JP3201639U - プレスローラ用のプレスジャケット - Google Patents

Abstract

【課題】繊維材料ウェブ等を製造する機械において、繊維材料ウェブ、特に紙ウェブ、ボール紙ウェブ、薄葉紙ウェブ若しくはセルロースウェブを脱水するシュープレスのプレスローラ用のプレスジャケットを提供する。【解決手段】特に繊維材料ウェブを製造、又は処理する機械用で、特に抄紙機、ボール紙抄紙機若しくは薄葉紙抄紙機で、ポリウレタンからなる少なくとも１枚の層からなっており、このポリウレタンは、少なくとも２種類のプレポリマーの混合物を備えるポリウレタンマトリックス２で構成され、この各プレポリマーは、ポリイソシアネートを備える２種類の異なるポリオールの反応生成物である。【選択図】図１

Description

本発明は特許請求の範囲第１項、第４項、第７項の前提部分に記載したように繊維材料ウェブ等を製造する機械において、繊維材料ウェブ、特に紙ウェブ、ボール紙ウェブ、薄葉紙ウェブ若しくはセルロースウェブを脱水するシュープレスのプレスローラ用のプレスジャケットに関するものである。

このようなシュープレスにおいて、材料ウェブは少なくとも水不透過性のプレスバンド、たとえばプレスフェルトと共にニップを通過する。このニップはプレスローラとカウンターローラによって形成される。プレスローラは、回転プレスジャケット、固定プレスエレメント、シューからなる。このシューはベアリングヨークを当接し、油圧式プレスエレメントによって回転プレスジャケットにプレスされる。それにより、このプレスジャケットはニップ内のカウンターローラにプレスされる。繊維材料ウェブは、２つのプレスフェルト間、又はプレスフェルトと水不透過性トランスファーバンド間のシュープレスのニップを通過することも可能である。

繊維材料ウェブがニップを通過すると、水は材料ウェブから押し出される。シュープレスは、シューが凹面形状によってカウンターローラに嵌合されることにより区別される。ニップの長さはウェブ動作方向に２５０ｍｍ以上あることが好ましい。そのため、ノーマルローラプレスによるよりもシュープレスによる方が、より多くの水が顕著に押し出される。ニップの中に押し出された水、又はプレスローラ方向に押し出された少なくともその一部は、一時的にプレスフェルトの中に、ニップを通過中はプレスジャケットに、溜められる。水はニップを離れると、プレスジャケットから溝内へ放出されるか、再びニップに入る前に、サクションエレメントによってフェルトから除去される。ニップ通過中、必要な水の貯蔵容積を得るため、多くの場合プレスジャケットは、繊維材料ウェブに面した側面上に溝や盲孔を与える。

プレスジャケットは、シュー周りへ誘導できるように十分に柔軟でなければならず、プレス荷重下、ニップ内で変形せず、十分にプレスされ、耐摩耗性を満足させなければならない。従って、プレスジャケットは単一、又は複数のポリマー層からなり、ノンクリンプ織物、又は織布が包埋された形状の強化糸であるポリウレタンが好ましい。

このようなプレスジャケットは、EP 1 087 056 A2号欧州特許公報で既に周知である。この公報内では、押し出された水を受けるための盲孔を有する側面を備えたプレスジャケットが開示されている。

EP 2 248 944 A1号欧州特許公報には、織布が包埋された架橋ポリウレタン層からなるシュープレス用プレスジャケットが記述されている。架橋ポリウレタンはプレポリマーの反応生成物である。これは、５５〜１００モル％のｐ−フェニレン ジイソシアネートからなるイソシアネート成分、４，４’−メチレンジフェニール ジイソシアネート、又はトルイレン ジイソシアネート、及びポリプロピレン グリコールからなるポリオール成分、ポリテトラメチレン グリコール、又はポリカーボネートジオール、及び架橋結合成分から作成される。これは、６２〜１０００の分子量を有する脂肪ジオールの７５〜９９．９モル％、ヒドロキノンビス−β−ヒドロキシエチルエーテル、又は９２〜１３４の分子量を有する脂肪トリオール化合物の２５〜０．１モル％と１０８〜１３００の分子量を有する有機ポリアミン化合物からなる。この公報では、６２〜１０００の分子量を有する脂肪ジオールの６０〜９９．８モル％、又は１０８〜１３００の分子量を有する有機ポリアミン化合物の０．１〜１５モル％のヒドロキノン ビス−β−ヒドロキシエチルエーテル、及び９２〜１３４の分子量を有する脂肪トリオール化合物の２５〜０．１モル％からなる架橋結合成分を用いた生成物のため、更に対応するプレスジャケットについても開示している。

