JP3206956B2 - 金属溶解炉の水冷炉蓋 - Google Patents

金属溶解炉の水冷炉蓋

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JP3206956B2
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勉 奥野
秀美 平野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気炉などの金属溶解
炉の水冷炉蓋に関する。
【0002】
【従来の技術】電気炉において、高力率ロングアークの
UHP(ウルトラハイパワー)操業では、炉蓋および炉
壁の熱負荷が大きく、一方耐火物を用いた方式では、そ
の耐火物の損耗が激しく、寿命の低下を余儀なくされ
る。そのため、単なる耐火物方式に代えて、長寿命化を
図るために炉蓋および炉壁の水冷化が実施されている。
【0003】しかしながら、炉体を水冷化した場合、耐
火物に比べて炉体内から冷却水への熱損失が大きく、電
力原単位が悪化するという問題がある。また水冷炉蓋お
よび水冷炉壁では、熱応力の繰返しによる疲労や、局部
的に溶銑やスクラップが接触するために、局部的および
突発的な破損を生じる場合があり、このような水冷炉蓋
および水冷炉壁の破損が生じた状態で炉内へ水漏れが生
じると、水蒸気の爆発が生じるおそれがあり、これを防
止するために水冷炉蓋および炉壁の定期的およびそれ以
外の保守が必要となる。
【0004】この対策として、炉体内の溶銑とともに介
在するスラグの塩基度を1.5以下に下げて、水冷炉蓋
および炉壁の内表面にそのスラグをコーティングさせる
方法があるが、スラグの塩基度が電気炉の精錬反応と大
きな関連があり、たとえば溶銑の脱硫反応をさせる諸々
の操業条件において、大きな要因であるスラグの塩基度
を1.5以下としたとき、その脱硫反応が行われ難くな
り、肝心な溶銑成分の異常を生じてしまうという問題が
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、電気炉などのような金属溶解炉の水冷炉蓋の冷却
水による抜熱を小さくし、電力原単位の低減を図るとと
もに、熱応力による疲労や溶銑およびスクラップの接触
による局部的および突発的破損を低減し、炉体および炉
蓋の寿命を延長すること、これらを用いて有利にしかも
安全に操業することができるようにした金属溶解炉の水
冷炉蓋を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、原料が装入さ
れ、上方に臨んで開口する炉体の内部空間を上方から覆
う第1耐火物層と、第1耐火物層内に設けられ、冷却水
が循環される伝熱管と、伝熱管の下方でその伝熱管に沿
って設けられる第2耐火物層とを含み、前記第1耐火物
層は、不定形耐火物から成り、前記第2耐火物層は不焼
成レンガから成ることを特徴とする金属溶融炉の水冷炉
蓋である。
【0007】
【0008】また本発明は、前記第1耐火物層は、不定
形耐火物から成り、前記第2耐火物層は金属製ケース内
に不定形耐火物を充填して構成される複数の耐火ブロッ
クから成り、各耐火ブロックは、前記伝熱管に垂下され
ることを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明に従えば、第1耐火物層内に伝熱管を設
け、この伝熱管に冷却水を循環させ、伝熱管の下方でこ
の伝熱管に沿って第2耐火層が設けられる。これによっ
て伝熱管に循環される冷却水による抜熱を小さくして電
力原単位の低減を図ることができるとともに、伝熱管の
熱応力による疲労を防止し、この伝熱管ならびに第1耐
火物層への溶銑やスクラップの接触による局部的および
突発的破損を防ぎ、炉体および炉蓋の寿命を長くするこ
とができる。また伝熱管を溶銑やスクラップの接触から
保護するために、従来のようにスラグコーティングする
必要がなくなり、かつ脱硫反応が低下する低塩基度にす
る必要もなくなるので、溶銑成分の異常を防ぐことがで
きる。さらに金属製である前記伝熱管をスラグコーティ
ングする必要がなくなるため、換言すれば金属製伝熱管
より耐火物の方がスラグの付着性がよいため、スラグコ
ーティングされやすくなり、耐熱性を向上して、第2耐
