそれぞれ」に対応した数だけ存在するとは限らず、「当該複数の留め具の片方のそれぞれ」に対応した数に加えて、固定位置をずらすための予備的な留め具が存在しても構わない。
「靴のアッパー」とは、靴の甲の部分を意味し、靴を履く人の足の甲を覆う部分のことである。
靴の業界において、「靴のアッパー」という用語で、靴の甲の部分として利用される素材を意味することもある。
靴の「アッパー」は、靴の足の甲をおおう部分に用いる革の総称の用語である「甲革」と呼ばれることもある。
「靴のアッパー」には、靴の履き込み口(周囲)と、靴底と一体化させる靴底方向のふち(周囲)と、がある。
「靴のアッパー部材の靴底方向のふち部分」とは、靴底と一体化させる靴底方向のふち(周囲)の部分であって、靴底と一体化させる靴底方向のふち(周囲)のあたり(部分)という意味である。
「靴のアッパー部材の靴底方向のふち部分」には、靴が完成した後に表側となるふち部分も、靴が完成した後に裏側となるふち部分も、両方含まれる。
「靴のアッパー部材の靴底方向のふち部分」は、靴底と一体化させる靴底方向のふち(周囲)の、周囲の全体だけでなく、周囲の一部の場合も含む。
「靴のアッパー」は、外部の気象の変化(暑さ、寒さ、雨、など)や、衝撃から足を保護し、歩行の際に足が踊らないよう、絶えず足を密着させる役割がある。
よって、多量の汗を出すという足の生理条件を考慮して、湿気を吸収する素材が望ましく、疲労などで足の体積が変化してしまうため、伸縮性のある素材、調節がきく構造で体積の変化に対応し、足に常時密着する事ができる素材が望ましい。さらに、足に密着しすぎ、足を圧迫するようになると、血液の循環が悪くなり疲労がたまってしまい、靴が大きすぎると靴の中で足が踊って靴ずれなどができたり、脱げやすくなるため、不自然な歩き方をするようになり、余分な負担がかかり疲労が多くなる。そのため、歩行に際しての柔軟性、足当たり、などを考慮してアッパーの部材を選択する必要がある。
「靴のアッパー部材」とは、「靴のアッパー」として利用される部材であって、例えば、動物(牛、馬、カンガルー、豚、ダチョウ、ワニ、ヘビ、ヤギ、羊、鹿、など)の皮をなめしたものを主な原材料としたもの、各種繊維素材、合成皮革、等が該当する。クロムなめしの牛革等は、よく利用される。
例えば、牛革は、革靴に使用される革としては最も一般的な革であり、成牛の背中から脇までが一般的に使用される。カウ・ブル等の分類があるものの、基本的に全て肉牛のものであり、表面にエンボス加工を施すことにより、ダチョウ、ワニ、ヘビなどの模造をする事も可能である。
「靴のアッパー部材の靴底方向のふち部分に設けられた、複数の留め具の片方のそれぞれに対応する位置」とは、靴のアッパー部材の靴底方向のふち部分に設けられたそれぞれの複数の留め具の片方に対応する、靴底の対応する位置に、という意味である。
当該靴底の対応する位置は、靴底の、靴のアッパー部材方向のふち部分である。
「靴底」とは、靴底部の床面に接する部材であり、別名として、アウト・ソール、本底、表底、とも呼ばれる。靴底の材料として、革、クレープ、合成ゴム、スポンジ、ウレタン、ウッド、コルク、ジュート、等がよく利用される。
「靴底」には、靴を履く人の足裏や中底の方向(中底方向)の面と、靴を履いた際に地面と接する地面方向の面と、靴底の側面とがある。
また、「靴底の、靴のアッパー部材方向のふち部分」とは、靴底の中底の方向の面におけるふち部分の場合もあるし、靴底の側面におけるふち部分の場合もある。
また、「靴底の、靴のアッパー部材方向のふち部分」は、靴のアッパー部材方向のふち(周囲)の、周囲の全体だけでなく、周囲の一部の場合も含む。
「靴型」とは、足型の代わりとなる型のことであって、靴のデザインと機能を決める、最も重要な要素のひとつであり、別名として、木型、ラスト、とも呼ばれる。靴型の材料として、木、プラスチック、アルミ、等がよく利用される。
「靴のアッパー部材で靴型を包み込み」とは、靴のアッパー部材を靴の形状にするために、靴のアッパー部材の内側面で靴型を包み込むことを意味する。
「靴のアッパー部材の靴底方向のふち部分に設けられた複数の留め具の片方を、靴底の靴のアッパー部材方向のふち部分に設けられた対応する複数のもう片方の留め具と、留めて固定する」とは、靴のアッパー部材の靴底方向のふち部分に設けられた複数の、一対の留め具を構成する留め具の片方と、靴底の靴のアッパー部材方向のふち部分に設けられた対応する複数の、一対の留め具を構成するもう片方の留め具とによって、靴のアッパー部材と靴底を、留めて固定することを意味する。
「靴のアッパー部材と、靴底とを、一体化させる」とは、靴の主要な材料である、靴のアッパー部材、靴底を、靴として機能するように一体化させることを意味する。
(3)
本願に係る考案により、従来の靴の製造方法に比べて、靴のアッパー部材を底付する作業の工程を効率化することができ、製造工程での省力化、省エネ、合成接着剤の削減のメリットがある。
具体的には、靴のアッパー部材と靴底との一体化に際して、従来の靴の製造方法では、手縫いで1足あたり、おおよそ1日もの時間がかかっていたが、本願に係る考案では、留め具による固定のため、1足あたり、1時間以内での作業が可能である。
すなわち、従来の靴の製造方法では、事前に大量生産し(見込み生産し)、靴の購入者が自己の足のサイズに合いそうな靴を小売店等で選択する方法か、事前に大量生産し(見込み生産し)、靴の購入者が自己の足のサイズに合いそうな靴を小売店等で選択する方法か、いわゆるオーダーメード(フルオーダー・パターンオーダー)により、靴の購入者の足に合った靴を製造する方法であった。フルオーダー(木型を製作する、洋服で例えると型紙から起こすオーダー)の場合は製造に数ヶ月、パターンオーダー(既成の木型を使い、色・素材・デザインをオーダー)であっても、製造に1ヶ月ほどかかるのが通常であった。
本願に係る考案により、靴のアッパー部材と靴底との一体化に際して、留め具による固定のため、1足あたり、1時間以内での作業が可能であり、靴のサイズや足の幅の広さ等を想定して、靴のアッパー部材と靴底や中底等のバリエーションをある程度揃えておけば、小売店等で靴の購入者の足に合った靴を製造し、その日のうちに持ち帰ってもらうことも可能になる。これは、オーダーメードでありながらも、従来の靴の製造方法ではありえない、顕著な技術的効果を奏するものである。
加えて、左右の足の長さが異なり、歩行等のバランスや健康に支障をきたしている方にとっては、左右の足の長さが同じことが前提で製造されている見込み生産の靴は非常に不都合で、オーダーメードの靴が望ましいのだが、この場合には特に、靴の購入者の左右の足の長さに合った靴底や中底を選択すること(左右の高さを異なるように設定して製造すること)により、左右の靴の高さを調節しながらも、その日のうちに持ち帰ってもらうことも可能になる。
2、
(1)
また、他の考案に係る靴は、

