JP3204651U - 遮蔽カーテン及び異物検査装置 - Google Patents

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渉 安藤
渉 安藤
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Abstract

【課題】搬送機構上を搬送される軽量ワークが遮蔽カーテンで制止や姿勢異常を起こさず適切に搬送される異物検査装置を提供する。【解決手段】筐体30の下端には搬送機構10の搬送方向の上流側と下流側にワーク16を通す搬入口30aと搬出口30bとが設けられる。前記搬入口30a及び搬出口30bには各々X線の漏洩を防止するためのカーテン18、18が配設されている。 カーテン18、18は、軸支部を中心として、一方の側のカーテン部と他方の側の平衡付与部とが配置されることによって平衡を保つようにされ、カーテン18、18のワーク16に接触する先端部分を含む下方部を遮蔽材が混練された可撓性カーテンに替える。【選択図】図1

Description

本考案は、搬送機構で構成されるワーク搬送路に、X線等の放射線あるいはテラヘルツ波といった電磁波が照射される検査搬送部が設けられた検査装置に係り、特に、当該電磁波を遮蔽するためのカーテン状の遮蔽部材が前記搬送機構の搬送方向前後に設けられた検査装置に関する。
食品などを内容物とする包装体の検査にはX線検査装置が使用されている。このX線検査装置は、搬送コンベアによってワーク(被検査物)が搬送され、搬送中のワークに対してX線発生部からX線が照射され、ワークを透過したX線がX線センサで検知される。
X線検査装置(異物検査装置)では、装置外部へのX線の漏れを抑制することが必要であり、通常は、搬入口と搬出口に、鉛やタングステンなどのX線遮蔽物質を含有するゴムシートなどの可撓性シートで形成されたX線遮蔽カーテンが配置されている。搬送ベルトで搬送されるワークは、搬入口のX線遮蔽カーテンを払いのけるようにして装置の内部に進行してX線照射領域に至る。勾配を有する搬送ベルトを用いて遮蔽カーテンを用いない方法もあるが、この方法ではX線検査装置のワークの搬送方向に関する長さ寸法が大きくなる。X線検査装置の前記長さ寸法を小さくしてコンパクトな製品を市場に提供するためには前記のような遮蔽カーテンが必要となる。
しかし、ワークの質量が比較的小さい場合には、X線遮蔽カーテンを通過するときの抵抗力がワークとコンベアの搬送面との間の摩擦力に対し相対的に大きくなりすぎて、X線遮蔽カーテンに接触する位置でワークが正常搬送されず制止され、X線照射領域まで進行できないことがある。あるいはワークがX線遮蔽カーテンに接触後に斜めになる等その姿勢が適正姿勢から外れX線検査に適さない状態になる虞がある。上記のようにワークの不正常な制止や、適正状態からの姿勢の逸脱は搬入口のカーテン位置のみならず搬出口のカーテン位置でも同様に発生する。ワーク適正姿勢からの逸脱により搬出後の選別工程に支障をきたす虞もある。
図4は、従来の遮蔽カーテンの一例を示している。鉛含有ゴム製カーテン(可撓性カーテン)61は、支持部67で上部が固定され吊下げられる。この鉛含有ゴム製カーテン61ではカーテンの重心68がカーテンのほぼ中央に位置する。図4に示したものと同様の構造の遮蔽カーテンは、例えば特許文献1に開示されている。なお、図4中、ワーク16が遮蔽カーテンを通過する際に、カーテンが撓む様子を破線で示している。