火物層への直接的な熱負荷による損耗を少なくすること
ができる。従って、このような水冷炉蓋を用いて溶解並
びに精錬反応を有利に、何よりも安全に操業することが
できる。
【0010】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の水冷炉蓋1を備
える金属溶解炉3およびそれに関連する全体の構成を示
す断面図である。本実施例において、金属溶解炉3は、
交流アーク式3相電気炉であって、上方に開口した有底
の炉体4と、この炉体4を上方から塞ぐ炉蓋1とを有す
る。炉体4は、フローラインと呼ばれる作業床5の下方
に設けられる炉台6および炉脚7によって支持されてい
る。前記炉蓋1は、その炉蓋1を上昇および旋回させる
開閉手段8によって開閉動作される。
【0011】前記炉体4は、略円筒状の炉壁9aと、炉
底9bとを有し、その内部空間10には電極11への通
電によって発生するアークによって、装入された鋼屑な
どの諸原料を溶解および溶融した溶銑13が貯留され
る。前記電極11には、変圧器14からの2次電圧が接
続線15を介して与えられ、前記内部空間10内に装入
した諸原料の間にアークを発生させて、その諸原料を溶
解および溶融することができる。このようなアークの発
生によって炉体4内の内部空間10は、たとえば約80
0℃程度の高温度となる。
【0012】図2は、水冷炉蓋1の一部の断面図であ
る。前記炉蓋1は、大略的に円錐台状に形成され、鉄皮
16の下面17に沿って同心円状に複数の伝熱管18が
配置され、これらの伝熱管18は不定形耐火物19によ
って外囲されている。この不定形耐火物19によって、
第1耐火物層20を構成し、この第1耐火物層20内に
前記複数の伝熱管18が設けられている。各伝熱管18
には、最も半径方向外方寄りに配置される環状の冷却水
供給管21から冷却水が供給され、伝熱管18を周方向
に、または周方向を分割してブロック化された周方向に
循環して最も半径方向内方寄りに配置される環状の冷却
水回収管23に回収される。
【0013】前記伝熱管18には、図3に示されるよう
にたとえばワイヤ24によって耐火ブロック25が連結
されて垂下される。各耐火ブロック25は、半径方向に
隣接して接触しかつ周方向に隣接して接触しており、こ
れらの複数の耐火ブロック25によって第2耐火物層2
6を構成する。
【0014】前記耐火ブロック25は、不焼成レンガか
ら成る。この不焼成レンガは、たとえば表1に示される
ように、不焼成Al23またはMgO−Cが用いられ
る。
【0015】
【表1】
【0016】また前記第1耐火物層20を構成する不定
形耐火物19は、表2に示されるように、高アルミナ系
キャスタブルまたはAl23−SiC−C系が用いられ
る。
【0017】
【表2】
【0018】図4は、本発明の他の実施例の水冷炉蓋1
の一部の断面図である。本実施例では、前記耐火ブロッ
ク25は、金属製ケース27内に前記不定形耐火物19
と同一材料の不定形耐火物28を充填して構成すること
ができる。本願発明者によれば、鋭意研究の結果、本発
明に係る水冷炉蓋1は、従来に比べて寿命が大幅に延長
されることが確かめられている。
【0019】すなわち、表3は、本発明に係る水冷炉蓋
1と従来の水冷炉蓋とを大型の交流アーク式3相電気炉
に設置し、表4に示される原料配合でSUS304系の
ステンレス鋼用の溶銑を溶解したときの結果を示してい
る。
【0020】
【表3】
【0021】
【表4】
【0022】比較例1では、従来の水冷炉蓋を設置し、
スラグの塩基度を1.5とし、また比較例2では塩基度
2.2で操業したときの結果を示している。この比較例
2は、比較例1に比べて水冷炉蓋にスラグがコーティン
グされるため、炉蓋の寿命の延長および電力原単位の低
減を図ることができるけれども、脱硫能が著しく低下
し、脱硫反応が必要となる操業条件としては、比較例2
は不適切であることが確かめられた。これに比べて本発
明では、塩基度2.2であるため、脱硫能を下げること
なしに抜熱作用の大きな水冷炉蓋から炉体内の熱気を遮
断でき、電力原単位が30kW時/Tonを低減し、炉
蓋の寿命を操業回数で500回延長できることが確かめ
られた。なお、スラグの塩基度は、(%CaO)/(%
SiO2)であり、また脱硫能は(%S)/[%S]で
