JP3210526U - 内視鏡ケース - Google Patents
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Abstract
【課題】簡素な素材からなり、緩衝性に優れ、内視鏡にちりやほこりが付着するのを防止することができ、内視鏡の取り出しおよび収納が容易な内視鏡ケースを提供する。【解決手段】内視鏡ケース100は、段ボール紙を素材とする外箱110と、この外箱110に収容され発泡樹脂を素材とする緩衝材120と、を備える。外箱110は、底壁111と側壁112と開口部110aと上蓋113と連結部114とを有する。緩衝材120は、底壁111に隣接して配置された下部緩衝材130と、上蓋113に隣接して配置された上部緩衝材140とを有する。下部緩衝材130は、内視鏡を保持する凹状の保持部131を有する。上部緩衝材140は、保持部131を含む下部緩衝材130の上面130aを覆い、上蓋113に対向する上面の中央部に凸状の把持部148を有する。【選択図】図1
Description
本考案は、内視鏡を収納するための内視鏡ケースに関する。
従来から固体撮像素子等の電子部品が実装されてなる内視鏡スコ―プを収納する内視鏡収納ケ―スが知られている(下記特許文献1を参照)。特許文献1に記載された従来の内視鏡収納ケースは、ケース筐体を再資源化可能な材料で構成している。この内視鏡収納ケースは、段ボールからなるケ―ス筐体と、このケース筐体に収容される導電性発泡ポリエチレンからなる上部緩衝材および下部緩衝材とによって構成されている。ケース筐体は、扁平な矩形のケース本体を備えている。このケース本体は、厚さ方向に沿う一側面に開口部を有し、この開口部は周囲の4辺に設けられた4枚のフラップによって閉じられる。
また、内視鏡を収納する内視鏡用収納ケースであって、板状部材の複数個所に内視鏡を位置決めする保持部を突設した内装材を備えたものが開示されている(下記特許文献2を参照)。特許文献2に記載された従来の内視鏡用収納ケースは、段ボール紙で構成された扁平な矩形のケース本体と、このケース本体に内装される内装材を構成する下部緩衝材と、この下部緩衝材に形成した保持片を通す開口が設けられた上部緩衝材とを有している。ケース本体は、厚さ方向の片側が開口している。この開口は、ケース本体に後端が連結されたケース上蓋によって閉じることができるようになっている。
前記特許文献1に記載された従来の内視鏡収納ケースは、内視鏡スコープの取り出しおよび収納が煩雑である。たとえば、内視鏡スコープを取り出すときには、ケース本体の内部に収容された内箱状の上部緩衝材と下部緩衝材を、扁平なケース本体の厚さ方向に沿う一側面の開口部から完全に抜き出す必要がある。さらに、ケース本体から抜き出した上部緩衝材と下部緩衝材とを、下部緩衝材が下になるように配置して、下部緩衝材の上部を覆う上部緩衝材を取り外すことで、ようやく内視鏡スコープを取り出すことが可能になる。
一方、前記特許文献2に記載された従来の内視鏡用収納ケースは、収納された内視鏡を取り出すときに、ケース上蓋が上になるようにケース本体を配置し、ケース上蓋の前端側を上方に持ち上げる。これにより、ケース上蓋の後端とケース本体との間の連結部がヒンジとして機能し、ケース上蓋が上方へ開き、内視鏡を取り出すことが可能になる。したがって、特許文献1に記載された内視鏡収納ケースと比較して、簡単に内視鏡を取り出すことができ、逆の手順により簡単に内視鏡を収納することができる。
しかし、この特許文献2に記載された内視鏡用収納ケースは、下部緩衝材および上部緩衝材の素材が段ボール紙であるため、たとえばケース上蓋の開閉、内視鏡の取り出し、または、内視鏡の収納時の擦れによって発生したちりやほこりが内視鏡に付着しやすい。また、下部緩衝材および上部緩衝材の素材が段ボール紙であると、内視鏡の保護に必要な緩衝性が不足し、搬送時の振動や衝撃によって内視鏡に不具合が生じるおそれがある。
さらに、上部緩衝材がケース上蓋に一体化されているため、ケース上蓋の重量が増加する。そのため、ケース上蓋の開閉時にヒンジとして機能するケース本体との間の連結部に負担がかかり、内視鏡収納用ケースの耐久性を低下させるおそれがある。これに対処するために、上部緩衝材とケース上蓋とを分離することが考えられる。しかし、この場合、上部緩衝材がケース本体の開口部に隙間なくぴったりとはめ込まれると、上部緩衝材がケース本体の開口部から取り出しにくくなるおそれがある。
本考案は、前記課題に鑑みてなされたものであり、簡素な素材からなり、緩衝性に優れ、内視鏡にちりやほこりが付着するのを防止することができ、内視鏡の取り出しおよび収納が容易な内視鏡ケースを提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本考案の内視鏡ケースは、内視鏡を収納するための内視鏡ケースであって、段ボール紙を素材とする外箱と、該外箱に収容され発泡樹脂を素材とする緩衝材と、を備え、前記外箱は、底壁と、該底壁の周囲に立設された側壁と、該側壁によって画定され該側壁の上端に開口する開口部と、該開口部を開閉可能な上蓋と、該上蓋の一端を前記側壁に連結する連結部と、を有し、前記緩衝材は、前記底壁に隣接して配置された下部緩衝材と、前記上蓋に隣接して配置された上部緩衝材とを有し、前記下部緩衝材は、前記内視鏡を保持する凹状の保持部を有し、前記上部緩衝材は、前記保持部を含む前記下部緩衝材の上面を覆い、前記上蓋に対向する上面の中央部に凸状の把持部を有することを特徴とする。
本考案の内視鏡ケースを構成する外箱と緩衝材は、それぞれ、簡素な素材である段ボールと発泡樹脂によって構成されている。そのため、本考案の内視鏡ケースは、軽量化が可能で、再資源化が容易であり、製造コストを抑制することができる。
本考案の内視鏡ケースに内視鏡を収納するときには、たとえば外箱の底壁が下になるように内視鏡ケースを配置する。そして、外箱の開口部を閉鎖する上蓋を、この上蓋の一端と外箱の側壁とを連結する連結部をヒンジとして上方に回動させて開き、外箱の開口部を開放する。次に、外箱に収容され、保持部を含む下部緩衝材の上面を覆う上部緩衝材を、外箱の開口部から取り出す。
ここで、上部緩衝材は、上蓋に対向する上面の中央部に凸状の把持部を有している。そのため、上部緩衝材が外箱の開口部の内側に隙間なくぴったりと嵌合していても、上部緩衝材の上面の中央部に凸状に設けられた把持部を把持し、上部緩衝材を上方に持ち上げることで、上部緩衝材を外箱の開口部から容易に取り出すことができる。
次に、外箱の開口部から外箱の内部に内視鏡を収容し、外箱に収容された下部緩衝材の保持部に、内視鏡を配置して保持する。下部緩衝材の保持部は、たとえば下部緩衝材の上面に凹設され、内視鏡の各部の形状に対応する形状の凹部や溝である。次に、外箱の開口部から外箱の内部に上部緩衝材を収容し、上部緩衝材によって、下部緩衝材の保持部に保持された内視鏡を覆うとともに下部緩衝材の上面の全体を覆う。次に、外箱の連結部をヒンジとして上蓋を回動させて閉じ、外箱の開口部を上蓋によって閉塞する。
これにより、段ボールよりも緩衝性に優れた発泡樹脂製の下部緩衝材と上部緩衝材との間に内視鏡を収納し、さらにその外側を耐久性に優れた段ボール製の外箱で覆うことができる。したがって、本考案の内視鏡ケースは、前記特許文献2に記載された従来の内視鏡用収納ケースよりも、内視鏡の保護に必要な緩衝性に優れ、搬送時の振動や衝撃をより効果的に緩和して、内視鏡に不具合が発生するのを防止することができる。
また、下部緩衝材の保持部に内視鏡を配置して保持し、上部緩衝材の上面の中央部の凸状の把持部を把持し、上部緩衝材を外箱の開口部の内側に隙間なくぴったりと嵌合させ、保持部を含む下部緩衝材の上面を上部緩衝材によって覆うことができる。これにより、外箱と上部緩衝材との間の隙間を極力少なくして、開口部と下部緩衝材と上部緩衝材との間にちりやほこりが侵入するのを防止することができる。したがって、本考案の内視鏡ケースによれば、下部緩衝材に設けられた保持部に保持され、上部緩衝材に覆われた内視鏡にちりやほこりが付着するのを防止することができる。
本考案の内視鏡ケースに収納された内視鏡を取り出すときには、たとえば外箱の底壁が下になるように内視鏡ケースを配置し、外箱の上蓋の一端と側壁との連結部をヒンジとして上蓋を上方に回動させて開き、外箱の開口部を開放する。次に、上部緩衝材の上面の中央部の凸状の把持部を把持して上部緩衝材を上方に持ち上げることで、外箱の開口部の内側にぴったりと嵌合して保持部を含む下部緩衝材の上面を覆う上部緩衝材を、外箱の開口部から容易に取り出すことができる。上部緩衝材を外箱から取り出すことで、下部緩衝材の保持部が外箱の開口部に露出し、保持部に保持された内視鏡を取り出すことが可能になる。
このように、本考案の内視鏡ケースは、外箱の連結部をヒンジとして上蓋を開閉し、外箱の開口部を介して上部緩衝材を出し入れするだけで、内視鏡を内視鏡ケースに収納し、内視鏡を内視鏡ケースから取り出すことが可能になる。したがって、本考案の内視鏡ケースによれば、前記特許文献1に記載された従来の内視鏡収納ケースと比較して、内視鏡の収納および取り出しを容易にすることができる。
前記内視鏡ケースにおいて、前記上部緩衝材の前記上面の中央部に設けられた前記把持部は、前記上部緩衝材の前記上面に沿う方向に凹設された把持凹部を有してもよい。これにより、把持凹部に指先を入れて上部緩衝材の把持部を把持することができ、把持部をしっかり把持することができる。したがって、上部緩衝材を外箱から取り出し、または外箱に収容するのを容易にすることができる。また、上部緩衝材を持ったときに、手が滑って上部緩衝材を落としてしまうのを防止でき、上部緩衝材にちりやほこりが付着することや、上部緩衝材の損傷を防止できる。
また、前記内視鏡ケースにおいて、前記上部緩衝材は、前記下部緩衝材に対向する下面に開口され、前記把持部の前記把持凹部に連通する貫通孔を有し、前記下部緩衝材は、前記上部緩衝材へ向けて突出し、前記上部緩衝材の前記貫通孔を閉塞する凸状の閉塞部を有してもよい。これにより、下部緩衝材の上に上部緩衝材を配置するときに、凸状の閉塞部によって貫通孔を閉塞し、把持凹部にちりやほこりが侵入しても、それが上部緩衝材の貫通孔に浸入するのを阻止することができる。
また、前記内視鏡ケースにおいて、前記閉塞部は、前記上部緩衝材の前記貫通孔に嵌合して前記把持凹部まで延び、前記把持凹部の内壁を構成してもよい。これにより、下部緩衝材の上に上部緩衝材を配置するときに、下部緩衝材の凸状の閉塞部を、上部緩衝材の下面に開口する貫通孔に挿入して嵌合させることで、下部緩衝材と上部緩衝材を位置決めするとともに、下部緩衝材と上部緩衝材のずれを防止することができる。また、下部緩衝材の閉塞部が、上部緩衝材の貫通孔に嵌合して把持凹部まで延び、把持凹部の内壁を構成することで、上部緩衝材の貫通孔が閉鎖される。したがって、たとえば、把持凹部にちりやほこりが侵入しても、それが上部緩衝材の貫通孔に浸入するのを阻止することができる。
