JP3202766U - 密封装置 - Google Patents

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勢野 洋嗣
洋嗣 勢野
史隆 大森
史隆 大森
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Abstract

【課題】相対的に同軸回転する外側部材及びフランジ部を有する内側部材の2部材により形成される環状の被密封空間を高精度に密封することができる密封装置を提供する。【解決手段】外側部材2と、内側部材6に外側部材2の外周面20cより外径側に延びるよう形成されたフランジ部41との間に装着される第1シール9及び第2シール12を備え、第1シール9は、外側部材の内周面20aに嵌合される第1円筒部100及び第1円筒部の一端部100aから内径側に延びる第1鍔状部101を有する第1芯金10と、内側部材に弾接する第1シールリップ111,112を有して第1芯金に固着された弾性材製の第1シール部材11とを備え、第2シール12は、第1円筒部よりフランジ部側の外側部材の内周面に嵌合される第2円筒部130及び第2円筒部130の一端部130aから外径側に延びて外側部材のフランジ部側端面20bを覆う第2鍔状部131を有する第2芯金13と、第2芯金に固着された弾性材製の第2シール部材14とを備える。【選択図】図2

Description

本考案は、例えば、自動車の車輪を支持する軸受装置に適用される密封装置に関し、さらに詳しくは、相対的に同軸回転する外輪(外側部材)及びフランジ部を有する内輪(内側部材)の2部材からなる環状の被密封空間のフランジ部側を密封する密封装置に関する。
前記のようなフランジ部を有する自動車用の軸受装置(ハブベアリング装置)における環状の被密封空間のフランジ部側(アウトボード側)は、特に泥水等のアタックを受け易いので、充分なシール機能を有した密封装置が装着されることが望まれる。このような観点から特許文献1及び2では、前記被密封空間のフランジ部側には、2種のシール部材が装着されて、被密封空間への泥水等の浸入をより確実に防止するようにした例が記載されている。
特開2006−38120号公報 特開2011−7272号公報
特許文献1に開示された密封装置は、フランジ部側の外輪(固定側部材)と、内輪(回転側部材)との間にパックシールタイプの環状シール部材が装着され、さらに、同フランジ部側の外輪には、カバーシールが取付けられて構成されている。カバーシールは、補強環とこれに固着一体とされた弾性材製シール部材とよりなり、この弾性材製シール部材の先端部がハブ輪のフランジ部に弾接若しくは近接するように構成されている。
ところで、特許文献1に示される例では、補強環は線材からなり、外輪の外周面又は内周面に嵌合されているが、外輪のフランジ部側端面を覆う部分を有していない。そのため、前記シール部材の先端部とフランジ部との弾接若しくは近接部を泥水等が通過することがあると、外輪の前記端面に泥水等が付着し、これによって外輪端面が発錆し、さらにはこの錆が軸受内部へ進行することにもなる。また、前記弾接若しくは近接部を通過した泥水等は、環状シール部材に至り、環状シール部材のシールリップとスリンガとの弾接部に泥水等に含まれる異物が噛み込み、内輪の回転に伴うシールリップのスリンガに対する弾性摺接によって、シールリップの先端部が経時的に摩耗することも生じる。これらによって密封装置本来のシール機能が低下する事態が生じることが懸念される。
また、特許文献2の図6には、外方部材(外輪)と内方部材(内輪)との間の環状空間のフランジ部側開口部に装着される軸受シールと、外輪の内周面に嵌合され外輪のフランジ部側端面を覆う折曲部及び外輪の外周面より外径側に突出する立板部を有する堰部材とを備えた密封装置が記載されている。この例では、堰部材の折曲部と、フランジ部の側面(フランジ面)との間にラビリンスが形成されるが、堰部材はフランジ部に弾接又は近接するようなシールリップを有していない。そのため、ラビリンスを泥水等が通過して軸受シールに至ると、軸受シールのシールリップとフランジ部との弾性摺接部に前記と同様に泥水等に含まれる異物が噛み込んでシールリップの先端部が経時的に摩耗し、これによって、密封装置本来のシール機能が低下する事態が生じることが懸念される。
