JP3211388U - 貼着型支持具 - Google Patents
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Abstract
【課題】相手面に接着剤の痕跡や傷跡を残さずに取り外すことができる貼着型支持具を提供する。【解決手段】 平坦な硬質の樹脂シートでなる貼着片11の表面に、フック15の台座16が固定されてなる支持具本体10と、貼着片11を相手面Fに固定するために使用される接着剤20との組み合わせでなる。貼着片11が台座16の全周囲に張り出す大きさを有する。接着剤20として、貼着片11と相手面Fとにより未硬化状態で挟圧されて薄膜状に拡がった後に硬化してゴム状の接着剤層21を形成する特性と、貼着片11を湾曲状に反り返すことによってその貼着片11を接着剤層21から剥脱させることが可能な特性と、接着剤層21を相手面Fから捲り上げることによって痕跡を残さずにそれら相手面Fから剥がし取ることが可能な特性と、を備えた接着剤20を選択する。【選択図】図4
Description
本考案は、接着剤使用して、又は、未硬化の接着剤が硬化することにより形成される接着剤層を介して、壁面などの相手面に固定される支持具本体を有する貼着型支持具に関する。
フックなどの支持具を壁面などの相手面に固定する手段として、接着剤を使用するもの(たとえば特許文献1参照)、支持具に具備させた肉薄のシート体を平滑な壁面に密着させるもの(たとえば特許文献2参照)、釘やビスを用いるものなどが知られている(たとえば特許文献3参照)。これらのうち、特許文献1によって提案されている支持具としてのフックは、フック片に設けた薄肉形状の撓み量拡大部の裏面に接着剤を塗布して壁面に押し付けることによって壁面に接着される。また、特許文献2によって提案されている密着型支持具は、支持具本体を備えるベース体が柔軟な樹脂シート体に固着されていて、そのシート体を平滑面に密着させることによって平滑面に取り付けられる。さらに、特許文献3によって提案されている支持具としての吊下フックは、柄部に設けた釘穴に挿通させた釘やビスを打ち込むことによって壁面などに取り付けられる。
しかしながら、上記した接着剤を使用するものは、支持具を壁面から取り外した後に、壁面に接着剤が残って壁面を汚したり、壁面から接着剤を取り除こうとしてもきれいに取り除くことが困難であったり、壁紙を破って剥がし取ってしまったりするといった問題点があった。その一方で、上記したような肉薄のシートを壁面に密着させるものでは、壁面が平滑面であることが不可欠な条件になり、壁紙のような凹凸を備えた壁面に固定することができないという問題点があった。また、上記したような釘やビスを用いるものは、壁面から吊下げフックを取り外した後に、釘やビスの打ち込み孔が残り、それが痕跡となって壁面を傷付けるという問題点があった。
本考案は、以上の問題点に鑑み、相手面に固定する手段として接着剤を使用するものでありながら、相手面に接着剤の痕跡や傷跡を残さずに容易に取り外すことができ、また、壁面が平滑面であっても凹凸面であっても満足のいく取付け強度を確保することが可能になる貼着型支持具を提供することを目的としている。
本考案に係る貼着型支持具は、相手面に接着剤を使用して固定される支持具本体を有する。そして、湾曲状に弾性変形可能な平坦な硬質の樹脂シートでなる貼着片の表面に、フックを有する台座が固定されてなる上記支持具本体と、上記相手面と上記貼着片との間に介在されて貼着片を相手面に固定するために使用される上記接着剤との組み合わせでなる。これに加えて、上記貼着片が上記台座の全周囲に張り出す大きさを有し、上記接着剤として、上記貼着片と上記相手面とにより未硬化状態で挟圧されて薄膜状に拡がった後に硬化して上記貼着片を上記相手面に固定するゴム状の接着剤層を形成する特性と、上記貼着片を湾曲状に反り返すことによってその貼着片を上記接着剤層から剥脱させることが可能な特性と、上記接着剤層を上記相手面又は上記貼着片から捲り上げることによって痕跡を残さずにそれら相手面又は貼着片から剥がし取ることが可能な特性と、を備えた接着剤を選択する、というものである。