また、前記内視鏡ケースにおいて、前記閉塞部は、前記上部緩衝材の下面に当接して前記貫通孔を閉塞してもよい。これにより、下部緩衝材の上に上部緩衝材を配置するときに、下部緩衝材の凸状の閉塞部を、上部緩衝材の下面に開口する貫通孔に挿入する必要がなく、上部緩衝材の配置を容易にすることができる。
また、前記内視鏡ケースにおいて、前記貫通孔の幅は、前記把持部の幅と等しいかまたは前記把持部の幅よりも大きく、前記貫通孔の開口縁は、前記把持凹部の開口の位置または該開口の外側に位置してもよい。これにより、金型を用いた上部緩衝材の製作を容易にすることができる。
また、前記内視鏡ケースにおいて、前記上部緩衝材は、前記上蓋に対向する前記上面の周縁部に凸状の枠状部を有してもよい。これにより、外箱の上蓋によって外箱の開口部を閉じた状態で、上部緩衝材の枠状部を外箱の上蓋に接触させて上部緩衝材の浮きを防止し、上部緩衝材によって下部緩衝材の上面全体を覆った状態を維持することができる。また、上部緩衝材の周縁部の厚さを増加させ、上部緩衝材の強度および緩衝性を向上させることができる。また、上部緩衝材の上面の枠状部の内側を相対的に凹状に陥没させ、そこに凸状の把持部を形成することができる。
また、前記内視鏡ケースにおいて、前記把持部は、前記上部緩衝材の前記上面を横断するように延び、該把持部の両端部が前記枠状部に連結され、前記上部緩衝材の前記上面に前記枠状部と前記把持部によって囲まれた凹部が形成されていてもよい。これにより、把持部を上部緩衝材の上面を横断する広い範囲に形成して、把持部を把持しやすくすることができる。また、把持部の両端部を枠状部に連結することで、把持部の強度を向上させることができる。また、上部緩衝材の上面に凹部を設けることで、上部緩衝材が必要以上に厚くなるのを防止することができるだけでなく、たとえば、説明書、付属品、アクセサリーなどを収納するスペースを確保することができる。
本考案によれば、簡素な素材からなり、内視鏡の保護に必要な緩衝性に優れ、内視鏡にちりやほこりが付着するのを防止することができ、内視鏡の取り出しおよび収納が容易な内視鏡ケースを提供することができる。
以下、図面を参照して本考案に係る内視鏡ケースの実施の形態を説明する。
(内視鏡ケース)
図1は、本考案の一実施形態に係る内視鏡ケース100の分解斜視図である。
図1は、本考案の一実施形態に係る内視鏡ケース100の分解斜視図である。
本実施形態の内視鏡ケース100は、たとえば、内視鏡を収納するための容器である。内視鏡ケース100は、段ボール紙を素材とする外箱110と、この外箱110に収容された発泡樹脂を素材とする緩衝材120と、を備えている。外箱110は、底壁111と、この底壁111の周囲に立設された側壁112と、この側壁112によって画定され、この側壁112の上端に開口する開口部110aと、この開口部110aを開閉可能な上蓋113と、この上蓋113の一端を側壁112に連結する連結部114と、を有している。
詳細については後述するが、本実施形態の内視鏡ケース100は、次の構成を特徴としている。外箱110に収容された緩衝材120は、外箱110の底壁111に隣接して配置された下部緩衝材130と、外箱110の上蓋113に隣接して配置された上部緩衝材140とを有している。下部緩衝材130は、内視鏡を保持する保持部131を有している。上部緩衝材140は、下部緩衝材130の保持部131を含む上面130aを覆い、外箱110の上蓋113に対向する上面140aの中央部に凸状の把持部148を有している。以下では、この内視鏡ケース100の各構成について詳細に説明する。
なお、以下の説明において、内視鏡ケース100の縦方向、横方向、および高さ方向を、それぞれ、x軸方向、y軸方向、およびz軸方向とする直交座標系を用いて、内視鏡ケース100の各部を説明する場合がある。また、以下では、単に、縦方向、横方向、および高さ方向という場合には、それぞれ、内視鏡ケース100の縦方向(x軸方向)、横方向(y軸方向)、および高さ方向(z軸方向)を意味する。
また、特に説明のない限り、各図に示すx軸、y軸、z軸の正方向と負方向を、それぞれ、前(x軸正方向)、後(x軸負方向)、右(y軸正方向)、左(y軸負方向)、上(z軸正方向)、下(z軸負方向)として説明する。ただし、これらの方向は、単に内視鏡ケース100の構成を説明するためのものであり、内視鏡ケース100の使用時の方向を限定するものではない。
図2は、図1に示す内視鏡ケース100の外箱110に緩衝材120を収容して閉じた状態の斜視図である。
外箱110は、たとえば、おおむね直方体の形状を有し、縦方向および横方向の寸法に対して高さ方向の寸法が小さい薄型の矩形箱形の形状を有している。外箱110は、たとえば、所定の形状に切断された複数のシート状の段ボール紙を接合し、これらの段ボール紙を所定の折目に沿って折り曲げることによって組み立てられている。外箱110を構成する段ボール紙の一方の表面は、たとえばプレスコートなどの表面加工が施されて光沢と平滑性が付与された外装面とされ、他方の表面は素材の表面が露出した内装面とされている。
本実施形態の内視鏡ケース100において、外箱110の外装面および内装面の色は、たとえば白色系など、外箱110の内部に収容された緩衝材120の色よりも明度の高い色である。なお、外箱110の外装面および内装面の色は、特に限定されない。また、外箱110の外装面および内装面は、任意の色、模様、文字などを有することができる。
外箱110は、たとえば、内装面の表面粗さが外装面の表面粗さよりも高くなっている。内装面および外装面の表面粗さは、たとえば、接触式表面粗さ測定機によって計測することができる。また、外箱110は、たとえば、内装面の静摩擦係数が外装面の静摩擦係数よりも高くなっている。内装面および外装面の静摩擦係数は、たとえば、JIS P8147:2010に準拠した測定装置によって計測することができる。
外箱110は、たとえば、二枚のシート状の段ボール紙を所定の形状に切断し、これらを接合して複数の箇所を折り曲げることによって構成することができる。具体的には、たとえば、図1に示すように、一枚の段ボール紙によって、高さ方向の下端に配置される底壁111と、縦方向または前後方向に延びる一対の側壁112と、横方向または左右方向に延びる一対の側壁112を構成することができる。さらに、もう一枚の段ボール紙によって、上端に配置される上蓋113と、縦方向に延びる一対の側壁112と、横方向に延びる後側または後方側の側壁112とを構成することができる。
外箱110の底壁111を構成する段ボール紙の前端部は、たとえば上方へ折り曲げられ、横方向に延びる正面の側壁112の内側部分を構成している。この外箱110の正面の側壁112の内側部分を構成する段ボール紙の前端部は、たとえば、横方向の両端部が後方へ折り曲げられ、縦方向に延びる一対の側壁112の内側で前方側の半部を構成している。
外箱110は、たとえば、正面の側壁112の内側部分の横方向および高さ方向の中央部に、樹脂製の把手115が取り付けられている。把手115は、たとえば、円弧状に湾曲しながら横方向に延びる帯板部と、この帯板部の長手方向の両端部に設けられた一対の平板状のストッパーとを有している。把手115のストッパーは、たとえば正面の側壁112の内側部分の内面に係合して抜けが防止されている。把手115の帯板部は、長手方向の両端部が一対のストッパーに連結され、ストッパーに交差する方向に延びて外箱110の正面の側壁112の内側部分を貫通し、この正面の側壁112の内側部分の外側で円弧状に湾曲している。
外箱110の底壁111を構成する段ボール紙の後端部は、たとえば上方へ折り曲げられ、横方向に延びる背面の側壁112の内側部分を構成している。この外箱110の背面の側壁112の内側部分を構成する段ボール紙の後端部は、たとえば、横方向の両端部が外箱110の前方へ折り曲げられ、縦方向に延びる一対の側壁112の内側で後方側の半部を構成している。
外箱110の底壁111を構成する段ボール紙の縦方向の中央部は、たとえば横方向の両端部が上方へ折り曲げられ、縦方向に延びる一対の側壁112の外側部分を構成するとともに、これら一対の側壁112の上端部で開口部110aの内側へ下方に折り返されている。これにより、この外箱110の底壁111を構成する段ボール紙の横方向の両端部は、縦方向に延びる一対の側壁112において、外側部分および上端部、ならびに内側部分の上部を覆う折返し部112aを構成している。
一方、外箱110の上蓋113を構成する段ボール紙の後端部は、たとえば下方へ折り曲げられて、外箱110の後側の側壁112の内側部分の外面に接合され、この後側の側壁112の外側部分を構成している。本実施形態の内視鏡ケース100は、この外箱110の上蓋113の後端と後側の側壁112との間の段ボール紙の折目が、上蓋113の一端を側壁112に連結する連結部114になっている。すなわち、外箱110の上蓋113は、上蓋113と後側の側壁112を構成する段ボール紙の折目である連結部114をヒンジとして回動させることで、外箱110の開口部110aを開閉することができるようになっている。
また、外箱110の上蓋113および背面の側壁112の外側部分を構成する段ボール紙の後端部は、たとえば横方向の両端部が前方へ折り曲げられ、外箱110の後方側において、縦方向に延びる一対の側壁112の外側部分と内側部分との間に挿入されている。この段ボール紙の後端部における横方向の両端部は、たとえば、外箱110の後方側において、縦方向に延びる一対の側壁112の外側部分と内側部分の少なくとも一方に接合され、これら一対の側壁112の厚さ方向の中間部分を構成している。
また、外箱110の上蓋113を構成する段ボール紙の前端部は、図2に示すように上蓋113によって外箱110の開口部110aを閉じた状態で、下方へ折り曲げられている。これにより、外箱110の上蓋113を構成する段ボール紙の前端部は、横方向に延びる前側の側壁112の外側部分を構成している。
この外箱110の前側の側壁112の外側部分を構成する段ボール紙の前端部の横方向の両端部は、一対の第1蓋挿入部113aとされている。この一対の第1蓋挿入部113aは、図2に示すように上蓋113によって外箱110の開口部110aを閉じた状態で、後方へ折り曲げられ、縦方向に延びる一対の側壁112の外側部分と内側部分との間に挿入されている。これら一対の側壁112の前方側において、一対の第1蓋挿入部113aは、これら一対の側壁112の厚さ方向の中間部分を構成している。外箱110の前方側において、縦方向に延びる一対の側壁112の外側部分と内側部分との間には、上蓋113の前端部の第1蓋挿入部113aを挿入するための間隙が形成されている。
また、横方向に延びる外箱110の前側の側壁112の外側部分の中央部には、この前側の側壁112の内側部分に取り付けられた把手115を通す貫通孔116が形成されている。貫通孔116は、横方向を長手方向とするおおむね長方形の形状を有し、横方向に沿う一対の長辺部分の中央部に、一対の半円形状の切欠きが、それぞれ、上向きと下向きに凸になるように形成されている。
