JP3201959B2 - 部分放電測定方法 - Google Patents

部分放電測定方法

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JP3201959B2
JP3201959B2 JP23304396A JP23304396A JP3201959B2 JP 3201959 B2 JP3201959 B2 JP 3201959B2 JP 23304396 A JP23304396 A JP 23304396A JP 23304396 A JP23304396 A JP 23304396A JP 3201959 B2 JP3201959 B2 JP 3201959B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電力ケーブルの部分
放電測定方法に関し、特に本発明はニューラルネットワ
ークを使用して精度よく部分放電の有無を判断すること
ができる部分放電測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電力ケーブルの部分放電を測定しようと
する場合、例えばオシロスコープによりケーブルに課電
している電圧位相と測定信号を同時に観測し、観測され
たパルス信号と電圧位相の関係から部分放電を判断する
手法が用いられる。これは、部分放電パルスは電圧位相
φと強い相関があり、そのほとんどは、図16に示すよ
うに、第1象限(0°〜90°)と第3象限(180°
〜270°)を中心に発生することがわかっているから
である。
【0003】また、上記関係を利用して、測定パルスの
電荷量qと課電位相φと単位頻度nからφ−q−nパタ
ーンを作成し、このφ−q−nパターンを予め部分放電
パルスのφ−q−nを学習させたニューラルネットワー
クに入力して部分放電の有無を判断させる方法が知られ
ている(例えば、特開平5−256895号公報参
照)。
【0004】図17は上記φ−q−nパターンの一例を
示す図である。同図に示すように、位相角度および電荷
量軸を複数に分割し(同図では例えば位相角度を20分
割、電荷量軸を10分割している)、位相φ−電荷量q
を複数のセル(同図では20×10=200セル)で表
し、各セルの値に、発生数n(又は発生頻度)を割り当
てる。ニューラルネットワークとしては、例えば図18
に示すように入力層Ui、中間層Um、出力層Uoを持
つ3層のニューラルネットワークを用い、上記各セルを
ニューラルネットワークの入力層の各セルUi1〜Ui
nに対応させ、各入力層のセルUi1〜Uinに上記発
生数n(又は発生頻度)を入力する。上記ニューラルネ
ットワークの入力層、出力層に、予めφ−q−nパター
ンと部分放電の有無を与えて学習させておけば、ニュー
ラルネットワークにφ−q−nパターンを与えることに
より、部分放電の有無を判別することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】オシロスコープ等によ
りケーブルに課電している電圧位相と測定信号を同時に
観測し、観測されたパルス信号と電圧位相の関係から部
分放電を判断する手法は、測定技術およびその判断に熟
練が必要となり、部分放電測定に熟練した測定者が必要
となるといった問題がある。また、上記したφ−q−n
パターンをニューラルネットワークに入力し部分放電を
判断する手法は、部分放電の大きさqと発生位相φの情
報を所定の時間分まとめて発生頻度nとしてパターン化
しており、発生位相角度の時間的変化の情報が失われて
いる。
【0006】したがって、発生位相角度の時間的変化の
情報が失われたφ−q−nパターンでは、誤った判断を
する場合があり信頼性の点で問題がある。さらに、上記
したφ−q−nパターンをニューラルネットワークに入
力し部分放電を判断する場合には、様々な測定信号に対
応させるために数多くのデータを学習させる必要があ
り、曖昧なニューラルネットワークを作成することとな
る。このため、ニューラルネットワークが誤った判断を
する場合が生じ、信頼性の点で問題になる場合がある。
【0007】本発明は上記した従来技術の問題点を解決
するためになされたものであって、本発明の第1の目的
は、熟練した測定者を必要とせず、簡単に高い判定精度
で部分放電判定を行うことができる信頼性が高い部分放
電測定方法を提供することである。本発明の第2の目的
は、部分放電に特有な時間的変化の特徴を失うことな
く、測定信号パターンを作成することができ、これらの
測定信号パターンから部分放電の発生を確実に判断する
ことができる部分放電測定方法を提供することである。
本発明の第3の目的は、φ−q−nデータから分類特性
値を算出してグループ分けし、各グループにそれぞれ対
応した部分放電判定手法を用いて部分放電を判定するこ
とにより、確度の高い部分放電判定を行うことができる
部分放電測定方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】図1、図2は本発明によ
