JP3211386B2 - ボート用の底板の製造方法 - Google Patents
ボート用の底板の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軽量かつ堅固なボート
用の底板を低コストで提供できる手段に関する。
用の底板を低コストで提供できる手段に関する。
【0002】
【従来の技術】ボートの一種として、例えばゴム引き布
からなる船底の周囲に気胴が周設されたエアボートがあ
る。この船底上には、補強のためにボート用の底板が敷
設されている。
からなる船底の周囲に気胴が周設されたエアボートがあ
る。この船底上には、補強のためにボート用の底板が敷
設されている。
【0003】この底板としては、例えば実公昭38−2
1757号公報に記載されたもののように、合板からな
る基板の全面を繊維強化合成樹脂(以下「FRP」とい
う)により覆ったものが知られている。ところが、この
底板は基板に合板を用いているために重量が嵩み、また
このように基板の全面がFRPにより覆われているの
で、基板は自己の含有する水分や外部よりFRPを通過
して侵入してきた微量の湿気により、蒸れて腐ってしま
う恐れがある。そこで、これらの問題点を解消する従来
手段として基板の素材に硬質発泡体を採用したものが提
案されている。
1757号公報に記載されたもののように、合板からな
る基板の全面を繊維強化合成樹脂(以下「FRP」とい
う)により覆ったものが知られている。ところが、この
底板は基板に合板を用いているために重量が嵩み、また
このように基板の全面がFRPにより覆われているの
で、基板は自己の含有する水分や外部よりFRPを通過
して侵入してきた微量の湿気により、蒸れて腐ってしま
う恐れがある。そこで、これらの問題点を解消する従来
手段として基板の素材に硬質発泡体を採用したものが提
案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
硬質発泡体からなる基板は、その全面がFRPにより覆
われて補強されるものの、その上面に乗員や荷物などの
大きな荷重がかかり、また走行中には下方から強い水圧
を受けるので、硬質発泡体のうちでも密度が高くて強度
のあるものが採用されていた。しかし、このような高密
度の硬質発泡体は高価であって、少なからずボートの価
格に影響を及ぼしている。また、この硬質発泡体からな
る基板は、その周囲に補強が施されていないため、強度
や耐久性に欠ける恐れもある。
硬質発泡体からなる基板は、その全面がFRPにより覆
われて補強されるものの、その上面に乗員や荷物などの
大きな荷重がかかり、また走行中には下方から強い水圧
を受けるので、硬質発泡体のうちでも密度が高くて強度
のあるものが採用されていた。しかし、このような高密
度の硬質発泡体は高価であって、少なからずボートの価
格に影響を及ぼしている。また、この硬質発泡体からな
る基板は、その周囲に補強が施されていないため、強度
や耐久性に欠ける恐れもある。
【0005】本発明は、このような従来技術を背景にな
されたもので、軽量かつ堅固であって、しかも低コスト
なエアボート用の底板の製造方法を提供することを目的
とする。
されたもので、軽量かつ堅固であって、しかも低コスト
なエアボート用の底板の製造方法を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、繊維強化合成
樹脂製の一方の補強マット用の第1布帛を積層し、この
第1布帛の上面に、この第1布帛の中央部に硬質発泡体
からなる基板を積層する一方、この第1布帛の周縁部に
この基板の周縁に周設される枠体を積層し、この基板お
よび枠体上に繊維強化合成樹脂製の他方の補強マット用
の第2布帛を積層して積層体を設け、この積層体の形成
前または形成後に熱硬化性樹脂を塗布して、この形成後
の積層体のうちの少なくとも第1布帛および第2布帛が
この熱硬化性樹脂を含浸したものとなし、次いでこの熱
硬化性樹脂を硬化させることにより、この基板の周縁が
前記枠体により補強され、この基板の表裏面が前記補強
マットにより補強された底板を製造することを特徴とす
るボート用の底板の製造方法を提供するものである。
樹脂製の一方の補強マット用の第1布帛を積層し、この
