JP3204457U - セリシン付着手袋 - Google Patents
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Abstract
【課題】 手袋に対してセリシンの特性を付加したセリシン付着手袋を提供すること。【解決手段】 乾燥状態のセリシン液を手袋表面に付着するという技術的手段を採用した。【効果】 確実な付着力で手袋に対してセリシンの特性を付加することができる。【選択図】 図1
Description
本考案は、乾燥状態のセリシン液が手袋に付着されることで、手袋に対してセリシンの特性を付加したセリシン付着手袋に関するものである。
セリシン等の絹タンパク質には保湿機能や抗酸化作用、紫外線吸収作用があることから、作業用手袋の内側にパウダー状のセリシンを付着して手肌への負担を軽減したものがあるが、パウダーの手袋への付着性には問題があった。
かかる付着性の問題として、従来の絹タンパク質を得るための方法は加熱処理等であったため、絹タンパク質の低分子量化が避けられず、又、手袋への改質剤として用いる場合単独では用いることができず、固着剤や定着のための処理などが別途必要になることが考えられる。
特許文献1では、高分子量のセリシンを抽出して取得する方法として、繭糸などのセリシンを含有する原料を尿素水溶液に100℃を超える温度で浸漬して、セリシンを抽出し、この抽出液からクロマトグラフィー法などにより高分子量のセリシンを選択的に回収する方法が記載されている。特許文献2では、イオン水生成装置で得られたイオン水に繭糸などの原料を約90℃で浸漬して、セリシンを加水分解しセリシンペプチド溶液を得ることが記載されている。
しかしながら、上記特許文献1及び2では、得られた絹タンパク質を手袋の加工に用いる場合、付着力に劣る欠点があることから、固着剤や定着のための処理などが別途必要になる。又、天然物である絹タンパク質は加熱や薬品処理等により変質してしまうことが多く、天然物の特性をそのまま保持して用いるためには、その取り扱いを慎重に行う必要がある。
本考案は、乾燥状態のセリシン液が手袋表面に付着されることで、上記課題を解決したものである。
また、本考案は、必要に応じて、超音波振動を用いて、強アルカリイオン水に繭糸を常温状態で浸漬することで抽出されたセリシン液が採用されることで、上記課題を解決したものである。
本考案は、乾燥状態のセリシン液を手袋表面に付着して構成したことで、確実な付着力で手袋に対してセリシンの特性を付加することができる。
また、請求項2に記載の考案によるセリシン液によれば、常温状態でセリシンをほぼ自然の状態で抽出できるため、天然に存在する高分子量のセリシンの特性をほぼ損なうことなく用いることができ、浸漬、塗布又は噴霧により手袋表面に常温状態で抽出液を付着させた後乾燥することで、固着剤や定着のための処理を行うことなく、強固に固着させることができる。
本考案の手袋を図1に示す。この手袋Gの使用材料は、天然樹脂材又は合成樹脂材からなり、更に、セリシンの付着性の良さから、前記天然樹脂材は天然ゴムであり、又、前記合成樹脂材は合成ゴム及びプラスチックであることが好ましい。
そして、手袋の内側にセリシン液を噴霧した後、自然状態にて乾燥させ、セリシンが付着した手袋を作成する。このように、乾燥状態のセリシンを手袋表面に付着して構成することによって、手袋表面にセリシンの特性を付加することができる。
<セリシン液の製造例>
本考案に用いるセリシン液の製造に使用する強アルカリイオン水は、アルカリイオン水の生成領域と酸性イオン水の生成領域とを隔てるようにセラミック製の隔膜が設けられ、且つ、アルカリイオン水の生成領域で生成されたアルカリイオン水を採取するためのアルカリイオン水採取用配管が、陰極として用いられる装置によって生成されるが、具体的にその製造方法を説明すると、図2に示すように、容器2と隔壁3と原料水供給用配管4と電解液補給管5とアルカリイオン水採取用配管6とアルカリイオン水採取用配管6から分岐した水素排出管7と容器2に設けられた排出管8と陽極9とを有する。
本考案に用いるセリシン液の製造に使用する強アルカリイオン水は、アルカリイオン水の生成領域と酸性イオン水の生成領域とを隔てるようにセラミック製の隔膜が設けられ、且つ、アルカリイオン水の生成領域で生成されたアルカリイオン水を採取するためのアルカリイオン水採取用配管が、陰極として用いられる装置によって生成されるが、具体的にその製造方法を説明すると、図2に示すように、容器2と隔壁3と原料水供給用配管4と電解液補給管5とアルカリイオン水採取用配管6とアルカリイオン水採取用配管6から分岐した水素排出管7と容器2に設けられた排出管8と陽極9とを有する。
容器2は、例えば上方が開口したもので、その容器2の内側には、例えば桶状をした隔壁3が設けられている。この隔壁3は、例えばテラコッタなどのセラミック製であり、多少の水分を内外方向に移動させることができる。この隔壁3の内側には、原料水供給用配管4を介して原料水が供給される。原料水供給用配管4は、その一端側の供給口4aが隔壁3の底部近傍に達するよう配管され、他端側は原料水供給源、例えば水道配管(図示せず)に接続されている。なお、隔壁3の上に設けられた蓋3aの材質は、水面よりも上方に位置するためセラミック製に限らず、任意のものを使用しても構わない。
アルカリイオン水採取用配管6は、一端側である取水口6aを隔壁3の内部で上向きにした状態で配管されていて、取水口6aより少し他端側に寄った位置で上方に折り曲げて隔壁3の上方に導出され、隔壁3よりも上方部分で水素ガス排出管7が上向きに分岐している。
上記アルカリイオン水採取用配管6と前記原料水供給用配管4は導電性金属からなるものが用いられ、これら配管6、4のそれぞれには陰極10が電気的に接続されている。なお、両配管6、4は、導電性金属であることに加えて、耐腐食性に優れたものが好ましい。一方、容器2の内側であって隔壁3の外側は、陽極室11として機能するようになっていて、その陽極室11には前記陽極9が設けられるとともに電解液補給管5を介して電解液が補給されるようになっている。上記陽極9としては、例えば板状のもの又は棒状のものなどが用いられる。
