JP3205198U - 電気掃除機用ヘッド及び電気掃除機 - Google Patents

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雅弘 吉田
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Abstract

【課題】グルーミングによって取れたペットの毛を確実に吸い込むことができる電気掃除機用ヘッド及び電気掃除機を提供する。【解決手段】電気掃除機用ヘッド1は、第1の開口部23を有する本体部2と、本体部を電気掃除機の吸引管に接続する連通管3と、多数のピン50が固定された固定部46と、ピンが貫通する多数の孔54が形成された挿通部52と、切替機構4と、を含む。切替機構4は、挿通部52が第1の開口部23を塞いだ第1の状態と、挿通部が第1の開口部から後退して第1の開口部と連通管とを連通する吸引口60を形成する第2の状態と、を切り替える。【選択図】図9

Description

本考案は、電気掃除機用ヘッド及び電気掃除機に関する。
近年、室内で飼育される犬や猫などのペットが増える傾向があり、これらのペットの毛の手入れも大切な世話のひとつとなっている。ペットの毛の手入れの中でもグルーミング用のブラシとして、ピンブラシ、スリッカーブラシ、コーム、ラバーブラシなどが用いられている。
このようなペットのグルーミング用のブラシとして、例えば、電気掃除機用ヘッドのアタッチメントが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この提案によれば、アタッチメントのブラシでグルーミングをするとともに、グルーミングによって取れたペットの毛をアタッチメントに接続された電気掃除機によって吸い取ることができる。アタッチメントのブラシは、使用者がハンドを把持する押圧力を与え続けている間突出することができ、押圧力を解除することで収容される。したがって、使用者はブラシとして使用する間、押圧力を与え続ける必要があった。また、アタッチメントの使用中は常に電気掃除機を稼働することが前提であり、吸引開口部は開いた状態が維持されていた。
特開2010−269152号公報
本考案の目的は、グルーミングによって取れたペットの毛を確実に吸い込むことができる電気掃除機用ヘッド及び電気掃除機を提供することにある。
本考案にかかる電気掃除機用ヘッドは、
開口部を有する本体部と、
前記本体部を電気掃除機の吸引管に接続する連通管と、
多数のピンが固定された固定部と、
前記ピンが貫通する多数の孔が形成された挿通部と、
前記挿通部が前記固定部に接触して前記孔から前記ピンが突出した第1の状態と、前記挿通部から前記固定部が離れて前記孔に前記ピンが収容されている第2の状態と、を切り替える切替機構と、
を含み、
前記第1の状態は、前記挿通部が前記開口部に対して前進して前記開口部を塞いだ状態であり、
前記第2の状態は、前記挿通部が前記開口部から後退して前記開口部と前記連通管とを連通する吸引口を形成する状態であることを特徴とする。
本考案の電気掃除機用ヘッドによれば、第1の状態でピンを孔から突出させることでブラシとして用いることができ、第2の状態で吸引口を形成すると共にピンを孔に収容することで電気掃除機の吸引力によって第1の状態でピンに絡みついたペットの毛などを容易に、しかも確実に本体部から取り除くことができる。
本考案にかかる電気掃除機用ヘッドにおいて、
前記第2の状態は、前記本体部内に、前記開口部と前記吸引口の2つの開口を有する吸引室を形成することができる。
本考案にかかる電気掃除機用ヘッドによれば、電気掃除機によって吸引室にあるペットの毛などを確実に取り除くことができる。しかも、開口部を床や手の平などに近づける又は押し付けることで、吸引室内の掃除機による吸引力を高めることができ、吸引室内にあるペットの毛などを確実に取り除くことができる。
本考案にかかる電気掃除機用ヘッドにおいて、
前記開口部は、前記本体部の底部に形成され、
前記切替機構は、前記底部と対向する前記本体部の頂部に切替部を有し、
