JP3204365B2 - マイクロヒータ及びcoセンサ - Google Patents

マイクロヒータ及びcoセンサ

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JP3204365B2
JP3204365B2 JP07719596A JP7719596A JP3204365B2 JP 3204365 B2 JP3204365 B2 JP 3204365B2 JP 07719596 A JP07719596 A JP 07719596A JP 7719596 A JP7719596 A JP 7719596A JP 3204365 B2 JP3204365 B2 JP 3204365B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロヒータ及
びCOセンサに係り、特に都市ガス又はLPガス等の燃
焼時に発生するCO(一酸化炭素)ガスの濃度を検出す
る接触燃焼式COセンサに用いられるマイクロヒータ及
びこのマイクロヒータを用いたCOセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】都市ガス又はLPガス等を燃焼させて使
用する場合に、不完全燃焼を起こしてCOガスが発生す
るとCOガス中毒を起こすおそれがある。このため、小
型湯沸器等には、COセンサが設けられており、発生す
るCOガス濃度を監視している。
【0003】COセンサにはいくつかの種類があり、例
えば矢崎技術リポート、第18号、(1993)93〜
99頁、特公昭63−26335号公報、特公昭64−
10774号公報、特開平1−221649号公報にそ
の内容が開示されている。第1従来例図6に従来のCO
センサの一部切欠き斜視図を示す。
【0004】図6に示すCOセンサは、矢崎技術リポー
ト、第18号、(1993)93〜99貞に開示された
センサである。COセンサのハウジング81は黄銅製の
ステム82とステンレス鋼製のキャップ84とを備えて
構成されており、ステム82には複数のリード端子83
が設けられ、キャップ84にはガス流通のための窓85
a,85bがあけられている。
【0005】COセンサのセンサ部は、,VC検知素子
86と温度補償用比較素子87とを備えて構成されてお
り、検知素子86と温度補償用比較素子87とをアルミ
ナ遮蔽板88を挟んで対称な位置に配置するとともに、
リード端子83に接続される。
【0006】そして、COセンサのセンサ部にはキャッ
プ84が被せられている。図7に図6に示した検知素子
および比較素子の断面図を示す。まず検知素子の製造方
法について説明する。直径約25μmのPtコイル91
と、5%Rh粉末とアルミナ粉末とアルミナ系バインダ
と水とを混合したペーストを用意する。
【0007】そしてこのペーストをPtコイル91上に
塗布し、約700℃で焼成して5%Rh−アルミナ触媒
92を形成する。これにより図7(a)に示すような検
知素子86が製造されることとなる。この場合におい
て、アルミナ粉末はRh触媒を担持する担体として作用
するので、アルミナ担体と呼ばれる。
【0008】次に比較素子の製造方法について説明す
る。直径25μmのPtコイル93と、アルミナ粉末と
アルミナ系バインダと水とを混合したペーストとを用意
する。このペーストをPtコイル93上に塗布し、約7
00℃で焼成してアルミナ担体94を形成する。
【0009】これにより図7(b)に示すような比較素
子87が製造され、アルミナ担体94は検知素子86と
異なり、Rhを含まないこととなる。図8に図6に示し
たCOセンサの検出回路の回路図を示す。検知素子86
及び比較素子87は、固定抵抗R1、固定抵抗R2及び
可変抵抗RVによりブリッジ回路を構成し、このブリッ
ジ回路には、検出回路101及び直流電源Eが接続され
ている。
【0010】このCOセンサを使用するに際しては、ま
ず、都市ガスまたはLPガス等のガスを流さない状態で
