JP3208393U - X線ctシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】金属の正確な特徴付けが可能になるX線CTシステムを提供する。【解決手段】X線CTシステム200は、多色X線ビーム103を生成するX線源システム102と、サンプル114を保持するためのサンプルホルダ112を有する回転台110とを有するX線撮像システムを含む。画像またはX線投影画は、検出器システム118によって取込まれる。コンピュータシステム124は、これらの画像を受取って処理し、システム200の一般的な制御を行う。コンピュータシステム124は、画像プロセッサ120と、ユーザインターフェイスアプリケーション126とを含む。コンピュータシステム124に接続されたディスプレイ装置136は、X線CTシステム200からの情報を、コンピュータシステム124のユーザインターフェイスアプリケーション126に、表示する。【選択図】図2

Description

本開示は、X線CTシステムに関する。
考案の背景
X線コンピュータ断層撮影法(computed tomography:CT)は、サンプルの内部構造を検査および分析するための非破壊的な技術である。一般に、X線は、サンプルを通過する際にサンプルによって吸収または散乱される。吸収または散乱されなかったX線は、サンプルを透過し、次いで検出器システムによって検出される。検出器システムにおいて形成される画像は、X線投影画として知られている。断層ボリュームデータセットは、標準的なCT再構成アルゴリズムによって、さまざまな角度における一連のこれらの投影画から再構成される。X線断層撮影システムは、しばしば、断層ボリュームデータセットの二次元断面画像または「スライス」の形態でこれらの断層ボリュームを提示する。
いくつかのX線断層撮影システムは、X線投影画を生成するために多色X線ビームを利用する。多色X線源は、X線管(実験室用供給源)もしくは白色シンクロトロンビーム、または加速器ベースの供給源を含む。多色X線ビームの利点は、損失の大きいエネルギフィルタが不要であるので多色X線ビームが所与の供給源では単色ビームよりも一般に強力であることである。
多色ビームを使用する場合、ビームが物体を横断する際に最初により低いエネルギが吸収されるので、透過したX線の強度は、一般に、材料厚みにもはや比例しなくなる。その結果、X線投影画を生成するために多色ビームが使用される場合には、ビーム硬化(beam hardening:BH)として知られる現象がしばしば起こる。ビーム硬化は、X線がサンプルを通過する際のより高いX線エネルギの方への透過X線スペクトルの変化と関係がある。
ビーム硬化は、しばしば、多色X線を用いた断層再構成においてアーチファクトを生じさせる。ビーム硬化の結果として生成される典型的なアーチファクトは、カッピングアーチファクト(cupping artifact)または縞状アーチファクトを含む。ビーム硬化は、吸収対材料厚みの線形化によって、1つの材料のみで構成される物体では効果的に修正されることができる。しかし、この方法は、混合材料物体、特に低密度(低Z)材料および高密度(高Z)材料を両方とも含む物体では効果的ではない。鉄(Fe)および金(Au)などの原子数が18よりも高い金属または元素などの高Z元素は、シリコン(Si)、炭素(C)、窒素(N)および酸素(O)などの低Z元素よりもはるかに多くのX線を吸収するので、金属元素構造は、一般に、X線にさらされたときにより重大なビーム硬化アーチファクトを生じさせる。これらのアーチファクトは、「金属アーチファクト」としても知られている。また、ビーム硬化以外の要因は、X線散乱、ポアソン雑音、ならびにモーションおよびエッジ効果などの金属アーチファクトの作成を引き起こし得る。
X線CT画像における金属アーチファクト低減(metal artifact reduction:MAR)に対する現行のアプローチは、典型的には3つのグループに分類される。第1のグループ、すなわちグループ1は、N次多項式フィッティングを用いてビーム硬化修正を行って金属アーチファクトを低減するものである。ここでは、この方法を「BHC(ビーム硬化修正)」と呼ぶ。第2のグループ、すなわちグループ2は、投影画における金属のセグメンテーション/サブトラクション、それに続く分析または反復アルゴリズムを用いた完成方法に焦点を当てるものである。第3のグループ、すなわちグループ3は、スペクトルベースのアプローチまたは物理モデリングアプローチを用いてアーチファクトを統計的および反復的に低減または抑制する。
これらのアーチファクト低減アプローチの各々は、欠点を有する。グループ1のMAR方法は、アーチファクトを近似的に低減することができるのみであり、1種類の金属に対してのみ適切に機能することができる。グループ2のMAR方法は、一般に、アーチファクトの部分的抑制を行うのみであり、サンプル内の金属の周囲に新たなぼやけたアーチファクトを導入し得る。これは、金属によって陰になったサンプル内の構造についての情報が消去されるからである。対照的に、グループ3のMAR方法は、理論的には大半の金属アーチファクトを低減または排除し、投影画に存在する情報を消去しないので一般によりよい結果を達成することができる。しかし、多数の反復処理ステップが必要であるので、グループ3の方法の計算効率は低い。
最近になって、2015年4月28日に出願され、WO2015/168147 A1として公開されたPCT出願番号第PCT/US2015/028032号において、基礎材料分解手順を用いるセグメンテーションおよびスペクトルベースのMAR方法が記載された。当該方法は、金属によって陰になった情報を消去することなく、公知のX線エネルギスペクトルで実行されるサンプルの1回だけのスキャンを用いて、ビーム硬化に関連付けられるアーチファクトを低減または排除するという課題を解決する。これは、MARに対する現行のグループ2およびグループ3のアプローチを改善する。
