JP3202292B2 - 燃料電池発電システム - Google Patents

燃料電池発電システム

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JP3202292B2
JP3202292B2 JP00301492A JP301492A JP3202292B2 JP 3202292 B2 JP3202292 B2 JP 3202292B2 JP 00301492 A JP00301492 A JP 00301492A JP 301492 A JP301492 A JP 301492A JP 3202292 B2 JP3202292 B2 JP 3202292B2
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雅恒 原田
裕史 坂本
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Osaka Gas Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は燃料電池発電システムに
係り、特に排熱を利用した蒸気および温水供給システム
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】燃料電池発電システムは、都市ガスやプ
ロパンガス等の燃料に有する化学エネルギーを電気エネ
ルギーに変換するもので、燃料電池本体および都市ガス
やプロパンガス等の燃料から水素を生成する装置、燃料
電池本体で発電される直流出力を交流に変換する変換装
置、燃料電池本体の動作や水素生成に適した温度に作動
ガスの温度を保つための熱交換器等により構成されてい
る。燃料電池本体は水素生成装置により生成された水素
ガスと、空気中の酸素の結合エネルギーを直接電気エネ
ルギーに変換するが、その際熱も発生する。
【0003】このように燃料電池発電システムは、化学
反応による発電のため、発電効率が高く、また大気汚染
物質の排出が少なく、しかも騒音も小さいクリーンな発
電システムとして評価されている。
【0004】ところで、燃料電池本体の電気化学反応を
効率よく行なわせるためには、燃料電池本体の温度を一
定の温度レベルに保つ必要があり、冷却水等で適切な温
度に冷却される。この冷却水系は気水分離器、ポンプ、
熱交換器等で構成され、熱交換器から取出される排熱は
様々な用途の熱利用がなされている。この排熱は一般的
に温水として取出されているが、近年では排熱利用の用
途の範囲を拡大するために蒸気取出しの要求が強くなっ
ている。
【0005】図4は燃料電池発電システムの一般的な発
電負荷と総合熱効率の関係を示す特性図である。この特
性図から分かるように、発電負荷に対する発電効率は4
0%であるが、温水レベルの低温排熱回収分および蒸気
レベルの高温排熱回収分をすべて利用した場合の総合効
率は80%以上になる。このように本燃料電池発電シス
テムは、発電のみならず排熱を系外で有効に利用するこ
とができ、特に排熱のうち蒸気レベルの高温排熱は、吸
収式冷凍機の駆動源、蒸気タービンの駆動源等の用途と
して利用価値が高い。従来、かかる排熱利用システムを
取入れた燃料電池発電システムとしては、図2に示すよ
うな構成のものがある。
【0006】図2に示すように、燃料極21a、空気極
21bおよび電池冷却器21cを備えた燃料電池本体2
1で発生した反応熱を電池冷却器21c内の電池冷却水
と熱交換させることで取出し、その電池冷却水は気液二
相流となって高温排熱回収用熱交換器22に導かれ、さ
らに気水分離器23に導入される。この気水分離器23
では気液二相流の蒸気23aを液化して冷却水23bと
し、これを電池冷却水循環ポンプ24により排熱回収用
熱交換器25および電池冷却水電気ヒータ26を通して
冷却器21cに導く電池冷却水系を構成している。
【0007】このような構成の燃料電池発電システムに
おいては、高温排熱回収用熱交換器22を気水分離器2
3の手前に設置しているので、高温排熱を間接的に取出
すことは可能である。しかし、電池冷却器21cを出た
電池冷却水は気液二相流となっており、発電負荷の変動
等による電池の発電量の変化により電池冷却水の気液混
合比が変るため、高温排熱回収量が変動し、安定した高
温排熱の取出しや利用方法が難しいという問題がある。
【0008】一方、上記とは異なる燃料電池発電システ
ムとして、気水分離器より余剰分の蒸気を直接取出すよ
