JP3206988B2 - 湿式トナーおよびその製造方法 - Google Patents

湿式トナーおよびその製造方法

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JP3206988B2
JP3206988B2 JP28763592A JP28763592A JP3206988B2 JP 3206988 B2 JP3206988 B2 JP 3206988B2 JP 28763592 A JP28763592 A JP 28763592A JP 28763592 A JP28763592 A JP 28763592A JP 3206988 B2 JP3206988 B2 JP 3206988B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は静電的潜像を、絶縁性の
液体中に分散したトナーによって現像する湿式トナー及
びその製造方法に関し、電子写真用、静電印刷用、情報
記録用として適した湿式トナー及びその製造方法に関
し、とくに湿式トナーの帯電極性を転換する方法、およ
び炭化水素中においてミセル形成能を有する非イオン界
面活性剤によって帯電極性を安定に維持する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】静電的に帯電した光半導体を露光して形
成した静電的潜像を電気絶縁性液体中に分散した着色材
等からなるトナー粒子によって現像し、必要に応じて得
られた画像を転写する湿式トナーを用いた像の形成方法
はよく知られている。従来、この種の像の形成方法に用
いる湿式トナーは、電気絶縁性液体とそれに分散した粒
径0.1〜1μmの着色剤粒子とからなり、該電気絶縁
性液体中に着色剤粒子の分散、定着、荷電制御を目的と
した樹脂を溶解させたものが使用されている。
【0003】湿式現像剤において液状脂肪族炭化水素中
の着色粒子表面の電荷極性はそれを構成する材料の化学
構造および物理的な仕事関数やフェルミ準位等の電子準
位によって決められているものとされていた。さらに湿
式トナーには電荷調整剤等が種々添加されており、着色
粒子表面の電荷極性はこれらの添加物によっても影響を
受け、また静電的な潜像を形成する光感光体の特性や潜
像の形成方法によって帯電特性は影響を受け、それぞれ
の潜像に応じて現像剤の帯電を選択してきた。
【0004】また、湿式現像剤に界面活性剤を添加し
て、界面活性剤の有する親水基および疎水基を利用し、
分散安定をはかるとともに、表面張力を低下させ溶液と
分散体との濡れ特性を変化させるのに用いてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ごとく材料依存性の高い電荷極性の制御では湿式現像剤
を形成するまでその極性を最終的に判断することが困難
である。例えば、正帯電特性の湿式現像剤をある種の外
添剤によって容易にこれを逆極性の負帯電特性に転換さ
れるならば、もう一度材料構成を変えることなく、その
まま直ちに静電潜像極性に応じた現像剤として使用可能
となる。また、2成分以上の混色系で現像剤を使用する
場合には、帯電極性がすべて一致していることが要求さ
れているので、混色して使用する場合には手軽に極性制
御が可能な技術が要求されてくる。
【0006】本発明は、帯電極性の制御が容易に可能な
湿式トナーを提供することを目的とするものであり、着
色粒子が有する帯電極性を容易に反転する方法を提供す
ることを目的とするものである。さらに、本発明はトナ
ー粒子の凝集の防止をはかり、分散安定性を長期にわた
って維持することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためにカルボキシル基またはエステル基を有する
オレフィン系樹脂粒子単独、または着色剤を添加したカ
ルボキシル基またはエステル基を有するオレフィン系樹
脂粒子と液状脂肪族炭化水素とからなる湿式トナーにお
いて、ヒドロキシカルボン酸エステルをモノマーとする
3〜10量体のポリヒドロキシカルボン酸エステルおよ
び液状脂肪族炭化水素と相溶するジアルキルスルホコハ
ク酸金属塩および液状脂肪族炭化水素中でミセル形成能
を有する界面活性剤を存在させるものである。
【0008】また、カルボキシル基又はエステル基を有
するオレフィン系樹脂粒子単独、または着色剤を添加し
たカルボキシル基またはエステル基を有するオレフィン
系樹脂を、該樹脂に対する溶解性において温度依存性の
高い溶媒に加熱溶解して樹脂溶液とした後、該樹脂溶液
をヒドロキシカルボン酸エステルをモノマーとする3〜
10量体のポリヒドロキシカルボン酸エステルおよび液
状炭化水素と相溶するジアルキルスルホコハク酸金属塩
の存在下、液状脂肪族炭化水素中に投入、冷却して樹脂
粒子を析出させると共に、溶媒を該脂肪族炭化水素で置
換した後、液状炭化水素中でミセル形成能を有する界面
活性剤を添加する湿式トナーの製造方法である。
【0009】すなわち、ミセル形成能を有する界面活性
剤と使用樹脂との相互作用により、樹脂−界面活性剤か
らなるミセル外周に本来の着色粒子と逆極性の電荷を発
生させるものであり、使用樹脂単独で発生する帯電極性
をミセルの電気二重層による逆極性の電荷を発生し、湿
式現像剤の極性を容易に反転制御ならしめるものであ
る。
【0010】また、非イオン界面活性剤の有する長鎖ア
ルキル基を利用し、造粒した樹脂粒子から高絶縁性溶剤
中へ炭化水素基が伸びきるために造粒粒子自身が本来持
つ自由体積よりも大きな体積を占めることになり、粒子
が衝突してもすぐに反発する力が働き分散安定性が増加
する。さらに、ポリ12−ヒドロキシステアリン酸誘導
体を含有することによって、分散安定性とともに帯電安
定性を長期にわたり維持することができる。
【0011】まず、本発明の湿式トナーにおける構成成
分について説明する。電気絶縁性液体である液状の脂肪
族炭化水素は、1010Ω・cm以上の体積抵抗を有し、湿
式トナーにおける電気絶縁性を高めることを目的として
使用されるものであり、また、オレフィン系樹脂に対し
て溶解力が比較的小さいことが要求され、これにより湿
式トナーとしての劣化が防止される。
【0012】液状の脂肪族炭化水素としては、液状のn
−パラフィン系炭化水素、iso−パラフィン系炭化水
素、またはその混合物、ハロゲン化脂肪族炭化水素等が
挙げられる。特に好ましくは分岐鎖脂肪族炭化水素であ
り、例えばエクソン社製のアイソパーG、アイソパー
H、アイソパーK、アイソパーL、アイソパーM、アイ
ソパーV等を使用することが好ましい。これらはエチレ
ン−酢酸ビニル共重合樹脂に対して殆ど溶解性を有しな
いものであり、例えばアイソパーHに対する樹脂の溶解
性は、25℃と65℃での溶解度差が0.001g/溶
媒ml以下である。湿式トナー保存時には、液状脂肪族炭
化水素は湿式トナーの全重量を基準に0.01〜80重
量%、好ましくは0.1〜50重量%存在させるとよ
く、この固型分濃度に濃縮された状態で保存するのが経
時変化がなく好ましい。尚、現像時における湿式トナー
としては固型分濃度が0.5〜2重量%となるように液
状脂肪族炭化水素で希釈して使用するとよく、これによ
り好ましい印刷物が得られる。
【0013】オレフィン系樹脂としては、エチレン−酢
酸ビニル共重合体が好ましい。エチレン−酢酸ビニル共
重合体としては、商品名で挙げると、東ソー (株)製ウ
ルトラセン・シリーズ、例えば510X,515F,530,537,537
L,537S,525,520F, 540,540F,541,541L,625,630,630F,68
2,627,631,633,680,681,635,634,710,720,722,725,751,
750,760等、住友化学工業 (株)製スミテート・シリー
ズ、例えばDD-10,HA-20,HC-10,HE-10,KA-10,KA-20,KA-3
1,KC-10,KE-10,MB-11,RB-11 等、三井・デュポンポリケ
ミカル (株)製エバフレックス・シリーズ、例えば45X,
Y-W,150,210,220,250,260,310,360,410,420,450,460,55
0,560 等、日本合成工業(株)ソアグレン・シリーズ、
例えば BH,CH,CI,DH等、同ソアレックスシリーズ、例え
ば RBH,RCH,RDH等、武田薬品工業(株)デュミラン・シ
リーズ、例えばデュミランD-219 、D-229 、D-251S、C-