このアプローチは、グループ2およびグループ3のMARアプローチの不利な点のうちのいくつかを回避しながらそれらのいくつかの利点を組み合わせた。グループ1のアプローチとは異なって、このMARアプローチは、複数種類の金属に対して機能することができる。グループ2のアプローチとは異なって、MARアプローチは、いずれの新たなアーチファクトの導入も最小化し、サンプルのCT再構成画像内の金属構造の周囲の詳細を提供することができる。グループ3のアプローチとは異なって、MARアプローチは、非反復的であるか、または任意に合計2回または3回の反復を必要とするのみであり得て(すなわち計算消費量が低い)、理論上はスペクトル関連のビーム硬化物理特性に基づいて金属アーチファクトを除去することができる。
MAR方法は、サンプルに入射する多色X線のスペクトルエネルギ分布(すなわちスペクトル)(エネルギスペクトルは、ここでは、検出器の検出感度とも組み合わせられる)、および、一次アーチファクトの作成に寄与するサンプル内の1つの一次高Z金属の物理特性の両方についての先験的知識を利用した。
まず、元の投影画は、ベースライン投影画と見なされる。サンプルのベースライン投影画を用いて、当該方法は、例えば標準的なフィルタ逆投影/フェルトカムプ−デービス−クレス(FBP/FDK)再構成アルゴリズムによってサンプルのベースライン断層ボリュームデータセットを生成し得る。
次いで、ベースライン断層ボリュームデータセットから選択された高Z金属について、切り出された高Z金属ボリュームデータセットが作成される。次いで、切り出された高Z金属ボリュームデータセットを順方向投影することによって、すなわち順方向投影された高Z金属投影画を作成することによって、高Z金属にのみ関連付けられる一組の投影画が生成される。高Z投影画は、切り出された高Zボリュームデータセット内の各投影角における切り出された高Z元素の厚みに関連付けられる。
当該方法において基礎材料分解の概念が採用される。高Z金属以外のサンプルの他の材料は、「同等の低Z元素」としても知られる1つの選択または想定された低Z元素/材料、すなわちシリコン(Si)または炭素(C)によって「表現できる」または表わすことができると仮定される。その結果、サンプルは、好ましくは、2つなどのいくつかの基礎材料、すなわち高Z金属元素および同等の低Z元素を備え、選択されたX線スペクトルで利用される同一のベースライン投影画を含むものとしてモデル化される。
ベースライン投影画と2つの基礎材料との間の関係を用いて、当該方法は、サンプルのCTスキャン中にX線ビームにおいてサンプルを回転させる時に形成される各投影角などにおける、同等の低Z元素の厚みに関連付けられる一組の投影画を計算する。これらは、一組の同等の低Z元素投影画とも称される。ルックアップテーブル(lookup table:LUT)技術が、この関係を判断するための最も一般的な方法である。
次いで、MAR方法は、同等の低Z元素投影画を利用して、修正された断層ボリュームデータセットとしても知られるサンプルのビーム硬化修正断層ボリュームデータセットを作成する。
最後に、MAR方法は、単色X線エネルギ値の選択とともに画像投影画を利用して、サンプルのビーム硬化修正断層ボリュームデータセットを生成する。この目的のために、当該方法は、まず、一組の高Z投影画を正規化および不明瞭化する。次いで、当該方法は、選択された単色X線エネルギに基づいて、同等の低Z投影画と正規化された高Z投影画とを融合して、選択されたX線エネルギにおける修正された単色融合投影画を作成する。次いで、当該方法は、修正された単色融合投影画から修正された断層ボリュームデータセットを再構成する。
考案の概要
本考案は、このセグメンテーションおよびスペクトルベースのMARに対するさらなる改良に関する。特に、切り出された高Z金属ボリュームデータセットから複数組の投影画が作成される。これらの投影画は、さまざまな角度における金属の厚みに基づいて作成されるが、X線減衰にも基づいて作成される。これにより、金属のより正確な特徴付けが可能になる。
好ましくは、これらの複数組の投影画は結合される。一例では、二組の投影画を正規化することによって一組の高Z減衰投影画が作成される。
一般に、一局面によれば、本考案は、X線CTシステムに向けられる。当該システムは、X線ビームにおいてサンプルを相対的に回転させることによって一組のベースライン投影画を生成するX線撮像システムと、ディスプレイ装置と、コンピュータシステムとを備え、当該コンピュータシステムは、一組のベースライン投影画からサンプルのベースライン断層ボリュームデータセットを生成し、ベースライン断層ボリュームデータセットから高Z構造を切り出して、切り出された高Zボリュームデータセットを作成し、切り出された高Zボリュームデータセットは、ディスプレイ装置上に表示される。
本考案によれば、各投影角における金属の厚みおよび各投影角におけるX線減衰に基づいて、切り出された高Zボリュームデータセットから複数組の高Z投影画が生成される。X線ビームのエネルギスペクトルを考慮に入れて、一組または複数組の高Z投影画を用いて、一組の同等の低Z投影画が作成される。最後に、同等の低Z元素投影画および複数組の高Z投影画に基づいて、修正された断層ボリュームデータセットが生成される。
