JP3204947B2 - 摺動試験方法及び摺動試験機 - Google Patents
摺動試験方法及び摺動試験機Info
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- JP3204947B2 JP3204947B2 JP08671499A JP8671499A JP3204947B2 JP 3204947 B2 JP3204947 B2 JP 3204947B2 JP 08671499 A JP08671499 A JP 08671499A JP 8671499 A JP8671499 A JP 8671499A JP 3204947 B2 JP3204947 B2 JP 3204947B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、摺動試験方法及び
その方法を用いた摺動試験機に関し、特に焼付き面圧を
正確に評価することができるとともになじみ性及び耐摩
耗性を評価することができるものに関する。
その方法を用いた摺動試験機に関し、特に焼付き面圧を
正確に評価することができるとともになじみ性及び耐摩
耗性を評価することができるものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、潤滑油の焼付き面圧を評価する装
置として、ファレックス型焼付き試験機がある。
置として、ファレックス型焼付き試験機がある。
【0003】図6は、このファレックス型焼付き試験機
の構成を示す斜視図である。図において、ファレックス
型焼付き試験機101は、基台30を有し、該基台30に、モ
ータ7によって回転駆動される主軸2が回動自在に取り
付けられている。そして、主軸2の先端に円柱形状のテ
ストピース12が装着される。主軸2には保持部材13が回
動自在に取り付けられ、該保持部材13に、一対の荷重ア
ーム5が回動自在に取り付けられている。荷重アーム5
は、図示するように、回動軸5a の両端に上部アーム5
b及び下部アーム5cが配設されている。この一対の荷重
アーム5の下部アーム5cの先端に、一対のVブロック
3が上記テストピース12を挟み付けるようにして装着さ
れる。一対の荷重アーム5の上部アーム5bの先端に
は、該先端を締め付けるラチェットホイール4が取り付
けられている。このラチェットホイール4は、その回転
軸4aの両端部に形成されたネジ(図示せず)に一対の
移動部材4bが螺嵌されており、該一対の移動部材4bが
上記上部アーム5bの先端と係合している。かかる構成
により、回動軸4aの回転により移動部材4bが内方に移
動して該上部アーム5bの先端を締め付ける。また、該
先端と移動部材4bとの当接部(図示せず)には、第1
のロードセル8が配設され、該締付荷重を検出するよう
になっている。符号8aは、その検出した締付荷重を表
示するロードゲージを示す。そして、上記ラチェットホ
イール4の歯に、基端が上記主軸2に偏心して取り付け
られた負荷アーム6の先端の爪6aが係合している。ま
た、基台30には、保持部材13の腕部13aを介して該保持
部材13の回転トルクを検出する第2のロードセル9が配
設されている。符号9aは、その検出した回転トルクを
表示するトルクゲージを示す。また、符号10は潤滑油16
を容れるオイルカップ、符号11は該オイルカップ11を保
持する保持台を示す。ここで、ファレックス型焼付き試
験は、本来、潤滑油の摺動性能を評価するためのもので
あるが、テストピース12、及びVブロック3を、実機の
摺動部に使用する摺動用材料で構成することにより、そ
れらの摺動性能をも評価することができる。すなわち、
潤滑油、テストピース12、及びVブロック3のいずれを
も供試試料とすることができる。
の構成を示す斜視図である。図において、ファレックス
型焼付き試験機101は、基台30を有し、該基台30に、モ
ータ7によって回転駆動される主軸2が回動自在に取り
付けられている。そして、主軸2の先端に円柱形状のテ
ストピース12が装着される。主軸2には保持部材13が回
動自在に取り付けられ、該保持部材13に、一対の荷重ア
ーム5が回動自在に取り付けられている。荷重アーム5
は、図示するように、回動軸5a の両端に上部アーム5
b及び下部アーム5cが配設されている。この一対の荷重
アーム5の下部アーム5cの先端に、一対のVブロック
3が上記テストピース12を挟み付けるようにして装着さ
れる。一対の荷重アーム5の上部アーム5bの先端に
は、該先端を締め付けるラチェットホイール4が取り付
けられている。このラチェットホイール4は、その回転
軸4aの両端部に形成されたネジ(図示せず)に一対の
移動部材4bが螺嵌されており、該一対の移動部材4bが
上記上部アーム5bの先端と係合している。かかる構成
により、回動軸4aの回転により移動部材4bが内方に移
動して該上部アーム5bの先端を締め付ける。また、該
先端と移動部材4bとの当接部(図示せず)には、第1
のロードセル8が配設され、該締付荷重を検出するよう
になっている。符号8aは、その検出した締付荷重を表
示するロードゲージを示す。そして、上記ラチェットホ
イール4の歯に、基端が上記主軸2に偏心して取り付け
られた負荷アーム6の先端の爪6aが係合している。ま
た、基台30には、保持部材13の腕部13aを介して該保持
部材13の回転トルクを検出する第2のロードセル9が配
設されている。符号9aは、その検出した回転トルクを
表示するトルクゲージを示す。また、符号10は潤滑油16
を容れるオイルカップ、符号11は該オイルカップ11を保
持する保持台を示す。ここで、ファレックス型焼付き試
験は、本来、潤滑油の摺動性能を評価するためのもので
あるが、テストピース12、及びVブロック3を、実機の
摺動部に使用する摺動用材料で構成することにより、そ
れらの摺動性能をも評価することができる。すなわち、
潤滑油、テストピース12、及びVブロック3のいずれを
も供試試料とすることができる。
【0004】次ぎに、従来の焼付き試験方法を、上記の
ように構成されたファレックス型焼付き試験機101の動
作とともに説明する。
ように構成されたファレックス型焼付き試験機101の動
作とともに説明する。
【0005】まず、テストピース12を主軸2の先端に装