2280、C-2270、C-1590、C-1570、C-1550等が挙げられ
る。また、三菱油化 (株)製ユカロン−エバ、米国デュ
ポン社製エルパックス等を使用できる。
【0014】その他、ポリオレフィン樹脂を変性しカル
ボキシル基を導入したもの、一例を商品名で挙げると、
日本石油化学 (株)製Nポリマー、東燃石油化学 (株)
製東燃CMP−HAシリーズ、三菱油化 (株)製MOD
IC、製鉄化学工業 (株)製ザイクセン、三井東圧化学
(株)製ロンプライ、三井石油化学工業 (株)製アドマ
ー等、また、エチレンとアクリル酸との共重合体、商品
名で挙げるとダウケミカル社製ダウEAAコポリマー、
三菱油化(株)ユカロンEAA、三井・デュポンポリケ
ミカル(株)ニュクレル、住友化学(株)アクリフト
等、更に、エチレンとアクリル酸又はメタアクリル酸と
の共重合体、或いは更にそれらを架橋させたいわゆるア
イオノマー、商品名で挙げると米国デュポン社製サーリ
ン、三井・デュポンポリケミカル (株)製ハイミラン、
旭化成(株)製コーボレンラテックス等、BASF社製
EVA1ワックス添加、また、エチレンと酢酸ビニルと
の共重合体の部分ケン化物、商品名で挙げると、武田薬
品工業 (株)製デュミラン等、エチレンとアクリル酸エ
ステルとの共重合体、商品名で挙げると日本ユニカー
(株)製DPD−6169等、更に、カルボキシル性の
カルボニル基を含有するポリオレフィン系樹脂等を挙げ
ることができ、これらの樹脂を1種もしくは2種以上を
混ぜて使用することができる。
【0015】次に、ポリヒドロキシカルボン酸エステル
について説明する。ポリヒドロキシカルボン酸エステル
は、樹脂粒子形成工程中に存在させると造粒調整機能を
有し、粒度分布の揃った樹脂粒子が得られる。また、樹
脂粒子ともその構造上親和性を有し、分散剤としても機
能する。
【0016】ポリヒドロキシカルボン酸エステルの重合
原料であるヒドロキシカルボン酸エステルは、下式で示
されるヒドロキシカルボン酸におけるカルボン酸がアル
キル、またはアラルキルエステル化されたもの、またア
ミド化されたもの、または金属塩とされたものである。 式 HO−X−COOH (式中、Xは少なくとも12
の炭素原子を含む2価の飽和または不飽和の脂肪族炭化
水素、または少なくとも6個の炭素原子を含む2価の芳
香族炭化水素で、またヒドロキシ基とカルボキシル基と
の間には少なくとも4個の炭素原子がある。)このよう
なヒドロキシカルボン酸としては、例えばリシノール
酸、10−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシ
ステアリン酸、水素化されたヒマシ油脂肪酸(12−ヒ
ドロキシステアリン酸に少量のステアリン酸とパルミチ
ン酸含有物)、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、15
−ヒドロキシペンタデカン酸、12−ヒドロキシドデカ
ン酸、4−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−1−
ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、1−ヒ
ドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシフェニル酢
酸、3−ヒドロキシフェニル酢酸、4−ヒドロキシフェ
ニル酢酸、および3−(4−ヒドロキシフェニル)−プ
ロピオン酸などである。
【0017】また、ヒドロキシカルボン酸の誘導体とし
ては、例えば12−ヒドロキシステアリン酸メチルエス
テル、12−ヒドロキシステアリン酸エチルエステル等
のヒドロキシカルボンアルキルエステル、12−ヒドロ
キシカルボン酸リチウム、12−ヒドロキシカルボン酸
アルミニウム等のヒドロキシカルボン酸の金属塩、また
ヒドロキシカルボン酸アマイド、硬化ヒマシ油等が挙げ
られる。
【0018】ポリヒドロキシカルボン酸エステルは、上
記のヒドロキシカルボン酸エステルを少量のアミン類も
しくは触媒の存在下、部分鹸化することにより重合させ
て得られ、その重合形態としては分子間でのエステル化
によるもの、また分子内でのエステル化によるもの等の
種々の形態をとる。本発明におけるポリヒドロキシカル
ボン酸エステルにおける重合度は、3〜10量体が好ま
しく、淡灰褐色のワックス状物質である。その重合度が
3より小さいか、または10より大きいと、液状脂肪族
炭化水素と相溶性がなく、造粒工程に使用しても、樹脂
粒子の粒度分布は広く、所期のものは得られない。ポリ
ヒドロキシカルボン酸エステルの添加量は、特に限定さ
れないが、樹脂重量あたり、0.01重量%〜200重
量%の割合で使用される。
【0019】次に、着色剤としては、公知の有機若しく
は無機の着色剤を使用することができる。ブラック系の
着色剤としては無機系のカ−ボンブラック、四三酸化
鉄、有機系のシアニンブラックが挙げられる。イエロー
系着色剤としては、無機系の黄鉛、カドミウムイエロ
ー、黄色酸化鉄、チタン黄、オーカー等が挙げられる。
また、難溶性金属塩(アゾレーキ)のアセト酢酸アニリ
ド系モノアゾ顔料としては、ハンザイエローG( C.I.N
o. pigment Yellow 1、以下、同様)、ハンザイエロー
10G( pigment Yellow 3)、ハンザイエローRN
( pigment Yellow 65)、ハンザブリリアントイエロ
ー5GX( pigment Yellow 74)、ハンザブリリアン
トイエロー10GX( pigment Yellow 98)、パーマ
ネントイエローFGL( pigment Yellow 97)、シム
ラレーキファストイエロー6G( pigment Yellow 13
3)、リオノールイエローK−2R( pigment Yellow
169)、またアセト酢酸アニリドジスアゾ顔料として
は、ジスアゾイエローG( pigment Yellow 12)、ジ
スアゾイエローGR( pigment Yellow 13)、ジスア
ゾイエロー5G( pigment Yellow 14)、ジスアゾイ
エロー8G( pigment Yellow 17)、ジスアゾイエロ
ーR( pigment Yellow 55)、パーマネントイエロー
HR( pigment Yellow 83)が挙げられる。
【0020】縮合アゾ顔料としては、クロモフタルイエ
ロー3G( pigment Yellow 93)、クロモフタルイエ
ロー6G( pigment Yellow 94)、クロモフタルイエ
ローGR( pigment Yellow 95)が挙げられる。更
に、ベンズイミダゾロン系モノアゾ顔料としては、ホス
タパームイエローH3G( pigment Yellow 154)、
ホスタパームイエローH4G( pigment Yellow 15
1)、ホスタパームイエローH2G( pigment Yellow
120)、ホスタパームイエローH6G( pigmentYell
ow 175)、ホスタパームイエローHLR( pigment
Yellow 156)が挙げられる。また、イソインドリノ
ン系顔料としては、イルガジンイエロー3RLTN( p
igment Yellow 110)、イルガジンイエロー2RL
T、イルガジンイエロー2GLT( pigment Yellow 1
09)、ファストゲンスーパーイエローGROH( pig
ment Yellow 137)、ファストゲンスーパーイエロー
GRO(pigment Yellow 110)、サンドリンイエロ
ー6GL( pigment Yellow 173)が挙げられ、その
他、スレン系顔料であるフラバントロン( pigment Yel
low 24)、アントラミリミジン( pigment Yellow 1
08)、フタロイルアミド型アントラキノン( pigment
Yellow 123)、ヘリオファストイエローE3R( p
igment Yellow 99)、金属錯体顔料であるアゾ系ニッ
ケル錯体顔料( pigment Green10)、ニトロソ系ニッ
ケル錯体顔料( pigment Yellow 153)、アゾメチン
系銅錯体顔料( pigment Yellow 117)、更にキノフ
タロン顔料であるフタルイミドキノフタロン顔料( pig
ment Yellow 138)等が挙げられる。
【0021】また、マゼンタ系着色剤としては無機系の
カドミウムレッド、ベンガラ、銀朱、鉛丹、アンチモン
朱が挙げられる。また、アゾ系顔料のアゾレーキ系とし