一般に、別の局面によれば、本考案は、X線CTシステムに向けられる。当該システムは、X線ビームにおいてサンプルを相対的に回転させることによって一組のベースライン投影画を生成するX線撮像システムと、ディスプレイ装置と、一組のベースライン投影画からサンプルのベースライン断層ボリュームデータセットを生成するための手段と、ベースライン断層ボリュームデータセットから高Z構造を切り出して、切り出された高Zボリュームデータセットを作成するための手段と、各投影角における金属の厚みおよび各投影角におけるX線減衰に基づいて、切り出された高Zボリュームデータセットから複数組の高Z投影画を生成するための手段と、X線ビームのエネルギスペクトルを考慮に入れて、一組または複数組の高Z投影画を用いて一組の同等の低Z投影画を生成するための手段と、同等の低Z元素投影画および複数組の高Z投影画を用いて、修正された断層ボリュームデータセットを生成するための手段とを備え、修正された断層ボリュームデータセットは、ディスプレイ装置上に表示される。
以下、構成のさまざまな新規の詳細および部分の組み合わせを含む本考案の上記および他の特徴、ならびに他の利点を、添付の図面を参照してより特定的に記載し、特許請求の範囲の中で指摘する。本考案を具体化する特定の方法および装置は、例示として示されており、本考案を限定するものとして示されているわけではないということが理解されるであろう。本考案の原理および特徴は、本考案の範囲から逸脱することなくさまざまなおよび多数の実施例において利用されることができる。
添付の図面において、さまざまな図全体を通して、参照符号は同一の部分を指す。図面は、必ずしも一定の縮尺で記載されているわけではなく、その代わりに本考案の原理を示すことに強調が置かれている。
ビーム硬化および多色X線を用いてスキャンされたサンプルについての金属アーチファクトを示し、高Z金属元素構造を含む例示的なサンプルのファントム設計を示す。 ビーム硬化および多色X線を用いてスキャンされたサンプルについての金属アーチファクトを示し、検出器感度の影響を含む、それぞれ70kV(低エネルギ)および150kV(高エネルギ)における2つのX線エネルギスペクトルを示す。 ビーム硬化および多色X線を用いてスキャンされたサンプルについての金属アーチファクトを示し、それぞれ低エネルギスキャンおよび高エネルギスキャンからの断層画像における金属アーチファクトを示す。 ビーム硬化および多色X線を用いてスキャンされたサンプルについての金属アーチファクトを示し、それぞれ低エネルギスキャンおよび高エネルギスキャンからの断層画像における金属アーチファクトを示す。 ビーム硬化および多色X線を用いてスキャンされたサンプルについての金属アーチファクトを示し、それぞれサンプルの低エネルギ断層画像および高エネルギ断層画像における線輪郭の関数としての線形減衰係数のプロットを示し、低エネルギ断層画像における金属アーチファクトは、高エネルギ断層画像における金属アーチファクトよりも重大である。 ビーム硬化および多色X線を用いてスキャンされたサンプルについての金属アーチファクトを示し、それぞれサンプルの低エネルギ断層画像および高エネルギ断層画像における線輪郭の関数としての線形減衰係数のプロットを示し、低エネルギ断層画像における金属アーチファクトは、高エネルギ断層画像における金属アーチファクトよりも重大である。 本考案が適用可能であるX線CTシステムの概略図である。 コンピュータシステム上で実行されるプログラムによって実行される本考案のMARの好ましい実施例を示すフローチャートである。 選択されたエネルギにおけるベースライン投影画と2つの基礎材料との間の関係を判断するための例示的なルックアップテーブル(LUT)を示し、図3のフローチャートにおけるステップ916内で同様のLUTを利用できる。 選択されたエネルギにおけるベースライン投影画と2つの基礎材料との間の関係を判断するための例示的なルックアップテーブル(LUT)を示し、図3のフローチャートにおけるステップ916内で同様のLUTを利用できる。 MARのさまざまな例示的なステップにおける出力に関連付けられる画像を示し、サンプルのCTスキャンからの一組のベースライン投影画を示す。 MARのさまざまな例示的なステップにおける出力に関連付けられる画像を示し、図5Aのベースライン投影画から作成されたサンプルのベースライン断層画像を示す。 MARのさまざまな例示的なステップにおける出力に関連付けられる画像を示し、図5Bのベースライン断層画像から差し引かれた切り出された高Z金属画像を示す。 MARのさまざまな例示的なステップにおける出力に関連付けられる画像を示し、図5Cの切り出された高Z金属画像の順方向投影から作成された高Z投影画を示す。 MARのさまざまな例示的なステップにおける出力に関連付けられる画像を示し、同等の低Z元素の厚みに関連付けられる一組の同等の低Z投影画を示す。
好ましい実施例の詳細な説明
ここで、本考案の例示的な実施例が示されている添付の図面を参照して、本考案について以下でさらに十分に説明する。しかし、本考案は、多くの異なる形態で実施されてもよく、本明細書に記載されている実施例に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施例は、本開示が完璧かつ完全であり、当業者に本考案の範囲を十分に伝えるように提供されている。
本明細書で用いられる「および/または」という用語は、関連の列挙された項目のうちの1つ以上の任意および全ての組み合わせを含む。さらに、「含む」、「備える」、「含んでいる」および/または「備えている」という用語は、本明細書で使用されるとき、記載されている特徴、完全体、ステップ、動作、要素および/または構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、完全体、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの群の存在または追加を除外するものではない、ということが理解されるであろう。さらに、構成要素またはサブシステムを含む要素が参照され、および/または、別の要素に接続もしくは結合されるものとして示される場合、当該要素は、他の要素に直接接続もしくは結合されてもよく、または介在する要素が存在してもよい、ということが理解されるであろう。