一対の留め具を構成する留め具の片方が、複数、靴の中底の、靴底方向の面に設けられていると共に、
当該靴の中底の靴底方向の面に設けられた、前記複数の留め具の片方のそれぞれに対応する位置に、当該複数の留め具の片方のそれぞれに対応する種類の、一対の留め具を構成するもう片方の留め具が、靴底の、靴の中底方向の面に設けられており、

当該靴の中底及び靴底の間に、靴型を包み込んだ靴のアッパー部材のふちをはさみこみ、当該靴の中底の靴底方向の面に設けられた複数の留め具の片方を、前記靴底の靴の中底方向の面に設けられた対応する複数のもう片方の留め具と、留めて固定することにより、

当該靴のアッパー部材と、当該靴底と、当該靴の中底とを、一体化させること、

により製造した靴である。
(2)
「靴の中底」とは、靴の内面底部にあって、直接足を支える機能を担う、靴のアッパー部材、靴底等を一体化するための本体として、靴の「背骨」の役割を果たす部材である。靴の中底の材料として、天然皮革、レザー・ボード、パルプ・ボード、等がよく利用される。
「靴の中底」には、靴を履く人の足裏の方向の面と、靴底方向の面とがある。
「一対の留め具を構成する留め具の片方が、複数、靴の中底の、靴底方向の面に設けられている」とは、靴の中底の、靴底方向の面(当外面のふち部分、中央部分、前方部分、後方部分など)に複数設けられていることをいい、当該面のふち部分のみに設けられている場合や、当該面の中央部分及びふち部分に設けられている場合、当該面の前方部分・後方部分及びふち部分に設けられている場合、などの各種の組み合わせが考えられる。
また、「一対の留め具を構成する留め具の片方が、複数、靴の中底の、靴底方向の面に設けられている」ことについては、当該複数の留め具の片方の各々は、同じ種類であることを必ずしも要しない。
「靴の中底の靴底方向の面に設けられた、複数の留め具の片方のそれぞれに対応する位置」とは、靴の中底の靴底方向の面に設けられたそれぞれの複数の留め具の片方に対応する、靴底の対応する位置に、という意味である。
当該靴底の対応する位置は、靴底の靴の中底方向の面のうち、当該面のふち部分のみに設けられている場合や、当該面の中央部分及びふち部分に設けられている場合、当該面の前方部分・後方部分及びふち部分に設けられている場合、などの各種の組み合わせが考えられる。
「靴の中底及び靴底の間に、靴型を包み込んだ靴のアッパー部材のふちをはさみこみ」とは、靴型を包み込んだ靴のアッパー部材のふちを、内側につり込んで、靴の中底と靴底の間にはさみこむ、ことを意味する。
「靴の中底の靴底方向の面に設けられた複数の留め具の片方を、靴底の靴の中底方向の面に設けられた対応する複数のもう片方の留め具と、留めて固定する」とは、靴の中底の靴底方向の面に設けられた複数の、一対の留め具を構成する留め具の片方と、靴底の靴の中底方向の面に設けられた対応する複数の、一対の留め具を構成するもう片方の留め具とによって、靴の中底と靴底を、留めて固定することを意味する。
「靴のアッパー部材と、靴底と、靴の中底とを、一体化させる」とは、靴の主要な材料である、靴のアッパー部材、靴底、靴の中底を、靴として機能するように一体化させることを意味する。
(3)
本願に係る考案により、従来の靴の製造方法に比べて、靴のアッパー部材を底付する作業の工程を効率化することができ、製造工程での省力化、省エネ、合成接着剤の削減のメリットがある。
具体的には、靴のアッパー部材と中底と靴底との一体化に際して、従来の靴の製造方法では、手縫いで1足あたり、おおよそ1日もの時間がかかっていたが、本願に係る考案では、留め具による固定のため、1足あたり、1時間以内での作業が可能である。
特に、靴のアッパー部材と、靴底と、靴の中底とを、留め具によって一緒に一体化させることができる。
3、
(1)
また、他の考案に係る靴は、

前記一対の留め具が、一対のスナップボタンであり、

前記一対の留め具を構成する留め具の片方と、前記一対の留め具を構成するもう片方の留め具が、凸又は凹のスナップボタンであること、

を特徴とする、靴である。
(2)
「スナップボタン」は、ソーオン(糸で付ける)ボタンに比べ、ワンタッチで着脱がしやすいという「機能性」、簡単に取れたり割れたりしないという「信頼性」、形やデザイン、カラーバリエーションが豊富である「ファッション性」、という優れた特徴がある。
(3)
本願に係る考案により、従来の靴の製造方法に比べて、靴のアッパー部材を底付する作業の工程を効率化することができ、製造工程での省力化、省エネ、合成接着剤の削減のメリットがある。
具体的には、靴のアッパー部材等を、留め具によって一体化させるに際して、留め具にスナップボタンを採用することにより、ワンタッチで着脱がしやすいという「機能性」、簡単に取れたり割れたりしないという「信頼性」、に優れた特徴を活かすことができる。
4、
(1)
また、他の考案に係る靴は、

前記靴のアッパー部材又は靴の中底に設けられた、複数の、一対の留め具を構成する留め具の片方のすべてが、凸のスナップボタンであり、

前記靴底に設けられた、複数の、一対の留め具を構成するもう片方の留め具のすべてが、凹のスナップボタンであること、

を特徴とする、靴である。
(2)
本願に係る考案により、従来の靴の製造方法に比べて、靴のアッパー部材を底付する作業の工程を効率化することができ、製造工程での省力化、省エネ、合成接着剤の削減のメリットがある。
具体的には、靴のアッパー部材等を、留め具によって一体化させるに際して、留め具にスナップボタンを採用することにより、ワンタッチで着脱がしやすいという「機能性」、簡単に取れたり割れたりしないという「信頼性」、に優れた特徴を活かすことができる。
加えて、靴のアッパー部材又は靴の中底に設けられた、複数の、一対の留め具を構成する留め具の片方のすべてが、凸のスナップボタンであり、靴として履いて利用する際に靴底に設けられた凹のスナップボタンに対して、しっかりと体重がかかるため、凸及び凹のスナップボタンが外れにくくなる、という効果がある。
5、
(1)
また、他の考案に係る靴は、

前記一対の留め具が、一対のホックであり、

前記一対の留め具を構成する留め具の片方と、前記一対の留め具を構成するもう片方の留め具が、かぎ状又は丸形状のホックであること、

を特徴とする、靴である。
(2)
「ホック」は、止めやすく、着脱が簡単であるという「機能性」、簡単に取れたり割れたりしないという「信頼性」、に優れた特徴がある。
(3)
本願に係る考案により、従来の靴の製造方法に比べて、靴のアッパー部材を底付する作業の工程を効率化することができ、製造工程での省力化、省エネ、合成接着剤の削減のメリットがある。
具体的には、靴のアッパー部材等を、留め具によって一体化させるに際して、留め具にホックを採用することにより、止めやすく、着脱が簡単であるという「機能性」、簡単に取れたり割れたりしないという「信頼性」、に優れた特徴を活かすことができる。
6、
(1)
また、他の考案に係る靴は、