前記切替部は、前記第1の状態において前記頂部に収容され、前記第2の状態において前記頂部の略中央から突出することができる。
本考案にかかる電気掃除機用ヘッドによれば、切替部が本体部の頂部から突出することによって、本体部内が第1の状態にあるのか第2の状態にあるのかを使用者が視覚的に容易に判断することができる。
本考案にかかる電気掃除機用ヘッドにおいて、
前記開口部は、前記本体部の底部に形成され、
前記切替機構は、前記固定部を前記底部から離れる方向に付勢する付勢部材を有することができる。
本考案にかかる電気掃除機用ヘッドによれば、第1の状態から第2の状態に切り替える際に、固定部が付勢部材によって自動的に底部から離れるように移動することができるので、すばやく開口部を開口することができる。また、開口部を素早く開口することによって、ピンが穴に収容されて集められた毛などが脱落することを防止できる。
本考案にかかる電気掃除機用ヘッドにおいて、
前記切替機構は、前記第1の状態から前記第2の状態へと切り替える際に、前記ピンが前記孔から突出したまま前記固定部と前記挿通部を後退移動して前記吸引口を形成し、次に前記挿通部の後退移動を制限した後、さらに前記固定部を前記挿通部から離れるように移動して前記ピンを前記孔に収容することができる。
本考案にかかる電気掃除機用ヘッドによれば、ピンを突出したまま後退移動することで、吸引口が形成されるまでピンに絡みついたペットの毛などをピンから脱落することなく移動させることができる。
本考案にかかる電気掃除機は、前記電気掃除機用ヘッドを具備したことを特徴とする。
本考案の電気掃除機によれば、電気掃除機用ヘッドによってペットのブラッシングをすることができると共に、電気掃除機用ヘッドによって集められたペットの毛を吸引口から確実に取り除くことができる。
本考案の一実施形態にかかる電気掃除機用ヘッドであって、第1の状態を示す斜視図である。 本考案の一実施形態にかかる電気掃除機用ヘッドであって、第1の状態における本体部の底部を示す斜視図である。 本考案の一実施形態にかかる電気掃除機用ヘッドであって、第3の状態を示す斜視図である。 本考案の一実施形態にかかる電気掃除機用ヘッドであって、第3の状態における本体部の底部を示す斜視図である。 本考案の一実施形態にかかる電気掃除機用ヘッドであって、第2の状態を示す斜視図である。 本考案の一実施形態にかかる電気掃除機用ヘッドであって、第2の状態における本体部の底部を示す斜視図である。 本考案の一実施形態にかかる電気掃除機用ヘッドの第1の状態を示す右側方から見た縦断面図である。 本考案の一実施形態にかかる電気掃除機用ヘッドの第3の状態を示す右側方から見た縦断面図である。 本考案の一実施形態にかかる電気掃除機用ヘッドの第2の状態を示す右側方から見た縦断面図である。 本考案の一実施形態にかかる電気掃除機用ヘッドの第2の状態を示す正面から見た縦断面図である。 本考案の一実施形態にかかる電気掃除機を示す斜視図である。
以下、本考案の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
本考案の一実施の形態にかかる電気掃除機用ヘッドは、開口部を有する本体部と、前記本体部を電気掃除機の吸引管に接続する連通管と、多数のピンが固定された固定部と、前記ピンが貫通する多数の孔が形成された挿通部と、前記挿通部が前記固定部に接触して前記孔から前記ピンが突出した第1の状態と、前記挿通部から前記固定部が離れて前記孔に前記ピンが収容されている第2の状態と、を切り替える切替機構と、を含み、前記第1の状態は、前記挿通部が前記開口部に対して前進して前記開口部を塞いだ状態であり、前記第2の状態は、前記挿通部が前記開口部から後退して前記開口部と前記連通管とを連通する吸引口を形成する状態であることを特徴とする。
また、本考案の一実施の形態にかかる電気掃除機は、前記電気掃除機用ヘッドを具備したことを特徴とする。