単色X線の場合、ベールの法則によれば、X線は純粋な物体を通過する際に減衰される。
I=I−μt
ここで、Iは、物体に入射するX線強度であり、tは、物体の厚みであり、Iは、物体を透過するX線の強度である。μは、サンプル密度ρ、原子数Z、原子質量AおよびX線エネルギEによる物体の減衰係数(光電吸収およびコンプトン散乱の効果、ならびにX線エネルギが>1.02MeVである場合の電子対効果を含む)である。
上記の式は、積分形式を用いて書き直すことができる。
I=I−∫μ(l)dlおよび
∫μ(l)dl=−ln(I/I
ここで、lは、物体を通るビーム経路である。これは、CT再構成アルゴリズムの線積分要求を完全に満たす。その結果、単色X線では、ビーム硬化(BH)アーチファクトは導入されない。
一方、多色X線源は、スペクトルD(E)にわたってX線を生成する。単純化するために、D(E)は検出器感度の影響も含む。物体の下流の強度Iは、以下によって得られる。
I=I∫D(E)e−∫μ(E,l)dldE
μ(E)は、一般にEの非線形関数であり、以下によって得られる。
μ(E)が一般にエネルギEの非線形関数であるので、多色X線源からのX線の伝送は、CT再構成アルゴリズムの線形積分要求を満たさない。μ高エネルギ<μ低エネルギは、材料が高エネルギX線よりも低エネルギX線を「より多く」吸収することを意味する。サンプルを透過した減衰されたX線の出力スペクトルは、より硬質の方に「移動する」ように見え、これはビーム硬化(BH)として知られている。高Z金属材料は、はるかに重大なビーム硬化問題を有し、その結果、サンプルのCT再構成断層画像には典型的な金属アーチファクトが存在する。
図1A〜図1Fは、ビーム硬化の問題、および本考案によって利用される2つの異なるX線エネルギにおけるBHから生じる金属アーチファクト106を示す。
図1Aは、複数の高Zおよび低Z元素を含むサンプル114のファントム設計を示す。当該元素は、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、コバルト(Co)および炭素(C)を含む。
図1Bは、70kVの低エネルギおよび150kVの高エネルギにおける2つの多色X線スペクトルを示す。
図1Cおよび図1Dは、ビーム硬化による未修正のアーチファクト106を含むサンプル114の再構成された画像を示す。図1Cは、70kVで動作する低エネルギ多色X線源を用いて作成された。一方、図1Dは、150kVで動作する高エネルギ多色X線源を用いて作成された。
図1Eおよび図1Fは、低エネルギおよび高エネルギスキャンの再構成された画像における線形減衰係数の輪郭比較を示す。示されているように、再構成された画像における金属およびBHアーチファクトは、エネルギ依存性である。金属およびBHアーチファクトは、高エネルギCTよりも低エネルギCTにおいてより重大である。例えば、低エネルギ減衰係数は、高Z元素のエッジにおいてピークを示し、均一な低Z充填剤材料において谷154を示す。
図2は、本考案が適用可能であるX線CTシステム200の概略図である。X線CTシステム200は、多色X線ビーム103を生成するX線源システム102と、サンプル114を保持するためのサンプルホルダ112を有する回転台110とを有するX線撮像システムを含む。画像またはX線投影画は、検出器システム118によって取込まれる。コンピュータシステム124は、典型的には、これらの画像を受取って処理し、システム200の一般的な制御を行う。
供給源102は、好ましくは、その遍在性および比較的低いコストのために「実験室用X線源」である。しかし、シンクロトロン供給源または加速器ベースの供給源が別の選択肢である。
供給源102は、X線管であってもよく、そこでは、電子が電界によって真空中で加速され、対象の金属片に放射され、電子が金属内で減速する際にX線が放出される。一般に、このような供給源は、使用される金属ターゲットのタイプによって、選択されたターゲット104の特性線から生じる特定のエネルギにおける強度の鋭いピークと組み合わせられた背景X線の連続スペクトルを生成する。さらに、X線ビームは、発散的であり、空間的および時間的コヒーレンスを欠いている。
一例では、供給源102は、タングステンターゲットを有する回転式アノードタイプの供給源または微小焦点供給源である。モリブデン、金、白金、銀または銅を含むターゲットも利用されてもよい。好ましくは、電子ビームがその裏面から薄いターゲット104にぶつかる透過構成が使用される。ターゲット104の反対側から放出されたX線は、ビーム103として使用される。
別のより具体的な例では、供給源102は、2008年10月28日にYun等に対して発行された米国特許第7,443,953号に記載されているような構造化アノードX線源であり、米国特許第7,443,953号の内容は、引用によって全文が本明細書に援用される。この場合、供給源102は、所望のターゲット材料でできた薄い最上層と、優れた熱特性を有する低原子数および低密度材料でできた厚い最下層とを有する。アノードは、例えば、ベリリウムまたはダイヤモンド基板の層の上に堆積された最適な厚みを有する銅の層を含んでいてもよい。
本明細書に記載される断層撮影用途に適したエネルギを有する放射を生成するX線レーザも利用されてもよい。
さらに別の例では、供給源102は、スウェーデンのキスタにあるExcillum社から入手可能なものなどの金属噴流X線源である。このタイプの供給源は、アノードが液体金属噴流である微小焦点管を使用する。したがって、アノードは、連続的に再生され、既に溶融している。
供給源102は、好ましくは、サンプル距離(202)に対する供給源の独立調整を可能にする供給源z軸台上に位置する。
