JP3208114U - 缶胴内面塗装システム - Google Patents

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栄二 境
拓也 武田
拓也 武田
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敏治 岩本
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Abstract

【課題】塗装の膜厚の均一化を実現しながら、缶胴内面の塗装にてオーバースプレーの実施を極力抑制することにより、外面塗装不良防止、塗料飛散防止、及び塗装歩留まり改善を図った生産性の高い缶胴内面塗装システムを提供する。【解決手段】缶胴内面塗装システム(1)は、缶胴(2)を縦置きで搬送する搬送路(4)と、搬送路の直下に設けられた塗装ブース(6)と、缶胴を塗装ブースの直上に移送する移送ユニット(8)と、缶胴を塗装ブースに出し入れする昇降ユニット(10)と、塗装ブース内に設けられた塗料の噴霧ユニット(12)とを備え、噴霧ユニットは、回転軸(12a)と、ディスク(12b)とを含み、昇降ユニットにより塗装ブースで缶胴が出し入れされる際、回転軸の回転によりディスクが缶胴の内側で回転され、ディスクの外周部(12b1)から遠心力により噴霧した塗料を缶胴の内面(2a)に塗着させる。【選択図】図1

Description

本考案は缶胴内面塗装システムに関する。
特許文献1には、横置きの缶胴の一方の開口端に近接したスプレーノズルから塗料を吹き付けるとともに、缶胴の他方の開口端から吸気して空気流を形成することにより、塗料を缶胴の内面に塗着させる、缶胴内面の塗装方法が開示されている。
また、特許文献2には、横置きの缶体を回転させた状態で、缶体内部にスプレーノズルを挿入して塗料を噴霧し、缶体の胴部の内面に塗料を付着させる、缶体内面の塗装方法が開示されている。
特開平10−71346号公報 特開平5−138125号公報
ドラム缶の製造過程において、微細粒化した塗料を缶胴内面に塗装する場合、いわゆるオーバースプレーを行うことが多い。オーバースプレーを行う場合、スプレーノズルは、スプレーノズルから塗料を噴霧させた状態で、缶胴の開口端から缶胴内に挿入されて移動し、缶胴の反対側の開口端から缶胴外に出され、その後に折り返して缶胴内を移動し、最初の開口端から出された後、スプレーノズルからの塗料の噴霧が停止される。このオーバースプレーにより、缶胴の開口端近傍の内面の塗膜の膜厚を均一化することができるが、缶胴の外面に塗料が付着し、外面塗装不良を招くおそれがある。
特に、缶胴の内面に溶剤塗料を塗装し、缶胴の外面に水溶性塗料を塗装する場合、溶剤塗料が缶胴の外面に付着すると、外面塗装時に水溶性塗料がはじかれ、外面塗装不良が発生し易い。
また、ドラム缶の製造ラインにおける缶胴の搬送機等の周辺設備に溶剤塗料が付着すると、この付着した溶剤塗料が垂れて缶胴の外面に付着し、上記外面塗装不良が生じるおそれがある。また、缶胴に接触する装置に溶剤塗料が付着すると、装置が缶胴に接触したときに溶剤塗料が缶胴の外面に付着し、上記外面塗装不良が生じるおそれもある。
また、オーバースプレーの実施によって、周辺に霧化された塗料が飛散したり、或いは、塗料使用量の増大を招き、塗装の歩留まりが悪化したりするおそれもある。このため、缶胴内面の塗装において、オーバースプレーの実施を極力抑制することが従来から求められていた。また、大量搬送される缶胴の内面を効率的に自動塗装する生産性の高い塗装システムが従来から求められていた。
本考案はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、塗装の膜厚の均一化を実現しながら、缶胴内面の塗装にてオーバースプレーの実施を極力抑制することにより、外面塗装不良防止、塗料飛散防止、及び塗装歩留まり改善を図った生産性の高い缶胴内面塗装システムを提供することにある。