る部分放電測定方法を説明する図であり、本発明におい
ては下記(a)(b)のようにして部分放電の判定を行う。次
に、図1、図2により本発明における部分放電測定につ
いて説明する。
【0009】(a) φ−q−tデータを用いた部分放電の
判定 図1は本発明におけるφ−q−tデータを用いた部分放
電判定を説明する図である。電力ケーブルに取り付けた
部分放電検出器により検出した測定信号をサイクル単位
で保存する。そして、保存されたサイクル毎の放電電荷
量の大きさと発生位相情報を時系列的に羅列させ、課電
位相に対する測定信号の電荷量の大きさおよび発生位相
角を示す3次元のφ−q−tデータを作成する。
【0010】φ−q−tデータは、一般的にはX軸に課
電位相(360°)を、Y軸には課電サイクル数を、Z
軸には放電電荷量の大きさを対応させるが、任意の軸に
対応させてもよい。図1Aに部分放電の3次元φ−q−
tデータの一例を示す。なお、同図では、放電電荷量の
大きさ(Z軸)を濃淡で示しているが、放電電荷量の大
きさを色の変化で示せばより分かりやすく表現すること
ができる。上記のようにして得た3次元φ−q−tデー
タからニューラルネットワークNu1へ入力する測定信
号φ−q−tパターンを作成する。そのため、上記3次
元φ−q−tデータの課電位相角度(X軸)、課電サイ
クル数(Y軸)、放電電荷量軸(Z軸)を前記図17に
示したように分割する。
【0011】ここで、本発明の主な特徴は、発生位相角
度の時間的変化の特徴を失わないようにデータ処理する
ことにある。したがって、発生位相角度の時間的変化の
特徴を保つためには、X軸とY軸についてはある程度の
分割数が必要となるが、Z軸の分割数についてはあまり
重要とはならない。すなわち、X軸の課電位相は数10
〜数100程度に分割するのが望ましく、Y軸のサイク
ル数は、通常サイクル単位で分けるのが望ましいが、場
合によっては複数サイクルまとめても構わない。
【0012】上記のようにして分割したX,Y軸の各分
割単位に囲まれた領域をセルとすれば、各セルがニュー
ラルネットワークNu1の入力層Uiの各セルに対応
し、入力層Uiの各セルに入力する値が放電電荷量の大
きさに対応する。なお、簡略的に部分放電電荷量を2分
割とした場合には、ニューラルネットワークのセルに入
力する値は0又は1となる。0はそのセルに信号がない
場合(もしくは所定値以上の信号でない場合)、1はそ
のセルに信号がある場合(もしくは所定値以上の信号が
ある場合)に対応することとなる。また、各セルに複数
の信号が含まれる場合が生じる。しかし、上述したよう
に、X軸とY軸は発生位相角度の時間的変化の特徴が保
たれるような分割数に設定してあることから、複数の信
号が含まれる割合は少なく、仮に複数の測定信号が存在
しても、それらをどの様な方法でまとめてもよい。
【0013】図1Bにφ−q−tデータをパターン化し
た例を示す。同図では、X軸(課電位相角度)は18°
を分割単位として20分割とし、Y軸(課電サイクル
数)は、2サイクルを分割単位として25単位としてい
る。また、Z軸(放電電荷量の大きさ)は、測定レベル
SとノイズレベルNの比率S/N=2をしきい値とす
る2分割とし、信号があれば1(同図中ではセルを塗り
つぶしている)、それ以外は0とした。図1Bから明ら
かなように、パターン化した後においても発生位相角度
の時間的変化の特徴は保たれている。
【0014】ニューラルネットネットワークにはいくつ
もの種類があり、どれを使用してもかまわないが、通常
はバックプロパゲーションを使用した図1に示す3層型
(入力層、中間層、出力層)のものを用いるのがよい。
学習させるにはジグモイド関数を使用し、また、未知の
データに対しても判定精度をよくするため、あらかじめ
学習データには誤差をのせて学習させる方法がよい。
【0015】学習データには実際に発生した部分放電信
号のデータを用いるのが最もよいが、場合によっては部
分放電信号の特徴を持つように作成してもよい。いずれ
にしても実際に発生した部分放電信号あるいは部分放電
信号の特徴をもつφ−q−tデータから前記したような
方法により発生位相角度と時間的変化の特徴を失わない
ように部分放電のφ−q−tパターンを作成し、これら
のパターンによりニューラルネットワークNu1を学習
させておく。学習の済んだニューラルネットワークに、
前記したように測定信号から得たφ−q−tパターンを
入力することにより、ニューラルネットワークの出力層
から部分放電の有無を示す信号を得ることができ、精度
よく部分放電の有無を判断させることができる。
【0016】(b) 測定信号のグループ化による部分放電
判定 図2は測定信号のグループ化による部分放電判定を説明
する図である。電力ケーブルに取り付けた部分放電検出
器により得た部分放電信号と課電位相から、放電電荷量
q、発生位相角度φ、発生数または発生頻度nを求め
る。そして、図2(a)に示すように、これらの値から
分類特性値を計算する。分類特性値は、グループ分けの
