JP3207160B2 - ノイズ低減回路 - Google Patents

ノイズ低減回路

Info

Publication number
JP3207160B2
JP3207160B2 JP19175298A JP19175298A JP3207160B2 JP 3207160 B2 JP3207160 B2 JP 3207160B2 JP 19175298 A JP19175298 A JP 19175298A JP 19175298 A JP19175298 A JP 19175298A JP 3207160 B2 JP3207160 B2 JP 3207160B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electric field
field strength
tracking
tracking signal
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP19175298A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000022566A (ja
Inventor
敦 新保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
Priority to JP19175298A priority Critical patent/JP3207160B2/ja
Priority to US09/346,894 priority patent/US6839440B1/en
Publication of JP2000022566A publication Critical patent/JP2000022566A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3207160B2 publication Critical patent/JP3207160B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03GCONTROL OF AMPLIFICATION
    • H03G3/00Gain control in amplifiers or frequency changers
    • H03G3/20Automatic control
    • H03G3/30Automatic control in amplifiers having semiconductor devices
    • H03G3/3005Automatic control in amplifiers having semiconductor devices in amplifiers suitable for low-frequencies, e.g. audio amplifiers

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Noise Elimination (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、FM受信機により復
調された音声信号に重畳されているノイズを低減するノ
イズ低減回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】FM方式の携帯電話では、移動に伴う基地
局間との距離の変化や建物による回折、反射等により受
信電界強度が大きく激しく変動し(フェージング現
象)、その受信電界強度の変動に応じて、復調された音
声信号に重畳されるノイズも大きく激しく変動するた
め、通話相手の声が聞き取り難くなる場合が生じてい
た。そこで、従来のFM方式の携帯電話では、受信電界強
度検出回路により受信電界強度を検出し、乗算器により
復調した音声信号に受信電界強度を乗算することにより
音声信号のレベルを受信電界強度により制御し、受信電
界強度が弱く音声信号に大きいノイズが重畳されている
ときには、音声信号およびノイズを減衰させることによ
り通話相手の声を聞き取りやすくしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来のノイズ低減方法では、受信電界強度が頻繁に変動
する場合には、復調した音声信号のレベルを受信電界強
度の変動に応じて頻繁に低減することとなるので、通話
相手の音声が細切れの状態になり話の内容を判別するこ
とができなくなったり、あるいは、通話相手の声がまっ
たく聞こえなくなったりする状態が生ずるいう間題点が
あった。
【0004】本発明はこのような従来技術の問題点を解
消し、音声内容の判別を損なうことなく音声信号に重畳
されるノイズを低減するノイズ低減回路を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の課題を解
決するために、受信電界強度を検出する受信電界強度検
出手段と、受信電界強度検出手段で検出された受信電界
強度が減少するときには受信電界強度に追従して減少
し、受信電界強度が極小値から増大するときには極小値
から所定の比率で増大するトラッキング信号を生成する
トラッキング信号生成手段と、入力音声信号のレベルを
トラッキング生成手段で生成されたトラッキング信号に
従って制御するレベル制御手段とを含むことを特徴とす
る。
【0006】また、本発明は、受信電界強度を検出する
受信電界強度検出手段と、受信電界強度検出手段で検出
された受信電界強度が減少するときには受信電界強度に
追従して減少し、受信電界強度が極小値から増大すると
きには所定の期間該極小値を保持し以後所定の比率で増
大するトラッキング信号を生成するトラッキング信号生
成手段と、入力音声信号のレベルをトラッキング生成手
段で生成されたトラッキング信号に従って制御するレベ
ル制御手段とを含むことを特徴とする。
【0007】また、本発明は、受信電界強度を検出する
受信電界強度検出手段と、受信電界強度検出手段で検出
された受信電界強度が極小値となった後に所定の期間内
に再度極小値になったときは両極小値間を補完する値を
とり、受信電界強度が極小値となった後に所定の期間内
に再度極小値にならなかったときは極小値の受信電界強
度を所定の期間保持し以後受信電界強度より大きくなる
まで所定の比率で増大し、受信電界強度より大きくなっ
たとき受信電界強度に追従して減少するトラッキング信
号を生成し、このトラッキング信号を所定の期間経過後
から出力するトラッキング生成手段と、入力音声信号を
所定の期間遅延させる遅延手段と、遅延手段で遅延され
た入力音声信号のレベルをトラッキング生成手段から出
力されるトラッキング信号に従って制御するレベル制御
手段とを含むことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】次に添付図面を参照して本発明の
実施例を詳細に説明する。
【0009】図1は、本発明によるノイズ低減回路の第
1の実施例を示す構成図である。図1において、受信電
界強度検出回路12は、受信電界強度を検出して受信電界
強度を示す電界強度検出信号100 を出力側に接続される
最小値トラッキング回路20へ出力する。なお、受信電界
強度検出回路12に替えて、受信信号のSN比を検出するSN
