JP3208192B2 - 無機質材料被覆繊維体の製造方法 - Google Patents
無機質材料被覆繊維体の製造方法Info
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Description
ーンや織布あるいは不織布などの繊維体に、無機質材
料、特に金属酸化物をその繊維体を構成する耐熱性繊維
の一本一本に均一に被覆することができる無機質材料被
覆繊維体の製造方法に関するものであり、繊維体のもつ
特性に新たに被覆する金属酸化物の特性を付与すること
のできる無機質材料被覆繊維体の製造方法に関する。本
製造方法は金属酸化物被覆材の特性に合わせて、例え
ば、耐熱性繊維体、耐熱性フィルタ、触媒繊維体、誘電
性繊維体など、単一繊維として得られにくい機能性繊維
体等の製造に適用できるものである。
する方法としては、気相から繊維体に被覆膜を形成する
CVD法や、繊維体を金属アルコキシド溶液に浸漬して
該繊維体に該溶液を保持させ、その後加水分解と焼成に
より金属酸化物を被覆する、いわゆるゾルゲル法と呼ば
れる方法が知られている。
来のCVD法は、装置が大がかりであり、また蒸着温度
が高いため、汎用性の高いガラス繊維体などに被覆する
ことは不可能であり、被覆を施される材料が限定され、
しかも製品コストが高価になるという不都合を有してい
る。一方、ゾルゲル法は比較的低温で金属酸化物を作成
するのに適しており、単一繊維やガラス基板に金属酸化
物を被覆するのには適するが、ヤーンや織布あるいは不
織布などの繊維体に一度に被覆を施そうとすると、繊維
体の表面付近に金属酸化物が移行してしまう、いわゆる
マイグレーションを起こすため、繊維体を構成する繊維
一本一本に均一に被覆膜を形成することができないとい
う不都合を有している。そのため、被覆した金属酸化物
の特性を繊維体に付与するためには、多量の被覆膜を形
成する必要があり、その結果として金属酸化物が粉体と
なり粉落ちが発生するという問題点を有している。本発
明は、これら従来法の不都合を解消し、金属酸化物の被
覆膜を繊維体を構成する繊維の一本一本に均一に被覆す
ることができる無機質材料被覆繊維体の製造方法を提供
することを目的とする。
繊維体の製造方法は、前記目的を達成するめに、耐熱性
繊維からなるヤーンや織布あるいは不織布などの繊維体
に無機質材料を被覆した無機質材料被覆繊維体の製造方
法であって、該繊維体に珪酸エステルと加熱により金属
酸化物になる前駆体とを相溶性のある溶媒に溶解してな
る溶液を保持させ、該保持された溶液中の珪酸エステル
をゲル化させた後、該繊維体を乾燥し、焼成することを
特徴とする。
維体を構成する耐熱性繊維としては、ガラス繊維、セラ
ミック繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、ロックウ
ール、スラグウール等の金属酸化物繊維や、カーボンフ
ァイバー、あるいはポリアミド、ポリイミド、テフロン
等の耐熱性有機繊維等が適用できる。
珪酸エチル等、反応により比較的低温でゲル化するもの
であれば良い。
駆体としては、金属アルコキシド、金属塩化物、金属硫
化物、金属酢酸塩等が使用できる。また、共溶媒はアル
コール類が一般的であるが、この前駆体と珪酸エステル
が相溶するものであれば良く、更に2種以上の溶媒を混
合したものでも良い。尚、珪酸エステルと加熱により金
属酸化物になる前駆体とを相溶性のある溶媒に溶解して
なる溶液は、珪酸エステルと水を相溶性のある溶媒に溶
解してなる溶液と、加熱により金属酸化物になる前駆体
を相溶性のある溶媒に溶解してなる溶液とを混合して得
たものを用いるのが好ましい。
属酸化物前駆体を含んだ溶液に、前記繊維体を浸漬する
などして、繊維体に溶液を保持させた後、加温すること
により珪酸エステルのゲル化を進行させる。このときゲ
ル化の調節剤として塩酸やアンモニア水のような酸や塩
基を使用しても良い。
る。このときの乾燥温度は40〜80℃の範囲で行うの
が好ましい。
り、金属酸化物の前駆体を構成している有機残基を取り
除く。この焼成で金属酸化物前駆体は金属酸化物に変化
し、繊維体を構成する繊維一本一本に金属酸化物が被覆
された繊維体が得られる。
ング法を用いてヤーンや織布あるいは不織布などの繊維
体に金属酸化物を被覆する場合は、繊維体を金属アルコ
キシドと溶媒を混合した溶液に浸漬し、該繊維体に金属
アルコキシド溶液を保持させ、その後、繊維体を乾燥
し、焼成する。この場合、溶媒が乾燥されると同時に金
属アルコキシドが表面に移行し、いわゆるマイグレーシ
ョンが起きる。そのため、金属酸化物は繊維体の表面に
形成され、繊維体内部の繊維には金属アルコキシドが被
覆されない。
に溶液を保持させるところまでは前記従来法と同様であ
るが、溶液を乾燥する前に金属酸化物の前駆体と相溶媒
を含む溶液を珪酸エステルのゲル化により固定させるた
め、次の段階の乾燥においては相溶媒のみが乾燥され、
その結果、前記従来法のように、相溶媒の乾燥と同時に
金属酸化物の前駆体が表面に移行することがなく、繊維
体内部の繊維の表面にもそのまま残存する。
る繊維全体を固定していた状態から単一繊維の間に亀裂
が生じ、繊維一本一本の周囲に金属酸化物の前駆体と珪
酸ゲルが被覆された状態になり、繊維が分離する。この
状態の繊維体を焼成することにより、金属酸化物の前駆
体を含む珪酸ゲルが収縮し、更に前駆体が金属酸化物に
変化し、繊維の垂直方向に収縮して、繊維一本一本に均
一にかつ強固に金属酸化物が被覆されることになる。こ
のように繊維の一本一本に均一に金属酸化物が被覆され
るため、繊維体自身の有する特性に加え、新たに被覆す
る金属酸化物の特性を付与した繊維体が得られる。
る。尚、ヤーンや織布あるいは不織布などの繊維体及び
それを構成する耐熱性繊維は前記のどれでも得られる効