前記プレスジャケットは十分な柔軟性と同時に剛性を満足させ、化学物質、特に水、油への耐性、耐摩耗性、亀裂形成への耐性を有しているものの、亀裂進展耐性、膨潤挙動については改善の必要がある。

EP 1 087 056 A2号欧州特許公報 EP 2 248 944 A1号欧州特許公報

従って本発明の目的は、プレポリマーの混合物を用いて、低膨潤挙動と同時に良い動的挙動を維持するといった特性を実現することにある。

本目的は、一般的な特徴と併せた各場合における特許請求の範囲第１項、第４項、第７項の特性によって実現される。

本発明は、少なくとも２種類のプレポリマーと少なくとも１つの架橋結合のポリウレタンマトリックスからなる、少なくとも１枚の層を提示するものである。ここで、各プレポリマーは異なるポリオールを伴う反応生成物である。

本発明の他の態様としては、プレポリマーを備え、少なくとも１つの架橋結合を有する、ポリウレタンマトリックスからなる少なくとも１枚の層を挙げることができる。この架橋結合は少なくとも２種類の異なるポリオールの混合物によるポリイソシアネートの反応生成物である。

本発明の第３の態様としては、プレポリマーを備えるポリウレタンマトリックスからなる、少なくとも１枚の層を挙げることができる。このプレポリマーは、ＭＤＩポリエーテルポリカーボネートポリオール、ＴＤＩポリエーテルポリカーボネートポリオール、ＰＰＤＩポリエーテルポリカーボネートポリオール、ＮＤＩポリエーテルポリカーボネートポリオール、ＤＢＤＩポリエーテルポリカーボネートポリオール、ＴＯＤＩポリエーテルポリカーボネートポリオール、或いは、前記ポリオールの２、又はそれ以上の混合物からなる。ここで、各ポリオールはエーテル基と炭酸塩基の両者からなる。

そのように作成されたポリウレタンは、前記の物質における、高耐摩耗性、亀裂形成・亀裂進展の低傾向、水、油、酸、アルカリ液、水溶液への低感応性、低膨潤傾向により区別される。

本発明の他の有用な態様は、従属項により明らかになる。

少なくとも２種類のプレポリマーや少なくとも２種類のポリオールの混合比率は、好ましくは、９０：１０〜１０：９０までで、（より）好ましくは５０：５０である。特に、後者の混合比率は、反応比率、膨潤と同様な粘性、動的挙動での加工性の点において、特に有利である。更に特に、前記の混合比率は粘性面においても有利であるとみなされる。

本発明の有利な態様によれば、プレポリマーは、ポリオールの混合物と共に、４，４’−ジフェニルメタンジイソシアネート（ＭＤＩ）、トルエン−２，４−ジイソシアネート（ＴＤＩ）、３，３’−ジメチル−４，４’−ビフェニレンジイソシアネート（ＴＯＤＩ）、１，４−フェニレンジイソシアネート（ＰＰＤＩ）、ナフタリン−１，５−ジイソシアネート（ＭＤＩ）、トルエン−２，４−ジイソシアネート（ＴＤＩ）、３−３’−ジメチル−４，４’−ビフェニレンジイソシアネート（ＴＯＤＩ）、１，４−フェニレンジイソシアネート（ＰＰＤＩ）、ナフタリン−１，５−ジイソシアネート（ＮＤＩ）、４，４−ジベンジルジイソシアネート（ＤＢＤＩ）の反応生成物とすることができる。ＭＤＩは最も安価なジイソシアネートであり、ＰＰＤＩはよい動的挙動と加水分解安定性で区別され、ＮＤＩはよい耐熱、耐水性を備え、ＤＢＤＩは高弾性率を備え、ＴＯＤＩも同様によい耐熱性、加水分解安定性と唯一、軽破壊性傾向を有する。