検出回路、受信信号に重畳されるノイズ成分を検出する
ノイズ成分検出回路等を使用してもよい。
【0010】最小値トラッキング回路14は、電界強度検
出信号100 に基づいて、受信電界強度が減少する状態に
あるときは受信電界強度に追従して減少し、受信電界強
度が増大する状態にあるときは一定の比率で緩やかに増
大するトラッキング信号102を生成して出力側に接続さ
れる乗算器16の一方の入力端へ出力する。乗算器16の他
方の入力端には入力端子18が接続されており、この入力
端子18にはFM受信機等で復調された音声信号104 が入力
される。乗算器16は、この音声信号104 に最小値トラッ
キング回路14から出力されるトラッキング信号102 を乗
算し、これを音声信号106 として出力側に接続される出
力端子20へ出力する。なお、乗算器16に替えて音声信号
106 のレベルをトラッキング信号104 に比例するように
制御するレベル制御回路を使用してもよい。
【0011】次に、図1に示すノイズ低減回路10の動作
を説明する。携帯電話や車載電話装置等に搭載されるFM
受信機の受信電界強度は、一般に、フェージング現象に
より広いレベル範囲に渡って激しく変動する。図2は、
この受信電界強度の一例である。本実施例では、図2に
示す受信電界強度R が受信電界強度検出回路12により検
出されるものとする。受信電界強度検出回路12で検出さ
れた受信電界強度R は、電界強度検出信号100 として最
小値トラッキング回路14に入力される。
【0012】最小値トラッキング回路14では、受信電界
強度検出回路12で検出された受信電界強度R に基づいて
トラッキング信号を生成する。図3は最小値トラッキン
グ回路14の特性の一例であり、実線は受信電界強度検出
回路12で検出された受信電界強度R (dBm) を示し、点線
は最小値トラッキング回路14で生成されたトラッキング
信号TR(dB)を示している。最小値トラッキング回路14の
動作を以下詳細に説明する。
【0013】最小値トラッキング回路14では、まず、初
期設定を実行する。具体的には、後述する定数δに所定
の値を設定し、トラッキング信号TRの値を入力される受
信電界強度R の最大値より大きい値TR0 に設定する。初
期設定の後は所定の周期T0で、(1) 式を使用してトラッ
キング信号TRを求める。ここで、(1) 式は、現在の受信
電界強度R と前回(1) 式により求めたトラッキング信号
TRに(1+δ) を乗じた(1+δ)・TRとを比較し、小さい方
を求めるトラッキング信号TRとするものである。なお、
(1) 式に替えて(2) 式を使用し、現在の受信電界強度R
と前回(2) 式により求めたトラッキング信号TRにδを加
えた(TR +δ) とを比較し、小さい方を求めるトラッキ
ング信号TRとしてもよい。
【0014】
【数1】TR=min(R ,(1+δ)・TR) ・・・(1)
【0015】
【数2】TR=min(R ,(TR +δ)) ・・・(2) ここで、δは非常に小さい値の定数(たとえば、0.01)
であって、予め設定される。最小値トラッキング回路14
では、初期設定後、(1) 式により最初のトラッキング信
号TR1 を求める。この場合、現在の受信電界強度R1は初
期設定されたトラッキング信号TR0 より小さいので、ト
ラッキング信号TR1 として現在の受信電界強度R1が選択
される。T0経過後、(1) 式により次のトラッキング信号
TR2 を求める。この場合、受信電界強度R が増大してい
る状態にある場合と減少している状態にある場合とで得
られるトラッキング信号TR2 が異なってくる。
【0016】まず、受信電界強度R が増大している状態
にある場合について説明する。受信電界強度R が増大し
ている状態では、現在の受信電界強度R2は前回の受信電
界強度R1より大きい。したがって、定数δは非常に小さ
い値に設定されているので、現在の受信電界強度R2は(1
+δ)・TR1 (=(1+δ)・R1)より大きくなり、(1) 式に
よりトラッキング信号TR2 として(1+δ)・TR1 (=(1+
δ)・R1)が選択される。
【0017】さらに、T0経過後、(1) 式により次のトラ
ッキング信号TR3 を求める。この場合も同様にして、
(1) 式によりトラッキング信号TR3 として(1+δ)・TR2
(=(1+δ)2・R1 )が選択される。このように、受信電
界強度R が増大している状態にある場合、(1) 式により
求められるトラッキング信号TRは、一定の比率δで緩や
かに増大していく。図3のA1、A3等は、一定の比率δで
緩やかに増大するトラッキング信号TRを示している。
【0018】次に、受信電界強度R が減少している状態
にある場合について説明する。受信電界強度R が減少し
ている状態では、現在の受信電界強度R2は前回の受信電
界強度R1より小さい。したがって、定数δは非常に小さ
い値に設定されているので、現在の受信電界強度R2は(1
+δ)・TR1(=(1+δ)・R1)より小さくなり、(1) 式によ
りトラッキング信号TR2 としてR2が選択される。
【0019】さらに、T0経過後、(1) 式により次のトラ
ッキング信号TR3 を求める。この場合も同様にして、
(1) 式によりトラッキング信号TR3 としてR3が選択され
る。このように、受信電界強度R が減少している状態に
ある場合、(1) 式により求められるトラッキング信号TR
は、そのときの受信電界強度R と等しくなり、受信電界
強度R の減少に追従して減少していく。図3のA2等は受
信電界強度R の減少に追従して減少するトラッキング信
号TRを示している。
【0020】次に、最小値トラッキング回路14が動作中
に、受信電界強度R が減少する状態から増大する状態に
転じた場合について説明する。受信電界強度R が減少す
る状態にある場合には、前述のようにトラッキング信号
TRは受信電界強度R の減少に追従して減少していく。受
信電界強度R が極小値に達し減少から増大に転じた場合
において、その直後に、(1) 式によりトラッキング信号
TRn を求めるとき、現在の受信電界強度Rnは前回の受信
電界強度Rn-1より大きく、かつ、前回のトラッキング信
号TRn-1 としては受信電界強度Rn-1が選択されている。
【0021】したがって、現在の受信電界強度Rnは(1+
δ)・TRn-1(=(1+δ)・Rn-1)より大きいので、(1) 式に
よりトラッキング信号TRn として(1+δ)・TRn-1 が選択
される。以後、トラッキング信号TRは、前述したように
一定の比率δで緩やかに上昇していく。図3において、
たとえば、受信電界強度R が時間t2で極小値から増大に
転じたとき、トラッキング信号TRはA3に示すように時間
t2から緩やかに上昇を開始する。
【0022】次に、最小値トラッキング回路14が動作中
に、受信電界強度R が増大する状態から減少する状態に
転じた場合について説明する。受信電界強度R が増大す
る状態にある場合には、前述のように、トラッキング信
号TRは一定の比率δで緩やかに上昇していく。そして、
受信電界強度R が極大値に達し増大から減少に転じて
も、現在の受信電界強度Rnが(1+δ)・TRn-1(ただし、TR
n-1 は前回のトラッキング信号)より大きい限り、トラ
ッキング信号TRは依然として一定の比率δで緩やかに増
大していく。