本考案は、上記実情に鑑みなされたもので、相対的に同軸回転する外側部材及びフランジ部を有する内側部材の2部材により形成される環状の被密封空間を高精度に密封することができる密封装置を提供することを目的としている。
本考案に係る密封装置は、相対的に同軸回転する外側部材及び内側部材からなる2部材間に形成される環状の被密封空間を密封する密封装置であって、前記外側部材と、前記内側部材に前記外側部材の外周面より外径側に延びるよう形成されたフランジ部との間に装着される第1シール及び第2シールを備え、前記第1シールは、前記外側部材の内周面に嵌合される第1円筒部及び該第1円筒部の一端部から内径側に延びる第1鍔状部を有する第1芯金と、前記内側部材に弾接する第1シールリップを有して前記第1芯金に固着された弾性材製の第1シール部材とを備え、前記第2シールは、前記第1円筒部より前記フランジ部側の前記外側部材の内周面に嵌合される第2円筒部及び該第2円筒部の一端部から外径側に延びて前記外側部材のフランジ部側端面を覆う第2鍔状部を有する第2芯金と、該第2芯金に固着された弾性材製の第2シール部材とを備え、前記第2シール部材は、前記フランジ部に沿ってラビリンスを形成するラビリンス形成部と、当該ラビリンス形成部から延びて前記フランジ部に近接又は弾接する第2シールリップとを備えたことを特徴とする。
本考案によれば、第1シールが、外側部材の内周面に嵌合される第1芯金及び第1芯金に固着され内側部材に弾接する第1シールリップを有する第1シール部材により構成されるから、これによって被密封空間のフランジ部側が密封される。また、第2シールは、第1シールの第1円筒部よりフランジ部側の外側部材の内周面に嵌合される第2芯金及び第2芯金に固着された第2シール部材により構成される。そのため、第1及び第2芯金の第1円筒部及び第2円筒部が外側部材の内周面に軸方向に並ぶように嵌合され、これらの嵌合部を経て被密封空間へ浸入しようとする泥水等の浸入経路が実質的に長くなる。これにより、嵌合部における錆の進行が抑えられ、嵌合部によるシール機能の低下が生じ難くなる。さらに、第2シールは、フランジ部に沿ったラビリンス形成部と、ラビリンス形成部から延びて前記フランジ部に近接又は弾接する第2シールリップとを備えているから、第2シールリップとラビリンス形成部により形成されるラビリンスとによるシール機能により、泥水等の被密封空間への浸入が抑制される。したがって、第2シールを通過して第1シールに至る泥水等が少なく、第1シールリップと内側部材との弾性摺接部に異物等が噛み込むことによる第1シールのシール機能の低下が生じ難くなる。このように、第1シール及び第2シールの相乗効果により、被密封空間を高精度に密封することができる。
本考案の密封装置において、前記第2シールは、前記外側部材の内周面部において前記第1シール部材に当接する当接部を有しているものとしても良い。
これによれば、外側部材の内周面が第2円筒部から第1円筒部にかけて当接部を介して連続的に覆われることになるから、第1シールと第2シールとの間の外側部材の内周面が泥水等に触れることがなく、外側部材の内周面の発錆がより抑制される。しかも、当接部の当接対象が弾性材からなるから、当接が弾性的になされ、泥水等の嵌合部への浸入がより確実に抑えられる。
この場合、前記当接部は、前記第2シール部材の一部によって構成されているか、或いは、前記第2円筒部の他端部によって構成されているものとしても良い。
これらは、設計的事項として適宜選択されるが、前者の場合、弾性材同士の当接となるから、前記泥水等の浸入防止機能がより確実に発揮される。後者の場合、弾性材に対して金属が当接するから、当接が強固になされる。
本考案の密封装置において、前記内側部材は、当該内側部材に嵌合される嵌合部及び該嵌合部から前記フランジ部に沿って前記第2シールの外径位置まで延びる鍔状部を有するスリンガ部材を一構成部として含み、前記第1シールリップは当該スリンガ部材の鍔状部に弾接し、前記第2シールリップは当該スリンガ部材の鍔状部に近接又は弾接するように構成されているものとしても良い。
