JP3208339U - ガラス造形物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラスの特性を利用して実質的に装飾文字を立体的に鑑賞できる従来にないガラス造形物を提供する。【解決手段】複数の装飾文字層4を内部に有する第1ガラス層と、模様入りの第2ガラス層とが重ねられた状態で一体に溶着されているガラス一体物で構成され、第1ガラス層は、複数枚の短冊状ガラス板3が各々予め定められた方向で並列された積層状態で互いに一体に溶着されたものであり、複数枚の短冊状ガラス板3の少なくとも一部には、それぞれの一面に金属又は金属化合物の皮膜からなる装飾文字層4が一体に形成されている。【選択図】図6

Description

本考案は、例えば装飾文字等を立体的に鑑賞できるガラス造形物に関するものである。
また、「書」も漢字や仮名等の文字を素材とする造形芸術であり、文字そのものあるいは詩歌等の文章となったものが鑑賞される。但し、これらの殆どは掛け軸や色紙等に書かれた平面的な形態のものである。
立体的な形態としては、陶器やガラス等の造形物に直接あるいは写されて書かれたものもあるが、ガラス造形物では、例えば特許文献1および特許文献2に開示されているようにガラス素材の表面を削ることによって装飾文字が形成されているものがある。
特開平10−181297号公報 特開2015−3465号公報
しかしながら、ガラス素材の表面が削られて形成された文字も、曲面上に存在はしても、実質的にはその表面を見るだけで平面的な鑑賞と変わりない。
本考案の目的は、上記問題点に鑑み、装飾文字を組み合わせたガラス造形物として、ガラスの特性を利用して実質的に文字を立体的に鑑賞できる従来にないガラス造形物を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の本考案に係るガラス造形物は、複数の装飾文字層を内部に有する第1ガラス層と、模様入りの第2ガラス層とが重ねられた状態で一体に溶着されているガラス一体物で構成され、
前記第1ガラス層は、複数枚の短冊状ガラス板が各々予め定められた方向で並列された積層状態で互いに一体に溶着されたものであり、前記複数枚の短冊状ガラス板の少なくとも一部には、各々の一面に金属又は金属化合物の皮膜からなる前記装飾文字層が一体に形成されていることを特徴とするものである。
請求項2に記載の考案に係るガラス造形物は、複数の装飾文字層を内部に有する第1ガラス層と、模様入りの第2ガラス層とが重ねられた状態で一体に溶着されているガラス一体物で構成され、
前記第1ガラス層は、複数枚の短冊状ガラス板が各々予め定められた方向で並列された積層状態で互いに一体に溶着されたものであり、前記複数枚の短冊状ガラス板の少なくとも一部には、各々の一面に金属又は金属化合物の皮膜からなる前記装飾文字層が一体に形成されているものであり、
前記第2ガラス層は、模様付き板ガラスの表面上に一本以上の色付き棒状ガラスが一体に配置されているものである。
請求項3に記載の考案に係るガラス造形物は、複数の装飾文字層を内部に有する第1ガラス層と、模様入りの第2ガラス層とが重ねられた状態で一体に溶着されているガラス一体物で構成され、
前記第1ガラス層は、複数枚の短冊状ガラス板が各々予め定められた方向で並列された積層状態で互いに一体に溶着されたものであり、前記複数枚の短冊状ガラス板の少なくとも一部には、各々の一面に金属又は金属化合物の皮膜からなる前記装飾文字層が一体に形成されているものであり、
前記ガラス一体物は、予め定められた屈曲形状を有するものである。
請求項4に記載の考案に係るガラス造形物は、複数の装飾文字層を内部に有する第1ガラス層と、模様入りの第2ガラス層とが重ねられた状態で一体に溶着されているガラス一体物の複数個で構成され、
前記第1ガラス層は、複数枚の短冊状ガラス板が各々予め定められた方向で並列された積層状態で互いに一体に溶着されたものであり、前記複数枚の短冊状ガラス板の少なくとも一部には、各々の一面に金属又は金属化合物の皮膜からなる前記装飾文字層が一体に形成されているものであり、
各ガラス一体物は、互いに予め定められた配置で組み合わされているものである。
本考案においては、内部に浮遊するように封じ込められた装飾文字を様々な角度から透かして鑑賞できるという従来にない斬新な形態のガラス造形物が提供できるという効果がある。