は検出回路101に電流が流れないように可変抵抗RV
を調整する。この状態において、COガスが検知素子8
6に触れると、触媒作用により素子表面で酸化され、反
応熱が生じる。
【0011】この反応熱によりPtコイル91の抵抗値
が上昇し、この抵抗値の上昇によりブリッジ回路の平衡
が崩れ、検出回路101に電流が流れることとなる。検
出回路101はこの電流値を測定してCOガスの濃度を
算出するのである。この場合において、比較素子87
は、周囲温度の変動によるPtコイルの抵抗値の変動を
相殺し、反応熱に起因するPtコイルの抵抗値の上昇の
みを純粋に取り出せるように補償している。
【0012】また、アルミナ遮蔽板88は、検知素子8
6と比較素子87との間に熱的な障壁を作り、検知素子
86で発生した反応熱が比較素子87へ移動して比較素
子87の周囲温度を乱すのを防ぎ、比較素子87が周囲
温度を正確に補償するのを助けている。これによりCO
ガスの濃度検出精度が高められている。第2従来例図9
に従来の他のCOセンサの平面図および断面図を示す。
【0013】このCOセンサは特開平1−221649
号公報に開示されている半導体を用いたCOセンサであ
る。検出素子は、シリコン基板111の表面にSiO
の第1層112、Ptの発熱体113、SiOの第2
層114及び酸化錫半導体のガス感応体115が順次形
成されており、ガス感応体115の両端にはPtの電極
116a,116bが取り付けられている。
【0014】また、ガス感応体115の下部には、シリ
コン基板111をエッチング除去することによりガス感
応体115の熱容量を小さくするための切欠き部117
が設けられている。そして、電極116a、116bに
は検出部118が接続されており、検出部118は、ガ
ス感応体115がCOガスと接触したときに電気抵抗が
減少する性質を利用して電気抵抗値の減少からCOガス
濃度を求めている。
【0015】この第2従来例のCOセンサの検出手順
は、次の通りである。 (1) まず、発熱体113に電流を流さない状態に保
持してガス感応体115を100℃以下の低温にする。 (2) 次に検出部118は、ガス感応体115の電気
抵抗値に基づいてCOガス濃度を求め、不完全燃焼が生
じているかどうかを判定する。
【0016】(3) つづいて発熱体113に通電する
ことによりガス感応体115を300℃以上の高温にし
てガス感応体115の表面の汚れを除去する。 (4) 発熱体113への通電を止めて発熱体113の
発熱を止め、ガス感応体115を再び100℃以下の低
温にする。
【0017】(5) 上記(1)〜(4)の手順(ヒー
トサイクル)を繰り返すことにより、COの連続的な計
測が可能である。この場合において、1回のヒートサイ
クルに要する時間は約30秒である。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】第1従来例のCOセン
サでは、検知素子86および比較素子87は、Ptコイ
ルの上に5%Rh−アルミナ触媒あるいはアルミナ単体
をビーズ状に形成しているため、表面積に対して体積が
大きい。
【0019】従って表面積に対する熱容量が大きくな
り、COガス濃度検出速度が遅くなるという問題があ
る。また、熱容量が大きいため、マイクロヒータとして
のPtコイルに流す電流も大きくなり、ひいてはCOセ
ンサの消費電力が大きくなってしまうという問題点があ
った。
【0020】さらに、ビーズ状に形成された検知素子8
6および比較素子87を用いてCOセンサを製造するた
めには多大の工数を要し、量産化が難しくコストが高く
なるという不具合があった。一方、第2従来例のCOセ
ンサでは、SiOの第1層112の下のシリコン基板
111をエッチング除去して切欠き部117を設けて熱
容量を小さくしているのでCOガス濃度検出速度は速く
なる。
【0021】しかしながら、このようなくり抜き形の切
欠き部117を形成するのは、量産化が難しくコストが