図1は、本考案の一実施形態にかかる電気掃除機用ヘッド1であって、第1の状態を示す頂部29側から見た斜視図である。図2は、本考案の一実施形態にかかる電気掃除機用ヘッド1であって、第1の状態における本体部2の底部22を示す斜視図である。図3は、本考案の一実施形態にかかる電気掃除機用ヘッド1であって、第3の状態を示す頂部29側から見た斜視図である。図4は、本考案の一実施形態にかかる電気掃除機用ヘッド1であって、第3の状態における本体部2の底部22を示す斜視図である。図5は、本考案の一実施形態にかかる電気掃除機用ヘッド1であって、第2の状態を示す頂部29側から見た斜視図である。図6は、本考案の一実施形態にかかる電気掃除機用ヘッド1であって、第2の状態における本体部2の底部22を示す斜視図である。なお、特に断らない限り、頂部29側を上方、底部22側を下方とし、連通管3側を後方、連通管3と対向する電気掃除機用ヘッド1の正面側を前方と呼ぶ。
図1及び図2に示すように、第1の状態にある電気掃除機用ヘッド1(以下、単に「ヘッド」という。)は、第1の開口部23を有する本体部2と、本体部2を電気掃除機70(図11に示す。)の吸引管75に接続する連通管3と、を有する。
本体部2は、上方から見て略円形であり、後方から連通管3が突出する。本体部2は、上面に略円形で平坦な頂部29が形成され、下面に略円形で環状の底部22が形成される。
本体部2は、頂部29に切替機構4の切替部40を有し、切替部40は矢印Aの方向にスライドして移動することができるスライダ41を有する。
底部22は、第1の開口部23の周囲に形成された略平坦な環状の面である。底部22に囲まれた第1の開口部23には、挿通部52の略平坦な下面から下方に向けて多数のピン50が突出するブラシ部5が形成されている。
第1の状態において、電気掃除機用ヘッド1は、下方にブラシ部5を有する略円形のブラシ状の形態であり、この状態でペット例えば犬などのグルーミングまたはブラッシングを行うことができる。電気掃除機用ヘッド1の形態は、ブラシの形状として違和感がないので、使用者になじみやすい。
連通管3は、第1の状態で電気掃除機7に接続しなくてもグルーミングまたはブラッシングを行うことができる。例えば、電気掃除機用ヘッド1を電気掃除機70に接続した場合には、本体部2の前方に開口する多数のスリット27から本体部2内へ外気を導入しつつ本体部2内を減圧状態とすることができる。この場合、例えば、後述する孔54とピン50との間に隙間があれば、挿通部52の下面に吸引力が発生し、ブラッシングによって集めた毛などをブラシ部5に保持することができる。なお、本実施の形態においては、そのような隙間を設けていないので、第1の状態において挿通部52の下面には吸引力が発生していない。
底部22は、第1の開口部23に向けて内側に突出する円弧状のスプリング収容部20を有する。したがって、第1の開口部23の開口形状は、3箇所に突出するスプリング収容部20によって完全な円形あるいは楕円形ではない。挿通部52の外周形状は、第1の開口部23の開口形状に沿って形成されており、スプリング収容部20の突出した円弧状の形状に合わせて内側に切り欠かれるように円弧状の切り欠きが形成されている。スプリング収容部20スプリング収容部20の詳細については後述する。
図3及び図4は、図1及び図2で説明した第1の状態から図5及び図6で後述する第2の状態へ切り替える途中の第3の状態を示す。ここでは説明のために第3の状態を示すが、実際には、第3の状態で停止することはなく、第1の状態から第2の状態へ移行する途中の瞬間的な状態である。
第1の状態から第3の状態への切り替えは、切替部40のスライダ41を矢印Aに沿って前方へスライドさせ、スライダ41と本体部2との係合を解除することでおこなうことができる。切替部40の構造の詳細については、後述する。スライダ41と本体部2との係合が解除されると、切替部40は本体部2の上方に突出するように上昇移動することができ、本体部2の下方ではブラシ部5が本体部2内へ引き込まれるようにして上昇移動することができる。
第3の状態では、第1の状態において挿通部52によって塞がれていた第1の開口部23が開口すると共に、連通管3側には吸引口60が開口する。そして、本体部2の内側に、下方に向けて第1の開口部23が開口した吸引室6が形成される。吸引室6は、底面が挿通部52の下面であり、本体部2の内壁25によって周囲が囲まれ、内壁25の連通管3側に吸引口60が開口している。