指標となるため、測定信号データの特徴を集約した値と
なることが望ましい。したがって、q、φ、nから少な
くとも2つ以上の値を用いて統計的手法によって計算す
る。
【0017】実際の特性値は、計算で求めた値であれば
どのような特性値を用いても構わないが、例えば、放電
電荷量の平均変動、放電電荷量の分散変動、発生位相角
の平均変動、発生位相角の分散変動、発生数の変動とい
った特性値を使用することが望ましい。そして、これら
の分類特性値に基づいて、図2(a)に示すように測定
信号データを幾つかのグループGr1〜Grnに分類す
る。分類グループは、予め目的別に作成しておく。部分
放電の有無を判別することが主な目的であれば、部分放
電グループ、ノイズグループ、そして、部分放電とノイ
ズが混在するグループの3種類となる。
【0018】また、部分放電の発生要因を判別すること
が主な目的であれば、想定される欠陥の種類によってグ
ループを作成する。また、部分放電劣化の程度を判定す
るのが主な目的であれば、劣化の進行状況に応じてグル
ープを作成する。いずれにしても、部分放電特性が異な
る幾つかのグループを作成しておく。グループの作成に
あたっては、できるだけ多くの測定の目的に応じた部分
放電データとノイズデータを集めて、各データの分類用
特性値を計算し、この特性値をもとにグループ分けを行
う。グループを作成するときに使用する分類手法として
はクラスター分類方法が望ましいが、これ以外の分類手
法を使用してもかまわない。
【0019】一方、測定データを上記のようにして作成
したグループに分類する方法は、どの様な方法でも構わ
ないが、図2(b)に示すようにニューラルネットワー
クNu2を利用する方法が簡便である。そのため、上記
のようにグループ分けされた各グループのデータから代
表的なデータを選び、分類特性値を求め、図2(b)に
示すニューラルネットワークNu2の学習データとす
る。そして、ニューラルネットワークNu2の入力層に
分類用特性値、出力層にグループを与えて学習させ、分
類判定用ニューラルネットワークNu2を作成する。こ
の分類判定用ニューラルネットワークNu2に測定デー
タから計算した分類用特性値を入力し、出力された値に
よって測定データを各グループGr1〜Grnに分類す
る。
【0020】次に、図2(c)に示すように各グループ
に分類された測定信号を、各グループに対応する部分放
電判別手段D1〜Dnに入力し、測定信号が部分放電か
ノイズであるかを判定させる。上記部分放電判定手段D
1〜Dnについても、ニューラルネットワークを利用す
る方法が簡便である。学習データは、各グループの代表
的なデータから計算した特性値を使用することが望まし
いが、他の計算方法による値を用いてもよい。この学習
データを元に、出力値を例えば部分放電とノイズに対応
させたニューラルネットワークをグループ毎に作成す
る。
【0021】分類された測定用データは、それぞれの部
分放電判定用ニューラルネットワークに入力され、出力
された値によって部分放電かノイズであるかを判定す
る。また、判定手法としては、カオス、ウェーブレッ
ト、ファジイ、主成分分析等の統計的計算のいずれの方
法を使用してもかまわないし、また、これらの手法を組
み合わせて使用してもよい。さらに、上記(b) の手法に
前記した(a) の手法を追加し、(b) の手法により得た結
果について、前記(a) のφ−q−tパターンを利用した
ニューラルネットワークを用いて部分放電とノイズを判
定することにより、さらに精度よく部分放電判定を行う
ことができる。
【0022】以上のように本発明においては次のように
して前記課題を解決する。 (1)電力ケーブルの部分放電を測定する方法におい
て、測定された信号の発生位相角度φと放電電荷量の大
きさqを、1乃至複数の課電位相サイクルt毎に時系列
的に羅列させたφ−q−tパターンを作成し、予め部分
放電信号のφ−q−tパターンを学習させたニューラル
ネットワークに上記測定信号より得たφ−q−tパター
ンを入力し、部分放電信号の有無を判断させる。
【0023】(2)電力ケーブルの部分放電を測定する
方法において、測定された信号のうち、所定の放電電荷
量の大きさ以上の信号が発生した位相角度φを、1乃至
複数の課電位相サイクル毎に課電位相サイクルt毎に時
系列に羅列させてφ−tパターンを作成し、予め部分放
電信号のφ−tパターンを学習させたニューラルネット
ワークに上記測定信号を入力し部分放電の有無を判断さ
せる。
【0024】()電力ケーブルの部分放電を測定する
方法において、放電電荷量q、発生位相角度φ、発生数
nの中から、少なくとも2つ以上の値を用いて統計的手
法により分類用特性値を計算し、上記特性値に基づい
て、上記測定信号を少なくとも2つ以上のグループに分
類し、上記分類結果を用いて部分放電判定を行う。
【0025】()上記()において、グループを、
部分放電グループ、ノイズグループ、部分放電とノイズ
が混在するグループのうち2以上のグループとする。
【0026】()電力ケーブルの部分放電を測定する