図5は、従来の遮蔽カーテンの他の例を示している。このカーテン18は、全体が金属や樹脂等の剛性を有する材質から構成される。このカーテン18は軸支部40で回動自在にされ、軸係合部材41、共に剛性部材からなるカーテン部63と平衡付与部65から構成される。カーテン部63と平衡付与部とは略一直線状に結合配置されている。また剛性部材からなるカーテン部63、軸係合部材41と剛性部材からなるカーテン部63とは一体として構成され全体が一つの剛体として機能する。平衡付与部65が剛性部材からなるカーテン部63に対してバランス(平衡)を付与しているためその重心は軸支部40の直下にあり軸支部と重心との距離は図4の例よりは距離が近い構成となっている。図5に示したものと同様の構造のカーテンは、例えば特許文献2に開示されている。
特開2003−247960号公報 特開2010−175363号公報
図4に示したような可撓性カーテンでは、重心位置が支持部67から遠いため、ワーク通過時にワークに対する力が強く軽いワークの場合にはワークの通過を阻止する虞がある。また、連続して複数のワークを通過させる際に先のワークが運よく通過したとしても後のワーク通過時にはカーテンが垂直状態に戻る際にワークに衝撃を与え不正常に制止させたりあるいはワークの姿勢を正常姿勢から逸脱させたりする虞がある。これは重心位置が支持部からの視点で距離がある位置にあるため姿勢が垂直に戻るときのトルクが大きく働くためと考えられる。
一方、図5に示したような剛性を有するカーテンでは、前記の課題を克服するために軸支構造としてカーテン部に対して平衡付与部を設けることにより重心位置を軸支部40から近い位置になるように構成されている。軸支部40を中心として一方に配置されたカーテン部63と他方に配置された平衡付与部65とがバランスして平衡を保持するようにされている。前記カーテン部に相当する剛性部材からなるカーテン部63、平衡付与部65と軸係合部材41とは一体の剛体として機能するように強固に接合あるいは一体化されている。平衡付与部65とカーテン部63とは軸係合部材の位置を境に区別される。剛性部材からなるカーテン部63の上部側面は軸係合部材41に接合あるいは一体化されている。さらに、カーテン部63と平衡付与部65にはそれぞれ折曲げ部75が備えられている。折曲げ方向はカーテン部63では重力方向に平衡付与部65では重力とは反対方向となっている。軸支部40によりカーテンは軸支部40を中心に回動自在とされている。これによりワークの通過時の抵抗は減少し比較的に軽いワークをも通過させることができるようになる。軸支部40と重心68との距離が短くなったため剛性部材からなるカーテン部63を回転させるに要するトルクが小さくなったためである。軸支部40から剛性部材からなるカーテン部63までの距離に対して軸支部40から重心68までの距離の比が小さくなったために梃の原理がより有効に作用するようになった結果と考えられる。
しかしながら、ワークへのカーテンの抵抗力は前記の静力学的なトルクのみではなく動力学的なトルクの要素も考慮する必要がある。図5の例では、カーテン18の全体が実質的に剛体であることと平衡付与部65が付与されているために、軸支部40を中心とした慣性モーメント(慣性能率)が剛性部材からなるカーテン部63のみの構成に比較して大きくなっている。前記の慣性モーメントの増大は動的な抵抗力に効いてくる。慣性の法則で説明されるように質量の大きな物体が急な動きの変化に対して抵抗力が大きいことと同じである。近年ワークの運搬速度は検査効率の観点から益々増加する傾向にある。慣性モーメントの大きなカーテンでは近年の高速で運搬されるワークに抵抗力や衝撃力を与え、ワークに制止や異常姿勢という結果をもたらしている。
本考案の遮蔽カーテンは軸支部を中心として回動自在とされワークを通過させる遮蔽カーテンであって、前記遮蔽カーテンは所定の電磁波(例えば、X線を含む放射線やテラヘルツ波)を遮蔽するものであり、前記軸支部を中心として一方の側のカーテン部と他方の側の平衡付与部とが配置されることによって平衡を保つようにされ、前記カーテン部の少なくとも前記軸支部から遠い側の端部を含む部分を可撓性の遮蔽材料により構成される。これにより本考案の遮蔽カーテンは全体が剛性部材からなる従来の遮蔽カーテンに比較してワークへの衝撃力を緩和することができ、それによりワークの遮蔽カーテンによる制止や適性姿勢からの逸脱を防止することができる。