これによれば、スリンガ部材を表面滑性の優れた材料から構成することにより、これに弾接する第1シールリップ及び第2シールリップの弾性摺接による摩耗を少なくすることができる。これにより、第1シールリップ及び第2シールリップを構成する弾性材として、耐摩耗性の低い低質のものも使用することができ、低コスト化を図ることができる。
また、本考案の密封装置において、前記内側部材は、当該内側部材に嵌合される嵌合部及び該嵌合部から前記フランジ部に沿って前記第2シールの内径位置まで延びる鍔状部を有するスリンガ部材を一構成部として含み、前記第1シールリップは当該スリンガ部材の鍔状部に弾接し、前記第2シールリップは前記フランジ部のフランジ面に近接又は弾接するように構成されているものとしても良い。
これによれば、スリンガ部材を表面滑性の優れた材料から構成することにより、これに弾接する第1シールリップの弾性摺接による摩耗を少なくすることができる。これにより、第1シールリップを構成する弾性材として、耐摩耗性の低い低質のものも使用することができ、低コスト化を図ることができる。
本考案の密封装置において、前記第1シールリップは前記フランジ部のフランジ面に弾接し、前記第2シールリップは前記フランジ部のフランジ面に近接又は弾接するように構成されているものとしても良い。
これによれば、前記のようなスリンガ部材を内側部材の一構成部としていないから、内側部材の低コスト化が図られる。一方、フランジ部のフランジ面に滑性化処理を施すようにすれば、第1シールリップ及び第2シールリップの弾性摺接による摩耗を少なくすることができる。
本考案の密封装置において、前記ラビリンス形成部は、前記第2鍔状部の前記フランジ部側の面の全面を覆うように形成され、且つ、前記第2シールリップは当該ラビリンス形成部の外径側端部に形成されているものとしても良い。
これによれば、ラビリンス形成部により、フランジ部との間に長いラビリンスが形成されるから、シール性がより向上する。また、この長いラビリンスの外径側端部にフランジ部に近接また弾接する第2シールリップが存在するから、この第2シールリップのシール機能が相乗してさらにシール性が向上する。
この場合、前記ラビリンス形成部の外径側端面は、前記外側部材の外周面より外径側に位置し、且つ、前記第2シールリップの外径側面と共に前記フランジ部に向け漸次拡径するように形成されているものとしても良い。
これによれば、第2シールリップに至る泥水等は、外側部材の外周面に誘導され、そのまま装置外に排出される。
本考案の密封装置において、前記内側部材に弾接する第1シールリップを、複数有しているものとしても良い。
これによれば、複数の第1シールリップの内側部材に対する弾接により、よりシール性が向上する。
本考案の密封装置によれば、相対的に同軸回転する外側部材及びフランジ部を有する内側部材の2部材により形成される環状の被密封空間を高精度に密封することができる。
本考案に係る密封装置が装着された軸受装置の一例を示す概略的断面図である。 本考案に係る密封装置の第一の実施形態であって、図1のX部の拡大図である。 同第二の実施形態の図2と同様図である。 同第三の実施形態の図2と同様図である。 同第四の実施形態の図2と同様図である。
以下に本考案の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本考案に係る密封装置が装着された軸受装置の一例を示している。図1に示す軸受装置1は、自動車の駆動輪を回転自在に支持するハブベアリングである。図例のハブベアリング(軸受装置)1は、車体(不図示)に固定される外側部材としての外輪2の内径部に2列の転動体(玉)3…を介して、ハブ輪4及び内輪部材(単に環状部材ということもある)5が一体に軸Lの回りに回転自在に支持されている。