供給源102によって生成されるX線ビーム103は、一般に供給源の動作パラメータによって制御されるエネルギスペクトルを有する。実験室用供給源の場合、要求パラメータは、ターゲットの材料と、加速電圧とを含む。エネルギスペクトルは、望ましくない放射線のエネルギまたは波長を抑制する任意の調節フィルタによっても要求される。例えば、ビームに存在する望ましくない波長は、例えば(所望のX線波長範囲(帯域幅)を選択するように設計された)エネルギフィルタ107を用いて排除または減衰される。それでもやはり、フィルタ107は、透過したビーム103の全エネルギまたは帯域幅を実質的に低減することはない。例えば、フィルタ107は、好ましくは、50%以下だけビーム103におけるパワーを減少させる。好ましい実施例では、フィルタ107は、30%以下だけビームにおけるパワーを減少させる。関連性は、X線源102によって生成された多色X線の大半がサンプル114を示すために保存されることである。一般に、使用されるX線の帯域幅は、中心X線エネルギに対するX線エネルギ帯域の半値全幅(full width half maximum:FWHM)の比率によって規定されたとき、40%よりも大きい。例えば、50keVの中心エネルギでは、中心エネルギの周囲の少なくとも20keVのエネルギ帯域が使用される。一般に、帯域幅は少なくとも20%であり、これは、そうでなければ供給源の利用可能な流束の削減が著しすぎて、性能を減少させる、および/または、動作を減速させるからである。
サンプル114がX線ビーム103にさらされると、サンプルを透過したX線光子は、検出器システム118によって受取られる減衰されたX線ビーム105を形成する。いくつかの他の例では、X線撮像システムの検出器システム118上に画像を形成するために対物レンズが使用される。
幾何学的倍率を用いて、供給源とサンプルとの距離202および供給源と検出器との距離204の逆比に等しい倍率で、サンプル114の拡大投影画像が検出器システム118上に形成される。一般に、X線台の幾何学的倍率は、2〜100またはそれ以上である。この場合、X線画像の解像度は、X線源システム102の焦点スポットサイズまたは実際のサイズによって制限される。
高解像度を達成するために、X線CTシステム200の現行の実施例は、X線源システム102の近くにサンプル114を位置決めすることとともに非常に高い解像度の検出器システム118をさらに利用する。一実現例では、2〜100またはそれ以上のさらなる倍率を提供するために、シンチレータ119が顕微鏡対物レンズ121と併用される。
幾何学的倍率を調整するために、オペレータは、コンピュータシステム124上のユーザインターフェイスアプリケーション126を利用して、供給源とサンプルとの距離202および供給源と検出器との距離204を調整する。オペレータは、所望の幾何学的倍率を達成するようにこれらの距離を調整する。
コンピュータシステムは、例えばメモリにアクセスする中央処理装置などのコントローラ122を備える。一般に、1つ以上の入力装置142によって入力されるオペレータ規定パラメータに基づいて、コンピュータシステム124のコントローラ122は、ビーム103に対してサンプルを回転させて、コントローラ122によってCTスキャンを実行するように回転台110に命令する。また、X線検出器システム118は、いくつかの実現例によれば、X線検出器システム118内で画素サイズを変更することによってサンプル114の視野を調整する機能も提供する。
検出器システム118は、検出器システム118内のシンチレータ119と相互作用するX線光子の、画素での画像表現を、減衰されたX線ビーム105から作成する。検出器システム118に形成される画像は、X線投影画またはX線投影画像としても知られている。
一例では、コンピュータシステム124は、画像プロセッサ120と、ユーザインターフェイスアプリケーション126とを含む。コンピュータシステム124に接続されたディスプレイ装置136は、X線CTシステム200からの情報を、典型的には、コンピュータシステム124のユーザインターフェイスアプリケーション126に、表示する。タッチスクリーンおよび/またはコンピュータマウスなどの入力装置142は、オペレータとコンピュータシステム124とディスプレイ装置136との間の相互作用を可能にする。
コンピュータシステム124は、コンピュータシステム124に接続されたデータベース150から情報をロードし、データベース150に情報を保存する。コントローラ122は、コンピュータシステム124によるソフトウェア制御下でオペレータがX線CTシステム200における構成要素を制御および管理することを可能にするコントローラインターフェイス130を有する。
コントローラ122は、コントローラインターフェイス130を有する構成要素を制御する。コントローラインターフェイス130を有する構成要素は、画像プロセッサ120と、検出器システム118と、回転台110と、X線源システム102とを含む。
ユーザインターフェイスアプリケーション126を用いて、オペレータは、CTスキャンパラメータ232を規定/選択する。これらは、スキャンのX線エネルギスペクトルおよびX線源システム102上での曝露時間で規定するX線電圧設定を含む。また、オペレータは、一般に、サンプル114に入射するX線ビーム103の視野、サンプル114のために作成するX線投影画像の数、およびX線ビーム103におけるX線CTスキャンのためにサンプル114を回転させるための回転台110を回転させる角度などの他の設定も選択する。
コンピュータシステム124は、その画像プロセッサ120の支援により、サンプル114の各回転角に関連付けられた画像または投影画情報を検出器システム118から受付ける。画像プロセッサ120は、サンプル114の各回転角について別々の投影画像を作成し、CT再構成アルゴリズムを用いて投影画像を結合して、サンプルについての三次元断層ボリューム情報を作成する。この情報は、ディスプレイ装置136に表示される。