第1布帛の上面に、この第1布帛の中央部に硬質発泡体
からなる基板を積層する一方、この第1布帛の周縁部に
この基板の周縁に周設される枠体を積層し、この基板お
よび枠体上に繊維強化合成樹脂製の他方の補強マット用
の第2布帛を積層して積層体を設け、この積層体の形成
前または形成後に熱硬化性樹脂を塗布して、この形成後
の積層体のうちの少なくとも第1布帛および第2布帛が
この熱硬化性樹脂を含浸したものとなし、次いでこの熱
硬化性樹脂を硬化させることにより、この基板の周縁が
前記枠体により補強され、この基板の表裏面が前記補強
マットにより補強された底板を製造することを特徴とす
るボート用の底板の製造方法を提供するものである。
【0007】
【作用】本発明のボート用の底板は、まず第1布帛の上
面の中央部に基板を積層する一方、この第1布帛の上面
の周縁部に枠体を積層し、さらにこれらの基板および枠
体上に第2布帛を積層して積層体を設けるが、この積層
体の形成前または形成後に熱硬化性樹脂を塗布すること
により、形成後の積層体のうちの少なくとも第1および
第2布帛に熱硬化性樹脂を含浸させる。
面の中央部に基板を積層する一方、この第1布帛の上面
の周縁部に枠体を積層し、さらにこれらの基板および枠
体上に第2布帛を積層して積層体を設けるが、この積層
体の形成前または形成後に熱硬化性樹脂を塗布すること
により、形成後の積層体のうちの少なくとも第1および
第2布帛に熱硬化性樹脂を含浸させる。
【0008】次いで、熱硬化性樹脂を硬化させることに
より、基板の周縁を枠体により補強し、基板の表裏面を
補強マットにより補強した底板が製造される。
より、基板の周縁を枠体により補強し、基板の表裏面を
補強マットにより補強した底板が製造される。
【0009】このようにして製造された底板は、基板に
硬質発泡体を採用しているため軽量であり、また基板の
周縁を枠体により補強し、基板の表裏面を補強マットに
より補強しているので堅固である。しかも、このように
底板は補強により堅固であるため、基板の素材である硬
質発泡体として安価な低密度のものを採用し、低コスト
化を図ることができる。
硬質発泡体を採用しているため軽量であり、また基板の
周縁を枠体により補強し、基板の表裏面を補強マットに
より補強しているので堅固である。しかも、このように
底板は補強により堅固であるため、基板の素材である硬
質発泡体として安価な低密度のものを採用し、低コスト
化を図ることができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。なお、本実施例はエアボート用の底板であっ
て、ボート1艘分の底板を5枚の分割底板を組み合わせ
て形成した組み合わせ底板を例に説明する。
説明する。なお、本実施例はエアボート用の底板であっ
て、ボート1艘分の底板を5枚の分割底板を組み合わせ
て形成した組み合わせ底板を例に説明する。
【0011】図2に示すエアボートは、ゴム引き布から
なる船底10の周囲に同じくゴム引き布からなる気胴2
0が周設され、船底10上にボート用の底板30が敷設
されたものである。この底板30は、ボート1艘分の底
板を5分割した5枚の分割底板30A〜30Eを平面的
に組み合わせ、これらの分割底板30A〜30Eの両側
部をサイドストリンガー40および底板ジョイント41
により挟持して形成されている。次に、図1を参照し
て、底板30の積層構造を説明する。
なる船底10の周囲に同じくゴム引き布からなる気胴2
0が周設され、船底10上にボート用の底板30が敷設
されたものである。この底板30は、ボート1艘分の底
板を5分割した5枚の分割底板30A〜30Eを平面的
に組み合わせ、これらの分割底板30A〜30Eの両側
部をサイドストリンガー40および底板ジョイント41
により挟持して形成されている。次に、図1を参照し
て、底板30の積層構造を説明する。
【0012】図1に示すように、この底板30は、硬質
発泡体からなる基板50を、この基板50の周縁に周設
されるFRP製の枠体60と、基板50および枠体60
の表裏面に設けられるFRP製の補強マットとしての表
面マット70と裏面マット80により補強して設けられ
たものである。なお、本実施例では、枠体60付近は、
3プライの積層となっており、枠体60の両面を補強マ