ては、ブリリアントカーミン6B( pigment Red57:
1)、レーキレッド( pigment Red53:1)、パーマ
ネントレッドF5R( pigment Red48)、リソールレ
ッド( pigment Red49)、ペルシアオレンジ( pigme
nt Orange17)、クロセイオレンジ( pigment Orange
18)、ヘリオオレンジTD( pigment Orange1
9)、ピグメントスカーレット( pigment Red60:
1)、ブリリアントスカーレットG( pigment64:
1)、ヘリオレッドRMT( pigment Red51)、ボル
ドー10B( pigment Red63)、ヘリオボルドーBL
( pigment Red54)が挙げられ、また、不溶性アゾ系
(モノアゾ、ジスアゾ系、縮合アゾ系)としては、パラ
レッド( pigment Red1)、レーキレッド4R( pigme
nt Red3)、パーマネントオレンジ( pigment Orange
5)、パーマネントレッドFR2( pigment Red2)、
パーマネントレッドFRLL( pigment Red9)、パー
マネントレッドFGR( pigment Red112)、ブリリ
アントカーミンBS( pigment Red114)、パーマネ
ントカーミンFB( pigment Red5)、P.V.カーミ
ンHR( pigment Red150)、パーマネントカーミン
FBB( pigmentRed146)、ノバパームレッドF3
RK−F5RK( pigment Red170)、ノバパームレ
ッドHFG( pigment Orange38)、ノバパームレッ
ドHF4B( pigment Red187)、ノバパームオレン
ジHL.HL−70( pigment Orange36)、P.
V.カーミンHF4C( pigment Red185)、ホスタ
バームブラウンHFR( pigment Brown25)、バルカ
ンオレンジ( pigment Orange16)、ピラゾロンオレ
ンジ( pigment Orange13)、ピラゾロンレッド( pi
gment Red38)が挙げられ、更に、縮合アゾ顔料とし
てクロモフタールオレンジ4R( pigment Orange3
1)、クロモフタールスカーレットR( pigment Red1
66)、クロモフタールレッドBR( pigment Red14
4)が挙げられる。
【0022】また、縮合多環系顔料であるアントラキノ
ン顔料としてピランスロンオレンジ( pigment Orange
40)、アントアントロンオレンジ( pigment Orange
168)、ジアントラキノニルレッド( pigment Red1
77)が挙げられ、チオインジゴ系顔料としてチオイン
ジゴマゼンタ( pigment Violet38)、チオインジゴ
バイオレット( pigment Violet36)、チオインジゴ
レッド( pigment Red88)が挙げられ、ペリノン系顔
料としてペリノンオレンジ( pigment Orange43)が
挙げられ、更にペリレン系顔料として、ペリレンレッド
( pigment Red190)、ペリレンバーミリオン( pig
ment Red123)、ペリレンマルーン(pigment Red1
79)、ペリレンスカーレット( pigment Red14
9)、ペリレンレッド( pigment Red178)が挙げら
れ、キナクリドン系顔料としてキナクリドンレッド( p
igment Violet19)、キナクリドンマゼンタ( pigme
nt Red122)、キナクリドンマルーン( pigment Red
206)、キナクリドンスカーレット( pigment Red2
07)が挙げられ、その他、縮合多環顔料としてピロコ
リン系顔料、赤色系フルオルビン系顔料、染付けレーキ
系顔料(水溶性染料+沈殿剤→レーキ化固着)が挙げら
れる。
【0023】シアン系着色剤としては、無機系の群青、
紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー等が挙げら
れ、またフタロシアニン系として、ファーストゲンブル
−BB( pigment Blue 15)、スミトン・シアニン・
ブルーHB( pigment Blue 15)、シアニンブルー5
020( pigment Blue 15:1)、スミカプリント・
シアニン・ブルーGN−O( pigment Blue 15)、フ
ァスト・スカイブルーA−612( pigment Blue 1
7)、シアニン・グリーンGB( pigment Green7)、
シアニングリーンS537−2Y( pigment Green3
6)、スミトン・ファストバイオレットRL( pigment
Violet23)が挙げられ、また、スレン系顔料である
インダントロンブルー(PB−60P,PB−22,P
B−21,PB−64)、塩基性染料レーキ顔料である
メチルバイオレット・リン・モリブデン酸レーキ(PV
−3)等が挙げられる。その他、上記着色剤の表面に樹
脂をコーティングしたいわゆる加工顔料と呼ばれる着色
剤も同様に使用することができる。
【0024】また、湿式トナーとしての保存安定性、ま
たは得られた湿式トナーを用いてカラー画像を形成した
時の画像の透明性、混色性を考慮すると、上記着色剤の
中でも、ブラック系ではカ−ボンブラック、イエロー系
としてはベンジジンイエロー及びハンザイエローの混合
物、マゼンタ系ではブリリアントカーミン6B、シアン
系ではフタロシアニンブルーを使用することが好まし
い。
【0025】着色剤は、二次凝集状態で粒径30〜15
0μmの粉末状のものを使用するとよく、またその使用
量は、樹脂重量に対して0.0001〜2000重量%
の範囲で任意に選択しうるが、オフセット印刷と同等の
多色の連続諧調を再現するためには、各色トナーの被転
写体への転写後の光学反射濃度が0.7以上あることが
必要であり、特にシアン及びブラックに関しては1.0
以上あることが望ましい。各色について光学反射濃度を
0.7以上とするには、ブラック及びシアンの場合、上
記と同様の重量基準で10〜150重量%であり、マゼ
ンタの場合40〜150重量%、イエローの場合10〜
100重量%とするとよい。いずれの色についても上記
の範囲を越えると、現像後、地汚れを生じやすくなる。
【0026】また、本発明に使用する液状脂肪族炭化水
素中でミセル形成能を有する界面活性剤の濃度は、液状
脂肪族炭化水素中の不溶粒子分の10%以下でかつHL
B値6以下であり、好ましくは1から4.7までのもの
である。さらにカルボキシル基またはエステル基を有す
るオレフィン系樹脂を用いているため、これらの樹脂と
の相互作用をする両親媒性界面活性剤が好ましい。本発
明での合成樹脂と界面活性剤が一対のミセル形成能を有
する界面活性剤には以下のようなものが使用可能であ
る。
【0027】HLB(Hydrophilic−Lip
ophilic−Balance)値は界面活性剤の疎
水性・親油性−親油性・疎水性という両極性構造の性質
を定量的に示す指標であり、界面活性剤のその用途選択
の目安として使用されている。また、2種以上の界面活
性剤を混合して使用する場合には混合した界面活性剤の
HLB値はその配合比率に基づく相加平均で算出され
る。
【0028】本発明において使用可能な界面活性剤に
は、リン酸エステル塩類としてのアルキルエーテルリン
酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等が挙げら
れ、また両性界面活性剤では特にカルボキシベタイン型
類、アミノカルボン酸塩、イミダゾリウムベタイン類で
ある。さらに、アルキルイミダゾリン型類、アミドベタ
イン型も使用可能である。この類には具体的に、川研フ
ァインケミカル(株)のソフタゾリン類、例えばソフタ
ゾリンCL、ソフタゾリンCH、ソフタゾリンCHS、
ソフタゾリンNS、ソフタゾリンSFD、ソフタゾリン
SF、ソフタゾリンCPB、ソフタゾリンLPB、花王
(株)のアルキルベタインであるアンヒトール20B
S、アンヒトール24B、アンヒトール86B、アンヒ
トール20Yなどである。これらは単独または2種類以
上を混合して用いてもよい。
【0029】また、花王(株)製のレオドールSP−P
10(HLB=6.7)、レオドールSP−S30(H
LB=2.1)、レオドールSP−010(HLB=
1.8)、レオドールSP−030(HLB=1.