着し、次いで、テストピース12を挟み付けるようにして
Vブロック3を荷重アーム5の先端に装着する。次い
で、オイルカップ10を持ち上げて、テストピース12及
びVブロック3を潤滑油16中に浸し、保持台11をオイル
カップ10の下方に移動してこれを保持させる。
着し、次いで、テストピース12を挟み付けるようにして
Vブロック3を荷重アーム5の先端に装着する。次い
で、オイルカップ10を持ち上げて、テストピース12及
びVブロック3を潤滑油16中に浸し、保持台11をオイル
カップ10の下方に移動してこれを保持させる。
【0006】次いで、モータ7を起動する。すると、主
軸2が回転してテストピース12が回転するとともに、主
軸2の回転により負荷アーム6が往復動し、この往復動
によりラチェットホイール4が1つの歯に対応する角度
づつ回転する。このラチェットホイール4の回転によ
り、荷重アーム5の上部アーム5a の先端が矢印方向に
締め付けられ、それにより、テストピース12が回転しな
がらVブロック3により挟み付けられる。この際、上記
締付荷重が第1のロードセル8によって検出され、ロー
ドゲージ8aによって表示される。また、テストピース1
2とVブロック3との間に生じる摩擦力により保持部材1
3が主軸2の回転方向に回転トルクを受け、この回転ト
ルクが第2のロードセル9によって検出され、トルクゲ
ージ9aによって表示される。上記テストピース12に対
する挟み付け荷重は、ラチェットホイール4の回転、す
なわち試験の進行に伴って増大して行き、潤滑油16の潤
滑効果が限界に達すると、テストピース12とVブロック
3との間で焼付きを生じて、トルクゲージ9aが大きく
振れる。実験者は、このトルクゲージ9aの振れを見て
試験機101を停止する。そして、この時のトルクゲージ
9a及びロードゲージ8aの読みを記録する。その後、こ
のトルクゲージ9aの読み値、ロードゲージ8aの読み値
に所定の式を適用して計算することにより、それぞれ、
摩擦係数、焼付き面圧を求める。
軸2が回転してテストピース12が回転するとともに、主
軸2の回転により負荷アーム6が往復動し、この往復動
によりラチェットホイール4が1つの歯に対応する角度
づつ回転する。このラチェットホイール4の回転によ
り、荷重アーム5の上部アーム5a の先端が矢印方向に
締め付けられ、それにより、テストピース12が回転しな
がらVブロック3により挟み付けられる。この際、上記
締付荷重が第1のロードセル8によって検出され、ロー
ドゲージ8aによって表示される。また、テストピース1
2とVブロック3との間に生じる摩擦力により保持部材1
3が主軸2の回転方向に回転トルクを受け、この回転ト
ルクが第2のロードセル9によって検出され、トルクゲ
ージ9aによって表示される。上記テストピース12に対
する挟み付け荷重は、ラチェットホイール4の回転、す
なわち試験の進行に伴って増大して行き、潤滑油16の潤
滑効果が限界に達すると、テストピース12とVブロック
3との間で焼付きを生じて、トルクゲージ9aが大きく
振れる。実験者は、このトルクゲージ9aの振れを見て
試験機101を停止する。そして、この時のトルクゲージ
9a及びロードゲージ8aの読みを記録する。その後、こ
のトルクゲージ9aの読み値、ロードゲージ8aの読み値
に所定の式を適用して計算することにより、それぞれ、
摩擦係数、焼付き面圧を求める。
【0007】また、この摩擦係数及び焼付き面圧を連続
的に測定することもできる。この場合には、第1,第2
のロードセル8,9の出力を用いるとともに、別途、演
算器及びプリンタを用意する。そして、第1、第2のロ
ードセル8,9の出力を演算器に入力するとともに上記
所定の式を用いて摩擦係数及び焼付き面圧を算出し、そ
の算出結果をプリンタによりグラフ形式でプリントアウ
トする。図7に、このような連続測定の結果をプリント
アウトしたものの一例を示す。図7は、摩擦係数及び面
圧の時間に対する変化を示すグラフであり、図におい
て、符号Pは面圧を、符号Fは摩擦係数を示す。摩擦係
数Fは、試験終了時においてピーク状に変化し(符号14
で示す)、この時の面圧Pが焼付き面圧となる。
的に測定することもできる。この場合には、第1,第2
のロードセル8,9の出力を用いるとともに、別途、演
算器及びプリンタを用意する。そして、第1、第2のロ
ードセル8,9の出力を演算器に入力するとともに上記
所定の式を用いて摩擦係数及び焼付き面圧を算出し、そ
の算出結果をプリンタによりグラフ形式でプリントアウ
トする。図7に、このような連続測定の結果をプリント
アウトしたものの一例を示す。図7は、摩擦係数及び面
圧の時間に対する変化を示すグラフであり、図におい
て、符号Pは面圧を、符号Fは摩擦係数を示す。摩擦係
数Fは、試験終了時においてピーク状に変化し(符号14
で示す)、この時の面圧Pが焼付き面圧となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、焼付き試験
においては、テストピース12とVブロック3との接触
は、試験の進行に伴ってテストピース12及びVブロック
3が摩耗することにより、線接触から面接触に変化す
る。しかしながら、上記従来の焼付き試験方法では、こ
の点を無視し、試験開始時の線接触状態が維持されると
仮定して焼付き面圧を算出していた。そのため、焼付き
面圧を正確に評価することができなかった。つまり、テ
ストピース12及びVブロック3の耐焼付き性が高くて焼
付き面圧が高くなったのか、テストピース12及びVブロ
ック3の摩耗量が多くて見かけの焼付き面圧が高くなっ
たのか判別することができなかった。
においては、テストピース12とVブロック3との接触
は、試験の進行に伴ってテストピース12及びVブロック
3が摩耗することにより、線接触から面接触に変化す
る。しかしながら、上記従来の焼付き試験方法では、こ
の点を無視し、試験開始時の線接触状態が維持されると
仮定して焼付き面圧を算出していた。そのため、焼付き
面圧を正確に評価することができなかった。つまり、テ
ストピース12及びVブロック3の耐焼付き性が高くて焼
付き面圧が高くなったのか、テストピース12及びVブロ
ック3の摩耗量が多くて見かけの焼付き面圧が高くなっ