ット711と補強マット811によって補強されてい
る。この補強マット711、811は、基板50と枠体
60との接合強度を高めるとともに、枠体60の補強を
充分にするために設けられるものである。
発泡体からなる基板50を、この基板50の周縁に周設
されるFRP製の枠体60と、基板50および枠体60
の表裏面に設けられるFRP製の補強マットとしての表
面マット70と裏面マット80により補強して設けられ
たものである。なお、本実施例では、枠体60付近は、
3プライの積層となっており、枠体60の両面を補強マ
ット711と補強マット811によって補強されてい
る。この補強マット711、811は、基板50と枠体
60との接合強度を高めるとともに、枠体60の補強を
充分にするために設けられるものである。
【0013】基板50の硬質発泡体の素材としては、実
施例のポリ塩化ビニル発泡体のほかに、例えばポリエチ
レン発泡体、ポリプロピレン発泡体、アクリル発泡体、
硬質ポリウレタン発泡体、ポリスチレン発泡体などが使
用できる。この硬質発泡体の密度は、0.01〜0.1
g/cm3 、好ましくは0.03〜0.08g/cm3
であり、0.01g/cm3 未満では強度不足となり、
一方0.1g/cm3 を超えると、重量過多、コスト高
の要因となる。なお、実施例では、密度が0.033g
/cm3 のものが使用されている。
施例のポリ塩化ビニル発泡体のほかに、例えばポリエチ
レン発泡体、ポリプロピレン発泡体、アクリル発泡体、
硬質ポリウレタン発泡体、ポリスチレン発泡体などが使
用できる。この硬質発泡体の密度は、0.01〜0.1
g/cm3 、好ましくは0.03〜0.08g/cm3
であり、0.01g/cm3 未満では強度不足となり、
一方0.1g/cm3 を超えると、重量過多、コスト高
の要因となる。なお、実施例では、密度が0.033g
/cm3 のものが使用されている。
【0014】この基板50の厚みは、3〜20mm、好
ましくは8〜10mmであり、3mm未満では強度不足
となり、一方20mmを超えると、重量過多になるとと
もに厚すぎてボート用底板としては好ましくない。な
お、実施例では、厚みが8mmのものが使用されてい
る。枠体60の素材であるFRPは、不織布芯材に熱硬
化性樹脂としての不飽和ポリエステルを含浸させて固化
させたものである。なお、実施例では不織布芯材とし
て、肉厚の合成繊維マットが使用されているが、不織布
芯材としてガラス繊維、炭素繊維などの他の素材を単独
であるいは複合して用いることを妨げるものではない。
ましくは8〜10mmであり、3mm未満では強度不足
となり、一方20mmを超えると、重量過多になるとと
もに厚すぎてボート用底板としては好ましくない。な
お、実施例では、厚みが8mmのものが使用されてい
る。枠体60の素材であるFRPは、不織布芯材に熱硬
化性樹脂としての不飽和ポリエステルを含浸させて固化
させたものである。なお、実施例では不織布芯材とし
て、肉厚の合成繊維マットが使用されているが、不織布
芯材としてガラス繊維、炭素繊維などの他の素材を単独
であるいは複合して用いることを妨げるものではない。
【0015】枠体60の幅は、1〜5cm、好ましくは
2〜3cmであり、1cm未満では成形性に劣り、一方
5cmを超えると、重量の面で不利となる。また、枠体
60の厚みは、2〜20mm、好ましくは3〜5mmで
あり、2mm未満では強度不足となり、一方20mmを
超えると、重量の面で不利となる。
2〜3cmであり、1cm未満では成形性に劣り、一方
5cmを超えると、重量の面で不利となる。また、枠体
60の厚みは、2〜20mm、好ましくは3〜5mmで
あり、2mm未満では強度不足となり、一方20mmを
超えると、重量の面で不利となる。
【0016】表面マット70は、不飽和ポリエステルを
含浸させて固化させた1m2 あたり450gのチョップ
ドストランドマットなどのガラス繊維マット製のマット
本体(第1布帛)71の表面に、耐候性を有するポリエ
ステル樹脂製のゲルコート72を積層させたものであ
る。ゲルコート72の素材としては、ポリエステル樹脂
のほかに、例えばエポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂な
どが使用できる。マット本体71は、重量として200