本考案によるガラス造形物の一実施例の製造方法を説明する概略工程図である。 図1中の短冊状ガラス板形成工程の具体的な手順を示す概略工程図である。 図1中の装飾文字層形成工程の具体的な手順を示す概略工程図である。 図1中の模様付き板ガラス製造工程の具体的な手順を示す概略工程図である。 図2の短冊状ガラス板形成工程における各過程の状態を透明ガラスの場合で示す図面代用写真である。 図3の装飾文字層形成工程の各過程における状態を示す図面代用写真である。 図2の短冊状ガラス板形成工程における各過程の状態を色付きガラスの場合で示す図面代用写真である。 図1中の短冊状ガラス板一体化工程における第1ガラス層を得るまでの各過程の状態を示す図面代用写真である。 図4の模様付き板ガラス製造工程の板状ガラスを得るまでの前半過程の各状態を示す図面代用写真である。 図4の模様付き板ガラス製造工程の第2ガラス層を得るまでの後半過程の各状態を示す図面代用写真である。 図1中の第1第2ガラス溶着工程におけるガラス一体物を得る各過程の状態を示す図面代用写真である。 図1中のガラス一体物成形工程におけるガラス造形物完成までの各過程の状態を示す図面代用写真である。
本考案におけるガラス造形物は、複数の装飾文字層を内部に有する第1ガラス層と、模様入りの第2ガラス層とが重ねられた状態で一体に溶着されているガラス一体物で構成され、
前記第1ガラス層は、複数枚の短冊状ガラス板が各々予め定められた方向で並列された積層状態で互いに一体に溶着されたものであり、前記複数枚の短冊状ガラス板の少なくとも一部には、各々の一面に金属又は金属化合物の皮膜からなる前記装飾文字層が一体に形成されていることを特徴とするものである。
上記構成により、本考案のガラス造形物においては、第1ガラス層を透かしてみるだけでなく、模様入りの第2ガラス層を透かして、あるいはガラス一体物の側面からも透かして、あらゆる角度から第1ガラス層内の装飾文字を鑑賞することができる。
この装飾文字は、互いに積層状態で一体に溶着されて第1ガラス層を構成する複数枚の短冊状ガラス板のうちの少なくとも一部において、それらの各一面に形成された金属又は金属化合物の皮膜からなるものであるため、第1ガラス層に封じ込められた状態であり、ガラス造形物を構成するガラス一体物の内部に浮遊しているように存在している。
したがって、鑑賞時には、ただ文字を読むだけでなく書体そのものの景観をあらゆる角度で堪能することができる。例えばその書体を正面からだけでなく、裏面から裏文字として見ることもでき、さらにはガラス中に形成される文字の影も鑑賞できる。また、ガラス造形物に対して移動しながら内部を見ていくと、書体が斜め状態、さらには線状に見えたり、見えなくなった状態から表れたりと、様々に変化する状態が楽しめる。
なお、本考案では、互いに一体に溶着される際の短冊状ガラス板の向きを各々設定することにより、各短冊状ガラス板面上に在った装飾文字を所望の向きで第1ガラス層内部に存在させることができるため、同じ向きに揃えたり、徐々に向きを変えたり、あるいはランダムに又はパターンを持って様々な角度の向きとするなど、作者の好みのバランスで任意に設定することができる。
装飾文字層は、短冊状ガラス板の一面に、ガラス用の彩色液、所謂金液、銀液、白金液、パラジウム液等の金、銀、銅、プラチナなどの金属酸化物の溶液や、各種金属化合物が有機溶媒中に溶解されてなるラスター液等を用いて手書きにより書いたもの、あるいは転写紙上に予め書かれたものを転写したものからなる金属被膜として形成できる。
また、第1ガラス層を透かして文字を鑑賞する際には、第2ガラス層の模様が装飾文字は背景として重なり、また第2ガラス層を透かして文字を鑑賞する際には、文字に模様が被り、その色彩や陰影等によって作者が意図する雰囲気を文字に付加して、ガラス造形物に独自の美観を持たせることができる。
また、第1ガラス層を構成する複数枚の短冊状ガラス板は、装飾文字層が形成されるものは透明ガラス板であることが望ましいが、その他に色付きのものを任意の配色となるように存在させて全短冊状ガラス板を一体に溶着させれば、第1ガラス層自体にも色や模様による装飾性を付与できる。また文字以外の模様や絵を描いた短冊状ガラス板をさらに加えることも可能である。