さらに、外箱110の上蓋113を構成する段ボール紙の横方向の両端部は、一対の第2蓋挿入部113bとされている。この一対の第2蓋挿入部113bは、図2に示すように上蓋113によって外箱110の開口部110aを閉じた状態で下方へ折り曲げられ、開口部110aの内側で縦方向に延びる一対の側壁112の内側に挿入される。これにより、上蓋113の第2蓋挿入部113bは、外箱110の縦方向に延びる一対の側壁112と、外箱110の内部に収容された緩衝材120との間に配置される。すなわち、外箱110の縦方向に延びる一対の側壁112と、外箱110の内部に収容された緩衝材120との間には、上蓋113の第2蓋挿入部113bを配置するための間隙が設けられている。
外箱110は、たとえば、底壁111の下面、縦方向に延びる左右一対の側壁112の外面、上端部、および内面の上部、横方向に延びる正面および背面の側壁112の外面、ならびに外箱110の外側を向く上蓋113の外面が、光沢を有する平滑な外装面である。また、外箱110は、たとえば、底壁111の上面、縦方向に延びる左右一対の側壁112の内面の下部、横方向に延びる正面および背面の側壁112の内面、および外箱110の内側を向く上蓋113の内面が、素材を露出させた内装面である。
外箱110は、図1に示すように、たとえば、互いに対向する前側の側壁112の内側部分の外面と、前側の側壁112の外側部分の内面に、互いに係合する係合部117a,117bを有してもよい。係合部117a,117bは、特に限定されないが、たとえば、面ファスナー、スナップボタン、マグネット、剥離および再接着が可能な粘着テープなどを用いることができる。係合部117aが設けられる一方の面である外箱110の前側の側壁112の内側部分の外面は、図1に示すように、外箱110の外側および前方側を向く面である。
また、係合部117bが設けられる他方の面である上蓋113の前端部に連結された正面の側壁112の外側部分の内面は、図2に示すように、外箱110の開口部110aを上蓋113によって閉じたときに、外箱110の内側および外箱110の後方側を向く面である。係合部117a,117bは、外箱110の上蓋113によって開口部110aを閉じた状態で、正面の側壁112の内側部分における把手115の下方側の位置と、正面の側壁112の外側部分における貫通孔116の下方側の位置に、それぞれ配置することができる。
図1に示すように、内視鏡ケース100は、外箱110に収容された発泡樹脂を素材とする緩衝材120を備えている。緩衝材120の素材としては、たとえば、軟質ポリウレタンフォーム、硬質ポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォームなどの発泡樹脂を用いることができる。緩衝材120の表面は、発塵を抑制する観点から、光沢を有する平滑な表面であることが好ましい。
緩衝材120の表面粗さは、たとえば、外箱110の内装面の表面粗さよりも低い。緩衝材120の表面粗さは、たとえば、接触式表面粗さ測定機によって計測することができる。また、緩衝材120の静摩擦係数は、たとえば、外箱110の内装面の静摩擦係数よりも低い。緩衝材120の静摩擦係数は、たとえばJIS K7125:1999に準拠した測定装置を用いて測定することができる。また、緩衝材120の色は、たとえば黒色系など、外箱110の色よりも明度の低い色であってもよい。緩衝材120は、前述のように、底壁111に隣接して配置された下部緩衝材130と、この下部緩衝材130の上面130aの全体を覆う上部緩衝材140とを有している。
図3は、図1に示す緩衝材120を構成する下部緩衝材130の平面図である。図1および図3に示すように、下部緩衝材130は、たとえば、おおむね直方体の形状を有し、縦方向の寸法および横方向の寸法に対して高さ方向の寸法が小さい矩形板状の形状を有している。下部緩衝材130は、たとえば、上部緩衝材140の下面に対向する上面130aに、内視鏡を保持する保持部131を有している。また、下部緩衝材130は、たとえば、凸部132と、空洞部133と、切欠部134とを有している。
図4は、図3に示す下部緩衝材130の保持部131に内視鏡200を保持した状態を示す平面図である。なお、図3および図4では、保持部131と空洞部133を除く下部緩衝材130の上面130aにドットパターンを配し、下部緩衝材130の上面130aに設けられた保持部131および空洞部133を視認しやすくしている。
下部緩衝材130の保持部131は、たとえば、下部緩衝材130の上面130aに凹設され、内視鏡200の各部の形状に対応する形状を有する凹部または溝である。本実施形態の内視鏡ケース100は、医療用の内視鏡200を収納するケースであり、下部緩衝材130の保持部131に内視鏡200を収容して保持する。
内視鏡ケース100に収容される内視鏡200は、たとえば、硬質樹脂からなる操作部210と、この操作部210に接続された可撓性を有する挿入部220およびユニバーサルチューブ230と、このユニバーサルチューブ230に接続されたコネクタ部240とを備えている。内視鏡ケース100に収容され、下部緩衝材130の保持部131に保持される内視鏡200の一例については、後で詳細に説明する。
下部緩衝材130の保持部131は、たとえば、内視鏡200の操作部210、ユニバーサルチューブ230、コネクタ部240、および挿入部220を、それぞれ、収容して保持する、操作部保持部135、ユニバーサルチューブ保持部136、コネクタ部保持部137、および挿入部保持部138を有している。
操作部保持部135は、たとえば、内視鏡200の操作部210の形状に対応するおおむねL字形の凹部である。操作部保持部135は、下部緩衝材130の横方向に沿って延びる横方向延在部135aの縦方向の寸法の一部が、同方向における内視鏡200の操作部210の寸法よりもわずかに小さくされている。これにより、内視鏡200の操作部210を操作部保持部135に収容したときに、操作部保持部135の一部がわずかに弾性変形して、内視鏡200の操作部210の一部を縦方向の両側から挟持することができる。
また、操作部保持部135は、たとえば、縦方向の寸法の一部が、同方向における内視鏡200の操作部210の寸法よりも大きくされた凹部135cを有している。これにより、操作部保持部135に内視鏡200の操作部210を収容したときに、凹部135cによって操作部保持部135と内視鏡200の操作部210との間に空隙を形成し、操作部210の取り出しおよび収納を容易にすることができる。
また、操作部保持部135は、たとえば、縦方向に沿って延びる縦方向延在部135bの横方向の寸法が、同方向における内視鏡200の操作部210の寸法よりもわずかに大きくされている。これにより、操作部保持部135に内視鏡200の操作部210を収容したときに、操作部保持部135と内視鏡200の操作部210との間にわずかな空隙が形成されるので、操作部保持部135に内視鏡200の操作部210を収容するのが容易になる。
ユニバーサルチューブ保持部136は、たとえば、操作部保持部135の縦方向延在部135bに連続するおおむね環状の溝であり、第1湾曲部136aと第2湾曲部136bとを有している。第1湾曲部136aは、たとえば、操作部保持部135の縦方向延在部135bの末端から、下部緩衝材130の前側の側面に沿うように円弧状に延び、さらに半円を描くように円弧状に延びて、操作部保持部135の横方向延在部135aに隣接している。第1湾曲部136aは、たとえば、下部緩衝材130の高さ方向における深さが、操作部保持部135の縦方向延在部135bの末端に接続された部分で最も深くなり、操作部保持部135の横方向延在部135aに隣接する部分で最も浅くなるように、底部が傾斜している。
第2湾曲部136bは、たとえば、操作部保持部135の横方向延在部135aに隣接する第1湾曲部136aの終端部から、下部緩衝材130の左側の側面へ向けておおむね直線状に延び、操作部保持部135の縦方向延在部135bに交差し、さらに円弧状に湾曲して下部緩衝材130の左側の側面に近接している。第2湾曲部136bは、下部緩衝材130の左側の側面に近接する位置から、下部緩衝材130の前側の側面に沿うように円弧状に湾曲して延びている。第2湾曲部136bは、第1湾曲部136aよりも下部緩衝材130の前側の側面に近い位置で第1湾曲部136aの上に重なり、下部緩衝材130の前側の側面に沿っておおむね直線状に延びている。
下部緩衝材130の高さ方向における第1湾曲部136aと第2湾曲部136bの深さは、たとえば、下部緩衝材130の前側の側面に沿って直線状に延びる部分において、第1湾曲部136aよりも第2湾曲部136bの方が浅くなっている。第2湾曲部136bは、さらに下部緩衝材130の右側の側面の中間部へ向けて右斜め後方へ延び、コネクタ部保持部137に連続している。
コネクタ部保持部137は、内視鏡200のコネクタ部240の形状に対応する凹部である。コネクタ部保持部137は、たとえば、コネクタ部240の光源用接続スリーブ242を収容する部分の周囲に空隙を形成するように設けられている。また、コネクタ部保持部137の底部は、コネクタ部保持部137に内視鏡200のコネクタ部240を収容して保持したときに、下部緩衝材130の高さ方向におけるコネクタ部240の上面が下部緩衝材130の上面130aにおおむね平行になるように、コネクタ部240のテーパ形状に対応する傾斜を有することができる。
挿入部保持部138は、たとえば、内視鏡200の可撓性を有する挿入部220を巻回して収容するためのおおむね環状の溝であり、後方湾曲部138aと中間湾曲部138bと前方直線部138cとを有している。後方湾曲部138aは、たとえば、操作部保持部135の横方向延在部135aの末端から、下部緩衝材130の後側の側面に沿っておおむね直線状に延び、さらに下部緩衝材130の右側の側面に沿うように円弧状に湾曲し、この側面の近傍でこの側面に沿って直線状に延びている。さらに、後方湾曲部138aは、下部緩衝材130の右側の側面の近傍から、下部緩衝材130の前側の側面に沿うように円弧状に湾曲して延び、中間湾曲部138bに連続している。
中間湾曲部138bは、たとえば、下部緩衝材130の前側の側面の近傍で、この側面に沿って直線状に延び、さらに下部緩衝材130の左側の側面に近接するように湾曲して円弧状に延びている。さらに、中間湾曲部138bは、下部緩衝材130の左側の側面に近接する位置から、操作部保持部135の縦方向延在部135bに交差するように湾曲して円弧状に延び、前方直線部138cに接続されている。
なお、挿入部保持部138の中間湾曲部138bと、ユニバーサルチューブ保持部136の第2湾曲部136bとは、下部緩衝材130に対して共通の溝として形成することができる。この場合、下部緩衝材130の高さ方向において、共通の溝の下方側がユニバーサルチューブ保持部136の第2湾曲部136bであり、この共通の溝の上方側が挿入部保持部138の中間湾曲部138bである。
