JP3209718B2 - 反射型液晶表示素子 - Google Patents

反射型液晶表示素子

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JP3209718B2
JP3209718B2 JP13487798A JP13487798A JP3209718B2 JP 3209718 B2 JP3209718 B2 JP 3209718B2 JP 13487798 A JP13487798 A JP 13487798A JP 13487798 A JP13487798 A JP 13487798A JP 3209718 B2 JP3209718 B2 JP 3209718B2
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久典 山口
鉄 小川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、明るく、コントラ
ストの高く、視野角の広い、反射型液晶表示素子に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】携帯電話、PHS、PDA(携帯情報端
末)等の情報通信機器の急速な普及に伴い、時・場所を
選ばず、誰でも気軽にアクセス・発信できるインフラが
整いつつある。これらはモバイル用途が前提であるた
め、軽量、薄型、低消費電力の表示素子が求められてお
り、現在、液晶表示素子がその中心となっている。液晶
表示素子は、数ボルトの実効電圧で液晶分子を駆動させ
ることにより光の透過強度を変化させて表示を行うが、
液晶は非発光物質であるので他に何らかの光源が必要と
なる。光源には、液晶駆動用電力に比べ非常に大きな電
力を供給する必要があるが、液晶表示素子の下側に反射
板を備えて周囲光を利用して表示させる反射型液晶表示
素子とすることにより、極めて消費電力が低く液晶本来
の特徴を活かした表示素子が実現できる。反射型液晶表
示素子は携帯情報端末のディスプレイの一つとして不可
欠なものとなりつつある。
【0003】しかし、反射型液晶表示素子は周囲光を利
用して表示するために、表示素子への入射光の正反射方
向以外には十分な明るさが得られないという問題を有し
ていた。そこで、視角特性を広げるために、正反射方向
以外に光を拡散させる散乱フィルム等を用いた構成が提
案されている。
【0004】従来の反射型液晶表示素子としては、例え
ば特開平8−201802号公報に記載された前方散乱
フィルムを用いたもの(以下、「従来構成A」とい
う。)や、特開平8−338993号公報に記載された
上部基板側等に形成された凸凹により散乱特性を付与し
たもの(以下、「従来構成B」という。)が知られてい
る。図6は従来構成Aの反射型液晶表示素子の構造を示
すものであり、50は前方散乱フィルム、51は偏光
子、52は複屈折フィルム、53は液晶セル、54は透
明基板、55はカラーフィルタ、56は透明電極、57
は液晶層、58は鏡面反射板、59は下側基板である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来構成
Bのように凸凹により散乱特性を付与した場合には、周
囲光の反射型液晶表示素子への入射の際に後方散乱が生
じる。それにより黒表示での反射率が十分に低くならな
いため、高いコントラストが得られないという課題が生
じる。
【0006】また、従来構成Bの場合の他、前記従来構
成Aのように前方散乱フィルムを用いた構成の場合にお
いても、散乱角度領域が全方位方向であるために、散乱
フィルムにより全方位方向へ光が拡散され、液晶表示素
子からの出射光のうち観察者の見ない方向にまで光が拡
散される。このため、出射光が有効に活用されず、観察
者の見る方向において白表示での十分な明るさが得られ
ずにコントラストが低下するという課題が生じる。ま
た、観察者の主観察方向である反射型液晶表示素子の法
線方向において散乱フィルムからの出射時に光が拡散さ
れ、画像のにじみが生じるという課題がある。
【0007】また、散乱特性に方向性がある散乱フィル
ムを用いると、反射型液晶表示素子の視角特性が非対称
になるという課題が生じる。
【0008】本発明は、かかる事情に鑑み、白表示が明
るく、高いコントラストが得られ、画像ぼけが抑制さ
れ、さらに対称な視角特性を有する反射型液晶表示素子
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するべ
