JP3206258B2 - 多孔質ポリスルホンブレンド膜の製造法 - Google Patents

多孔質ポリスルホンブレンド膜の製造法

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JP3206258B2 JP28777493A JP28777493A JP3206258B2 JP 3206258 B2 JP3206258 B2 JP 3206258B2 JP 28777493 A JP28777493 A JP 28777493A JP 28777493 A JP28777493 A JP 28777493A JP 3206258 B2 JP3206258 B2 JP 3206258B2
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多孔質ポリスルホンブ
レンド膜の製造法に関する。更に詳しくは、ポリスルホ
ン並みの製膜性とポリフッ化ビニリデン並みの疎水性と
を備えた多孔質ポリスルホンブレンド膜の製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】乾湿式製膜法または湿式製膜法により、
平膜状、中空糸膜状などに製膜される多孔質膜の膜形成
材料として、ポリスルホン、ポリアミド、ポリサッカラ
イド、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、
ポリイミド等の種々のものが用いられている。これらの
各種膜形成材料の内、ポリサッカライド、ポリビニルア
ルコール等は親水性に富み、ポリフッ化ビニリデンは疎
水性、耐薬品性に富み、またポリイミドは耐熱性に富む
という特徴をそれぞれ有している。
【0003】これらの膜形成材料は、使用される膜用途
に応じてそれぞれ選択されているが、耐熱性、耐薬品性
にすぐれているばかりではなく、多孔質膜としての孔径
制御に広範囲な可能性があり、また製膜性の点でもすぐ
れているポリスルホンが現在最も多用されている。
【0004】多孔質膜が固液分離などの分離膜として用
いられる場合、膜自体に親水性が求められることが多
く、そのためドープ液(製膜原液)に親水化剤を内添した
り、製膜後の処理により親水性を付与する方法などが試
みられており、ポリスルホンについてもこれらの親水化
手段が適用されている。
【0005】一方、気液分離や気体分離などでは疎水性
が必要であり、ポリスルホン製多孔質膜は基本的には疎
水性ではあるものの、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ
素樹脂系素材に比べた場合には、疎水性の程度は劣って
いる。
【0006】ところで、浄水器用の多孔質膜としては、
水をロ過するための親水性膜と内部空気を排出するため
の疎水性膜とが必要であり、そのためこれらの2種類の
多孔質膜がそれぞれ個別に収納されて用いられている。
このことは、2種類の多孔質膜を必要とするばかりでは
なく、疎水性膜の配置される位置によっては、内部空気
を適切に排出できないこともあるという問題をもたらし
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
スルホン並みの製膜性とポリフッ化ビニリデン並みの疎
水性とを備えた多孔質膜の製造法を提供することにあ
り、また親水性部と疎水性部とを兼ね備えた多孔質膜の
製造法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
ポリスルホン90〜99.5重量%およびポリフッ化ビニリデ
ン10〜0.5重量%よりなるブレンド樹脂を溶解させたドー
プ液を乾湿式製膜または湿式製膜した後、110℃以上で
加熱処理し、多孔質ポリスルホンブレンド膜を製造する
ことによって達成される。
【0009】ポリスルホンとポリフッ化ビニリデンとを
共通の溶媒に溶解させようとすると、殆んどの場合相分
離を生ずるためドープ液としては使用し得ないが、これ
ら両者のブレンド比を適切に選択することにより、樹脂
両成分が均一に溶解したドープ液を形成させることがで
き、そのブレンド比はポリスルホン90〜99.5重量%、好
ましくは95〜99.5重量%、ポリフッ化ビニリデン10〜0.5
重量%、好ましくは5〜0.5重量%の範囲内にある。
【0010】このような範囲内にあるブレンド比の樹脂
両成分を溶解させる溶媒としては、ジメチルホルムアミ
ド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジ
エチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチル
-2-ピロリドン、トリエチルホスフェート等の非プロト
ン性極性溶媒が好んで用いられ、濃度約10〜30重量%の
ドープ液をそこに形成させることができる。
【0011】ドープ液中には、約0.5〜10重量%のポリビ
ニルピロリドンを親水化剤として添加することができ、
かかる親水化剤の内添によって、ポリスルホンを主成分
とする多孔質膜に親水性を付与することができる。ドー
プ液中にはまた、分子量約100〜6000程度のポリエチレ
ングリコールを約10〜25重量%の割合で添加することも
でき、これによってドープ液の粘度を所望の粘度に調節
することができる。
【0012】かかるドープ液を用いての乾湿式製膜また