上記目的を達成するため、本考案の缶胴内面塗装システムは、缶胴を縦置きで搬送する搬送路と、搬送路の直下に設けられた塗装ブースと、缶胴を塗装ブースの直上に移送する移送ユニットと、缶胴を塗装ブースに出し入れする昇降ユニットと、塗装ブース内に設けられた塗料の噴霧ユニットとを備え、噴霧ユニットは、塗装ブースで上下に延設された回転軸と、該回転軸の上端に連結されたディスクとを含み、昇降ユニットにより塗装ブースで缶胴が出し入れされる際、回転軸の回転によりディスクが缶胴の内側で回転され、ディスクの外周部から遠心力により噴霧した塗料を缶胴の内面に塗着させる。
好ましくは、ディスクは塗装ブースの上端部の内側に設けられる。
好ましくは、ディスクは外周部の上側を覆うフランジ部を有する。
好ましくは、塗装ブースは、塗装ブース内を下側に吸気する吸気口を有する。
好ましくは、噴霧ユニットは、回転軸の回転速度を制御する回転制御手段を有する。
好ましくは、昇降ユニットは、缶胴の昇降速度、昇降停止位置、及び昇降停止時間の少なくとも何れか1つを制御する昇降制御手段を有する。
好ましくは、噴霧ユニットは、ディスクに塗料を供給する供給路と、供給路を開閉する弁と、弁を開閉することによりディスクへの塗料の供給開始及び供給停止を制御する供給制御手段とを更に有する。
好ましくは、供給制御手段は、昇降制御手段による制御と連動して弁の開閉を制御する。
本考案の缶胴内面塗装システムによれば、塗装の膜厚の均一化を実現しながら、缶胴内面の塗装にてオーバースプレーの実施を極力抑制することにより、外面塗装不良防止、塗料飛散防止、及び塗装歩留まり改善を図った生産性の高い缶胴内面塗装システムを提供することができる。
本考案の一実施形態に係る缶胴内面塗装システムの概略図である。 図1の噴霧ユニットの構造を示す斜視図である。 図2の缶胴内において塗料に作用する力を示した概念図である。 図1において、塗料噴霧開始時における缶胴の位置を示した図である。 図4の状態から缶胴が下降終了し、上昇開始しようとする折り返し時における缶胴の位置を示した図である。 図5の状態から缶胴が上昇し、塗料噴霧終了時における缶胴の位置を示した図である。 本実施形態の塗料噴霧開始時におけるオーバースプレー時間及びオーバースプレー塗料の量を時系列的な塗装の膜厚変化として、従来形態と比較して示したグラフである。 本実施形態の缶胴の昇降移動を従来形態と比較して示したグラフである。
以下、図面に基づき本考案の一実施形態に係る缶胴内面塗装システムついて説明する。
図1に示すように、本実施形態の缶胴内面塗装システム1では、例えばドラム缶の製造過程で形成される缶胴2の内面2aに、微細粒化した溶剤塗料等の塗料が塗装される。缶胴内面塗装システム1は、缶胴2を縦置きで搬送する搬送路4と、搬送路4の直下に設けられた塗装ブース6と、缶胴2を塗装ブース6の直上に移送する移送ユニット8と、缶胴2を塗装ブース6に出し入れする昇降ユニット10と、塗装ブース6内に設けられた塗料の噴霧ユニット12とから概略構成されている。
搬送路4は、例えばチェーンコンベア等の搬送コンベアであって、多数の缶胴2を縦置き状態で水平方向に順次搬送することができる。
塗装ブース6は、搬送路4の直下に開口、区画され、噴霧ユニット12からの塗料の飛散を抑制することができる。また、塗装ブース6を搬送路4の直下に設けたことにより、塗装中の缶胴2の前後を搬送される他の缶胴2への塗料の付着を抑制可能である。
また、塗装ブース6の下部の側面には、塗装ブース6内を下側に吸気する吸気口6aが配置されている。吸気口6aは、塗装ブース6内に滞留する塗料粒子を吸引し、図示しないダクト等を介して工場外に排出する。
移送ユニット8は、一対の水平アーム8aと、搬送路4に沿って配置された水平レール8bとを備えている。