また別の本考案の遮蔽カーテンはさらに前記可撓性の遮蔽材料からなる部分を除く遮蔽カーテンの他の部分が剛性を有する部材から構成される。
さらに別の本考案の遮蔽カーテンは少なくとも前記平衡付与部が剛性を有する部材から構成される。
またさらに別の本考案の遮蔽カーテンは前記剛性を有する部材が軸支部よりも前記カーテン部側に延びた構成とされる。
さらに別の本考案の遮蔽カーテンは前記軸支部の構造に関するものであり、前記軸支部には回転を減衰させる回動減衰構造が備えられた構成とされる。回動減衰構造が付加されることにより、必要以上に軸支部を中心とした遮蔽カーテン全体の回動が抑えられ、放射線の漏洩やワークへの衝撃力が抑えられる。
前記軸支部の回動減衰構造は前記軸支部を構成する固定軸と筒型回転軸の隙間に粘性流体を満たした構成とされる。
前記軸支部の別の回動減衰構造は前記軸支部を構成する前記固定軸と前記筒型回転軸のうちで前記固定軸の少なくとも一部が磁石で構成される。
前記軸支部のさらに別の回動減衰構造は前記軸支部を構成する前記固定軸と前記筒型回転軸のうちで前記筒形回転軸の外面に摩擦部材を押圧する構成とされる。
本考案では、軸支されるカーテンの全体を金属のような実質的な剛体で構成するのではなく、下部部分に鉛やタングステン等を混練したゴム等のX線遮蔽効果のある可撓性の材料を用いている。そのため、ワーク通過の際にカーテンとの接触によるワークへの衝撃が少なくされている。衝撃が少ないため重量の小さなワークでもカーテンによって制止されたり姿勢が不適な状態にされたりする虞がなくなった。さらに近年、異物検査の処理速度アップの要請から、ワーク搬送のスピードが高くなりカーテンから受ける衝撃力が大きくなる傾向にあるが、搬送速度が高くともスムーズに軽いワークを通過させることができるようになった。
本考案の実施の形態であるX線検査装置を示す正面図である。 本考案の実施の形態である遮蔽カーテンを示す図である。 本考案の実施の形態である遮蔽カーテンの変形例を示す図である。 本考案の実施の形態である遮蔽カーテンの変形例を示す図である。 本考案の実施の形態である遮蔽カーテンの変形例を示す図である。 本考案の遮蔽カーテンの軸支部の拡大図である。 本考案の実施の形態である軸支部の一例を示す図である。 本考案の実施の形態である軸支部の変形例を示す図である。 本考案の実施の形態である軸支部の変形例を示す図である。 特許文献1に示される従来の遮蔽カーテンを示す図である。 特許文献2に示される従来の遮蔽カーテンを示す図である。
図1は、本考案に係るX線検査装置1の一例を示す模式的外観図であり、図2Aは、本考案に係るX線検査装置1の内部に配設されたカーテン18の一例を示す模式図である。
図1に示すように、X線検査装置1はX線発生器3から発生させたX線ビーム9がワーク16を透過して、透過したX線をX線検出器5により捉えて得られたX線の濃淡データを再構成して画像化する装置である。これにより、ワークの中に本来あってはならない金属、プラスチック、石や骨等の異物を検出することができる。
X線発生器3の下(つまりX線を照射する方向)にはX線検出器5が置かれ、X線発生器3とX線検出器5との間をワーク16が通過するように搬送機構10が配置される。この図1の例では搬送機構10には無端のベルト14が2つのローラー12,12に巻回され、前記2つのローラー12は対をなし、その内の一方にはモーター等にて動力が付与され駆動ローラーとして機能し、他方には動力付与されず駆動ローラーの回動に従って回動する従動ローラーとして機能する。X線検出器5は巻回されたベルト14に囲われた位置、すなわちベルト上部14a、ベルト下部14bと2つのローラー12,12に囲まれた領域、に配設される。