JP3208027B2 - 触媒装置用メタル担体 - Google Patents
触媒装置用メタル担体Info
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Description
化装置に用いられるハニカム体をなす触媒装置用メタル
担体に関し、特にロール状ハニカム体の熱応力による破
断、脱落の防止を考慮した触媒装置用メタル担体に関す
る。
媒装置用メタル担体は、図8(A)に示すように、薄い
金属の平板材31と波板材32の間にろう材33を介在
させて、平板材31と波板材32を重ねて、図8(B)
に示すように、中心からロール状に巻き込んでハニカム
体34を形成し、高真空炉を使用してろう材33を溶融
させ、板材の接触部分において接合を行っていた。ろう
材にはNi基ろう材を用い、かつ平板材と波板材にはフ
ェライト系ステンレス材料が使用されていた。そのよう
にして形成されたハニカム体34を金属製外筒35内に
収容したものが触媒装置用メタル担体30として知られ
ている(例えば特開昭56−4373号公報)。
ナ等からなる触媒担持層が形成され、その触媒担持層に
貴金属触媒が担持されて排気ガス浄化触媒の役目をな
す。そして内燃機関の排気通路に配設されて排気ガス中
のHC,CO,NOx 等を浄化する。なお限られた容積
中にできるだけ多くのハニカム通路面積を確保する必要
から、平板材及び波板材の厚さは強度を維持できる範囲
内でできるだけ薄くなっている。
いては、ハニカム体を通過する排気ガスの流速がハニカ
ム体の外層部より内層部に至るほど大きく、したがって
ハニカム体では高温の排気ガスとの接触、触媒反応によ
る発熱及び外筒からの熱放散により、内層部ほど高温で
外層部ほど低温となる温度分布を生じる。この温度分布
により、温度の高いハニカム体の内層部の膨張・収縮量
が、温度の低い外層部の膨張・収縮量より大となるた
め、内層部と外層部との間に熱応力が発生する。この熱
応力は、ハニカム体の膨張・収縮の度に繰り返される
が、図8(A)に示すように、全ての平板材31と波板
材32とがろう材33を介して一体のろう付け構造とな
っているため熱応力を逃がすことができず、長期間の使
用により平板材31と波板材32との接合箇所が破断す
るという欠点がある。
(B)に示すように、外側から2層以上の範囲において
平板材31を2枚重ねとし、その2枚の間は接合せず単
に重ねられているハニカム体34aを含むメタル担体4
0が開示されている。
示す触媒装置用メタル担体は、ロール状のハニカム体
の、少なくとも外側から2層以上の範囲において、平板
材31を2枚重ねてその間を接合しない平板2重構造と
なっているので、ハニカム体34aに作用する熱応力が
半径方向に働く場合には、図10に示すように、先ず平
板材31が変形し、また熱応力が円周方向に働く場合に
は、図11に示すように、2枚の平板材31の間におい
て滑りが発生して応力が緩和される。これらの応力緩和
が行われるためには、2枚の平板材31同志が互いに自
由に動き得るようになっている必要があるが、実際には
2枚の平板材31の間は密着しているので、ハニカム体
34aをろう付けする際の加熱によって、2枚の平板材
31の間は固相拡散によるメタルタッチが生じてある程
度固定されるほか、2枚の平板材31の間は接触面積が
大きいため相互移動に対する抵抗が大であって、自由な
動きが制約されるため、波板材32及び平板材31が破
断されるおそれがある。
なくとも1枚の表面に、あらかじめ酸化被膜を形成した
ものを使用すれば、上述のメタルタッチを防止すること
ができるが、通常ハニカム体に用いる金属板は、Fe−
20Cr−5Alの箔材であるので、この酸化被膜は酸
化アルミニウム(Al2 O3 )となって非常に安定性が
ある。したがって板材のろう付け時において被膜が破ら
れず、そのためろう付けを必要とする面のろう付けがで
きないという欠点がある。
して酸化被膜を生成させる方法もあるが、この場合には
重ねた2枚の平板材31の間に均一に被膜を形成させる
ことは、板材が互いに密着しているために困難である。
てろう材の板材中への拡散を防止することによって、メ