あり、電力原単位の差は、比較例2(従来)を基準とし
たときの電力原単位の低減量を示している。
【0023】
【発明の効果】以上に詳述した如く本発明に係る金属溶
解炉の水冷炉蓋を用いた実操業においては、以下に列挙
する如く種々な効果を奏するものであり、その工業的価
値の非常に大きなものである。
【0024】不定形耐火物によって外囲され第1耐火
物層内に介在する伝熱管は、第2耐火物層によって炉体
内の輻射等の熱気から遮断することができるので、この
伝熱管内を流れる冷却水による抜熱が少なくなり、熱ロ
スを減少して、電力原単位を低減することができ、炉体
内に装入された諸原料の溶解時間の短縮も図ることがで
きる。
【0025】また伝熱管の熱応力による疲労を低減す
ることができ、溶銑やスクラップが伝熱管に直接触れる
ことがないので、水冷炉蓋の局部的および突発的な破損
を抑制し、炉蓋の寿命を延長することができる。したが
って、炉蓋の保守も容易になる。
【0026】第1耐火物層と第2耐火物層との簡単な
構成の水冷炉蓋であり、その製作および保修も容易にで
きる。この第2耐火物層を構成するのは、簡単な形状を
有する各耐火ブロックであるから製作し易く、かつ炉蓋
への取り付けも容易である。そして、この各耐火ブロッ
クは、予め製作した金属製ケース内に必要に応じて複数
個のスタッドを付設しておいて、このケース内に比較的
安価な不定形耐火物を流し込んで容易に製作できるので
ある。
【0027】このように製作された各耐火ブロックに
よって構成される第2耐火物層は、その材質や塩基度を
任意に選定したとえば脱硫反応などの精錬反応に有利に
構成し製作できるし、伝熱管と異なり耐火物なのでこの
表面にスラグが容易にコーティングされるために、かか
る精錬反応を有利にかつ炉蓋の寿命をさらに延長するこ
とができる。
【0028】さらに伝熱管に不定形耐火物が接触して
設けられ、その耐火物が伝熱管によって冷却されるの
で、その耐火物の損耗速度を小さくすることができ、こ
れによって炉蓋の損傷を少なくして水の侵入などによる
水蒸気爆発を確実に防止し、実操業における安全性の向
上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の金属溶解炉3およびそれに
関連する全体の構成を示す断面図である。
【図2】水冷炉蓋1の一部の断面図である。
【図3】耐火ブロック25の斜視図である。
【図4】本発明の他の実施例の水冷炉蓋1の一部を拡大
して示す断面図である。
【符号の説明】
1 水冷炉蓋 3 金属溶解炉 4 炉体 8 炉壁 9 炉底 10 内部空間 11 電極 13 溶銑 18 伝熱管 19,28 不定形耐火物 20 第1耐火物層 21 冷却水供給管 23 冷却水回収管 24 ワイヤ 25 耐火ブロック 26 第2耐火物層 27 金属製ケース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−23227(JP,A) 特開 昭50−26704(JP,A) 実開 昭62−173698(JP,U) 実開 昭56−15997(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F27D 1/12 F27B 3/24 F27D 1/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料が装入され、上方に臨んで開口する
    炉体の内部空間を上方から覆う第1耐火物層と、 第1耐火物層内に設けられ、冷却水が循環される伝熱管
    と、 伝熱管の下方でその伝熱管に沿って設けられる第2耐火
    物層とを含み、 前記第1耐火物層は、不定形耐火物から成り、前記第2
    耐火物層は不焼成レンガから成ることを特徴とする金属
    溶解炉の水冷炉蓋。
  2. 【請求項2】 前記第1耐火物層は、不定形耐火物から
    成り、前記第2耐火物層は金属製ケース内に不定形耐火
    物を充填して構成される複数の耐火ブロックから成り、
    各耐火ブロックは、前記伝熱管に垂下されることを特徴
    とする請求項1記載の金属溶解炉の水冷炉蓋。
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