この例の場合、ワーク16を通過したX線ビーム9はベルト上部14aのみを通過することになり、ベルト上部14aとベルト下部14bの双方を通過する場合に比較してベルト14に付着した異物を誤検知する確率が少なくなる。また、ベルト14によるX線の減衰も少なく抑えることができ、その意味でX線検出感度を保つことができる。X線ビーム9はスリット7により面状のビームとして整形され、それがライン状のX線検出器5により検出される。X線検出器は多数の検出単位であるセル(X線検出素子)から構成され、それらが一直線上に並べられたものである。前記複数のセルの直線状配置方向と前記面状に整形されたX線ビーム9とが一致するように、すなわち全てのセルにX線ビーム9が照射されるように、前記直線状配置方向が調整される。
搬送機構10の上にはX線発生器3と搬送機構10のベルト上部14aの全部又は一部を覆うように筐体30が配置される。筐体30はX線を遮蔽するような材質、例えば鉛やタングステン、で構成される。あるいは鉛やタングステンを含む樹脂や内側に鉛やタングステンそのものあるいはそれらを含有する材質でライニング加工が施されている。
筐体30の下端には搬送機構10の搬送方向の上流側と下流側にワーク16を通す搬入口30aと搬出口30bとが設けられる。前記搬入口30a及び搬出口30bには各々X線の漏洩を防止するためのカーテン18、18が配設されている。ワーク16は搬入側および搬出側のカーテン18を通過する。
搬送機構10の下には架台20が備えられ、架台20の下には脚部22、22が配設される。架台20により搬送機構10、筐体30、X線発生器3、スリット7及び検出器5が支持されている。
本願明細書中で説明されるX線について、X線の代わりにγ線などの放射線やテラヘルツ波についても、本願明細書と同様にカーテン18が必要となる。よって、本願明細書中のX線とされる記載箇所は放射線やテラヘルツ波に読み替えることもできる。
図2Aを参照して、本考案の第1実施例に係るカーテン18を説明する。図5に記載した軸支部40と同様に本実施例にも軸支部40が備えられている。本考案の実施例に係るカーテン18では軸支部40を中心として一方に配置されたカーテン部と他方に配置された平衡付与部とがバランスして平衡を保持するようにされていることは図5の従来技術と同様である。図2Aの軸支部40によって本実施例のカーテン18は回動に対して抵抗なく回動自在とされている。本実施例で図5の従来技術と異なる点は図5の従来技術では剛性部材からなるカーテン部63、平衡付与部65と軸係合部材41とが一体として剛性を有しているのに対して、本実施例の構成では図2Aのように図5の剛性部材からなるカーテン部63に対応する部分の一部、すなわち軸支部40から遠い側のカーテン部の端部を含む部分(カーテン下部1b1)、が剛性を有せず可撓性を有する材質で構成される点である。ただし、図2Aの実施例ではカーテン部63の軸支部近傍1aは剛性部材にて構成されている。カーテン下部1b1を構成する図2Aの可撓性カーテン61は下記のように可撓性の材質で構成される。図2Aとは異なり可撓性カーテン61が軸係合部材41まで延びていても良い。可撓性カーテン61としては、例えば長さ寸法が122mm、厚さが0.5mm、幅が5mmのものを使用する。前記の可撓性カーテン61はタングステン粒子が混練された厚さ0.3mmの高比重シートの両面に厚さ0.1mmのポリオレフィンシートが貼着されたものである。図2Aの可撓性カーテン61の長さは、少なくともワークの高さを超えていれば良い。ワークが剛性部材と接触して強い衝撃力を受けることを防ぐためである。