高くなるという問題がある。また、SiO単層では感
応体115を支える支持力が弱いので、幅広い短冊状に
作られたPtの発熱体113をSiO層112の上に
設けてSiO層112を補強している。さらに、中央
部から端部への温度勾配が大きく、感応体115の温度
が均一でなく、検出精度が悪くなるという問題がある。
さらにまた、第2従来例のCOセンサでは、第1従来例
と異なり比較素子がないため、周囲温度の変動による抵
抗値の変動を補償する事が出来ず、検出精度が悪くな
る。
【0022】これを解決すべく、外部に温度補償回路を
取付けることが考えられるが、温度補償回路の取付けに
はコストがかかり、外部に温度補償回路を取付けただけ
では十分な温度補償ができないという問題がある。そこ
で、本発明の目的は、熱絶縁性が高く、消費電力が小さ
く、量産化が容易なマイクロヒータ及び検出速度が速
く、検出精度が高く、消費電力が小さく、量産化が容易
で低コストで製造できるCOセンサを提供することにあ
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、支持基板により支持され、
かつ、絶縁体で形成された絶縁体ダイアフラムと、前記
絶縁体ダイアフラム上に形成されたヒータと、前記絶縁
体ダイアフラムの前記ヒータの周囲に配設した貫通孔と
を備え、前記絶縁体ダイアフラムは、前記マイクロヒー
タ側から前記支持基板側に向かってSi 3 4 層、SiO
2 層、Si層が順次積層されているように構成する。
【0024】請求項1記載の発明によれば、ヒータは絶
縁体ダイアフラム上に形成されているので、熱容量が小
さくなる。また、ヒータの周囲には貫通孔が配設されて
いるので、熱絶縁性を向上し、熱容量が小さくなる。し
かも、絶縁体ダイアフラムは、マイクロヒータ側から支
持基板側に向かってSi34層、SiO2層、Si層が
順次積層されているので、この三重膜構造により強度を
保持することができる。
【0025】
【0026】請求項記載の発明は、請求項記載のマ
イクロヒータを有するCOセンサであって、同一センサ
内に1組の前記マイクロヒータを配置し、一方のマイク
ロヒータ上には、COガスを検出して反応熱を生じる触
媒を含む感応部を設け、他方のマイクロヒータ上には、
周囲温度変化を補償するための温度補償部を設けて構成
する。
【0027】請求項記載の発明によれば、一方のマイ
クロヒータ上の感応部は、COガスを検出して反応熱を
生じる触媒を含んでいるので、当該マイクロヒータの抵
抗値を変化させる。また、他方のマイクロヒータ上の温
度補償部は、周囲温度変化に伴って、当該マイクロヒー
タの抵抗値を変化させる。
【0028】さらに両マイクロヒータは、同一センサ内
に配置されているので、両マイクロヒータの抵抗値の変
化をブリッジ回路で検出すれば、温度補償がされた状態
でCOガスの濃度を検出できる。請求項記載の発明
は、請求項記載の発明において、前記1組のマイクロ
ヒータを抵抗とみなしてブリッジ回路を構成し、前記ブ
リッジ回路の出力信号に基づいて前記COガスの有無を
検出する検出回路を備えて構成する。
【0029】請求項記載の発明は、請求項記載の発
明の作用に加えて、検出回路は、1組のマイクロヒータ
を抵抗とみなしてブリッジ回路を構成し、ブリッジ回路
の出力信号に基づいてCOガスの有無を検出する。
【0030】
【発明の実施の形態】次に図面を参照して本発明の好適
な実施形態を説明する。図1(a)に実施形態のCOセ
ンサのセンサ素子の平面図、図1(b)にCOセンサの
センサ素子のA−A′断面図、図1(c)にCOセンサ
のセンサ素子のB−B′断面図を示す。
【0031】COセンサ1は、結晶方位〔100〕のシ
リコン基板2を備えて構成されており、このシリコン基
板2の一方の面(図1中、上面)には、p−Si層
3、SiO層4a及びSi層5aからなる熱絶
縁層が設けられており、シリコン基板1の他方の面(図