ポリオールは、以下から選定することが好ましい。すなわち、ポリエステルポリオール（例 ポリカプローラクトンポリオール）、ポリエーテルポリオール （例 ポリテトラエチレンエーテルグリコール（ＰＴＭＥＧ））、ポリプロピレングリコール（ＰＰＧ）、ポリエチレングリコール（ＰＥＧ）、又はポリヘキサメチレンエーテルグリコール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、ペルフルオロポリエーテルポリオール、シリコンポリオール（例 シリコンジオール）である。前記のポリオールは市販され購入が可能であり、要求通りに加工、混合することができる。

ポリオールの分子量は１０００〜３０００ｇ／モルが好ましい。

架橋結合はエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、１，４−ブタジオール、１，３−プロパンジオール、１，５−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ジヒドロキシメチルプロピオン酸（ＤＨＰＡ）、ヒドロキノネ ビス（２−ヒドロキシエチル）エーテル（ＨＱＥＥ）、ヒドロキシフェニルエーテルレゾシノル（ＨＥＲ）、トリメチルプロパン（ＴＭＰ）、ヒドラジン、エチレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン（ＤＥＤＴＡ）、ジエチルメチルベンゼンジアミン（ＤＥＴＤＡ）、メチレン−ビス−オルソクロロアニリン（ＭＯＣＡ）、ジメチルチオトルエンジアミン（ＤＭＴＤＡ）、トリメチレングリコールジ（ｐ−アミンベンゾエート）（ＴＭＡＢ）、４−４’−メチレン−ビス−（３−クロロ−２，６−ジエチルアニリン）（ＭＣＤＥＡ）、４−４’−メチレン−ビス−（２，６−ジエチルアニリン）（ＭＤＥＡ）、トリイソプロパノールアミン（ＴＩＰＡ）、ビス−（４−アミノシクロヘキシル）−メタン（ＰＡＣＭ）から選択するのが好ましい。

架橋結合は更に、ポリオールの一部、又はプレポリマーの作成のために使用される１つ、又はそれ以上のポリオールとすることも可能である。

本発明の有利な実施例によれば、プレスジャケットは複数の層とできる。そのうち、少なくとも最外側層には、請求項１、及び／又は請求項４、及び／又は請求項７記載のプレポリマー混合物を含む。これは、プレスジャケットの化学的、機械的、動的挙動が、これにより相互別個に整合できるため有利である。

本発明の更なる有利な態様によれば、請求項１、及び／又は請求項４、及び／又は請求項７の記載のプレポリマー混合物は、領域、好ましくは最外側層の端部領域においてのみ提供できる。これにより、紙ウェブ端部が走行する高圧端部領域が摩耗するのを顕著に防止できる。

シュープレスローラ用プレスジャケット。

本発明について、好ましい実施例と共に、以下、更に詳述する。

従来、シュープレスローラ用プレスジャケットはポリウレタン材でできていた。糸状補強材はポリウレタンマトリックスに包埋されていた。補強材は糸のノンクリンプ織物、又は織布とすることも可能である。（このことは）先行技術から十分によく知られているため、この点についてより詳述することは不要であろう。

従来、プレスジャケットはポリウレタンをタイプに流し込んで作成されていた。補強材は、キャストコア上の最初のワウンド（ｗｏｕｎｄ）であり、更にポリウレタンは、キャストコアの長手方向に対置可能なノズルから流し込まれる。同時に、キャストコアはノズル下の長手方向軸について回転する。それにより、ポリウレタンは帯上コートに流し込まれる。ワインディング（ｗｉＮＤＩｎｇｓ）は、少なくとも相互の端部から端部に隣接するものである。

アプリケーションは１枚、又はそれ以上の層で行われ、それにより、異なる層の勾配フィルターのような材料のバリエーションが可能となる。ポリウレタンが硬化した場合、プレスジャケットは、更なる処理手段、例えば、表面構造を提供し、最終的にキャストコアから除去されることとなる。

上記工程は、ポリウレタン混合物への様々な要求を引き起こす。一方で、ノズルから離れる上でのその粘性は、平均的なアプリケーションに許容しなければならず、また一方で、ポリウレタンは薄すぎてはいけない。さもなければ、キャストコアが回転にあわせて、走行し、垂れてしまうからである。ポリウレタンの架橋が時間の経過とともに示す、いわゆるポットライフは、ポリウレタンがアプリケーション上で、垂れず、しかし、次のワインディング（ｗｉＮＤＩｎｇｓ）でポリウレタン組成物への新たな適用に伴い、ボンド内へ入れるため十分反応するように、必要な剛性を持って選定されるべきである。