タルタッチを防ぐことも行われているが、完全には防ぐ
ことができないという欠点がある。
力を緩和するための平板2重構造を有するメタル担体に
おいて、2枚重ねの平板材の間にメタルタッチを生ぜ
ず、かつ容易に滑ることができ、したがって応力が緩和
されて耐久性のある触媒装置用メタル担体を提供するこ
とにある。
ル担体は、帯状をなす薄い金属板を折曲げて連続的な波
形の凹凸を形成した波板材と、平坦な帯状をなす薄い金
属板からなる平板材とが相互に当接して重なり合ってロ
ール状に巻かれて層状の多数の網目状通気路を備えたハ
ニカム体をなし、少なくとも外側から2層以上の範囲に
おいて平板材が2枚重ねられ、かつ該2枚の平板材は互
いに接合されることなく形成された触媒装置用メタル担
体において、帯状をなす薄い金属板を折曲げて連続的な
波形の凹凸を形成した第2の波板材が、ハニカム体の少
なくともいずれか一つの層の、2枚重ねられた平板材の
間において、接合されることなく配設されている。
材を形成する金属板は、あらかじめ表面に酸化アルミニ
ウム被膜層を有するか、または、金属板を波形に成形
後、表面に施された酸化アルミニウム被膜層を有するこ
とが好ましい。
向長さが短い場合には、第2の波板材の片側の面が、2
枚の重ねられた平板材の一方と接合されることが好まし
い。
られた平板材の間に、第2の波板材を接合されることな
く配設したため、2枚重ねられた平板材の間にメタルタ
ッチを生ぜす、平板材が半径方向に自由に変形または滑
ることができるのでハニカム体の応力が緩和される。
膜を施すことにより、平板材との間のメタルタッチが除
かれて変形及び滑りがさらに容易になる。
第2の波板材の片側の面を平板材に接合することによっ
て、ハニカム体のテレスコーピング現象を防止すること
ができる。
説明する。図1は本発明の触媒装置用メタル担体の略図
であって、図1(A)は板材の構成を示す模式的部分断
面図、図1(B)は図1(A)の板材をロール状に巻回
して形成したハニカム体の断面の略図である。
す薄い金属板を折曲げて連続的な波形の凹凸を形成した
板材、平板材21 ,22 は平坦な帯状をなす薄い金属板
からなる板材であって、平板材21 は波板材1と同じ長
さを有している。平板材22は平板材21 より短く、波
板材1及び平板材21 と重ね合せてロール状に巻いてハ
ニカム体11を形成したとき、ハニカム体11の外側か
ら2層までの範囲を形成することができる長さを有して
いる。
板を折曲げて連続的な波形の凹凸を形成した板材で、平
板材21 と平板材22 との間にこれら2枚の平板材と接
合されることなく配設されており、その長さはこれら板
材とともにロール状に巻かれてハニカム体11を形成し
たとき、ハニカム体11の外側の2層の範囲を形成でき
る長さを有している。
タル担体の種々の実施例の略図であって、それぞれの図
の(A)は板材の構成を示す模式的断面略図、それぞれ
の図の(B)は、それぞれの図の(A)の板材をロール
状に巻回して形成したハニカム体の軸に直角な断面の略
図である。
板材21 及び第2の波板材3は、共に同一長さであっ
て、これらをロール状に巻回したとき、図2(B)に示
すように、全層平板材2重で、全層に第2の波板材3が
配設されたハニカム体12が得られる。
板材21 とは同一長さで、それらの間に最外周の層の板
材と同一長さを有する第2の波板材32 が配設され、こ
れらをロール状に巻回したとき、図3(B)に示すよう
に、第2の波板材32 が最外周の1層のみに配設された
ハニカム体13が得られる。通常、ハニカム体に生じる
熱応力は、最外層に最も大きく作用するので、この形式
が応力緩和に有効である。
板材21 とは同一長さで、これらの間にハニカム体の外
側から2層目の位置に、2層目の板材と同一長さを有す
る第2の波板材33 が配設され、これらをロール状に巻
回したとき、図4(B)に示すように、第2の波板材3
3 が外側から2層目のみに配設されたハニカム体14が
得られる。メタル担体によってはハニカム体の外周より
2層目に熱応力が集中する場合もあるので、その場合に
はこの形式が応力緩和に有効である。
板材21 とは同一長さで、これらの間にハニカム体の中