留め具が、複数、靴の中底の、靴底方向の面に設けられており、

靴の中底及び靴底の間に、靴型を包み込んだ靴のアッパー部材をはさみこみ、当該靴の中底の靴底方向の面に設けられた複数の留め具で、靴底を留めて固定することにより、

当該靴のアッパー部材と、当該靴底と、当該靴の中底とを、一体化させること、

を特徴とする、靴である。
(2)
「留め具が、複数、靴の中底の、靴底方向の面に設けられている」とは、靴の中底の、靴底方向の面(当外面のふち部分、中央部分、など)に留め具が複数設けられていることをいい、当該面のふち部分のみに設けられている場合や、当該面の中央部分及びふち部分に設けられている場合、当該面の前方部分・後方部分及びふち部分に設けられている場合、などの各種の組み合わせが考えられる。
「靴の中底及び靴底の間に、靴型を包み込んだ靴のアッパー部材をはさみこみ、当該靴の中底の靴底方向の面に設けられた複数の留め具で、靴底を留めて固定する」とは、靴型を包み込んだ靴のアッパー部材のふちを、内側につり込んで、靴の中底と靴底の間にはさみこみ、靴の中底の靴底方向の面に設けられた複数の留め具で、靴底を留めて固定することを意味する。
本考案における「留め具」は、「一対の留め具」とは異なり、一つでも留め具としての機能を発揮するものであり、例えば、各種のピン(虫ピン、ネクタイピン、ヘアピン、安全ピン、など)、とげ、足袋や手甲、きゃはんに利用される「コハゼ」、などが該当する。
足袋や手甲、きゃはんに利用される「コハゼ」とは、「受け糸」(または「掛け糸」)と呼ばれる糸のループに引っ掛けて留めるようになっている、金属製の金具である。
(3)
本願に係る考案により、従来の靴の製造方法に比べて、靴のアッパー部材を底付する作業の工程を効率化することができ、製造工程での省力化、省エネ、合成接着剤の削減のメリットがある。
具体的には、靴のアッパー部材等を、留め具によって一体化させるに際して、一つでも留め具としての機能を発揮する留め具を採用することにより、靴の中底のみに留め具を採用するだけでよくなる。
7、
(1)
また、他の考案に係る靴は、

留め具が、複数、靴底の、靴のアッパー部材方向のふち部分に設けられており、

靴のアッパー部材で靴型を包み込み、当該靴底の靴のアッパー部材方向のふち部分に設けられた複数の留め具で、当該靴のアッパー部材を留めて固定することにより、

当該靴のアッパー部材と、当該靴底とを、一体化させること、

により製造した靴である。
(2)
本考案における「留め具」は、「一対の留め具」とは異なり、一つでも留め具としての機能を発揮するものであり、例えば、各種のピン(虫ピン、ネクタイピン、ヘアピン、安全ピン、など)、とげ、などが該当する。
「靴底の、靴のアッパー部材方向のふち部分」とは、靴底の中底の方向の面におけるふち部分の場合もあるし、靴底の側面におけるふち部分の場合もある。
また、「靴底の、靴のアッパー部材方向のふち部分」は、靴のアッパー部材方向のふち(周囲)の、周囲の全体だけでなく、周囲の一部の場合も含む。
(3)
本願に係る考案により、従来の靴の製造方法に比べて、靴のアッパー部材を底付する作業の工程を効率化することができ、製造工程での省力化、省エネ、合成接着剤の削減のメリットがある。
具体的には、靴のアッパー部材等を、留め具によって一体化させるに際して、一つでも留め具としての機能を発揮する留め具を採用することにより、靴底のみに留め具を採用するだけでよくなる。
8、
(1)
また、他の考案に係る靴は、

靴を製造するに際して、靴の幅を調整して、靴の幅を広くしたり、または、靴の幅を狭くするために、

前記複数の留め具の片方のそれぞれに対応した数に加えて、前記留めて固定する位置をずらすために、前記設けられた一対の留め具を構成するもう片方の留め具が、予備的に設けられていること、

を特徴とする、靴である。
(2)
「靴を製造するに際して、靴の幅を調整して、靴の幅を広くしたり、または、靴の幅を狭くする」とは、足の幅には個人差が大きいため、靴の製造に際して、靴を履く人の足にフィットさせるために、靴の幅を調整し、靴の幅を広くしたり、靴の幅を狭くすることを意味する。
「留めて固定する位置をずらすために」とは、複数の留め具の片方を、対応する複数のもう片方の留め具と、留めて固定する際に、固定する位置をずらすことにより、靴の幅を調整し、靴の幅を広くしたり、靴の幅を狭くすることを意味する。
「複数の留め具の片方のそれぞれに対応した数に加えて、留めて固定する位置をずらすために、前記設けられた一対の留め具を構成するもう片方の留め具が、予備的に設けられている」とは、「留めて固定する位置をずらすために」、「当該複数の留め具の片方のそれぞれ」に対応した異なる種類の片方の留め具が、「当該複数の留め具の片方のそれぞれ」に対応した数に加えて、予備的に設けられていることを意味する。
例えば、「当該複数の留め具の片方のそれぞれ」を1×N個とした場合に、「当該複数の留め具の片方のそれぞれ」に対応した異なる種類の片方の留め具が、2×N個、3×N個、設けられており、「留めて固定する位置をずらす」ことができるような場合が該当する。
(3)
本願に係る考案により、従来の靴の製造方法に比べて、靴のアッパー部材を底付する作業の工程を効率化することができ、製造工程での省力化、省エネ、合成接着剤の削減のメリットがある。
具体的には、一対の留め具を構成するもう片方の留め具が、予備的に設けられているため、靴の幅を調整して、靴の幅を広くしたり、または、靴の幅を狭くして、靴を製造することができる。
本願に係る考案により、従来の靴の製造方法に比べて、靴のアッパー部材を底付する作業の工程を効率化することができ、製造工程での省力化、省エネ、合成接着剤の削減のメリットがある。
具体的には、靴のアッパー部材と靴底との一体化に際して、従来の靴の製造方法では、手縫いで1足あたり、おおよそ1日もの時間がかかっていたが、本願に係る考案では、留め具による固定のため、1足あたり、1時間以内での作業が可能である。
すなわち、従来の靴の製造方法では、事前に大量生産し(見込み生産し)、靴の購入者が自己の足のサイズに合いそうな靴を小売店等で選択する方法か、事前に大量生産し(見込み生産し)、靴の購入者が自己の足のサイズに合いそうな靴を小売店等で選択する方法か、いわゆるオーダーメード(フルオーダー・パターンオーダー)により、靴の購入者の足に合った靴を製造する方法であった。フルオーダー(木型を製作する、洋服で例えると型紙から起こすオーダー)の場合は製造に数ヶ月、パターンオーダー(既成の木型を使い、色・素材・デザインをオーダー)であっても、製造に1ヶ月ほどかかるのが通常であった。
本願に係る考案により、靴のアッパー部材と靴底との一体化に際して、留め具による固定のため、1足あたり、1時間以内での作業が可能であり、靴のサイズや足の幅の広さ等を想定して、靴のアッパー部材と靴底や中底等のバリエーションをある程度揃えておけば、小売店等で靴の購入者の足に合った靴を製造し、その日のうちに持ち帰ってもらうことも可能になる。これは、オーダーメードでありながらも、従来の靴の製造方法ではありえない、顕著な技術的効果を奏するものである。
加えて、左右の足の長さが異なり、歩行等のバランスや健康に支障をきたしている方にとっては、左右の足の長さが同じことが前提で製造されている見込み生産の靴は非常に不都合で、オーダーメードの靴が望ましいのだが、この場合には特に、靴の購入者の左右の足の長さに合った靴底や中底を選択すること(左右の高さを異なるように設定して製造すること)により、左右の靴の高さを調節しながらも、その日のうちに持ち帰ってもらうことも可能になる。
靴のアッパー部材と、靴底と、靴の中底との一体化の例1 靴のアッパー部材と、靴底と、靴の中底との一体化の例2 靴のアッパー部材と、靴底と、靴の中底との一体化の例3

