JP3201728B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JP3201728B2
JP3201728B2 JP00027097A JP27097A JP3201728B2 JP 3201728 B2 JP3201728 B2 JP 3201728B2 JP 00027097 A JP00027097 A JP 00027097A JP 27097 A JP27097 A JP 27097A JP 3201728 B2 JP3201728 B2 JP 3201728B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウエット性能を向
上しつつタイヤ騒音を低減した空気入りタイヤに関す
る。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】タイ
ヤと路面との間の水膜を接地領域外に排水して、雨天時
などの濡れた路面での走行性能(ウエット性能)を高め
るために、トレッド部には、従来、水流線に沿う円周方
向の縦溝をトレッド巾に応じた本数で形成している。
【0003】他方、近年の車両の静粛性向上に伴い、タ
イヤ騒音に対する低減も、強く望まれており、特に前記
縦溝が発生源となる周波数0.8〜1.0kHzの気柱
共鳴は、人間が聴取しやすく耳障りとなるなどタイヤ騒
音への影響は大である。
【0004】なお一般に、気柱共鳴を抑制するために
は、縦溝の本数及び溝巾等を減ずることが効果的である
ことは知られているが、この縦溝本数、溝巾等の減少
は、逆に前記ウエット性の低下を招くなど、二律背反の
関係にあり、従来は、このような相反する性能のいずれ
かを犠牲にして、タイヤ性能が調整されていた。
【0005】そこで本発明のうち請求項1記載の発明
は、縦溝と横溝の配置位置、溝巾、及び横溝の周方向に
対する交差角等を夫々特定することを基本として、気柱
共鳴に基づく通過騒音性とウエット性能とをともに向上
でき前記問題点を解決しうる空気入りタイヤの提供を目
的としている。
【0006】また、請求項2記載の発明は、ウエット性
能の向上効果をさらに高めうる空気入りタイヤの提供を
目的としている。
【0007】また、請求項3記載の発明は、ウエット性
能向上と通過騒音性向上との両立を確実に行いうる空気
入りタイヤの提供を目的としている。
【0008】また、請求項4記載の発明は、縦溝と横溝
の配置位置、溝巾、及び横溝の周方向に対する交差角等
を夫々特定することに加え、トレッド接地巾に関連づけ
たサイピングを設けることにより、気柱共鳴に基づく通
過騒音性とウエット性能とをともに向上でき、かつ乗り
心地と雪上性能をも向上しうる空気入りタイヤの提供を
目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のうちで請求項1記載の発明は、トレッド部
を、タイヤ赤道Cから両側にトレッド接地巾TWの0.
1〜0.15倍の距離L1をタイヤ軸方向に隔たる第1
の円周方向線X1間の中央域Y1、前記タイヤ赤道Cか
らトレッド接地巾TWの0.325〜0.375倍の距
離L2をタイヤ軸方向に隔たる第2の円周方向線X2と
前記第1の円周方向線X1との間の中間域Y2、及び前
記第2の円周方向線X2より外側のショルダー域Y3に
区分し、しかも前記中央域Y1に、タイヤ円周方向に連
続してのびかつ前記トレッド接地巾TWの0.05〜
0.15倍の溝巾W1を有する1本の縦主溝を設ける一
方、前記中間域Y2とショルダー域Y3とに、タイヤ円
周方向にのびる縦溝を設けることなく、前記中央域Y1
から中間域Y2とショルダー域Y3とを横切りかつ外端
がトレッド端で開口するとともに前記トレッド接地巾T
Wの0.02〜0.035倍の溝巾W2を有してタイヤ
円周方向に隔置した複数の横溝を設けるとともに、この
横溝の前記第1の円周方向線X1との交差角度θ1を1
0〜25度、かつ前記第2の円周方向線X2との交差角
度θ2を30〜45度とした空気入りタイヤである。
【0010】また、請求項2記載の発明は、前記中央域
Y1は、前記縦主溝の両側に、溝巾W3が前記トレッド
接地巾TWの0.05倍より小の縦細溝を有し、この縦
細溝に前記横溝の内端が接続することを特徴としてい
る。
【0011】また、請求項3記載の発明は、前記横溝
の、中間域Y2における本数は25〜45本であること
を特徴としている。
【0012】また、請求項4記載の発明は、トレッド部
を、タイヤ赤道Cから両側にトレッド接地巾TWの0.