このような貼着型支持具によると、たとえば、適切量の未硬化状態の接着剤を支持具本体の貼着片の裏面に盛り上げた状態で相手面に押し付けると、貼着片に平坦な硬質の樹脂シートが採用されているために、接着剤が貼着片と相手面とにより未硬化状態で挟圧されて薄膜状に拡がり、その後に硬化してゴム状の接着剤層を形成する。このため、相手面が平坦面であっても壁紙表面のような凹凸面であっても、未硬化状態の接着剤が相手面の表面に馴染んで密着した後に硬化してゴム状の接着剤層を形成し、その接着剤層を介して支持具本体が相手面に固定される。また、相手面に取り付けた支持具を取り外すときには、たとえば、手の指先を貼着片の外縁部の一部に引掛けて徐々に湾曲状に弾性変形させていくことにより、接着剤の特性が発揮されて貼着片が接着剤層から剥脱される。さらに相手面に残った接着剤層の外縁部に指先を引掛けてゆっくりとその接着剤層を捲り上げると、接着剤の特性により、接着剤層を壁面から痕跡を残さずにきれいに剥がし取ることができる。接着剤層が貼着片と共に相手面から剥がし取られたときには、その後に接着剤層を貼着面から容易に剥がし取ることが可能である、という作用が奏される。
また、本考案に係る貼着型支持具は、相手面に接着剤層を介して固定されている。そして、湾曲状に弾性変形可能な平坦な硬質の樹脂シートでなる貼着片の表面に、フックを有する台座が固定されてなる支持具本体と、上記相手面と上記貼着片との間に介在されて貼着片を相手面に固定している薄膜状の上記接着剤層との組み合わせでなる。これに加えて、上記貼着片が上記台座の全周囲に張り出す大きさを有し、上記接着剤層は、上記貼着片と上記被貼着面とにより未硬化状態の接着剤が挟圧されて薄膜状に拡げられた後にゴム状に硬化することによって形成されていると共に、上記貼着片を湾曲状に反り返すことによってその貼着片を剥脱させることが可能な特性と、上記相手面又は上記貼着片から捲り上げることによって痕跡を残さずにそれら相手面又は貼着片から剥がし取ることが可能な特性と、を備えている。この貼着型支持具によっても、相手面に取り付けた支持具を取り外すときに上記したところと同様の作用が奏される。
本考案において、支持具本体の上記貼着片は、その外縁部の少なくとも一部が上記接着剤層の外側にはみ出る形状又は大きさに形成されていて、そのはみ出し箇所が、その貼着片を湾曲状に反り返すことによって上記接着剤層から剥脱させる際に指先を引掛けるための突部として利用可能に構成されていることが望ましい。この構成であると、貼着片を接着剤層から剥脱するときに、貼着片の突部に指先を引掛けることができるために、その剥脱作業を行いやすくなる。
本考案では、支持具本体の上記貼着片が矩形又は略矩形に形成されていることが望ましい。この構成であると、上記したような指先を引掛けるための突部が矩形又は略矩形の貼着片の出隅部(コーナー部)に自然に形成される。その理由は、未硬化状態の接着剤を支持具本体の貼着片の裏面に盛り上げた状態で相手面に押し付けたときに、接着剤が貼着片と相手面とにより未硬化状態で挟圧されて円形状に拡がった後に硬化して薄膜状の接着剤層を形成することによる。しかも、当該支持具本体を相手面に取り付けた状態でも、貼着片の形状が矩形又は略矩形であると、その形状についての違和感を生じにくい。
本考案において、支持具本体の上記台座は、上記支持具本体に加わる下向き荷重方向に偏位した箇所で上記貼着片の表面に固定されていることが望ましい。この構成を採用すると、台座が支持具本体の中央部や上部に固定されている場合に比べて、相手面に取り付けた後に貼着片の上部に加わる引き剥がし力が小さくなり、それだけ相手面に対する固定状態が安定して自然剥脱が起こりにくくなる。
本考案では、上記接着剤が、湿気硬化型シリコーン系接着剤である、という構成を採用することが可能である。シリコーン系接着剤には、付加型と湿気硬化型があり、湿気硬化型は、室温で空気中の水分と化学反応して硬化するので、接着型支持具を相手面に取り付けるため接着剤として使いやすいとされている。なお、未硬化の状態では高粘度の流動性を発揮するのに対し、室温下での経時により硬化すると、流動性を消失してゴム状の柔軟性を発揮する性質を有している。