以下、本考案に係る靴の実施形態の例を説明する。
1、
一般に市販されている靴は、用途によって、製法やデザインが多種多様であるため、その製造は千差万別であるが、一般的な靴の製造工程は、靴のアッパー部材をまとめて縫い合わせる「製甲作業」と、当該靴のアッパー部材をいくつかの異なった製法で「底付する作業」に、大別することができる。

本考案に係る靴で特徴的な工程は、主に、「底付する作業」であるため、以下、簡単に靴のアッパー部材をまとめて縫い合わせる「製甲作業」を説明する。
「製甲作業」は、製甲作業は、木等の材料からなる靴型と、ペーパープランで決定したデザインを基に、型紙を作る。
そして、その型紙により表甲、甲裏、中底、表底、等の必要なすべての抜型を、作成する。
サイズ別の伸縮型も、揃えておくことも行われる。
そして、「製甲作業」は、「靴の革の裁断」、「漉き」、「折り込み」、「縫製」、の各工程からなる。
「靴の革の裁断」工程は、革の表面・裏面のキズを避けて抜く事以外にも、品質や革の方向性の違いに注意して、一枚の革をムダなく裁断する必要がある。
革は、その一枚一枚の品質が違い、かつ、一枚の革でも部位によっても大きな違いがある、という特徴があり、また、革の繊維方向によっても、強度が違ってくるからである。
「漉き」工程は、裁断された甲革・裏革を、縫い合せしたり、張り合せしやすくするために、革の縁の断面を斜めに取る。
「折り込み」工程は、革の断面をきれいに仕上げるため、縁を斜めに漉いた革を、接着剤をつけ、内側に折り曲げる。
そして、「縫製」工程により、裁断、漉き、折り込みされた各部の革部品を、縫い合せ、靴のアッパーを完成させ、製甲作業が終わる。
「靴のアッパー」とは、靴の甲の部分を意味し、靴を履く人の足の甲を覆う部分のことである。
靴の業界において、「靴のアッパー」という用語で、靴の甲の部分として利用される素材を意味することもある。
靴の「アッパー」は、靴の足の甲をおおう部分に用いる革の総称の用語である「甲革」と呼ばれることもある。
「靴のアッパー」には、靴の履き込み口(周囲)と、靴底と一体化させる靴底方向のふち(周囲)と、がある。
「靴のアッパー部材の靴底方向のふち部分」とは、靴底と一体化させる靴底方向のふち(周囲)の部分であって、靴底と一体化させる靴底方向のふち(周囲)のあたり(部分)という意味である。
「靴のアッパー部材の靴底方向のふち部分」には、靴が完成した後に表側となるふち部分も、靴が完成した後に裏側となるふち部分も、両方含まれる。
「靴のアッパー部材の靴底方向のふち部分」は、靴底と一体化させる靴底方向のふち(周囲)の、周囲の全体だけでなく、周囲の一部の場合も含む。
「靴のアッパー」は、外部の気象の変化(暑さ、寒さ、雨、など)や、衝撃から足を保護し、歩行の際に足が踊らないよう、絶えず足を密着させる役割がある。
よって、多量の汗を出すという足の生理条件を考慮して、湿気を吸収する素材が望ましく、疲労などで足の体積が変化してしまうため、伸縮性のある素材、調節がきく構造で体積の変化に対応し、足に常時密着する事ができる素材が望ましい。さらに、足に密着しすぎ、足を圧迫するようになると、血液の循環が悪くなり疲労がたまってしまい、靴が大きすぎると靴の中で足が踊って靴ずれなどができたり、脱げやすくなるため、不自然な歩き方をするようになり、余分な負担がかかり疲労が多くなる。そのため、歩行に際しての柔軟性、足当たり、などを考慮してアッパーの部材を選択する必要がある。
「靴のアッパー部材」とは、「靴のアッパー」として利用される部材であって、例えば、動物(牛、馬、カンガルー、豚、ダチョウ、ワニ、ヘビ、ヤギ、羊、鹿、など)の皮をなめしたものを主な原材料としたもの、各種繊維素材、合成皮革、等が該当する。クロムなめしの牛革等は、よく利用される。
例えば、牛革は、革靴に使用される革としては最も一般的な革であり、成牛の背中から脇までが一般的に使用される。カウ・ブル等の分類があるものの、基本的に全て肉牛のものであり、表面にエンボス加工を施すことにより、ダチョウ、ワニ、ヘビなどの模造をする事も可能である。

加えて、本考案では、一対の留め具を構成する留め具の片方を、複数、靴のアッパー部材の、靴底方向のふち部分に設ける。
「留め具」とは、離れたり動いたりしないように、とりつける器具である。
「一対の留め具」とは、二つそろって、一組となる留め具を意味する。
「一対の留め具」の例として、一対のスナップボタン、一対のホック、樹脂製の凹と凸の「はめ込み式」留め具、等が該当する。
「スナップボタン」とは、バネ機構によるスプリング力を利用して、開閉する機能をもつ金属のボタンや、樹脂・プラスチック製のボタンのことであり、凸のスナップボタンと、凹のスナップボタンで、1セットのスナップボタン(一対のスナップボタン)である。
「スナップボタン」は、「スナップ」と呼ばれることもある。
「ホック」とは、留め具の一種であって、かぎ状のホックと、それを受け止める丸形状のホックで、1セットのホック(一対のホック)である。
「一対の留め具を構成する留め具の片方」とは、二つそろって、一組となる留め具のうち、いずれか片方をいう。
「一対の留め具を構成するもう片方の留め具」とは、二つそろって、一組となる留め具のうちの片方であって、「一対の留め具を構成する留め具の片方」とは異なる片方をいう。
「一対の留め具を構成する留め具の片方」、「一対の留め具を構成するもう片方の留め具」の例として、一対のスナップボタンにおける凸または凹のスナップボタン、一対のホックにおけるかぎ状又は丸形状のホック、等がある。
また、「一対の留め具を構成する留め具の片方が、複数、靴のアッパー部材の、靴底方向のふち部分に設けられている」ことについては、当該複数の留め具の片方の各々は、同じ種類であることを必ずしも要しない。

次に、靴のアッパー部材を「底付する作業」について説明する。

当該靴のアッパー部材の靴底方向のふち部分に設けられた、前記複数の留め具の片方のそれぞれに対応する位置に、当該複数の留め具の片方のそれぞれに対応する種類の、一対の留め具を構成するもう片方の留め具が、靴底の、靴のアッパー部材方向のふち部分に設けられており、