各水平アーム8aは、搬送路4に沿って移動可能に水平レール8bに支持されている。各水平アーム8aは、先ずは図1に破線で示すように、互いに離間した位置で、塗装ブース6の手前の搬送路4において垂直方向に直立して待機している。
次に、缶胴2が塗装ブース6近傍まで搬送路4を搬送されてくると、図1に実線で示すように、各水平アーム8aは、缶胴2を挟む位置で水平に倒れて缶胴2を把持するとともに水平レール8bを移動し、缶胴2を塗装ブース6の直上まで移送する。
昇降ユニット10は、搬送路4の直上に設けられ、垂直方向に延設された複数の垂直アーム10aと、各垂直アーム10aを昇降自在に支持する昇降レール10bと、各垂直アーム10aの昇降を制御する昇降用サーボモータ(昇降制御手段)10cとを備えている。缶胴2が移送ユニット8によって搬送路4の塗装ブース6の直上に移送されたとき、各垂直アーム10aは、缶胴2を縦置き状態のままで挟んで把持する。
各垂直アーム10aが缶胴2を把持した後は、図1に実線で示すように、各水平アーム8aは缶胴2から離間し、更に図1に破線で示すように垂直に起立して退避し、各水平アーム8aによる缶胴2の把持は解除される。
次に、昇降用サーボモータ10cは、図1に破線で示すように、昇降レール10bに沿って各垂直アーム10aを降下させることにより、缶胴2を下降させて塗装ブース6に入れる。その後、昇降用サーボモータ10cは、昇降レール10bに沿って各垂直アーム10aを上昇させることにより、缶胴2を上昇させて塗装ブース6から出し、移送ユニット8の作動により塗装ブース6の下流側の搬送路4に移送する。この際、昇降用サーボモータ10cは、缶胴2の昇降速度、昇降停止位置、及び昇降停止時間を適宜制御する。
噴霧ユニット12は、塗装ブース6内の上下に延設された回転軸12aと、回転軸12aの上端に連結されたディスク12bと、回転軸12aの回転を制御する回転用サーボモータ(回転制御手段)12cとを備えている。昇降ユニット10により塗装ブース6で缶胴2が出し入れされる際、回転軸12aの回転によりディスク12bが缶胴2の内側で回転され、ディスク12bの外周部12b1から遠心力により噴霧した塗料が缶胴2の内面2aに塗着される。この際、回転用サーボモータ12cは、回転軸12aひいてはディスク12bの回転速度を適宜制御する。
図2及び図3に示すように、ディスク12bは塗装ブース6の上端部の内側に位置付けられ、外周部12b1の上側を覆うフランジ部12b2を有している。ディスク12bの内部には、中央に塗料の供給部12b3が配置され、供給部12b3の周囲には微細な網目の環状網12b4が2重に配置されている。ディスク12bの外周部12b1は、外側の環状網12b4により形成されている。
回転用サーボモータ12cの作動により回転軸12aひいてはディスク12bが回転すると、供給部12b3の塗料は遠心力により徐々にディスク12bの外周部12b1側に流れ出す。この際、塗料が2つの環状網12b4を通過することにより、矢印で示すように微細粒化した塗料が外周部12b1から噴霧される。
また、図3に示すように、回転軸12a内には、ディスク12bの供給部12b3に連通する供給路12a1が形成されている。
供給路12a1には電磁式等の弁12a2が介挿され、弁12a2を開閉することによりディスク12bの供給部12b3への塗料の供給開始及び供給停止が制御される。弁12a2は、回転用サーボモータ12c及び昇降用サーボモータ10cを制御するための制御ユニット(供給制御手段、昇降制御手段、回転制御手段)14からの指令により開閉制御される。この制御ユニット14は、昇降用サーボモータ10cによる制御と連動して弁12a2の開閉を制御する。
ここで、吸気口6aから塗装ブース6内を下側に吸気することにより、塗装ブース6内ひいては缶胴2内に下側矢印で示す気流fが発生する。
詳しくは、図3に示すように、噴霧された塗料の1つの粒子Xには、回転軸12aひいてはディスク12bの回転に伴う遠心力F1、重力F2、及び、気流fによる下方への吸込力F3の3つの力が作用する。