8)、レオドールSP−S10(HLB=4.7)、レ
オドールAS−10(HLB=4.7)、レオドールA
O−10(HLB=4.3)、エマゾールS−10
(F)(HLB=4.3)、エマゾールS−30(F)
(HLB=2.1)、エマゾールO−10(F)(HL
B=4.3)、エマゾールO−30(F)(HLB=
1.8)、エマゾールスーパS−10(F)(HLB=
4.7)、エマゾールO−15(R)(HLB=3.
7)、エマゾールS−20(HLB=4.4)、レオド
ールMS−50(HLB=2.8)、レオドールMS−
60(HLB=3.5)、レオドールMO−60(HL
B=2.8)、エマゾールMO−50(HLB=2.
8)、エキセルT−95(HLB=3.8)、エキセル
VS−95(HLB=3.8)、エキセルO−95N
(HLB=3.8 食添用グレード)、エキセル150
(HLB=3.2)、エキセル200(HLB=3.
5)、エキセル300(HLB=2.8)、エキセル8
4(HLB=2.8)、エキセル122(HLB=3.
5)、エキセルP−40S(HLB=2.8)、エキセ
ルP−40(HLB=2.8)などがある。これらの中
でも特に良好な特性を示すものには、ソルビタン脂肪酸
型およびその誘導体として、花王(株)のレオドールS
P−010(HLB=4.3)、レオドールAO−10
(HLB=4.3)、エマゾールO−30(F)(HL
B=1.8)、さらに脂肪酸モノグリセライドおよびそ
の誘導体として、花王(株)のレオドールMO−60
(HLB=2.8)、エキセル300(HLB=2.
8)、レオドールSP−P10、レオドールSP−S3
0、レオドールSP−010などである。
【0030】本発明におけるミセル形成は、界面活性剤
単体の親水基または疎水基によるイオン化によって起こ
るものではなく、さらに界面活性剤でもある特殊構造例
えばポリエーテル類のイオン取込の能力を利用しそのイ
オンの極性を利用するものでもない。これらのことは、
本発明の場合には、合成樹脂を除外した着色成分と界面
活性剤単体の相互作用は弱く、界面活性剤によるイオン
化による現像剤の極性転換が得られるまでにはいたらな
いことが示している。つまり本発明のミセル形成は合成
樹脂との相互作用が強く影響しており、さらに添加濃度
がミセル面で発生するイオン極性に影響をするものであ
る。
【0031】したがって、界面活性剤の置換基または化
学構造には、湿式トナー中の合成樹脂と静電的に相互作
用をするものが使用される。特に本発明では、カルボキ
シル基またはエステル基を有するオレフィン系樹脂を用
いているので、両親媒性界面活性剤のうちカルボキシベ
タイン型アミン塩およびその誘導体および両親媒性の高
いリン酸類およびリン酸エステル誘導体が好ましい。
【0032】これらの作用機構等の詳細な理由は定かで
はないが、電荷調整剤として使用しているスルホコハク
酸金属塩およびこの誘導体と界面活性ミセル形成能の相
互作用によって電気二重層の厚みが増し、より分散安定
的に電荷が着色成分の外周に存在なし得るためと推測さ
れる。さらに、界面活性剤の使用方法においては、樹脂
に練り込む方法や分散させる方法で使用してもその効果
は小さく、むしろ外添剤として湿式トナー中に使用する
方が好ましい。
【0033】分散安定性は、ゼータ電位の変化により評
価した。すなわち、粒子表面に発生したミセルにより電
気二重層の厚みが増加し、その結果帯電および分散安定
性が増大する。一般にゼータ電位が10mV以下の場合
は、粒子間の斥力が弱まり、凝集速度が早くなり、分散
安定性は損なわれ粒子の沈降が起こる。
【0034】
【作用】本発明の湿式トナーは、カルボキシル基または
エステル基を有するオレフィン系樹脂粒子単独、または
着色剤を添加したカルボキシル基またはエステル基を有
するオレフィン系樹脂粒子と液状脂肪族炭化水素とから
なる湿式トナーにおいて、ヒドロキシカルボン酸エステ
ルをモノマーとする3〜10量体のポリヒドロキシカル
ボン酸エステルおよび液状脂肪族炭化水素と相溶するジ
アルキルスルホコハク酸金属塩および液状脂肪族炭化水
素中でミセル形成能を有する界面活性剤を存在させる
か、あるいはカルボキシル基又はエステル基を有するオ
レフィン系樹脂粒子単独、または着色剤を添加したカル
ボキシル基またはエステル基を有するオレフィン系樹脂
を、溶解度の温度依存性の高い溶媒に加熱溶解して樹脂
溶液とした後、該樹脂溶液をヒドロキシカルボン酸エス
テルをモノマーとする3〜10量体のポリヒドロキシカ
ルボン酸エステルおよび液状炭化水素と相溶するジアル
キルスルホコハク酸金属塩の存在下、液状脂肪族炭化水
素中に投入、冷却して樹脂粒子を析出させると共に、溶
媒を該脂肪族炭化水素で置換した後、液状炭化水素中で
ミセル形成能を有する界面活性剤を添加する湿式トナー
であるので、ミセル形成能を有する界面活性剤と使用樹
脂との相互作用により、樹脂−界面活性剤からなるミセ
ル外周に本来の着色粒子と逆極性の電荷を発生させるも
のであり、使用樹脂単独で発生する帯電極性をミセルの
電気二重層による逆極性の電荷を発生し、湿式現像剤の
極性を容易に反転制御することができる。
【0035】以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細
に説明する。本発明で使用するジアルキルスルホコハク
酸コバルトの調製は、以下の方法によって行った。ジア
ルキルスルホコハク酸ナトリウム(和光純薬(株)製、
AerosolOT)25重量部をテトラヒドロフラン
100重量部と混合し、50℃に加熱撹拌して溶解させ
た後、硝酸コバルト13重量部をテトラヒドロフラン3
0重量部とメタノール5部からなる混合溶媒に溶解させ
た溶液を添加し、50℃で30分間、加熱撹拌し、白色
塩を沈澱させた。この白色塩を濾去し、薄紫色の濾液を
エバポレーターを使用して濃縮し、薄赤紫色の固形物で
あるジアルキルスルホコハク酸コバルトを10.9重量
部(収率81%)得た。Isoper−G(エクソン社
製)に対する25℃での溶解度は0.2g/溶媒mlで
ある。
【0036】
【実施例】
実施例1 200ml丸底フラスコ中にデュミラン2280(変性
エチレン−ビニルアセテート共重合体、武田薬品工業
(株))2.5g、電荷調整剤Co−OT(テトラ−2
−エチルスルホコハク酸コバルト)256mg、溶媒と