前記靴のアッパー部材で靴型を包み込み、当該靴のアッパー部材の靴底方向のふち部分に設けられた複数の留め具の片方を、前記靴底の靴のアッパー部材方向のふち部分に設けられた対応する複数のもう片方の留め具と、留めて固定することにより、

当該靴のアッパー部材と、当該靴底とを、一体化させる。
「当該複数の留め具の片方のそれぞれに対応する種類の、一対の留め具を構成するもう片方の留め具」とは、「当該複数の留め具の片方のそれぞれ」に対応した異なる種類の片方の留め具が、少なくとも「当該複数の留め具の片方のそれぞれ」に対応した数だけ存在することを意味する。
アッパーを留め具で固定する際に、靴を幅広にしたり、反対に靴の幅を狭くすることが起こり得るため、「当該複数の留め具の片方のそれぞれに対応する種類の、一対の留め具を構成するもう片方の留め具」が、必ずしも「当該複数の留め具の片方のそれぞれ」に対応した数だけ存在するとは限らず、「当該複数の留め具の片方のそれぞれ」に対応した数に加えて、固定位置をずらすための予備的な留め具が存在しても構わない。
「靴のアッパー部材の靴底方向のふち部分に設けられた、複数の留め具の片方のそれぞれに対応する位置」とは、靴のアッパー部材の靴底方向のふち部分に設けられたそれぞれの複数の留め具の片方に対応する、靴底の対応する位置に、という意味である。
当該靴底の対応する位置は、靴底の、靴のアッパー部材方向のふち部分である。
「靴底」とは、靴底部の床面に接する部材であり、別名として、アウト・ソール、本底、表底、とも呼ばれる。靴底の材料として、革、クレープ、合成ゴム、スポンジ、ウレタン、ウッド、コルク、ジュート、等がよく利用される。
「靴底」には、靴を履く人の足裏や中底の方向(中底方向)の面と、靴を履いた際に地面と接する地面方向の面と、靴底の側面とがある。
また、「靴底の、靴のアッパー部材方向のふち部分」とは、靴底の中底の方向の面におけるふち部分の場合もあるし、靴底の側面におけるふち部分の場合もある。
また、「靴底の、靴のアッパー部材方向のふち部分」は、靴のアッパー部材方向のふち(周囲)の、周囲の全体だけでなく、周囲の一部の場合も含む。
「靴型」とは、足型の代わりとなる型のことであって、靴のデザインと機能を決める、最も重要な要素のひとつであり、別名として、木型、ラスト、とも呼ばれる。靴型の材料として、木、プラスチック、アルミ、等がよく利用される。
「靴のアッパー部材で靴型を包み込み」とは、靴のアッパー部材を靴の形状にするために、靴のアッパー部材の内側面で靴型を包み込むことを意味する。
「靴のアッパー部材の靴底方向のふち部分に設けられた複数の留め具の片方を、靴底の靴のアッパー部材方向のふち部分に設けられた対応する複数のもう片方の留め具と、留めて固定する」とは、靴のアッパー部材の靴底方向のふち部分に設けられた複数の、一対の留め具を構成する留め具の片方と、靴底の靴のアッパー部材方向のふち部分に設けられた対応する複数の、一対の留め具を構成するもう片方の留め具とによって、靴のアッパー部材と靴底を、留めて固定することを意味する。
「靴のアッパー部材と、靴底とを、一体化させる」とは、靴の主要な材料である、靴のアッパー部材、靴底を、靴として機能するように一体化させることを意味する。
本考案により、従来の靴の製造方法に比べて、靴のアッパー部材を底付する作業の工程を効率化することができ、製造工程での省力化、省エネ、合成接着剤の削減のメリットがある。
具体的には、靴のアッパー部材と靴底との一体化に際して、従来の靴の製造方法では、手縫いで1足あたり、おおよそ1日もの時間がかかっていたが、本考案では、留め具による固定のため、1足あたり、1時間以内での作業が可能である。
すなわち、従来の靴の製造方法では、事前に大量生産し(見込み生産し)、靴の購入者が自己の足のサイズに合いそうな靴を小売店等で選択する方法か、事前に大量生産し(見込み生産し)、靴の購入者が自己の足のサイズに合いそうな靴を小売店等で選択する方法か、いわゆるオーダーメード(フルオーダー・パターンオーダー)により、靴の購入者の足に合った靴を製造する方法であった。フルオーダー(木型を製作する、洋服で例えると型紙から起こすオーダー)の場合は製造に数ヶ月、パターンオーダー(既成の木型を使い、色・素材・デザインをオーダー)であっても、製造に1ヶ月ほどかかるのが通常であった。
本考案により、靴のアッパー部材と靴底との一体化に際して、留め具による固定のため、1足あたり、1時間以内での作業が可能であり、靴のサイズや足の幅の広さ等を想定して、靴のアッパー部材と靴底や中底等のバリエーションをある程度揃えておけば、小売店等で靴の購入者の足に合った靴を製造し、その日のうちに持ち帰ってもらうことも可能になる。これは、オーダーメードでありながらも、従来の靴の製造方法ではありえない、顕著な技術的効果を奏するものである。
加えて、左右の足の長さが異なり、歩行等のバランスや健康に支障をきたしている方にとっては、左右の足の長さが同じことが前提で製造されている見込み生産の靴は非常に不都合で、オーダーメードの靴が望ましいのだが、この場合には特に、靴の購入者の左右の足の長さに合った靴底や中底を選択すること(左右の高さを異なるように設定して製造すること)により、左右の靴の高さを調節しながらも、その日のうちに持ち帰ってもらうことも可能になる。
その他の、「内底張り」、「補材挿入」、「釣り込み」、「くぎ抜き」、「シャンク付け」等の工程は、従来の靴の製造において行われているような方法で構わない。
「内底張り」とは、釘で打ち付けたり、糊張りしたりして、ラストに内底を固定する工程である。
「補材挿入」とは、靴のアッパー部材と内張りの間に、かかと芯・つま先芯など、固さを出したい部位に補材を挿入する工程である。
「釣り込み」とは、釘等を多用し、ソールに補材と内張りが施された靴のアッパー部材を乗せ、内底の上に固定していく工程である。
「くぎ抜き」とは、全ての釘を抜き、ラストを靴のアッパー部材から抜き取る工程である。
「シャンク付け」とは、かかとが高くなっている革靴の、足の裏の強度を保つ金属・木製部品である「シャンク」を取り付ける工程である。
2、
本考案について、他の実施例を説明する。

他の実施例では、
一対の留め具を構成する留め具の片方が、複数、靴の中底の、靴底方向の面に設けられていると共に、
当該靴の中底の靴底方向の面に設けられた、前記複数の留め具の片方のそれぞれに対応する位置に、当該複数の留め具の片方のそれぞれに対応する種類の、一対の留め具を構成するもう片方の留め具が、靴底の、靴の中底方向の面に設けられており、

当該靴の中底及び靴底の間に、靴型を包み込んだ靴のアッパー部材のふちをはさみこみ、当該靴の中底の靴底方向の面に設けられた複数の留め具の片方を、前記靴底の靴の中底方向の面に設けられた対応する複数のもう片方の留め具と、留めて固定することにより、