く、本発明の反射液晶表示素子は、一対の基板間に液晶
を封入した液晶セルと、前記液晶セルの一方の基板側に
配置された偏光フィルムと、この偏光フィルムと前記液
晶セルとの間に配置された複屈折フィルム層と、前記一
方の基板側に配置された散乱フィルム層と、前記液晶セ
ルの他方の基板側に配置された光反射手段とを備えた反
射型液晶表示素子において、前記散乱フィルム層が、少
なくとも2枚の前方散乱フィルムを有し、 前記前方散乱
フィルムは、第1の入射角領域からの透過光の散乱より
も第2の入射角領域からの透過光の散乱が強く、 前記前
方散乱フィルムの第2の入射角領域を、フィルムへの入
射光方向とフィルム法線とがす角度θ(0°≦θ≦9
0°)および前記入射光方向のフィルム面への射影成
分とフィルム面内基準方位とがす角度φ(0°≦φ<
360°)により表示したときに、前記θの上限値が同
一である少なくとも2枚の前記前方散乱フィルムを、前
記φの中心値により表示される主散乱方位が互いに相違
し、かつ前記第2の入射角領域が60°≦Φ≦300°
の範囲内となるように、配置したことを特徴とする。
だし、角度Φは、入射光方向の散乱フィルム層面上への
射影成分とフィルム層面内基準方位(前記反射型液晶表
示素子の主観察方位;Φ=0°)とがなす角度(0°≦
Φ<360°)である。
【0010】このような構成とすることにより、観察方
向以外の角度方向からの入射光を拡散して観察方向に集
光して反射率の高い良好な白表示を提供し、高いコント
ラストを実現できるとともに、視角特性の対称性にも優
れた反射型液晶表示素子を提供することができる。
【0011】前記反射型液晶表示素子においては、第
の入射角領域のθの上限値および下限値が同一である少
なくとも2枚の前方散乱フィルムを配置したことが好ま
しい。さらに視覚特性の対称性に優れた反射型液晶表示
素子を得ることができるからである。
【0012】また、前記反射型液晶表示素子において
は、前方散乱フィルムの第1の入射角領域がフィルム法
線方向を含み、第2の入射角領域がフィルム法線方向を
含まないことが好ましい。この好ましい例によれば、観
察者の主観察方向である反射型液晶表示素子の法線方向
において画像ぼけが生じず、鮮明な画像が得られる反射
型液晶表示素子を提供することができる。
【0013】また、前記反射型液晶表示素子において
は、前方散乱フィルムの第1の入射角領域からの透過光
の散乱特性と、第2の入射角領域からの透過光の散乱特
性とがヘイズ率で表示して45%以上相違することが好
ましい。
【0014】ここで、ヘイズ率とは、(散乱光透過率)
/(全光線透過率)×100[%]により定義される値
をいう。
【0015】さらに具体的には、前方散乱フィルムの
1の入射角領域からの透過光の散乱特性がヘイズ率で表
示して20%以下であることが好ましい。この好ましい
例によれば、観察者の主観察方向である反射型液晶表示
素子の法線方向における画像ぼけをさらに効果的に抑制
することができる。同様の観点から、前記第1の入射角
領域からの透過光についてのヘイズ率は、10%以下で
あることがさらに好ましい。
【0016】また、前方散乱フィルムの第2の入射角領
域からの透過光の散乱特性がヘイズ率で表示して50%
以上であることが好ましい。この好ましい例によれば、
主観察方向以外の角度方向からの入射光を主観察方向に
効果的に集光して、さらに反射率の高い白表示を得るこ
とができる。同様の観点から、前記第2の入射角領域か
らの透過光についてのヘイズ率は、60%以上であるこ
とがさらに好ましい。
【0017】また、前記反射型液晶表示素子において
は、前方散乱フィルムの第2の入射角領域が、角度θに
より表示して、5°≦θ≦90°の範囲内にあることが
好ましい。この好ましい例によれば、少なくとも0°≦
θ<5°の領域からの観察者に対して画像ぼけが抑制さ
れた良好な画質を提供することができる。同様の観点か
ら、前記第2の入射角領域は、10°≦θ≦90°の範
囲内にあることがさらに好ましい。
【0018】また、前方散乱フィルムは、第2の入射角
領域が、角度Φにより表示して、90°≦Φ≦270°
の範囲内となるように配置することが好ましい。この好
ましい例によれば、少なくとも、0°≦Φ<90°およ
び270°<Φ<360°の領域からの観察者に対して
画像ぼけが抑制された明るい良好な画質を提供すること
ができる。角度Φは、各前方散乱フィルムの角度φの範
と各前方散乱フィルムの配置により定る。
【0019】こで、前方散乱フィルムとは、前方散乱
特性を有するが後方散乱特性がほとんどない散乱フィル