本考案では、上記貼着片がポリエチレン系樹脂でなることが望ましい。この構成によると、湾曲状に弾性変形可能な平坦な硬質の樹脂シートでなる貼着片を安価に製作しやすいという利点がある。特に接着剤として上記した湿気硬化型シリコーン系接着剤を選択しておくと、剥脱性をそれほど阻害することなく、支持具に要求される相手面と貼着片との接着強度が満足のいく程度に保たれることが判っている。
以上説明したように、本考案に係る貼着型支持具によると、壁面に固定する手段として接着剤を使用するものでありながら、壁面に接着剤の痕跡や傷跡を残さずに容易に取り外すことができ、また、壁面が平滑面であっても凹凸面であっても満足のいく取付け強度を確保することが可能になるという硬化が奏される。
図1は本考案の実施形態に係る支持具本体10の概略斜視図、図2は同支持具本体10の正面図、図3は同支持具本体10の側面図、図4は使用状態での貼着型支持具Aの側面図である。
図4に示したように、この支持具Aにおいて、支持具本体10は、壁面などの相手面Fに接着剤層21を介して固定されている。ここで、接着剤層21は、未硬化の接着剤20が硬化することによって形成されていて、ゴム状の柔軟性を有している。そのため、支持具本体10が壁面などの相手面Fに接着剤20を使用して固定されているとも云える。相手面Fとしては、ガラスや金属板の表面のような平滑面に限らず、コンクリートや壁紙の表面のような凹凸面などを自由に選定することが可能である。
支持具本体10は、平坦な硬質の樹脂シートでなる貼着片11と、フック15と、フック15と一体に成形された台座16とを有し、台座16が貼着片11の表面に紫外線硬化型接着剤などの接着剤を使用して一体的に固定されている。
貼着片11は、図1又は図2のように矩形又は略矩形に形作られた平坦な硬質のポリエチレン系樹脂シート、具体的には、たとえばポリエチレンテレフタレート(PET)のシートでなる。ここで、「矩形」とは、4つの出隅部(コーナー部)の角度が90度の多角形の意味であり、「略矩形」とは、たとえば図1又は図2に示したように4つの出隅部が湾曲状に面取されている形状を含んで、その基本形状が矩形であるという意味である。上記のように貼着片11が平坦な硬質のポリエチレン系樹脂シートによって作られていると、その厚さによっては、湾曲状に弾性変形可能な特性を発揮する。そこで、この実施形態では、貼着片11の厚さを0.3mmに定めて、この貼着片11に、湾曲状に弾性変形する特性を良好に発揮させ得るようにしている。なお、貼着片11の一辺の長さを約4cmに定めている。なお、貼着片11にABS樹脂シートを使用することも可能である。
これに対し、フック15と一体に成形された台座16は、図1又は図2のように矩形又は略矩形に形作られている。矩形又は略矩形の意味は上記同様である。この台座16は容易に折れ曲がらない硬度を有していて、上記した貼着片11よりも小さい。そして、貼着片11が台座16の全周囲に張り出す大きさを有している。また、台座16は、図4に示した使用状態、言い換えると支持具本体10を垂直姿勢にした状態で、貼着片11の左右方向の中央部で、上下方向の中央部よりもやや下側に変位した位置で貼着片11に固定されている(図1又は図2参照)。
図4に示したように、この貼着型支持具Aは、支持具本体10と、相手面Fと貼着片11との間に介在されて貼着片11を相手面Fに固定するために使用される接着剤層21と、の組み合わせでなる。この接着剤層21は、未硬化の接着剤20(後述する図5又は図6参照)が硬化することによってゴム状に形成されている。したがって、貼着型支持具Aは、支持具本体10と接着剤層21との組み合わせでなる、とも云える。図4のように、接着剤層21は、貼着片11と相手面Fとにより未硬化状態で挟圧された接着剤20が薄膜状に拡がった後に、室温下での経時によりゴム状に硬化することによって形成されている。