当該靴のアッパー部材と、当該靴底と、当該靴の中底とを、一体化させる。
「靴の中底」とは、靴の内面底部にあって、直接足を支える機能を担う、靴のアッパー部材、靴底等を一体化するための本体として、靴の「背骨」の役割を果たす部材である。靴の中底の材料として、天然皮革、レザー・ボード、パルプ・ボード、等がよく利用される。
「靴の中底」には、靴を履く人の足裏の方向の面と、靴底方向の面とがある。
「一対の留め具を構成する留め具の片方が、複数、靴の中底の、靴底方向の面に設けられている」とは、靴の中底の、靴底方向の面(当外面のふち部分、中央部分、前方部分、後方部分など)に複数設けられていることをいい、当該面のふち部分のみに設けられている場合や、当該面の中央部分及びふち部分に設けられている場合、当該面の前方部分・後方部分及びふち部分に設けられている場合、などの各種の組み合わせが考えられる。
また、「一対の留め具を構成する留め具の片方が、複数、靴の中底の、靴底方向の面に設けられている」ことについては、当該複数の留め具の片方の各々は、同じ種類であることを必ずしも要しない。
「靴の中底の靴底方向の面に設けられた、複数の留め具の片方のそれぞれに対応する位置」とは、靴の中底の靴底方向の面に設けられたそれぞれの複数の留め具の片方に対応する、靴底の対応する位置に、という意味である。
当該靴底の対応する位置は、靴底の靴の中底方向の面のうち、当該面のふち部分のみに設けられている場合や、当該面の中央部分及びふち部分に設けられている場合、当該面の前方部分・後方部分及びふち部分に設けられている場合、などの各種の組み合わせが考えられる。
「靴の中底及び靴底の間に、靴型を包み込んだ靴のアッパー部材のふちをはさみこみ」とは、靴型を包み込んだ靴のアッパー部材のふちを、内側につり込んで、靴の中底と靴底の間にはさみこむ、ことを意味する。
「靴の中底の靴底方向の面に設けられた複数の留め具の片方を、靴底の靴の中底方向の面に設けられた対応する複数のもう片方の留め具と、留めて固定する」とは、靴の中底の靴底方向の面に設けられた複数の、一対の留め具を構成する留め具の片方と、靴底の靴の中底方向の面に設けられた対応する複数の、一対の留め具を構成するもう片方の留め具とによって、靴の中底と靴底を、留めて固定することを意味する。
「靴のアッパー部材と、靴底と、靴の中底とを、一体化させる」とは、靴の主要な材料である、靴のアッパー部材、靴底、靴の中底を、靴として機能するように一体化させることを意味する。
本考案により、従来の靴の製造方法に比べて、靴のアッパー部材を底付する作業の工程を効率化することができ、製造工程での省力化、省エネ、合成接着剤の削減のメリットがある。
具体的には、靴のアッパー部材と中底と靴底との一体化に際して、従来の靴の製造方法では、手縫いで1足あたり、おおよそ1日もの時間がかかっていたが、本願に係る考案では、留め具による固定のため、1足あたり、1時間以内での作業が可能である。
特に、靴のアッパー部材と、靴底と、靴の中底とを、留め具によって一緒に一体化させることができる。
3、
本考案について、他の実施例を説明する。

他の実施例では、
前記一対の留め具が、一対のスナップボタンであり、
前記一対の留め具を構成する留め具の片方と、前記一対の留め具を構成するもう片方の留め具が、凸又は凹のスナップボタンであること、が考えられる。
「スナップボタン」は、ソーオン(糸で付ける)ボタンに比べ、ワンタッチで着脱がしやすいという「機能性」、簡単に取れたり割れたりしないという「信頼性」、形やデザイン、カラーバリエーションが豊富である「ファッション性」、という優れた特徴がある。
本考案により、従来の靴の製造方法に比べて、靴のアッパー部材を底付する作業の工程を効率化することができ、製造工程での省力化、省エネ、合成接着剤の削減のメリットがある。
具体的には、靴のアッパー部材等を、留め具によって一体化させるに際して、留め具にスナップボタンを採用することにより、ワンタッチで着脱がしやすいという「機能性」、簡単に取れたり割れたりしないという「信頼性」、に優れた特徴を活かすことができる。

また、他の実施例では、
前記靴のアッパー部材又は靴の中底に設けられた、複数の、一対の留め具を構成する留め具の片方のすべてが、凸のスナップボタンであり、
前記靴底に設けられた、複数の、一対の留め具を構成するもう片方の留め具のすべてが、凹のスナップボタンであること、が考えられる。
本考案により、従来の靴の製造方法に比べて、靴のアッパー部材を底付する作業の工程を効率化することができ、製造工程での省力化、省エネ、合成接着剤の削減のメリットがある。
具体的には、靴のアッパー部材等を、留め具によって一体化させるに際して、留め具にスナップボタンを採用することにより、ワンタッチで着脱がしやすいという「機能性」、簡単に取れたり割れたりしないという「信頼性」、に優れた特徴を活かすことができる。
加えて、靴のアッパー部材又は靴の中底に設けられた、複数の、一対の留め具を構成する留め具の片方のすべてが、凸のスナップボタンであり、靴として履いて利用する際に靴底に設けられた凹のスナップボタンに対して、しっかりと体重がかかるため、凸及び凹のスナップボタンが外れにくくなる、という効果がある。

また、他の実施例では、
前記一対の留め具が、一対のホックであり、
前記一対の留め具を構成する留め具の片方と、前記一対の留め具を構成するもう片方の留め具が、かぎ状又は丸形状のホックであること、が考えられる。
「ホック」は、止めやすく、着脱が簡単であるという「機能性」、簡単に取れたり割れたりしないという「信頼性」、に優れた特徴がある。
本考案により、従来の靴の製造方法に比べて、靴のアッパー部材を底付する作業の工程を効率化することができ、製造工程での省力化、省エネ、合成接着剤の削減のメリットがある。
具体的には、靴のアッパー部材等を、留め具によって一体化させるに際して、留め具にホックを採用することにより、止めやすく、着脱が簡単であるという「機能性」、簡単に取れたり割れたりしないという「信頼性」、に優れた特徴を活かすことができる。
4、
本考案について、他の実施例を説明する。