挿入部保持部138の前方直線部138cは、操作部保持部135の横方向延在部135aに沿って、下部緩衝材130の右側面へ向けて右斜め後方へ直線状に延び、後方湾曲部138aに交差している。下部緩衝材130の高さ方向において、前方直線部138cの深さは、後方湾曲部138aに交差する下部緩衝材130の右側面の近傍の先端部において、後方湾曲部138aの深さよりも浅くなっている。なお、前方直線部138cは、中間湾曲部138bとの接続部分から先端部へ向けて、下部緩衝材130の高さ方向における深さが次第に浅くなるように、底部が傾斜していてもよい。
空洞部133は、たとえば、下部緩衝材130の上面130aに設けられた凹部である。空洞部133は、たとえば、ユニバーサルチューブ保持部136の第1湾曲部136aの内側に形成された第1空洞部133aと、コネクタ部保持部137の前方に隣接する第2空洞部133bと、コネクタ部保持部137の後方に隣接する第3空洞部133cと、を有することができる。また、空洞部133は、たとえば、下部緩衝材130の前端の左右の角部に第4空洞部133dおよび第5空洞部133eを有することができる。
凸部132は、たとえば、下部緩衝材130の両側縁に沿って延在している。図示の例において、凸部132は、下部緩衝材130の横方向の両側で縦方向に延びる両側縁に沿って延在し、下部緩衝材130の上面130aから上方に突出している。図示は省略するが、下部緩衝材130は、横方向に延びる前後の両側縁に沿って延在する凸部を有してもよい。
凸部132は、たとえば、図1に示すように、上端部に傾斜面132aを有してもよい。傾斜面132aは、たとえば、下部緩衝材130の横方向の両側縁に、縦方向に延在する凸部132の頂部の内側に形成され、横方向の外側よりも内側が下部緩衝材130の上面130aに近づくように、下方へ傾斜している。また、一対の凸部132の横方向の外側の面は、段差なく平坦な下部緩衝材130の左右の側面の一部を構成している。
切欠部134は、たとえば、図1および図3に示すように、下部緩衝材130の前側の側面の中央部に、後方へ向けて凹設された凹部である。切欠部134は、たとえば、下部緩衝材130の下面から上面130aまで連続して形成されている。切欠部134は、図1に示す外箱110の前側の側壁112の内側に配置された把手115のストッパーとの干渉を回避するとともに、把手115の帯板部の両端部を外箱110の内側に収容することができる横方向の幅および縦方向の深さを有している。
図5は、図1に示す内視鏡ケース100の外箱110に下部緩衝材130を収容した状態の斜視図である。
下部緩衝材130の横方向の外寸は、外箱110の横方向の内寸よりもわずかに小さくされている。これにより、下部緩衝材130の左右の側面と外箱110の左右の側壁112との間に、上蓋113の横方向の両側の第2蓋挿入部113bを挿入するための間隙が設けられている。本実施形態の内視鏡ケース100は、前述のように、外箱110の左右の側壁112の外側部分を構成する段ボール紙が、上端部で開口部110aの内側へ下方に折り返されて折返し部112aが設けられている。したがって、この折返し部112aによって覆われた外箱110の左右の側壁112の内面の上部は、外箱110の素材である段ボール紙の光沢を有する平滑な外装面になっている。
また、下部緩衝材130の左右の両側縁において前後に延在する一対の凸部132の頂部は、外箱110の左右の側壁112の折返し部112aの下端よりも上方に位置している。これにより、外箱110の左右の側壁112の折返し部112aの下端よりも下方の内面に露出した段ボール紙の内装面が、下部緩衝材130の下に隠されている。そのため、外箱110の左右の側壁112の内面に露出する内装面を覆うために、折返し部112aの下端を外箱110の左右の側壁112の下端まで延ばす必要がない。したがって、段ボール紙を節約して外箱110のコストを低減することができる。
また、外箱110の左右の側壁112の内面の上部の折返し部112aは、前述のように、外箱110の左右の側壁112の外側部分を構成する段ボール紙が、側壁112の上端部で開口部110aの内側へ下方に折り返されて形成されている。そのため、折返し部112aの下端部は、段ボール紙の弾性によって、横方向に開口部110aの内側へ向けて付勢され、下部緩衝材130の凸部132の下方側で、下部緩衝材130の左右の側面に当接する。これにより、外箱110に収容された下部緩衝材130の横方向の位置が、一定程度、位置決めされる。
また、外箱110の底壁111の内面、外箱110の前後の側壁112の内面は、前述のように、素材の表面が露出した内装面である。そのため、内装面の表面粗さが外装面の表面粗さよりも高い場合や、内装面の静摩擦係数が外装面の静摩擦係数よりも高い場合に、外箱110に収容された下部緩衝材130の下面と前後の側面に内装面を当接させ、外箱110と下部緩衝材130の相対的な移動を抑制することができる。
また、下部緩衝材130は、図1に示すように、前側の側面の中央部に、後方へ向けて凹設された切欠部134を有している。これにより、外箱110の前側の側壁112の内側に配置された把手115のストッパーと下部緩衝材130の干渉を回避するとともに、把手115の帯板部の両端部を外箱110の内側に収容することができる。したがって、たとえば、内視鏡ケース100を持ち運ぶときに、把手115を引き出して前方に円弧状に突出させ、内視鏡ケース100を収納するときに、把手115を後方に押し込んで外箱110の前側の側壁112に沿って平坦に収納することができる。
図6は、図1に示す緩衝材120を構成する上部緩衝材140の平面図である。図8は、図1に示す内視鏡ケース100の外箱110に緩衝材120を収容した状態の斜視図であり、図5に示す外箱110の内部の下部緩衝材130の上に、図6に示す上部緩衝材140を収容した状態の斜視図である。
上部緩衝材140は、たとえば、下部緩衝材130の平面形状に対応する矩形の平面形状を有している。また、上部緩衝材140は、縦方向および横方向の寸法よりも高さ方向の寸法が小さい矩形の平板状の形状を有している。また、外箱110の内部で下部緩衝材130の上に上部緩衝材140を配置し、これらを外箱110の開口部110aの真上から見たときに、上部緩衝材140の外縁と下部緩衝材130の外縁とが少なくとも一部で上下に重なる。また、上部緩衝材140の外縁と下部緩衝材130の外縁とが上下に重ならない部分では、上部緩衝材140の外縁の内側に下部緩衝材130の外縁が配置される。また、上部緩衝材140は、上部緩衝材140の上端面から下端面まで連通する貫通孔や切り欠きを有しない。
すなわち、下部緩衝材130と上部緩衝材140を上下に重ねて配置した状態で、以下のいずれかの状態になる。まず、下部緩衝材130の平面形状の輪郭の全体が、上部緩衝材140の平面形状の輪郭に一致する状態である。また、下部緩衝材130の平面形状の輪郭の一部が上部緩衝材140の平面形状の輪郭に一致し、その他の部分が上部緩衝材140の平面形状の輪郭の内側に含まれる状態である。そして、下部緩衝材130の平面形状の輪郭の全体が上部緩衝材140の平面形状の輪郭の内側に含まれる状態である。さらに、上部緩衝材140の下面140bは、下部緩衝材130の保持部131の全体と、この保持部131を除く下部緩衝材130の上面130aの全体に対向して配置される。
前述のように、本実施形態の内視鏡ケース100において、外箱110に収容された緩衝材120は、下部緩衝材130と上部緩衝材140とによって構成されている。外箱110の底壁111に隣接して配置された下部緩衝材130は、上面130aに内視鏡200を保持する保持部131を有している。そして、外箱110の上蓋113に隣接して配置された上部緩衝材140は、下部緩衝材130の保持部131を含む上面130aを覆い、上蓋113に対向する上面140aの中央部に凸状の把持部148を有している。
把持部148は、上部緩衝材140の上面140aから上方へ突出する凸状に設けられ、上部緩衝材140の上面140aを横断するように、たとえば内視鏡ケース100の前後方向に延びている。内視鏡ケース100の前後方向における把持部148の両端部は、たとえば、枠状部142に連結されている。枠状部142は、上部緩衝材140の上面140aの周縁部に凸状に設けられている。把持部148および枠状部142の上端部は、外箱110の開口部110aを上蓋113によって閉じたときに、わずかな隙間を介して上蓋113に対向するか、または、上蓋113に当接するように設けられている。
枠状部142は、たとえば、上部緩衝材140の前後の側縁に沿って横方向に延びる横枠部142aと、上部緩衝材140の左右の側縁に沿って縦方向に延びる縦枠部142bとを有している。内視鏡ケース100の前後方向において、把持部148の後端は、後方側の横枠部142aの中央部に連結され、把持部148の前端は、前方側の横枠部142aの中央部に連結されている。なお、枠状部142と把持部148は、上部緩衝材140の上面140aにおいて分離して設けられていてもよい。また、上部緩衝材140は、枠状部142を有しなくてもよい。
図6に示す例において、上部緩衝材140は、上面140aの周縁部に設けられた枠状部142と、上面140aの中央部に設けられた把持部148との間に、枠状部142と把持部148によって囲まれた凹部143a,143bを有している。すなわち、上部緩衝材140は、外箱110の上蓋113に対向する上面140aに、把持部148を介して左右に隣接する二つの矩形の凹部143a,143bを有している。この上部緩衝材140の上面140aの左側の凹部143aの深さは、右側の凹部143bの深さよりも浅くなっている。これにより、上部緩衝材140は、操作部保持部135に対向する部分の厚さがコネクタ部保持部137に対向する部分の厚さよりも厚くされている。
図7Aは、図6に示す上部緩衝材140の把持部148のVII−VII線に沿う断面図である。把持部148は、上部緩衝材140の上面140aから上方へ突出する凸状に設けられている。把持部148は、たとえば上端部よりも下方側の中間部または下端部に、把持凹部148aを有してもよい。
把持凹部148aは、上部緩衝材140の上面140aの中央部に設けられた把持部148に、たとえば上部緩衝材140の上面140aに沿って、内視鏡ケース100の横方向に凹設された凹部である。図7Aに示す例において、把持凹部148aは、上下方向に対向する一対の内壁と、横方向に沿う深さ方向に垂直な内壁と、前後方向に沿う把持部148の延在方向に対向する一対の内壁とを有している。
すなわち、把持凹部148aは、上部緩衝材140の上面140aに沿う横方向において、把持部148を貫通せず、把持部148の中間部に内壁を有している。把持凹部148aの寸法は、たとえば、把持部148を把持するときに、少なくとも指先を入れることができる大きさにされている。なお、把持部148の構成は、図7Aに示す構成に限定されない。