模様入りの第2ガラス層としては、模様付き板ガラスの単体から構成されるものとしてもよいが、複数のピースを一枚に組み合わせて構成してもよく、さらにベースとなる模様付き板ガラスの表面上に一本以上の色付き棒状ガラス、所謂ケインを一体に配置したものとすれば、板ガラスの模様にケインによる色柄でさらに装飾性を付与させることができる。このケインとしては、透過性の色付きのケインでも透明ケインの表面にラスター液を塗布して焼成定着させておいたものなどを選択できる。そしてこれらケインを配置する際の位置や配色を適宜設定することによって、下層の板ガラスの模様にアクセントを付与してその趣を調整、変化させることができる。
また、第1ガラス層を構成する複数枚の短冊状ガラス板は、装飾文字層が形成されるものは透明ガラス板であることが望ましいが、その他に色付きのものを任意の配色となるように存在させて全短冊状ガラス板を一体に溶着させれば、第1ガラス層自体にも色や模様による装飾性を付与できる。
また、本考案のガラス造形物は、第1ガラス層と第2ガラス層とを単に板状に積層して溶着させたガラス一体物としたものに限らず、屈曲形状を有するものとしてもよい。屈曲部のあるガラス造形物においては、造形物自体の形状だけでなく内部の装飾文字の景観にさらなる変化が期待でき、その装飾性に作者の意図する独自性を発揮できる。
また、本考案のガラス造形物は、一つのガラス一体物からなるものに限らず、複数個のガラス一体物を組み合わせて構成するものとしても良い。この場合、各ガラス一体物の形状に応じた配置によって、各ガラス一体物の内部の装飾文字層自体また別の景観を与えると共に、全体としてまた新たな美観を付与することができる。
以上の構成を備えた本考案のガラス造形物の製造方法としては、少なくとも、装飾文字層を内部に有する第1ガラス層の製造工程と、第1ガラス層と模様入り第2ガラス層とを一体化させる溶着工程とを備えたものである。
第1ガラス層の製造工程は、所定枚数の透明な短冊状ガラス板の一面に装飾文字層を形成する装飾文字層形成工程と、装飾文字層が形成された短冊状ガラス板とその他の透明あるいは色付きの短冊状ガラス板とを所定の並びと配置で積層状態として加熱により互いに溶着させる短冊状ガラス板一体化工程とを備えたものである。
装飾文字層形成工程は、各短冊状ガラス板の一面に、金液やラスター液等により直接手書きによって装飾文字を書く、あるいは予め転写プリントに書かれたものを転写し、その短冊状ガラス板を焼成することによって金属皮膜として定着された装飾文字層が形成されるものである。
なお、短冊状ガラス板は、基材の板ガラスを所望の大きさにカットすることによって得られる。基材の板ガラスとしては、市販の板ガラスを用いてもよいが、例えば建築物の窓ガラスほどの大面積は必要無いため、吹きガラスから板状にしたものを基材とすることが望ましい。
一般に最も流通している安価な透明ガラスは、均一な平行平面で大面積のものが製造できるフロートガラスである。このフロートガラスは、表面は平滑なものであるが、主に窓ガラス用などの工業用ガラスであり、工場ラインで大量製造されるため、その厚みは数種類の規格に特定され、また全くの透明ではなく、若干緑色を呈している。これは、フロートガラスの多くがソーダ石灰ガラスであり、ソーダ石灰ガラスが除去しきれない不純物の鉄化合物によって本来は緑色であるためである。通常は、他の発色剤の混合により見かけ上透明にしている。
これに対して、吹きガラスは、所望の薄さで丁度必要な面積の板ガラスが取れる大きさで成形でき、またその表面は火仕上げ(火炎研磨)相当の微少な傷もなく滑らかなものである。しかも、透明度の高い工芸用ガラスを素材として製造でき、その他添加物適宜選択することによって所望の色を呈したものや模様を付加したものも必要に応じて簡便に製造できる。よって、本考案における第1ガラス層を構成する透明および色付きの短冊状ガラス板や第2ガラス層の模様付き板ガラスの素材としても吹きガラス技法にって得られるものが好ましい。
吹きガラス技法で板ガラスを得る工程としては、まずガラス原料を円筒状に吹いて、円筒状ガラス素材を形成する工程と、この円筒状ガラス素材を縦方向に半円筒状に二分するカット工程と、各半円筒状物を平板状となるように加熱成形する工程とを行う。色付き板ガラスも模様付き板ガラスも同様の工程で得られるが、色付きの場合、当初の飴状に溶融しているガラス原料に色剤を添加しておいたものを使用すれば均一な色付き板ガラスが得られる。また、ガラスを吹いて円筒状に成形していく過程で様々な大きさや形、色のガラスフリットを適宜選択して表面に加えていくことによって模様付きの円筒状吹きガラスが形成でき、模様付き板ガラスを得ることができる。