方法において、放電電荷量q、発生位相角度φ、発生数
nの中から、少なくとも2つ以上の値を用いて統計的手
法により分類用特性値を計算し、上記特性値に基づい
て、上記測定信号を少なくとも2つ以上のグループに分
類し、上記分類結果を用いて部分放電判定を行うととも
に、上記部分放電判定結果に対応した学習用φ−q−t
パターンを上記部分放電判定結果に対応させて用意した
ニューラルネットワークに入力して学習させ、測定され
た信号の発生位相角度φと放電電荷量の大きさqを、課
電位相サイクルt毎に時系列的に羅列させたφ−q−t
パターンを作成し、測定された信号の発生位相角度φと
放電電荷量の大きさqを、課電位相サイクルt毎に時系
列的に羅列させたφ−q−tパターンを作成し、上記そ
れぞれのニューラルネットワークに上記部分放電判定結
果を得たφ−q−tパターンを入力し、上記ニューラル
ネットワークにより上記分類結果を用いて行った部分放
電の判定結果を評価する。
【0027】本発明の請求項1〜の発明においては、
上記(1)〜()のように、測定信号と課電位相から
測定信号のφ−q−tパターンを作成し、発生位相角度
の時間的変化の特徴を失っていないこれらの測定信号パ
ターンを予め部分放電パターンの学習を済ませたニュー
ラルネットワークに入力し部分放電判定を行っているの
で、部分放電の有無を正確に判断することができる。こ
のため、熟練した測定者を必要とせず、部分放電の判定
を簡単に行うことができる。
【0028】本発明の請求項に発明においては、
上記()〜()のように、測定信号と課電位相信号
からφ、q、nを算出して、φ、q、nを用いて統計的
手法により分類用特性値を計算し、この特性値をもとに
予め測定の目的に応じて作成したグループに分類し、各
グループに対応した各グループ専用の部分放電判定手段
により部分放電の有無を判定させているので、判定精度
の高い部分放電判定を行うことができる。本発明の請求
の発明においては、上記()のように構成したの
で、さらに高精度な部分放電判定を行うことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】図3は本発明の実施例の測定回路
の構成を示す図であり、本実施例においては、22kV
CVケーブル(絶縁厚6mm)を用いて模擬的に欠陥を
作り課電試験を実施した。同図において、1はCVケー
ブル、2a,2bは気中端末部、3は結合コンデンサ、
4a,4bは部分放電検出器である。また、9は電力ケ
ーブルに設けられた模擬欠陥部である。本実施例におい
て、模擬欠陥部9は部分放電の発生を容易にするため、
ケーブルシースおよび遮蔽層の一部をはぎ取り、外部導
電層を露出させ、その外部導電層上から絶縁体中にトリ
ーイング針を約1mm差し込んだ。
【0030】5はバランサー、6は部分放電測定器であ
り、部分放電検出器4a,4bの出力はバランサー5を
介して部分放電測定器6に入力され、部分放電測定器6
により測定された部分放電測定信号は課電位相信号8と
ともにデジタル信号に変換されデジタルメモリ7に格納
される。10はパソコンであり、パソコン10は上記部
分放電測定信号と課電位相に基づき、以下説明するよう
にして部分放電判定を行う。11はディスプレイ装置で
あり、パソコン10により求めた、φ−q−nグラフ、
φ−q−tグラフ、部分放電判定結果等を表示する。ま
た、12は課電トランスである。
【0031】次に上記試験回路を使用した本発明の実施
例について説明する。 (1)φ−q−tデータを用いた部分放電判定 (i) 実施例1 図3の試験回路において、課電電圧40kVで部分放電
が発生していることを確認し、この時の測定信号と課電
位相信号をデジタルメモリ7に取り込む。次に、デジタ
ルメモリ内のデータをパソコン10に読み出して、部分
放電信号パターンを20件作成し、パソコン10のソフ
トウェアで実現したニューラルネットワークの学習デー
タとした。パターンの位相軸分割数は、図4(a)に示
すように20分割(分割単位:18°)とし、時間軸は
50サイクルを25分割(分割単位、2サイクル)とし
た。そして、測定された信号を、信号レベルSと信号レ
ベルNの比率で、S/N=2をしきい値とする2分割と
して、各セルにそれ以上の測定信号が含まれていた場合
を1とし、含まれていない場合を0として、図4(b)
に示すφ−q−tパターンを作成した。
【0032】ニューラルネットワークはバックプロパゲ
ーションを使用した3層型(入力層、中間層、出力層)
のものを使用した。そして図5に示すように、入力層U
iの数は位相軸分割数に時間軸分割数を乗じた500個
とし、また、中間層Umの数を50個とし、出力層Uo
の数を2個とした。学習はシグモイド関数を使用し、未
知のデータに対しても判定精度をよくするため、予め学
習データには10%程度の誤差をのせてバックプロパゲ
ーション法により50000回学習させた。また、課電
を行っていないときに検出されたノイズ信号について
も、同様にパターン化してニューラルネットワークに部
分放電なしとして学習させた。