シュープレスローラのプレスジャケットは、前記において既に短く触れたように、多くの化学的、機械的圧力をも受容する。湿潤な周囲環境から離れて、含有水分が特に 油含有物質と更なる化学物質にも含まれるのと同様に、プレスジャケット上の機械的圧力は特に顕著なものである。ニップへの入出といった反対方向の曲げモーメントの結果として、プレスジャケットは、ニップ内で一般的な圧力に加え、時には反対方向への動圧力を受けることとなる。プレスジャケットの材料が化学的作用や膨潤によって弱められれば、プレスジャケットを故障に導くことになる亀裂が発生する。従って、もし、例えば、ポリウレタンが層間剥離したり、プレスジャケットの部品が外れることになれば、プレスローラや機器の付随する部位への深刻な損傷が引き起こされる。特に作業員の職務上の安全面との関係で、プレスジャケットの安全作業はここでは大変重要なものである。

プレスジャケット製品への前記の要求と許容限度を考慮し、機械的、化学的高耐性と同様、優れた動的挙動をも有するポリウレタン混合物について以下に述べる。

ポリウレタンの原材料は主に、イソシアネート、ポリオール、ポリアミンである。従来は、イソシアネートプレポリマーが用いられていた。イソシアネートプレポリマーは、ポリオール、又はポリオールの混合物の一部が反応したイソシアネートモノマーから形成される。ジイソシアネートは最高の柔軟性と動的な負荷容量を有するため、特に重要なものである。

ポリウレタンの特性は、イソシアネートモノマーのタイプ、自由モノマーの比率、ＸＨ／ＮＣＯ率、機能性とポリオールの分子量のタイプ、機能性とポリアミンの分子量のタイプ、存在するフィルター、触媒等の多くの要因に依存する。

プレスジャケットに使用されるポリオールとしては、特にポリエステルポリオール（例 ポリカプローラクトンポリオール）、ポリエステルポリオール（例 ポリテトラメチレンエーテルグリコール（ＰＴＭＥＧ））、ポリプロピレングリコール（ＰＰＧ）、ポリエチレングリコール（ＰＥＧ）、又はポリヘキサメチレンエーテルグリコール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、ペルフルオロポリエーテルポリオール、シリコンポリオール（例 シリコンジオール）等が用いられる。ポリオールの分子量は１０００〜３０００g／モルが好ましい。

架橋結合として用いられるポリアミン及び／又はポリオールは、ヒドラジン、エチレンジアミン、ジエチレントルエンジアミン（ＤＥＤＴＡ）、ジエチルメチルベンゼンジアミン（ＤＥＴＤＡ）、メチレン−ビス−オルソクロロアニリン（ＭＯＣＡ）、ジメチルチオトルエンジアミン（ＤＭＴＤＡ）、トリメチレングリコールジ（ｐ−アミノベンゾネート）（ＴＭＡＢ）、４，４’−メチレン−ビス−（３−クロロ−２，６−ジエチルアニリン）（ＭＤＥＡ）、トリイソプロパノールアミン（ＴＩＰＡ）、ビス−（４−アミノシクロヘキシル）−メタン（ＰＡＣＭ）、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、１，４−ブタジエンジオール、１，３−プロパンジオール、１，５−ペンタネジオール、１，６−ヘキサネジオール、ポリエチレングリコール、ジヒドロキシメチルプロピオン酸（ＤＨＰＡ）、ヒドロキノネビス−（２−ヒドロキシエチル）エーテル（ＨＱＥＥ）、ヒドロキシフェニルエーテルリゾシノール（ＨＥＲ）、トリメチルプロパン（ＴＭＰ）等から選択できる。架橋結合は更にポリオールの一部からなり、又はプレポリマーの作成に用いられる１つ、又はそれ以上のポリオールからなることができる。

プレスジャケット用ポリウレタンマトリックスの最も重要な機械的特性は、前記物質の低膨潤傾向と同様、摩耗耐性、亀裂形成・亀裂進展の低傾向、水、油、酸、アルカリ液、水溶液への低感応性にある。

ＭＤＩ−、ＮＤＩ−、ＴＤＩ−、ＴＯＤＩ−、ＰＰＤＩ−、ＤＢＤＩ−基ポリウレタンの有利な特性は、既に周知である。ＰＴＭＥＧは、高機能ポリウレタンエラストマーの生成に用いられる従来のポリオールである。ＰＴＭＥＧの不利な点は、プレスジャケットの耐用期間を減じさせる低い熱酸化安定性にある。