〜900g/m2 、好ましくは400〜500g/m2
のものが使用され、またゲルコートの厚みは、0.3〜
0.5mmが好ましい。なお、本実施例では、ゲルコー
トの厚みは、0.4mmである。本発明においては、こ
のゲルコート72は、必ずしも設けなくてもよい。な
お、補強マット711は、本体マット71と同素材のガ
ラス繊維製のマットからなるものである。
含浸させて固化させた1m2 あたり450gのチョップ
ドストランドマットなどのガラス繊維マット製のマット
本体(第1布帛)71の表面に、耐候性を有するポリエ
ステル樹脂製のゲルコート72を積層させたものであ
る。ゲルコート72の素材としては、ポリエステル樹脂
のほかに、例えばエポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂な
どが使用できる。マット本体71は、重量として200
〜900g/m2 、好ましくは400〜500g/m2
のものが使用され、またゲルコートの厚みは、0.3〜
0.5mmが好ましい。なお、本実施例では、ゲルコー
トの厚みは、0.4mmである。本発明においては、こ
のゲルコート72は、必ずしも設けなくてもよい。な
お、補強マット711は、本体マット71と同素材のガ
ラス繊維製のマットからなるものである。
【0017】裏面マット80は、不飽和ポリエステルを
含浸させて固化させた1m2 あたり450gのチョップ
ドストランドマットなどのガラス繊維マットからなるマ
ット本体(第2布帛)81の下面に、平滑性を有するサ
ーフェースマット(第2布帛)82を積層させたもので
ある。このサーフェースマット82は、肉薄のチョップ
ドストランドなどのガラス繊維マットに不飽和ポリエス
テルを含浸させて固化したFRPである。なお、補強マ
ット811も、マット本体81と同素材で構成されたも
のが使用されている。
含浸させて固化させた1m2 あたり450gのチョップ
ドストランドマットなどのガラス繊維マットからなるマ
ット本体(第2布帛)81の下面に、平滑性を有するサ
ーフェースマット(第2布帛)82を積層させたもので
ある。このサーフェースマット82は、肉薄のチョップ
ドストランドなどのガラス繊維マットに不飽和ポリエス
テルを含浸させて固化したFRPである。なお、補強マ
ット811も、マット本体81と同素材で構成されたも
のが使用されている。
【0018】マット本体81は、重量として200〜9
00g/m2 、好ましくは400〜500g/m2 のも
のが使用され、またサーフェースマット82は、重量と
して15〜120g/m2 、厚さが0.08〜0.8m
mのものが好ましい。なお、本実施例でサーフェースマ
ット82の厚さは、0.1mmのものが使用されてい
る。
00g/m2 、好ましくは400〜500g/m2 のも
のが使用され、またサーフェースマット82は、重量と
して15〜120g/m2 、厚さが0.08〜0.8m
mのものが好ましい。なお、本実施例でサーフェースマ
ット82の厚さは、0.1mmのものが使用されてい
る。
【0019】また、この実施例の底板30の総厚は、中
央部が12mm、周縁部がこれより若干薄い9mmとし
ている。このように周縁部を若干肉薄にしているのは、
後述するように裁断により5枚の分割底板30A〜30
Eとなった底板30を、サイドストリンガー40により
再び1枚の底板30に組み合わせる際に、また底板ジョ
イント41により分割底板どうしを組み付ける際に、底
板30へのサイドストリンガー40や底板ジョイント4
1に挟持し易くしているためであるが、必ずしもこのよ
うに厚みに差を付けなくともよい。
央部が12mm、周縁部がこれより若干薄い9mmとし
ている。このように周縁部を若干肉薄にしているのは、
後述するように裁断により5枚の分割底板30A〜30
Eとなった底板30を、サイドストリンガー40により
再び1枚の底板30に組み合わせる際に、また底板ジョ
イント41により分割底板どうしを組み付ける際に、底
板30へのサイドストリンガー40や底板ジョイント4
1に挟持し易くしているためであるが、必ずしもこのよ
うに厚みに差を付けなくともよい。
【0020】次に、図3〜図4を参照して、底板30の
製造方法を説明する。
製造方法を説明する。