また、第3の状態では、ブラシ部5は多数のピン50が挿通部52の下面から突出したブラシ状の形態のままであり、ピン50に絡みついた毛を保持したまま吸引室6内に引き込むことができる。また、このとき連通管3を電気掃除機7に接続して吸引することによって、ピン50に絡みついた毛を脱落することなく吸引室6内に吸引することができる。
スプリング収容部20は、内壁25から吸引室6側に向かって突出し、底部22から頂部29側へ延びている。挿通部52は、スプリング収容部20の外壁部に案内されるように上下方向に移動することができる。したがって、第1の状態におけるブラッシングの作業においても、また、第1の状態から第3の状態に移行する際においても、挿通部52はスプリング収容部20の外壁部によって案内されるので、水平方向にぐらつきがなく、安定している。
図5及び図6に示すように、第2の状態においては、切替部40が本体部2の頂部29に形成された第2の開口部24から上方に突出している。また、本体部2の下方には底部22から陥没した凹部の吸引室6が形成される。
吸引室6は、ブラシ部5のピン50がなくなり、平坦な挿通部52の下面と、本体部2の内壁25とによって形成された空間を有し、吸引室6内に引き込まれた毛などを吸引口60から電気掃除機7に容易に吸い込むことができる。特に、吸引室6は、内壁25によって周囲を囲まれているため、吸引室6内における集塵能力を高めることができる。底部22を例えば床や手の平などの比較的平坦な部分に近づけまたは押し付けながら吸引すれば、吸引力を高めることができ、吸引室6内の高い集塵能力を得ることができる。底部22は第1の開口部23を囲むように環状に形成されているため、例えば床面などとの間に密閉度の高い空間(吸引室6)を形成することができる。
このように、第1の状態から第3の状態へ切り替えを行う際に、ブラシ部5を床面などに押し付けながら行うと、ブラシ部5に毛などが絡みついたまま吸引室6内へ引き込むことができ、さらに、ブラシ部5が本体部2の内側へ引き込まれることによって床面と底部22との間の隙間は徐々に小さくなって吸引力はさらに高くなり、ブラシ部5で集めた毛を確実に吸引室6に集めると共に、吸引口60から吸い込むことができる。
次に、図7〜図10を用いて、電気掃除機用ヘッド1の構造について詳細に説明する。
図7は、本考案の一実施形態にかかる電気掃除機用ヘッド1の第1の状態を示す右側方から見た縦断面図である。図8は、本考案の一実施形態にかかる電気掃除機用ヘッド1の第3の状態を示す右側方から見た縦断面図である。図9は、本考案の一実施形態にかかる電気掃除機用ヘッド1の第2の状態を示す右側方から見た縦断面図である。図10は、本考案の一実施形態にかかる電気掃除機用ヘッド1の第2の状態を示す正面から見た縦断面図である。
図7に示すように、第1の状態は、挿通部52が固定部46に接触して挿通部52に形成された孔54からピン50が突出した状態である。そして、本体部2の中には、第1の開口部23を塞ぐ挿通部52と、その挿通部52の上に重ねて配置された固定部46と、を有する。第1の状態において、多数のピン50を下方から突出させることで本体部2をグルーミング用のブラシとして用いることができる。
固定部46は、多数のピン50の一方の端部を固定する。ピン50は、金属製例えばステンレスの棒であって、固定部46の下面から突出するように一方の端部を固定される。ピン50は、例えば、ピン50の一端に形成されたフランジ部を2枚の板部材で挟み込むようにして固定されている。固定部46は、ピン50が固定された挿通部52の上面に接触する下面を有し、その下面の周囲には磁石49と第2のスプリング47とが固定されている。図では磁石49と第2のスプリング47は1つずつ記載されているだけであるが、下面の周囲に3個ずつバランスよく配置されている。
磁石49は、固定部46の下面であって、挿通部52の上面に設けられた3個金属板59と対向する位置に固定されている。そして、第1の状態において、磁石49は金属板59と吸着し、固定部46と挿通部52とは一体となって動作することができる。