図7Bから図7Fは、図7Aに示す把持部148の変形例を示す断面図である。図7Bに示すように、把持凹部148aは、たとえば上部緩衝材140の上面140aに沿う横方向において、把持部148を貫通していてもよい。なお、図7Bから図7Fに示す変形例において、上部緩衝材140の上面140aの左側の凹部143aの深さと、右側の凹部143bの深さは、等しくされている。
図7Cに示す変形例において、上部緩衝材140は、図1に示す下部緩衝材130に対向する下面140bに開口され、把持部148の把持凹部148aに連通する貫通孔149を有している。また、下部緩衝材130は、たとえば、上部緩衝材140へ向けて突出し、上部緩衝材140の貫通孔149を閉塞する凸状の閉塞部139を有してもよい。閉塞部139は、たとえば、下部緩衝材130の上面130aから把持凹部148aの上壁面まで延び、上部緩衝材140の貫通孔149に嵌合して把持凹部148aの内壁を構成している。
より詳細には、内視鏡ケース100の横方向において、貫通孔149の寸法は、把持部148および把持凹部148aの寸法よりも小さくされている。貫通孔149は、把持凹部148aの内側で、把持凹部148aの下方側の内壁に、開口部を有している。貫通孔149の開口部は、把持凹部148aの横方向両側の開口部から、それぞれ所定の距離をあけて形成されている。貫通孔149に嵌合した下部緩衝材130の閉塞部139は、把持凹部148aまで上方へ延び、横方向に延びる把持凹部148aの中間部を閉塞し、把持凹部148aの内壁の一部を構成するようになっている。
下部緩衝材130の閉塞部139は、たとえば、図1に示す下部緩衝材130の上面130aの保持部131が形成されていない箇所に、上方へ向けて突出させて設けることができる。閉塞部139は、上部緩衝材140の下面140bに開口する貫通孔149に嵌合して貫通孔149を閉塞するように、所定の寸法公差で貫通孔149の内側にぴったりとはまる寸法に設定することができる。たとえば、下部緩衝材130の上に上部緩衝材140を配置して、下部緩衝材130の閉塞部139を上部緩衝材140の貫通孔149に嵌合させたときに、閉塞部139の上端部が把持凹部148aの上方側の内壁とわずかな隙間を介して対向するか、または、当接するように設けられる。
図7Dに示す変形例において、下部緩衝材130の閉塞部139は、上端面が上部緩衝材140の上面140aの凹部143aおよび凹部143bの底面とおおむね同じ高さに段差なく面一になるように延びている。すなわち、閉塞部139は、上部緩衝材140の貫通孔149に嵌合して把持凹部148aまで延び、把持凹部148aの下方側の内壁を構成している。
また、図7Dに示す変形例において、上部緩衝材140の上面140aに沿う横方向における貫通孔149および閉塞部139の幅Aは、把持部148の幅Bと等しいかまたは幅Bよりも大きくされ、貫通孔149の開口縁は、把持凹部148aの開口の位置または把持凹部148aの開口の外側に位置している。
なお、図7Dにおいて破線で示すように、上部緩衝材140の貫通孔149の下方側の開口の外側で閉塞部139の幅Aを拡大させ、その部分が上部緩衝材140に当接するようにしてもよい。これにより、閉塞部139によって上部緩衝材140を支持することができるだけでなく、貫通孔149を介してちりやほこりが侵入するのを防止できる。
図7Eに示す変形例において、下部緩衝材130の閉塞部139は、上端部に凸部を有し、凸部の先端が把持凹部148aの上方側の内壁に当接している。閉塞部139の上端部の凸部の幅Cは、閉塞部139の貫通孔149に嵌合している部分の幅Aおよび把持部148の幅Bよりも狭くなっている。この変形例によれば、図7Cに示す変形例と同様の効果だけでなく、図7Cに示す変形例と同様の効果を得ることができる。この変形例においても、破線で示すように、上部緩衝材140の貫通孔149の下方側の開口の外側で閉塞部139の幅Aを拡大させ、その部分が上部緩衝材140に当接するようにしてもよい。
図7Fに示す変形例において、下部緩衝材130の閉塞部139は、上端面が上部緩衝材140の下面140bに当接して、貫通孔149の下方側の開口を閉塞している。より詳細には、閉塞部139の上端面は、上部緩衝材140の貫通孔149の下方側の開口の周囲に当接して、貫通孔149の下方側の開口を閉塞している。
また、図6に示すように、上部緩衝材140は、たとえば、下部緩衝材130に対向する下面140bの保持部131に対応する位置に凹部141a,141b,141cを有している。より具体的には、上部緩衝材140の左後方の円形の凹部141aと矩形の凹部141bは、たとえば、図3に示す下部緩衝材130の操作部保持部135に対向している。また、上部緩衝材140の右前方の円形の凹部141cは、たとえば、下部緩衝材130のコネクタ部保持部137に対向している。
さらに、上部緩衝材140は、たとえば、操作部保持部135に対向する部分の厚さがコネクタ部保持部137に対向する部分の厚さよりも厚くされ、操作部保持部135に対向する円形の凹部141aの深さは、コネクタ部保持部137に対向する円形の凹部141cの深さよりも深くされている。ここで、上部緩衝材140の厚さ、および凹部141a,141b,141cの深さは、いずれも高さ方向(z軸方向)における寸法である。また、上部緩衝材140の凹部141a,141b,141cの形状、大きさ、配置および数などは、特に限定されず、任意である。
また、上部緩衝材140は、たとえば、外箱110の上蓋113に対向する上面の両側縁に段差状に設けられた持手部144を有している。持手部144は、たとえば、上部緩衝材140の横方向の両側縁の中央部に形成することができる。なお、持手部144は、上部緩衝材140の前後の両側縁の横方向の中央部に形成してもよい。持手部144は、上部緩衝材140の側縁の中間部において、下方に陥没した段差状に形成され、底壁と内側壁を有している。
上部緩衝材140の右側の側縁に凹状に形成された持手部144の上方と右側は開放され、上部緩衝材140の左側の側縁に凹状に形成された持手部144の上方と左側は開放されている。また、上部緩衝材140は、持手部144が形成されることで、左右の側縁に沿う枠状部142の縦枠部142bの縦方向の中央部が横方向に外側から内側に切り欠かれ、持手部144と凹部143a,143bとの間に薄肉部145が形成されている。
また、上部緩衝材140は、たとえば、両側縁の下部に、下部緩衝材130の凸部132に係合する凹部146を有している。この凹部146は、たとえば、上部緩衝材140の下面140bと左右の側面との間の角部に、上方および横方向の内側へ段差状に凹設され、縦方向の全長にわたって延在している。この凹部146は、下方を向く上壁面と横方向の外側を向く側壁面とを有している。
また、上部緩衝材140は、たとえば、外箱110の側壁112に取り付けられた把手115に対応する位置に段差部147を有している。この段差部147は、たとえば、下部緩衝材130に対向する上部緩衝材140の下面140bと前方の側面との間の角部の中央部に、上方および後方に凹設されている。この段差部147は、下方を向く上壁面と前方を向く後壁面と左右の側壁面とを有し、下部緩衝材130の切欠部134の上に配置されている。
以下、本実施形態の内視鏡ケース100の作用について説明する。
本実施形態の内視鏡ケース100は、内視鏡200を輸送するときや、持ち運ぶとき、または保管するときなどに、内視鏡200を収納するためのケースであり、段ボール紙を素材とする外箱110と、この外箱110に収容され発泡樹脂を素材とする緩衝材120と、を備えている。このように、内視鏡ケース100を、簡素な素材である段ボールと発泡樹脂によって構成することで、たとえば硬質の樹脂素材や金属素材などを使用する場合と比較して、軽量化が可能で、再資源化が容易であり、製造コストを抑制することができる。
また、内視鏡ケース100の外箱110は、前述のように、底壁111と、この底壁111の周囲に立設された側壁112と、この側壁112によって画定されこの側壁112の上端に開口する開口部110aと、この開口部110aを開閉可能な上蓋113と、この上蓋113の一端を側壁112に連結する連結部114と、を有している。そのため、内視鏡ケース100に内視鏡200を収納するときには、外箱110の連結部114をヒンジとして上蓋113を回動させて開口部110aを開放し、この開口部110aを介して外箱110の内部に内視鏡200を収容し、内視鏡ケース100に内視鏡200を収納することができる。
同様に、内視鏡ケース100から内視鏡200を取り出すときには、外箱110の連結部114をヒンジとして上蓋113を回動させて開口部110aを開放し、この開口部110aを介して外箱110の内部から内視鏡200を取り出し、内視鏡ケース100から内視鏡200を取り出すことができる。したがって、本実施形態の内視鏡ケース100によれば、たとえば前記特許文献1に記載された従来の内視鏡収納ケースと比較して、内視鏡200の収納および取り出しを容易にすることができる。
また、本実施形態の内視鏡ケース100において、緩衝材120は、内視鏡200を保持する保持部131を有し底壁111に隣接して配置された下部緩衝材130と、この保持部131を含む下部緩衝材130の上面130aを覆う上部緩衝材140と、を有している。内視鏡ケース100に内視鏡200を収容するときには、まず、図5に示すように、外箱110に下部緩衝材130を収容して底壁111に隣接させて配置する。
次に、図4に示すように、たとえば、内視鏡200の操作部210を、下部緩衝材130の保持部131の操作部保持部135に収容して保持する。さらに、内視鏡200の操作部210に接続されたユニバーサルチューブ230を、下部緩衝材130の保持部131のユニバーサルチューブ保持部136に収容して保持する。具体的には、図3に示すユニバーサルチューブ保持部136の第1湾曲部136aに、内視鏡200の操作部210に接続されたユニバーサルチューブ230を湾曲させながら収容する。その後、さらに、内視鏡200のユニバーサルチューブ230を、ユニバーサルチューブ保持部136の第2湾曲部136bに収容する。
ここで、前述のように、第1湾曲部136aは、下部緩衝材130の高さ方向における深さが、操作部保持部135の縦方向延在部135bに隣接する部分で最も深くなり、操作部保持部135の横方向延在部135aに隣接する部分で最も浅くなるように、底部が傾斜している。また、第2湾曲部136bは、下部緩衝材130の左側の側面へ向けておおむね直線状に延び、操作部保持部135の縦方向延在部135bに交差している。これにより、内視鏡200のユニバーサルチューブ230を操作部保持部135の縦方向延在部135bに保持された操作部210の上に交差させて収納することができる。