【0021】具体的な底板30の製造は、まず図3
(a)に示すように、離型剤(図示せず)で表面を処理
されたフラットなもしくは凹凸シボを付した平板90に
ゲルコート72となるポリエステル樹脂を刷毛塗りまた
はスプレーなどにより塗布する。
(a)に示すように、離型剤(図示せず)で表面を処理
されたフラットなもしくは凹凸シボを付した平板90に
ゲルコート72となるポリエステル樹脂を刷毛塗りまた
はスプレーなどにより塗布する。
【0022】次いで、図3(b)に示すように、このゲ
ルコート72上に、FRPの樹脂分となる不飽和ポリエ
ステル100を刷毛塗りまたはスプレーなどにより塗布
する。次いで、不飽和ポリエステル100上に、表面マ
ット70を構成するマット本体71を積層し、さらにこ
のマット本体71の周囲に補強マット711を積層し、
これらに不飽和ポリエステル100を含浸させる。次に
また、図4(c)に示すように、このマット本体71の
上面に、周縁部および互いに隣接するものどうしの間に
各々所定間隔をあけて5枚の基板50を積層し、この基
板50の上面を押圧して脱気させる。
ルコート72上に、FRPの樹脂分となる不飽和ポリエ
ステル100を刷毛塗りまたはスプレーなどにより塗布
する。次いで、不飽和ポリエステル100上に、表面マ
ット70を構成するマット本体71を積層し、さらにこ
のマット本体71の周囲に補強マット711を積層し、
これらに不飽和ポリエステル100を含浸させる。次に
また、図4(c)に示すように、このマット本体71の
上面に、周縁部および互いに隣接するものどうしの間に
各々所定間隔をあけて5枚の基板50を積層し、この基
板50の上面を押圧して脱気させる。
【0023】次にまた、図3(d)に示すように、この
マット本体71の上面であって、平板90の周縁部およ
び各基板50どうしの間に枠体60用の不織布芯材6
0′を積層する(図4も参照)。次いで、枠体60の周
囲に前記補強マット711と同様にして補強マット81
1をを積層し、これらに不飽和ポリエステル100を含
浸させる。次いで、図4(e)に示すように、これらの
基板50、補強マット811、および不織布芯材60′
の上面に裏面マット80を構成するマット本体81を積
層し、このマット本体81に不織布芯材60′の上面か
ら浸透してきた不飽和ポリエステル100を含浸させ
る。
マット本体71の上面であって、平板90の周縁部およ
び各基板50どうしの間に枠体60用の不織布芯材6
0′を積層する(図4も参照)。次いで、枠体60の周
囲に前記補強マット711と同様にして補強マット81
1をを積層し、これらに不飽和ポリエステル100を含
浸させる。次いで、図4(e)に示すように、これらの
基板50、補強マット811、および不織布芯材60′
の上面に裏面マット80を構成するマット本体81を積
層し、このマット本体81に不織布芯材60′の上面か
ら浸透してきた不飽和ポリエステル100を含浸させ
る。
【0024】次にまた、図4(f)に示すように、マッ
ト本体81の上面にサーフェースマット82を積層した
のち、これらを加熱し、不飽和ポリエステル100を硬
化させる。なお、不飽和ポリエステル100は、硬化さ
せる段階では、マット本体71、補強マット711、マ
ット本体81、補強マット811、サーフェースマット
82などに含浸、吸収され、全体としてFRP層を構成
するので、最終的には不飽和ポリエステル100単独の
層は構成しない。また、不飽和ポリエステル100は、
接着性を阻害しない程度の硬化は、途中の工程でも行わ
れ、また該不飽和ポリエステルの供給も、途中の工程で
必要とされる場合には適宜行われる。これにより、図4
に示すような5枚の分割底板30A〜30Eを一体化し
たベース底板30′が成形される。このようにして成形
された分割底板30A〜30Eは、基板50の周縁が枠
体60により補強され、基板50の表裏面が表面マット
70と裏面マット80により補強された堅固なものであ
る。
ト本体81の上面にサーフェースマット82を積層した
のち、これらを加熱し、不飽和ポリエステル100を硬
化させる。なお、不飽和ポリエステル100は、硬化さ
せる段階では、マット本体71、補強マット711、マ
ット本体81、補強マット811、サーフェースマット