このように貼着片11と相手面Fとにより未硬化状態で挟圧されて薄膜状に拡がった後に硬化して貼着片11を相手面Fに固定するゴム状の接着剤層21を形成する特性(経時硬化特性)を発揮する接着剤20としては、湿気硬化型シリコーン系接着剤が知られている。この湿気硬化型シリコーン系接着剤を用いると、上記した経時硬化特性だけでなく、経時硬化によって形成された接着剤層21に、貼着片11を湾曲状に反り返すことによってその貼着片11を接着剤層21から剥脱させることが可能な特性(剥脱特性)を発揮させたり、接着剤層21を相手面F又は貼着片11から捲り上げることによって痕跡を残さずにそれら相手面F又は貼着片11から剥がし取ることが可能な特性(剥がし取り特性)を発揮させたりすることが可能になる。
次に、上記した貼着型支持具Aを相手面に固定するための作業手順の一例を説明する。図5は貼着片11の裏面に接着剤20を塗布する工程(接着剤塗布工程)を示した説明図、図6は接着剤20が塗布された支持具本体10の側面図、図7及び図8は接着剤層21を形成する工程(接着剤層形成工程)を示した説明図である。
接着剤塗布工程では、図5又は図6のように、支持具本体10の貼着片11の裏面に適切量の未硬化の接着剤20の流動性を活用してたとえば山形に盛り上げる。この場合に、接着剤20として湿気硬化型シリコーン系接着剤を選択するときには、その事前硬化を防ぐために接着剤20を密封した封入パック22を開いて、その中の未硬化の接着剤20を貼着片11の裏面に塗布することが望ましい。また、塗布箇所は、貼着片11に対する台座16の固定箇所との対応箇所を選定することが望ましい。
接着剤塗布工程を行った後、接着剤層形成工程を行う。この接着剤層形成工程では、図7のように、たとえばフック15を指で掴み、その状態で接着剤20が塗布されている支持具本体10を壁紙などの相手面Fに矢印Sのように押し付ける。このようにすると、接着剤20が貼着片11と相手面Fとにより未硬化状態で挟圧されて薄膜状に拡がった後に硬化してゴム状の接着剤層21を形成し、その接着剤層21を介して貼着片11が相手面Fに固定される。接着剤20が貼着片11と相手面Fとにより未硬化状態で挟圧されたときには、貼着片11が平坦な硬質の樹脂シートでなることにより、接着剤20が満遍なく押圧されることになり、その結果、図7又は図8のように接着剤20が円形状に拡がる。また、相手面Fが、ガラスや金属板の表面などのような平滑面である場合は勿論、コンクリートや壁紙の表面などのような凹凸面であっても、相手面Fに接着剤20がよく馴染む。そのため、接着剤20が硬化することによって形成された接着剤層21と相手面Fとが満足のいく強さ(たとえば1kg以下の吊下げ荷重)で接合する。ここで説明した接着剤層形成工程を行うことによって、薄膜状の接着剤層21を形成した接着剤20が、貼着片11の外側にはみ出したときには、貼着片11からはみ出た余剰の接着剤20が硬化した後、指や爪で取り除いておくことが望ましい。図9は接着剤層を形成する工程で貼着片11の外側にはみ出した接着剤20を示した説明図である。
接着剤20として湿気硬化型シリコーン系接着剤が選択されているときには、接着剤層形成工程を行った後に室温下で約24時間(約1昼夜)を経過すれば、その接着剤20が完全に硬化してゴム状の接着剤層21が形成されることが判っている。こうして接着剤20が完全に硬化してゴム状の接着剤層21が形成されると、支持具本体10が相手面Fに強固に固定された状態になり、衣類やその他の物品を吊り下げることに使用可能である。
次に、相手面Fに固定されている貼着型支持具Aを取り外すための作業手順の一例を説明する。図10は、支持具本体10の貼着片11を、相手面Fに接合している接着剤層21から剥脱する工程(貼着片剥脱工程)を斜視図で示した説明図、図11は接着剤層21を相手面Fから剥がし取る工程(剥離工程)を斜視図で示した説明図、図12は接着剤層21を相手面Fから剥がし取る工程(剥離工程)の他の例を斜視図で示した説明図、図13は接着剤層21を貼着片11から剥脱する工程(接着剤層剥脱工程)を斜視図で示した説明図である。