第2のスプリング47は、本体部2の周囲3箇所に形成されたスプリング収容部20の中に配置され、本体部2の底部22の内側面と固定部46の下面との間に配置されている。第2のスプリング47は、切替機構4の一部であって、固定部46を底部22から離れる方向に付勢する付勢部材である。第1の状態において、第2のスプリング47は圧縮されており、本体部2の底部22から離れる方向に固定部46を常時付勢している。第2のスプリング47を設けることによって、第1の状態から第2の状態に切り替える際に、固定部46を自動的に底部22から離れさせ、すばやく第1の開口部23および吸引口60を開口することができる。
挿通部52は、ピン50が貫通する孔54が多数形成されている。孔54は、挿通部52の上面から下面へ貫通し、固定部46に設けられたピン50と同じ数、同じ配置で形成されている。孔54の直径は、ピン50が挿通可能な程度であればよく、好ましくは、第2の状態において孔54とピン50との摩擦力で挿通部52を保持できる程度の大きさに形成されている。ブラッシングの最中も電気掃除機7の吸引力で挿通部52の下面に毛を保持させたい場合には、孔54とピン50との間にわずかな隙間を設けることもできるし、ピン50のない部分に小さな孔をさらに設けることもできる。
切替機構4は、挿通部52が第1の開口部23に対して前進して第1の開口部23を塞いだ第1の状態と、挿通部52が第1の開口部23から後退して第1の開口部23と連通管3とを連通する吸引口60を形成する第2の状態と、を切り替えることができる。切替機構4は、頂部29に設けられた切替部40と、固定部46を上方へ付勢する第2のスプリング47と、を含むことができる。切替部40は固定部46を第1の状態で保持するための機構であり、第2のスプリング47は固定部46を図9で後述する第2の状態で保持するための機構である。切替部40は、第1の状態において底部22と対向する本体部2の頂部29に収容されている。また、図8で説明する第3の状態で固定部46と挿通部52とを一体に保持するための磁石49及び金属板59も切替機構4に含むことができる。
切替部40は、頂部29の上にあって矢印A方向にスライド可能なスライダ41と、頂部29に開口する第2の開口部24内にあってスライダ41に設けられた係合部44と、スライダ41を常時矢印Aの方向と反対の方向へ付勢する第1のスプリング45と、を有する。スライダ41は、使用者が切替機構4を操作する操作部である。また、図10に示すように、スライダ41は、固定部46の上面から上方に延びる筒部42の上端付近のガイド孔43aに案内されて矢印A方向にスライド可能な係止片43bを有する。なお、筒部42は、固定部46と一体であり、スライダ41の下面まで延在する。第1の状態では、係合部44が本体部2の頂部29の下面であって第2の開口部24の下方に形成された被係合部21と係合してスライダ41を頂部29に対して固定し、固定部46の上方への移動を制限している。
図8に示すように、第3の状態は、磁石49と金属板59の吸着力によって固定部46と挿通部52とが密着して一体化したまま上昇している。第1の状態から第3の状態へは、スライダ41を矢印Aの方向にスライドさせて係合部44を被係合部21から外すと、第2のスプリング47の付勢力によって筒部42が頂部29の第2の開口部24から上方へ向けて移動すると共に、筒部42と一体の固定部46及び固定部46と一体の挿通部52も上方へ向けて移動することによって実施される。
挿通部52の上端は、固定部46の上端よりも上方にある第1の被係止部56であり、本体部2の内側に突出する第1の係止部26の下面と接触して上方への移動が制限される。第1の被係止部56が第1の係止部26と接触することで挿通部52の上方への移動が止まる。そして、固定部46は、第2のスプリング47によって上方へと付勢されているので、磁石49と金属板59との吸着力を超えてさらに上方へ移動することができる。