これらの3力F1〜F3は、缶胴2の内側において、缶胴2の径方向の少なくとも線対称に噴霧された略同一径及び略同一質量の粒子Yに対しても、略同一の大きさ及びベクトルで作用する。これにより、缶胴2の径方向の少なくとも線対称に噴霧された同様の粒子X、Yは、缶胴2の内面2aの略線対称位置に略同一の塗着面積を形成して付着する。これら粒子X、Yが内面2aに多数塗着した結果、全体として塗装の膜厚が均一化された内面2aが形成される。
以下、図4から図8を参照し、昇降用サーボモータ10cによる缶胴2の昇降制御、及び回転用サーボモータ12cによる回転軸12aの回転制御、制御ユニット14による弁12a2の開閉制御について説明する。なお、図7及び図8の破線で示すグラフは、缶胴2を横置き状態で塗装する従来の場合を示し、この場合には、昇降用及び回転用サーボモータ10c、12cの代わりにサーボ機構を有しない昇降用及び回転用モータ(図示しない)を使用している。
先ず、図4、及び図7の実線で示すように、制御ユニット14は、回転用サーボモータ12cを作動させることにより、回転軸12aを所定の回転速度で予め回転させた状態で、塗料供給開始指令に基づいて塗料供給開始指令点Paで弁12a2を開弁する。そして、供給路12a1を通過した塗料は、供給部12b3を経てディスク12bの外周部12b1から遠心力により塗料噴霧開始点Pbで噴霧開始される。
一方、図8に実線で示すように、制御ユニット14は、昇降用サーボモータ10cを作動させることにより、塗料噴霧開始点Pbとほぼ同じタイミングで缶胴2を図1に実線で示す待機位置P0からほぼ一定速度で下降を開始する。そして、缶胴2の下端を塗装ブース6内であってディスク12bの直上である塗装開始位置P1に位置付け、図4の状態とする。これにより、本実施形態では、塗料噴霧開始時に缶胴2の下端がディスク12bから離間した上方に位置する従来の場合に比して、塗装ブース6の上方への塗料の飛散を抑制することができる。
次に、供給路12a1を通過した塗料が更に供給部12b3に多く到達するようになると、ディスク12bから噴霧される塗料も徐々に増量される。そして、ディスク12bから噴霧される塗料量が、ドラム缶の品質上で要求される下限膜厚tmin以上の膜厚tを缶胴2の内面2aに形成可能な量となったとき、図7に示す塗装実質開始点Pcにて内面2aへの塗装が実質的に開始可能となる。この塗装実質開始点Pcのタイミングは、缶胴2が図8の塗装開始位置P1に位置付けられるタイミングとほぼ一致する。即ち、ディスク12bにおいて塗料供給開始から塗装可能状態となるまでの間に、缶胴2は待機位置P0から塗装開始位置P1まで移動される。
ここで、図7に実線で示す本実施形態の場合、塗料供給開始指令点Paから塗装実質開始点Pcまでは時間Taを要する。これに対し図7に破線で示す従来の場合、塗料供給開始指令点Paから塗料噴霧開始点Pb0を経た塗装実質開始点Pc0までの時間は、Taよりも長い時間Ta0である。このように本実施形態では、ディスク12bにおける塗料供給開始から塗装可能状態までの時間短縮を実現し、塗装開始時のオーバースプレー低減を実現している。
このような効果は、本実施形態で回転用サーボモータ12cを採用し、塗料供給開始指令点Paから塗装実質開始点Pcまでにおいて回転軸12aの回転速度を従来よりも約20%高速化した結果、供給部12b3から流出する塗料に作用する遠心力が増大し、供給塗料の霧化速度が高速化したことに起因する。また、本実施形態の缶胴内面塗装システム1では、缶胴2を縦置き状態で塗装するため、上下方向に延設された回転軸12aがディスク12bの中央を支持しながらディスク12bを水平方向に回転させる。
この結果、回転中のディスク12bの荷重が回転軸12aの軸線方向のみに掛かり、回転軸12aの撓みを生じることなくディスク12bを安定して高速回転させることができる。一方、従来の場合は、缶胴2を横置き状態で塗装するため、水平方向に延設された回転軸12aがディスク12bを回転させるため、ディスク12の荷重により回転軸12aが撓み、回転軸12aの安定した高速回転は不可能であった。
