JP3207320B2 - 香りの嗜好度測定法 - Google Patents

香りの嗜好度測定法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は香りの嗜好度測定法に関
し、更に詳しくは、末梢血中の免疫関連細胞上のレセプ
ターの発現数を測定する事を特徴とする、香りの嗜好度
測定法に関する。
【0002】
【従来の技術】香りを表現する因子は多数あり、香りの
嗜好度はそれらと複雑に絡み合っている。例えば、被験
者が「この香りは薔薇を思わせる強い香りである。」と
言った場合、この被験者はこの香りを好んでいるのか否
かは知る事が出来ない。
【0003】また、香りの鎮静効果や覚醒効果は脳波を
指標にして測定し得る事は知られているが、脳波と香り
の嗜好度には定性的な因果関係は知られているものの、
定量的な因果関係は知られておらず、脳波より定量的に
香りの嗜好度を測定する事は不可能だった。
【0004】唯一、香りの嗜好度と唾液中の分泌型免疫
グロブリンAの濃度の間に定量的関係が認められている
が、免疫系に影響を及ぼさず唾液を採取する事は技術を
要し、再現性を得るためには熟練が必要であり、手軽さ
に欠けていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる状況を
鑑みて為されたものであり、従って、手軽に定量性の高
い香りの嗜好度の測定法を提供する事を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、植物の香
りと人間の健康の係わりに注目して、アロマテラピーや
森林浴等、香りを介して、病気の治療が世界各国古くか
ら行われていた事にヒントを得、香りの嗜好度と分泌型
免疫グロブリンAの唾液中の濃度の相関関係を解きあか
し、先に特許を出願した。(特開平5−186725
号)
【0007】この知見をもとに、本発明者らは、香りの
嗜好性が人間の免疫系全般に及んでいる可能性を考え、
綿密に免疫系の動き全体を詳細に観察した結果、末梢血
中の免疫関連細胞上のレセプター発現を心地よい香りが
促進している事を突き止め、発明を完成させるに至っ
た。
【0008】末梢血中の免疫関連細胞上に存在するレセ
プターとしては、CD4、CD11、CD18、CD2
0、CD38等が知られており、異物認識や抗原への粘
着等各種免疫反応に携わっている。
【0009】これらのレセプターは免疫反応の必要に応
じて細胞走化性因子等の刺激によって発現し、免疫反応
に携わり、生体を異物の侵入から守っている。
【0010】これらのレセプターの内、本発明の香りの
嗜好度の測定に用いる事のできるものは、末梢血中の免
疫関連細胞上に存在するものであれば特に限定はされな
いが、単球上に存在するCD18、B細胞上に存在する
CD20、形質細胞上に存在するCD38が好ましく、
最も好ましいのは、CD20である。
【0011】これらのレセプターの発現量を測定するに
は、通常行われている方法であれば特に限定はされない
が、例えば、これらのレセプターに特異的に結合するモ
ノクロナール抗体を用いたバインディングアッセイやこ
れらのレセプターに依存する細胞致死反応より逆算する
方法等が挙げられる。
【0012】モノクロナール抗体を用いたバインディン
グアッセイでは、抗体を標識する物質として、酵素を用
いるエンザイムイムノアッセイ、放射性物質を用いるラ
ジオイムノアッセイ、或いは蛍光色素を用いる蛍光抗体
法などが挙げられる。これらは、抗原として末梢中の免
疫関連細胞上のレセプターに結合する抗レセプター抗体
の結合量から抗原の量を測定する方法であり、抗レセプ
ター抗体のみを用いる直接法、更に抗体に対する二次抗
体を使用する間接法、或いは試料に標準物質を加えるブ
ロッキング法などが例示できる。又、更に蛍光標識抗体
等を用いるフローサイトメトリを応用した測定も可能で
ある。
【0013】これら、例示した抗体類は既に市販されて
いるものが多く、それらを測定に使用しても何等問題は
ない。
【0014】又、これらの末梢血中の免疫関連細胞上の
レセプターを業として定量している業者もあり、このよ
うな業者を利用する事も可能である。
【0015】これらレセプターを測定するための末梢血
は、特にその採取部位等を限定される事はなく、通常の
方法で通常通り採取すれば良い。このような末梢血とし
ては、最も一般的な、腕より採取した静脈血が好適に例
示できる。
【0016】静脈血を採取する作業は、普通健康診断等
で広く行われており、被験者にとって目新しい事ではな
いので、唾液の採取の様に免疫系への影響を考慮しなく
ても良い。
【0017】これらのレセプターは、個数として計量で
きるので、香りの嗜好度との相関関係から、香りの嗜好
度を定量的に測定できる。更に、嗜好度の関数として
は、測定した測定値、即ち、単位体液あたりの絶対的レ
セプター発現数をそのまま用いる事もできるし、この絶