【0033】次に、6kVの電力ケーブルサンプル5本
の課電試験を実施し、部分放電測定器で測定した信号を
上記のようにして学習させたニューラルネットワークに
入力して、部分放電の有無を判定させた。課電方法およ
び測定方法は、図3と同様であるが、模擬欠陥部9は設
けていない。課電試験は10kV/5分ステップで昇圧
させ、100kVを上限電圧とした。各電圧ステップに
おいて、ニューラルネットワークにより部分放電判定を
行い、部分放電が判定された場合は、課電を中止した。
試験結果は次の表1のようになった。
【0034】
【表1】
【0035】ニューラルネットワークによる部分放電判
定の結果、No.1〜No.3およびNo.5は上限電
圧100kVで部分放電無しと判定された。No.4
は、80kVにおいて部分放電有りと判定され、課電を
中止した。その後、No.4のサンプルについて調査し
たところ、絶縁体に外傷の存在が確認された。
【0036】(ii)実施例2 現場に布設された275kV級CVケーブル線路の運用
時および運用休止時(無課電時)に部分放電信号の測定
を行い、本発明による方法を実施した。また、同時に従
来のφ−q−nパターンをニューラルネットに入力して
部分放電を判別させる方法との比較をおこなった。本発
明およびφ−q−nパターンを用いる従来のニューラル
ネットワークのどちらも、前記図16に示したような第
1象限と第3象限に発生する典型的な部分放電信号とノ
イズ信号を学習させた。
【0037】本発明のニューラルネットワークは、前記
図4に示したものと同様、パターンの位相軸分割数を2
0分割(分割単位:18°)とし、時間軸は50サイク
ルを25分割(分割単位、2サイクル)とした。したが
って、前記図5に示してように、入力層の数は500個
とし、また、中間層の数を50個、出力層の数を2個と
した。学習はバックプロパゲーション法により5000
0回学習させた。測定時間は、運用時に4時間、その後
の運用休止時に4時間とした。
【0038】運用時の測定において、約3時間経過した
時点から継続して測定開始時には見られない異常信号が
検出された。その時の測定信号をもとに、φ−q−nパ
ターンおよびφ−q−tパターンを作成し、従来のφ−
q−nパターンを用いるニューラルネットワークおよび
本発明のニューラルネットワークにそれぞれのパターン
を入力し、部分放電の有無を判別させた。
【0039】本発明のニューラルネットワークでは部分
放電なしと判別されたが、従来のニューラルネットワー
クでは、部分放電有りと判別された。その後、運用を休
止した状態で、同様に測定を実施した。運用時の途中か
ら見られた異常信号が測定され、課電に伴う信号ではな
いことが確認された。その後の測定においては、異常信
号は確認されなかった。これらの測定結果から、測定さ
れた信号の時間的変化が失われたφ−q−nパターンで
行う従来方法に比べて、本発明のφ−q−tパターンで
判別を行う方法の有効性が検証された。
【0040】(2)測定信号のグループ化による部分放
電判定 (i) 実施例3 未知の測定データに対して、グループ判定を利用した部
分放電測定を実施した。予め部分放電データとノイズデ
ータにより分類グループを作成した。部分放電データは
図3に示した試験回路を用い、前記した模擬欠陥9を設
けた22kVCVケーブルに40〜60kVを課電した
ときに発生した部分放電信号をデータとした。また、ノ
イズデータとしては、洞道に布設された275kV25
00sqCAZVケーブル線路において無課電時に測定
したデータを用いた。
【0041】図6に部分放電データおよびノイズデータ
の例を示す。なお、同図の横軸は位相角φ、縦軸は電荷
量qであり、濃淡は発生数n(発生頻度)を示す。これ
らの各データのφ−q−nパターンから5種類の特性値
を求めた。5種類の特性値は、放電電荷量の平均変動、
放電電荷量の分散変動、発生位相角の平均変動、発生位
相角の分散変動、発生数の変動である。それぞれの概要
を次に示す。また、部分放電およびノイズについて求め
た特性値の例を図7、図8に示す。 放電電荷量の平均変動 ある位相φi における平均電荷量を次の式(1)で表
し、平均電荷量を各位相について求めたものを平均電荷
量の変動値とする。
【0042】
【数1】
【0043】 放電電荷量の分散変動 電荷量分散を次の式(2)で表し、電荷量分散を各位相
について求めたものを平均電荷量の分散変動値とする。
【0044】
【数2】
【0045】 発生位相角の平均変動 平均発生位相角を次の式(3)とし、各位相について求
めた平均発生位相角を平均発生位相角の変動値とする。
【0046】
【数3】
【0047】 発生位相角の分散変動 位相角分散を次の式(4)とし、位相角分散を角位相に
ついて求めたものを平均発生位相角の分散変動値とす
る。
【0048】
【数4】
【0049】 発生位相角の変動 ある位相φiにおけるniの合計をNとして、Nを各位
相について求めたものを発生数の変動値とする。これら
の特性値により、クラスター分類によるグループ分けを