図3は、例えばコンピュータシステム124または別のコンピュータシステムまたは計算リソース上で実行されるプログラムによって実行されるMARについての詳細を提供するフローチャートである。
ステップ902において、一次アーチファクト106に寄与するサンプル114内の高Z金属を特定する。一般に、一次アーチファクト106の作成に寄与するサンプル114内の高Z元素の存在およびそれらの元素のタイプの先験的知識があり、この情報は、オペレータによって入力されるか、またはデータベース(例えば150)から受取られる。例えば、大半の半導体製造プロセスでは、元素成分は、既知であり、明確に定義される。他の例では、この情報は、画像プロセッサ120による画像分析によって決定される。通常、1つ以上の高Z金属が選択される。
ステップ904において、プログラムは、オペレータが、検出器システム118の感度の影響を含むX線源102の電圧設定を選択することを可能にする。この動作は、有効エネルギスペクトルの規定としても知られている。例では、有効エネルギスペクトルの選択は、スキャンパラメータ232のフィルタ107の選択にも関連付けられる。エネルギスペクトルは、物理的測定によって、または画像プロセッサ120によって実行されるシミュレーションプログラムによって、事前に測定および/または推定されることができる。
ステップ906に従って、X線CTシステム200は、コンピュータシステム124の制御下で、スキャンパラメータ232に従って、選択されたX線エネルギスペクトルにおいてサンプル114のCTスキャンを実行する。当該スキャンに呼応して、ステップ908において、プログラムは、画像プロセッサ120が、X線CTシステム200のX線源102からX線ビーム103においてサンプルを回転させることによってサンプル114の一組のベースライン投影画502を作成することを可能にする。さらに、一般に、サンプル114の回転および平行移動を同時に行うスパイラル断層撮影を含む任意のスキャン軌跡が、他の連続および非連続軌跡とともに使用され得る。しかし、いくつかの実現例では、画像プロセッサ120は、さらに、N次多項式フィッティングアルゴリズムを用いて一組のビーム硬化修正(BHC)投影画を作成して、元のベースライン投影画からビーム硬化の影響を修正する。その結果、BHC投影画は、ステップ910において金属セグメンテーションのための再構成の向上をもたらすことができる。しかし、依然として元のベースライン投影画が、以下に含まれる基礎材料分解ステップ916に必要である。
例示的なベースライン投影画502が図5Aに示されている。なお、この投影画は、一次元(1D)平行ビームを用いたシミュレーションに基づいていた。1D平行ビームを用いる場合、一組のベースライン投影画/画像502は、「サイノグラム」とも呼ばれる。他のより典型的なシナリオでは、図2に示されるX線ビーム103などの照射X線ビームは、円錐形状を有している。
ステップ910において、画像プロセッサ120は、ベースライン投影画502からサンプルのベースライン断層ボリュームデータセット504を作成するか、またはBHCベースライン投影画502からBHCベースライン断層ボリュームデータセット504−1を作成する。ベースライン断層ボリュームデータセット504は、しばしば、アーチファクトについて未修正である。ここで、フィルタ逆投影およびFDK方法(FBP/FDK)を含む標準的なCT再構成アルゴリズムを使用することができる。全ての後続のステップにおいて、ステップ910の結果として作成されたボリュームデータセット504/504−1は、集合的にサンプル114のベースライン断層ボリュームデータセット504と呼ばれる。
ベースライン断層ボリュームデータセット504からの例示的な画像が図5Bに示されている。それは、高Z材料構造から生じる明らかなアーチファクト106を含む。
ステップ912に従って、高Z金属をベースライン断層ボリュームデータセット504から切り出して、切り出された高Z金属ボリュームデータセット506を作成する。他のセグメンテーションベースのMAR方法と同様の態様で、ベースライン断層ボリュームデータセット504から高Z金属部分を切り出して、切り出された高Z金属ボリュームデータセット506を作成するために、1つ以上の閾値が利用される。代替的に、高Z金属特徴を分離するために他のセグメンテーション方法が利用されてもよい。
例示的な切り出された高Z金属ボリュームデータセット506が図5Cに示されている。それは、高Z材料の位置における白点によって特徴付けられる。
ステップ914−1および914−2は、切り出された高Z金属ボリュームデータセット506を入力として受付け、切り出された高Z金属ボリュームデータセット506に対してさまざまな順方向投影動作を実行する。
ステップ914−1において、プログラムは、各投影角における切り出された高Z金属の厚みに基づいて、切り出された高Z金属ボリュームデータセット506の順方向投影(FP)を実行して、各投影角における切り出された高Z金属の厚みに関連付けられる一組の高Z厚み投影画508/FPを作成する。一組の高Z厚み投影画508/FPは、一般に、サンプル114の高Z構造内の大きな亀裂に関連付けられる情報を含む。なぜなら、小さな亀裂は、厚み閾値によって一掃されるからである。高Z投影画の各組508/FPは、ベースライン投影画502が取得されたときにX線ビーム103においてサンプル114を回転させる際に使用された各投影角における高Z金属の厚みに関連付けられる情報を提供する。
一組の高Z投影画508/FPからの例示的な合成高Z投影画が図5Dに示されている。より一般的なコーンビームジオメトリでは、3Dコーンビーム順方向投影技術を用いて、3Dで切り出された高Z金属ボリューム画像が、3D高Zコーンビーム投影画から作成される。