図10に示した貼着片剥脱工程では、接着剤層21に固定されている貼着片11の外縁部の一部である出隅部(コーナー部)に指先を引掛け、その状態で貼着片11を矢印R1のようにゆっくりと湾曲状に反り返す。この操作により、貼着片11が接着剤層21から無理なく剥がれることを確認している。
ところで、この実施形態では、略矩形の貼着片11によって未硬化の接着剤20を図7のように相手面Fに押し付けて薄膜状に拡げた後に硬化させることによって接着剤層21
を形成している。そして、その接着剤層21は略円形に形成されている。そのため、貼着片11の外縁部である少なくとも出隅部(コーナー部)が、接着剤層21の外側にはみ出し、そのはみ出し箇所を、貼着片11を湾曲状に反り返すことによって接着剤層21から剥脱させる際に指先を引掛けるための突部12として利用可能になる。このため、上記貼着片剥脱工程を容易に行うことができる。しかも、貼着片11の形状が略矩形であると、使用時にその形状についての違和感を生じにくいという利点がある。
を形成している。そして、その接着剤層21は略円形に形成されている。そのため、貼着片11の外縁部である少なくとも出隅部(コーナー部)が、接着剤層21の外側にはみ出し、そのはみ出し箇所を、貼着片11を湾曲状に反り返すことによって接着剤層21から剥脱させる際に指先を引掛けるための突部12として利用可能になる。このため、上記貼着片剥脱工程を容易に行うことができる。しかも、貼着片11の形状が略矩形であると、使用時にその形状についての違和感を生じにくいという利点がある。
図11に示した剥離工程は上記貼着片剥脱工程を行った後に行われる。剥離工程は、図11のように、指先の爪などで相手面Fに固着されているゴム状の接着剤層21の外縁を矢印R1のようにゆっくりと捲り上げる。この操作により、接着剤層21が相手面Fに残らずにその相手面Fから剥離する。この場合、相手面Fが壁紙の表面であっても、その壁紙が破れて引き剥がされたりするという事態の起こりにくいことを確認している。
図12に示した別の形態の剥離工程では、指先の爪などで相手面Fに固着されているゴム状の接着剤層21の外縁を捲り上げた後、矢印R2のように、捲り上げた接着剤層21をゆっくりとロール巻状に捲り上げる。この操作により、接着剤層21が相手面Fに残らずにその相手面Fから剥離する。この場合においても、相手面Fが壁紙の表面であるとしても、その壁紙が破れて引き剥がされたりするという事態の起こりにくいことを確認している。
図13に示した接着剤層剥脱工程は、支持具本体10を相手面Fから取り外すときに、接着剤層21が貼着片11側に固定されたまま相手面Fから剥離されたときに行われる。この接着剤層剥脱工程は、図13のように、指先の爪などで貼着片11の裏面に固着しているゴム状の接着剤層21の外縁を矢印R3のようにゆっくりと捲り上げる。この操作により、接着剤層21が貼着片11から剥離する。
図14は変形例による貼着片を用いた貼着型支持具の正面図である。この事例では、貼着片11が円形に形成されていて、その外縁部の周囲複数箇所(図例では4箇所)に外側に向けて突き出た突部12を設けている。このものによると、円形に形成された接着剤層21が貼着片11の裏面の略全体に固着したとしても、突部12が接着剤層21の外側にはみ出るために、その突部12を、貼着片11を湾曲状に反り返すことによって接着剤層21から剥脱させる際に指先を引掛けることに利用することが可能になる。
図15は使用状態での貼着型支持具Aの作用を示した説明図である。この実施形態の貼着型支持具Aは、上記したように支持具本体15と一体に成形された台座16が、使用状態で、貼着片11の左右方向の中央部で、上下方向の中央部よりもやや下側に変位した位置で貼着片11に固定されている(図1又は図2参照)。このことを言い換えると、台座16は、支持具本体15に加わる下向き荷重方向Pに偏位した箇所で貼着片11の表面に固定されている、と云える。このため、台座16が支持具本体10の中央部や上部に固定されている場合に比べて、相手面Fに取り付けた後に貼着片11の上部に加わる引き剥がし力F1が小さくなり、それだけ相手面Fに対する固定状態が安定して自然剥脱が起こりにくくなる。