行った。クラスター分類とは分類アルゴリズムの総称で
あり、一般的に用いられている凝集法(ツリークラスタ
リング)を使用した。これは、クラスター間の類似性や
距離(多次元空間のパターン間の距離)を利用した逐次
的にある凝集ルール(結合ルール)のもとにクラスター
を結び付けていく方法である。凝集ルールとして小集団
を分類しやすい特徴があるウォード法を採用した。
【0050】分類用データからそれぞれ5つの特性値を
計算し、この特性値をもとにクラスター分類を行って作
成した樹形図を図9、図10に示す。データ群は、まず
結合距離90以上の位置で大きく2つのグループ(Gr
1,Gr2)に分けることができ、各々のグループ内の
データは結合距離30以下の位置でサブグループを構成
している。結合距離約8をしきい値とすると、図9、図
10に示すようにデータ群は5つのサブグループ(Gr
1−1,Gr1−2,Gr1−3,Gr2−1,Gr2
−2)に分けることができる。ここで、各グループに分
類されたデータの内訳と主な特徴を表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】Gr1の大半は部分放電で占められてお
り、ほとんどはGr1−1とGr1−2に分類される。
Gr1−3は一部に第1、第3象限を含んでいるか又は
単独象限に発生している様なケースが分類されており、
その多くはノイズが占めている。Gr2の場合は、部分
放電の5%を除いて全てノイズである。上記したクラス
ター分類の結果をもとに、前記図2に示したようにグル
ープ分けを行うグループ判定用ニューラルネットワーク
と、各グループに対応した部分放電判定ニューラルネッ
トワークを作成した。
【0053】ニューラルネットワークには、バックプロ
パゲーションを利用した3階層(入力層、中間層、出力
層)のものを使用した。グループ判定用のニューラルネ
ットワークの入力層は92個、中間層を46個、出力層
を5個とした。各グループに対応した部分放電判定用ニ
ューラルネットワークの入力層は92個、中間層を46
個、出力層を2個とした。学習データは各グループから
代表的なデータを選び、学習にはジグモイド関数を利用
して、未知のデータに対しても判定精度をよくするため
に、10%程度のランダムノイズを与えて収束するまで
学習させた。
【0054】図11はグループ判定を利用した本実施例
の部分放電判定フローの概要である。同図に示すよう
に、未知のデータ400件を用いて5つの分類用特性値
を計算し、グループ判定用のニューラルネットワークに
上記5つの分類特性値を入力し、特性値をもとにグルー
プGr1−1〜Gr2−2に分類した。さらに各グルー
プ毎の部分放電判定用ニューラルネットワークに上記分
類特性値を入力し、上記各ニューラルネットワークによ
り部分放電とノイズ(同図において、PDは部分放電、
NOISEはノイズを表している)の判定を行った。一
方、比較として、全てのグループの学習データを用いて
φ−q−nパターンのデータを入力するニューラルネッ
トワークを作成し、同じデータで評価を行った。下記表
3に上記評価結果を示す。
【0055】
【表3】
【0056】上記表3から、グループ判定なしの場合は
86.3%の正答率であったものが、グループ判定を用
いた場合には、グループ毎で正答率にバラツキがあるも
のの全体で93.8%と、判定精度が向上していること
がわかる。
【0057】(ii)実施例4 上記実施例3におけるグループ判定方法を用いた場合
に、誤判別したデータを確認したところ、特にGr1−
1,Gr1−2に関してφ−q−nパターンの第1、第
3象限に発生している誤ったノイズが比較的多く見られ
た。そこで、さらに正答率を向上させるため、第1、第
3象限に発生するノイズを識別するため、実施例3のグ
ループ判定用のニューラルネットワークによる部分放電
判定に、前記実施例1,2で説明したφ−q−tパター
ンによるニューラルネットワーク判定を追加して実施し
た。
【0058】すなわち、狭い時間範囲を見た場合、部分
放電信号はある位相範囲内にランダム的に発生している
のに対し、ノイズは同じ位相に継続して発生している
(以下、同期ノイズと称す)か、または、時間とともに
発生位相がずれていく傾向が見られる。これらの特徴を
前記実施例1、2で説明したφ−q−tパターン判定ニ
ューラルネットワークに入力して判定させることにし
た。
【0059】図12に本実施例の部分放電判定のフロー
の概略を示す。同図に示すように、グループ判定用のニ
ューラルネットワークによりグループGr1−1〜Gr
2−2に分類し、各グループ毎の部分放電判定用ニュー
ラルネットワークにより部分放電とノイズの判定を行っ
た。そして、上記部分放電とノイズにそれぞれに対応さ
せたφ−q−tパターン判定ニューラルネットワークに
より部分放電とノイズの判別をおこなった。φ−q−t
パターン判定ニューラルネットワークの入力データは、
位相角度φを20分割、時間軸tは20サイクルを10
分割とし、各セルの値に部分放電電荷量qを入力した。