してテトラヒドロフラン100mlを加えた。油浴下8
0℃で1時間加熱撹拌した。別の容器に、シアン顔料と
してMonasutral Blue FBR(ICI
社製金属フタロシアニン顔料)を2.5gとポリ−12
−ヒドロキシステアリン酸メチルエステル3量体(伊藤
製油(株)製)90mgをテトラヒドロフラン100m
l中に分散させた。これを先に反応させたフラスコ中に
一度に投入しさらに100℃で1時間撹拌混合し顔料分
散樹脂溶液とした。
【0037】顔料分散樹脂溶液を室温放置下約65℃ま
で下げた後、5℃に冷却したIsoper G(エクソ
ン社製)100ml中に超音波ホモジナイザーを使用し
ながら分散混合した。その後エバポレーターを使用して
テトラヒドロフランをIsoper G(エクソン社
製)に溶媒置換した。
【0038】粒度分析はマイクロトラックII SRA
型(日機装(株))にて確認した。粒度分布幅は単一で
シャープであり、0.17〜3.73μm、粒径D50
0.22μmであった。図1に粒径を横軸に対数で表
し、縦軸には頻度を表したヒストグラムおよび累積粒度
分布を折れ線で表す。
【0039】この湿式トナーを同じIsoper G
(エクソン社製)を用いて印刷濃度1%に現像液の濃度
調整をした。静電記録紙上に表面電荷150V−50V
までの種々の静電パターンを形成させた後、ローラ現像
機にて現像し印刷特性を評価した。現像機速度は2.6
m/分および10.0m/分で行った。さらに、初期電
流値測定には微小電流計KEITHLEY社製 237
HIGH VOLTAGE SOURCE MEAS
URE UNITを使用し、間隔1cmの縦3.8c
m、横4.5cmの金属電極板間に得られた現像液を満
たし、電極間に1000Vの直流電圧を印加し、初期電
流値測定および電気泳動特性の評価を行った。印刷物の
測光測色評価は、ミルノタ(株)分光測色計システムC
M−1000で、OD値はマクベスRD914により行
った。現像特性は、正極性すなわち負静電潜像の現像が
できることを示している。OD値1.2以上、初期電流
値1200nA、60秒後電流値303nA、Q/m=
470のトナー物性を示した。
【0040】また、分散安定性をゼータ電位と沈降速度
の測定を行い分散安定性の評価を行った。ゼータ電位は
ESA−8000(MATEC APPLIED SC
IENCE社製 超音波方式ゼータ電位分析システム)
を使用し、トナー密度1.600のものを試料とし、ゼ
ータ電位を測定したところ20mVであった。沈降速度
を、遠心沈降管用試験管(直径10mm、長さ153m
m)に、湿式現像剤を100mlとり、室温(22℃)
下で放置した。一定時間毎に観察し、Isoper G
(エクソン社製)と固形分との界面が明確になる時点を
沈降速度として測定したが、3日間安定であった。
【0041】次に、得られた湿式現像剤に界面活性剤と
してソフタゾリンNS(2−アルキル−N−カルボキシ
エチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイ
ン、川研ファインケミカル(株)製)を50mg添加
し、超音波ホモジナイザーで超音波を3分間断続的に照
射して分散した。ついで、界面活性剤の添加前と同様に
して現像した結果、現像特性は双極性を示した。ゼータ
電位は28mVであり、沈降速度については5日間安定
であった。さらにソフタゾリンNS100mg添加し、
超音波ホモジナイザーで超音波を3分間断続的に照射し
て分散した。そして、同様にして現像したところ、現像
特性は負極性を示した。
【0042】実施例2 実施例1で得られた、湿式現像剤に界面活性剤としてレ
オドールMO−60(HLB=2.8)を50mg添加
し、超音波ホモジナイザーで超音波を3分間断続的に照
射して分散し、実施例1と同様に現像した結果、現像特
性は双極性を示した。さらにレオドールMO−60を1
00mg添加、超音波ホモジナイザーで超音波を3分間
断続的に照射して分散し、実施例1と同様にして、現像
した結果、現像特性は負極性を示した。また、実施例1
と同様にゼータ電位と沈降速度を測定したところ、ゼー
タ電位は23.5mVであった。沈降速度については3
日間安定であった。
【0043】実施例3 200ml丸底フラスコ中にEVA(エチレン−ビニル
アセテート共重合体、三井デュポンケミカル(株)エバ
フレックス250)2.5g、電荷調整剤Co−OT
(テトラ−2−エチルスルホコハク酸コバルト)256
mg、溶媒としてテトラヒドロフラン100mlを入れ
た。油浴下150℃で1時間加熱撹拌した。別の容器
に、シアン顔料としてSumika GNO PP(住
友化学(株)製金属フタロシアニン顔料)を2.5gと
ポリ−12−ヒドロキシステアリン酸メチルエステル3
量体(伊藤製油(株)製)90mgをテトラヒドロフラ
ン100ml中に分散させた。これを先に反応させたフ
ラスコ中に1度に投入しさらに110℃で1時間撹拌混
合し顔料分散樹脂溶液とした。顔料分散樹脂溶液を室温
放置下約60℃まで下げた後、5℃のIsoper G
100ml中に超音波ホモジナイザーを使用しながら分
散混合した。この湿式現像液を同じIsoperGで印
刷濃度1%に調整した。
【0044】印刷その他の評価は実施例1と同様にし
た。また、マゼンタ顔料としてカーミン6FB、イェロ
ー顔料としてファーストエロー2400Bを使用して湿
式トナーを製造し、実施例1と同様に湿式現像液を作製
し、界面活性剤としてソフタゾリンNS50mg添加後
に印刷するとともに評価を行った。結果を表1に示す。
また、いずれの顔料の場合にも、実施例1と同様の方法
によって電荷極性の制御が可能であった。また、実施例
1と同様に界面活性剤の添加の前後のゼータ電位と沈降
速度を測定し、その結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】実施例4 実施例3において使用した、ソフタゾリンNSに代えて
エキセル300(花王(株)、HLB=2.8)を50
mgを添加した点を除いて実施例3と同様にして湿式現
像剤を製造した。実施例3と同様、どの色材に対してて
も電荷極性の制御可能な同様な湿式現像剤が作成され
た。
【0047】また、いずれの顔料の場合にも、実施例1
と同様の方法によって電荷極性の制御が可能であった。