1〜0.15倍の距離L1をタイヤ軸方向に隔たる第1
の円周方向線X1間の中央域Y1、前記タイヤ赤道Cか
らトレッド接地巾TWの0.325〜0.375倍の距
離L2をタイヤ軸方向に隔たる第2の円周方向線X2と
前記第1の円周方向線X1との間の中間域Y2、及び前
記第2の円周方向線X2より外側のショルダー域Y3に
区分し、しかも前記中央域Y1に、タイヤ円周方向に連
続してのびかつ前記トレッド接地巾TWの0.05〜
0.15倍の溝巾W1を有する1本の縦主溝を設ける一
方、前記中間域Y2とショルダー域Y3とに、タイヤ円
周方向にのびる縦溝を設けることなく、前記中央域Y1
から中間域Y2とショルダー域Y3とを横切りかつ外端
がトレッド端で開口するとともに前記トレッド接地巾T
Wの0.02〜0.035倍の溝巾W2を有してタイヤ
円周方向に隔置した複数の横溝を設け、しかもこの横溝
の前記第1の円周方向線X1との交差角度θ1を10〜
25度、かつ横溝の前記第2の円周方向線X2との交差
角度θ2を30〜45度とするとともに、前記中間域Y
2に、少なくとも一端が前記横溝で開口しかつ溝巾が
1.5mm以下のサイピングを設け、しかもこの中間域で
かつ横溝間に含まれるサイピングのタイヤ周方向成分長
さの総和Lcとタイヤ軸方向成分長さの総和Lwとの徹
和Lを、トレッド接地巾TWの0.7〜1.2倍とした
空気入りタイヤである。
【0013】また、請求項5記載の発明は、請求項4記
載の前記中央域Y1は、前記縦主溝の両側に、溝巾W3
が前記トレッド接地巾TWの0.05倍より小の縦細溝
を有し、この縦細溝に前記横溝の内端が接続することを
特徴としている。
【0014】また、請求項6記載の発明は、請求項4記
載の前記横溝の、中間域Y2における本数は25〜45
本であることを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第一の実施形態
を、図示例とともに説明する。図1において空気入りタ
イヤ1は、本例では、タイヤ巾に対するタイヤ断面高さ
の比である偏平率を80%以下、例えば65%とした偏
平な乗用車用ラジアルタイヤであって、トレッド部2か
らサイドウォール部3を通りビード部4のビードコア5
の廻りで折返して係止されるラジアル配列のカーカス6
と、このカーカス6の半径方向外側かつトレッド部2の
内方でタガ効果を有して巻装される強靱なベルト層7と
を具える。
【0016】又前記トレッド部2は、タイヤ赤道C側の
中央域Y1と、その両外側の中間域Y2、Y2と、各中
間域Y2のさらに外側のショルダー域Y3、Y3とから
形成され、前記中央域Y1に1本の縦主溝Mを設けると
ともに、前記中間域Y2とショルダー域Y3とにタイヤ
円周方向の縦溝を配することなく複数の横溝Gを設けて
いる。
【0017】ここで前記中央域Y1は、図2に示すよう
に、タイヤ赤道Cから両側にトレッド接地巾TWの0.
1〜0.15倍の範囲の距離L1をタイヤ軸方向に隔た
る第1の円周方向線X1、X1間の領域として定義され
る。又前記中間域Y2は、タイヤ赤道Cからトレッド接
地巾TWの0.325〜0.375倍の範囲の距離L2
をタイヤ軸方向に隔たる第2の円周方向線X2と前記第
1の円周方向線X1との間の領域として定義される。さ
らに前記ショルダー域Y3は、この第2の円周方向線X
2よりタイヤ軸方向外側の領域として定義される。
【0018】又前記トレッド接地巾TWとは、タイヤ1
をJATMA等の規格で定まる標準リムに取付けかつ標
準内圧を充填するとともに、前記規格で定まる最大荷重
の略70%の荷重を負荷した時にトレッド部2が路面に
接地するトレッド接地領域Yのタイヤ軸方向の巾で定義
される。
【0019】前記縦主溝Mは、タイヤ赤道C上を連続し
てのびる、例えば直線状のストレート溝であって、その
溝巾W1を前記トレッド接地巾TWの0.05〜0.1
5倍とした最も広巾に形成している。一般に、タイヤ赤
道近傍の中央域Y1には、水の留点が発生しやすく、特
に偏平タイヤでは一般タイヤに比較して中央域Y1の接
地圧が減ずるためにこの傾向が強くなり水膜の影響が大
となる。従って、高い排水効果が要求される前記中央域
Y1には、ある程度の気柱共鳴を励起するものの、最も
巾広の前記縦主溝Mを、最小限の本数で設けている。
【0020】又中央域Y1には、前記縦主溝Mの両外側