その後、さらに内視鏡200のユニバーサルチューブ230を、下部緩衝材130のユニバーサルチューブ保持部136の第2湾曲部136bに湾曲させながら収容する。ここで、第2湾曲部136bは、第1湾曲部136aよりも下部緩衝材130の前側の側面に近い位置で第1湾曲部136aの上に重なり、下部緩衝材130の前側の側面に沿っておおむね直線状に延びている。また、下部緩衝材130の高さ方向における第1湾曲部136aと第2湾曲部136bの深さは、下部緩衝材130の前方の側面に沿って直線状に延びる部分において、第1湾曲部136aよりも第2湾曲部136bの方が浅くなっている。これにより、ユニバーサルチューブ保持部136の第1湾曲部136aに保持された内視鏡200のユニバーサルチューブ230の上でかつ前方に隣接させて、第2湾曲部136bに内視鏡200のユニバーサルチューブ230を収容して保持することができる。
その後、さらに内視鏡200のユニバーサルチューブ230を、下部緩衝材130の右側の側面の中間部へ向けて右斜め後方へ延びる第2湾曲部136bに収容して保持し、内視鏡200のコネクタ部240を下部緩衝材130の保持部131のコネクタ部保持部137に収容して保持する。ここで、前述のようにコネクタ部保持部137の底部は、コネクタ部240のテーパ形状に対応する傾斜を有している。これにより、内視鏡200のコネクタ部240を下部緩衝材130のコネクタ部保持部137に収容して保持したときに、下部緩衝材130の高さ方向におけるコネクタ部240の上面を下部緩衝材130の上面130aにおおむね平行にして、上部緩衝材140との間に安定して保持することができる。
次に、内視鏡200の操作部210に接続された挿入部220を、下部緩衝材130の保持部131の挿入部保持部138に収容する。具体的には、可撓性を有する内視鏡200の挿入部220の操作部210に近い部分を湾曲させながら、図3に示す挿入部保持部138の後方湾曲部138aに収容する。さらに内視鏡200の挿入部220の中間部分を挿入部保持部138の中間湾曲部138bに収容する。
ここで、前述のように、挿入部保持部138の中間湾曲部138bと、ユニバーサルチューブ保持部136の第2湾曲部136bとは、下部緩衝材130に対して共通の溝として形成されている。この場合、下部緩衝材130の高さ方向において、共通の溝の下方側がユニバーサルチューブ保持部136の第2湾曲部136bであり、この共通の溝の上方側が挿入部保持部138の中間湾曲部138bである。
そのため、ユニバーサルチューブ保持部136の第2湾曲部136bに保持された内視鏡200のユニバーサルチューブ230の上に、内視鏡200の挿入部220の中間部分を重ねて収容して保持することができる。また、内視鏡200の操作部210の上方に交差させて収容したユニバーサルチューブ230の上に、内視鏡200の挿入部220の中間部分を重ねて、内視鏡200の操作部210の上方に交差させて収容および保持することができる。
その後、さらに内視鏡200の挿入部220の先端部を、図3に示す下部緩衝材130の保持部131の前方直線部138cに収容する。ここで、前方直線部138cは、前述のように操作部保持部135の横方向延在部135aに沿って、下部緩衝材130の右側面へ向けて右斜め後方へ直線状に延び、後方湾曲部138aに交差している。また、下部緩衝材130の高さ方向において、前方直線部138cの深さは、後方湾曲部138aに交差する下部緩衝材130の右側面の近傍の先端部において、後方湾曲部138aの深さよりも浅くなっている。さらに、前方直線部138cは、中間湾曲部138bとの接続部分から先端部へ向けて、下部緩衝材130の高さ方向における深さが次第に浅くなるように、底部を傾斜させることができる。
これにより、内視鏡200の挿入部220の先端部を操作部210に近い基端側の部分に交差させて収納することができるだけでなく、内視鏡200の挿入部220の先端部を下部緩衝材130の上面130aの近傍に配置して、取り出しを容易にすることができる。また、内視鏡200の先端部を直線状に収容して保持することができる。以上の手順により、下部緩衝材130の保持部131に、内視鏡200を収容して保持することができる。
次に、図8に示すように、外箱110の開口部110aから外箱110の内部に上部緩衝材140を収容して下部緩衝材130の上に配置する。ここで、上部緩衝材140は、上蓋113に対向する上面140aの中央部に凸状の把持部148を有している。そのため、上部緩衝材140の上面140aの中央部の凸状の把持部148を把持することで、上部緩衝材140の周縁部と外箱110との間に指を入れる必要がなくなり、上部緩衝材140を外箱110の開口部110aの内側に隙間なくぴったりと嵌合させることができる。
これにより、外箱110と上部緩衝材140との間の隙間を極力少なくして、外箱110と上部緩衝材140との間にちりやほこりが侵入するのを防止することができる。また、保持部131を含む下部緩衝材130の上面130aの全体を周縁部まで上部緩衝材140によって確実に覆うことができる。したがって、本実施形態の内視鏡ケース100によれば、下部緩衝材130に設けられた保持部131に保持され、上部緩衝材140に覆われた内視鏡200にちりやほこりが付着するのを防止することができる。
また、外箱110に収容された上部緩衝材140を取り出すときに、上部緩衝材140が外箱110の開口部110aの内側に隙間なくぴったりと嵌合していても、上部緩衝材140の上面の中央部に凸状に設けられた把持部148を把持し、上部緩衝材140を上方に持ち上げることで、上部緩衝材140を外箱110の開口部110aから容易に取り出すことができる。
また、本実施形態の内視鏡ケース100において、上部緩衝材140の上面140aの中央部に設けられた把持部148は、上部緩衝材140の上面140aに沿う方向に凹設された把持凹部148aを有している。これにより、把持凹部148aに指先を入れて上部緩衝材140の把持部148を把持することができ、把持部148をしっかり把持することができる。したがって、上部緩衝材140を外箱110から取り出し、または外箱110に収容するのを容易にすることができる。また、上部緩衝材140を持ったときに、手が滑って上部緩衝材140を落としてしまうのを防止でき、上部緩衝材140にちりやほこりが付着することや、上部緩衝材140の損傷を防止できる。
また、図7Cから図7Fに示す例では、前述のように、上部緩衝材140が、下部緩衝材130に対向する下面に開口され、把持部148の把持凹部148aに連通する貫通孔149を有している。また、下部緩衝材130は、上部緩衝材140へ向けて突出し、上部緩衝材140の貫通孔149を閉塞する凸状の閉塞部139を有している。これにより、下部緩衝材130の上に上部緩衝材140を配置するときに、凸状の閉塞部139によって貫通孔149を閉塞し、貫通孔149を介してちりやほこりが浸入するのを阻止することができる。
また、図7Cから図7Eに示す例では、閉塞部139は、上部緩衝材140の貫通孔149に嵌合して把持凹部148aまで延び、把持凹部148aの内壁を構成している。これにより、下部緩衝材130の上に上部緩衝材140を配置するときに、下部緩衝材130の凸状の閉塞部139を、上部緩衝材140の下面140bに開口する貫通孔149に挿入して嵌合させることで、下部緩衝材130と上部緩衝材140を位置決めするとともに、下部緩衝材130と上部緩衝材140のずれを防止することができる。また、下部緩衝材130の閉塞部139が、上部緩衝材140の貫通孔149に嵌合して把持凹部148aまで延び、把持凹部148aの内壁を構成することで、上部緩衝材140の貫通孔149が閉鎖される。したがって、たとえば、把持凹部148aにちりやほこりが侵入しても、それが上部緩衝材140の貫通孔149に浸入するのを阻止することができる。
また、図7Fに示す例では、閉塞部139は、上部緩衝材140の下面140bに当接して貫通孔149を閉塞している。これにより、下部緩衝材140の上に上部緩衝材130を配置するときに、下部緩衝材130の凸状の閉塞部139を、上部緩衝材140の下面140bに開口する貫通孔149に挿入する必要がなく、上部緩衝材140の配置を容易にすることができる。
また、図7Dから図7Fに示す例では、貫通孔149の幅は、把持部148の幅Bと等しいかまたは幅Bよりも大きく、貫通孔149の開口縁は、把持凹部148aの開口の位置または把持凹部148aの開口の外側に位置している。これにより、金型を用いた上部緩衝材140の製作を容易にすることができる。
また、本実施形態の内視鏡ケース100において、上部緩衝材140は、外箱110の上蓋113に対向する上面140aの周縁部に凸状の枠状部142を有している。これにより、外箱110の上蓋113によって外箱110の開口部110aを閉じた状態で、上部緩衝材140の枠状部142を外箱110の上蓋113に接触させて上部緩衝材140の浮きを防止し、上部緩衝材140によって下部緩衝材130の上面130a全体を覆った状態を維持することができる。また、上部緩衝材140の周縁部の厚さを増加させ、上部緩衝材140の強度および緩衝性を向上させることができる。また、上部緩衝材140の上面140aの枠状部142の内側を相対的に凹状に陥没させ、そこに凸状の把持部148を形成することができる。
また、本実施形態の内視鏡ケース100において、把持部148は、上部緩衝材140の上面140aを横断するように延びている。そして、把持部148の両端部が枠状部142に連結され、上部緩衝材140の上面140aに枠状部142と把持部148によって囲まれた凹部143a,143bが形成されていてもよい。これにより、把持部148を上部緩衝材140の上面140aを横断する広い範囲に形成して、把持部148を把持しやすくすることができる。また、把持部148の両端部を枠状部142に連結することで、把持部148の強度を向上させることができる。また、上部緩衝材140の上面140aに凹部143a,143bを設けることで、上部緩衝材140が必要以上に厚くなるのを防止することができるだけでなく、たとえば、説明書、付属品、アクセサリーなどを収納するスペースを確保することができる。
さらに、本実施形態の内視鏡ケース100において、上部緩衝材140は、下部緩衝材130に対向する下面140bの保持部131に対応する位置に凹部141a,141b,141cを有している。この上部緩衝材140の下面140bの凹部141a,141b,141cに、内視鏡200の上部緩衝材140に向けて突出する部分を収容することで、内視鏡200の突出した部分と上部緩衝材140との干渉を回避することができる。
これにより、上部緩衝材140と内視鏡との接触による発塵を防止することができる。また、下部緩衝材130の保持部131に収容した内視鏡200の一部を、上部緩衝材140側に突出させることができるので、下部緩衝材130の保持部131の深さを必要以上に深くする必要がなくなる。これにより、下部緩衝材130を薄型化することができる。また、内視鏡200を下部緩衝材130の保持部131から取り出しやすくすることができる。