また、図8に実線で示す本実施形態の場合、待機位置P0から塗装開始位置P1までは時間T1を要する。これに対し図8に破線で示す従来の場合、待機位置P0から塗装開始位置P1aまでの時間は、T1よりも長い時間T1aである。このように本実施形態では、昇降用サーボモータ10cを採用して缶胴2の下降速度を増大したことにより、待機位置P0から塗装開始位置P1までの缶胴2の移動時間の短縮を実現している。
次に、図8に実線で示すように、制御ユニット14は、昇降用サーボモータ10cを作動させることにより、缶胴2を塗装開始位置P1からは若干低速となる一定速度で下降させて折り返し位置P2に位置付け、図5の状態とする。
図5に示すように、図4の状態から缶胴2が下降終了し、次いで上昇開始しようとする折り返し位置P2における缶胴2の上端は、昇降用サーボモータ10cの作動により、ディスク12bの厚み(高さ)方向における略中間に重なるようにして位置付けられている。これにより、缶胴2の折り返し時に缶胴2の上端がディスク12bから離間した下方に位置する従来の場合に比して、塗装ブース6の上方への塗料の飛散を抑制することができる。
次に、制御ユニット14は、回転用サーボモータ12cにより回転軸12aを回転させた状態で、塗料供給終了指令に基づいて弁12a2を閉弁する。この後も、供給路12a1に残る塗料が供給部12b3を経てディスク12bの外周部から噴霧されていく。そして、缶胴2の内面2aに塗装される塗料の膜厚tが下限膜厚tmin未満となったとき、内面2aへの塗装が実質的に終了する。
一方、図6、及び図8の実線に示すように、制御ユニット14は、昇降用サーボモータ10cを作動させることにより、缶胴2が図5の状態から上昇させて塗装終了位置P3に到達したとき、缶胴2の下端がディスク12bの外周部から抜け出る前に、ディスク12bからの塗料の噴霧を実質的に終了する。この塗装実質終了点のタイミングは、缶胴2が図8の塗装終了位置P3に位置付けられるタイミングとほぼ一致する。即ち、ディスク12bにおいて塗料供給終了から塗装不可能状態となるまでの間に、缶胴2は折り返し位置P2から塗装終了位置P3まで移動される。
また、塗料噴霧実質終了時に缶胴2の下端がディスク12bの外周部12b1と重なるようにして位置付けられ、缶胴2の下端がディスク12bの外周部から一部抜け出てしまっていた従来の場合に比して、塗装ブース6の上方への塗料の飛散を抑制することができる。
次に、弁12a2を閉弁されて上記塗装実質終了点を経過した以降は、ディスク12bの外周部12b1から噴霧される塗料が徐々に減少し、供給路12a1に残る塗料が供給部12b3から送出され、ディスク12bの外周部から噴霧され仕切った後に、最終的にディスク12bからの塗料噴霧が終了する。この際も、上述した塗装開始時と同様に、回転軸12aの回転速度の約20%の高速化によって、残留塗料の霧化速度が高速化した結果、ディスク12bにおける塗料供給停止から塗装噴霧終了までの時間短縮を実現し、ひいては塗装終了時のオーバースプレー低減を実現している。
一方、図8に実線で示すように、制御ユニット14は、昇降用サーボモータ10cを引き続き作動させることにより、缶胴2を塗装終了位置P3からは若干高速となる一定速度で上昇させて待機位置P4(待機位置P0と同位置)に位置付け、缶胴2の塗装を完了する。
ここで、図8に実線で示す本実施形態の場合、塗装終了位置P3から待機位置P4までは時間T2を要する。これに対し図8に破線で示す従来の場合、塗装開始位置P3aから待機位置P4aまでの時間は、T2よりも長い時間T2aである。このように本実施形態では、昇降用サーボモータ10cを採用して缶胴2の上昇速度を増大したことにより、塗装終了位置P3から待機位置P4までの缶胴2の高速移動を実現している。