に、夫々溝巾W3を前記トレッド接地巾TWの0.05
倍より小、好ましくは0.02〜0.035倍でタイヤ
周方向に直線状で連続してのびる縦細溝mを設けてい
る。そして、前記縦主溝Mと縦細溝mとの間に溝が設け
られていないストレートリブを形成し、操縦安定性と中
央域Y1での排水性とをバランス良く高めている。なお
公知の如く、溝巾の低下とともに気柱共鳴音は減少する
ため、この縦細溝mによる気柱共鳴の発生は低く抑えら
れることとなる。
【0021】さらに、前記中間域Y2及びショルダー域
Y3においては、タイヤ円周方向に連続してのびる縦溝
に代えて、タイヤ円周方向と交わる向きの横溝Gを多数
形成している。
【0022】前記横溝Gは、前記トレッド接地巾TWの
0.02〜0.035倍の比較的小な溝巾W2を有す
る。また、横溝Gは、前記縦細溝mに接続する内端Gi
から中間域Y2とショルダー域Y3とを横切ってのびる
とともに、外端Goはトレッド端Eで開口する。
【0023】又横溝Gは、前記中間域Y2を通る本体部
G1では、前記第1の円周方向線X1との鋭角側の交差
角度θ1を10〜25度、かつ前記第2の円周方向線X
2との鋭角側の交差角度θ2を30〜45度とした同一
の傾斜の向きで折れ線状に形成したものを例示してい
る。
【0024】なお横溝Gは、本例では、中央域Y1では
前記本体部G1と滑らかに連って内端Giまでのび、又
ショルダー域Y3ではタイヤ円周方向に対して60〜9
0度の角度θ3、本例では90度でのびる外端部分G2
を有して前記本体部G1と屈曲状に接続している。
【0025】このように横溝Gは、少なくとも外端Go
がトレッド端Eで開口し、かつ本体部G1が周方向に対
して浅い傾きをなすため、中間域Y2では縦溝に相当す
る排水性を発揮する。
【0026】なお、特に高い排水効果が要求される中央
域Y1において、前記横溝の交差角度θ1が25度より
も大きくなると、旋回時のウエット性能が増す分、直進
時のウエット性能を向上しえない傾向にあり、逆に交差
角度θ1が10度を下回ると、直進時のウエット性能が
増す分、旋回時のウエット性能が向上し得ない傾向にあ
る。
【0027】したがって、旋回時及び直進時双方におい
てウエット性能を向上するためには、前記交差角度θ1
を10〜25度の範囲の小角度として縦溝Mにより近似
させることが必要となる。これによって、横溝Gは、要
求に応じた高い排水性を発揮しうる。
【0028】他方、横溝Gは、少なくとも前記交差角度
θ1以上の角度で前記第2の円周方向線と交わっている
こと、および溝巾W2を、縦細溝mと略同一の0.02
TW〜0.035TWの小巾とした相乗作用により、気
柱共鳴発生への寄与率が低く、気柱共鳴音自体も低減し
うる。
【0029】加えて、横溝Gの交差角度θ1、θ2を前
記の如く制限することによって、発生する気柱共鳴音
を、耳障りな0.8〜1.0kHzより低い周波数域に分
散することができる。さらに、この中間域Y2及びショ
ルダー域Y3から縦溝を一切排除しているため、気柱共
鳴に基づくタイヤ騒音、いわゆる通過騒音性を向上する
ことが可能となる。
【0030】又本例では、ショルダー域Y3を通る横溝
の外端部G2は、前記交差角度θ3で傾くことにより、
流水線aに近似してのびるなど水流に対する抵抗が少な
く、溝内に集まる水を効率良く接地領域外に排出しう
る。また横溝Gは、水膜破断効果を有するなど、従来の
縦溝と横溝の双方の機能を兼ね備え、ウエット性能を向
上しうる。
【0031】なお前記縦主溝Mを2本以上形成したと
き、中間域Y2及びショルダー域Y3に縦溝を形成した
とき、さらには縦主溝Mの溝巾W1及び横溝Gの溝巾W
2をそれぞれトレッド接地巾TWの0.15倍より大及
び0.035倍より大としたときには、ウエット性能が
過剰となる反面、通過騒音性の向上効果を達成できな
い。
【0032】又前記縦主溝Mの溝巾W1がトレッド接地
巾TWの0.05倍未満の場合、又は横溝Gの溝巾W2
がトレッド接地巾TWの0.02倍未満の場合には、ウ
エット性能が極端に低下するため採用し難い。
【0033】なお前記横溝Gの形成本数は、タイヤの直
径によっても異なるが、前記効果を確実に達成するため
には、乗用車用タイヤの場合、中間域Y2における本数
を25〜45本とすることが好ましい。なお25本未満
ではウエット性が相対的に低下する傾向があり、逆に4