うにした図3に示すような構成のものがある。すなわち
図3に示すように、燃料極31a、空気極31bおよび
冷却器31cを備えた燃料電池本体31で発生した反応
熱を冷却器31c内の電池冷却水と熱交換させることで
取出し、その電池冷却水は気液二相流となって気水分離
器32に導入される。この気水分離器32では気液二相
流の蒸気32aを液化して冷却水32bとし、この冷却
水を電池冷却水循環ポンプ33により排熱回収用熱交換
器34および電池冷却水電気ヒータ35を通して冷却器
31cに戻す電池冷却水系を構成している。また、気水
分離器32内の余剰蒸気を蒸気供給配管36を通して排
熱利用装置37に導入し、ここで液化した冷却水の一部
は循環ポンプ38により凝縮水戻り配管39を通して気
水分離器32の下流側に戻され、さらに排熱利用装置3
7で液化した冷却水の他の一部は水処理装置40に導入
され、ここで水処理された冷却水を気水分離器32の下
流側に戻す構成としている。
【0009】このような構成の燃料電池発電システムに
おいては、気水分離器32より余剰分の蒸気を直接排熱
回収装置37に導入しているため、温度レベルの高い蒸
気を取出せる利点はあるが、電池冷却水系と排熱利用装
置37が同一の配管系であるため、排熱利用装置37に
漏洩防止対策や水質汚染対策が必要となり、使用装置、
材料の高級化、水処理装置40の容量アップとなり、こ
れもまたプラント設備が大きくなり、コストも高くなる
という問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の燃料
電池発電システムは、高温排熱を回収できる構成になっ
ているが、上述したような排熱利用装置を利用しようと
すると、プラント設備の容量アップによる大型化、コス
トアップにつながるという問題があった。
【0011】さらに、電池冷却水系から高温排熱を取出
す形態として常に高温蒸気のみを必要とするばかりでな
く、高温水として取出す場合もあるが、従来のシステム
ではこれら高温蒸気と高温水を同時に取出すことができ
ず、排熱利用の多様化に対応することは困難である。本
発明は、プラント設備を小形化し、且つ安価にして排熱
利用の多様化に対応させることができる燃料電池発電シ
ステムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】燃料極、空気極および冷
却器を備えた燃料電池本体と、この燃料電池本体の反応
熱により加熱され二相流化した冷却水を気相と水相に分
離する気水分離器およびこの気水分離器で分離された冷
却水を前記燃料電池本体の冷却器を通して循環させる電
池冷却水循環ポンプにより構成された燃料電池冷却水系
とを備えた燃料電池発電システムにおいて、前記気水分
離器の水相出口下流側に前記電池冷却水系の余剰熱によ
り前記燃料電池冷却水系と分離された二次蒸気発生系の
水を加熱して蒸気を発生させる蒸気発生器を設け、前記
蒸気発生器で発生した蒸気を第1の排熱利用装置に供給
すると共に、排熱利用後の凝縮水を循環ポンプにより前
記蒸気発生器に戻す循環系を構成し、前記蒸気発生器の
凝縮水を第2の排熱利用装置に供給するようにしたもの
である。
【0013】
【作用】このような構成の燃料電池発電システムにあっ
ては、電池冷却水系とは分離した状態で、気水分離器か
ら流出する電池冷却水により蒸気発生器の二次蒸気発生
系の水を加熱して蒸気を発生させることにより、この蒸
気を排熱利用装置に供給することができるので、従来に
比べてプラント設備を小形化できると共に、経済的にも
有利になる。
【0014】また、蒸気発生器の下流側に温水供給系を
接続して蒸気量分以外の余剰飽和水を取出すことによ
り、温水を必要とする排熱利用装置に高温水を供給する
ことができ、排熱利用の多様化に対応することができ
る。
【0015】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面を参照して説明
する。
【0016】図1は本発明による燃料電池発電システム
の構成図である。図1において、1は燃料極1a、空気
極1bおよび冷却器1cを備えた燃料電池本体で、この
燃料電池本体1で発生した反応熱は電池冷却器1c内の
電池冷却水と熱交換させることで取出され、その二相流
化した電池冷却水は気水分離器2に導入され、蒸気2a
と冷却水2bとに分離される。この気水分離器2で分離
された冷却水2bは、電池冷却水循環ポンプ3により気