他の実施例では、
留め具が、複数、靴の中底の、靴底方向の面に設けられており、
靴の中底及び靴底の間に、靴型を包み込んだ靴のアッパー部材をはさみこみ、当該靴の中底の靴底方向の面に設けられた複数の留め具で、靴底を留めて固定することにより、
当該靴のアッパー部材と、当該靴底と、当該靴の中底とを、一体化させること、が考えられる。
「留め具が、複数、靴の中底の、靴底方向の面に設けられている」とは、靴の中底の、靴底方向の面(当外面のふち部分、中央部分、など)に留め具が複数設けられていることをいい、当該面のふち部分のみに設けられている場合や、当該面の中央部分及びふち部分に設けられている場合、当該面の前方部分・後方部分及びふち部分に設けられている場合、などの各種の組み合わせが考えられる。
「靴の中底及び靴底の間に、靴型を包み込んだ靴のアッパー部材をはさみこみ、当該靴の中底の靴底方向の面に設けられた複数の留め具で、靴底を留めて固定する」とは、靴型を包み込んだ靴のアッパー部材のふちを、内側につり込んで、靴の中底と靴底の間にはさみこみ、靴の中底の靴底方向の面に設けられた複数の留め具で、靴底を留めて固定することを意味する。
本考案における「留め具」は、「一対の留め具」とは異なり、一つでも留め具としての機能を発揮するものであり、例えば、各種のピン(虫ピン、ネクタイピン、ヘアピン、安全ピン、など)、とげ、足袋や手甲、きゃはんに利用される「コハゼ」、などが該当する。
足袋や手甲、きゃはんに利用される「コハゼ」とは、「受け糸」(または「掛け糸」)と呼ばれる糸のループに引っ掛けて留めるようになっている、金属製の金具である。
本考案により、従来の靴の製造方法に比べて、靴のアッパー部材を底付する作業の工程を効率化することができ、製造工程での省力化、省エネ、合成接着剤の削減のメリットがある。
具体的には、靴のアッパー部材等を、留め具によって一体化させるに際して、一つでも留め具としての機能を発揮する留め具を採用することにより、靴の中底のみに留め具を採用するだけでよくなる。

また、他の実施例では、
留め具が、複数、靴底の、靴のアッパー部材方向のふち部分に設けられており、
靴のアッパー部材で靴型を包み込み、当該靴底の靴のアッパー部材方向のふち部分に設けられた複数の留め具で、当該靴のアッパー部材を留めて固定することにより、
当該靴のアッパー部材と、当該靴底とを、一体化させること、が考えられる。
本考案における「留め具」は、「一対の留め具」とは異なり、一つでも留め具としての機能を発揮するものであり、例えば、各種のピン(虫ピン、ネクタイピン、ヘアピン、安全ピン、など)、とげ、などが該当する。
「靴底の、靴のアッパー部材方向のふち部分」とは、靴底の中底の方向の面におけるふち部分の場合もあるし、靴底の側面におけるふち部分の場合もある。
また、「靴底の、靴のアッパー部材方向のふち部分」は、靴のアッパー部材方向のふち(周囲)の、周囲の全体だけでなく、周囲の一部の場合も含む。
本考案により、従来の靴の製造方法に比べて、靴のアッパー部材を底付する作業の工程を効率化することができ、製造工程での省力化、省エネ、合成接着剤の削減のメリットがある。
具体的には、靴のアッパー部材等を、留め具によって一体化させるに際して、一つでも留め具としての機能を発揮する留め具を採用することにより、靴底のみに留め具を採用するだけでよくなる。
5、
本考案について、他の実施例を説明する。

他の実施例では、
靴を製造するに際して、靴の幅を調整して、靴の幅を広くしたり、または、靴の幅を狭くするために、
前記複数の留め具の片方のそれぞれに対応した数に加えて、前記留めて固定する位置をずらすために、前記設けられた一対の留め具を構成するもう片方の留め具が、予備的に設けられていること、が考えられる。
「靴を製造するに際して、靴の幅を調整して、靴の幅を広くしたり、または、靴の幅を狭くする」とは、足の幅には個人差が大きいため、靴の製造に際して、靴を履く人の足にフィットさせるために、靴の幅を調整し、靴の幅を広くしたり、靴の幅を狭くすることを意味する。
「留めて固定する位置をずらすために」とは、複数の留め具の片方を、対応する複数のもう片方の留め具と、留めて固定する際に、固定する位置をずらすことにより、靴の幅を調整し、靴の幅を広くしたり、靴の幅を狭くすることを意味する。
「複数の留め具の片方のそれぞれに対応した数に加えて、留めて固定する位置をずらすために、前記設けられた一対の留め具を構成するもう片方の留め具が、予備的に設けられている」とは、「留めて固定する位置をずらすために」、「当該複数の留め具の片方のそれぞれ」に対応した異なる種類の片方の留め具が、「当該複数の留め具の片方のそれぞれ」に対応した数に加えて、予備的に設けられていることを意味する。
例えば、「当該複数の留め具の片方のそれぞれ」を1×N個とした場合に、「当該複数の留め具の片方のそれぞれ」に対応した異なる種類の片方の留め具が、2×N個、3×N個、設けられており、「留めて固定する位置をずらす」ことができるような場合が該当する。
本考案により、従来の靴の製造方法に比べて、靴のアッパー部材を底付する作業の工程を効率化することができ、製造工程での省力化、省エネ、合成接着剤の削減のメリットがある。
具体的には、一対の留め具を構成するもう片方の留め具が、予備的に設けられているため、靴の幅を調整して、靴の幅を広くしたり、または、靴の幅を狭くして、靴を製造することができる。
6、
その他
さらに、上記説明した靴の製造方法について、以下の技術的事項を加え、靴の購入者の左右の足の長さに合った靴底や中底を選択すること(左右の高さを異なるように設定して製造すること)により、左右の靴の高さを調節しながらも、その日のうちに持ち帰ってもらうことも可能になる。
靴の購入者・利用者の左右の足の長さを測り、一足(左右一組)の靴のうち、左の靴と、右の靴を、異なる高さとして、靴の購入者・利用者の左右の足の長さの不整合を整合させるために、左の靴と右の靴の、靴底及び中底か、靴底又は中底について、異なる高さのものを採用して、一足(左右一組)の靴を製造する。
これによって、左右の足の長さが異なり、歩行等のバランスや健康に支障をきたしている方に対する靴を製造することができ、かつ、靴のアッパー部材と靴底との一体化に際して、留め具による固定のため、1足あたり、1時間以内での作業が可能であり、靴のサイズや足の幅の広さ等を想定して、靴のアッパー部材と靴底や中底等のバリエーションをある程度揃えておけば、小売店等で靴の購入者の足に合った靴を製造し、その日のうちに持ち帰ってもらうことも可能になる。これは、オーダーメードでありながらも、従来の靴の製造方法ではありえない、顕著な技術的効果を奏するものである。
なお、本願の明細書、実用新案登録請求の範囲における上記の「靴を製造するに際して、靴の幅を調整して、靴の幅を広くしたり、または、靴の幅を狭くするために」、
複数の留め具の片方のそれぞれに対応した数に加えて、留めて固定する位置をずらすために、前記設けられた一対の留め具を構成するもう片方の留め具が、予備的に設けられていること、
については、
「靴を製造するに際して、靴のサイズを調整して、靴のサイズを大きくしたり、または、靴のサイズを小さくするために」
複数の留め具の片方のそれぞれに対応した数に加えて、留めて固定する位置をずらすために、前記設けられた一対の留め具を構成するもう片方の留め具が、予備的に設けられていること、
としてもよい。
また、本願の明細書、実用新案登録請求の範囲における上記の「靴底」という用語について、「靴底と固定化する中板」と読み替えて、靴の製造方法に係る考案を実施しても構わない。
すなわち、図1におけるように、「靴底と固定化する中板」を、「一対の留め具」や「留め具」によって、「靴のアッパー部材」や「靴の中底」と一体化させても構わない。
ここで、「靴底と固定化する中板」とは、「靴のアッパー部材」や「靴の中底」と一体化させる前に「靴底と中板が固定化されている」場合も、「靴のアッパー部材」や「靴の中底」と一体化させた後に「靴底と中板が固定化する」場合も、両方含まれる意味である。
また、本願の明細書、実用新案登録請求の範囲における上記の「靴のアッパー部材と、靴底と、靴の中底とを、一体化させる」にあたって、
図2や図3に図示するように、「靴の中底」と「靴底」との間に、コルク等の「中物」を入れても構わない。
図3に図示するように、「靴の中底」と「靴底」との間に、コルク等の「中物」を入れて、「靴の中底」と「中物」、「中物」と「靴底」、を、一対の留め具又は留め具によって固定化することが考えられる。