5本をこえると一般のノイズ性能が悪化する傾向があ
る。
【0034】このように本発明では、通過騒音性を向上
するために、縦主溝Mの存在を最小限としかつ中間域Y
2及びショルダー域Y3から縦溝を排除するとともに、
ウエット性能を向上するために、縦溝に代えて周方向に
対して浅い傾きをなす巾狭の横溝Gを中間域Y2からシ
ョルダー域Y3にかけて配置し、これらの相乗作用によ
ってウエット性能の向上と通過騒音性の向上との両立が
始めて達成されるのである。
【0035】なおショルダー域Y3には、例えば横溝
G、G間にラグ溝10を配することができ、このラグ溝
10は、本例では前記外端部G2と略同巾、略同角度で
形成したものを例示している。
【0036】又前記縦主溝Mは、ストレート溝の他、ジ
グザグ状に屈曲させてもよく、又縦細溝mを設けること
なく横溝Gを内端Giで閉止して終端させても良い。又
横溝Gは、図3に示すように、中間域Y2を通る本体部
G1を、円孤等の滑らかな曲線状に形成しても良く、こ
のとき接線の円周方向線X1、X2との交差角度θ1、
θ2を、夫々10〜25度及び30〜45度としてい
る。
【0037】なお、本発明の空気入りタイヤは、タイヤ
赤道Cに対して左右の横溝G、Gは、図2に示すごと
く、左右同方向に傾斜させたいわゆる非方向性パターン
とするほか、図4に示すように、左右の横溝G、Gの傾
斜の向きを逆方向として略V字に傾斜させた方向性パタ
ーンとしても採用することができる。
【0038】次に、本発明の第二の実施形態を、図示例
とともに説明する。図5には、本発明の第二の実施形態
のトレッドパターンを示しており、タイヤの内部構造
や、トレッド部の縦主溝M、横溝G、縦細溝m、ラグ溝
10などに関する規定ないし作用効果は、そのままこの
例にも適用できる。したがって、同一の構成については
同一の符号を付し、ここでの説明は省略する。
【0039】本例では、前記中間域Y2に、少なくとも
一端が前記横溝Gで開口しかつ溝巾が1.5mm以下のサ
イピング11を含み、しかも中間域Y2の横溝G、G間
に含まれるサイピングのタイヤ周方向成分長さの総和L
cとタイヤ軸方向成分長さの総和Lwとの和Lを、トレ
ッド接地巾TWの0.7〜1.2倍としたことを特徴と
している。
【0040】前記各サイピング11は、本実施形態で
は、前記縦細溝m前記第2の円周方向線X2まで傾斜し
て直線状にのびることにより、一端ないし両端が前記横
溝Gに開口するとともに、前記ショルダ域Y3を略タイ
ヤ軸方向と平行にのびるものを例示している。なおサイ
ピング11の一端が、前記横溝Gに開口しないと、該横
溝G、G間のブロックBの剛性を低下することができな
い。
【0041】そして、前記中間域Y2に含まれ、かつタ
イヤ周方向に隣り合う横溝G、G間に含まれる少なくと
も一端が横溝Gに開口したサイピング11のタイヤ周方
向成分長さLciの総和Lcと、タイヤ軸方向成分長さ
Lwiの総和Lcとの和Lを、トレッド接地巾TWの
0.7〜1.2倍に設定している。
【0042】本発明では、前記横溝Gをタイヤ周方向に
対して比較的浅い角度で配しているため、この横溝G、
Gに挟まれるブロックBが、タイヤ周方向に長くなる傾
向がある。このため、ブロックBのタイヤ周方向剛性が
高すぎ、乗り心地と雪上での走行性能とが低下する傾向
がある。
【0043】そこで、本実施形態のように、中間域Y2
に、タイヤ周方向成分長さLci及びタイヤ軸方向成分
長さLwiをトレッド接地巾TWと関連付けたサイピン
グを設けることにより、前記ウエット性能と通過騒音性
との改善効果を維持したまま乗り心地と雪上性能とを向
上することができる。
【0044】なお前記サイピング11のタイヤ周方向成
分長さLciの総和Lcと、タイヤ軸方向成分長さLw
iの総和Lcとの和Lが、トレッド接地巾TWの0.7
倍未満である場合には、依然としてブロックBの中間域
Y2の剛性が高すぎて良好な乗り心地をうることができ
ず、しかもサイピング11のエッジ成分が不足するため
に十分な雪上性能をも期待できない。逆に前記和Lが、
トレッド接地巾TWの1.2倍を超えると、ブロックB
の中間域Y2での剛性が低下し、操縦安定性を損なう。
【0045】また、サイピング11は、本実施形態のよ
うに前記横溝Gの傾斜の向きと逆方向に傾斜してのびる