心部をなす中心の層の位置に、中心の1層の板材と同一
長さを有する第2の波板材34 が配設され、これらをロ
ール状に巻回したとき、図5(B)に示すように、第2
の波板材34 が中心部の1層のみに配設されたハニカム
体15が得られる。この形式は、ハニカム体の中心部で
熱応力が大となる場合の熱応力緩和に有効である。
造を、ハニカム体の外側から2層の範囲(図1)または
ハニカム体の全ての層(図2ないし図5)に設けてある
が、平板材の2重構造を、ハニカム体の外側から3層以
上の任意の数の層に設けることもできる。
板材を、ハニカム体の外周より2層(図1)、ハニカム
体の全層(図2)、最外周の1層のみ(図3)、2層目
のみ(図4)または中心層の1層(図5)に配設してあ
るが、第2の波板材は上述の配設位置に限定することな
く、ハニカム体の最外周より中心部までの任意の層の2
枚の平板材の間に配設できることは勿論である。
は、いずれも2枚の平板材21 ,2 2 ,または21 ,2
1 と接合されていない。またこれらの平板材同志も互い
に接合されていない。
の間に挿入されたハニカム体において、半径方向の熱応
力が作用した場合の説明図である。
Rが波板材1に作用すれば、波板材1は半径方向に張力
Rを受けると共に、平板材2を半径方向に引っ張る。平
板材2と第2の波板材3とは接触面積が極めて僅かであ
るから、両者間に生ずるメタルタッチの量もきわめて僅
かなので、平板材2の接合部分は容易に波板材1によっ
て半径方向に変形することができる。この変形によって
半径方向の熱応力は吸収される。
て、円周方向の熱応力が作用した場合の説明図である。
板材2との接触面積はきわめて小さく、したがって両者
間に生ずるメタルタッチの量もきわめて僅かであるか
ら、両者間の摩擦力は2枚の平板材2同志が直接接触す
る場合に比べきわめて小さくなるので、第2の波板材3
を挟む2枚の平板材2に円周方向の力Tが作用したと
き、2枚の平板材2と第2の波板材3との間は容易に円
周方向に滑ることができ、したがってハニカム体に生ず
る熱応力が緩和される。
と2枚の平板材2との間、及び2枚の波板材2同志の間
は、ろう材によって接合されておらず、それ以外の波板
材1と平板材2との間は全てろう材によって接合される
のが一般的である。したがってハニカム体は軸方向にか
かる力に対抗して充分に形状を維持することができるの
で、ハニカム体にテレスコーピングを発生することはな
いが、ハニカム体の軸方向長さが短い場合(例えば25
mm以下)においては、ハニカム体の軸方向の形状が不
安定となってテレスコーピングを生ずることがある。こ
のような場合には、第2の波板材3の片側の面と、その
面に当接する平板材2との間をろう材によって接合する
ことによってテレスコーピングを防止することができ、
しかも第2の波板材3の反対側の面において平板材2と
自由に滑ることができるため、ハニカム体の耐久性は変
わらない。
の範囲に挿入する第2の波板材3を、波板材1よりも山
高を小さくしてセル数の多い形状とした場合には、中心
部分の流速の速い排気ガスに対する触媒効率に比べて、
外周部分の流速の遅い排気ガスに対する触媒効率を向上
させることができる。
アルミニウムの被膜層が施された金属板を用いて成形す
るか、または波形に成形後の金属板の表面に、酸化アル
ミニウムの被膜層を施して形成すれば、酸化アルミニウ
ム被膜層がきわめて安定しているために、第2の波板材
3とそれに当接している平板材2との間のメタルタッチ
を防止することができるので、当接箇所における両者間
の滑り及び変形が被膜層を施さない場合に比べきわめて
容易となり、ハニカム体の耐久性の向上に効果がある。
のハニカム体の少なくとも外層から2層以上を形成する
平板材を2枚重ねとし、その2枚の平板材間を接合しな
いメタル担体において、第2の波板材を2枚の平板材の
間に配設して、2枚の平板材と第2の波板材の間をきわ
めて小さい面積で接触するようにしたため、2枚の平板
材同志が直接接触する場合に比べて摩擦力がきわめて小
さくなって、2枚の平板材と第2の平板材の間が円周方
向に容易に滑ることができ、さらに2枚の平板材がメタ
ルタッチする面積が少ないので、半径方向にも容易に変