これに対し、図8に破線で示す従来では、缶胴2は待機位置P0から速度変更無く一定速度で折り返し位置P2aに下降移動され、折り返し位置P2aからも速度変更無く一定速度で塗装終了位置P3aを経て待機位置P4aまで上昇移動される。結果として、図8に示すように、本実施形態では、塗料供給終了指令から塗料噴霧終了までの全体としての塗装作業時間をT3短縮することができている。また、昇降用及び回転用サーボモータ10c、12cを採用したことにより、塗装制御の制御応答性も全体的に向上している。
また、従来においては、塗料噴霧終了後、缶胴2の下端がディスク12bと重なる位置に位置付けられていることからも、塗料噴霧終了時において、本実施形態ではオーバースプレーが低減できている。
以上のように本実施形態では、搬送路4よりも低い位置に塗装ブース6を配置し、縦置きの缶胴2を塗装ブース6に垂直方向に出し入れし、ディスク12bの外周部12b1から遠心力により噴霧した塗料を缶胴2の内面2aに塗着させる。これにより、横置きの缶胴2に缶胴2ではなくディスク12bを出し入れして缶胴2の内面2aを塗装する従来のような缶胴内面塗装システムに比して、粒子X、Yに対する3力F1〜F3を缶胴2の径方向対称に偏り無く作用させることができる。
併せて、回転軸12aの高速化によって粒子X、Yに作用する遠心力(即ちF1)が増大するため、供給塗料の霧化速度が向上するとともに、塗装開始時及び塗装終了時のオーバースプレーを低減することができ、また、霧化した塗料粒子のより一層の微細化が図られるとともに、缶胴2の内面2aの塗装の膜厚のより一層の薄膜化及び均一化を図ることができる。具体的には、本実施形態の場合には、缶胴2の内面2aの塗装の膜厚が従来に比して10−15%程度薄膜化されるとともに、当該塗装の膜厚のばらつき(標準偏差)が約50%低減している。
また、ディスク12bを塗装ブース6の上端の内側に設け、更には、ディスク12bの外周部12b1の上側を覆うフランジ部12b2を設けたことにより、塗装ブース6の側方及び上方への塗料の飛散を確実に抑制し、塗装中の缶胴2の周辺装置、及び搬送される他の缶胴2に塗料が付着することが抑制される。
特に、缶胴2の内面2aに溶剤塗料を塗装し、缶胴2の外面に水溶性塗料を塗装する場合、溶剤塗料が外面に付着すると、外面塗装時に水溶性塗料がはじかれ、外面塗装不良が発生し易い。従って、異なる性質の塗料を缶胴の内外面に塗装する場合には、本考案の適用により外面塗装不良を効果的に抑制することができて好ましい。
また、サーボ機構を有する昇降用サーボモータ10cにより缶胴2の昇降速度、昇降停止位置、及び昇降停止時間を制御し、更には、サーボ機構を有する回転用サーボモータ12cにより回転軸12aひいてはディスク12bの回転速度を制御し、更には、弁12a2の開閉によりディスク12bへの塗料の供給開始及び供給停止を制御することにより、全体的な塗装作業時間(タクトタイム)が短縮されるとともに、オーバースプレーの大幅な低減が可能となり、外面塗装不良防止、塗料飛散防止、及び塗装歩留まり改善を図ることができる。
また、制御ユニット14が昇降用サーボモータ10cによる制御と連動して弁12a2の開閉を制御することにより、内面2aへの適切な膜厚形成を実現しつつ、より一層厳密なオーバースプレー低減制御が可能となる。
また、縦置きの缶胴2を搬送路4で水平方向に搬送しながら、垂直に缶胴2を昇降して塗装する缶胴内面塗装システム1を採用したことにより、缶胴2を縦置きから横置きにし、更に内面2aの塗装後は横置きから縦置きに戻す装置や工程を排除することができる。従って、大量搬送される缶胴2の内面2aを効率的に自動塗装することができるため、生産性の高い缶胴内面塗装システム1を提供することができる。