なお、同じセルに複数の信号が含まれる場合は、最も大
きい電荷量で代表させた。
【0060】図13に部分放電と同期ノイズの一例を示
す。φ−q−tパターン判定ニューラルネットワーク
は、グループ判定と同様に3層型を使用し、入力層は2
00個(20×10)、中間層を50個、出力層を3個
とした。出力層の3個は、「部分放電」、「1・3象限
ノイズ」、「その他のノイズ」に対応させ、学習データ
には、それぞれの特徴を持つデータを選んだ。学習方法
は前記したのと同様である。
【0061】未知のデータ400件を用いて、グループ
判定ニューラルネットおよび各グループの部分放電判定
用ニューラルネットワークには、前記したようにφ−q
−nパターンから分析した5つの特性値を入力し、部分
放電とノイズの何方の場合にも、最終的にφ−q−tパ
ターンによって部分放電判別の評価を行った。また、比
較として、全てのグループの学習データを用いてφ−q
−nパターンのデータを入力するニューラルネットワー
クを作成し、同じデータを入力して評価した。上記評価
結果を表4に示す。
【0062】
【表4】
【0063】上記表4からグループ判定なしの場合は、
86.3%の正答率であったものが、本実施例のように
φ−q−tパターンによるニューラルネットワークを追
加したグループ判定を用いた場合には、全体で96.8
%と、判定精度が大きく向上している。また、実施例3
と比較しても正答率が高くなっている。
【0064】ところで、上記したように電圧位相と、部
分放電信号および同期ノイズは例えば図14に示すよう
に表れ、部分放電信号は電圧位相φ1およびφ3の中で
発生位相がばらつくが、同期ノイズの発生位相にはほと
んどバラツキがない特徴がある。したがって、上記部分
放電信号と同期ノイズをφ−q−tパターンで表示する
と前記した図13に示すようになり、同期ノイズは電圧
位相に対する発生位相位置が安定するが、部分放電信号
は電圧位相に対する発生位置がランダムになり、両者の
差がはっきり分かり区別がつく。
【0065】一方、φ−q−nパターンでは時間的変化
の特徴が失われるので、部分放電信号をφ−q−nパタ
ーンで表示すると前記図6に示すようになり、部分放電
信号と同期ノイズの差が分かりにくいが、φ−q−nパ
ターンは欠陥種別の判別等には必要な情報を提供する。
そこで、φ−q−nパターンとφ−q−tパターンの両
方を前記したディスプレイ装置11に表示させることに
より、それぞれの表示方法の特徴を生かすことができ
る。
【0066】図15にその表示結果の一例を示す。同図
において上段はφ−q−nパターン、中段は部分放電電
荷量qの時間的変化、下段はφ−q−tパターン、CH
1,CH2,CH3は測定チャンネルである。なお、同
図では発生数n、電荷量qを濃淡で示しているが、濃淡
に変えてカラー表示することにより、発生数n、電荷量
q等を容易に把握できるようになる。なお、ディスプレ
イ装置11へ表示するグラフの種類は、被測定対象によ
り変えてもよい。例えば、ノイズ判別を対象に行う場合
には、上段に電荷量−発生周波数を表示してもよい。
【0067】上記のように、1画面上に少なくとも2種
類以上のパターンを表示することにより、それぞれの表
示方法の特徴を生かして精度のよい部分放電の判定が可
能となる。したがって、上記表示方法を単独で用いた
り、あるいは、上記した実施例1〜4に示した部分放電
判定手法等と組み合わせることにより、より一層部分放
電の判定精度を向上させることができる。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、以下の効果を得ることができる。 (1)φ−q−tパターンを用いることにより、部分放
電に特有な発生位相角度の時間的変化の特徴を失うこと
なく、測定信号パターンを作成することができ、これら
の測定信号パターンによりニューラルネットワークで部
分放電判定を行っているので、熟練した測定者を必要と
せず、部分放電の判定を簡単に行うことが可能となる。
【0069】(2)測定信号と課電位相信号からφ、
q、nを算出して分類用特性値を計算し、この特性値を
もとに予め測定の目的に応じて作成したグループに分類
し、各グループに対応した各グループ専用の部分放電判
定手段により部分放電の有無を判定させているので、判
定精度の高い部分放電判定を行うことができる。また、
これらのグループ判定による部分放電判定に、φ−q−
tパターンによるニューラルネットワーク判定を追加す
ることにより、更に判定精度を向上させることができ、
確度の高い部分放電判定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のφ−q−tパターンを用いた部分放電
判定を説明する図である。
【図2】本発明の測定信号のグループ化による部分放電
判定を説明する図である。
【図3】本発明の試験回路の構成を示す図である。
【図4】φ−q−tパターンの一例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施例のニューラルネットワー