以上のようにして得られた板ガラスから短冊状ガラス板を切り出し、所定枚数の短冊状ガラス板の一面に装飾文字層が形成される。短冊状ガラス板の複数数と、その他各種色付き短冊状ガラス板とを所定枚数で作者の意図に沿った向きと配列で重ねて加熱溶融することで、一体化された第1ガラス層が製造される。一方、上記のように得られた模様付き板ガラスを所定の外形状に整え、場合によってはカットしたパーツを再配置し色付きケインを重ねて配置したものを加熱溶融によって一体化することによって、作者の意図に沿った模様を有する第2ガラス層が製造される。
さらに、これら第1ガラス層と第2ガラス層とを積層した状態で加熱溶融することにより、両者が互いに一体化したガラス一体物が得られる。このガラス一体物を、部分的にカットしたり、予め用意した型に合わせて加熱成形することによって、作者の意図に沿った形状で内部に装飾文字が封じ込められたガラス造形物が得られる。
本考案の一実施例として、以下に、互いに対称的な形状を有する二つのガラス一体物の組み合わせから構成されるガラス造形物を製造する場合の工程を図1〜図12を用いて説明する。図1は、本実施例におけるガラス造形物製造工程の全体の手順を示す概略全体工程図であり、図2はそのうちの短冊状ガラス板形成工程を示す部分工程図、図3は装飾文字層形成工程を示す部分工程図、図4は模様付き板ガラス製造工程を示す部分工程図である。図5〜図12は、各工程中のより詳細な手順に沿った過程毎の状態を示す図面代用写真である。
図1の全体工程図に示すように、本実施例におけるガラス造形物の製造方法は、主に第1ガラス層製造工程(100)と第2ガラス層製造工程(200)と、これら第1ガラス層と第2ガラス層とを互いに一体化する溶着工程(300)と、ガラス一体物を作者の意図に沿って所望の形状に成形するガラス一体物成形工程(400)とを備えている。
第1ガラス層製造工程(100)は、短冊状ガラス板形成工程(101)で所定枚数の短冊状ガラス板を得たのち、少なくともその一部に装飾文字層形成工程(102)にて装飾文字層を形成し、短冊状ガラス板一体化工程(103)で全ての短冊状ガラス板を所定の向きと配列で並べ重ねた状態で加熱溶着して一体化させることで第1ガラス層を得る。
本実施例においては、短冊状ガラス板を切り出す板ガラスを、吹きガラス技法で形成するものとした。即ち、図2に示すように、まず吹きガラス円筒状素材形成工程(111)にて、透明なガラス原料から、図5(a)に示すような透明な円筒状ガラス素材1aを形成した。次に、この円筒状ガラス素材1aを縦方向にカットして二分し(112)、図5(b)に示すように二つの半円筒状ガラス素材1bとした。これら半円筒状ガラス素材1bを電気炉に入れて各々平板状に加熱成形(113)し、二枚の透明な板ガラス2を得た(図5(c))。これら板ガラス2から必要枚数の短冊状ガラス板3を切り出した(工程114)。
得られた透明な短冊状ガラス板3には、図3に示す装飾文字層形成工程(102)として、図6(a)に示すように、各々一面にガラス彩色用の金液あるいはラスター液を用いて筆による手書きで装飾文字となる文章を描いた(121)。これは、予め転写用紙に描いておいたものを短冊状ガラス板3の面上に転写してもよい。これら装飾文字が描かれた短冊状ガラス板3は、電気炉50で加熱焼成することによって表面上に定着された金属皮膜からなる装飾文字層4が形成された(122)。
一方、本実施例では、上記の短冊状ガラス板形成工程(101)を、各種色付きガラスについて繰り返すことによって、各種の色付き短冊状ガラス板も形成した。即ち、任意の色付きガラス原料をから吹きガラス技法によって図7(a)に示すような色付きの円筒状ガラス素材5aを形成(111)し、これを縦方向に二分(112)して半円筒状ガラス素材5bとしてから電気炉に入れて平板状に加熱成形(113)することによって色付き板ガラスを得た。この板ガラスをカットして、色付き短冊状ガラス板6を得た(114)。そして所望の色ガラス毎に同じ手順を行うことによって図7(c)に示すように各色付き短冊状ガラス板6が得られた。