1中、下面)には、SiO層4b及びSi層5
bからなる熱絶縁層が設けられている。
【0032】さらにSi層5aの上面には、Ti
層とPt層の二重層(またはPt層の単層)から成る薄
膜抵抗をパターニングすることにより形成した二つのヒ
ータ6、7が所定の間隔をおいて配置されている。この
ヒータ6、7は、中央部に細い薄膜抵抗を多数回折り曲
げることにより形成したヒータ本体部6a、7aと、こ
のヒータ本体部6a、7aから引き出される薄膜抵抗の
接続部6b、7bと、この接続部6b、7bに接続して
金属線ボンディング接続可能な面積を有する電極引出部
6c、7cとを備えて構成されている。
【0033】COセンサ1の表面には、SiO、Si
またはPSG(りん珪酸ガラス)の単層構造また
は多層構造を有し、CVD法,スパッタ法などにより形
成された保護層8が設けられている。この保護層8は、
ヒータ6、7の短絡を防ぐと同時に、ヒータ6、7と後
述の感応部10、温度補償部11とが接触して反応する
のを防ぐ絶縁層の働きをする。保護層8は、絶縁層であ
ること、感応部10、温度補償部11を構成しているア
ルミナとなじみがよいこと、熱伝導率が高く、反応熱や
周囲温度を素早くヒータに伝えること、ガスに対する耐
蝕性が良好であること等が要求される。このため、上述
したように、保護層8は、SiO、Siまたは
PSG(りん珪酸ガラス)の単層構造または多層構造を
有するのである。
【0034】ヒータ6のヒータ本体6aの上部(図1
(a)中、手前側)には、保護層8上にRh粉末5%と
アルミナ粉末95%との混合物により感応部10が形成
され、ヒータ7のヒータ本体7aの上部には、保護層8
の上にアルミナ単体で温度補償部11が形成されてい
る。この温度補償部11は、周囲温度の変動によるヒー
タ6の抵抗値の変動を補償するためのものであり、感応
部10と同じ熱容量になるように形成されている。
【0035】感応部10及び温度補償部11が設けられ
ている位置のシリコン基板1の裏面側に凹部12a、1
2bを形成することにより、感応部10及び温度補償部
11が設けられている位置にダイアフラム13a、13
bを形成している。さらにダイアフラム13a、13b
のヒータ本体6a、7aの周囲には、図1、図2(a)
のヒータ6の平面拡大図及び図2(b)のヒータ6のC
−C’拡大断面図に示すように、熱絶縁性を向上させ、
検出精度を向上するための複数の貫通孔14a、14b
が設けられている。
【0036】この場合において、貫通孔14a又は貫通
孔14bで囲まれ、かつ、ヒータ本体6a、7aの裏面
に設けられたp−Si層は、ヒータ本体6a、7aの
温度を均一にして電流集中による局部発熱を防止して、
断線を防止する均熱板として機能する。
【0037】感応部10に対応するヒータ6及び温度補
償部11に対応するヒータ7は、図3に示すように、固
定抵抗R1、固定抵抗R2及び可変抵抗RVによりブリ
ッジ回路を構成し、このブリッジ回路には、検出回路1
5及び直流電源Eが接続されている。
【0038】このCOセンサ1を使用するに際しては、
まず、都市ガスまたはLPガス等のガスを流さない状態
では検出回路15に電流が流れないように可変抵抗RV
を調整する。この状態において、COガスが検知素子8
6に触れると、触媒作用により素子表面で酸化され、反
応熱が生じる。
【0039】この反応熱によりヒータ6の抵抗値が上昇
し、この抵抗値の上昇によりブリッジ回路の平衡が崩
れ、検出回路15に電流が流れることとなる。検出回路
15はこの電流値を測定してCOガスの濃度を算出する
のである。この場合において、ヒータ7は、周囲温度の
変動によるヒータ6の抵抗値の変動を相殺し、反応熱に
起因するヒータ6の抵抗値の上昇のみを純粋に取り出せ
るように補償している。
【0040】この場合において、ヒータ6及びヒータ7
は、p−Si層3、SiO層4a及びSi
5aにより形成されるダイアフラム13a、13bに形
成され、かつ、ヒータ6及びヒータ7の周囲には、貫通