実際には、現実のX線CTシステム200は解像限界を有し、(エッジの理想的な階段関数挙動と比較して)画像内の物体のエッジをぼやけさせる。したがって、実際のシステムの解像限界と一致させるために、順方向投影された高Z金属投影画セットのガウシアンぼかしが好ましくは実行される。その結果、高Z投影画508/FPのエッジもぼやかされる。
ステップ914−2において、MARプログラムは、各投影角における切り出された高Z金属のX線減衰に基づいて、切り出された高Z金属ボリュームデータセット506の順方向投影を実行して、一組の高ZX線減衰投影画508/FPを作成する。一組の高Z厚み投影画508/FPとは異なって、一組の高ZX線減衰投影画FPは、厚み閾値が利用されないのでサンプル114の高Z構造内の全ての亀裂についての情報を含み得る。
ステップ915は、一組の高Z厚み投影画FPおよび一組の高ZX線減衰投影画FPを両方とも入力として受取る。さらに、一組の高Z減衰投影画508/FPは、一組の高Z厚み投影画FPで正規化され、次いでぼやかされて、一組の正規化された高Z投影画508−1を作成する。
ステップ916において、高Z厚み投影画508/FPとともに、選択されたエネルギにおけるベースライン投影画502と好ましくは2つ以上の基礎材料との間の関係に従って基礎材料分解を実行して、一組の同等の低Z(非金属)元素投影画510を生成する。ステップ916の基礎材料分解が、一組のベースライン投影画502を作成する際にステップ904で利用されたX線源の同一のエネルギスペクトルを用いて実行されることに注目することも重要である。
2つの基礎材料は、好ましくは、金(Au)などのサンプル114の高Z元素と、Siなどの同等の低Z材料とを含む。
サンプル114における(一次金属以外の)全ての他の材料が同等の低Z元素によって表現できるまたは表わすことができると仮定する。このプロセスの一部として、画像プロセッサ120において、2つの基礎材料(すなわち高Z金属元素および同等の低Z元素)の厚みと選択されたエネルギスペクトルにおけるそれらの対応するX線減衰との間の関係を判断するために、ルックアップテーブル(LUT)が事前に利用される。LUTの使用に関するより多くの情報は、以下に含まれる図4Aおよび図4Bに関連付けられる説明を伴う。
実際には、X線CTシステム200の解像限界のために、理想的なLUTを採用する際にいくらかのドリフトが起こる。これらのドリフトは、同等の低Z投影画(P0)510において、エッジにおけるスパイクおよび高Z金属によって陰になったサンプルの部分についての異常な負の値などの不測の現象を引き起こすであろう。同等の低Z投影画510に対するこれらの現象の影響は、投影画から再構成された画像に新たなアーチファクトが導入されることを含む。
ステップ917において、画像プロセッサ120は、任意に、エッジ(すなわちスパイク)をフィルタリングまたは平滑化し、一組の同等の低Z元素投影画510における異常な負の値(すなわち非負制約)を除去するための動作を実行して、平滑化された一組の同等の低Z投影画(P0)を作成する。参照番号510−1は、ステップ917において作成される同等の低Z投影画の任意の平滑化されたバージョンを示す。
次いで、プログラムは、ステップ918に移行し、ステップ916において作成された同等の低Z投影画510またはステップ917からのそれらの平滑化されたバージョン510−1とともに、ステップ915において作成された一組の正規化された高Z投影画508−1を入力として受付ける。
ステップ918において、プログラムは、選択された単色X線エネルギに基づいて、正規化された高Z投影画508−1と、低Z投影画510または平滑化された高Z投影画510−1とを融合(例えば混合/結合/統合)する。その結果、ステップ918の終了時にサンプル114の一組の単色融合投影画511が作成され、単色融合投影画511からは事実上全てのビーム硬化アーチファクトが除去されている。
ステップ922において、プログラムは、次いで、単色融合投影画511からサンプルの修正された断層ボリュームデータセット514−2を再構成する。ステップ924に従って、プログラムは、修正された断層ボリュームデータセット514−2の画質を向上させることができるか否かを判断する。多くの場合、追加の処理は不要である。向上が不要であれば、プログラムは、ステップ926における処理を終了または停止させる。そうでなければ、プログラムは、修正された断層ボリュームデータセット514−2を向上させるための反復処理ループ950に従うステップ928に移行する。
ステップ928は、修正された断層ボリュームデータセット514−2の画質を向上させるための反復処理ループ950における第1のステップである。処理ループは、ステップ930,932,918,922および924も含む。ステップ928において、プログラムは、修正された断層ボリュームデータセット514−2から同等の低Z断層ボリュームデータセット512を切り出す。ステップ930において、プログラムは、ステップ928から提供された同等の低Z断層ボリュームデータセット512の順方向投影を実行して、新たな一組の同等の低Z投影画Pi(i=1,2,...N)を生成し、一組の同等の低Z投影画を正規化する。新たな一組の同等の低Z投影画は、参照番号510−2として示されている。
ステップ932において、プログラムは、PiおよびP0から、高Z金属によって陰になったサンプル114の部分の統合を実行して、一組の統合された低Z元素投影画Pi.’を作成する。一組の統合された低Z元素投影画Pi.’は、参照番号510−3によって示されている。
ステップ918において、選択された同一の単色X線エネルギに基づいて、一組の(統合された)低Z投影画510−3を、正規化された高Z投影画508−1と結合して、新たな単色融合投影画511を作成する。次いで、新たな単色融合投影画511の修正されたバージョンから、新たな修正された断層ボリュームデータセット514−2が生成/再構成される。