挿通部52の下方には、吸引室6が形成される。第3の状態では、ブラシ部5はブラシ状の形態を有しているので、吸引室6内にはピン50が多数存在している。吸引室6の連通管3側には吸引口60が開口し、吸引室6と連通管3とを連通させる。本体部2と連通管3との間の本体部2の内側には、頂部29側から下方に延びる封止壁30が形成されている。封止壁30と挿通部52の第1の被係止部56とによって固定部46の上方の空間と連通管3とが閉鎖されるため、吸引室6から連通管3への吸込み気流を十分に得ることができる。
図9及び図10に示すように、第2の状態は、挿通部52から固定部46が離れて孔54にピン50が収容されている状態である。第2の状態において、吸引口60を形成すると共にピン50を孔54に収容することで、電気掃除機7によって第1の状態でピン50に絡みついたペットの毛などを容易に、しかも確実に本体部2内から取り除くことができる。
固定部46の上方への移動は、固定部46の上部にある第2の被係止部48が本体部2の頂部29側の内壁から下方へ突出する第2の係止部28に接触して停止している。第1の開口部23は、本体部2の底部22に形成されているため、第2の状態を上から見るとブラシ部5の状態は判別できないが、固定部46の上面に設けられた切替機構4の切替部40が頂部29の略中央から突出するため、第2の状態にあることを使用者が視覚的に容易に判断することができる。
切替機構4は、第2の状態を保持するための機構すなわち固定部46の上昇移動を制限するという機能として、本体部2の第2の係止部28と、固定部46の第1の被係止部56と、を含むことができる。したがって、切替機構4は、第1の状態から第2の状態へと切り替える際に、ピン50が孔54から突出したまま固定部46と挿通部52を後退移動させ、さらに挿通部52の後退移動を第1の係止部26によって制限した後、固定部46を挿通部52から離れるように移動してピン50を孔54に収容した状態で第2の係止部28によって停止させる。
このようにすることで、ピン50を挿通部52から突出したまま後退移動することができるので、吸引室6及び吸引口60が形成されるまでピン50に絡みついたペットの毛などをピン50から脱落することなく吸引室6内に移動させることができる。
本体部2内に、第1の開口部23と吸引口60の2つの開口を有する吸引室6が形成される。第2の状態では、ブラシ部5がブラシとしての態様に形成されていないので、吸引室6は本体部2の内壁25と挿通部52の下面とによって形成された吸引室6の空間は集塵のために邪魔になるものが無い。孔54は、ピン50によって塞がれ、かつ、ピン50が突出せずに孔54内に収容されている。すなわち、ピン50は、その先端が孔54内にあって、挿通部52の下面と固定部46との間に保持される。
このようにすることで、電気掃除機70によって吸引室6にあるペットの毛などを確実に取り除くことができる。例えば、第1の開口部23を床や手の平などに近づけ又は押し付けることで、吸引室6が密閉され、電気掃除機7による吸引力を高めることができ、吸引室6にあるペットの毛などを確実に取り除くことができる。
第2の状態において、挿通部52は、ピン50と孔54との摩擦で底部22の上方に離間されて配置している。第2の状態において、挿通部52が底部22との距離を維持するため、固定部46と挿通部52との最大間隔を保つ移動制限機構を有することができる。例えば、固定部46と挿通部52との間に挿通部52が固定部46から離れる方向へ移動することだけを制限するストッパを設けることができる。
図11は、本考案の一実施形態にかかる電気掃除機70を示す斜視図である。
図11に示すように、電気掃除機70は、電気掃除機用ヘッド1を具備したことを特徴とする。電気掃除機用ヘッド1は電気掃除機70に、例えば、吸引管75としての蛇腹状のホース72及び剛性のある合成樹脂製の延長管73を介して接続される。ホース72および延長管73は内部が中空になっており、電気掃除機70の内部に配置されている図示しない電動送風機によって内部の空気が吸気、排出されることにより負圧がかかることで吸引管75内に吸込気流を発生させることができる。