【0023】しかし、現在の受信電界強度Rnが(1+δ)・
TRn-1 より小さくなると、(1) 式によりトラッキング信
号TRn として受信電界強度Rnが選択される。以後、トラ
ッキング信号TRには、前述したようにそのときの受信電
界強度R が選択され、トラッキング信号TRは、受信電界
強度R に追従して減少していく。図3において、たとえ
ば、受信電界強度R が時間t1で極大値から減少に転じた
とき、トラッキング信号TRはA2に示すように時間t2から
やや遅れて受信電界強度R に追従して減少を開始する。
【0024】このように、最小値トラッキング回路14で
は、受信電界強度R が減少する状態にあるときは受信電
界強度R に追従して減少し、受信電界強度R が増大する
状態にあるときは一定の比率(δ)で緩やかに上昇する
トラッキング信号TRを生成し、これをトラッキング信号
102 として乗算器16へ出力する。乗算器16では、入力端
子18から与えられる音声信号104 にトラッキング信号10
2 を乗じ、これを音声信号106 として出力端子20へ出力
する。したがって、音声信号106 は、トラッキング信号
102 に応じて変化し、トラッキング信号102 が大きいと
きは大きくなり、小さいときは小さくなる。
【0025】音声信号104 はFM受信機で復調された音
声信号であるので、音声信号104 に含まれるノイズは、
受信電界強度R が低下すると大きくなる。しかし、受信
電界強度R が低下するとトラッキング信号102 も減少す
るするので、音声信号104 に含まれるノイズは乗算器16
により低減される。そして、トラッキング信号102 は受
信電界強度R が急激に低下しても素早く追従して低下す
るので、受信電界強度R の低下に伴って音声信号104 の
ノイズが急激に増大しても、乗算器16から出力されるノ
イズを素早く減衰させることができる。また、受信電界
強度R が増大に転じたときトラッキング信号102 は緩や
かに上昇するので、それに伴って音声信号106 も緩やか
に上昇していく。
【0026】このように第1の実施例によれば、受信電
界強度が急激に減少して音声信号に含まれるノイズが急
激に増大する場合にはそのノイズを素早く減衰させ、受
信電界強度が増大する場合には音声信号を緩やかに増大
させているので、受信音声を細切れさせることなく滑ら
かにノイズを低減することができる。
【0027】図4は、本発明によるノイズ低減回路の第
2の実施例を示す構成図である。このノイズ低減回路30
は、図1に示すノイズ低減回路10における最小値トラッ
キング回路14をハングオーバ機能付きの最小値トラッキ
ング回路34に置き換えたものであって、受信電界強度検
出回路32および乗算器36は、図1における受信電界強度
検出回路12および乗算器16と同じものである。なお、最
小値トラッキング回路34は、受信電界強度検出回路32か
らの電界強度信号300 に基づいてトラッキング信号302
を生成し、これを乗算器36へ出力するものであるが、ト
ラッキング信号302 は図1におけるトラッキング信号10
2 より滑らかに変化する。
【0028】次に、図4に示すノイズ低減回路30の動作
を説明する。なお、本実施例では、図2に示す受信電界
強度R が受信電界強度検出回路32により検出されるもの
とする。受信電界強度検出回路32で検出された受信電界
強度R は、電界強度検出信号300 としてハングオーバ機
能付きの最小値トラッキング回路34に入力される。最小
値トラッキング回路34では、電界強度検出回路32から出
力される電界強度検出信号300 に基づいてトラッキング
信号TRを生成する。図5は最小値トラッキング回路34の
特性の一例であり、図6は最小値トラッキング回路34の
動作を示すフローチャートである。なお、図5におい
て、実線は受信電界強度検出回路32で検出された受信電
界強度R (dBm) を示し、点線は最小値トラッキング回路
34で生成されたトラッキング信号TR(dB)を示している。
【0029】最小値トラッキング回路34の動作を以下詳
細に説明する。最小値トラッキング回路34では、まず、
初期設定を実行する。具体的には、内蔵するハングオー
バカウンタのカウント値C を「0」 に設定し、トラッキン
グ信号TRを入力される受信電界強度R の最大値より大き
い値TR0 に設定する。初期設定の後、図6に示すステッ
プS600からS610までの処理を所定の周期TOで繰り返し実
行する。
【0030】最小値トラッキング回路34では、初期設定
後、カウント値C が C=0 であるか否かを判定する(ス
テップS600)。この場合、 C=0 であるのでステップS6
02に移行し、定数δを予め定められた値に設定する。こ
の定数δは(1) 式における定数δである。次いで、(1)
式を使用して現在の受信電界強度R1と先に初期設定され
たトラッキング信号TR0 に(1+δ) を乗じた(1+δ)・TR
0 とを比較し、小さい方をトラッキング信号TR1 として
選択する(ステップS606)。この場合、(1+δ)・TR0 >
R1が成立するので、トラッキング信号TR1 して現在の受
信電界強度R1が選択される。
【0031】最小値トラッキング回路34は、次いで、ス
テップS606で求めたトラッキング信号TR1 が現在の受信
電界強度R1に等しいか否かを判定する(ステップS60
8)。この場合、TR1 =R1が成立するのでステップS610
に移行し、ハングオーバカウンタに予め定められたカウ
ント値C を設定する。このカウント値C は、トラッキン
グ信号TRをそのまま保持する期間(ハングオーバ期間)
に対応する。
【0032】最小値トラッキング回路34では、T0経過後
に、ステップS600〜S610の処理を再実行する。まず、カ
ウント値C が C=0 であるか否かを判定する(ステップ
S600)。この場合、 C≠0 であるのでステップS604に移
行する。そして、カウント値C から「1」 を減算する。こ
れは、ハングオーバ期間が1期間(T0)だけ経過したこ
とを表す。また、定数δの値を「0」 に設定する。これに
より、(1) 式における(1+δ)・TR1 はTR1 となり、比較
対象は前回のトラッキング信号TR1 となる。次いで、
(1) 式によりトラッキング信号TR2 を求める(ステップ
S606)。この場合、受信電界強度R が増大している状態
にある場合と減少している状態にある場合とでトラッキ
ング信号TR2 が異なってくる。
【0033】まず、受信電界強度R が増大している状態
にある場合について説明する。受信電界強度R が増大し
ている状態では、現在の受信電界強度R2は前回の受信電
界強度R1より大きい。したがって、現在の受信電界強度
R2は前回のトラッキング信号TR1 (ただし、 TR1=R1)
より大きくなり、(1) 式によりトラッキング信号TR2と
して前回のトラッキング信号TR1 (=R1)が選択される
(ステップS606)。これにより、トラッキング信号TR2
はTR1 と等しくなり、前回と同じになる。
【0034】次いで、 TR2=R2が成立するか否かを調べ
る(ステップS608)。この場合、成立しないので処理を
一応終了する。なお、ステップS610は実行されないの
で、カウント値C はステップS604において「1」 だけ減算
された状態のままである。以後、T0経過毎に、ステップ