最後に、ステップ924において、プログラムは、修正された断層ボリュームデータセット514−2の画質を向上させることができるか否かを再び判断する。画質の向上が可能であると最初に判断されると、修正された断層ボリュームデータセット514−2の画質の最適な向上を達成するためには一般に処理ループ950に関連付けられるステップのわずか2回の反復が必要であることを実験は示した。
本考案は、特にその好ましい実施例を参照して示され、説明されてきたが、添付の特許請求の範囲によって包含される本考案の範囲から逸脱することなく形態および詳細のさまざまな変更を行ってもよいということが当業者によって理解されるであろう。
102 X線源システム、103,105 X線ビーム、104 ターゲット、106 アーチファクト、107 フィルタ、110 回転台、112 サンプルホルダ、114 サンプル、118 検出器システム、119 シンチレータ、120 画像プロセッサ、121 顕微鏡対物レンズ、122 コントローラ、124 コンピュータシステム、126 ユーザインターフェイスアプリケーション、130 コントローラインターフェイス、136 ディスプレイ装置、142 入力装置、150 データベース、230 吸収基準データ、232 スキャンパラメータ

Claims (14)

  1. X線CTシステムであって、
    X線ビームにおいてサンプルを相対的に回転させることによって一組のベースライン投影画を生成するX線撮像システムと、
    ディスプレイ装置と、
    コントローラおよび/または画像プロセッサを含むコンピュータシステムとを備え、前記コンピュータシステムは、前記一組のベースライン投影画から前記サンプルのベースライン断層ボリュームデータセットを生成し、前記ベースライン断層ボリュームデータセットから高Z構造を切り出して、切り出された高Zボリュームデータセットを作成し、各投影角における金属の厚みおよび各投影角におけるX線減衰に基づいて、前記切り出された高Zボリュームデータセットから複数組の高Z投影画を生成し、X線ビームのエネルギスペクトルを考慮に入れて、一組または複数組の高Z投影画を用いて一組の同等の低Z投影画を生成し、前記同等の低Z元素投影画および前記複数組の高Z投影画を用いて、修正された断層ボリュームデータセットを生成するように構成され、前記修正された断層ボリュームデータセットは、前記ディスプレイ装置上に表示される、システム。
  2. 前記コンピュータシステムは、各投影角における前記X線減衰に基づく一組のX線減衰投影画を、各投影角における前記金属の厚みに基づく一組の高Z厚み投影画で正規化することによって一組の正規化された高Z投影画を作成する、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記コンピュータシステムは、前記X線ビームの前記エネルギスペクトルの選択された単色X線エネルギに基づいて、前記同等の低Z投影画と前記正規化された高Z投影画とを融合して、前記選択されたX線エネルギにおける一組の単色融合投影画を作成する、請求項2に記載のシステム。
  4. 前記コンピュータシステムは、前記単色融合投影画から前記修正された断層ボリュームデータセットを再構成する、請求項3に記載のシステム。
  5. 前記X線撮像システムは、実験室用X線源であるX線源を備える、請求項1に記載のシステム。
  6. 前記X線撮像システムは、円錐形状のビームを生成するX線源を備える、請求項1に記載のシステム。
  7. 前記X線ビームは、多色ビームである、請求項1に記載のシステム。
  8. X線CTシステムであって、
    X線ビームにおいてサンプルを相対的に回転させることによって一組のベースライン投影画を生成するX線撮像システムと、
    ディスプレイ装置と、
    前記一組のベースライン投影画から前記サンプルのベースライン断層ボリュームデータセットを生成するための手段と、
    前記ベースライン断層ボリュームデータセットから高Z構造を切り出して、切り出された高Zボリュームデータセットを作成するための手段と、
    各投影角における金属の厚みおよび各投影角におけるX線減衰に基づいて、前記切り出された高Zボリュームデータセットから複数組の高Z投影画を生成するための手段と、
    X線ビームのエネルギスペクトルを考慮に入れて、一組または複数組の高Z投影画を用いて一組の同等の低Z投影画を生成するための手段と、
    前記同等の低Z元素投影画および前記複数組の高Z投影画を用いて、修正された断層ボリュームデータセットを生成するための手段とを備え、前記修正された断層ボリュームデータセットは、前記ディスプレイ装置上に表示される、システム。
  9. 各投影角における前記X線減衰に基づく一組のX線減衰投影画を、各投影角における前記金属の厚みに基づく一組の高Z厚み投影画で正規化することによって一組の正規化された高Z投影画を作成するための手段をさらに備える、請求項8に記載のシステム。
  10. 前記X線ビームの前記エネルギスペクトルの選択された単色X線エネルギに基づいて、前記同等の低Z投影画と前記正規化された高Z投影画とを融合して、前記選択されたX線エネルギにおける一組の単色融合投影画を作成するための手段をさらに備える、請求項9に記載のシステム。
  11. 前記単色融合投影画から前記修正された断層ボリュームデータセットを再構成するための手段をさらに備える、請求項10に記載のシステム。
  12. 前記X線撮像システムは、実験室用X線源であるX線源を備える、請求項8に記載のシステム。
  13. 前記X線撮像システムは、円錐形状のビームを生成するX線源を備える、請求項8に記載のシステム。
  14. 前記X線ビームは、多色ビームである、請求項8に記載のシステム。
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