次に動作について説明する。ハンドル部74に設けられた図示しない操作スイッチによって電気掃除機70を運転することにより電動送風機が動き、電動送風機の前方の空気を吸気し、後方に排出することにより真空状態になり負圧がかかることで吸込気流を発生させる。この負圧は吸引管75としてのホース72、延長管73を通じて電気掃除機用ヘッド1に伝えられる。このようにして発生した負圧は、電気掃除機用ヘッド1では吸込気流となり挿通部52の下面及び吸引室6に集められたペットの毛などを吸引することができる。
電気掃除機用ヘッド1における負圧は、第1の開口部23から吸引室6、吸引口60、連通管3へ伝達される。このように、電気掃除機用ヘッド1を装着した電気掃除機70は、ブラシ部5によって掻き取られたペットの毛などに対して優れた吸込力を有することができる。
なお、上記のように本考案の実施の形態について詳細に説明したが、本考案の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できよう。
1 電気掃除機用ヘッド、2 本体部、3 連通管、4 切替機構、5 ブラシ部、6 吸引室、20 スプリング収容部、21 被係合部、22 底部、23 第1の開口部、24 第2の開口部、25 内壁、26 第1の係止部、27 スリット、28 第2の係止部、30 封止壁、40 切替部、41 スライダ、42 筒部、43a ガイド孔、43b 係止片、44係合部、45 第1のスプリング、46 固定部、47 第2のスプリング、48 第2の被係止部、49 磁石、50 ピン、52 挿通部、54 孔、56 第1の被係止部、59 金属板、60 吸引口、70 電気掃除機、71 電気掃除機本体、72 ホース、73 延長管、74 ハンドル、75 吸引管、76 接続部

Claims (6)

  1. 開口部を有する本体部と、
    前記本体部を電気掃除機の吸引管に接続する連通管と、
    多数のピンが固定された固定部と、
    前記ピンが貫通する多数の孔が形成された挿通部と、
    前記挿通部が前記固定部に接触して前記孔から前記ピンが突出した第1の状態と、前記挿通部から前記固定部が離れて前記孔に前記ピンが収容されている第2の状態と、を切り替える切替機構と、
    を含み、
    前記第1の状態は、前記挿通部が前記開口部に対して前進して前記開口部を塞いだ状態であり、
    前記第2の状態は、前記挿通部が前記開口部から後退して前記開口部と前記連通管とを連通する吸引口を形成する状態であることを特徴とする、電気掃除機用ヘッド。
  2. 請求項1において、
    前記第2の状態は、前記本体部内に、前記開口部と前記吸引口の2つの開口を有する吸引室を形成することを特徴とする、電気掃除機用ヘッド。
  3. 請求項2において、
    前記開口部は、前記本体部の底部に形成され、
    前記切替機構は、前記底部と対向する本体部の頂部に切替部を有し、
    前記切替部は、前記第1の状態において前記頂部に収容され、前記第2の状態において前記頂部の略中央から突出することを特徴とする、電気掃除機用ヘッド。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、
    前記開口部は、前記本体部の底部に形成され、
    前記切替機構は、前記固定部を前記底部から離れる方向に付勢する付勢部材を有することを特徴とする、電気掃除機用ヘッド。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、
    前記切替機構は、前記第1の状態から前記第2の状態へと切り替える際に、前記ピンが前記孔から突出したまま前記固定部と前記挿通部を後退移動して前記吸引口を形成し、次に前記挿通部の後退移動を制限した後、さらに前記固定部を前記挿通部から離れるように移動して前記ピンを前記孔に収容することを特徴とする、電気掃除機用ヘッド。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、
    前記電気掃除機用ヘッドを具備したことを特徴とする、電気掃除機。
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