たのか判別することができなかった。
【0009】また、焼付き試験の対象となる摺動用材料
が使用される実機の摺動部は、それら摺動用材料のなじ
み性、耐摩耗性、耐焼付き性、及び低摩擦性が要求され
る。特に、なじみ性は、実機の摺動部においては、例え
ば、なじみ性をよくするために本来の耐摩耗層の上に摩
耗しやすいコーティング層を設ける等、重要な特性であ
る。上記従来の焼付き試験は、上記4つの特性のうち、
耐焼付き性及び低摩擦性を評価することはできるが、な
じみ性及び耐摩耗性を評価することができなかった。
が使用される実機の摺動部は、それら摺動用材料のなじ
み性、耐摩耗性、耐焼付き性、及び低摩擦性が要求され
る。特に、なじみ性は、実機の摺動部においては、例え
ば、なじみ性をよくするために本来の耐摩耗層の上に摩
耗しやすいコーティング層を設ける等、重要な特性であ
る。上記従来の焼付き試験は、上記4つの特性のうち、
耐焼付き性及び低摩擦性を評価することはできるが、な
じみ性及び耐摩耗性を評価することができなかった。
【0010】本発明は、上記のような課題を解決するた
めになされたもので、焼付き面圧を正確に評価すること
ができる摺動試験方法及び摺動試験機を提供することを
第1の目的としている。
めになされたもので、焼付き面圧を正確に評価すること
ができる摺動試験方法及び摺動試験機を提供することを
第1の目的としている。
【0011】また、本発明は、なじみ性及び耐摩耗性を
評価することができる摺動試験方法及び摺動試験機を提
供することを第2の目的としている。
評価することができる摺動試験方法及び摺動試験機を提
供することを第2の目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る摺動試験方
法又は試験機は、柱状のテストピースを、直接又は潤滑
油を介して、挟み付け部材で挟み付けながら中心軸の回
りに回転させ、少なくとも挟み付け荷重に基づいて、該
テストピースと該挟み付け部材との焼付き面圧を得る摺
動試験方法又は試験機において、上記テストピースと上
記挟み付け部材との接触面積を、上記回転による該テス
トピース及び挟み付け部材の摩耗の進行に即して求め、
該求めた接触面積に基づいて上記焼付き面圧を得る(請
求項1、5)。かかる構成とすると、上記挟み付けの荷
重と、テストピース及び挟み付け部材の摩耗の進行に即
した接触面積とに基づいて、供試試料の面圧を求めるこ
とができる。
法又は試験機は、柱状のテストピースを、直接又は潤滑
油を介して、挟み付け部材で挟み付けながら中心軸の回
りに回転させ、少なくとも挟み付け荷重に基づいて、該
テストピースと該挟み付け部材との焼付き面圧を得る摺
動試験方法又は試験機において、上記テストピースと上
記挟み付け部材との接触面積を、上記回転による該テス
トピース及び挟み付け部材の摩耗の進行に即して求め、
該求めた接触面積に基づいて上記焼付き面圧を得る(請
求項1、5)。かかる構成とすると、上記挟み付けの荷
重と、テストピース及び挟み付け部材の摩耗の進行に即
した接触面積とに基づいて、供試試料の面圧を求めるこ
とができる。
【0013】この場合、上記テストピース及び上記挟み
付け部材の上記回転による摩耗度を常時検出し、該検出
した摩耗度に基づいて上記接触面積を求めるようにして
もよい(請求項2、6)。かかる構成とすると、検出し
た摩耗度から計算によって間接的に接触面積を求めるこ
とができる。さらにこの場合、テストピースを円柱形状
とし、該テストピースを上記挟み付け部材としての一対
のVブロックのV溝間で挟み付け、該テストピースの径
の変化及び該一対のVブロックの間隔の変化を測定し、
該測定したテストピースの径の変化及び一対のVブロッ
クの間隔の変化に基づいて、上記テストピース及び挟み
付け部材の摩耗度を検出するようにしてもよい(請求項
3、7)。
付け部材の上記回転による摩耗度を常時検出し、該検出
した摩耗度に基づいて上記接触面積を求めるようにして
もよい(請求項2、6)。かかる構成とすると、検出し
た摩耗度から計算によって間接的に接触面積を求めるこ
とができる。さらにこの場合、テストピースを円柱形状
とし、該テストピースを上記挟み付け部材としての一対
のVブロックのV溝間で挟み付け、該テストピースの径
の変化及び該一対のVブロックの間隔の変化を測定し、
該測定したテストピースの径の変化及び一対のVブロッ
クの間隔の変化に基づいて、上記テストピース及び挟み
付け部材の摩耗度を検出するようにしてもよい(請求項
3、7)。
【0014】また、本発明に係る摺動試験方法又は試験
機は、柱状のテストピースを、直接又は潤滑油を介し
て、挟み付け部材で挟み付けながら中心軸の回りに回転
させる摺動試験方法又は試験機において、上記テストピ
ース及び/又は上記挟み付け部材の上記回転による摩耗
量を常時検出し、該検出した摩耗量の経時変化を得るよ
うにし、その場合に、円柱形状のテストピースを上記挟
み付け部材としての一対のVブロックのV溝間で挟み付
け、該テストピースの径の変化及び/又は該一対のVブ
ロックの間隔の変化を測定し、該測定したテストピース
の径の変化及び/又は一対のVブロックの間隔の変化に
基づいて、上記テストピース及び/又は挟み付け部材の
摩耗量を検出する(請求項4、8)。かかる構成とする
と、初期の摩耗量から供試試料のなじみ性を、初期期間
経過以降の摩耗量から耐摩耗性を評価することができ
る。また、テストピースの径の変化、及び/又は一対の
Vブロックの間隔の変化を、非接触式の変位計を用いて
容易に検出することができる。
機は、柱状のテストピースを、直接又は潤滑油を介し
て、挟み付け部材で挟み付けながら中心軸の回りに回転
させる摺動試験方法又は試験機において、上記テストピ
ース及び/又は上記挟み付け部材の上記回転による摩耗
量を常時検出し、該検出した摩耗量の経時変化を得るよ
うにし、その場合に、円柱形状のテストピースを上記挟
み付け部材としての一対のVブロックのV溝間で挟み付
け、該テストピースの径の変化及び/又は該一対のVブ
ロックの間隔の変化を測定し、該測定したテストピース
の径の変化及び/又は一対のVブロックの間隔の変化に
基づいて、上記テストピース及び/又は挟み付け部材の
摩耗量を検出する(請求項4、8)。かかる構成とする