ムをいう。前方散乱フィルムとしては、全光線透過率が
90%以上のものが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。 (第1の実施の形態)図1は第1の実施の形態における
反射型液晶表示素子の断面図を示すものである。図1に
おいて、10は第1の前方散乱フィルム10aおよび第
2の前方散乱フィルム10bおよび第3の前方散乱フィ
ルム10cからなる前方散乱フィルム層、11は偏光フ
ィルム(偏光子)、12は複屈折フィルム層、13は液
晶セル、14は上側透明基板、15はカラーフィルタ、
16は透明電極、17は液晶層、18は鏡面反射板(金
属反射電極)、19は下側基板を示す。
【0021】図2は前方散乱フィルムへの入射光の角度
を定義する概念図である。20は前方散乱フィルム、2
1は前方散乱フィルムへの入射光方向、22は前方散乱
フィルムの法線方向、23はフィルム面内基準線であ
る。また、図示したように、角度θは入射光方向21と
フィルム法線方向22とが為す角度、角度φはフィルム
面内基準線23と入射光方向21のフィルム面上への射
影成分24とが為す角度である。
【0022】上側透明基板14および下側基板19とし
てガラス基板を用い、上側透明基板14上に、カラーフ
ィルタ15として顔料分散タイプで赤、緑、青のストラ
イプ配列のものをフォトリソグラフィーで形成し、その
上に、透明電極16としてインジウム・錫・オキサイド
(ITO)で画素電極を形成した。また下側基板19上
には、銀を蒸着したものを形成することで鏡面反射板1
8として金属反射電極を形成した。また、透明電極16
および金属反射電極18上にはラビングによって配向処
理を行った配向膜を形成した。
【0023】そして、上側透明基板14上の周囲部分に
はガラスファイバを混入した熱硬化性シール樹脂を印刷
し、下側基板19上には直径4.5μmの樹脂ビーズを
散布し、上側透明基板14と下側基板19を互いに貼り
合わせ、150℃でシール樹脂を硬化した。その後、Δ
n=0.14のエステル系ネマティック液晶を真空注入
し、紫外線硬化性樹脂で封口した後、紫外線により硬化
した。
【0024】こうして形成した液晶セル13の上側透明
基板14の上に、前方散乱フィルム10aとして、住友
化学工業(株)製の前方散乱フィルム(商品名「ルミス
ティ」)であって、0°≦θ≦50°の範囲からの入射
光21に対してヘイズ率が60%以上となり、その他の
領域からの入射光についてのヘイズ率が10%以下とな
るフィルムを、ヘイズ率が60%となる範囲の主散乱方
位がΦ=135°となるように貼り合わせた。ここで、
主散乱方位とは、ヘイズ率が60%以上となる領域の中
心方位をいう。
【0025】さらにこのフィルム10aの上に、前方散
乱フィルム10bとして、前記フィルム10aと同じも
のをヘイズ率60%以上となる範囲の主散乱方位がΦ=
225°となるように貼り合わせた。
【0026】また、さらにこのフィルム10bの上に入
射光についてのヘイズ率が10%である等方性散乱フィ
ルム10cを貼り合わせた。その上に複屈折フィルム層
12としてリタデーション値が490nmのものを遅相
軸が上側透明基板14のラビング方向と直交するように
貼り合わせ、さらにその上に偏光フィルム11を吸収軸
が上側基板14のラビング方向と45度の角度を為すよ
うに貼り合わせた。
【0027】以上の構成により、電圧無印加時に黒表示
となるノーマリーブラックモードの反射型カラー液晶表
示素子が得られた。このような反射型液晶表示素子によ
れば、散乱特性がフィルム法線を含む特定の面について
非対称であり、透過光を相対的に強く散乱させる入射角
領域の終端角(角度θの上限値)が同一である少なくと
も2枚の散乱フィルム(散乱フィルム10a、散乱フィ
ルム10b)を上記主散乱方位が相違するように積層す
ることにより、視角等の散乱特性を対称にするととも
に、観察者の主観察方向へ周囲光を効率的に集光させ反
射率の高い白表示を得ることができる。また、用いた散
乱フィルムは、後方散乱特性がほとんどないため、反射
率の低い黒表示も実現でき、高いコントラストを有する
反射型液晶表示素子とすることができる。
【0028】なお、散乱フィルムの散乱特性が反射型液
晶表示素子の視角特性には、透過光を強く散乱させる入
射角領域の開始角(角度θの下限値)よりも終端角(角
度θの上限値)の方が強く影響する。
【0029】このような反射型液晶表示素子とすること
により、具体的には、正面特性でコントラスト11.