クの構成を示す図である。
【図6】部分放電データおよびノイズデータの例を示す
図である。
【図7】部分放電について求めた特性値の例を示す図で
ある。
【図8】ノイズについて求めた特性値の例を示す図であ
る。
【図9】クラスター分類を行って作成した樹形図を示す
図である。
【図10】クラスター分類を行って作成した樹形図(続
き)を示す図である。
【図11】グループ判定を利用した部分放電判定フロー
の概要である。
【図12】グループ判定とφ−q−tパターンを利用し
た部分放電判定フローの概要である。
【図13】部分放電と同期ノイズの一例を示す図であ
る。
【図14】電圧位相と信号およびノイズを示す図であ
る。
【図15】2種類以上のパターンの表示例を示す図であ
る。
【図16】課電位相に対する部分放電発生角度を示す図
である。
【図17】φ−q−nパターンの一例を示す図である。
【図18】部分放電判定用のニューラルネットワークの
一例を示す図である。
【符号の説明】
1 CVケーブル 2a,2b 気中端末部 3 結合コンデンサ 4a,4b 部分放電検出器 9 模擬欠陥部 5 バランサー 6 部分放電測定器 8 課電位相信号 7 デジタルメモリ 10 パソコン 11 ディスプレイ装置 12 課電トランス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土屋 廣明 東京都千代田区丸の内二丁目6番1号 古河電気工業株式会社内 (72)発明者 柴田 恵一 東京都千代田区丸の内二丁目6番1号 古河電気工業株式会社内 (72)発明者 鳴井 陽子 東京都千代田区丸の内二丁目6番1号 古河電気工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−166421(JP,A) 特開 平5−256895(JP,A) 特開 平5−80112(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 31/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力ケーブルの部分放電を測定する方法
    において、 測定された信号の発生位相角度φと放電電荷量の大きさ
    qを1乃至複数の課電位相サイクル毎に時系列的に羅列
    させたφ−q−tパターンを作成し、 予め部分放電信号のφ−q−tパターンを学習させたニ
    ューラルネットワークに上記測定信号より得たφ−q−
    tパターンを入力し、部分放電信号の有無を判断させる
    ことを特徴とする部分放電測定方法。
  2. 【請求項2】 電力ケーブルの部分放電を測定する方法
    において、 測定された信号のうち、所定の放電電荷量の大きさ以上
    の信号が発生した位相角度φを1乃至複数の課電位相サ
    イクル毎に時系列に羅列させてφ−tパターンを作成
    し、 予め部分放電信号のφ−tパターンを学習させたニュー
    ラルネットワークに上記測定信号を入力し部分放電の有
    無を判断させることを特徴とする部分放電測定方法。
  3. 【請求項3】 電力ケーブルの部分放電を測定する方法
    において、放電電荷量q、発生位相角度φ、発生数nの中から、少
    なくとも2つ以上の値を用いて統計的手法により分類用
    特性値を計算し、 上記特性値に基づいて、上記測定信号を少なくとも2つ
    以上のグループに分類し、上記分類結果を用いて部分放
    電判定を行うことを特徴とする部分放電測定方法。
  4. 【請求項4】 上記グループは、部分放電グループ、ノ
    イズグループ、部分放電とノイズが混在するグループ
    うちの2以上のグループとすることを特徴する請求項
    の部分放電測定方法。
  5. 【請求項5】 電力ケーブルの部分放電を測定する方法
    において、放電電荷量q、発生位相角度φ、発生数nの中から、少
    なくとも2つ以上の値を用いて統計的手法により分類用
    特性値を計算し、 上記特性値に基づいて、上記測定信号を少なくとも2つ
    以上のグループに分類し、上記分類結果を用いて部分放
    電判定を行うとともに、 上記部分放電判定結果に対応させた学習用φ−q−tパ
    ターンを上記部分放電判定結果に対応させて用意したニ
    ューラルネットワークに入力して学習させ、 測定された信号の発生位相角度φと放電電荷量の大きさ
    qを、課電位相サイクルt毎に時系列的に羅列させたφ
    −q−tパターンを作成し、 上記それぞれのニューラルネットワークに上記部分放電
    判定結果を得たφ−q−tパターンを入力し、 上記ニューラルネットワークにより上記分類結果を用い
    て行った部分放電の判定結果を評価することを特徴とす
    る部分放電測定方法。
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