また、実施例1と同様に界面活性剤の添加の前後のゼー
タ電位と沈降速度を測定し、その結果を表1に示す。
【0048】
【表2】
【0049】実施例5 200ml丸底フラスコ中に変性EVA(部分ケン化エ
チレン−ビニルアセテート共重合体、武田薬品工業
(株)デュミラン2270)2.5g、電荷調整剤Co
−OT(テトラ−2−エチルスルホコハク酸コバルト)
256mg、溶媒としてテトラヒドロフラン50mlを
加えた。80℃で1時間加熱撹拌した。
【0050】別の容器に、シアン顔料としてMonas
utral Blue FBR(ICI社製金属フタロ
シアニン顔料)を2.5gとポリ−12−ヒドロキシス
テアリン酸メチルエステル3量体(伊藤製油(株)製)
90mgをテトラヒドロフラン50ml中に分散させ
た。これを先に反応させたフラスコ中に1度に投入しさ
らに80℃で1時間撹拌混合し顔料分散樹脂溶液とし
た。
【0051】顔料分散樹脂溶液を5℃のIsoper
G(エクソン社製)100ml中に超音波ホモジナイザ
ーを使用しながら造粒させた。粒度分析はマイクロトラ
ックII SRA型(日機装(株))にて確認した。粒
度分布幅は単一でシャープであり、0.17〜3.73
μm、粒径D50=0.68μmであった。図2に粒径を
横軸に対数で表し、縦軸には頻度を表したヒストグラム
および累積粒度分布を折れ線で表す。
【0052】テトラヒドロフランとIsoper G
(エクソン社製)との溶媒置換は遠心分離器にて行っ
た。この湿式現像液を同じIsoper Gで印刷濃度
1%に調整した。印刷その他の評価は実施例1と同様に
した。現像特性は、正極性を示した。初期電流値980
nAで60秒後電流値110nA、Q/m=95であっ
た。10m/分の現像試験において完全なベタ印字がで
きた。しかし、20m/分の現像試験において完全なベ
タ印字は形成されず、かつ画像流れも生じた。極性制御
に関しては実施例1と同じく添加して逆極性にすること
ができた。また、実施例1と同様にゼータ電位と沈降速
度を測定したところ、ゼータ電位は17mVであった。
沈降速度については2日間安定であった。
【0053】実施例6 界面活性剤としてアンヒトール20Y(ラウリルカルボ
キシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイ
ン、花王(株))をそのまま使用した点を除いて、実施
例1と同様にして現像液を調整した。
【0054】印刷その他の評価は実施例1と同様にし
た。現像特性は、正極性を示した。初期電流値5770
nA、60秒後電流値793nA、Q/m=284であ
った。また、10m/分、20m/分の現像テストにお
いて完全なベタ印字を形成することができ、画像流れも
生じなかった。極性制御に関しては実施例1と同じく逆
極性にすることができた。
【0055】比較例1 実施例1において、界面活性剤としてソフタゾリンを合
計で150mgを添加した湿式現像剤に、さらにソフタ
ゾリンNSを300mg添加、超音波ホモジナイザーで
超音波を3分間断続的に照射して分散し、実施例1と同
様にして、現像した結果、現像特性は負極性を示した。
しかし、この場合10m/分の現像試験において完全な
ベタ印字は形成されず、かつ画像流れも生じた。
【0056】比較例2 実施例2において、界面活性剤としてレオドールMO−
60を合計で150mg添加した現像剤に、さらにレオ
ドールMO−60を300mg添加し、超音波ホモジナ
イザーで超音波を3分間断続的に照射して分散し、実施
例1と同様に現像した結果、現像特性は負極性を示し
た。10m/分の現像テストにおいて完全なベタ印字は
形成され、かつ画像流れも生じなかった。しかし20m
/分の現像テストにおいて完全なベタ印字は形成され
ず、かつ画像流れも生じた。
【0057】比較例3 200ml丸底フラスコ中にEVA(エチレン−ビニル
アセテート共重合体、三井デュポンケミカル(株)エバ
フレックス250)2.5g、電荷調整剤Co−OT
256mg、溶媒としてテトラヒドロフラン100ml
を入れた。油浴下150℃で1時間加熱撹拌した。別の
容器に、シアン顔料としてMonasutral Bl
ue FBR(ICI社製金属フタロシアニン顔料)を
テトラヒドロフラン100ml中に分散させた。これを
先に反応させたフラスコ中に一度に投入し、さらに11
0℃で1時間撹拌混合し顔料分散樹脂溶液とした。顔料
分散樹脂溶液を室温放置下約60℃まで下げた後、5℃
のIsoper G(エクソン社製)100ml中に超
音波ホモジナイザーを使用しながら分散混合した。この
湿式現像液をIsoper G(エクソン社製)で印刷
濃度1%に調整をした。
【0058】印刷その他の評価は実施例1と同様にし
た。現像特性は、正極性、すなわち負静電潜像現像が可
能であることを示した。初期電流値3800nA、60
秒後電流値2100nA、Q/m=155であった。
【0059】しかしこの場合、10m/分の現像テスト
において完全なベタ印字は形成されず、かつ画像流れも
生じた。
【0060】ソフタゾリンNS(川研ファインケミカル
(株)製)を50mg添加し、超音波ホモジナイザーで
超音波を3分間断続的に照射して分散し、添加前と同様
に現像をしたところ逆極性にすることができた。
【0061】比較例4 200ml丸底フラスコ中にEVA(エチレン−ビニル
アセテート共重合体、三井デュポンケミカル(株)エバ
フレックス250)2.5g、電荷調整剤Co−OT
256mg、溶媒としてテトラヒドロフラン100ml
を入れた。油浴下150℃で1時間加熱撹拌した。別の
容器に、シアン顔料としてMonasutral Bl
ue FBR(ICI(株)製金属フタロシアニン顔
料)とレオドールMO−60(花王(株)製HLB=
2.8)50mgをテトラヒドロフラン100ml中に
分散させた。これを先に反応させたフラスコ中に1度に
投入しさらに110℃で1時間撹拌混合し顔料分散樹脂
溶液とした。顔料分散樹脂溶液を室温放置下約60℃ま
で下げた後、冷Isoper G100ml中に超音波
ホモジナイザーを使用しながら分散混合した。この湿式
現像液を同じIsoper Gで印刷濃度1%に調整を
した。
【0062】印刷その他の評価は実施例1と同様にし
た。現像特性は、正極性(負静電潜像現像可)を示し
た。初期電流値4070nA、60秒後電流値2611