ハブ輪4は、不図示のドライブシャフトにスプライン嵌合される円筒状のハブ輪本体40と、このハブ輪本体40の車輪側端部40aに外輪2における車輪側端部20の外周面20cより外径側に延びるよう形成されたハブフランジ(フランジ部)41とを有し、フランジ部41に、不図示の駆動輪(タイヤホイール)がボルト42によって取付けられる。ハブ輪4と内輪部材5とにより内側部材としての内輪6が構成され、外輪2と内輪6との間に、転動体3…がリテーナ3aに保持された状態で、外輪2の外輪側軌道輪2aとハブ輪4及び内輪部材5の内輪側軌道輪4a,5aとを転動し得るように介装されている。転動体3…の介装部分を含む外輪2と内輪6との間が環状の被密封空間としての軸受空間Sとされ、この軸受空間Sには、転動体3…の転動を円滑にするための潤滑剤(例えば、グリース)が充填される。
本明細書において、図1の紙面右側を車輪側、左側を車体側と言う。
軸受空間Sの車体側端部と車輪側端部における外輪2と内輪6との間にはベアリングシール7,8が装着されている。このベアリングシール7,8が、軸受空間Sを密封する密封装置を構成する。両密封装置(ベアリングシール7,8)によって、軸受空間S内への泥水等の浸入が防止され、また、軸受空間S内に充填される潤滑剤(グリース等)の外部漏出が防止される。両密封装置7,8のうち、車輪側のベアリングシール8に本考案に係る密封装置が適用される。
図2をも参照して、本考案に係る密封装置の第一の実施形態について詳細に説明する。本実施形態のベアリングシール(密封装置)8は、外輪2の車輪側端部20と、フランジ部41との間に装着される第1シール9及び第2シール12を備える。第1シール9は、外輪2における車輪側端部20の内周面20aに嵌合される第1円筒部100及び第1円筒部100の車輪側端部(一端部)100aから内径側に延びる第1鍔状部101を有する第1芯金10と、内輪6に弾接する第1シールリップ111,112を有して第1芯金10に固着された弾性材製の第1シール部材11とを備える。また、第2シール12は、第1円筒部100よりフランジ部41側(車輪側)の外輪2における車輪側端部20の内周面20aに嵌合される第2円筒部130及び第2円筒部130の車輪側端部(一端部)130aから外径側に延びて外輪2における車輪側端部20の車輪側端面(フランジ部41側端面)20bを覆う第2鍔状部131を有する第2芯金13と、第2芯金13に固着された弾性材製の第2シール部材14とを備える。図例では、第1円筒部100が嵌合される部分の外輪2の車輪側内周面20aと第2円筒部130が嵌合される部分の外輪2の車輪側内周面20aとは、後者が径大の段差状に形成されている。そして、第2シール部材14は、フランジ部41に沿ってラビリンスrを形成するラビリンス形成部140と、ラビリンス形成部140から延びてフランジ部41に近接又は弾接する第2シールリップ141とを備えている。本実施形態では、第1シール部材11は、スリンガ部材15の鍔状部152に弾接するアキシャルリップとしての第1シールリップ111,112に加えて、スリンガ部材15の嵌合部151に弾接するラジアルリップ113を有している。
本実施形態では、内側部材としての内輪6は、ハブ輪4(内側部材)におけるハブ輪本体40の車輪側外周面40bに嵌合される嵌合部151及び嵌合部151からフランジ部41のフランジ面41aに密着的に沿って第2シール12の外径位置まで延びる鍔状部152を有するスリンガ部材15を一構成部として含んでいる。また、第1シール部材11を構成する第1シールリップ111,112はアキシャルリップとしてスリンガ部材15の鍔状部152に弾接し、ラジアルリップ113はスリンガ部材15の嵌合部151に弾接している。図2におけるアキシャルリップ(第1シールリップ)111,112及びラジアルリップ113の2点鎖線部は、それぞれの弾性変形前の原形を示す。第1シール部材11は、第1芯金10における第1鍔状部101の内径側端部101a及び第1鍔状部101の車輪側面101bの全面を覆い、第1円筒部100の車輪側端部100aに及ぶように第1芯金10に固着一体とされたリップ基部110を有している。アキシャルリップ111,112は、このリップ基部110よりその先端部側がフランジ部41に向け漸次拡径するように延出され、ラジアルリップ113は、このリップ基部110より軸受空間S側に向け漸次縮径するように延出されている。リップ基部110における第1円筒部100の車輪側端部100aに及ぶ部分には、外輪2における車輪側端部20の内周面20aとの間に圧縮状態で介在する外向の環状突部114が形成され、この環状突部114の2点鎖線で示す部分は、圧縮前の原形状を示している。