果は同じであり、また、珪酸エステルおよび金属酸化物
の前駆体材料も前記のどれでも同じであるので、代表例
として、繊維体としてはガラス繊維の織布(ガラスクロ
ス)、金属酸化物の前駆体としては四塩化チタン、珪酸
エステルは珪酸メチル、相溶媒としてエチルアルコール
と水の組み合わせを選んで説明する。
エチルアルコール50g、水50g、1N塩酸10gを
混合溶解し、珪酸ゾル液を調製する。これに、エチルア
ルコール140gと四塩化チタン120gを溶解させた
溶液を混合し、更にゲル化促進剤である1Nアンモニア
水を10g添加し、ディップ液を調製した。このディッ
プ液に平均繊維径7ミクロンのモノフィラメント(単一
繊維)約1000本からなるヤーンを織ってなるガラス
繊維体(ガラスクロス)を浸漬した。この溶液を保持さ
せた繊維体を溶液から取り出し、密封して60℃恒温機
内で5時間放置して珪酸エステルをゲル化させた。次
に、60℃で1時間乾燥し、その後、毎分1℃の昇温速
度で400℃まで昇温し、400℃で1時間保持するこ
とにより焼成を行い、四塩化チタンをTiO2 の酸化物
に変化させ、繊維体を構成する繊維の一本一本に均一に
TiO2 膜を被覆させた。この場合のTiO2 の膜厚は
約0.3ミクロンであり、TiO2 の脱落はなかった。
ると、図1はガラス繊維1からなるヤーン2の断面図を
示し、A部の拡大断面も併せて示してある。このヤーン
2を珪酸メチルと四塩化チタンおよびエチルアルコール
等からなる溶液3に浸漬して取り出してヤーン2にこの
溶液3を保持させた状態を示したのが図2である。図3
は図2の状態で密封加温し、珪酸メチルをゲル化させた
状態を示したものである。これを60℃で乾燥すると、
溶媒であるアルコールが蒸発し、図4に示すように亀裂
が入る。これを焼成すると珪酸ゲルはSiO2 となり、
更に四塩化チタンは金属酸化物4に変化すると同時に収
縮し、図5に示すようにガラス繊維1の一本一本に均一
にTiO2 被膜が被覆される。この状態は繊維体を形成
するヤーン2の表面付近および内部のガラス繊維1とも
同様であった。
ガラス繊維体を四塩化チタン120gとエチルアルコー
ル310gと水70gの混合液に浸漬した。この溶液を
保持させた繊維体を溶液から取り出し、60℃で1時間
乾燥し、その後、毎分1℃の昇温速度で400℃まで昇
温し、400℃で1時間保持することにより焼成を行
い、四塩化チタンをTiO2 に変化させた。この場合、
繊維体を構成するヤーンの表面にTiO2 が多量に形成
し、TiO2 の脱落が激しかった。また、ヤーンの内部
の繊維の表面にはTiO2 は全く被覆されていなかっ
た。
からなるヤーンや織布あるいは不織布などの繊維体を構
成する繊維の一本一本に均一に且つ強固に金属酸化物を
被覆することが可能となるため、金属酸化物被覆材の特
性に合わせた繊維からなる繊維体が容易に得られるとい
う効果を有する。
て、無機質材料を被覆する前のヤーンの断面図を示す。
て、金属酸化物前駆体と珪酸エステルを含む溶液を保持
させた状態のヤーンの拡大断面図を示す。
て、金属酸化物前駆体と珪酸エステルを含む溶液をゲル
化させた状態のヤーンの拡大断面図を示す。
て、金属酸化物前駆体と珪酸エステルを含む溶液をゲル
化させた後、乾燥を行なった状態のヤーンの拡大断面図
を示す。
て、無機質材料を被覆した状態のヤーンの拡大断面図を
示す。
Claims (2)
- 【請求項1】 耐熱性繊維からなるヤーンや織布あるい
は不織布などの繊維体に無機質材料を被覆した無機質材
料被覆繊維体の製造方法であって、該繊維体に珪酸エス
テルと加熱により金属酸化物になる前駆体とを相溶性の
ある溶媒に溶解してなる溶液を保持させ、該保持された
溶液中の珪酸エステルをゲル化させた後、該繊維体を乾
燥し、焼成することを特徴とする無機質材料被覆繊維体
の製造方法。 - 【請求項2】 前記保持溶液として、珪酸エステルと水
を相溶性のある溶媒に溶解してなる溶液と、加熱により
金属酸化物になる前駆体を相溶性のある溶媒に溶解して
なる溶液とを混合して得たものを用いることを特徴とす
る請求項1記載の無機質材料被覆繊維体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27385392A JP3208192B2 (ja) | 1992-09-17 | 1992-09-17 | 無機質材料被覆繊維体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27385392A JP3208192B2 (ja) | 1992-09-17 | 1992-09-17 | 無機質材料被覆繊維体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06101170A JPH06101170A (ja) | 1994-04-12 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP27385392A Expired - Fee Related JP3208192B2 (ja) | 1992-09-17 | 1992-09-17 | 無機質材料被覆繊維体の製造方法 |
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JP (1) | JP3208192B2 (ja) |
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1992
- 1992-09-17 JP JP27385392A patent/JP3208192B2/ja not_active Expired - Fee Related
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