1、白表示のY値換算での反射率13.8%という良好
な特性が得られた。また、視角特性についても、図3に
示すように、Φ=90°とΦ=270°の相対する方向
について、対称なコントラスト特性が得られた。
【0030】(第2の実施の形態)第2の実施の形態の
反射型液晶表示素子の構造および作製法は、基本的には
第1の実施の形態と同様であって、第3の散乱フィルム
10cが含まれない点を除いては図1に示した構造と同
様の断面構造を有する。 ただし、本実施の形態では、
前方散乱フィルム層10として、住友化学工業(株)製
の前方散乱フィルム(商品名「ルミスティ」)であっ
て、0°≦θ≦50°の範囲からの入射光21に対して
ヘイズ率が60%以上となり、その他の領域からの入射
光についてのヘイズ率が10%以下となる2枚のフィル
ムを、ヘイズ率が60%となる範囲の主散乱方位が、そ
れぞれΦ=135°、225°となるように貼り合わせ
た。
【0031】その上に第1の実施の態様と同様にして、
複屈折フィルム層12と偏光フィルム11とを順に貼り
合わせた。
【0032】以上の構成により、電圧無印加時に黒表示
となるノーマリーブラックモードの反射型カラー液晶表
示素子が得られた。このような反射型液晶表示素子によ
れば、散乱特性がフィルム法線を含む特定の面について
非対称であり、透過光を相対的に強く散乱させる入射角
領域の終端角が同一である少なくとも2枚の散乱フィル
ム(散乱フィルム10a、散乱フィルム10b)を上記
主散乱方位が相違するように積層することにより、視角
等の散乱特性を対称にするとともに、観察者の主観察方
向へ周囲光を効率的に集光させ反射率の高い白表示を得
ることができる。また、用いた散乱フィルムは、後方散
乱特性がほとんどないため、反射率の低い黒表示も実現
でき、高いコントラストを有する反射型液晶表示素子と
することができる。
【0033】このような反射型液晶表示素子とすること
により、具体的には、正面特性でコントラスト11.
5、白表示のY値換算での反射率14.7%というより
良好な特性が得られた。また、視角特性についても、図
3と同様、Φ=90°、Φ=270°の両方向について
対称なコントラスト特性が得られた。
【0034】(第3の実施の形態)第3の実施の形態の
反射型液晶表示素子の構造および作製法は、基本的には
第1の実施の形態と同様であって、第3の散乱フィルム
10cが含まれない点を除いては図1に示した構造と同
様の断面構造を有する。
【0035】ただし、本実施の形態では、前方散乱フィ
ルム層10として、住友化学工業(株)製の前方散乱フ
ィルム(商品名「ルミスティ」)であって、10°≦θ
≦60°の範囲からの入射光21に対してヘイズ率が6
0%以上となり、その他の領域からの入射光についての
ヘイズ率が10%以下となる2枚のフィルムを、ヘイズ
率が60%となる範囲の主散乱方位が、それぞれΦ=1
30°、230°となるように貼り合わせた。
【0036】その上に第1の実施の態様と同様にして、
複屈折フィルム層12と偏光フィルム11とを順に貼り
合わせた。
【0037】以上の構成により、電圧無印加時に黒表示
となるノーマリーブラックモードの反射型カラー液晶表
示素子が得られた。このような反射型液晶表示素子によ
れば、散乱特性がフィルム法線を含む特定の面について
非対称であり、透過光を相対的に強く散乱させる入射角
領域の終端角が同一である少なくとも2枚の散乱フィル
ム(散乱フィルム10a、散乱フィルム10b)を上記
主散乱方位が相違するように積層することにより、視角
等の散乱特性を対称にするとともに、観察者の主観察方
向へ周囲光を効率的に集光させ反射率の高い白表示を得
ることができる。また、用いた散乱フィルムは、後方散
乱特性がほとんどないため、反射率の低い黒表示も実現
でき、高いコントラストを有する反射型液晶表示素子と
することができる。
【0038】このような反射型液晶表示素子とすること
により、具体的には、正面特性でコントラスト12.