S600、S604〜S610の処理が繰り返し実行され、トラッキ
ング信号TRとして常に前回のトラッキング信号が選択さ
れ、カウント値C は「1」づつ減少していく。したがっ
て、トラッキング信号TRは変化せず、一定(この場合
は、R1)となる。たとえば、図5のB1は、一定の値に保
持されているトラッキング信号TRを示している。
【0035】次に、受信電界強度R が減少している状態
にある場合について説明する。受信電界強度R が減少し
ている状態では、現在の受信電界強度R2は前回の受信電
界強度R1より小さい。また、前回のトラッキング信号TR
1 は前回の受信電界強度R1に等しい。したがって、(1)
式によりトラッキング信号TR2 として現在の受信電界強
度R2が選択される(ステップS606)。
【0036】次いで、 TR2=R2が成立するか否かを調べ
る(ステップS608)。この場合、成立するのでステップ
S610に移行し、カウント値C に予め定められた値C を設
定する。以後、T0経過毎に、ステップS600、S604、S606
〜S610 の処理が繰り返し実行され、トラッキング信号
TRとしてそのときの受信電界強度R が選択される。した
がって、トラッキング信号TRは受信電界強度R に追従し
て減少していく。図5のB2等は、受信電界強度R に追従
して減少していくトラッキング信号TRを示している。
【0037】次に、最小値トラッキング回路34が動作中
に、受信電界強度R が減少する状態から増大する状態に
転じた場合について説明する。受信電界強度R が減少す
る状態にある場合には、前述のように、トラッキング信
号TRは受信電界強度R に追従して減少していく。たとえ
ば、図5のB2は、この状態にあるトラッキング信号TRを
示している。しかし、受信電界強度R が極小値に達し、
受信電界強度R が前回のトラッキング信号TRより大きく
なると、前述のように、トラッキング信号TRは一定のま
まとなる。図5のB3は、一定のままとなっているトラッ
キング信号TRを示している。
【0038】この場合、カウンタ値C は、T0経過する毎
に減少し、ハングオーバ期間C が経過したとき「0」 にな
る。最小値トラッキング回路34では、カウント値C が
「0」 であるとき(図6のステップS600)、ステップS602
に移行し、定数δを予め定められた値に設定する。次い
で、(1) 式によりトラッキング信号TRn を求める(ステ
ップS606)。この場合、現在の受信電界強度Rnは前回の
トラッキング信号TRn-1より大きい。したがって、(1)
式によりトラッキング信号TRn として(1+δ)・TRn-1 が
選択される(ステップS606)。
【0039】次いで、最小値トラッキング回路34では、
TRn=Rnが成立するか否かを調べる(ステップS608)。
この場合、成立しないので、処理を一応終了する。な
お、ステップS610の処理は実行されないので、カウント
値C は「0」 のままとなる。以後、T0経過毎に、ステップ
S600、S602、S606、S608の処理が繰り返し実行され、ト
ラッキング信号TRは一定の比率( δ) で増大していく。
図5のB4は、この状態にあるトラッキング信号TRを示し
ている。ここで、受信電界強度R は時間t1で減少から増
加に転じており、トラッキング信号TRは、時間t1からハ
ングオーバ期間Cが経過する時間t2までは一定に保持さ
れ、時間t2から一定の比率( δ) で緩やかに増大してい
る。
【0040】しかし、ハングオーバ期間C が経過する前
に、受信電界強度R が増大から減少に転じ、現在の受信
電界強度Rmが前回のトラッキング信号TRm-1 に(1+δ)
を乗じた値より小さくなった場合、最小値トラッキング
回路34では、(1) 式によりトラッキング信号TRm として
受信電界強度Rmを選択する(ステップS606)。次いで、
TRm =Rmが成立するか否かを調べる(ステップS608)。
この場合、成立するのでステップS610に移行し、カウン
タ値C に予め定められた値C を設定する。以後、T0経過
毎に、ステップS600、S604、S606 〜S610 の処理が繰
り返し実行され、トラッキング信号TRとしてそのときの
受信電界強度R が選択されていく。図5のB2は、このト
ラッキング信号TRの一例である。
【0041】このように、本実施例におけるトラッキン
グ信号302 は、図5の点線で示すように、図3の点線で
示す実施例1におけるトラッキング信号102 より滑らか
に変化している。最小値トラッキング回路34で生成され
たトラッキング信号TRは、トラッキング信号302 として
乗算器36へ出力される。乗算器36では、入力端子38から
与えられる音声信号304 にトラッキング信号302 を乗
じ、これを音声信号306として出力端子40へ出力する。
したがって、音声信号306 は、トラッキング信号302 に
応じて変化し、トラッキング信号302 が大きいときは大
きくなり、小さいときは小さくなる。
【0042】このように、第2の実施例によれば、受信
電界強度が急激に減少して音声信号に含まれるノイズレ
ベルが急激に増大する場合にはそのノイズを素早く減衰
させるが、受信電界強度が増大に転じた場合にはハング
オーバ期間C が経過した後に音声信号を緩やかに増大さ
せているので、第1の実施例の場合よりノイズ低減特性
がより滑らかとなり、より自然なノイズ低減効果が期待
できる。
【0043】図7は、本発明によるノイズ低減回路の第
3の実施例を示す構成図である。このノイズ低減回路50
は、図4に示すノイズ低減回路30における最小値トラッ
キング回路34をハングオーバ機能付きの最小値補間トラ
ッキング回路54に置き換えると共に、乗算器58の音声信
号入力側に遅延回路56を追加したものであって、受信電
界強度検出回路52および乗算器58は、図4における受信
電界強度検出回路52および乗算器58と同じものである。
【0044】なお、遅延回路56は、入力端子60から入力
される音声信号504 をハングオーバ期間C に相当する時
間だけ遅延させて乗算器58へ出力するものである。ま
た、最小値トラッキング回路54は、受信電界強度検出回
路52からの電界強度信号500 に基づいてトラッキング信
号502 を生成して乗算器58へ出力するものであるが、ト
ラッキング信号502 は図4におけるトラッキング信号30
2 よりさらに滑らかに変化する。
【0045】図8は、図7に示す最小値補間トラッキン
グ回路54の一例を示す機能構成図である。図9におい
て、トラッキング生成部580 は、図4に示すハングオー
バ機能付きの最小値トラッキング回路34と同じ機能を有
するもので、電界強度信号585(図7の電界強度信号500
に該当する)に基づいてトラッキング信号586 を生成
する。たとえば、図10に示すように、実線で表される電
界強度信号585 が入力されたとき、点線で表されるトラ
ッキング信号を生成する。遅延部581 は、トラッキング
生成部580 で生成されたトラッキング信号586 をハング
オーバ期間C に相当する時間遅延させ、これをトラッキ
ング信号587 として切り替え部584 へ出力する。したが
って、切り替え部584 に入力されるトラッキング信号58
7 は、図10の上では、実線で表される電界強度信号585
よりも右方向にハングオーバ期間Cだけずれることにな
る。