一方、ＰＴＭＥＧ−系ポリウレタンの動的挙動は、他の（ポリエステル）ポリオールに比し、良い傾向にある。

ポリカーボネートジオール（ＰＣＤＬ）は現在のところ、比較的高価であり、その高粘性により処理が困難である。進化した、又は混合した特性は、２種類の異なったポリオールが相互に混合する場合、期待するほど体系化されていない。それどころか、一方が他方の分子配列に干渉したりさえする。同様に、ハード／ソフトセグメントの配列は、特性の悪化を招き、妨げとなる。

しかし、意外にも、以上詳述した例によって選ばれたポリオールが、顕著な混合特性を持ち、従って、当初述べたプレスジャケットにおいて期待された適用に高く適合していることをテストは示している。

更なる利点は、混合物の粘性が適度に残留するため、費用が軽減され、処理が簡単なことである。

＜好ましい実施例＞
本発明の好ましい実施例として、２つのプレポリマー（ＭＤＩ−ＰＴＭＥＧ）：（ＭＤＩ−ＰＣＤＬ）の重量が９０：１０〜１０：９０までの混合物で構成されるポリウレタンマトリックスを挙げることができる。２つのプレポリマー（ＭＤＩ−ＰＴＭＥＧ）：（ＭＤＩ−ＰＣＤＬ）の重量が５０：５０の混合物が特に好ましい。粘性面で、最も顕著なピークが、前記の混合比率で与えられる。

実験室テストで、２種類のプレポリマー（ＭＤＩ−ＰＴＭＥＧ）：（ＭＤＩ−ＰＣＤＬ）の重量が５０：５０の混合物は、次の特性プロファイル、すなわち、膨潤減少（水、及び、過酸化水素中）、良い動的挙動、処理可能なプレポリマーの平均的粘性を与えることが示された。ここで、架橋結合は、８０％モルまでのＭＣＤＥＡと２０％モルまでのポリカーボネートジオールからなる。好ましい硬度は、ショアＡが９０〜９７である。関連トレーニングを受けた当業者は、化学量論量が０．８５〜１．１５の間に留まるべきとの要求に基づき、プレポリマーと架橋結合の正しい混合比率を決定することができる。

ＭＣＤＥＡを有する架橋結合の場合、特に高過ぎるようになる反応比率の問題は、５０：５０の混合物によって効果的に解消される。反応比率は低減される。

６０％で５０：５０の混合物の場合、酸化剤（過酸化水素水）による膨潤は、強く比例して減少する。

２つのポリオールＰＴＭＥＧとＰＣＤＬの混合物が作成され、更にＭＤＩと反応に至ることがまず想定される。その際、プレポリマーはＭＤＩ／（ＰＴＭＥＧ−ＰＣＤＬ）から作成される。

更に、プレポリマーがＭＤＩポリエーテルポリカーボネートポリオールからなり、それに応じてポリオールがエーテル基と炭酸塩基からなるという解決手段が想定できる。

ＭＤＩは全体、又は一部をＰＰＤＩ、ＴＤＩ、ＴＯＤＩ、ＤＢＤＩ、ＮＤＩによって置き換えることが可能である。

更に、プレスジャケットが軸数の層からなることが想定できる。プレスフェルト及び／又は繊維材料ウェブと接することになり、続いて、水と他の化学物質にさらされる外層は、こうして、前記の本発明に従ったプレポリマー混合物使用の結果として、特に膨潤に対抗可能となる。しかし、内層は異なるプレポリマーから構成されることも可能である。これは、特に プレスジャケットの機械的・化学的特性が相互別個に影響し合うことができる利点である。

同様に、前記のプレポリマー混合物がジャケットの特定領域、例えばシュー端部でのみ使用されることも想定できる。一方で、プレスシュー端部のプレスジャケット上の機械的挙動のため、また、一方で、ペーパーウェブ端部が振動によって機械的に端部領域に応力が掛かるため、このような領域では特に高圧力である。

本発明は特許請求の範囲第１項、第２項の前提部分に記載したように繊維材料ウェブ等を製造する機械において、繊維材料ウェブ、特に紙ウェブ、ボール紙ウェブ、薄葉紙ウェブ若しくはセルロースウェブを脱水するシュープレスのプレスローラ用のプレスジャケットに関するものである。