図2Bにカーテン18の他の実施例を示す。可撓性カーテン61が軸係合部材41まで延びる構造となっている。この実施例ではカーテンが屈曲するポイントを指す屈曲点69が図2Aの実施例に比較してより軸係合部材41に近い位置になる。可撓性カーテン61としては、例えば、実施例1と同様に、長さ寸法が122mm、厚さが0.5mm、幅が5mmのものを使用する。前記の可撓性カーテン61はタングステン粒子が混練された厚さ0.3mmの高比重シートの両面に厚さ0.1mmのポリオレフィンシートが貼着されたものである。
厚さ30mm、長さ70mmで幅が40mmで重量が9gの軽いチョコレート菓子の個包装体について、本実施例と従来技術とでカーテン通過状態について試験した結果を以下に記載する。表1に従来例A、従来例Bと本実施例とが比較されている。本試験に用いた本実施例のカーテンは、前記可撓性カーテン61を幅15mmとして短冊状の可撓性カーテン61を横に5枚ならべたものであり、平衡付与部65は前記5枚の短冊に共通に一つのSUS304で構成されている。前記のように構成されたカーテンは搬送方向に対して垂直で且つ搬送面(図示しない)に平行な方向に4セットが並べられている。
ここまで遮蔽カーテンは側面からの図で説明してきたが、本実施例での図2Bの正面図を図2Cに示す。前記概略したように可撓性カーテン61は5枚の短冊77と共通の平衡付与部65からなるユニット79から構成される。図2Cの例ではユニット79が横方向に直線状に4ユニット並べられて全体の遮蔽カーテンが構成される。短冊77とユニット79の並べられる直線方向はワークの搬送方向に垂直でかつ搬送面(図示しない)に平行な方向である。
従来例Aは図5に例示したものであり、従来例Bは図4に例示したものである。従来例Aでは厚さ1.5mm、長さ98mm、幅30mmのSUS304製のカーテンを用いている。平衡付与部は個々のカーテン短冊に個々に一つずつ配置されている。従来例Bは図4に例示したものであり、材質、厚さと幅は本実施例と同じであるが長さが122mmのものを用いている。試験ワークの搬送速度は本実施例、従来例A、従来例Bの全てにおいて共通で30m/分である。
表1を参照して試験結果を以下に記載する。表1で×は試験されたワーク全てについて完全に制止、完全に姿勢不正や完全な転倒の状態を表し、△は複数の試験ワークの内で良い結果を示すものもあった場合を表し、○は全ての試験ワークについて良い結果がでたことを表す。剛性カーテンを用いる従来例Aでは、全ての試験ワークが制止された。姿勢の変化と転倒の有無については試験ワークが全て制止されたため姿勢の変化も転倒も現れなかったので結果には“----”を記載してある。ゴム製のカーテンによる従来例Bでは制止される試験ワークもあったが無事通過する試験ワークもあった。通過した試験ワーク全ての姿勢が不適な程度に変化し、転倒するものもあった。従来例Aは幅が30mmと本実施例や従来例Bに比較して倍程度となっているためこのような結果がでたものと考えられる。幅を同程度の15mm程度にすれば従来例Bと同等くらいには改善されるものと考えられる。しかしながら、SUSからなるカーテンの幅を15mmにして短冊の枚数を倍にすることによりかなりのコスト高となり、コストを考えると幅30mmが実際的であるため従来例Aとして比較している。
Figure 0003204651
図2Dには図2Bの実施例と同様の構造にさらに支持具70を備えた例を示す。支持具70は軸支部40に近い端部で剛性を有する平衡付与部65に固定されて可撓性カーテン61を下から支持している。支持具70の他の端部(軸支部40から遠い端部)は可撓性カーテン61から離れるように湾曲部72を形成している。この湾曲部72により使用時に多数回曲ったり延びたりの繰り返し運動に晒される屈曲点69での疲労破壊を防ぐことができる。この実施例では屈曲点69が図2Bの実施例に比較して軸支部40からより離れた位置にある。これにより後述する式(3)で表される慣性モーメントIb1が小さくなりワーク16に対する衝撃力も小さくなる。ただし、支持具70の直線部をなくして湾曲部72のみにしても良い。