よって、陽極室11には陽極電位が、隔壁3の内側には陽極電位に対して負電位である陰極電位が印加されるため、隔壁3の内側はアルカリイオン水生成領域13となり、陽極室11は酸性イオン水生成領域となる。これにより、隔壁3の内側に供給された原料水が電気分解されて、アルカリイオン水生成領域13にアルカリイオン水が、酸性イオン水生成領域11には酸性イオン水が生成される。酸性イオン水生成領域11の酸性イオン水は、所定水面高さに達すると排出管8を介して外部へ排出される。なお、アルカリイオン水採取用配管6の取水口6a側と原料水供給配管4の供給口4a側とは、アルカリイオン水の中に浸漬されている。
隔壁3の内側のアルカリイオン水は、取水口6aからアルカリイオン水採取用配管6により外部へ導かれ、その途中で水素ガス排出管7により水素ガスが分離される。
こうして製造されたアルカリイオン水は、pHの経時変化がほとんどない点、攪拌、振動等の物理的操作による影響をほとんど受けない点、材料の浸漬による影響をほとんど受けない点及び抽出液の経時変化がほとんどない点、アルカリイオン水中に発生する生成物が非常に少なく、水質が良好であり、且つ、生成速度に優れている点で、従来の強電解水に比べ優れた特性を備えている。
本考案に用いるセリシン液を製造する場合には、上記装置にて製造された強アルカリイオン水を溶媒として、超音波による物理的な振動又は磁場を利用した電気的な浸透促進処理を行うことにより、常温状態を維持しながらセリシンの抽出を行うことができる。
上述装置から生成された強アルカリイオン水によって抽出を行ったセリシン液を用いた手袋への加工処理について説明する。合成樹脂材であるニトリルからなる手袋を用意し、この手袋内側に平均分子量6万以上のセリシン液を均等になるよう噴霧した後、自然状態にて乾燥させ、セリシンが付着した手袋を作成した。
こうして作成した手袋を、ニンヒドリン試薬を用いた試薬試験(JIS K 8001)に基づきタンパク質及びアミノ酸の検出を測定したところ、手袋表面に顕著な青紫色の呈色が確認された。
以上のことから、セリシン液により合成樹脂材からなる手袋を表面加工すると、セリシンが確実に手袋に付着していると考えられる。特筆すべきは、セリシンの濃度が低いにもかかわらず、天然樹脂材及び合成樹脂材の表面に確実に付着していることである。このことは、本考案に使用されるセリシン液には、高分子量のセリシンが含まれているためと考えられ、低濃度のセリシンであっても確実かつ実用に耐えるだけの耐久性を備えた素材表面への加工を施すことができると考えられる。
1 イオン水製造装置
2 容器
3 隔壁
4 原料水供給用配管
6 アルカリイオン水採取用配管
9 陽極
10 陰極
11 酸性イオン水生成領域
13 アルカリイオン水生成領域
G 手袋
2 容器
3 隔壁
4 原料水供給用配管
6 アルカリイオン水採取用配管
9 陽極
10 陰極
11 酸性イオン水生成領域
13 アルカリイオン水生成領域
G 手袋
Claims (5)
- セリシン液が乾燥された状態のセリシンが手袋表面に付着されており、手袋表面にセリシンの特性が付加されたことを特徴とするセリシン付着手袋。
- 手袋表面に付着されたセリシンが、常温状態において強アルカリイオン水を溶媒とする超音波発生装置水槽内に繭玉又は繭糸が浸漬されることで抽出されたセリシン液が乾燥された状態のセリシンであることを特徴とする請求項1に記載のセリシン付着手袋。
- 手袋表面に付着されたセリシンが、高分子量のセリシンを含んでいることを特徴とする請求項1または2に記載のセリシン付着手袋。
- 前記手袋は、天然樹脂材又は合成樹脂材からなることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載のセリシン付着手袋。
- 前記天然樹脂材は天然ゴムであり、又、前記合成樹脂材は合成ゴム及びプラスチックであることを特徴とする請求項4に記載のセリシン付着手袋。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016001185U JP3204457U (ja) | 2016-03-15 | 2016-03-15 | セリシン付着手袋 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016001185U JP3204457U (ja) | 2016-03-15 | 2016-03-15 | セリシン付着手袋 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3204457U true JP3204457U (ja) | 2016-06-02 |
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Family Applications (1)
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JP2016001185U Active JP3204457U (ja) | 2016-03-15 | 2016-03-15 | セリシン付着手袋 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3204457U (ja) |
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2016
- 2016-03-15 JP JP2016001185U patent/JP3204457U/ja active Active
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