これら短冊状ガラス板(3,6)は、図8(a)に示すように、例えば、透明の短冊状ガラス板3を長手方向の一方の側断面を上向きに且つ装飾文字層4が形成された面を左右方向に向けて揃えて並列状態で積層する。そして積層状態における一方の端には各種色付きの短冊状ガラス板6を任意の配色でさらに横方向に重ねる。これら積層状態の短冊状ガラス板(3,6)を図8(b)に示すように電気炉50内に入れて加熱し互いに溶着させることによって、一体となった第1ガラス層7aが得られる。本実施例では、第1ガラス層7aと同様の手順で但し色付き短冊状ガラス板6を対称的に並べた別の対と成る第1ガラス層7bを形成した。そして、これら一対の第1ガラス層(7a,7b)は長方形状の板状の外形を有するものとした。
以上の工程で形成された一対の第1ガラス層(7a,7b)に、模様入り第2ガラス層を重ねて互いに溶着させて一体化することによって、ガラス造形物を構成する一対のガラス一体物が得られる。模様入り第2ガラス層としては、既存の、例えば市販されている模様付き板ガラスを利用することができる。本実施例では、図4に示す工程で模様付き板ガラスを製造し、この模様付き板ガラスを素材として図1に示す第2ガラス層製造工程(200)に沿って、第1ガラス層(7a,7b)と同じ長方形状の模様入り第2ガラス層を得た。
まず、図4に示す模様付き板ガラス製造工程(201)では、吹きガラス技法によって、色付きガラス原料を用いたり吹き工程中に各種ガラスフリット等を加えて、図9(a)に示すような作者の意図に沿った模様付きの円筒状ガラス素材21aを形成した(211)。次に、この円筒状ガラス素材21aを縦方向にカットして二分し(212)、図9(b)に示すように二つの半円筒状ガラス素材21bとした。これら半円筒状ガラス素材21bを電気炉に入れて各々平板状に加熱成形(213)することによって、図9(c)に示すような二枚の模様付き板ガラス22が得られた。
そして、図1の第2ガラス製造工程(200)に示すように、得られた板状ガラス22から主要なパーツ(23a,23b)を切り出し、図10(a)に示すように所定の外形の板ガラスとなる配置を決定し、さらなる装飾性を付与するために、色付きケイン24も配置した(202)。このケインは、予め所望の色のラスター液を塗布して焼成したものである。このように配置決定された板ガラス素材を電気炉で焼成、一体化することによって、長方形状の模様入り第2ガラス層(25a,25b)を二枚得た。
次に、図1に示す第1第2ガラス層溶着工程(300)として、まず図11(a)に示すように、上記の工程で製造された内部に装飾文字層を有する第1ガラス層(7a,7b)を各々模様入り第2ガラス層(25a,25b)の上に重ねて一対の積層物とする。このとき、第1ガラス層内の各装飾文字層4は、その正面が第2ガラス層の表面に対して垂直状態で並ぶ。これら一対の第1第2ガラス層積層物を、図11(b)に示すように各々電気炉50で焼成、溶着することによって、図11(c)に示すような第1ガラス層と第2ガラス層とが一体化され、厚みの大きい板状となった一対のガラス一体物(30a,30b)を得た。
これらガラス一体物(30a,30b)は、ガラス一体物成形工程(400)にて、作者が目標とするガラス造形物となるべくその最終形態へ成形される。本実施例では、図12(a)に示すように、各ガラス一体物(30a,30b)の第1ガラス層(7a,7b)の色付きの短冊状ガラス板が配置されていた一端側を斜めにカットし、全面を研磨して滑らかにする。その後電気炉50内に設置された所定形状のステンレス型32に載せて加熱成形することによって、一対のガラス一体物(30a,30b)に各々対応するステンレス型32に沿った屈曲形状を付与した。
本実施例では、一対のガラス一体物(30a,30b)を互いに対称的な屈曲形状とし、並べて配置することによって、見開き状態の本のような形状のガラス造形物40が得られた。このガラス造形物40では、装飾文字層は、第2ガラス層に対して略垂直となる角度をもって第1ガラス層の内部に封じ込まれているため、模様入り第2ガラス層を背景としてガラス造形物40内に浮遊しているかのように立体的に存在する装飾文字を様々な角度から透かして鑑賞することができる。