1、白表示のY値換算での反射率14.0%という良好
な表示特性が得られた。
【0039】特に、0°≦θ≦5°の領域において、画
像ぼけが弱まったことが確認された。
【0040】また、前方散乱フィルム層10として、入
射光に対してヘイズ率が60%以上である散乱領域が、
それぞれ、5°≦θ≦55°、8°≦θ≦58°、15
°≦θ≦65°、20°≦θ≦70°のフィルムを用い
て、反射型液晶表示素子を作製し観察したところ、散乱
角度領域が法線方向から遠ざけたものを用いるほど、主
観察方向である反射型液晶表示素子の法線方向において
画像ぼけが益々弱くなり、より鮮明な画像を得られるこ
とが確認された。
【0041】(第4の実施の形態)第4の実施の形態の
反射型液晶表示素子の構造および作製法は、基本的には
第1の実施の形態と同様であって、第3の散乱フィルム
10cが含まれない点を除いては図1に示した構造と同
様の断面構造を有する。 ただし、本実施の形態では、
前方散乱フィルム層10として、住友化学工業(株)製
の前方散乱フィルム(商品名「ルミスティ」)であっ
て、10°≦θ≦60°の範囲からの入射光21に対し
てヘイズ率が60%以上となり、その他の領域からの入
射光についてのヘイズ率が10%以下である2枚のフィ
ルムを、ヘイズ率が60%となる範囲の主散乱方位が、
それぞれΦ=150°、210°となるように貼り合わ
せた。
【0042】その上に第1の実施の態様と同様にして、
複屈折フィルム層12と偏光フィルム11とを順に貼り
合わせた。
【0043】2枚の前方散乱フィルムにより、ヘイズ率
が60%以上となっている範囲は、図4に示したよう
に、10°≦θ≦60°、90°≦Φ≦270°の範囲
内28にある。また、本実施の形態の反射型液晶表示素
子は、Φ=0°が観察者29からの主観察方位として適
するように設計されている。
【0044】このような反射型液晶表示素子とすること
により、具体的には正面特性でコントラスト11.5、
白表示のY値換算での反射率14.8%という良好な表
示特性が得られただけでなく、広範囲において画像ぼけ
が弱くなり非常に鮮明な画像が得られた。また、視角特
性についても、図3と同様、Φ=90°、Φ=270°
方向について対称なコントラスト特性が得られた。
【0045】すなわち、図5に示したように、散乱範囲
28からの入射光41は前方散乱フィルム層10を透過
する際に散乱して散乱光42となり、境面反射板18に
より反射して反射光43となる。観察者方向に進行する
反射光43は、入射光41と異なり、前方散乱フィルム
層10を透過する際にはほとんど散乱されることがな
い。このように、前方散乱フィルム層10は、周囲光を
観察者方向に集光して有効に利用するとともに、観察者
方向に進行する反射光をほとんど散乱させることなく透
過させて画像ぼけを抑制する。本実施の形態において
は、特に10°≦θ≦60°の範囲の入射光41を散乱
させながら、主観察方向を含む方向(0°≦Φ<90
°、270°<Φ<360°;0°≦θ<10°)への
反射光がほとんど散乱することなく進行するようにした
ので、広範囲において鮮明な画像を得ることができた。
【0046】なお、前記各実施の形態において、液晶セ
ルとしてはこのモードに限定されることなく、薄膜トラ
ンジスタ(TFT)によるアクティブ駆動を採用した反
射型液晶表示素子等、駆動形式に関わらず、実質的に同
様な効果を得ることができる。また、前記各実施の形態
において、鏡面反射板18として銀を構成要素として含
む金属反射電極を用いたが、これに限ることなく、例え
ばアルミニウムを構成要素として含む金属反射電極など
を用いても同様の効果を得ることができる。また、前記
各実施の形態において、前方散乱フィルムとしてヘイズ
率が所定の散乱範囲において60%以上となるものを用
いたが、これに限ることなく、ヘイズ値が所定の散乱範
囲において50%以上となる前方散乱フィルムを用いて
もよく、また、ヘイズ率が高くなる所定の散乱範囲も、
Δθ=50°のフィルムに限ることなく各種の散乱フィ
ルムを用いることができる。なお、ここでは異方性を有
する前方散乱フィルムを2枚用いたが、これに限定され
るものではなく、3枚以上の複数枚の構成においても同
様な効果を得ることができる。
【0047】また、前記各実施の形態において、前方散
乱フィルムの反射型液晶表示素子での位置は図1に示す
位置としたが、本発明のねらいとする効果は必ずしもこ
の位置に限って得られるものではなく、例えば第2の前
方散乱フィルム10aが偏光フィルム11と複屈折フィ
ルム層12の間に設けられたとしても同様の効果が得ら
れることに変わりはない。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば
角特性の対称性に優れ、観察方向以外の角度方向から
の入射光を拡散して観察方向に集光して反射率の高い良
好な白表示を提供し、高いコントラストを実現できると
いう有利な効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の反射型液晶表示素子の例の構成を示