本目的は、一般的な特徴と併せた各場合における特許請求の範囲第１項、第２項の特性によって実現される。

本発明の有利な実施例によれば、プレスジャケットは複数の層とできる。そのうち、少なくとも最外側層には、請求項１、及び／又は請求項２記載のプレポリマー混合物を含む。これは、プレスジャケットの化学的、機械的、動的挙動が、これにより相互別個に整合できるため有利である。

本発明の更なる有利な態様によれば、請求項１、及び／又は請求項２の記載のプレポリマー混合物は、領域、好ましくは最外側層の端部領域においてのみ提供できる。これにより、紙ウェブ端部が走行する高圧端部領域が摩耗するのを顕著に防止できる。

従来、シュープレスローラ用プレスジャケット（１）はポリウレタン材でできていた。糸状補強材（３）はポリウレタンマトリックス（２）に包埋されていた。補強材は糸のノンクリンプ織物、又は織布とすることも可能である。（このことは）先行技術から十分によく知られているため、この点についてより詳述することは不要であろう。

Claims (12)

1. プレスローラ、特に繊維材料ウェブ、特に紙ウェブ、ボール紙ウェブ、薄葉紙ウェブ若しくはセルロースウェブの脱水用のシュープレスのプレスローラ用の、又はウェブの製造若しくは加工用の機械、特に抄紙機、ボール紙抄紙機若しくは薄葉紙抄紙機用のコンベヤベルト用の、プレスジャケットであって、
   前記プレスジャケット又は前記コンベヤベルトは、ポリウレタンを含有する少なくとも１枚の層を含む、プレスジャケットにおいて、
   前記少なくとも１枚の層は、少なくとも２種類のプレポリマーからなる混合物を有するポリウレタンマトリックスを含有し、
   各前記プレポリマーは、２種類の異なるポリオールとポリイソシアネートとの反応生成物である
   ことを特徴とする、プレスジャケット。
2. 前記少なくとも２種類のプレポリマーの混合比率は、９５：５〜５：９５、好ましくは５０：５０であることを特徴とする、請求項１に記載のプレスジャケット。
3. 前記プレポリマーは、４，４’−ジフェニルメタンジイソシアネート（ＭＤＩ）、トルエン−２，４−ジイソシアネート（ＴＤＩ）、３，３’−ジメチル−４，４’−ビフェニレンジイソシアネート（ＴＯＤＩ）、１，４−フェニレンジイソシアネート（ＰＰＤＩ）、ナフタレン−１，５−ジイソシアネート（ＮＤＩ）又は４，４−ジベンジルジイソシアネート（ＤＢＤＩ）とそれぞれのポリオールとの反応生成物であることを特徴とする、請求項１又は２に記載のプレスジャケット。
4. プレスローラ、特に繊維材料ウェブ、特に紙ウェブ、ボール紙ウェブ、薄葉紙ウェブ若しくはセルロースウェブの脱水用のシュープレスのプレスローラ用の、又はウェブの製造若しくは加工用の機械、特に抄紙機、ボール紙抄紙機若しくは薄葉紙抄紙機用のコンベヤベルト用の、プレスジャケットであって、
   前記プレスジャケット又は前記コンベヤベルトは、ポリウレタンを含有する少なくとも１枚の層を含む、プレスジャケットにおいて、
   前記少なくとも１枚の層は、プレポリマーを有するポリウレタンマトリックスを含有し、
   前記プレポリマーは、２種類の異なるポリオールの混合物とポリイソシアネートとの反応生成物である
   ことを特徴とする、プレスジャケット。
5. 前記少なくとも２種類のプレポリマーの混合比率は、９５：５〜５：９５、好ましくは７５：２５〜５０：５０、特に好ましくは５０：５０であることを特徴とする、請求項４に記載のプレスジャケット。
6. 前記プレポリマーは、４，４’−ジフェニルメタンジイソシアネート（ＭＤＩ）、トルエン−２，４−ジイソシアネート（ＴＤＩ）、３，３’−ジメチル−４，４’−ビフェニレンジイソシアネート（ＴＯＤＩ）、１，４−フェニレンジイソシアネート（ＰＰＤＩ）、ナフタレン−１，５−ジイソシアネート（ＮＤＩ）又は４，４−ジベンジルジイソシアネート（ＤＢＤＩ）と少なくとも２種類のポリオールの混合物との反応生成物であることを特徴とする、請求項４又は５に記載のプレスジャケット。