本実施形態においては、第2シール部材14を構成する第2シールリップ141は、ラビリンス形成部140の外径側端部140aからスリンガ部材15の鍔状部152に向け漸次拡径するように延び、その先端部がスリンガ部材15の鍔状部152に弾接している。図2における第2シールリップ141の2点鎖線部は、弾性変形前の原形を示す。ラビリンス形成部140の外径側端面140bは、外輪2の車輪側外周面20cより外径側に位置し(ラビリンス形成部140の外径側端面140bと外輪2の車輪側外周面20cとが同径の場合も含む)、第2シールリップ141の外径側面141aと共にフランジ部41に向け漸次拡径するように形成されている。ラビリンス形成部140は、スリンガ部材15の鍔状部152に沿って形成され、そのフランジ部41側の面140cと鍔状部152とは略平行に形成され、両者の間隙がラビリンスrとされている。
また、第2シール部材14は、第2芯金13における第2円筒部130の内周面130bの略全面を覆う円筒状被覆部142を有している。この円筒状被覆部142に連続するラビリンス形成部140が、第2芯金13における第2円筒部130の内周面130bの略全面及び第2鍔状部131の車輪側面(フランジ部側の面)131aの全面を覆い、第2鍔状部131の外径側端部131bを回り込むように第2芯金13に固着一体とされている。第2シール部材14の一部としての円筒状被覆部142の車体側端部は、第1シール部材11のリップ基部110に当接する当接部142aとされている。ラビリンス形成部140における第2鍔状部131の外径側端部131bを回り込む部分には、第2鍔状部131と外輪2の車輪側端面20bとの間に圧縮状態で介在する横向きの環状突部143が形成され、この環状突部143の2点鎖線で示す部分は、圧縮前の原形状を示している。第1シール部材11及び第2シール部材14は、いずれもゴム等のエラストマーからなり、第1芯金10及び第2芯金13の所定部位にインサート成型により固着一体とされている。
以上のように構成されるベアリングシール8を備えたハブベアリング1において、軸受空間Sの車輪側開口部がベアリングシール8によって密封される。そして、不図示のドライブシャフトの回転に伴う内輪6の軸回転によってもベアリングシール8の密封機能が維持される。即ち、内輪6の軸回転の際、第1シール部材11のアキシャルリップ111,112及び第2シール部材14の第2シールリップ141が、ハブ輪4に嵌合されたスリンガ部材15の鍔状部152に弾性的に相対摺接するから、この摺接部によって、外部からの泥水等の軸受空間S内への浸入が阻止される。また、ラジアルリップ113がスリンガ部材15の嵌合部151に弾性的に相対摺接するから、この摺接部によって、軸受空間S内に充填されている潤滑剤の外部漏出が防止される。さらに、第1及び第2芯金10,13の第1円筒部100及び第2円筒部130が外輪2の車輪側内周面20aに軸L方向に並ぶように嵌合されているから、これらの嵌合部を経て軸受空間Sへ浸入しようとする泥水等の浸入経路が実質的に長くなる。これにより、両嵌合部における錆の進行が抑えられ、嵌合部によるシール機能の低下が生じ難くなる。さらにまた、第2シール12は、フランジ部41に沿ったラビリンス形成部140と、ラビリンス形成部140から延びてフランジ部41に弾接する第2シールリップ141とを備えているから、第2シールリップ141とラビリンス形成部140により形成されるラビリンスrとによるシール機能により、泥水等のベアリングシール8内への浸入が抑制される。したがって、第2シール12を通過して第1シール9に至る泥水等が少なく、アキシャルリップ111,112とスリンガ部材15との弾性摺接部に泥水等に含まれる異物等が噛み込むことによる第1シール9のシール機能の低下が生じ難くなる。このように、第1シール9及び第2シール12の相乗効果により、軸受空間Sを高精度に密封することができる。