より具体的には、本実施形態の内視鏡ケース100において、下部緩衝材130の保持部131は、内視鏡200の操作部210を保持する操作部保持部135を有している。また、上部緩衝材140の凹部141a,141bは、操作部保持部135に対向していている。これにより、内視鏡200の操作部210の上下湾曲操作レバー211や左右湾曲操作レバー212など、操作部210の突出した部分と上部緩衝材140との干渉を回避することができる。
また、本実施形態の内視鏡ケース100において、下部緩衝材130の保持部131は、内視鏡200のコネクタ部240を保持するコネクタ部保持部137を有している。そして、上部緩衝材140の凹部141cは、コネクタ部保持部137に対向している。これにより、内視鏡200のコネクタ部240の送気送水用口金243など、コネクタ部240の突出した部分と上部緩衝材140との干渉を回避することができる。
さらに、本実施形態の内視鏡ケース100において、上部緩衝材140は、操作部保持部135に対向する部分の厚さがコネクタ部保持部137に対向する部分の厚さよりも厚くされ、操作部保持部135に対向する凹部141aの深さがコネクタ部保持部137に対向する凹部141cの深さよりも深くされている。これにより、内視鏡200において最も突出した部分になりやすい操作部210の上下湾曲操作レバー211や左右湾曲操作レバー212などを、上部緩衝材140の厚さが厚くされた部分の深い凹部141aに収容して、操作部210の突出した部分と上部緩衝材140との干渉を回避することができる。
したがって、上部緩衝材140に内視鏡200との干渉を回避するための開口を形成する必要がなくなり、上部緩衝材140によって下部緩衝材130の保持部131を含む上面130aの全体を覆うことが可能になる。さらに、内視鏡200において操作部210よりも突出高さが低くなりやすいコネクタ部240の一部を、上部緩衝材140の厚さが薄くされた部分の浅い凹部141cに収容して、コネクタ部240の突出した部分と上部緩衝材140との干渉を回避することができる。したがって、上部緩衝材140が必要以上に厚くなるのを回避することができる。
さらに、本実施形態の内視鏡ケース100において、上部緩衝材140は、外箱110の上蓋113に対向する上面の両側縁に段差状に設けられた持手部144を有している。このように、上部緩衝材140に持手部144を設けることで、外箱110の開口部110aの内側にわずかな隙間でぴったりとはめ込まれた上部緩衝材140を外箱110から取り出しやすくすることができる。また、上部緩衝材140を外箱110の開口部110aの内側にわずかな隙間でぴったりと収容しやすくすることができる。さらに、上部緩衝材140の下面140bから上面140aまで連続する切欠状の持手部を形成する場合と異なり、下部緩衝材130の上面130aを露出させることがないため、上部緩衝材140によって下部緩衝材130の上面130aの全体を覆うことが可能になる。
さらに、本実施形態の内視鏡ケース100において、外箱110は、側壁112に把手115が取り付けられている。下部緩衝材130は、把手115に対応する位置に切欠部134を有している。上部緩衝材140は、把手115に対応する位置に段差部147を有している。上部緩衝材140の段差部147は、下部緩衝材130の切欠部134の上に配置されている。これにより、内視鏡ケース100の持ち運び時に把手115をつかんで持ち運ぶことができ、内視鏡ケース100の持ち運びを容易にすることができる。また、下部緩衝材130の切欠部134と上部緩衝材140の段差部147によって把手115と緩衝材120の干渉を回避し、発塵を防止することができる。また、上部緩衝材140の下面140bから上面140aまで連続する切欠部を形成する場合と異なり、下部緩衝材130の切欠部134の上部の開口を露出させることがないため、ちりやほこりの侵入を回避することができる。
図8に示すように、外箱110の開口部110aから外箱110の内部に上部緩衝材140を収容して下部緩衝材130の上に配置した後は、上蓋113を閉じて外箱110の開口部110aを閉塞する。このとき、外箱110の上蓋113の横方向両側の第2蓋挿入部113bを、外箱110の側壁112と上部緩衝材140との間に差し込んで、側壁112と上部緩衝材140および下部緩衝材130との間に配置する。これにより、外箱110の側壁112と緩衝材120との間の隙間を少なくして、緩衝材120と外箱110との相対的な移動を防止することができる。また、外箱110の左右の側壁112の上部で開口部110aの内側に下方に延びる折返し部112aが形成されているので、外箱110の上蓋113の第2蓋挿入部113bを折返し部112aによってガイドして、外箱110の側壁112と上部緩衝材140との間に円滑に差し込むことが可能になる。
その後、上蓋113の前端部の横方向の両側の第1蓋挿入部113aを、外箱110の前方側において、縦方向に延びる一対の側壁112の外側部分と内側部分との間の間隙に差し込む。そして、外箱110の正面の側壁112の外側部分を構成する上蓋113の前端部の中央部の貫通孔116に把手115を通し、上蓋113の前端部を外箱110の正面で横方向に延びる側壁112の内側部分に重ねる。これにより、互いに対向する正面の側壁112の内側部分の外面の係合部117aと、正面の側壁112の外側部分の内面の係合部117bとが、互いに係合する。以上により、内視鏡ケース100に内視鏡200を収納することができ、逆の手順により、内視鏡ケース100に収納された内視鏡200を取り出すことができる。
このように、本実施形態の内視鏡ケース100によれば、段ボールよりも緩衝性に優れた発泡樹脂製の下部緩衝材130と上部緩衝材140との間に内視鏡200を収納し、さらにその外側を耐久性に優れた段ボール製の外箱110で覆うことができる。したがって、本実施形態の内視鏡ケース100は、前記特許文献2に記載された従来の内視鏡用収納ケースよりも、内視鏡200の保護に必要な緩衝性に優れ、搬送時の振動や衝撃をより効果的に緩和して、内視鏡200に不具合が発生するのを防止することができる。
また、本実施形態の内視鏡ケース100において、外箱110の素材である段ボール紙の外装面および内装面の色は、たとえば白色系など、外箱110の内部に収容された緩衝材120の色よりも明度の高い色である。また、緩衝材120の色は、たとえば黒色系など、外箱110の色よりも明度の低い色である。このように、緩衝材120の色を外箱110の色よりも明度の低い色にすることで、外箱110から発生したちりやほこりが付着したときに視認しやすくして、ちりやほこりを除去しやすくすることができる。
また、本実施形態の内視鏡ケース100において、下部緩衝材130は、前述のように空洞部133を有している。たとえば、ユニバーサルチューブ保持部136の第1湾曲部136aの内側に形成された第1空洞部133a、コネクタ部保持部137の前後に隣接する第2空洞部133bおよび第3空洞部133cは、比較的に大きいスペースを確保することができる。そのため、これらの空洞部133に、内視鏡200の部品などを収納することができる。また、下部緩衝材130の前端の左右の角部に第4空洞部133dおよび第5空洞部133eを有することで、これらの空洞部133によって内視鏡ケース100に加わった衝撃を緩和して内視鏡200を効果的に保護することができる。
また、本実施形態の内視鏡ケース100において、外箱110は、たとえば、互いに対向する正面の側壁112の内側部分の外面と、正面の側壁112の外側部分の内面に、互いに係合する係合部117a,117bを有している。これにより、たとえば、把手115をつかんで内視鏡ケース100を持ち運ぶときに、正面の側壁112の外側部分が正面の側壁112の内側部分から浮き上がることが防止され、内視鏡ケース100を安定して持ち運ぶことができ、外箱110の上蓋113が不意に開くのを防止することができる。
以上説明したように、本実施形態の内視鏡ケース100によれば、下部緩衝材130の保持部131に内視鏡200を配置して保持し、この保持部131を含む下部緩衝材130の上面130aの全体を上部緩衝材140によって覆うことで、下部緩衝材130と上部緩衝材140との間にちりやほこりが侵入するのを防止することができる。したがって、本実施形態の内視鏡ケース100によれば、下部緩衝材130に設けられた保持部131に保持され、上部緩衝材140に覆われた内視鏡200にちりやほこりが付着するのを防止することができる。
図9は、図4に示す内視鏡200と、その内視鏡200を備えた内視鏡システムの構成の一例を示す概略構成図である。以下では、まず、本実施形態の内視鏡ケース100に収納される内視鏡200の一例について詳細に説明し、次に、その内視鏡200を備えた内視鏡システム300の構成の一例について詳細に説明する。
(内視鏡)
前述の内視鏡ケース100に収納される医療用の内視鏡200は、たとえば、硬質樹脂からなる操作部210と、この操作部210に接続された挿入部220およびユニバーサルチューブ230と、このユニバーサルチューブ230に接続されたコネクタ部240と、を備えている。以下では、操作部210から延びる挿入部220の先端側を内視鏡200の前方側とし、操作部210から延びるユニバーサルチューブ230の末端側を内視鏡200の後方側とする内視鏡200の前後方向に基づいて、内視鏡200の各部を説明する場合がある。
前述の内視鏡ケース100に収納される医療用の内視鏡200は、たとえば、硬質樹脂からなる操作部210と、この操作部210に接続された挿入部220およびユニバーサルチューブ230と、このユニバーサルチューブ230に接続されたコネクタ部240と、を備えている。以下では、操作部210から延びる挿入部220の先端側を内視鏡200の前方側とし、操作部210から延びるユニバーサルチューブ230の末端側を内視鏡200の後方側とする内視鏡200の前後方向に基づいて、内視鏡200の各部を説明する場合がある。
挿入部220は、たとえば、操作部210から前方へ向けて、可撓管部221と接続部222と湾曲部223と先端硬質部224とを有している。可撓管部221は、操作部210から前方に延び、可撓性を有している。接続部222は、挿入部220と湾曲部223とを接続している。接続部222は、たとえばABS樹脂、変性ポリフェニレンオキシド(PPO)樹脂、ポリスルホン(PSU)樹脂などの硬質の樹脂材料を素材とする円筒状の部材である。接続部222は、操作部210から延びる比較的に大径の可撓管部221と、挿入部220の前端部の比較的に小径の湾曲部223とを接続している。
接続部222は、たとえば湾曲部223が接続された前端面に、図示を省略する対物レンズが設けられている。この対物レンズの後方に隣接して、接続部222の内部に複数のレンズが設けられ、これら複数のレンズの後方に隣接して、接続部222の内部に撮像素子が設けられている。この接続部222の内部の撮像素子は、たとえば、挿入部220、操作部210、ユニバーサルチューブ230、およびコネクタ部240に通された画像信号用ケーブルを介して、コネクタ部240に突設された画像処理用接続スリーブ241に接続されている。