と、初期の摩耗量から供試試料のなじみ性を、初期期間
経過以降の摩耗量から耐摩耗性を評価することができ
る。また、テストピースの径の変化、及び/又は一対の
Vブロックの間隔の変化を、非接触式の変位計を用いて
容易に検出することができる。
【0015】
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態を説明する。
の実施の形態を説明する。
【0017】図1は本発明の実施の形態に係る摺動試験
機のハードウエアの構成を示す斜視図、図2は試験遂行
部の詳細な構成を示す拡大平面図である。
機のハードウエアの構成を示す斜視図、図2は試験遂行
部の詳細な構成を示す拡大平面図である。
【0018】図1、図2において、本実施の形態に係る
摺動試験機1は、本体20と、CPU等の演算器からなる
制御装置21と、プリンタ22とを備えている。
摺動試験機1は、本体20と、CPU等の演算器からなる
制御装置21と、プリンタ22とを備えている。
【0019】本体20は、第1の変位センサ23及び第2の
変位センサ24が付加されている点を除き、図6の従来の
焼付き試験機101と同じである。よって、本体20につい
ては、従来の焼付き試験機101と同一部分には同一の符
号を付して、その説明を省略する。
変位センサ24が付加されている点を除き、図6の従来の
焼付き試験機101と同じである。よって、本体20につい
ては、従来の焼付き試験機101と同一部分には同一の符
号を付して、その説明を省略する。
【0020】図1、図2に示すように、本体20の第1の
ロードセル8、及び第2のロードセル9の出力が制御装
置21に入力されている。また、一方のVブロック3に埋
め込むようにして、他方のVブロック3との間の距離の
変化、すなわち、両Vブロック3間の間隔の変化を検出
する第1の変位検出器23が配設され、一対のVブロック
3の間に、テストピース12との間の距離の変化、すなわ
ち、テストピース12の半径の変化を検出する第2の変位
検出器24が配設されている。第1の変位検出器23及び第
2の検出器24は、渦電流式の変位計で構成されている。
渦電流式の変位計であれば非接触式であるため、潤滑油
中であっても対象物の変位を検出することができる。第
1の変位検出器23及び第2の検出器24の出力は制御装置2
1に入力されている。そして、制御装置21から制御信号
がモータ7に入力され、また、制御装置21における演算
結果がプリンタ22に入力されている。
ロードセル8、及び第2のロードセル9の出力が制御装
置21に入力されている。また、一方のVブロック3に埋
め込むようにして、他方のVブロック3との間の距離の
変化、すなわち、両Vブロック3間の間隔の変化を検出
する第1の変位検出器23が配設され、一対のVブロック
3の間に、テストピース12との間の距離の変化、すなわ
ち、テストピース12の半径の変化を検出する第2の変位
検出器24が配設されている。第1の変位検出器23及び第
2の検出器24は、渦電流式の変位計で構成されている。
渦電流式の変位計であれば非接触式であるため、潤滑油
中であっても対象物の変位を検出することができる。第
1の変位検出器23及び第2の検出器24の出力は制御装置2
1に入力されている。そして、制御装置21から制御信号
がモータ7に入力され、また、制御装置21における演算
結果がプリンタ22に入力されている。
【0021】図3は、図1の摺動試験機の機能面から見
た構成を示す機能ブロック図である。
た構成を示す機能ブロック図である。
【0022】図3において、本体20では、モータ7によ
ってテストピース12が回転駆動される。また、モータ7
の回転力が、図1の負荷アーム6、ラチェットホイール
4からなる締付け荷重発生部29で締付荷重に変換され
て、その締付荷重が荷重アーム5によって挟み付け荷重
として一対のVブロック3に加えられる。これにより、
テストピース12とVブロック3との間で試験が遂行され
る。そして、上記締付荷重発生部29で発生した締付け荷
重を、図1の第1のロードセル8からなる荷重検出器が
検出する。また、テストピース12とVブロック3との摩
擦力によりVブロック3に生じる回転トルクを、図1の
第2のロードセル9からなる摩擦力検出器が検出する。
また、試験の進行に伴ってテストピース12及びVブロッ
ク3に生じる摩耗による、一対のVブロック3の間隔の
減少(以下、第1の変位という)、テストピース12の半
径の減少(以下、第2の変位という)を、それぞれ、第
1の変位検出器23、第2の変位検出器24が検出する。
ってテストピース12が回転駆動される。また、モータ7
の回転力が、図1の負荷アーム6、ラチェットホイール
4からなる締付け荷重発生部29で締付荷重に変換され
て、その締付荷重が荷重アーム5によって挟み付け荷重
として一対のVブロック3に加えられる。これにより、
テストピース12とVブロック3との間で試験が遂行され
る。そして、上記締付荷重発生部29で発生した締付け荷
重を、図1の第1のロードセル8からなる荷重検出器が
検出する。また、テストピース12とVブロック3との摩
擦力によりVブロック3に生じる回転トルクを、図1の
第2のロードセル9からなる摩擦力検出器が検出する。
また、試験の進行に伴ってテストピース12及びVブロッ
ク3に生じる摩耗による、一対のVブロック3の間隔の
減少(以下、第1の変位という)、テストピース12の半
径の減少(以下、第2の変位という)を、それぞれ、第
1の変位検出器23、第2の変位検出器24が検出する。
【0023】制御装置21は、動作制御部25、摩擦係数計
算部26、接触面積/摩耗量計算部27、及び焼付き面圧計
算部28を有している。動作制御部25は、本体20のモータ
7に作動信号及び停止信号を出力して本体20の起動及び
停止を制御する。摩擦係数計算部26は、荷重検出器8で
検出された締付け荷重を、図1の荷重アーム5の上部ア
ーム5bと下部アーム5cとの長さの比を用いてテストピ
ース12に加わる挟み付け荷重に変換するとともに、摩擦
力検出器9で検出された回転トルクと該変換した挟み付
け荷重とを用いて摩擦係数Fを算出する。接触面積/摩
耗量計算部27は、第1の変位検出器23で検出された第1
の変位と第2の変位検出器24で検出された第2の変位と