さらに、本実施形態では、ハブ輪4に嵌合されるスリンガ部材15が内輪(内側部材)6の一構成部材とされているから、スリンガ部材15を表面滑性の優れた材料から構成することにより、これに弾接するアキシャルリップ111,112、ラジアルリップ113、及び第2シールリップ141の弾性摺接による摩耗を少なくすることができる。これにより、アキシャルリップ111,112、ラジアルリップ113、及び第2シールリップ141を構成する弾性材として、耐摩耗性の低い低質のものも使用することができ、低コスト化を図ることができる。また、第2シール部材14の円筒状被覆部142が第1シール部材11のリップ基部110に当接する当接部142aを有しているから、外輪2の車輪側内周面20aが第2円筒部130から第1円筒部100にかけて当接部142aを介して連続的に覆われることになるから、第1シール9と第2シール12との間の外輪2の車輪側内周面20aが泥水等に触れることがなく、車輪側内周面20aの発錆がより抑制される。しかも、当接部142aの当接対象が弾性材からなるから、弾性材同士の当接となり、泥水等の浸入防止機能がより確実に発揮される。そして、この当接部142aと、外向きの環状突部114と、横向きの突部143とが相乗して、外輪2と第2円筒部130及び第1円筒部100との嵌合部への泥水等の浸入防止機能がより一層確実に発揮される。また、ラビリンス形成部140の外径側端面140bは、外輪2の車輪側外周面20cより外径側に位置し、且つ、第2シールリップ141の外径側面141aと共にフランジ部41側に向け漸次拡径するように形成されているから、第2シールリップ141に至る泥水等は、車輪側外周面20cに誘導され、ベアリングシール8内に浸入することなく外周面20cに沿ってそのまま流下し装置外に排出される。
図3は本考案に係る密封装置の第二の実施形態を示している。本実施形態においては、スリンガ部材15の鍔状部152が、第2シール12の内径位置まで延び、第2シールリップ141がフランジ部41のフランジ面41aに直接弾接する点、及び、第2円筒部130の車体側端部(他端部)130cと、円筒状被覆部142の車体側端部142aとが第1シール部材11のリップ基部110に当接する当接部とされている点で、第一の実施形態と異なる。また、図3では、第1円筒部100が嵌合される部分の外輪2の車輪側内周面20aと第2円筒部130が嵌合される部分の外輪2の車輪側内周面20aとが同径(ストレート)とされている。したがって、第一の実施形態と共通する部分に同一の符号を付してその説明を割愛し、以下では、第一の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態のベアリングシール(密封装置)8において、第2シールリップ141がフランジ部41のフランジ面41aに直接弾接するから、スリンガ部材15の鍔状部152の外径側長さを短くすることができ、それだけ低コスト化が図られる。また、第2シールリップ141のフランジ面41aに対する弾接によって、スリンガ部材15の鍔状部152とフランジ面41aとの間に泥水等が浸入することが防止される。第2円筒部130の車体側端部130cと、円筒状被覆部142の車体側端部142aとが共に第1シール部材11のリップ基部110に当接する当接部として機能するから、この当接が確実になされ、前記外輪2の車輪側内周面20aと、第1円筒部100との嵌合部への泥水等の浸入防止が的確になされる。第1円筒部100が嵌合される部分の外輪2の車輪側内周面20aと第2円筒部130が嵌合される部分の外輪2の車輪側内周面20aとを同径(ストレート)とするか、段差状とするかは、ハブベアリング8の仕様に応じて適宜選択採用される。