また、接続部222は、たとえば前端面の対物レンズの両側に、図示を省略する照明用レンズが設けられている。この照明用レンズは、挿入部220、操作部210、ユニバーサルチューブ230、および、コネクタ部240に通されたライトガイドファイバを介して、コネクタ部240に突設された光源用接続スリーブ242に接続されている。
湾曲部223は、接続部222の前端面に接続されている。湾曲部223は、操作部210の上下湾曲操作レバー211と、左右湾曲操作レバー212によって上下左右に湾曲可能に構成されている。具体的には、たとえば湾曲部223の内部に設けられ、湾曲部223を上下左右に湾曲させる湾曲機構が、挿入部220および操作部210に通されたワイヤを介して上下湾曲操作レバー211と、左右湾曲操作レバー212に接続されている。
先端硬質部224は、湾曲部223の前端に設けられている。先端硬質部224は、湾曲部223と同径のおおむね円柱形状を有する部材である。先端硬質部224の素材は、たとえばABS樹脂、変性PPO樹脂、PSU樹脂などの硬質樹脂材料である。先端硬質部224は、前端面に、図示を省略する対物レンズが設けられている。この対物レンズの後方に隣接して、先端硬質部224の内部に、複数のレンズと、これら複数のレンズの後方に隣接して、撮像素子が設けられている。先端硬質部224の内部の撮像素子は、挿入部220、操作部210、ユニバーサルチューブ230、およびコネクタ部240の内部に通された画像信号用ケーブルを介して、コネクタ部240に突設された画像処理用接続スリーブ241に接続されている。
また、先端硬質部224は、前端面の対物レンズの両側に照明用レンズが設けられている。この照明用レンズは、挿入部220、操作部210、およびユニバーサルチューブ230の内部に通されたライトガイドファイバを介して、コネクタ部240の光源用接続スリーブ242に接続されている。さらに先端硬質部224は、たとえば、前端面に、図示を省略する処置具挿通孔と副送水噴射孔と送気送水ノズルとを有している。この送気送水ノズルは、挿入部220、操作部210、ユニバーサルチューブ230、およびコネクタ部240の内部に通された送水チューブおよび送気チューブを介して、コネクタ部240に突設された送気送水用口金243に接続されている。送水チューブおよび送気チューブは、操作部210の送気送水ボタン213の操作によって、内部を流れる流体の流量を調整できるように構成されている。
(内視鏡システム)
最後に、本実施形態の内視鏡ケース100に収容される前述の内視鏡200を備えた内視鏡システム300の一例について、詳細に説明する。
最後に、本実施形態の内視鏡ケース100に収容される前述の内視鏡200を備えた内視鏡システム300の一例について、詳細に説明する。
内視鏡システム300は、たとえば内視鏡200、プロセッサ310、およびモニタ320を備えている。内視鏡200は、たとえばコネクタ部240がプロセッサ310の接続部に接続される。これにより、内視鏡200のコネクタ部240に突設された画像処理用接続スリーブ241および光源用接続スリーブ242が、プロセッサ310に内蔵された画像処理回路や光源等に接続される。
また、内視鏡200は、たとえばコネクタ部240の送気送水用口金243に、図示を省略する給気および送水を行う流体供給源に接続された送気送水パイプが接続される。モニタ320は、たとえば液晶表示装置などの画像表示装置であり、プロセッサ310に接続されている。プロセッサ310は、たとえばメインスイッチ311、照明スイッチ312、および画像切り換えスイッチ313を有している。
このような構成を備えた内視鏡システム300は、たとえば以下の手順によって使用することができる。まず、メインスイッチ311を押下してオンにし、照明スイッチ312を押下してオンにし、さらに画像切り換えスイッチ313を切り替えて第1の切り替え位置にする。照明スイッチ312をオンにすると、プロセッサ310内の光源が発光する。
プロセッサ310内の光源から発せられた光は、プロセッサ310に接続された内視鏡200のコネクタ部240の光源用接続スリーブ242を介して、ライトガイドファイバに導入される。ライトガイドファイバに導入された光源からの光は、ユニバーサルチューブ230、操作部210、および挿入部220に通されたライトガイドファイバを介して、接続部222の前端面の照明用レンズおよび先端硬質部224の前端面の照明用レンズに到達し、前方に向けて照射される。
また、メインスイッチ311をオンにすると、内視鏡200の接続部222内の撮像素子および先端硬質部224内の撮像素子が起動する。これにより、内視鏡200の接続部222の前端面および先端硬質部224の前端面の対物レンズの前方に位置する被写体の像が、接続部222および先端硬質部224の内部の対物レンズおよび複数レンズを通して撮像素子によって撮影される。この撮像素子によって撮影された被写体の像の画像データは、挿入部220、操作部210、およびユニバーサルチューブ230に通された画像信号用ケーブルを介してプロセッサ310内の画像処理回路に送られ、この画像処理回路によって画像処理が行われる。
プロセッサ310は、内視鏡200の接続部222内の撮像素子によって撮影された画像データに基づいて第1画像処理データを生成し、内視鏡200の先端硬質部224内の撮像素子によって撮像された画像データに基づいて第2画像処理データを生成する。プロセッサ310は、画像切り換えスイッチ313が第1の切り換え位置にあるときには、モニタ320に第1画像処理データを送り、画像切り換えスイッチ313が第2の切り換え位置にあるときには、モニタ320に第2画像処理データを送る。これにより、モニタ320に表示させる画像を、内視鏡200の接続部222の前方画像と、内視鏡200の先端硬質部224の前方の画像に切り換えることができる。
また、内視鏡200の操作部210の送気送水ボタン213の上面に形成した空気逃がし孔を塞ぐと、流体供給源から供給された圧縮空気が先端硬質部224の前端面に設けられた送気送水ノズルから隣接する対物レンズの表面に噴射される。さらに送気送水ボタン213の空気逃がし孔を塞ぎながら送気送水ボタン213を押下すると、流体供給源から供給された洗浄水が送水用パイプを介して送気送水ノズルに送水され、隣接する対物レンズの表面に噴射される。
以上、図面を用いて本考案の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本考案に含まれるものである。
100 内視鏡ケース
110 外箱
110a 開口部
111 底壁
112 側壁
113 上蓋
114 連結部
120 緩衝材
130 下部緩衝材
130a 上面
131 保持部
139 閉塞部
140 上部緩衝材
140a 上面
140b 下面
142 枠状部
143a 凹部
143b 凹部
148 把持部
148a 把持凹部
149 貫通孔
200 内視鏡
110 外箱
110a 開口部
111 底壁
112 側壁
113 上蓋
114 連結部
120 緩衝材
130 下部緩衝材
130a 上面
131 保持部
139 閉塞部
140 上部緩衝材
140a 上面
140b 下面
142 枠状部
143a 凹部
143b 凹部
148 把持部
148a 把持凹部
149 貫通孔
200 内視鏡
Claims (9)
- 内視鏡を収納するための内視鏡ケースであって、
段ボール紙を素材とする外箱と、該外箱に収容され発泡樹脂を素材とする緩衝材と、を備え、
前記外箱は、底壁と、該底壁の周囲に立設された側壁と、該側壁によって画定され該側壁の上端に開口する開口部と、該開口部を開閉可能な上蓋と、該上蓋の一端を前記側壁に連結する連結部と、を有し、
前記緩衝材は、前記底壁に隣接して配置された下部緩衝材と、前記上蓋に隣接して配置された上部緩衝材とを有し、
前記下部緩衝材は、前記内視鏡を保持する凹状の保持部を有し、
前記上部緩衝材は、前記保持部を含む前記下部緩衝材の上面を覆い、前記上蓋に対向する上面の中央部に凸状の把持部を有することを特徴とする内視鏡ケース。 - 前記把持部は、前記上部緩衝材の前記上面に沿う方向に凹設された把持凹部を有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡ケース。
- 前記上部緩衝材は、前記下部緩衝材に対向する下面に開口され、前記把持部の前記把持凹部に連通する貫通孔を有し、
前記下部緩衝材は、前記上部緩衝材へ向けて突出し、前記貫通孔を閉塞する凸状の閉塞部を有することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡ケース。 - 前記閉塞部は、前記上部緩衝材の前記貫通孔に嵌合して前記把持凹部まで延び、前記把持凹部の内壁を構成することを特徴とする請求項3に記載の内視鏡ケース。
- 前記閉塞部は、前記把持凹部の上壁に当接することを特徴とする請求項4に記載の内視鏡ケース。
- 前記閉塞部は、前記上部緩衝材の下面に当接して前記貫通孔を閉塞することを特徴とする特徴とする請求項3に記載の内視鏡ケース。
- 前記貫通孔の幅は、前記把持部の幅と等しいかまたは前記把持部の幅よりも大きく、
前記貫通孔の開口縁は、前記把持凹部の開口の位置または該開口の外側に位置することを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか一項に記載の内視鏡ケース。 - 前記上部緩衝材は、前記上蓋に対向する前記上面の周縁部に凸状の枠状部を有することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の内視鏡ケース。
- 前記把持部は、前記上部緩衝材の前記上面を横断するように延び、該把持部の両端部が前記枠状部に連結され、前記上部緩衝材の前記上面に前記枠状部と前記把持部によって囲まれた凹部が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の内視鏡ケース。
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JP (1) | JP3210526U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018179601A1 (ja) * | 2017-03-31 | 2018-10-04 | Hoya株式会社 | 内視鏡ケース |
-
2017
- 2017-03-09 JP JP2017001042U patent/JP3210526U/ja active Active
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2018179601A1 (ja) * | 2017-03-31 | 2018-10-04 | Hoya株式会社 | 内視鏡ケース |
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