nA、Q/m=517であった。しかしこの場合、10
m/分の現像試験において完全なベタ印字は形成され
ず、かつ画像流れも生じた。極性制御に関しては界面活
性剤の添加によって逆極性にすることができた。
【0063】比較例5 200ml丸底フラスコ中にEVA(エチレン−ビニル
アセテート共重合体、三井デュポンケミカル(株)エバ
フレックス250)2.5g、溶媒としてテトラヒドロ
フラン100mlを加えた。油浴下150℃で1時間加
熱撹拌した。別の容器に、シアン顔料としてMonas
utral Blue FBR(ICI社製金属フタロ
シアニン顔料)2.5gをテトラヒドロフラン100m
l中に分散させた。これを先に反応させたフラスコ中に
一度に投入し、さらに110℃で1時間撹拌混合し顔料
分散樹脂溶液とした。顔料分散樹脂溶液を室温放置下約
60℃まで下げた後、5℃のIsoper G(エクソ
ン社製)100ml中に超音波ホモジナイザーを使用し
ながら分散混合した。この湿式現像液をIsoper
G(エクソン社製)で印刷濃度1%に調整をした。
【0064】次いで、実施例1と同様にして湿式トナー
を製造し、印刷その他の評価は実施例1と同様にした。
現像特性は、正極性を示した。初期電流値830nA、
60秒後電流値510nA、Q/m=65であった。1
0m/分の現像テストにおいて完全なベタ印字ができ
た。しかし20m/分の現像テストにおいて完全なベタ
印字は形成されず、かつ画像流れも生じた。極性制御に
関しては、界面活性剤の添加によって実施例1と同じく
逆極性にすることができた。
【0065】比較例6 実施例1の合成樹脂に代えて結晶化度が高い合成樹脂で
あるEVA(エチレン−ビニルアセテート共重合体、三
井デュポンケミカル(株)エバフレックスシリーズ46
0)2.5gを使用した点を除いて実施例1と同様に湿
式現像剤を製造し、実施例1と同様にして現像特性を評
価した。
【0066】現像特性は、正極性を示した。また、初期
電流値5277nA、60秒後電流値4553nA、Q
/m=610のトナー物性を示した。また、10m/分
の現像試験において完全なベタ印字は形成されず、画像
流れも生じた。極性制御に関しては実施例1同様に界面
活性剤を添加しても逆極性にすることができなかった。
【0067】比較例7 200ml丸底フラスコ中に変性EVA(部分ケン化エ
チレン−ビニルアセテート共重合体、武田薬品工業
(株)デュミラン2280)2.5g、電荷調整剤Co
−OT CCA 256mg、溶媒としてテトラヒドロ
フラン50mlを加えた。80℃で1時間加熱撹拌し
た。別の容器に、シアン顔料としてMonasutra
l Blue FBR(ICI(株)製金属フタロシア
ニン顔料)を2.5gとポリ−12−ヒドロキシステア
リン酸(伊藤製油(株)製)90mgをIsoper
G(エクソン社製)50ml中に分散させた。これを先
に反応させたフラスコ中に1度に投入しさらに60−8
0℃で1時間撹拌混合し顔料分散樹脂溶液とした。顔料
分散樹脂溶液を例Isoper G100ml中に超音
波ホモジナイザーを使用しながら造粒させた。粒度分析
は日機装(株)マイクロトラックII SRA型にて確
認した。粒度分布幅は単一でシャープであった。0.1
7〜3.9μm、粒径D50=0.66μmであった。図
3に粒径を横軸に対数で表し、縦軸には頻度を表したヒ
ストグラムおよび累積粒度分布を折れ線で表す。
【0068】THFとIsoper Gとの溶媒置換は
遠心分離器にて行った。この湿式現像液を同じIsop
er Gで印刷濃度1%に調整し、ソフタゾリンNSを
100mg添加した。
【0069】印刷その他の評価は実施例1と同様にし
た。現像特性は、双極性を示した。初期電流値5120
nAで60秒後電流値2070nA、Q/m=2183
であった。しかしこの場合10m/minの現像テスト
において完全なベタ印字は形成されず、かつ画像流れも
生じた。極性制御に関しては実施例1と同じく添加して
逆極性にすることができなかった。ただし正極性が強く
なり電極面での現像付着量が多くなった。
【0070】実施例1と比べて、テトラヒドロフランの
量が異なり、反応温度が低いために得られる粒子が小さ
くなるとともに、電荷調整剤の吸着特性が悪く、導電率
が上昇し、実施例1に比して導電率が大きなトナーが得
られたものとみられる。
【0071】比較例8 200ml丸底フラスコ中にデュミラン2280(変性
エチレン−ビニルアセテート共重合対、武田薬品工業
(株))2.5g、電荷調整剤Co−OT(テトラ−2
−エチルスルホコハク酸コバルト)256mg、ソフタ
ゾリンNS(2−アルキル−N−カルボキシエチル−N
−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、川研フ
ァインケミカル(株)製)を50mg添加し、溶媒とし
てテトラヒドロフラン100mlを加えた。油浴下80
℃で1時間加熱撹拌した。別の容器に、シアン顔料とし
てMonasutral Blue FBR(ICI社
製金属フタロシアニン顔料)を2.5gとポリ−12−
ヒドロキシステアリン酸メチルエステル3量体(伊藤製
油(株)製)90mgをテトラヒドロフラン100ml
中に分散させた。これを先に反応させたフラスコ中に一
度に投入しさらに100℃で1時間撹拌混合し顔料分散
樹脂溶液とした。顔料分散樹脂溶液を室温放置下約65
℃まで下げた後、5℃のIsoper G(エクソン社
製)100ml中に超音波ホモジナイザーを使用しなが
ら分散混合した。その後エバポレーターを使用してテト
ラヒドロフランをIsoper G(エクソン社製)に
溶媒置換した。この湿式現像液を同じIsoper G
(エクソン社製)を用いて印刷濃度1%に調整した。
【0072】静電記録紙上に表面電荷150V〜50V
までの種々の静電パターンを形成させた後、ローラ現像
機にて現像印刷評価した。現像機速度は2.6m/分お
よび10.0m/分で行った。さらに、電極間間隔1c
m、面積3.8×4.5cmの金属電極板間に1000
Vの直流電圧を印加し、微小電流計KEITHLEY社
製 237 HIGH VOLTAGE SOURCE
MEASURE UNITを使用し、初期電流値およ
び帯電量評価を行った。印刷物の測光測色評価は、ミル
ノタ(株)分光測色計システムCM−1000で、0.