孔14a、14bが形成されているので、ヒータ6とヒ
ータ7とは十分に熱絶縁されると同時に熱容量が小さく
なっており、感度が向上し、検出速度も速くなってい
る。
【0041】また、熱膨張率の差のため、Siに対して
SiO層は圧縮応力を持ち、Si層は引張応力
を持っており、SiO層単独であると、ダイアフラム
のコーナー部に亀裂が発生し易い傾向があり、Si
層をシリコン基板に直接形成するとSi層に亀
裂を生じ易い傾向がある。
【0042】この亀裂発生を抑えるためにSiとSi
層との間にSiO層を挟み、ダイアフラムをSi
/Si二層構造とし、層の厚さ制御を行うこ
とにより亀裂発生を抑えることができるが、ダイアフラ
ムをSiO/Si二層構造とした場合には、層
の厚さ制御を正確に行なう必要があり、歩留りが低くな
るという不具合がある。
【0043】そこで、層の厚さ制御を容易とすべく、ダ
イアフラム13a、13bをp−Si/SiO/S
三層構造とし、この結果、ダイアフラム13
a、13bの支持力を強化するとともに、歩留りを向上
している。このダイアフラムを三層構造にして支持力を
強くしたので、図9に示した第2従来例のように絶縁層
を抵抗体で補強してやる必要がなくなる。
【0044】この結果、ヒータ6、7は、図1に示した
形状とすることができ、少ない電流で中央部の必要な部
分のみ集中的に加熱できる。また、細い薄膜抵抗の接続
部6b、7bを設けたので熱伝導が小さくなって温度勾
配が小さくなり、中央部のヒータ本体部6a、7aの温
度分布が均一になり、検出精度を向上させると共に消費
電力を低減することができる。
【0045】例えば、図6、図7に示したコイルを使用
する従来のCOセンサでは消費電力が600mWであっ
たのに対して、本発明品では消費電力を120mW以下
に下げることができ、消費電力を従来の1/5以下に低
減することができる。次に、第1の実施例のセンサ素子
の製造方法について説明する。
【0046】図4は第1の実施例のセンサ素子の製造方
法を説明するための工程順に示した断面図である。ま
ず、図4(a)に示すように、結晶方位〔100〕のN
型シリコン基板1の利用面にSiO層42a,42b
を設け、ホトリソグラフィ技術によって上面のSiO
層42aに窓をあけ、P型不純物を高濃度に導入してp
−Si層3を形成する。
【0047】次に、図4(b)に示すように、SiO
層42a,42bを除去し、新しくSiO層4a,4
bを設け、その上にSi層5a、5bを設ける。
さらに表面にホトレジストを塗布し、貫通孔を除くパタ
ーンを有するマスクで露光し、現像してホトレジストの
パターンを形成し、貫通孔部分のSiO層4a及びS
層5aを異方性エッチングにより除去する。
【0048】次に、図4(c)に示すように、リフトオ
フ法を用いてヒータ6、7を形成する。より詳細には、
リフトオフ法を用いるヒータ6、7の形成は次のように
行う。まず、表面にホトレジストを塗布し、ヒータ6、
7のパターンを有するマスクで露光し、現像してホトレ
ジストのパターンを形成する。
【0049】図中、上方からTiとPtを順次被着して
Ti−Pt二層構造(またはPt単層構造)の薄膜抵抗
を形成し、ホトレジストを溶解してホトレジストの上の
Ti−Pt層(またはPt層)をホトレジストと共に除
去し、ホトレジストのなかった部分のみにヒータ6,7
を残す。
【0050】これにより中央部に薄膜抵抗を多数回折り
曲げて形成したヒータ本体部6a、7aと、このヒータ
本体部6a、7aの両側から引き出される薄膜抵抗の接
続部6b、7bと、この接続部6b、7bに接続して金
属線ボンディング接続可能な面積を有する電極引出部6
c、7cとを備えたヒータ6、7が形成されることとな
る。
【0051】次に、図4(d)に示すように、表面にC
VD法またはスパッタ法でSiO、Si、また
はPSG(りん珪酸ガラス)等を単層または多層に堆積
して保護層8を形成する。さらにホトリソグラフィ技術