図5の従来技術では、剛性部材からなるカーテン部63、平衡付与部65と軸係合部材41とがSUS304(別名18Cr-8Ni、18クロムステンレス)等のステンレス等の遮蔽効果を有する材質により構成されるが、図2Aないし図2Dの本実施例では図5の従来技術と同様に平衡付与部65と軸係合部材41とがステンレスの材質により構成されるものの、可撓性カーテン61は可撓性の材質により構成される。前記可撓性の材質とは、例えば遮蔽効果を有するタングステン粒子と塩素化ポリエチレンとを混練した厚さ0.3mmの高比重シートとその表裏両面に0.1mmのオレフィンシートを貼着したものを云う。遮蔽効果を有するタングステン粒子が含有されているため高比重シートも遮蔽効果を有する。前記高比重シートとオレフィンシートとはポリエステル系接着剤にて接着されている。オレフィンシートは、ワーク16との滑りを良くして、ワークをスムーズに搬送させることを目的として高比重シートに貼着されている。
図3Aは軸支部40を示す図である。軸支部40は回動の軸中心に位置する固定軸44と、それと同軸に配置された筒形回転軸42とからなる。固定軸44と筒形回転軸42とは、図示しないベアリング機構によって筒形回転軸42が固定軸44に対して回動自在となるようにされている。ただし、前記の例は単なる一つの実施例であり、固定軸44を回動自在として、筒形回転軸42を固定軸としても良い。
図2Aを参考にしてワーク16がカーテンを押して通過する際のカーテンの動きとワーク16に与える衝撃力(動的反作用)について説明する。通常質量の大きな物体と衝突する場合は衝撃力が大きいが、本実施例のように軸支部40にて軸支されているカーテンの場合には前記質量に相当する指標が慣性モーメントになる。慣性モーメントの大きなカーテンであるほどワークに対する衝撃力(動的反作用)が大きくなりワークのスムーズな通過には不利である。カーテンの実質的な慣性モーメントを小さくすることで衝撃力を和らげることができる。
図5の従来技術の場合はカーテン18全体が一体として剛性を有するためカーテン18の上部部分の慣性モーメントIと下部部分の慣性モーメントIb2を足したIが前記衝撃力としてワーク16に作用する。しかしながら、本実施例(図2A)ではワークへの衝撃力に作用するのは主に下部部分の慣性モーメントIb1のみである。本実施例では点69から可撓性カーテン61が撓むためである。一般に慣性モーメントIは以下の式(1)で計算される。ただし、式(1)では面積密度mを用いている。本来は体積密度を用いるべきであるものの、面積密度を用いる方が数式を簡単にできるために数式を構成している。積分領域は数式には表れていないがカーテンの全体がその積分領域である。ここで、rは軸支部40の回動軸からの距離である。
Figure 0003204651
図5の従来技術では全体の慣性モーメントIは以下の式(2)で計算される。ここでmとmb2とはIに相当する部分(第1の剛性部)とIb2に相当する部分(第2の剛性部)の領域についての面積密度である。第1項と第2項の積分の領域についてもIに相当する部分とIb2に相当する部分の領域である。
Figure 0003204651
同様に本実施例についての慣性モーメントは式(3)と式(4)のようになる。式(1)はIに相当する部分であり、式(4)はIb1に相当する部分(可撓部)の数式である。ここで式(4)のrは屈曲点69からの距離を意味する。
Figure 0003204651
前記の衝撃力(反作用)に効いてくるのは主に式(4)である。式(3)も多少効くがそれほど大きくはない。可撓性カーテン61が可撓性を有しているために先端部の急激な動きに対しては可撓性カーテン61が屈曲して対応するため式(3)部分の慣性モーメントIは実質的に衝撃力にあまり寄与しないものと考えられる。結果、衝撃力に効くのは実質的に式(4)のIb1のみであると考えられる。本実施例の場合、ワーク16とカーテンが接触した時に大きく動く部分は可撓性カーテン61であるからである。同じ領域Ib1とIb2を積分しているものの距離rとrを規定する点が前記のように異なるため式(5)のようにIb1の方がIb2より小さくなる。