に基づいて、テストピース12とVブロック3との接触面
積、並びにテストピース12及びVブロック3の摩耗量を
算出する。焼付き面圧計算部28は、摩擦係数計算部26で
算出された挟み付け荷重を、接触面積/摩耗量計算部27
で算出された接触面積で除して面圧Pを算出する。プリ
ンタ22は、摩擦係数計算部26で算出された摩擦係数F、
接触面積/摩耗量計算部27で算出された摩耗量、及び焼
付き面圧計算部28で算出された面圧Pを、それらの時間
に対する変化を表すグラフの形式でプリントアウトす
る。
算部26、接触面積/摩耗量計算部27、及び焼付き面圧計
算部28を有している。動作制御部25は、本体20のモータ
7に作動信号及び停止信号を出力して本体20の起動及び
停止を制御する。摩擦係数計算部26は、荷重検出器8で
検出された締付け荷重を、図1の荷重アーム5の上部ア
ーム5bと下部アーム5cとの長さの比を用いてテストピ
ース12に加わる挟み付け荷重に変換するとともに、摩擦
力検出器9で検出された回転トルクと該変換した挟み付
け荷重とを用いて摩擦係数Fを算出する。接触面積/摩
耗量計算部27は、第1の変位検出器23で検出された第1
の変位と第2の変位検出器24で検出された第2の変位と
に基づいて、テストピース12とVブロック3との接触面
積、並びにテストピース12及びVブロック3の摩耗量を
算出する。焼付き面圧計算部28は、摩擦係数計算部26で
算出された挟み付け荷重を、接触面積/摩耗量計算部27
で算出された接触面積で除して面圧Pを算出する。プリ
ンタ22は、摩擦係数計算部26で算出された摩擦係数F、
接触面積/摩耗量計算部27で算出された摩耗量、及び焼
付き面圧計算部28で算出された面圧Pを、それらの時間
に対する変化を表すグラフの形式でプリントアウトす
る。
【0024】次ぎに、接触面積/摩耗量計算部27におけ
る接触面積及び摩耗量の算出方法を図4を用いて詳しく
説明する。
る接触面積及び摩耗量の算出方法を図4を用いて詳しく
説明する。
【0025】図4は、試験遂行によるテストピース及び
Vブロックの摩耗による変化を模式的に示す図であっ
て、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A矢視断面図であ
る。なお、図4(b)では説明を判り易くするためテスト
ピースを除いて描いてある。
Vブロックの摩耗による変化を模式的に示す図であっ
て、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A矢視断面図であ
る。なお、図4(b)では説明を判り易くするためテスト
ピースを除いて描いてある。
【0026】図4(a)において、テストピース12及びV
ブロック3は、実線で示す試験開始前の状態から、試験
の進行に伴う摩耗によって二点鎖線で示す状態に変化す
る。すなわち、テストピース12の半径が減少し、Vブロ
ック3のV溝3aのテストピース12との接触部31には円
弧状断面の凹部が生じる。従って、この接触部31におけ
るVブロック3のV溝3aとテストピース12との接触は
面接触となる。なお、図中の点線3bは、摩耗が生じな
いと仮定した場合のV溝3aの面を示している。
ブロック3は、実線で示す試験開始前の状態から、試験
の進行に伴う摩耗によって二点鎖線で示す状態に変化す
る。すなわち、テストピース12の半径が減少し、Vブロ
ック3のV溝3aのテストピース12との接触部31には円
弧状断面の凹部が生じる。従って、この接触部31におけ
るVブロック3のV溝3aとテストピース12との接触は
面接触となる。なお、図中の点線3bは、摩耗が生じな
いと仮定した場合のV溝3aの面を示している。
【0027】ここで、第1の変位たるVブロック3の間
隔の減少量をX1、第2の変位たるテストピース12の半
径の減少量をX2、Vブロック3のV溝3aの角度の半分
の角度をθ、テストピース12の初期の半径をRとする。
また、図4(b)に示すように、Vブロック3は円柱形状
を有し、その円形の側面に幅YのV溝3aが形成されて
いる.そのため、円柱形状のテストピース12との接触部3
1は、初期の状態では線状となり、その長さは、Vブロ
ック3の径及びV溝3aの形状、並びにテストピース12
の径によって定まるものとなる。この接触部31の長さを
Lとする。さらに、角度θ1を(1)式で定義する。
隔の減少量をX1、第2の変位たるテストピース12の半
径の減少量をX2、Vブロック3のV溝3aの角度の半分
の角度をθ、テストピース12の初期の半径をRとする。
また、図4(b)に示すように、Vブロック3は円柱形状
を有し、その円形の側面に幅YのV溝3aが形成されて
いる.そのため、円柱形状のテストピース12との接触部3
1は、初期の状態では線状となり、その長さは、Vブロ
ック3の径及びV溝3aの形状、並びにテストピース12
の径によって定まるものとなる。この接触部31の長さを
Lとする。さらに、角度θ1を(1)式で定義する。
【0028】
【数1】
【0029】すると、テストピース12の摩耗量Ab1は
(2)式で表される。
(2)式で表される。
【0030】
【数2】
【0031】また、Vブロック3の全摩耗量(4個所の
合計量)Ab2は(3)式で表される。
合計量)Ab2は(3)式で表される。
【0032】
【数3】
【0033】また、テストピース12とVブロック3との
接触部31は、試験開始後は二点鎖線で示すように面接触
となるが、この接触面積(1個所)Arは(4)式で表され
る。
接触部31は、試験開始後は二点鎖線で示すように面接触
となるが、この接触面積(1個所)Arは(4)式で表され
る。
【0034】
【数4】
【0035】本実施の形態では、上記諸量のうち、Vブ
ロック3のV溝3aの角度θ、テストピース12の初期半
径R、テストピース12とVブロック3との接触部31の長
さLを、制御装置21に予め入力して記憶させておき、接
触面積/摩耗量計算部27において、第1の変位検出器2
3、第2の変位検出器24からそれぞれ入力される第1の
変位X1、第2の変位X2と上記記憶された諸量とに、上
記(1)式〜(4)式を適用して摩耗量Ab1,Ab2及び接触面
積Arを算出する。
ロック3のV溝3aの角度θ、テストピース12の初期半