は湿式製膜は、通常の方法に従って行われ、水性の凝固
浴中に浸漬することにより、そこに平膜状、中空糸膜状
などの多孔質膜を形成させる。中空糸膜状に紡糸する場
合には、ドープ液凝固性あるいは非凝固性の芯液を必要
に応じて用いることができる。
【0013】このときの製膜性および膜構造は、ポリス
ルホン単独膜と何ら変わらない。得られた多孔質膜は、
ドープ液中に親水化剤を内添させていない場合には、疎
水性となる。しかしながら、その疎水性度は、ポリスル
ホン単独の場合と比較して、格別差はみられない。
【0014】このような多孔質膜を、約110℃以上、好
ましくは約120〜140℃の温度で約30時間以上、好ましく
は約50時間以上加熱処理すると、疎水性が向上し、その
疎水性の程度はポリフッ化ビニリデン単独膜と同じ位に
なる。これは、ポリスルホンが熱に対して比較的安定で
あるのに対し、ポリフッ化ビニリデンは双極子結合を有
しているため、熱により分子鎖の運動が活発になり、膜
表面のポリフッ化ビニリデンの極性が変化し、疎水化す
るものと一応考えられる。
【0015】ドープ液中に親水化剤としてのポリビニル
ピロリドン等を内添させた場合には、親水性の膜が得ら
れるが、この多孔質ブレンド膜の諸物性は、ポリスルホ
ン単独の親水性膜のそれと何ら変わらない。このような
親水性膜であっても、同様の加熱処理を行うと膜は疎水
化される。この際、加熱条件によって疎水化度が変わ
り、また加熱処理を多孔質ブレンド膜の任意の部分に施
すことによって、親水性部と疎水性部とを兼ね備えた多
孔質膜を形成させることもできる。
【0016】このような親水性部と疎水性部とを兼ね備
えた多孔質ポリスルホンブレンド膜は、浄水器のような
水のロ過と空気の排出の両方の性質を欲するモジュール
に、これ1種類だけで有効に使用することができる。同
様にして、浄水器以外にも、バブリングによる膜面洗浄
を行う全量ロ過モジュール等にも使用可能である。
【0017】また加熱処理した多孔質ブレンド膜と加熱
処理していない多孔質ブレンド膜とを、適宜一緒に用い
ることもできる。
【0018】
【発明の効果】本発明方法により、ポリスルホン並みの
製膜性とポリフッ化ビニリデン並みの疎水性とを備えた
多孔質ポリスルホンブレンド膜が得られる。その際、親
水化剤を内添させ、得られた多孔質膜を部分的に加熱処
理することにより、親水性部と疎水性部とを兼ね備え、
それ1種類だけで浄水器モジュールなどに有効に用いら
れる多孔質膜を得ることもできる。
【0019】
【実施例】次に、実施例について本発明を説明する。
【0020】実施例1 ポリスルホン 13.7重量部(99.06重量%) ポリフッ化ビニリデン 0.13重量部(0.94重量%) ポリエチレングリコール(分子量600) 18.47重量部 ジメチルホルムアミド 67.7重量部 以上の各成分を80℃で撹拌、混合し、ドープ液を調製し
た。このドープ液を、芯液にメタノールを用いて、2重
環状ノズルから乾湿式紡糸し、水凝固浴中で凝固させ、
乾燥させて、多孔質ポリスルホンブレンド膜を得た。
【0021】得られた多孔質膜を120℃のオーブン中に5
0時間放置して加熱処理した後、これを用いて全量ロ過
型モジュールを作製し、1次側に水を満たした後3kg/cm
2で加圧し、2次側に出てくる水の量を測定することに
より、膜の疎水性度を評価し、その結果を次の表に示し
た。 加熱処理前 加熱処理後 空気透過量(ml/分・cm2・kg・cm-2) 500 500 バブルポイント (kg・cm-2) 2.7 2.7 2次側水透過量 (ml/hr・10cm2) 100 0.1
【0022】この結果から、空気透過量およびバブルポ
イントが変わっていないことから、膜構造に変化はみら
れないが、疎水性度が著しく向上していることが分か
る。
【0023】実施例2 ポリスルホン 13.6重量部(99.05重量%) ポリフッ化ビニリデン 0.13重量部(0.95重量%) ポリビニルピロリドン 0.97重量部 ポリエチレングリコール(分子量600) 18.3重量部 ジメチルホルムアミド 67.0重量部 以上の各成分を用い、実施例1と同様にして、ドープ液
の調製および乾湿式紡糸を行い、得られた多孔質ポリス
ルホンブレンド膜の一部分だけを120℃のオーブン中に
収容するようにして、50時間放置した。
【0024】この部分加熱処理多孔質膜に、水溶性染料
水溶液を通したところ、加熱処理されていない部分での
みロ過されて着色され、親水性部と疎水性部とを兼ね備
えた膜であることが確認された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 81:06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリスルホン90〜99.5重量%およびポリ
    フッ化ビニリデン10〜0.5重量%よりなるブレンド樹脂を
    溶解させたドープ液を乾湿式製膜または湿式製膜した
    後、110℃以上で加熱処理することを特徴とする多孔質
    ポリスルホンブレンド膜の製造法。
  2. 【請求項2】 親水化剤が添加されたドープ液が用いら
    れる請求項1記載の多孔質ポリスルホンブレンド膜の製
    造法。
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