Figure 0003204651
式(2)と式(5)から、ワーク16に対する衝撃が本実施例では従来技術に比較してかなり小さくなることが導かれる。これにより、重量の小さなワークでも比較的簡単に通過させることができ、カーテンによりワークが停止する虞も排除できる。式(5)ではmb1とmb2とは略同じであることを前提にしている。実際に使用される場合にも両者がそれほど異ならず、略同じ値になるように材料の選択が行われる。
前記Ib1計算値は、図2Aの屈曲点69を中心として回動自在にされた剛体での値であるが、実際には可撓性カーテン61は剛体ではなく可撓性の材質が使用されているため、前記Ib1から予想される衝撃力よりもさらに小さい衝撃力がワーク16に対して作用する。
軸支部40に関して別の実施例を図3Bに示す。前記実施例1の軸支部40は、ベアリング機構により抵抗要素がなくフリーに回動できるような構造となっている。可撓性カーテン61とともに軸支部40がフリーに回動すると可撓性カーテン61が平衡状態に復元するまでに時間を有し、その間のX線の漏洩が問題となる。また、復元時にワーク16への衝撃(反動)が大きくなる虞がある。図3Bでは筒形回転軸42と固定軸44との間に粘性流体48を満たしている。さらに固定軸44には複数の翼部46が備えられている。この構成により筒形回転軸42と固定軸44との間にはダンピング力(減衰力)が働く回動減衰構造を構成する。これにより、軸支部は必要以上に回動せず抑制された回動動作を与える。粘性流体48は水でも良いが一般には粘性オイルが用いられる。この粘性流体による粘性流体減衰機構の利点は電力等を用いず回動軸に減衰力を与えることができることからランニングコストを抑えることができる点にある。また、下に記す磁気減衰機構については磁石の経時劣化の虞があるのに対し、本実施例ではその虞がない。
さらに異なる実施例を図3Cに示す。本実施例では固定軸44に磁石を用いる。図示したように固定軸44は磁性材料により構成され軸の長さ方向に垂直方向にN極、S極に磁化されている。磁化方向は軸方向でもよい。固定軸44の一端がN極で他端がS極でも良い。この極配置の方が反磁界を小さくでき磁力が安定する。この実施例では筒形回転軸42は金属等の導電性材料から構成される。固定軸44を構成する磁石からの磁束が筒形回転軸42に侵入していればよい。侵入した磁束と筒形回転軸42の回動運動により筒形回転軸42内に渦電流が発生し、これが減衰力として作用する。固定軸44の全体を磁石材料で構成することは必ずしも必要ではなく、その一部部分を磁石で構成してもよい。磁石からなる円柱を非磁性の円筒で囲っても良い。また、非磁性材料からなる固定軸44の数か所に磁石を埋め込んでも良い。さらに磁石の代わりに電磁石を用いても良い。また本実施例では固定軸44に磁石を設置したが、固定軸44ではなく筒形回転軸42に磁石あるいは電磁石を設置しても良い。この磁石や電磁石による磁気減衰機構の利点は粘性流体のような液体を用いないため液漏れ等の虞がなく、維持管理が低コストである点にある。
異なる実施例として最後に図3Dの例について説明する。本実施例では減衰を付与するために粘性流体も磁石材料も用いない。筒形回転軸42の外側に摩擦部材50を押圧することにより減衰効果を付与するものである。摩擦部材50は支持部材55により支持された押圧部53によって押圧される。押圧部53には雄ネジ加工が施され支持部材には雌ネジ加工された孔部が設けられている。押圧部53は前記孔部に螺合される。摩擦部材50は図3Dに図示するようにチップ状でなくともよい。押圧部53の筒形回転軸42の対抗面に貼着されていても良いし、あるいは押圧部53にコーティングされていても良い。また押圧部53自身が摩擦部材から構成されていてもよい。摩擦部材はフェルト等の材料を用いる。この摩擦部材を使用する摩擦減衰機構は前記実施例のような複雑な機構を用いないため前記他の実施例に比較して最も安価に製造できる。メンテナンスの観点からしても故障時には摩擦部材50を交換するだけで済ませられるため前記実施例と比較して最も安価である。