径R、テストピース12とVブロック3との接触部31の長
さLを、制御装置21に予め入力して記憶させておき、接
触面積/摩耗量計算部27において、第1の変位検出器2
3、第2の変位検出器24からそれぞれ入力される第1の
変位X1、第2の変位X2と上記記憶された諸量とに、上
記(1)式〜(4)式を適用して摩耗量Ab1,Ab2及び接触面
積Arを算出する。
【0036】次ぎに、本実施の形態に係る摺動試験方法
を、上記のように構成された摺動試験機の動作とともに
図1〜図4を用いて説明する。
を、上記のように構成された摺動試験機の動作とともに
図1〜図4を用いて説明する。
【0037】図1〜図4において、従来の技術で説明し
たのと同様に、テストピース12を主軸2の先端に装着
し、テストピース12を挟み付けるようにしてVブロック
3を荷重アーム5の先端に装着し、オイルカップ10を
上方に移動させてそれらを潤滑油16中に浸す。その後、
制御装置21によりモータ7を起動する。
たのと同様に、テストピース12を主軸2の先端に装着
し、テストピース12を挟み付けるようにしてVブロック
3を荷重アーム5の先端に装着し、オイルカップ10を
上方に移動させてそれらを潤滑油16中に浸す。その後、
制御装置21によりモータ7を起動する。
【0038】これにより、本体20では、テストピース12
が、Vブロック3により、徐々に増大する挟み付け荷重
で挟み付けられながら回転する。一方、制御装置21で
は、摩擦係数計算部26が、荷重検出器8から入力される
締付け荷重と、摩擦力検出器9から入力される回転トル
クとに基づいて挟み付け荷重及び摩擦係数Fを算出す
る。また、接触面積/摩耗量計算部27が、第1の変位検
出器23から入力される第1の変位X1と第2の変位検出
器24から入力される第2の変位X2とに基づいて接触面
積Ar及び摩耗量Ab1,Ab2を算出し、さらに、焼付き面
圧計算部28が、摩擦係数計算部26からの入力と接触面積
/摩耗量計算部27からの入力とに基づいて面圧Pを算出
する。そして、プリンタ22は、摩擦係数計算部26から入
力される摩擦係数F、接触面積/摩耗量計算部27から入
力される摩耗量Ab1,Ab2、及び焼付き面圧計算部28か
ら入力される面圧Pを図5に示すようなグラフ形式でプ
リントアウトする。そして、潤滑油16の潤滑効果が限界
に達してテストピース12とVブロック3とが焼き付く
と、実験者が制御装置21によって本体20のモータ7を停
止し、試験を終了する。
が、Vブロック3により、徐々に増大する挟み付け荷重
で挟み付けられながら回転する。一方、制御装置21で
は、摩擦係数計算部26が、荷重検出器8から入力される
締付け荷重と、摩擦力検出器9から入力される回転トル
クとに基づいて挟み付け荷重及び摩擦係数Fを算出す
る。また、接触面積/摩耗量計算部27が、第1の変位検
出器23から入力される第1の変位X1と第2の変位検出
器24から入力される第2の変位X2とに基づいて接触面
積Ar及び摩耗量Ab1,Ab2を算出し、さらに、焼付き面
圧計算部28が、摩擦係数計算部26からの入力と接触面積
/摩耗量計算部27からの入力とに基づいて面圧Pを算出
する。そして、プリンタ22は、摩擦係数計算部26から入
力される摩擦係数F、接触面積/摩耗量計算部27から入
力される摩耗量Ab1,Ab2、及び焼付き面圧計算部28か
ら入力される面圧Pを図5に示すようなグラフ形式でプ
リントアウトする。そして、潤滑油16の潤滑効果が限界
に達してテストピース12とVブロック3とが焼き付く
と、実験者が制御装置21によって本体20のモータ7を停
止し、試験を終了する。
【0039】次ぎに、プリンタ22からプリントアウトさ
れるデータを図5を用いて説明する。
れるデータを図5を用いて説明する。
【0040】図5は、摩擦係数F、摩耗量Ab1,Ab2、
及び面圧Pの時間に対する変化の一例を示すグラフであ
って、(a)は摩擦係数F及び面圧Pの変化を示す図、(b)
は摩耗量Ab1,Ab2の変化を示す図である。
及び面圧Pの時間に対する変化の一例を示すグラフであ
って、(a)は摩擦係数F及び面圧Pの変化を示す図、(b)
は摩耗量Ab1,Ab2の変化を示す図である。
【0041】図5に示すデータは、図7に示す従来の焼
付き試験のデータと同一の試料について得られたデータ
である。つまり、図7に示すデータ、図5に示すデータ
は、ある試料について1回の試験を行い、その測定デー
タを、それぞれ、従来のデータ処理方法、本実施の形態
に係るデータ処理方法によって処理して得たデータであ
る。両者を比較すると、摩擦係数Fは同じであるが、焼
付き面圧Pは、図7では約 320 kgf/mm2であるのに対
し、図5(a)では約 70 kgf/mm2となっている。これは、
テストピース及びVブロックの摩耗量が多く、そのた
め、図7の従来の試験方法では、テストピースとVブロ
ックとの接触を線接触であると仮定して焼付き面圧Pを
算出していることから、見かけの焼付き面圧が非常に高
い値となったのに対し、図5(a) の本実施の形態に係る
試験方法ではテストピース及びVブロックの摩耗に即し
た接触面積を用いて焼付き面圧Pを算出していることか
ら焼付き面圧が真実に近い低い値となったものである。
このように、本実施の形態に係る試験方法によれば、焼
付き面圧Pを正確に求めることができる。
付き試験のデータと同一の試料について得られたデータ
である。つまり、図7に示すデータ、図5に示すデータ
は、ある試料について1回の試験を行い、その測定デー
タを、それぞれ、従来のデータ処理方法、本実施の形態
に係るデータ処理方法によって処理して得たデータであ
る。両者を比較すると、摩擦係数Fは同じであるが、焼
付き面圧Pは、図7では約 320 kgf/mm2であるのに対
し、図5(a)では約 70 kgf/mm2となっている。これは、
テストピース及びVブロックの摩耗量が多く、そのた
め、図7の従来の試験方法では、テストピースとVブロ
ックとの接触を線接触であると仮定して焼付き面圧Pを
算出していることから、見かけの焼付き面圧が非常に高
い値となったのに対し、図5(a) の本実施の形態に係る
試験方法ではテストピース及びVブロックの摩耗に即し
た接触面積を用いて焼付き面圧Pを算出していることか
ら焼付き面圧が真実に近い低い値となったものである。