【0046】トラッキング信号生成部582 は、電界強度
信号585 に基づいてトラッキング信号588 を生成する。
たとえば、電界強度信号585 が、図10の実線で表される
ように時間t0、t1、t2、t3、t4でそれぞれ極小値RO、R
1、R2、R3、R4になり、t0とt1の間、t1とt2の間、t2とt
3の間はそれぞれハングオーバ期間C より短く、t3とt4
の間はハングオーバ期間C より長い電界強度信号585 が
入力された場合、一点鎖線で示すような各極小値間を補
完するトラッキング信号を生成する。
【0047】詳細には、トラッキング信号生成部582
は、電界強度信号585 の極小値を監視し、また、極小値
を検出する毎に補間カウンタをリセットして再起動す
る。なお、この補間カウンタは、トラッキング信号発生
部580 においてトラッキング信号586 を繰り返し生成す
る際の繰り返し(周期T0)に同期している所定のパルス
を計数する。これにより、極小値検出時からの経過時間
を知る。
【0048】トラッキング信号生成部582 は、たとえ
ば、t2で極小値R2を検出すると、極小値R2とメモリ1に
格納してあるt2における極小値R1と補間カウンタのカウ
ンタ値N2とを使用し、(3) 式により極小値R1とR2の間を
補間するトラッキング信号を求める。そして、求めたト
ラッキング信号をトラッキング信号588 として蓄積部58
3 に一旦格納する。(3) 式の計算を終了した後、メモリ
1に格納されている極小値R1を極小値R2に置き換える。
これらの処理は、次の極小値が検出する前に終了する。
【0049】
【数3】R =R1+(R2 −R1)・n /N2 ・・・(3) ここで、 n=0,1,2,...,N2である。トラッキング信号生
成部582 は、さらに、補間カウンタのカウンタ値N2が定
められたハングオーバ期間C より大きいか否かを調べ
る。この場合、N2<C であるので、t2からハングオーバ
期間C 経過後にカウンタ値N2に相当する期間( t2−t1に
相当する) に、切り替え回路584 へ値「1」の切り替え制
御信号590 を出力すると共に蓄積部583 に格納した極小
値R1とR2の間を補間するトラッキング信号を周期T0で順
次読み出し、トラッキング信号589として切り替え部584
へ出力する。図10のt1〜t2間の一点鎖線は、このトラ
ッキング信号589 を示す。ただし、実際には、ハングオ
ーバ期間C だけ遅れて出力される。
【0050】切り替え部584 は、切り替え制御信号590
が「1」 のとき、蓄積部583 から出力されるトラッキング
信号589 を選択し、これをトラッキング信号591 として
出力する。極小値R2〜R3間を補完するトラッキング信号
も同様にして生成され、t3からハングオーバ期間C 遅れ
て切り替え部584 から出力される。
【0051】しかし、電界強度信号585 が、図10に示す
ように、極小値を検出した時間t3からハングオーバ期間
C が経過しても次の極小値を検出できない場合には、ト
ラッキング信号生成部582 は、補間カウンタのカウンタ
値nが n=C になったとき、つまり、t3からハングオー
バ期間C が経過したとき切り替え制御信号590 の値を
「1」 から「0」 に変更する。そして、トラッキング信号の
生成を中止する。切り替え部584 は、切り替え制御信号
590 が「0」 になると、遅延部581 からのトラッキング信
号587 を選択し、これをトラッキング信号591 として出
力する。図10のt3以降の点線は、このトラッキング信号
を示す。ただし、実際には、ハングオーバ期間C だけ遅
れて出力される。
【0052】なお、トラッキング信号生成部580 は、一
定の比率( δ) で増大するトラッキング信号から受信電
界強度に追従して減少するトラッキング信号に切り替え
て出力するとき、変更信号をトラッキング信号生成部58
2 へ出力する。トラッキング信号生成部582 は、この変
更信号を受信した場合、その後最初に電界強度信号585
の極小値Rnを検出したとき、その極小値Rnをメモリ1に
格納し、補間カウンタをリセットしてカウントを再開さ
せる。以後、前述のように極小値間を補完するトラッキ
ング信号を生成する。図9の点線は、切り替え部584 か
ら出力されるトラッキング信号591 を示している。
【0053】このように、本実施例におけるトラッキン
グ信号591 は、受信電界強度の極小値間では両極小値を
補完する値を取るので、第2の実施例よりいっそう円滑
に変化している。なお、図9の実線で示す電界強度信号
585 は、トラッキング信号591 と対比しやすくするた
め、実際の位置よりハングオーバ期間C だけ右方向にず
らして記載してある。
【0054】最小値トラッキング回路54で生成されたト
ラッキング信号502 は乗算器58に入力される。一方、入
力端子60から入力された音声信号504 は、遅延回路56に
よりハングオーバ期間C だけ遅延される。これにより、
音声信号506 とトラッキング信号502 との位相が一致す
る。遅延された音声信号506 は乗算器58に入力される。
乗算器58では、音声信号506 にトラッキング信号502 を
乗じ、これを音声信号508 として出力端子62へ出力す
る。したがって、音声信号504 は、トラッキング信号50
2 に応じて変化し、トラッキング信号502 が大きいとき
は大きくなり、小さいときは小さくなる。
【0055】以上のように第3の実施例によれば、受信
電界強度の極小値を検出してからハングオーバ期間内に
次の極小値を検出した場合には極小値間を補間する値を
とり、ハングオーバ期間内に次の極小値を検出しない場
合にはハングオーバ期間経過後緩やかに増大する値をと
るトラッキング信号を生成し、これを音声信号に乗じて
いるので、より滑らかで自然なノイズ低減効果を期待す
ることができる。
【0056】図11は、本発明によるノイズ低減回路の第
4の実施例を示す構成図である。このノイズ低減回路70
は、図1に示すノイズ低減回路10における乗算器16をフ
ィルタ回路76に置き換えたものであって、受信電界強度
検出回路72および最小値トラッキング回路74は、図1に
おける受信電界強度検出回路12および最小値トラッキン
グ回路14と同じものである。なお、フィルタ回路76は、
外部からゲインおよび通過帯域を制御することができる
フィルタであって、本実施例では、最小値トラッキング
回路74からのトラッキング信号702 に基づいて入力端子
78から入力される音声信号のレベルおよび通過帯域を制
御するものである。
【0057】図12は、フィルタ回路76の周波数特性の一
例である。この周波数特性は、たとえば、1次のIIR (I
nfinite Impulse response) 低域通過フィルタで実現す
ることができ、その伝達関数H(z) は(4) 式により表さ
れる。
【0058】
【数4】H(z)=(1−σ)・(1+σ・z-1 ) ・・・(4) ここで、係数σは0 ≦σ≦1 の範囲内に設定される。こ
のフィルタは、図12に示すように、係数σの値を1 から
0 に変化させていくと、周波数特性が矢印の方向に変化
する。そして、係数σの値が小さくなるに従ってゲイン
が低下していくが、高域のゲインは低域のゲインに比べ
て大きく低下していく。したがって、係数σの値をトラ
ッキング信号702 に従って制御することにより、入力端