対的レセプター発現数を予め求めておいた白血球数等で
除した単位細胞あたりのレセプター発現数を用いても構
わない。これは、後述するように、香りの嗜好度に応じ
てレセプターの発現数は変化するものの白血球などの免
疫関連細胞数には変化がみられないためである。従っ
て、レセプター発現数と共に、細胞走化性因子等でレセ
プター発現を励起し励起時レセプター発現数を別途測定
し、レセプター発現数を励起時レセプター発現数で除し
たレセプター発現率を関数として用いる事も可能であ
る。更に、これらの値の香りをかぐ前後の変化率を用い
る事もできる。これらの数値の内最も好ましいものは、
計算の煩雑さの無い、単位体液あたりの絶対的レセプタ
ー発現数の香りをかぐ前後の変化率である。
【0018】
【実施例】以下に実施例を挙げて更に詳しく本発明につ
いて説明を加えるが、本発明がこれら実施例に何等限定
を受けない事は言うまでもない。
【0020】実施例1 シソ科植物であるラベンダーの野生種であるラバンジン
について、任意に選んだ8名のパネラーにラバンジンの
香り1分間をかいで貰った。香りをかいで貰う30分前
と香りをかいだ5分後に血液を採取し、測定業者に委託
して、血液中のCD18、CD20、CD38の発現量
及び血液中の白血球数を測定して貰った。採血時に同時
に、表1に示す多面的感情尺度を用いたアンケートによ
って心理変化をモニターした。更に、アンケートでラバ
ンジンの香りの嗜好も聞いておいた。
【0021】多面的感情尺度は表1に示す項目につい
て、次に示す4段階の評価で評点を付けて貰った。即
ち、2:はっきり感じている、1:少し感じている、−
1:あまり感じていない、−2:全く感じていないの評
点である。
【0022】
【表1】
【0023】香りの好みは、好きである、好きでは
ないの二者択一で調査した。
【0024】結果は、ラバンジンの香りを好んだのは7
名で、この人達のCD18、CD,20、CD38及び
白血球数の香りをかいだ前後の変化を図1に示す。これ
より白血球数が変化しないにも係わらず、レセプター発
現が増加しており、これより香りの嗜好性の大小に応じ
て、免疫関係細胞上のレセプターの発現量が定量的に変
化している事が分かる。又、心理変化を図2に示す。ア
ンケートに於ける嗜好性について、心理変化から嗜好性
がある事が指示されていることが分かる。又、好まない
と答えた1名について、レセプター数及び白血球数共に
香りをかいだ前後で変化はみられなかった。これらの事
より、免疫関係細胞上のレセプターの発現量を測定する
事により、香りの嗜好度が測定できる事が分かる。
【0025】
【発明の効果】本発明の香りの嗜好度測定法によれば、
手軽に定量的且つ客観的に香りの嗜好度を測定する事が
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 レセプター発現数及び白血球数の変化を示す
図である。
【図2】 心理変化を表す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−20115(JP,A) 特開 平2−284062(JP,A) 特開 昭58−28300(JP,A) 特開 平7−5172(JP,A) 特開 平7−294523(JP,A) 特開 平7−79793(JP,A) 堀 哲郎ら「脳・免疫系連関」生体の 科学,40(5),p592−601,1989 堀 哲郎ら「脳・免疫系連関における 交感神経系の役割」,生体の科学,42 (1),p120−16,(1991) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/53 A61B 10/00 A61K 7/46 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 末梢血中の免疫関連細胞上のレセプター
    の発現数を測定する事を特徴とする香りの嗜好度測定
    法。
  2. 【請求項2】 末梢血中の免疫関連細胞上のレセプター
    がCD18、CD20、CD38から選ばれる1種又は
    2種以上である、請求項1記載の香りの嗜好度測定法。
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JP4966790B2 (ja) * 2007-05-09 2012-07-04 長谷川香料株式会社 香料の評価方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
堀 哲郎ら「脳・免疫系連関」生体の科学,40(5),p592−601,1989
堀 哲郎ら「脳・免疫系連関における交感神経系の役割」,生体の科学,42(1),p120−16,(1991)

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