本考案は上記実施形態に制約されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、昇降用サーボモータ10cは、缶胴2の昇降速度、昇降停止位置、及び昇降停止時間の各制御対象を制御し、回転用サーボモータ12cは、回転軸12aひいてはディスク12bの回転速度の制御対象を制御し、制御ユニット14は弁12a2を開閉することによりディスク12b3への塗料の供給開始及び供給停止の各制御対象を制御する。しかし、これに限らず、昇降用サーボモータ10c、回転用サーボモータ12c及び弁12a2によって、上述した各制御対象の少なくとも何れか1つを制御し、オーバースプレーの実施を抑制することも可能である。
また、上記実施形態では、塗装ブース6を搬送路4の直下に設け、塗装ブース6で缶胴2の内面2aの塗装のみを行う。しかし、これに限らず、搬送路4の一部を覆う塗装ブース6を形成し、缶胴2を昇降しないで他の塗装(例えば、缶胴2のカール塗装やシーム塗装)を行っても良い。
また、上記実施形態の缶胴内面塗装システム1は、上記以外の塗装方式にも適用することができ、更には、ドラム缶に限らず、ペール缶等の缶胴内面の塗装にも適用することができる。
1 缶胴内面塗装システム
2 缶胴
2a 内面
4 搬送路
6 塗装ブース
6a 吸気口
8 移送ユニット
10 昇降ユニット
10c 昇降用サーボモータ(昇降制御手段)
12 噴霧ユニット
12a 回転軸
12a1 供給路
12a2 弁
12b ディスク
12b1 外周部
12b2 フランジ部
12c 回転用サーボモータ(回転制御手段)
14 制御ユニット(供給制御手段、昇降制御手段、回転制御手段)

Claims (8)

  1. 缶胴を縦置きで搬送する搬送路と、
    前記搬送路の直下に設けられた塗装ブースと、
    前記缶胴を前記塗装ブースの直上に移送する移送ユニットと、
    前記缶胴を前記塗装ブースに出し入れする昇降ユニットと、
    前記塗装ブース内に設けられた塗料の噴霧ユニットと
    を備え、
    前記噴霧ユニットは、前記塗装ブースで上下に延設された回転軸と、該回転軸の上端に連結されたディスクとを含み、前記昇降ユニットにより前記塗装ブースで前記缶胴が出し入れされる際、前記回転軸の回転により前記ディスクが前記缶胴の内側で回転され、前記ディスクの外周部から遠心力により噴霧した前記塗料を前記缶胴の内面に塗着させる、缶胴内面塗装システム。
  2. 前記ディスクは前記塗装ブースの上端部の内側に設けられる、請求項1に記載の缶胴内面塗装システム。
  3. 前記ディスクは前記外周部の上側を覆うフランジ部を有する、請求項2に記載の缶胴内面塗装システム。
  4. 前記塗装ブースは、前記塗装ブース内を下側に吸気する吸気口を有する、請求項1から3の何れか一項に記載の缶胴内面塗装システム。
  5. 前記噴霧ユニットは、前記回転軸の回転速度を制御する回転制御手段を有する、請求項1から4の何れか一項に記載の缶胴内面塗装システム。
  6. 前記昇降ユニットは、前記缶胴の昇降速度、昇降停止位置、及び昇降停止時間の少なくとも何れか1つを制御する昇降制御手段を有する、請求項5に記載の缶胴内面塗装システム。
  7. 前記噴霧ユニットは、
    前記ディスクに塗料を供給する供給路と、
    前記供給路を開閉する弁と、
    前記弁を開閉することにより前記ディスクへの塗料の供給開始及び供給停止を制御する供給制御手段と
    を更に有する、請求項6に記載の缶胴内面塗装システム。
  8. 前記供給制御手段は、前記昇降制御手段による制御と連動して前記弁の開閉を制御する、請求項7に記載の缶胴内面塗装システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112536174A (zh) * 2020-12-21 2021-03-23 山东震宇防腐科技有限公司 一种筒体内壁喷涂装置及喷涂方法

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