水分離器2の水相出口下流側に設けられた蒸気発生器4
の一次側(高温側)を通して温度調整用熱交換器5に導
入し、さらにこの温度調整用熱交換器5で温度調整され
た冷却水を電池冷却水電気ヒータ6を通して電池冷却器
1cに戻す電池冷却水系を構成している。この場合、気
水分離器2と蒸気発生器4とを結ぶ配管ライン7には入
口制御弁8が設けられる。また、これら入口制御弁8お
よび蒸気発生器4をバイパスして気相分離器2からの冷
却水2bを電池冷却水循環ポンプ3側に流すバイパス配
管ライン9が設けられ、このバイパス配管ライン9にバ
イパス制御弁10が設けられる。
【0017】ここで、蒸気発生器4は一次側に流れる電
池冷却水により二次蒸気発生系の水を加熱して蒸気を発
生させるもので、この蒸気発生器4で発生した蒸気4a
は蒸気供給配管11を通し、圧力調整弁12を介して第
1の排熱利用装置13に供給される。そして、この第1
の排熱利用装置13で利用後の凝縮水は、凝縮水循環ポ
ンプ14により凝縮水戻り配管15を通して蒸気発生器
4に戻される。
【0018】また、蒸気発生器4の凝縮水は温水供給配
管16を通して第2の排熱利用装置17に供給されると
同時に、水処理装置18に蒸気発生用ブロー用ライン1
9を通して供給され、この水処理装置18で処理された
水は電池冷却水系に導入される。
【0019】なお、図中19は蒸気発生器4内の蒸気圧
力を検出する圧力検出器、また20は蒸気発生器4の圧
力を所定値に保つように圧力調整弁12の開度を調節す
る圧力コントローラである。次にこのように構成された
燃料電池発電システムの動作を述べる。
【0020】いま、排熱回収が行われていない状態で燃
料電池本体1が運転されているときは、バイパス配管ラ
イン9の制御弁10が開、入口制御弁8が閉の状態にあ
る。このような状態にあるとき蒸気発生器4より蒸気を
発生させて排熱回収運転を行うには、バイパス配管ライ
ン9の制御弁10を閉じ、入口制御弁8を開の状態にす
ると、気水分離器2より流出する電池冷却水が蒸気発生
器4の一次側を通して電池冷却水系を流れる。すると、
蒸気発生器4の二次蒸気発生系の水が電池冷却水系の余
剰熱により加熱されて蒸気を発生し、この蒸気は圧力調
整弁12を介して第1の排熱利用装置13に供給され、
排熱利用後の凝縮水は凝縮水循環ポンプ14により蒸気
発生器4に戻される。この場合、圧力調整弁12は圧力
コントローラ20により開度制御され、蒸気発生器4内
の蒸気圧力が一定に保持される。
【0021】また、蒸気発生器4内の凝縮水は温水供給
配管16を通して第2の排熱利用装置17に温水として
供給され、さらに蒸気発生器4内の凝縮水の一部は水処
理装置に導入され、ここで処理された水は電池冷却水系
に供給される。
【0022】このように本実施例では、気水分離器2の
下流側に蒸気発生器4を設け、この蒸気発生器4の二次
蒸気発生系の水を電池冷却水系の余剰熱により加熱して
蒸気を発生させているので、電池冷却水系と分離した状
態で蒸気を第1の排熱利用装置13に供給でき、また蒸
気発生器4の凝縮水を第2の排熱利用装置17に温水と
して同時に供給できるので、排熱の多様化に対応させる
ことができる。
【0023】また、電池冷却水循環ポンプ3は、例えば
配管等による電池冷却水系の圧損が大きい場合、水の飽
和蒸気圧以下に下がるとキャビテーションを起こす心配
があり、このことはポンプが騒音、振動を起こして性能
の低下につながる。しかし、上述したように蒸気発生器
4を冷却水循環ポンプ3の手前に設置することにより、
燃料電池本体1の反応熱で高温になった電池冷却水が冷
却(アンダクール)されるので、ポンプの有効利用NP
SH(正味吸込水頭)を大きくでき、ポンプにとって有
効に作用する。この場合、蒸気発生器4での電池冷却水
系の圧損による圧力降下は、上記アンダクール分に比較
すると微小である。
【0024】したがって、電池冷却水系から蒸気が間接
的に取出せると同時に、蒸気発生器4で冷却される電池
冷却水のアンダクール相当分の圧損の大きな蒸気発生器
4を設置できるため、蒸気発生器4の容積を小形化で
き、また冷却水循環ポンプ3の動力も小さくでき、この
ことはプラント設備の小形化と、コストダウンを図るこ
とができる。
【0025】さらに、蒸気発生器4の入口側に設けられ
た入口制御弁8と、これらをバイパスする配管ライン9
にバイパス制御弁10を設けてあるので、プラント起動
時の電池冷却水系のヒートアップ時に入口制御弁8を開