子78から入力される音声信号704 のレベルを、トラッキ
ング信号702 に応じて変化させることができる。この場
合、トラッキング信号702 のレベルTRを0 ≦TR≦1 とな
るように変換すれば、変換後のTRを(3) 式の係数σとし
て使用することができる。
【0059】ところで、図1に示す乗算器16は、トラッ
キング信号102 に従って音声信号104 のレベルを変化さ
せるものであるが、周波数特性は平坦である。しかし、
本実施例のフィルタ回路76では、図10に示すように高域
におけるゲインの低域より大きく、その傾向は係数σが
1 に近づくほど顕著となる傾向にある。したがって、フ
ィルタ回路76により、ノイズを全体的に低減させること
ができると共に、人間の聴覚にとって耳触りとなる傾向
が強い高域成分のノイズをより低減させることができ
る。なお、ややノイズ低減効果が低下するが低域通過帯
域が変化しないフィルタを使用してもよい。
【0060】このように、第4の実施例によれば、トラ
ッキング信号に基づいてフィルタ回路のゲインおよび通
過帯域を制御しているので、聴感上効果的にノイズを低
減することができる。
【0061】図13は、フィルタ回路76の周波数特性の他
の例である。この周波数特性は、たとえば、2次の IIR
フィルタで実現することができ、その伝達関数 H(z) は
(5)式により表される。
【0062】
【数5】 H(z)=σ8(1 −1.764・σ-1・z-1+0.837・σ-2・z-2)/(1−1.764・z-1 +0.837・ z-2 ) ・・・(5) ここで、係数σは0 ≦σ≦1 の範囲内に設定される。こ
のフィルタは、図13に示すように、周波数特性が音声信
号の大局的スペクトラムに相似するように構成されてお
り、音声情報が多く含まれている500Hz 近傍の成分はで
きるだけ低減されず、その他の成分はできるだけ低減さ
れるように構成されている。そして、図13に示すよう
に、係数σの値を1 から0 に変化させていくと、周波数
特性が矢印の方向に変化する。したがって、係数σの値
をトラッキング信号702 に従って制御することにより、
入力端子78から入力される音声信号704 のレベルを、ト
ラッキング信号702 に応じて変化させることができる。
この場合、トラッキング信号702 のレベルTRを0 ≦TR≦
1 となるように変換すれば、変換後のTRを(5) 式の係数
σとして使用することができる。
【0063】このように、フィルタ回路76に図13のフィ
ルタを使用することにより、図12のフィルタと同様に、
聴感上耳障りな高域のノイズを効果的に低減でき、さら
には、低域のいわゆる「こもり感」となるノイズも低減
できる。また、図13のフィルタでは、音声情報が多く含
まれている500Hz 近傍の成分はできるだけ低減しないよ
うに制御しているので音声信号を損なわずに効果的なノ
イズ低減効果を期待することができる。
【0064】なお、第4の実施例では、フィルタ回路76
のフィルタをIIR 型で構成しているが、FIR (Finite Im
pulse Response) 型でもよい。また、IIR 型とFIR 型を
組み合わせて構成してもよい。また、フィルタの次数、
係数は一例であり、その他の次数、係数の組み合わせも
可能である。
【0065】また、図4に示す第2の実施例のノイズ低
減回路30における乗算器36に替えて、図12に示す周波数
特性または図13に示す周波数特性を有するフィルタ回路
76を使用してもよい。図12のフィルタ回路76を使用した
場合には、第2の実施例と同様に滑らかなノイズ低減特
性を得ることができ、さらに、聴感上耳障りな高域のノ
イズを低減させることができるので、効果的かつ自然な
ノイズ低減効果が期待できる。また、図13のフィルタ回
路76を使用した場合には、第2の実施例と同様に滑らか
なノイズ低減特性を得ることができ、さらに、聴感上耳
障りな高域のノイズを効果的に低減できると共に、低域
の「こもり感」となるノイズも低減できる。また、音声
情報が多く含まれている500Hz 近傍の成分をできるだけ
低減しないように制御しているので、音声信号を損なわ
ず効果的かつ自然なノイズ低減効果が期待できる。
【0066】図7に示す第3の実施例のノイズ低減回路
50における乗算器58に替えて、図12に示す周波数特性ま
たは図13に示す周波数特性を有するフィルタ回路76を使
用してもよい。図12のフィルタ回路76を使用した場合に
は、第3の実施例と同様に滑らかなノイズ低減特性を得
ることができ、さらに、聴感上耳障りな高域のノイズを
低減させることができるので、効果的かつ自然なノイズ
低減効果が期待できる。図13のフィルタ回路76を使用し
た場合には、第3の実施例と同様に滑らかなノイズ低減
特性を得ることができ、さらに、聴感上耳障りな高域の
ノイズをより効果的に低減できると共に、低域の「こも
り感」となるノイズも低減できる。また、音声情報が多
く含まれている500Hz 近傍の成分をできるだけ低減しな
いように制御しているので、音声信号を損なわず効果的
かつ自然なノイズ低減効果が期待できる。
【0067】
【発明の効果】このように本発明によれば、受信電強度
の極小値間を滑らかに変化するトラッキング信号により
音声信号のレベルを制御しているので、滑らかなノイズ
低減特性を得ることができる。さらに、フィルタ回路で
音声信号のレベルを制御することにより聴感上耳障りな
高域のノイズを低減させることができるので、効果的か
つ自然なノイズ低減効果が期待できる。したがって、本
発明はFM方式を用いた携帯電話に適用すると最も効果的
であるが、FM方式の受信装置であれぱ適用可能であり、
たとえば、車積FM受信機などにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるノイズ低減回路の第1の実施例を
示す構成図である。
【図2】携帯電話装置等の受信機で受信される受信波の
受信電界強度の一例を示す図である。
【図3】第1の実施例における最小値トラッキング回路
の特性を示す図である。
【図4】本発明によるノイズ低減回路の第2の実施例を
示す構成図である。
【図5】第2の実施例におけるハングオーバ機能付き最
小値トラッキング回路の特性を示す図である。
【図6】第2の実施例におけるハングオーバ機能付き最
小値トラッキング回路の動作を示すフローチャートであ
る。
【図7】本発明によるノイズ低減回路の第3の実施例を
示す構成図である。
【図8】第3の実施例におけるハングオーバ機能付きの
最小値補間トラッキング回路の一例を示す図である。
【図9】ハングオーバ機能付きの最小値補間トラッキン
グ回路の特性を示す図である。
【図10】ハングオーバ機能付きの最小値補間トラッキ
ング回路内のトラッキング信号生成部の特性を示す図で
ある。
【図11】本発明によるノイズ低減回路の第4の実施例
を示す構成図である。
【図12】第4の実施例におけるフィルタ回路の周波数
特性を示す図である。
【図13】第4の実施例におけるフィルタ回路の他の周
波数特性を示す図である。
【符号の説明】
10、30、50、70 ノイズ低減回路 12、32、52、72 受信電界強度検出回路 14、34、74 最小値トラッキング回路 54 最小値補間トラッキング回路 16、36、58 乗算器 56 遅延回路 76 フィルタ回路