ものが好ましい。これによって、タイヤ周方向に長いブ
ロックBを好ましく分断しうる。なお、このサイピング
は図6に示すように、方向性パターンを採用した空気入
りタイヤにも適用できるのは言うまでもない。さらに、
サイピング11は、直線状でのびるほか、図7に示す如
く、屈曲してのびるものでもよい。
【0046】
【実施例】図1に示す構造をなしかつ図2(タイヤA、
B、比較例1、2)、図5(タイヤC、D、E、F)、
図8(従来品)のトレッドパターンを有するタイヤサイ
ズ195/65R15のタイヤを試作するとともに、こ
の試供タイヤを標準リム(15×6JJ)、標準内圧
(2.0kgf/cm2 )のもとで乗用車(2000cc)
の全輪に装着し、以下の性能を比較した。なおタイヤ
A、B、C、D、E、Fは請求項1の発明を満たし、ま
たタイヤD、Eは請求項4の発明を満たす。
【0047】1)旋回時のウエット性能 曲率100mの舗装路面に水深5mm、長さ20mの水た
まりを設けたコースに、速度を段階的に増加させながら
進入し、横加速度(横G)を計測し、70〜90km/h
の速度における平均の横Gにて評価する。従来品を10
0とした指数で表示し、数値が大なほど良好である。
【0048】2)直進時のウエット性能 水深10mmの濡れた直線状の舗装路面に、速度40km
/hで進入し、フルブレーキを掛けて停止するまでの走
行距離を、従来品を100とした指数で表示した。数値
が大なほど優れている。
【0049】3)通過騒音 エンジンオフ状態で速度35km/h、及び60km/
hで走行する車両から側方に7.5m離れた位置にマイ
クセットしてJISO規格C−606に準じてノイズを
測定し、従来品を基準とする差で表示した。
【0050】4)乗り心地性能 タイヤテストコースのドライアスファルト路面上にて、
速度60km/Hで走行したときの乗り心地、ドライバ
ーの官能評価により従来品を100とする指数で表示し
ている。数値の大きい方が良好である。
【0051】5)雪上性能 氷雪路を走行したときの、車両発進時や加速時のトラク
ション性能、およびソフトブレーキや、ハードブレーキ
時の効き具合などからブレーキ性能を総合的かつドライ
バーのフィーリングにより、従来品を100とする指数
で評価した。数値の大きい方が良好である。
【0052】6)官能ノイズ性能 タイヤテストコースのドライアスファルト路面上にて、
速度60km/Hで走行したときの運転席での車内騒音
を、ドライバーの官能評価により従来品を100とする
指数で表示している。数値の大きい方が良好である。
【0053】7)操縦安定性能 タイヤテストコースのドライアスファルト路面上にて、
ハンドル応答性、剛性感、グリップ等に関する特性をド
ライバーの官能評価により従来品を100とする指数で
表示している。数値の大きい方が良好である。テスト結
果を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
【0056】
【発明の効果】請求項1記載の発明では、叙上の如く構
成しているため、ウエット性とタイヤ騒音とを両立して
向上できる。また、請求項2ないし3記載の発明では、
ウエット性とタイヤ騒音とを両立してさらに向上でき
る。
【0057】また、請求項4記載の発明では、縦溝と横
溝の配置位置、溝巾、及び横溝の周方向に対する交差角
等を夫々特定することに加え、トレッド接地巾に関連づ
けたサイピングを設けることにより、気柱共鳴に基づく
通過騒音性とウエット性とをともに向上でき、かつ乗り
心地と雪上性能をも向上しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のタイヤの断面図である。
【図2】そのトレッドパターンを示す部分平面図であ
る。
【図3】横溝の本体部の他の例を示す線図である。
【図4】横溝の他の例を示す線図である。
【図5】トレッドパターンのさらに他の例を示す線図で
ある。
【図6】トレッドパターンのさらに他の例を示す線図で
ある。
【図7】サイピングの他の例を示すトレッドパターンの
線図である。
【図8】表1に記載の従来品のタイヤのトレッドパター
ンを示す線図である。
【符号の説明】
2 トレッド部 E トレッド端 G 横溝 Gi 横溝の内端 Go 横溝の外端 M 縦主溝 m 縦細溝 11 サイピング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60C 11/04 B60C 11/117