にすることにより、蒸気発生器4の二次側の温度上昇を
早めることができ、一方プラント運転中に排熱利用装置
での負荷を上げたり下げたりする場合には、入口制御弁
8およびバイパス制御弁10を制御することにより、排
熱利用装置の運転が変動したり、起動や停止の場合でも
発電特性に影響を与えることなく、安定したプラントの
運転が可能となる。なお、上記実施例では蒸気発生器4
としてケトル式ボイラのイメージ図として示したが、別
の形態の蒸気発生器でも同様の排熱回収を行うことがで
きる。
【0026】また、上記実施例では蒸気発生器4の凝縮
水を第2の排熱利用装置17に直接温水として供給する
ようにしたが、蒸気発生器4の二次系圧力は発生蒸気の
飽和蒸気圧程度に高く、加圧温水となっている場合があ
るが、このような場合には温水供給配管ライン16の途
中に減圧弁を設けることで対処することができる。
【0027】さらに、蒸気発生器4は運転中に器内にス
ケールや錆等が蓄積し、蒸気発生器の性能を低下させる
可能性があり、しかも蒸気発生器から一時的、或いは連
続的に微量ずつ水がブローすることがあるが、このよう
な場合にはこのブロー水を単に外部へ排出するだけでな
く、水処理装置18へ注入して水処理した後電池冷却水
系へ戻すようにしてもよい。
【0028】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、電池
冷却水系の余剰熱を電池冷却水系とは分離した形で間接
的に熱利用価値の高い蒸気として取出すようにしたの
で、プラント設備の小形化とコストダウンを図ることが
できると共に、排熱利用装置の負荷変動や排熱利用の多
様化に対応させることができる燃料電池発電システムを
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による燃料電池発電システムの一実施例
を示す構成図。
【図2】従来の燃料電池発電システムの一例を示す構成
図。
【図3】従来の燃料電池発電システムの他の例を示す構
成図。
【図4】燃料電池発電システムの発電負荷と総合熱効率
の関係を示す特性図。
【符号の説明】
1…燃料電池本体、1a…燃料極、1b…空気極、1c
…冷却器、2…気水分離器、3…電池冷却水循環ポン
プ、4…蒸気発生器、5…温度調整用熱交換器、6…電
池冷却水電気ヒータ、13…第1の排熱利用装置、17
…第2の排熱利用装置、18…水処理装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂本 裕史 大阪府大阪市西区千代崎三丁目2番95号 大阪瓦斯株式会社燃料電池プロジェク ト部内 (72)発明者 杉山 英一 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番 地 株式会社東芝京浜事業所内 (56)参考文献 特開 平5−41229(JP,A) 特開 平5−159792(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 8/04 - 8/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料極、空気極および冷却器を備えた燃
    料電池本体と、この燃料電池本体の反応熱により加熱さ
    れ二相流化した冷却水を気相と水相に分離する気水分離
    器およびこの気水分離器で分離された冷却水を前記燃料
    電池本体の冷却器を通して循環させる電池冷却水循環ポ
    ンプにより構成された燃料電池冷却水系とを備えた燃料
    電池発電システムにおいて、 前記気水分離器の水相出口下流側に前記電池冷却水系の
    余剰熱により前記燃料電池冷却水系と分離された二次蒸
    気発生系の水を加熱して蒸気を発生させる蒸気発生器を
    を設け、前記蒸気発生器で発生した蒸気を第1の排熱利用装置に
    供給すると共に、排熱利用後の凝縮水を循環ポンプによ
    り前記蒸気発生器に戻す循環系を構成し、 前記蒸気発生器の凝縮水を第2の排熱利用装置に供給す
    るようにした ことを特徴とする燃料電池発電システム。
JP00301492A 1992-01-10 1992-01-10 燃料電池発電システム Expired - Lifetime JP3202292B2 (ja)

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