このように、本実施の形態に係る試験方法によれば、焼
付き面圧Pを正確に求めることができる。
【0042】また、図5(b)において、テストピースの
摩耗量Ab1、及びVブロックの摩耗量Ab2は、共に、初
期(約 100秒)に屈曲点15を有している。この摩耗量A
b1,Ab2のうち、試験開始から屈曲点15までの部分Ab
1',Ab2'がなじみ性を表し、屈曲点15以降の部分Ab
1”,Ab2”が耐摩耗性を表している。このように、本実
施の形態に係る試験方法によれば、摺動用材料のなじみ
性及び耐摩耗性を評価することができる。
摩耗量Ab1、及びVブロックの摩耗量Ab2は、共に、初
期(約 100秒)に屈曲点15を有している。この摩耗量A
b1,Ab2のうち、試験開始から屈曲点15までの部分Ab
1',Ab2'がなじみ性を表し、屈曲点15以降の部分Ab
1”,Ab2”が耐摩耗性を表している。このように、本実
施の形態に係る試験方法によれば、摺動用材料のなじみ
性及び耐摩耗性を評価することができる。
【0043】なお、上記の説明では、摩擦係数F、面圧
P、及び摩耗量Ab1,Ab2を、試験機に備えた制御装置2
1で算出するようにしているが、これを、手計算によ
り、あるいは別途パソコン等の演算器により算出するよ
うにしてもよい。
P、及び摩耗量Ab1,Ab2を、試験機に備えた制御装置2
1で算出するようにしているが、これを、手計算によ
り、あるいは別途パソコン等の演算器により算出するよ
うにしてもよい。
【0044】また、上記の説明では、テストピース12と
Vブロック3との接触面積31を、計算により間接的に求
めているが、これを直接検出するようにしてもよい。
Vブロック3との接触面積31を、計算により間接的に求
めているが、これを直接検出するようにしてもよい。
【0045】
【発明の効果】本発明は、以上のような形態で実施さ
れ、以下のような効果を奏する。 (1)挟み付け荷重と、テストピース及び挟み付け部材の
摩耗の進行に即した接触面積とに基づいて供試試料の面
圧を求めることができるため、焼付き面圧を正確に評価
することができる。 (2)テストピース及び挟み付け部材の摩耗度を常時検出
して、その検出した摩耗度に基づいて接触面積を求める
ようにすると、接触面積を直接検出する場合に比べて容
易に接触面積を求めることができる。 (3)初期の摩耗量から供試試料のなじみ性を、初期期間
経過以降の摩耗量から耐摩耗性を評価することができ
る。 (4)円柱形状のテストピースを一対のVブロックのV溝
間で挟み付け、テストピースの径の変化及びVブロック
の間隔を測定して、その測定したテストピースの径の変
化及び一対のVブロックの間隔に基づいてテストピース
及び挟み付け部材の摩耗度を検出するようすると、摩耗
度を容易に検出することができる。
れ、以下のような効果を奏する。 (1)挟み付け荷重と、テストピース及び挟み付け部材の
摩耗の進行に即した接触面積とに基づいて供試試料の面
圧を求めることができるため、焼付き面圧を正確に評価
することができる。 (2)テストピース及び挟み付け部材の摩耗度を常時検出
して、その検出した摩耗度に基づいて接触面積を求める
ようにすると、接触面積を直接検出する場合に比べて容
易に接触面積を求めることができる。 (3)初期の摩耗量から供試試料のなじみ性を、初期期間
経過以降の摩耗量から耐摩耗性を評価することができ
る。 (4)円柱形状のテストピースを一対のVブロックのV溝
間で挟み付け、テストピースの径の変化及びVブロック
の間隔を測定して、その測定したテストピースの径の変
化及び一対のVブロックの間隔に基づいてテストピース
及び挟み付け部材の摩耗度を検出するようすると、摩耗
度を容易に検出することができる。
【図1】本発明の実施の形態に係る摺動試験機のハード
ウエアの構成を示す斜視図である。
ウエアの構成を示す斜視図である。
【図2】図1の摺動試験機の試験遂行部の詳細な構成を
示す拡大平面図である。
示す拡大平面図である。
【図3】図1の摺動試験機の機能面から見た構成を示す
機能ブロック図である。
機能ブロック図である。
【図4】試験遂行によるテストピース及びVブロックの
摩耗による変化を模式的に示す図であって、(a)は平面
図、(b)は(a)のA−A矢視断面図である。
摩耗による変化を模式的に示す図であって、(a)は平面
図、(b)は(a)のA−A矢視断面図である。
【図5】摩擦係数、摩耗量、及び面圧の時間に対する変
化の一例を示すグラフであって、(a)は摩擦係数及び面
圧の変化を示す図、(b)は摩耗量の変化を示す図であ
る。
化の一例を示すグラフであって、(a)は摩擦係数及び面
圧の変化を示す図、(b)は摩耗量の変化を示す図であ
る。
【図6】従来の摺動試験機の構成を示す斜視図である。
【図7】摩擦係数及び面圧の時間に対する変化を示すグ
ラフである。
ラフである。
1 摺動試験機 2 主軸 3 Vブロック 3a V溝 3b 摩耗しないと仮定した場合のV溝面 4 ラチェットホイール 4a 回動軸 4b 移動部材 5 荷重アーム 5a 回動軸 5b 上部アーム 5c 下部アーム 6 負荷アーム 6a 爪 7 モータ 8 第1のロードセル 8a ロードゲージ 9 第2のロードセル 9a トルクゲージ 10 オイルカップ 11 保持台 12 テストピース 13 保持部材 14 ピーク状部分 16 潤滑油 15 屈曲点 20 本体 21 制御装置 22 プリンタ 23 第1の変位検出器 24 第2の変位検出器 25 動作制御部 26 摩擦係数計算部 27 接触面積/摩耗量計算部 28 焼付き面圧計算部 29 締付け荷重発生部 30 基台 31 接触部 Ab1 テストピースの摩耗量 Ab2 Vブロックの摩耗量 F 摩擦係数 L 接触部の長さ P 面圧 X1 第1の変位 X2 第2の変位 Y V溝の幅
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 3/00 - 3/62 JICSTファイル(JOIS)
Claims (8)
- 【請求項1】 柱状のテストピースを、直接又は潤滑油
を介して、挟み付け部材で挟み付けながら中心軸の回り
に回転させ、少なくとも挟み付け荷重に基づいて、該テ
ストピースと該挟み付け部材との焼付き面圧を得る摺動