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレッド部を、タイヤ赤道Cから両側にト
    レッド接地巾TWの0.1〜0.15倍の距離L1をタ
    イヤ軸方向に隔たる第1の円周方向線X1間の中央域Y
    1、前記タイヤ赤道Cからトレッド接地巾TWの0.3
    25〜0.375倍の距離L2をタイヤ軸方向に隔たる
    第2の円周方向線X2と前記第1の円周方向線X1との
    間の中間域Y2、及び前記第2の円周方向線X2より外
    側のショルダー域Y3に区分し、 しかも前記中央域Y1に、タイヤ円周方向に連続しての
    びかつ前記トレッド接地巾TWの0.05〜0.15倍
    の溝巾W1を有する1本の縦主溝を設ける一方、 前記中間域Y2とショルダー域Y3とに、タイヤ円周方
    向にのびる縦溝を設けることなく、前記中央域Y1から
    中間域Y2とショルダー域Y3とを横切りかつ外端がト
    レッド端で開口するとともに前記トレッド接地巾TWの
    0.02〜0.035倍の溝巾W2を有してタイヤ円周
    方向に隔置した複数の横溝を設けるとともに、 この横溝の前記第1の円周方向線X1との交差角度θ1
    を10〜25度、かつ前記第2の円周方向線X2との交
    差角度θ2を30〜45度とした空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】前記中央域Y1は、前記縦主溝の両側に、
    溝巾W3が前記トレッド接地巾TWの0.05倍より小
    の縦細溝を有し、この縦細溝に前記横溝の内端が接続す
    ることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】前記横溝の、中間域Y2における本数は2
    5〜45本であることを特徴とする請求項1記載の空気
    入りタイヤ。
  4. 【請求項4】トレッド部を、タイヤ赤道Cから両側にト
    レッド接地巾TWの0.1〜0.15倍の距離L1をタ
    イヤ軸方向に隔たる第1の円周方向線X1間の中央域Y
    1、前記タイヤ赤道Cからトレッド接地巾TWの0.3
    25〜0.375倍の距離L2をタイヤ軸方向に隔たる
    第2の円周方向線X2と前記第1の円周方向線X1との
    間の中間域Y2、及び前記第2の円周方向線X2より外
    側のショルダー域Y3に区分し、 しかも前記中央域Y1に、タイヤ円周方向に連続しての
    びかつ前記トレッド接地巾TWの0.05〜0.15倍
    の溝巾W1を有する1本の縦主溝を設ける一方、 前記中間域Y2とショルダー域Y3とに、タイヤ円周方
    向にのびる縦溝を設けることなく、前記中央域Y1から
    中間域Y2とショルダー域Y3とを横切りかつ外端がト
    レッド端で開口するとともに前記トレッド接地巾TWの
    0.02〜0.035倍の溝巾W2を有してタイヤ円周
    方向に隔置した複数の横溝を設け、 しかもこの横溝の前記第1の円周方向線X1との交差角
    度θ1を10〜25度、かつ横溝の前記第2の円周方向
    線X2との交差角度θ2を30〜45度とするととも
    に、 前記中間域Y2に、少なくとも一端が前記横溝で開口し
    かつ溝巾が1.5mm以下のサイピングを設け、しかもこ
    の中間域でかつ横溝間に含まれるサイピングのタイヤ周
    方向成分長さの総和Lcとタイヤ軸方向成分長さの総和
    Lwとの和Lを、トレッド接地巾TWの0.7〜1.2
    倍とした空気入りタイヤ。
  5. 【請求項5】前記中央域Y1は、前記縦主溝の両側に、
    溝巾W3が前記トレッド接地巾TWの0.05倍より小
    の縦細溝を有し、この縦細溝に前記横溝の内端が接続す
    ることを特徴とする請求項4記載の空気入りタイヤ。
  6. 【請求項6】前記横溝の、中間域Y2における本数は2
    5〜45本であることを特徴とする請求項4記載の空気
    入りタイヤ。
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