さらに、本願の明細書、実用新案登録請求の範囲における上記の「留め具」に関して、
留め具が、複数、靴底の、靴の中底方向の面に設けられており、
靴の中底及び靴底の間に、靴型を包み込んだ靴のアッパー部材をはさみこみ、当該靴底の靴の中底方向の面に設けられた複数の留め具で、靴の中底を留めて固定することにより、
当該靴のアッパー部材と、当該靴底と、当該靴の中底とを、一体化させる、ことも考えられる。
図1では、留め具(ピン)を、中底の表面から、中底と中板を通して固定させているが、留め具(ピン)の頭部を、中底の中に埋没化させ、留め具(ピン)の先が中底から出ているようにして、実施することも考えられる。
図2では、1の留め具(ピン)を、本底(靴底)の表面から、靴底と中底の一部を通して固定させているが、留め具(ピン)の頭部を、本底(靴底)の中に埋没化させ、留め具(ピン)の先が本底(靴底)から出ているようにして、実施することも考えられる。
また、図2では、2つの留め具(ピン)を、中底の表面から、中底と本底(靴底)の一部を通して固定させているが、留め具(ピン)の頭部を、中底の中に埋没化させ、留め具(ピン)の先が中底から出ているようにして、実施することも考えられる。
図1、図2、図3に示すように、留め具(とげ)の根元部分を、靴のアッパー部材、中底、本底(靴底)、中板、などに埋没化させ、留め具(とげ)の先が出ているようにして、実施することも考えられる。
図3のように、留め具(ピン)の頭部を、靴のアッパー部材の中に埋没化させ、留め具(ピン)の先が靴のアッパー部材から出ているようにして、実施することも考えられる。特に、図3のように、留め具(ピン)の頭部を、靴のアッパー部材の表革と裏革の間に埋没化させ、実施することも考えられる。
留め具(ピン)や留め具(とげ)の材料は、例えば、加工しやすい金属を採用することが考えられる。
留め具(こはぜ)は、図3でしか図示していないが、図1、図2、図3における留め具(とげ・ピン)、一対の留め具、の部位に採用することも考えられる。
なお、本願の明細書、実用新案登録請求の範囲における上記の「本考案」、「考案」、「本願に係る考案」、という用語について、「本発明」、「発明」、「本願に係る発明」、と言い換えることができる。
すなわち、本明細書における靴の製造方法によって、靴が製造できるため、当該製造方法により生産された靴は、物品(靴)の形状、構造又は組み合わせに係る考案の実施品である、ということができる。
本願に関する靴の製造方法を使用したり、靴の製造方法によって製造された靴を販売することにより、産業の発達に寄与することができる。

Claims (8)


  1. 靴のアッパー部材と靴底とを組み合わせて製造する靴であって、

    一対の留め具を構成する留め具の片方が、複数、靴のアッパー部材の、靴底方向のふち部分に設けられていると共に、
    当該靴のアッパー部材の靴底方向のふち部分に設けられた、前記複数の留め具の片方のそれぞれに対応する位置に、当該複数の留め具の片方のそれぞれに対応する種類の、一対の留め具を構成するもう片方の留め具が、靴底の、靴のアッパー部材方向のふち部分に設けられており、

    前記靴のアッパー部材で靴型を包み込み、当該靴のアッパー部材の靴底方向のふち部分に設けられた複数の留め具の片方を、前記靴底の靴のアッパー部材方向のふち部分に設けられた対応する複数のもう片方の留め具と、留めて固定することにより、

    当該靴のアッパー部材と、当該靴底とを、一体化させること、

    により製造した靴。


  2. 靴のアッパー部材と靴底と靴の中底とを組み合わせて製造する靴であって、

    一対の留め具を構成する留め具の片方が、複数、靴の中底の、靴底方向の面に設けられていると共に、
    当該靴の中底の靴底方向の面に設けられた、前記複数の留め具の片方のそれぞれに対応する位置に、当該複数の留め具の片方のそれぞれに対応する種類の、一対の留め具を構成するもう片方の留め具が、靴底の、靴の中底方向の面に設けられており、

    当該靴の中底及び靴底の間に、靴型を包み込んだ靴のアッパー部材のふちをはさみこみ、当該靴の中底の靴底方向の面に設けられた複数の留め具の片方を、前記靴底の靴の中底方向の面に設けられた対応する複数のもう片方の留め具と、留めて固定することにより、

    当該靴のアッパー部材と、当該靴底と、当該靴の中底とを、一体化させること、

    により製造した靴。


  3. 前記一対の留め具が、一対のスナップボタンであり、

    前記一対の留め具を構成する留め具の片方と、前記一対の留め具を構成するもう片方の留め具が、凸又は凹のスナップボタンであること、

    を特徴とする、請求項1又は請求項2記載の靴。


  4. 前記靴のアッパー部材又は靴の中底に設けられた、複数の、一対の留め具を構成する留め具の片方のすべてが、凸のスナップボタンであり、

    前記靴底に設けられた、複数の、一対の留め具を構成するもう片方の留め具のすべてが、凹のスナップボタンであること、

    を特徴とする、請求項3記載の靴。


  5. 前記一対の留め具が、一対のホックであり、

    前記一対の留め具を構成する留め具の片方と、前記一対の留め具を構成するもう片方の留め具が、かぎ状又は丸形状のホックであること、

    を特徴とする、請求項1又は請求項2記載の靴。


  6. 靴のアッパー部材と靴底と靴の中底とを組み合わせて製造する靴であって、

    留め具が、複数、靴の中底の、靴底方向の面に設けられており、

    靴の中底及び靴底の間に、靴型を包み込んだ靴のアッパー部材をはさみこみ、当該靴の中底の靴底方向の面に設けられた複数の留め具で、靴底を留めて固定することにより、

    当該靴のアッパー部材と、当該靴底と、当該靴の中底とを、一体化させること、

    により製造した靴。


  7. 靴のアッパー部材と靴底とを組み合わせて製造する靴であって、

    留め具が、複数、靴底の、靴のアッパー部材方向のふち部分に設けられており、

    靴のアッパー部材で靴型を包み込み、当該靴底の靴のアッパー部材方向のふち部分に設けられた複数の留め具で、当該靴のアッパー部材を留めて固定することにより、

    当該靴のアッパー部材と、当該靴底とを、一体化させること、

    により製造した靴。


  8. 靴を製造するに際して、靴の幅を調整して、靴の幅を広くしたり、または、靴の幅を狭くするために、

    前記複数の留め具の片方のそれぞれに対応した数に加えて、前記留めて固定する位置をずらすために、前記設けられた一対の留め具を構成するもう片方の留め具が、予備的に設けられていること、

    を特徴とする、請求項1又は請求項2記載の靴。
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