A 貼着型支持具
F 相手面
10 支持具本体
11 貼着片
12 突部
15 フック
16 台座
20 接着剤
21 接着剤層
P 支持具本体に加わる下向き荷重方向
F 相手面
10 支持具本体
11 貼着片
12 突部
15 フック
16 台座
20 接着剤
21 接着剤層
P 支持具本体に加わる下向き荷重方向
Claims (7)
- 相手面に接着剤を使用して固定される支持具本体を有する貼着型支持具であって、
湾曲状に弾性変形可能な平坦な硬質の樹脂シートでなる貼着片の表面に、フックを有する台座が固定されてなる上記支持具本体と、上記相手面と上記貼着片との間に介在されて貼着片を相手面に固定するために使用される上記接着剤との組み合わせでなり、
上記貼着片が上記台座の全周囲に張り出す大きさを有し、
上記接着剤として、上記貼着片と上記相手面とにより未硬化状態で挟圧されて薄膜状に拡がった後に硬化して上記貼着片を上記相手面に固定するゴム状の接着剤層を形成する特性と、上記貼着片を湾曲状に反り返すことによってその貼着片を上記接着剤層から剥脱させることが可能な特性と、上記接着剤層を上記相手面又は上記貼着片から捲り上げることによって痕跡を残さずにそれら相手面又は貼着片から剥がし取ることが可能な特性と、を備えた接着剤を選択することを特徴とする貼着型支持具。 - 相手面に接着剤層を介して固定された貼着型支持具であって、
湾曲状に弾性変形可能な平坦な硬質の樹脂シートでなる貼着片の表面に、フックを有する台座が固定されてなる支持具本体と、上記相手面と上記貼着片との間に介在されて貼着片を相手面に固定している薄膜状の上記接着剤層との組み合わせでなり、
上記貼着片が上記台座の全周囲に張り出す大きさを有し、
上記接着剤層は、上記貼着片と上記被貼着面とにより未硬化状態の接着剤が挟圧されて薄膜状に拡げられた後にゴム状に硬化することによって形成されていると共に、上記貼着片を湾曲状に反り返すことによってその貼着片を剥脱させることが可能な特性と、上記相手面又は上記貼着片から捲り上げることによって痕跡を残さずにそれら相手面又は貼着片から剥がし取ることが可能な特性と、を備えていることを特徴とする貼着型支持具。 - 支持具本体の上記貼着片は、その外縁部の少なくとも一部が上記接着剤層の外側にはみ出る形状又は大きさに形成されていて、そのはみ出し箇所が、その貼着片を湾曲状に反り返すことによって上記接着剤層から剥脱させる際に指先を引掛けるための突部として利用可能に構成されている請求項1又は請求項2に記載した貼着型支持具。
- 支持具本体の上記貼着片が矩形又は略矩形に形成されている請求項3に記載した貼着型支持具。
- 支持具本体の上記台座は、上記支持具本体に加わる下向き荷重方向に偏位した箇所で上記貼着片の表面に固定されている請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載した貼着型支持具。
- 上記接着剤が、湿気硬化型シリコーン系接着剤である請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載した貼着型支持具。
- 上記貼着片がポリエチレン系樹脂でなる請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載した貼着型支持具。
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JP2017001896U JP3211388U (ja) | 2017-04-27 | 2017-04-27 | 貼着型支持具 |
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JP2017001896U Active JP3211388U (ja) | 2017-04-27 | 2017-04-27 | 貼着型支持具 |
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