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信電界強度を検出する受信電界強度検
    出手段と、 該受信電界強度検出手段で検出された受信電界強度が減
    少するときには該受信電界強度に追従して減少し、該受
    信電界強度が極小値から増大するときには該極小値から
    所定の比率で増大するトラッキング信号を生成するトラ
    ッキング信号生成手段と、 入力音声信号のレベルを前記トラッキング生成手段で生
    成されたトラッキング信号に従って制御するレベル制御
    手段とを含むことを特徴とするノイズ低減回路。
  2. 【請求項2】 受信電界強度を検出する受信電界強度検
    出手段と、 該受信電界強度検出手段で検出された受信電界強度が減
    少するときには該受信電界強度に追従して減少し、該受
    信電界強度が極小値から増大するときには所定の期間該
    極小値を保持し以後所定の比率で増大するトラッキング
    信号を生成するトラッキング信号生成手段と、 入力音声信号のレベルを前記トラッキング生成手段で生
    成されたトラッキング信号に従って制御するレベル制御
    手段とを含むことを特徴とするノイズ低減回路。
  3. 【請求項3】 受信電界強度を検出する受信電界強度検
    出手段と、 該受信電界強度検出手段で検出された受信電界強度が極
    小値となった後に所定の期間内に再度極小値になったと
    きは両極小値間を補完する値をとり、該受信電界強度が
    極小値となった後に該所定の期間内に再度極小値になら
    なかったときは該極小値の受信電界強度を該所定の期間
    保持し以後受信電界強度より大きくなるまで所定の比率
    で増大し、受信電界強度より大きくなったとき該受信電
    界強度に追従して減少するトラッキング信号を生成し、
    該トラッキング信号を前記所定の期間経過後から出力す
    るトラッキング生成手段と、 入力音声信号を前記所定の期間遅延させる遅延手段と、 該遅延手段で遅延された入力音声信号のレベルを前記ト
    ラッキング生成手段から出力されるトラッキング信号に
    従って制御するレベル制御手段とを含むことを特徴とす
    るノイズ低減回路。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3に記載の回路にお
    いて、前記レベル制御手段は、入力音声信号にトラッキ
    ング信号を乗算する乗算回路であることを特徴とするノ
    イズ低減回路。
  5. 【請求項5】 請求項1、2または3に記載の回路にお
    いて、前記レベル制御手段は、入力音声信号のレベルを
    前記トラッキング信号に従って制御する低域通過フィル
    タであることを特徴とするノイズ低減回路。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の回路において、前記低
    域フィルタは、高域における減衰量を前記トラッキング
    信号に従って制御する低域通過フィルタであることを特
    徴とするノイズ低減回路。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の回路において、前記低
    域通過フィルタは、1次 IIRフィルタまたは1次 FIRフ
    ィルタで構成されていることを特徴とするノイズ低減回
    路。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の回路において、前記低
    域通過フィルタは、2次 IIRフィルタまたは2次 FIRフ
    ィルタで構成されていることを特徴とするノイズ低減回
    路。
  9. 【請求項9】 請求項1、2または3に記載の回路にお
    いて、前記レベル制御手段は、入力音声信号のレベルを
    前記トラッキング信号に従って制御する帯域通過フィル
    タであることを特徴とするノイズ低減回路。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の回路において、前記
    帯域通過フィルタは、1次 IIRフィルタまたは1次 FIR
    フィルタで構成されていることを特徴とするノイズ低減
    回路。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載の回路において、前記
    帯域通過フィルタは、2次 IIRフィルタまたは2次 FIR
    フィルタで構成されていることを特徴とするノイズ低減
    回路。
JP19175298A 1998-07-07 1998-07-07 ノイズ低減回路 Expired - Lifetime JP3207160B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19175298A JP3207160B2 (ja) 1998-07-07 1998-07-07 ノイズ低減回路
US09/346,894 US6839440B1 (en) 1998-07-07 1999-07-02 Method for controlling voice level and level-controlling device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19175298A JP3207160B2 (ja) 1998-07-07 1998-07-07 ノイズ低減回路