形できるため、ハニカム体の熱応力が緩和されてメタル
担体の耐久性を向上する効果がある。
には、第2の波板材の片側の面をそれに当接する平板材
と接合することによって、ハニカム体の耐久性を低下さ
せることなしにテレスコーピングを防止し得る効果があ
る。
波板材の山高を、他の波板材の山高より小さくしてセル
数の多い形状とすれば、排気ガスの流速の遅いハニカム
体の外周部分の触媒効率が向上するので、ハニカム体全
体の触媒効率が良くなるという効果がある。
ム被膜層を施せば、平板材との間のメタルタッチを完全
に防止することができるので、当接箇所における板材同
志の滑り及び変形がさらに容易となるため、ハニカム体
の耐久性を向上させる効果を奏する。
て、(A)は板材の構成を示す模式的部分断面図、
(B)は(A)の板材をロール状に巻回して形成したハ
ニカム体の軸に直角な断面図である。
って、(A)は図1(A)と構成が異なる板材の模式的
部分断面図、(B)は(A)の板材をロール状に巻回し
て形成したハニカム体の軸に直角な断面図である。
って、(A)は図1(A)と構成が異なる板材の模式的
部分断面図、(B)は(A)の板材をロール状に巻回し
て形成したハニカム体の軸に直角な断面図である。
って、(A)は図1(A)と構成が異なる板材の模式的
部分断面図、(B)は(A)の板材をロール状に巻回し
て形成したハニカム体の軸に直角な断面図である。
って、(A)は図1(A)と構成が異なる板材の模式的
部分断面図、(B)は(A)の板材をロール状に巻回し
て形成したハニカム体の軸に直角な断面図である。
部分断面図であって、半径方向に熱応力が作用した場合
の説明図である。
部分断面図であって、円周方向に熱応力が作用した場合
の説明図である。
であって、(A)は板材の構成を示す模式的部分断面
図、(B)は(A)の板材をロール状に巻回して形成し
たハニカム体の斜視図である。
略図であって、(A)は板材の構成を示す模式的部分断
面図、(B)は(A)の板材をロール状に巻回して形成
したハニカム体の斜視図である。
が作用した場合の説明図である。
が作用した場合の説明図である。
カム体 30,40 メタル担体 35 外筒 R,T 熱応力による力の方向
Claims (4)
- 【請求項1】 帯状をなす薄い金属板を折曲げて連続的
な波形の凹凸を形成した波板材と、平坦な帯状をなす薄
い金属板からなる平板材とが相互に当接して重なり合っ
てロール状に巻かれて、層状の多数の網目状通気路を備
えたハニカム体をなし、少なくとも外側から2層以上の
範囲において前記平板材が2枚重ねられ、かつ該2枚の
平板材は互いに接合されることなく形成された触媒装置
用メタル担体において、 帯状をなす薄い金属板を折曲げて連続的な波形の凹凸を
形成した第2の波板材が、前記ハニカム体の少なくとも
いずれか一つの層の、前記2枚重ねられた平板材の間に
おいて、接合されることなく配設されることを特徴とす
る触媒装置用メタル担体。 - 【請求項2】 前記第2の波板材を形成する金属板が、
あらかじめ表面に酸化アルミニウム被膜層を有する、請
求項1に記載の触媒装置用メタル担体。 - 【請求項3】 前記第2の波板材が、前記金属板を波形
に成形後、表面に施された酸化アルミニウム被膜層を有
する、請求項1に記載の触媒装置用メタル担体。 - 【請求項4】 前記第2の波板材の片側の面が、前記2
枚の重ねられた平板材の一方と接合された、請求項1な
いし3のいずれか1項に記載の触媒装置用メタル担体。
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JP28631394A JP3208027B2 (ja) | 1994-11-21 | 1994-11-21 | 触媒装置用メタル担体 |
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1994
- 1994-11-21 JP JP28631394A patent/JP3208027B2/ja not_active Expired - Fee Related
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