D値はマクベスRD914により行った。現像特性は、
正極性を示し、0.D値1.2以上、初期電流値461
0nA、60秒後電流値1888nA、Q/m=771
のトナー物性を示した。現像特性は負極性を示した。ま
た、10m/分の現像試験において完全なベタ印字は形
成されず、画像流れも生じた。
【0073】次に、上記の湿式現像剤に界面活性剤とし
てソフタゾリンNS(2−アルキル−N−カルボキシエ
チル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイ
ン、川研ファインケミカル(株)製)を50mg添加
し、超音波を3分間断続的に照射して、超音波ホモジナ
イザーで分散した。上述同様にして、現像した結果、現
像特性は双極性を示した。さらにソフタゾリンNS10
0mg添加、超音波を3分間断続的に照射して、超音波
ホモジナイザーで分散して、上記と同様に現像した結
果、現像特性は負極性を示した。
【0074】さらにソフタゾリンNSを300mg添
加、超音波を3分間断続的に照射して、超音波ホモジナ
イザーで分散し現像した結果、現像特性は負極性を示し
た。また、10m/分の現像テストにおいて完全なベタ
印字は形成されず、かつ画像流れも生じた。
【0075】比較例9 200ml丸底フラスコ中にEVA(エチレン−ビニル
アセテート共重合体、三井デュポンケミカル(株)エバ
フレックス250)2.5g、電荷調整剤Co−OT
(テトラ−2−エチルスルフォコハク酸コバルト)25
6mg、12−ヒドロキシステアリン酸(東京化成
(株)特級試薬)、溶媒としてテトラヒドロフラン10
0mlを入れた。油浴下150℃で1時間加熱撹拌し
た。別の容器に、シアン顔料としてMonasutra
l Blue RFN(ICI社製金属フタロシアニン
顔料)2.5mgをテトラヒドロフラン100ml中に
分散させた。これを先に反応させたフラスコ中に1度に
投入しさらに110℃で1時間撹拌混合し顔料分散樹脂
溶液とした。顔料分散樹脂溶液を室温放置下約60℃ま
で下げた後、冷Isoper G(エクソン社製)10
0ml中に超音波ホモジナイザーを使用しながら分散混
合した。この湿式現像液を同じIsoper G(エク
ソン社製)を用いて印刷濃度1%に調整した。
【0076】印刷その他の評価は実施例1と同様にし
た。現像特性は、正極性を示した。初期電流値1045
nA、60秒後電流値893nA、Q/m=514であ
った。しかしこの場合、10m/分の現像試験において
完全なベタ印字は形成できたが、画像流れを生じた。極
性制御に関しては実施例1と同じ、界面活性剤を1g以
上添加しても逆極性にすることができなかった。
【0077】比較例10 200ml丸底フラスコ中にEVA(エチレン−ビニル
アセテート共重合体、三井デュポンケミカル(株)エバ
フレックスシリーズ460)2.5g、電荷調整剤Co
−OT(テトラ−2−エチルスルフォコハク酸コバル
ト)256mg、溶媒としてTHF100mlを入れ
た。油浴下150℃で1時間加熱撹拌した。別の容器
に、シアン顔料としてMonasutral Blue
FBR(ICI(株)製金属フタロシアニン顔料)を
2.5gとポリ−12−ヒドロキシステアリン酸(伊藤
製油(株)製)90mgをTHF100ml中に分散さ
せた。これを先に反応させたフラスコ中に1度に投入し
さらに110℃で1時間撹拌混合し顔料分散樹脂溶液と
した。顔料分散樹脂溶液を室温放置下約60℃まで下げ
た後、冷Isoper G(エクソン社製)100ml
中に超音波ホモジナイザーを使用しながら分散混合し
た。現像特性は、双極性を示した。初期電流値7227
nA、60秒後電流値3341nA、Q/m=982で
あった。
【0078】しかしこの場合、10m/分の現像試験に
おいて完全なベタ印字は形成されず、かつ画像流れも生
じた。極性制御に関しては実施例1と同じく添加しても
逆極性にすることができなかった。
【0079】
【発明の効果】カルボキシル基またはエステル基を有す
るオレフィン系樹脂粒子単独、または着色剤を添加した
カルボキシル基またはエステル基を有するオレフィン系
樹脂粒子と液状脂肪族炭化水素とからなる湿式トナーに
おいて、ヒドロキシカルボン酸エステルをモノマーとす
る3〜10量体のポリヒドロキシカルボン酸エステルお
よび液状脂肪族炭化水素と相溶するジアルキルスルホコ
ハク酸金属塩および液状脂肪族炭化水素中でミセル形成
能を有する界面活性剤を存在させるか、あるいはカルボ
キシル基又はエステル基を有するオレフィン系樹脂粒子
単独、または着色剤を添加したカルボキシル基またはエ
ステル基を有するオレフィン系樹脂を溶解度の温度依存
性の高い溶媒に加熱溶解して樹脂溶液とした後、該樹脂
溶液をヒドロキシカルボン酸エステルをモノマーとする
3〜10量体のポリヒドロキシカルボン酸エステルおよ
び液状炭化水素と相溶するジアルキルスルホコハク酸金
属塩の存在下、液状脂肪族炭化水素中に投入、冷却して
樹脂粒子を析出させると共に、溶媒を該脂肪族炭化水素
で置換した後、液状炭化水素中でミセル形成能を有する
界面活性剤を添加する湿式トナーであるので、ミセル形
成能を有する界面活性剤と使用樹脂との相互作用によ
り、樹脂−界面活性剤からなるミセル外周に本来の着色
粒子と逆極性の電荷を発生させるものであり、使用樹脂
単独で発生する帯電極性をミセルの電気二重層による逆
極性の電荷を発生し、湿式現像剤の極性を容易に反転制
御するとともに、分散安定性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のトナー粒子の粒度分布を説明する
図。
【図2】実施例5のトナー粒子の粒度分布を説明する
図。
【図3】比較例7に記載のトナー粒子の粒度分布を説明
する図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−243966(JP,A) 特開 昭57−210347(JP,A) 特開 昭61−284776(JP,A) 特開 昭62−35370(JP,A) 特開 昭63−285556(JP,A) 特開 平4−220498(JP,A) 特開 平4−182674(JP,A) 特開 昭53−63024(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/12 - 9/135

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキシル基又はエステル基を有する
    オレフィン系樹脂単独、または着色剤を添加したカルボ
    キシル基又はエステル基を有するオレフィン系樹脂粒子
    と大部分の液状脂肪族炭化水素とからなる湿式トナーに
    おいて、ヒドロキシカルボン酸をモノマーとする3〜1
    0量体のポリヒドロキシカルボン酸エステルおよび液状
    炭化水素と相溶するジアルキルスルホコハク酸金属塩お
    よび液状脂肪族炭化水素中でミセル形成能を有する界面
    活性剤を存在させることを特徴とする湿式トナー。
  2. 【請求項2】 ミセル形成能を有する界面活性剤が液状
    脂肪族炭化水素中の不溶粒子分の10%以下、HLB値
    6以下であることを特徴とする請求項1記載の湿式トナ
    ー。
  3. 【請求項3】 ミセル形成能を有する界面活性剤が、カ
    ルボキシル基またはエステル基を有するオレフィン系樹
    脂との相互作用をする両親媒性界面活性剤であるカルボ
    キシベタイン型アミン塩およびその誘導体、両親媒性の
    高いリン酸類およびリン酸エステル誘導体から選ばれる
    少なくとも1種であることを特徴とする請求項1もしく
    は2のいずれかに記載の湿式トナー。
  4. 【請求項4】 カルボキシル基又はエステル基を有する
    オレフィン系樹脂粒子単独、または着色剤を添加したカ
    ルボキシル基またはエステル基を有するオレフィン系樹
    脂を溶解度の温度依存性の高い溶媒に加熱溶解して樹脂
    溶液とした後、該樹脂溶液をヒドロキシカルボン酸エス
    テルをモノマーとする3〜10量体のポリヒドロキシカ
    ルボン酸エステルおよび液状炭化水素と相溶するジアル
    キルスルホコハク酸金属塩の存在下、液状脂肪族炭化水
    素中に投入、冷却して樹脂粒子を析出させると共に、溶
    媒を該脂肪族炭化水素で置換した後、液状炭化水素中で
    ミセル形成能を有する界面活性剤を存在させることを特
    徴とする湿式トナーの製造方法。
  5. 【請求項5】 ミセル形成能を有する界面活性剤を樹脂
    粒子の原料中もしくは、脂肪族炭化水素中に添加するこ
    とを特徴とする請求項4記載の湿式トナーの製造方法。
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