7. プレスローラ、特に繊維材料ウェブ、特に紙ウェブ、ボール紙ウェブ、薄葉紙ウェブ若しくはセルロースウェブの脱水用のシュープレスのプレスローラ用の、又はウェブの製造若しくは加工用の機械、特に抄紙機、ボール紙抄紙機若しくは薄葉紙抄紙機用のコンベヤベルト用の、プレスジャケットであって、
   前記プレスジャケット又は前記コンベヤベルトは、ポリウレタンを含有する少なくとも１枚の層を含む、プレスジャケットにおいて、
   前記少なくとも１枚の層は、プレポリマーを含むポリウレタンマトリックスを含み、
   前記プレポリマーは、ポリイソシアネート、特に４，４’−ジフェニルメタンジイソシアネート（ＭＤＩ）、トルエン−２，４−ジイソシアネート（ＴＤＩ）、３，３’−ジメチル−４，４’−ビフェニレンジイソシアネート（ＴＯＤＩ）、１，４−フェニレンジイソシアネート（ＰＰＤＩ）、ナフタレン−１，５−ジイソシアネート（ＮＤＩ）又は４，４−ジベンジルイソシアネート（ＤＢＤＩ）と、ポリエーテル基及びカーボネート基を含有するポリエーテル−ポリカーボネート−ポリオールとの反応生成物であることを特徴とする、プレスジャケット。
8. 前記ポリオールは、ポリエステルポリオール、特にポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール（例えばポリテトラメチレンエーテルグリコール（ＰＴＭＥＧ））、ポリプロピレングリコール（ＰＰＧ）、ポリエチレングリコール（ＰＥＧ）又はポリヘキサメチレンエーテルグリコール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、パーフルオロポリエーテルポリオール又はシリコンポリオール、特にシリコンジオールから選択されることを特徴とする、請求項１〜７のいずれか一項に記載のプレスジャケット。
9. 架橋結合は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、１，４−ブタンジオール、１，３−プロパンジオール、１，５−ペンタンジオール、１，６−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ジヒドロキシメチルプロピオン酸（ＤＨＰＡ）、ヒドロキノンビス２−ヒドロキシエチルエーテル（ＨＱＥＥ）、ヒドロキシフェニルエーテルレゾルシノール（ＨＥＲ）、トリメチロールプロパン（ＴＭＰ）、ヒドラジン、エチレンジアミン、ジエチレントルエンジアミン（ＤＥＤＴＡ）、ジエチルメチルベンゼンジアミン（ＤＥＴＤＡ）、メチレンビスオルトクロロアニリン（ＭＯＣＡ）、ジメチルチオトルエンジアミン（ＤＭＴＤＡ）、トリメチレングリコールジ（ｐ−アミノベンゾエート）（ＴＭＡＢ）、４，４’−メチレン−ビス−（３−クロロ−２，６−ジエチルアニリン）（ＭＣＤＥＡ）、４，４’−メチレン−ビス−（２，６−ジエチルアニリン）（ＭＤＥＡ）、トリイソプロパノールアミン（ＴＩＰＡ）、ｐ−ビス（アミノシクロヘキシル）メタン（ＰＡＣＭ）から選択されること；及び／又は
   前記架橋結合の一部若しくは全部は、前記プレポリマーを生成する際の原料となる前記ポリオールからなるか、若しくは前記ポリオールの少なくとも１つを含有すること
   を特徴とする、請求項１〜８のいずれか一項に記載のプレスジャケット。
10. 前記ポリオールの分子量は、１０００〜３０００ｇ／モルの値を取ることを特徴とする、請求項８又は９に記載のプレスジャケット。
11. 前記プレスジャケットは、複数の層から構成され、
    少なくとも最も外側の前記層は、請求項１及び／又は請求項４及び／又は請求項７に記載のプレポリマー混合物を含む
    ことを特徴とする、請求項１〜１０のいずれか一項に記載のプレスジャケット。
12. 請求項１及び／又は請求項４及び／又は請求項７に記載の前記プレポリマー混合物は、少なくとも局所的に、好ましくは前記最も外側の層の縁部に設けられることを特徴とする、請求項１０に記載のプレスジャケット。