す断面図である。
【図2】 本発明の反射型液晶表示素子の構成要素とな
る散乱フィルムへの入射光の角度の定義を説明するため
の散乱フィルムの斜視図である。
【図3】 本発明の反射型液晶表示素子の例のコントラ
ストの視角特性を示す図である。
【図4】 散乱フィルムの散乱範囲の例を説明するため
の散乱フィルムの平面図である。
【図5】 本発明の反射型液晶表示素子の入射光と反射
光の散乱特性を説明するための液晶表示素子の概念的な
断面図である。
【図6】 従来の反射型液晶表示素子の構成例を示す断
面図である。
【符号の説明】
10 前方散乱フィルム層 10a 第1の前方散乱フィルム 10b 第2の前方散乱フィルム 10c 第3の前方散乱フィルム 11 偏光フィルム 12 複屈折フィルム層 13 液晶セル 14 上側透明基板 15 カラーフィルタ 16 透明電極 17 液晶層 18 鏡面反射板 19 下側基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 鉄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−73618(JP,A) 特開 平8−87006(JP,A) 特開 平9−33882(JP,A) 特開 平9−113893(JP,A) 特開 平10−39285(JP,A) 特開 平11−287991(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1335 G09F 9/00 - 9/46

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の基板間に液晶を封入した液晶セル
    と、前記液晶セルの一方の基板側に配置された偏光フィ
    ルムと、この偏光フィルムと前記液晶セルとの間に配置
    された複屈折フィルム層と、前記一方の基板側に配置さ
    れた散乱フィルム層と、前記液晶セルの他方の基板側に
    配置された光反射手段とを備えた反射型液晶表示素子に
    おいて、 前記散乱フィルム層が、少なくとも2枚の前方散乱フィ
    ルムを有し、 前記前方散乱フィルムは、第1の入射角領域からの透過
    光の散乱よりも第2の入射角領域からの透過光の散乱が
    強く、 前記前方散乱フィルムの第2の入射角領域を、 フィルム
    への入射光方向とフィルム法線とがす角度θ(0°≦
    θ≦90°)および前記入射光方向のフィルム面への
    射影成分とフィルム面内基準方位とがす角度φ(0°
    ≦φ<360°)により表示したときに、 前記θの上限値が同一である少なくとも2枚の前記前方
    散乱フィルムを、前記φの中心値により表示される主散
    乱方位が互いに相違し、かつ前記第2の入射角領域が6
    0°≦Φ≦300°の範囲内となるように、配置した
    とを特徴とする反射型液晶表示素子。ただし、角度Φは、入射光方向の前記散乱フィルム層面
    上への射影成分と、前記反射型液晶表示素子の主観察方
    位であるフィルム層面内基準方位(Φ=0°)とがなす
    角度(0°≦Φ<360°)である。
  2. 【請求項2】 2の入射角領域のθの上限値および下
    限値が同一である少なくとも2枚の前方散乱フィルム
    配置した請求項1に記載の反射型液晶表示素子。
  3. 【請求項3】 前方散乱フィルムの第1の入射角領域が
    フィルム法線方向を含み、前記前方散乱フィルムの第2
    の入射角領域がフィルム法線方向を含まない請求項1ま
    たは2に記載の反射型液晶表示素子。
  4. 【請求項4】 前方散乱フィルムの第1の入射角領域か
    らの透過光の散乱特性と、前記前方散乱フィルムの第2
    の入射角領域からの透過光の散乱特性とがヘイズ率で表
    示して45%以上相違する請求項1〜3のいずれかに記
    載の反射型液晶表示素子。
  5. 【請求項5】 前方散乱フィルムの第1の入射角領域か
    らの透過光の散乱特性が、ヘイズ率で表示して20%以
    下である請求項1〜4のいずれかに記載の反射型液晶表
    示素子。
  6. 【請求項6】 前方散乱フィルムの第2の入射角領域か
    らの透過光の散乱特性が、ヘイズ率で表示して50%以
    上である請求項1〜5のいずれかに記載の反射型液晶表
    示素子。
  7. 【請求項7】 前方散乱フィルムの第2の入射角領域が
    5°≦θ≦90°の範囲内にある請求項1〜6のいずれ
    かに記載の反射型液晶表示素子。
  8. 【請求項8】 2の入射角領域が90°≦Φ≦270
    °の範囲内となるように前方散乱フィルムを配置した
    求項1〜7のいずれかに記載の反射型液晶表示素子。た
    だし、Φは、前記と同様である。
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