本考案の遮蔽カーテン及び異物検査装置は食品中の異物を検査する際に使用される。また、本遮蔽カーテンは空港等での搭乗前の鞄や衣服等の検査装置にも使用される。
1 X線検査装置
3 X線発生器
5 X線検出器
7 スリット
9 X線ビーム
10 搬送機構
12 ローラー
14 ベルト
14a ベルト上部
14b ベルト下部
16 ワーク
18 カーテン
20 架台
22 脚部
30 筐体
30a 搬入口
30b 搬出口
40 軸支部
41 軸係合部材
42 筒形回転軸
44 固定軸
46 翼部
48 粘性流体
50 摩擦部材
53 押圧部
55 支持部材
61 可撓性カーテン
63 カーテン部
65 平衡付与部
67 カーテン支持部
68 重心
69 屈曲点
70 支持具
72 湾曲部
75 折曲げ部
77 短冊
79 ユニット

Claims (10)

  1. 軸支部を中心として回動自在とされワークを通過させる遮蔽カーテンであって、
    前記遮蔽カーテンは、所定の電磁波を遮蔽するものであり、前記軸支部を中心として一方の側のカーテン部と他方の側の平衡付与部とが配置されることによって平衡を保つようにされ、
    前記カーテン部の少なくとも前記軸支部から遠い側の端部を含む部分を可撓性の遮蔽材料とすることを特徴とする遮蔽カーテン。
  2. 前記可撓性の遮蔽材料からなる部分を除く遮蔽カーテンの他の部分が剛性を有する部材からなることを特徴とする請求項1記載の遮蔽カーテン。
  3. 少なくとも前記平衡付与部が剛性を有する部材からなることを特徴とする請求項1または2記載の遮蔽カーテン。
  4. 前記剛性を有する部材が前記軸支部よりも前記カーテン部側に延びていることを特徴とする請求項2または3に記載の遮蔽カーテン。
  5. 前記軸支部には回転を減衰させる回動減衰構造が備えられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の遮蔽カーテン。
  6. 前記回動減衰構造は前記軸支部を構成する固定軸と筒型回転軸の隙間に粘性流体を満たした構造であることを特徴とする請求項5記載の遮蔽カーテン。
  7. 前記回動減衰構造は前記軸支部を構成する固定軸と筒型回転軸のうちで一方の少なくとも一部を磁石で構成し、かつ他方を導電性材料で構成することを特徴とする請求項5記載の遮蔽カーテン。
  8. 前記回動減衰構造は前記軸支部を構成する固定軸と筒型回転軸のうちで前記筒形回転軸の外面に摩擦部材を押圧する構造とすることを特徴とする請求項5記載の遮蔽カーテン。
  9. 前記所定の電磁波は、X線を含む放射線及びテラヘルツ波から選択されることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の遮蔽カーテン。
  10. 搬送されるワークに所定の電磁波を照射することによって異物を検知するための異物検査装置であって、前記異物検査装置は前記ワークを搬送する搬送機構を備え、
    前記搬送機構のワーク搬送方向に関して前記異物検査装置は搬送方向上流側に配置されたワーク搬入口と下流側に配置されたワーク搬出口とを備え、
    前記ワーク搬入口と前記ワーク搬出口のうち少なくとも一つには請求項1から9のいずれか1項に記載の遮蔽カーテンを備えることを特徴とする異物検査装置。

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