図4は本考案に係る密封装置の第三の実施形態を示している。本実施形態においては、第一の実施形態のようなスリンガ部材15を有さず、アキシャルリップ111,112及び第2シールリップ141が、フランジ部41のフランジ面41aに直接弾接し、ラジアルリップ113が、ハブ輪本体40の外周面40bに直接弾接する点、及び、円筒状被覆部142の当接部142aが第2円筒部130の車体側端部130cを回り込むように形成されている点で、第一の実施形態と異なる。したがって、第一の実施形態と共通する部分に同一の符号を付してその説明を割愛し、以下では、第一の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態のベアリングシール(密封装置)8においては、前記のようなスリンガ部材15を内輪(内側部材)6の一構成部としていないから、内輪6の低コスト化が図られる。一方、フランジ部41のフランジ面41a及びハブ輪本体40の外周面40bに滑性化処理を施すようにすれば、第1シールリップ111,112、ラジアルリップ113及び第2シールリップ141の弾性摺接による摩耗を少なくすることができる。
図5は本考案に係る密封装置の第四の実施形態を示している。本実施形態においては、第2シール部材14が前記各例のような円筒状被覆部142を有さず、第2円筒部130の車体側端部130cのみが第1シール部材11のリップ基部110に当接する当接部とされている点で第三の実施形態と異なる。また、また、図5では、第1円筒部100が嵌合される部分の外輪2の車輪側内周面20aと第2円筒部130が嵌合される部分の外輪2の車輪側内周面20aとが同径(ストレート)とされている。したがって、第三の実施形態と共通する部分に同一の符号を付してその説明を割愛し、以下では、第三の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態のベアリングシール(密封装置)8においては、第2円筒部130の車体側端部130cが当接部として、リップ基部110に当接するから、この当接は弾性材と金属との当接となり強固になされる。
なお、第1シールリップの数が2個の例について述べたが、1個或いは3個以上であっても良い。また、シールリップの形状も図例に限定されず、他の形状とすることは可能である。さらに、第2シールリップ141が、フランジ部41のフランジ面41a、或いは、スリンガ15の鍔状部152に弾接する例について述べたが、弾性を伴わず接触したり近接するものであっても良い。また、実施形態では、本考案に係る密封装置を、図1に示すような自動車の駆動輪を回転自在に支持するハブベアリングに適用した例について述べたが、相対的に同軸回転する外側部材及び内側部材からなる2部材間に形成される環状の被密封空間を密封対象とするものであれば、他の形態の装置にも望ましく採用される。加えて、フランジ部41が、ハブ輪本体40に対して斜めに延びるように形成されている例を示したが、垂直に延びるように形成されているものであっても良い。
1 ハブベアリング(軸受装置)
2 外輪(外側部材)
20a 内周面
20b 車輪側端面(フランジ部側端面)
20c 外周面
4 ハブ輪(内側部材)
41 フランジ部
41a フランジ面
6 内輪(内側部材)
8 ベアリングシール(密封装置)
9 第1シール
10 第1芯金
100 第1円筒部
100a 車輪側端部(一端部)
101 第1鍔状部
11 第1シール部材
111,112 アキシャルリップ(第1シールリップ)
12 第2シール
13 第2芯金
130 第2円筒部
130a 車輪側端部(一端部)
131a フランジ部側の面
130c 当接部(他端部)
131 第2鍔状部
14 第2シール部材
140 ラビリンス形成部
140a 外径側端部
140b 外径側端面
141 第2シールリップ
141a 外径側面
142a 当接部(車体側端部)
15 スリンガ部材
151 嵌合部
152 鍔状部
r ラビリンス
L 軸

Claims (10)

  1. 相対的に同軸回転する外側部材及び内側部材からなる2部材間に形成される環状の被密封空間を密封する密封装置であって、
    前記外側部材と、前記内側部材に前記外側部材の外周面より外径側に延びるよう形成されたフランジ部との間に装着される第1シール及び第2シールを備え、