とドライエッチング法によって保護層8をパターニング
してヒータ6、7の両端に電極引出し用のコンタクト窓
をあける。
【0052】次に、図4(e)に示すように、シリコン
基板1の下面のSi層5bにマスクを設け、p
−Si層3の下方と貫通孔14a、14bを形成すべき
領域の下方のSi層5b及びSiO層4bをエ
ッチング除去する。
【0053】Si層5a、5b、SiO層4
a、4bをマスクにしてシリコン基板1を異方性エッチ
ングして凹部12a、12bを形成することによりダイ
アフラム13a、13bを形成すると同時に貫通孔14
a、14b(図1参照)を貫通させる。エッチング液に
はTMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサ
イド)、EPW(エチレンジアミンピテカテコール)、
ヒドラジン等が適する。これらのエッチング液は、Si
層を余りエッチングせずにSi(シリコン)をエッ
チングするからである。
【0054】ダイアフラム13a、13bの最下層をp
−Si層3とするのは、高濃度不純物領域が低濃度不
純物領域よりもエッチング速度が遅いことを利用するた
めである。これを利用することにより、p−Si層3
部分でエッチングが自然に止まり、エッチングの過不足
が起こらず、ダイアフラム13a、13bを確実、か
つ、容易に形成することができる。
【0055】次に、図4(f)に示すように、保護層8
上に感応部10と温度補償部11(図1参照)を形成す
る。感応部10は、Rh粉末5%とアルミナ粉末95%
とアルミナ系バインダと水とを混合してペーストを作
り、このペーストをヒータ6の上の保護層8上に塗布
し、約700℃で焼成して作る。温度補償部11は、ア
ルミナ粉末とアルミナ系バインダと水とを混合してペー
ストを作り、このペーストをヒータ7の上の保護層8上
に塗布し、約700℃で焼成して作る。
【0056】焼成は感応部10と温度補償部11と同時
に行う。温度補償部11は、周囲温度の変動によるヒー
タ6の抵抗値の変動を補償するためのものであるから、
感応部10と同じ熱容量になるように形成する。これに
よりCOセンサ1のセンサ素子が形成される。
【0057】図5に本発明のCOセンサを用いてCOセ
ンサモジュールを構成した場合の一部切欠き斜視図であ
る。COセンサ1を収容するハウジングは、ステム21
とキャップ23とを備えて構成されている。
【0058】ステム21にはリード線22が4本引き出
されている。キャップ23は、円筒形で上面が閉ざされ
たコップ状に作られ、側面にガス流通のため二つの貫通
孔24a、24bが設けられている。なお、図5におい
ては、理解を容易にするため、図3ではキャップ23の
半分を切欠いて示してある。
【0059】ステム21に図1に示したCOセンサ1を
固着し、金属細線25でセンサ素子のヒータのコンタク
ト窓6a、6b、7a、7bとリード線22とをボンデ
ィング法で接続する。その後、キャップ23をステム2
1に溶接することにより、COセンサモジュールが完成
することとなる。
【0060】このCOセンサモジュールを実際に用いる
場合には、二つの貫通孔24a、24bからガスを導入
する。そして導入されたガス中のCOガスが感応部10
に触れると、触媒作用により素子表面が酸化され、反応
熱が生じる。
【0061】この反応熱によりヒータ6の抵抗値が上昇
し、この抵抗値の変化をブリッジ回路で測定してCOガ
スの濃度を検出することとなる。温度補償部11は、周
囲温度の変動によるヒータ6の抵抗値の変動を打ち消
し、反応熱によるヒータ6の抵抗値の上昇のみを純粋に
取り出せるように補償する作用をするので、正確なCO
ガス濃度を検出することが可能となる。
【0062】以上の実施形態においては、COセンサモ
ジュールと検出回路と別個に構成していたが、一体に構
成することも可能である。これにより、より取扱いを容
易とすることができる。
【0063】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、ヒータは