以上の実施例においては、二つのガラス一体物から構成されるガラス造形物を説明したが、本考案では、もちろんこの構成に限定されるものではなく、一つのガラス一体物から構成されるものでも、三つ以上のガラス一体物から構成されるものも可能である。またその形状も上記のような決まった屈曲形状に限定されることなく、作者に意図に応じて様々な形態が可能である。例えば、複数のガラス一体物の組み合わせで構成される場合に、全てが同じ形状や大きさに揃えられるものに限らず、異なる形状や大きさのものの組み合わせや、各々所定形状を有する複数個のガラス一体物の配置で一つの形態を表す組み合わせ構成も可能である。
また以上の実施例においては、互いに同じ長方形状の第1ガラス層と第2ガラス層とを一体化した長方形状のガラス一体物を形成し、これをカットおよび屈曲して最終形態へ成形したが、このような成形工程は必ずしも必要ではなく、第1と第2ガラス層の溶着一体化で得られたガラス一体物を最終形態とすることもできる。さらに、ガラス一体物を長方形状以外の輪郭形状で製造しても良い。この場合、第1ガラス層は、積層される短冊状ガラス板の長さと配列を調整することによって任意の外形とすることができ、第2ガラス層は、第1ガラス層と同じ外形でできあがるように模様付き板ガラスからの切り出しやパーツの配置を行えば良い。
1a:透明円筒状ガラス素材(吹きガラス)
2:透明板ガラス
3:透明短冊状ガラス板
4:装飾文字層
5a:色付き円筒状ガラス素材(吹きガラス)
6:色付き短冊状ガラス板
7a,7b:第1ガラス層
21a:模様付き円筒状ガラス素材(吹きガラス)
22:模様付き板ガラス
23a,23b:板ガラスパーツ
24:色付きケイン
25a,25b:模様入り第2ガラス層
30a,30b:ガラス一体物
32:ステンレス型
40:ガラス造形物
50:電気炉

Claims (4)

  1. 複数の装飾文字層を内部に有する第1ガラス層と、模様入りの第2ガラス層とが重ねられた状態で一体に溶着されているガラス一体物で構成され、
    前記第1ガラス層は、複数枚の短冊状ガラス板が各々予め定められた方向で並列された積層状態で互いに一体に溶着されたものであり、前記複数枚の短冊状ガラス板の少なくとも一部には、各々の一面に金属又は金属化合物の皮膜からなる前記装飾文字層が一体に形成されていることを特徴とするガラス造形物。
  2. 複数の装飾文字層を内部に有する第1ガラス層と、模様入りの第2ガラス層とが重ねられた状態で一体に溶着されているガラス一体物で構成され、
    前記第1ガラス層は、複数枚の短冊状ガラス板が各々予め定められた方向で並列された積層状態で互いに一体に溶着されたものであり、前記複数枚の短冊状ガラス板の少なくとも一部には、各々の一面に金属又は金属化合物の皮膜からなる前記装飾文字層が一体に形成されているものであり、
    前記第2ガラス層は、模様付き板ガラスの表面上に一本以上の色付き棒状ガラスが一体に配置されているものであることを特徴とするガラス造形物。
  3. 複数の装飾文字層を内部に有する第1ガラス層と、模様入りの第2ガラス層とが重ねられた状態で一体に溶着されているガラス一体物で構成され、
    前記第1ガラス層は、複数枚の短冊状ガラス板が各々予め定められた方向で並列された積層状態で互いに一体に溶着されたものであり、前記複数枚の短冊状ガラス板の少なくとも一部には、各々の一面に金属又は金属化合物の皮膜からなる前記装飾文字層が一体に形成されているものであり、
    前記ガラス一体物は、予め定められた屈曲形状を有することを特徴とするガラス造形物。
  4. 複数の装飾文字層を内部に有する第1ガラス層と、模様入りの第2ガラス層とが重ねられた状態で一体に溶着されているガラス一体物の複数個で構成され、
    前記第1ガラス層は、複数枚の短冊状ガラス板が各々予め定められた方向で並列された積層状態で互いに一体に溶着されたものであり、前記複数枚の短冊状ガラス板の少なくとも一部には、各々の一面に金属又は金属化合物の皮膜からなる前記装飾文字層が一体に形成されているものであり、
    各ガラス一体物は、互いに予め定められた配置で組み合わされていることを特徴とするガラス造形物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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