試験方法において、 上記テストピースと上記挟み付け部材との接触面積を、
上記回転による該テストピース及び挟み付け部材の摩耗
の進行に即して求め、該求めた接触面積に基づいて上記
焼付き面圧を得ることを特徴とする摺動試験方法。 - 【請求項2】 上記テストピース及び上記挟み付け部材
の上記回転による摩耗度を常時検出し、該検出した摩耗
度に基づいて上記接触面積を求めることを特徴とする請
求項1記載の摺動試験方法。 - 【請求項3】 上記テストピースを円柱形状とし、該テ
ストピースを上記挟み付け部材としての一対のVブロッ
クのV溝間で挟み付け、該テストピースの径の変化及び
該一対のVブロックの間隔の変化を測定し、該測定した
テストピースの径の変化及び一対のVブロックの間隔の
変化に基づいて、上記テストピース及び挟み付け部材の
摩耗度を検出することを特徴とする請求項2記載の摺動
試験方法。 - 【請求項4】 柱状のテストピースを、直接又は潤滑油
を介して、挟み付け部材で挟み付けながら中心軸の回り
に回転させ、少なくとも該テストピース、挟み付け部
材、又は潤滑油の摺動性能を表すデータを得る摺動試験
方法において、 上記テストピース及び/又は上記挟み付け部材の上記回
転による摩耗量を常時検出し、該検出した摩耗量の経時
変化を上記摺動性能を表すデータとして得るようにし、 その場合に、上記テストピースを円柱形状とし、該テス
トピースを上記挟み付け部材としての一対のVブロック
のV溝間で挟み付け、該テストピースの径の変化及び/
又は該一対のVブロックの間隔の変化を測定し、該測定
したテストピースの径の変化及び/又は一対のVブロッ
クの間隔の変化に基づいて、上記テストピース及び/又
は挟み付け部材の摩耗量を検出することを特徴とする摺
動試験方法 。 - 【請求項5】 柱状のテストピースを、直接又は潤滑油
を介して、挟み付け部材で挟み付けながら中心軸の回り
に回転させ、少なくとも挟み付け荷重に基づいて、該テ
ストピースと挟み付け部材との焼付き面圧を得る摺動試
験機であって、 上記テストピースと上記挟み付け部材との接触面積を、
上記回転による該テストピース及び挟み付け部材の摩耗
の進行に即して求め、該求めた接触面積に基づいて上記
焼付き面圧を得ることを特徴とする 摺動試験機。 - 【請求項6】 上記テストピース及び上記挟み付け部材
の上記回転による摩耗度を常時検出し、該検出した摩耗
度に基づいて上記接触面積を求めることを特徴とする請
求項5記載の摺動試験機。 - 【請求項7】 円柱形状の上記テストピースを上記挟み
付け部材としての一対のVブロックのV溝間で挟み付
け、該テストピースの径の変化及び該一対のVブロック
の間隔の変化を測定し、該測定したテストピースの径の
変化及び一対のVブロックの間隔の変化に基づいて、上
記テストピース及び挟み付け部材の摩耗度を検出するこ
とを特徴とする請求項6記載の摺動試験機。 - 【請求項8】 柱状のテストピースを、直接又は潤滑油
を介して、挟み付け部材で挟み付けながら中心軸の回り
に回転させるよう構成した摺動試験機において、 上記テストピース及び/又は上記挟み付け部材の上記回
転による摩耗量を常時検出し、該検出した摩耗量の経時
変化を得るようにし、 その場合に、円柱形状の上記テストピースを上記挟み付
け部材としての一対のVブロックのV溝間で挟み付け、
該テストピースの径の変化及び/又は該一対のVブロッ
クの間隔の変化を測定し、該測定したテストピースの径
の変化及び/又は一対のVブロックの間隔の変化に基づ
いて、上記テストピース及び/又は挟み付け部材の摩耗
量を検出することを特徴とする摺動試験機 。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08671499A JP3204947B2 (ja) | 1999-03-29 | 1999-03-29 | 摺動試験方法及び摺動試験機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08671499A JP3204947B2 (ja) | 1999-03-29 | 1999-03-29 | 摺動試験方法及び摺動試験機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000283904A JP2000283904A (ja) | 2000-10-13 |
JP3204947B2 true JP3204947B2 (ja) | 2001-09-04 |
Family
ID=13894576
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08671499A Expired - Fee Related JP3204947B2 (ja) | 1999-03-29 | 1999-03-29 | 摺動試験方法及び摺動試験機 |
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---|---|
JP (1) | JP3204947B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
JP2007064886A (ja) * | 2005-09-01 | 2007-03-15 | Shimadzu Corp | 材料試験機 |
CN108132212A (zh) * | 2018-03-07 | 2018-06-08 | 长安大学 | 一种测定黄土-混凝土接触面摩擦系数的装置及测定方法 |
CN113933486A (zh) * | 2020-06-29 | 2022-01-14 | 中国石油化工股份有限公司 | 往复式试验机及润滑性能测试方法 |
CN115452638B (zh) * | 2022-09-16 | 2024-05-14 | 合肥工业大学 | 一种机械式线接触摩擦试验机 |
-
1999
- 1999-03-29 JP JP08671499A patent/JP3204947B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
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