絶縁体ダイアフラム上に形成されているので、熱容量が
小さくできる。また、ヒータの周囲には貫通孔が配設さ
れているので、熱絶縁性を向上し、熱容量が小さくな
り、消費電力を低減することができるとともに、検出速
度を向上し、かつ、測定精度を向上させることができ
る。
【0064】しかも、上記発明の効果に加えて、絶縁体
ダイアフラムは、マイクロヒータ側から支持基板側に向
かってSi34層、SiO2層、Si層が順次積層され
ているので、この三重膜構造により強度を保持すること
ができるとともに、膜厚制御の許容範囲が広がり、歩留
りを向上させることができる。
【0065】請求項記載の発明によれば、一方のマイ
クロヒータ上の感応部が触媒によりCOガスを検出して
反応熱を生じて当該マイクロヒータの抵抗値を変化さ
せ、他方のマイクロヒータ上の温度補償部が、周囲温度
変化に伴って、当該マイクロヒータの抵抗値を変化させ
るに際し、両マイクロヒータは、同一基板上の物理的に
対称な位置に配置されているので、両マイクロヒータの
抵抗値の変化をブリッジ回路で検出すれば、温度補償が
された状態でCOガスの濃度を検出でき、COガス濃度
を迅速、かつ、正確に検出することができる。
【0066】請求項記載の発明は、請求項記載の発
明の効果に加えて、検出回路は、1組のマイクロヒータ
を抵抗とみなしてブリッジ回路を構成し、ブリッジ回路
の出力信号に基づいてCOガスの有無を検出するので、
より取扱いが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】COセンサの構成説明図である。
【図2】マイクロヒータ部分の拡大説明図である。
【図3】検出回路の構成を説明する図である。
【図4】COセンサの製造方法説明図である。
【図5】COセンサモジュールの一部切欠き斜視図であ
る。
【図6】第1従来例の一部切欠き斜視図である。
【図7】第1従来例の検知素子および比較素子の断面図
である。
【図8】従来の検出回路の構成を説明する図である。
【図9】第2従来例の構成を説明する図である。
【符号の説明】
1 COセンサ 2 シリコン基板 3 p−Si層 4a、4b SiO層 5a、5b Si層 6、7 ヒータ 6a、7a ヒータ本体部 6b、7b 接続部 6c、7c 電極引出部 8 保護層 10 感応部 11 温度補償部 12a、12b 凹部 13a、13b ダイアフラム 14a、14b 貫通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持基板により支持され、かつ、絶縁体
    で形成された絶縁体ダイアフラムと、 前記絶縁体ダイアフラム上に形成されたヒータと、 前記絶縁体ダイアフラムの前記ヒータの周囲に配設した
    貫通孔とを備え 前記絶縁体ダイアフラムは、前記ヒータ側から前記支持
    基板側に向かってSi 3 4 層、SiO 2 層、Si層が順
    次積層されている ことを特徴とするマイクロヒータ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のマイクロヒータを有する
    COセンサであって、 同一センサ内に1組の前記マイクロヒータを配置し、 一方のマイクロヒータ上には、COガスを検出して反応
    熱を生じる触媒を含む感応部を設け、 他方のマイクロヒータ上には、周囲温度変化を補償する
    ための温度補償部を設けたことを特徴とするCOセン
    サ。
  3. 【請求項3】 請求項記載のCOセンサにおいて、 前記1組のマイクロヒータを抵抗とみなしてブリッジ回
    路を構成し、前記ブリッジ回路の出力信号に基づいて前
    記COガスの有無を検出する検出回路を備えた ことを特
    徴とするCOセンサ。
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