    前記第1シールは、前記外側部材の内周面に嵌合される第1円筒部及び該第1円筒部の一端部から内径側に延びる第1鍔状部を有する第1芯金と、前記内側部材に弾接する第1シールリップを有して前記第1芯金に固着された弾性材製の第1シール部材とを備え、
    前記第2シールは、前記第1円筒部より前記フランジ部側の前記外側部材の内周面に嵌合される第2円筒部及び該第2円筒部の一端部から外径側に延びて前記外側部材のフランジ部側端面を覆う第2鍔状部を有する第2芯金と、該第2芯金に固着された弾性材製の第2シール部材とを備え、
    前記第2シール部材は、前記フランジ部に沿ってラビリンスを形成するラビリンス形成部と、当該ラビリンス形成部から延びて前記フランジ部に近接又は弾接する第2シールリップとを備えたことを特徴とする密封装置。
  2. 請求項1に記載の密封装置において、
    前記第2シールは、前記外側部材の内周面部において前記第1シール部材に当接する当接部を有していることを特徴とする密封装置。
  3. 請求項2に記載の密封装置において、
    前記当接部は、前記第2シール部材の一部によって構成されていることを特徴とする密封装置。
  4. 請求項2に記載の密封装置において、
    前記当接部は、前記第2円筒部の他端部によって構成されていることを特徴とする密封装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の密封装置において、
    前記内側部材は、当該内側部材に嵌合される嵌合部及び該嵌合部から前記フランジ部に沿って前記第2シールの外径位置まで延びる鍔状部を有するスリンガ部材を一構成部として含み、前記第1シールリップは当該スリンガ部材の鍔状部に弾接し、前記第2シールリップは当該スリンガ部材の鍔状部に近接又は弾接するように構成されていることを特徴とする密封装置。
  6. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の密封装置において、
    前記内側部材は、当該内側部材に嵌合される嵌合部及び該嵌合部から前記フランジ部に沿って前記第2シールの内径位置まで延びる鍔状部を有するスリンガ部材を一構成部として含み、前記第1シールリップは当該スリンガ部材の鍔状部に弾接し、前記第2シールリップは前記フランジ部のフランジ面に近接又は弾接するように構成されていることを特徴とする密封装置。
  7. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の密封装置において、
    前記第1シールリップは前記フランジ部のフランジ面に弾接し、前記第2シールリップは前記フランジ部のフランジ面に近接又は弾接するように構成されていることを特徴とする密封装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の密封装置において、
    前記ラビリンス形成部は、前記第2鍔状部の前記フランジ部側の面の全面を覆うように形成され、且つ、前記第2シールリップは当該ラビリンス形成部の外径側端部に形成されていることを特徴とする密封装置。
  9. 請求項8に記載の密封装置において、
    前記ラビリンス形成部の外径側端面は、前記外側部材の外周面より外径側に位置し、且つ、前記第2シールリップの外径側面と共に前記フランジ部に向け漸次拡径するように形成されていることを特徴とする密封装置。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の密封装置において、
    前記内側部材に弾接する第1シールリップを、複数有していることを特徴とする密封装置。
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CN113939663A (zh) * 2019-06-12 2022-01-14 Nok株式会社 密封装置

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