82などに含浸、吸収され、全体としてFRP層を構成
するので、最終的には不飽和ポリエステル100単独の
層は構成しない。また、不飽和ポリエステル100は、
接着性を阻害しない程度の硬化は、途中の工程でも行わ
れ、また該不飽和ポリエステルの供給も、途中の工程で
必要とされる場合には適宜行われる。これにより、図4
に示すような5枚の分割底板30A〜30Eを一体化し
たベース底板30′が成形される。このようにして成形
された分割底板30A〜30Eは、基板50の周縁が枠
体60により補強され、基板50の表裏面が表面マット
70と裏面マット80により補強された堅固なものであ
る。
【0025】このベース底板30′は、所定の外周部お
よび同図鎖線の4本の裁断線aに沿って裁断されて、5
枚の分割底板30A〜30Eとなり、そののち分割底板
30A〜30Eは、図2に示すように平面的に組み合わ
されて、サイドストリンガー40および底板ジョイント
41により挟持されて、エアボートの船底10上に敷設
される。なお、この底板30は、通常、裏面マット80
側が水面側(下側)になるようにして使用される。
よび同図鎖線の4本の裁断線aに沿って裁断されて、5
枚の分割底板30A〜30Eとなり、そののち分割底板
30A〜30Eは、図2に示すように平面的に組み合わ
されて、サイドストリンガー40および底板ジョイント
41により挟持されて、エアボートの船底10上に敷設
される。なお、この底板30は、通常、裏面マット80
側が水面側(下側)になるようにして使用される。
【0026】このようにして製造された底板30は、基
板50に硬質発泡体を採用しているため軽量であり、ま
た基板50の周縁を枠体60により補強し、基板50の
表裏面を表面マット70および裏面マット80により補
強しているので堅固である。しかも、硬質発泡体として
安価な低密度のものを採用し、底板30の低コスト化を
図ることができる。
板50に硬質発泡体を採用しているため軽量であり、ま
た基板50の周縁を枠体60により補強し、基板50の
表裏面を表面マット70および裏面マット80により補
強しているので堅固である。しかも、硬質発泡体として
安価な低密度のものを採用し、底板30の低コスト化を
図ることができる。
【0027】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明はこの実施例に限られるものではない。例えば、実施
例では、表面マット70および裏面マット80を3層式
のマットとしたが、これに限定しなくとも単層もしくは
2層または4層以上の多層式のマットでもかまわない。
また、実施例では、エアボートを例に説明したが、これ
に限定しなくとも、底板が使用されるボートであれば、
どのようなボートにも採用できる。さらに、表面マット
70、裏面マット80、さらには枠体60を構成するF
RPの繊維としては、前記に限定されるものではなく、
炭素繊維、アラミド繊維などの他の工業用繊維も使用で
きることはいうまでもない。
明はこの実施例に限られるものではない。例えば、実施
例では、表面マット70および裏面マット80を3層式
のマットとしたが、これに限定しなくとも単層もしくは
2層または4層以上の多層式のマットでもかまわない。
また、実施例では、エアボートを例に説明したが、これ
に限定しなくとも、底板が使用されるボートであれば、
どのようなボートにも採用できる。さらに、表面マット
70、裏面マット80、さらには枠体60を構成するF
RPの繊維としては、前記に限定されるものではなく、
炭素繊維、アラミド繊維などの他の工業用繊維も使用で
きることはいうまでもない。
【0028】
【発明の効果】本発明の製造方法により得られるボート
用の底板は、基板に硬質発泡体を採用しているため軽量
であり、また基板の周縁を枠体により補強し、基板の表
裏面を表面マットおよび裏面マットにより補強している
ので堅固である。しかも、このように底板は補強により
堅固であるため、基板の素材である硬質発泡体として安
価な低密度のものを採用し、底板の低コスト化を図るこ
とができるという効果が得られる。また、本発明は、型
として、特定形状の雄雌型を作製することが省けるの
で、製造コストを低減できる利点があり、しかも色々な
形状の底板に対処可能であるという効果も有するもので