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000022566A JP2000022566A (ja) 2000-01-21
JP3207160B2 true JP3207160B2 (ja) 2001-09-10

Family

ID=16279923

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19175298A Expired - Lifetime JP3207160B2 (ja) 1998-07-07 1998-07-07 ノイズ低減回路

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6839440B1 (ja)
JP (1) JP3207160B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6571084B1 (en) * 2000-05-03 2003-05-27 Bellsouth Intellectual Property Corporation Employing different signal thresholds based on type of information transmitted
US11906642B2 (en) * 2018-09-28 2024-02-20 Silicon Laboratories Inc. Systems and methods for modifying information of audio data based on one or more radio frequency (RF) signal reception and/or transmission characteristics

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2175860C (en) * 1995-06-02 2001-03-27 Randall Wayne Rich Apparatus and method for optimizing the quality of a received signal in a radio receiver

Also Published As

Publication number Publication date
US6839440B1 (en) 2005-01-04
JP2000022566A (ja) 2000-01-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2868073B1 (en) Echo control through hidden audio signals
US5570423A (en) Method of providing adaptive echo cancellation
EP2745500B1 (en) Clock skew compensation for acoustic echo cancellers using inaudible tones
US9609450B2 (en) Method and system for monitoring speaker temperature for speaker protection
EP1080463B1 (en) Signal noise reduction by spectral subtraction using spectrum dependent exponential gain function averaging
JP3473511B2 (ja) マルチパスノイズ除去装置、オーディオ出力装置およびfm受信機
US20060062380A1 (en) Method and apparatus for canceling acoustic echo in a mobile terminal
WO1995031052A1 (fr) Compensateur d'echos et procede d'estimation de la trajectoire de l'echo
JP4101317B2 (ja) 適応識別とそれに関する適応エコーキャンセラのための方法と装置
KR20020005674A (ko) 스펙트럼 감산을 사용하는 이중 마이크로폰 신호 잡음감소용 시스템 및 방법
US20070121926A1 (en) Double-talk detector for an acoustic echo canceller
WO2011117860A1 (en) Comfort noise generation method and system
JP2009118139A (ja) エコーキャンセラ及びエコーキャンセルプログラム
JPH08204619A (ja) エコーサプレッサ
JP3207160B2 (ja) ノイズ低減回路
WO1991012683A1 (fr) Dispositif de transmission de parole a fonction conversationnelle mains libres
EP1275200A2 (en) Method and apparatus for dynamic sound optimization
US7103122B2 (en) Noise canceller
Wei et al. A new algorithm for howling detection [acoustic feedback howling]
JP2001007738A (ja) エコーキャンセラ及びエコーキャンセラの初期化方法
JP2650208B2 (ja) エコーキャンセラ
JP2793520B2 (ja) 有音判定回路
JPS58114555A (ja) ハウリング防止装置
KR970002195B1 (ko) 디지탈기기의 음소거장치 및 음소거 제어방법
JPH0465922A (ja) エコーキャンセラー

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010612

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080706

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090706

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100706

Year of fee payment: 9