ある。
用の底板は、基板に硬質発泡体を採用しているため軽量
であり、また基板の周縁を枠体により補強し、基板の表
裏面を表面マットおよび裏面マットにより補強している
ので堅固である。しかも、このように底板は補強により
堅固であるため、基板の素材である硬質発泡体として安
価な低密度のものを採用し、底板の低コスト化を図るこ
とができるという効果が得られる。また、本発明は、型
として、特定形状の雄雌型を作製することが省けるの
で、製造コストを低減できる利点があり、しかも色々な
形状の底板に対処可能であるという効果も有するもので
ある。
【図1】本発明の実施例のボート用の底板の拡大断面図
である。
である。
【図2】本発明の実施例のボート用の底板の平面図であ
る。
る。
【図3】本発明の実施例のボート用の底板の製造過程を
示す説明図である。
示す説明図である。
【図4】本発明の実施例のボート用の底板の製造中間体
の平面図である。
の平面図である。
30 底板 50 基板 60 枠体 70 表面マット 71 マット本体 80 裏面マット 81 マット本体 82 サーフェースマット 100 不飽和ポリエステル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B63B 5/24 102 B63B 7/08 B63B 9/06
Claims (1)
- 【請求項1】 繊維強化合成樹脂製の一方の補強マット
用の第1布帛を積層し、この第1布帛の上面に、この第
1布帛の中央部に硬質発泡体からなる基板を積層する一
方、この第1布帛の周縁部にこの基板の周縁に周設され
る枠体を積層し、この基板および枠体上に繊維強化合成
樹脂製の他方の補強マット用の第2布帛を積層して積層
体を設け、この積層体の形成前または形成後に熱硬化性
樹脂を塗布して、この形成後の積層体のうちの少なくと
も第1布帛および第2布帛がこの熱硬化性樹脂を含浸し
たものとなし、次いでこの熱硬化性樹脂を硬化させるこ
とにより、この基板の周縁が前記枠体により補強され、
この基板の表裏面が前記補強マットにより補強された底
板を製造することを特徴とするボート用の底板の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18891692A JP3211386B2 (ja) | 1992-06-24 | 1992-06-24 | ボート用の底板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18891692A JP3211386B2 (ja) | 1992-06-24 | 1992-06-24 | ボート用の底板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH068875A JPH068875A (ja) | 1994-01-18 |
JP3211386B2 true JP3211386B2 (ja) | 2001-09-25 |
Family
ID=16232131
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18891692A Expired - Fee Related JP3211386B2 (ja) | 1992-06-24 | 1992-06-24 | ボート用の底板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3211386B2 (ja) |
-
1992
- 1992-06-24 JP JP18891692A patent/JP3211386B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH068875A (ja) | 1994-01-18 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20010619 |
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R250 | Receipt of annual fees |
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